多剤耐性グラム陰性菌に対する ペプチド抗生物質の開発 - jst...bama bamb bama...

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1 多剤耐性グラム陰性菌に対する ペプチド抗生物質の開発 東海大学・医学部・基礎医学系分子生命科学 准教授 良原栄策

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Page 1: 多剤耐性グラム陰性菌に対する ペプチド抗生物質の開発 - JST...BamA BamB BamA BamB peptide タンパク―タンパク間相互作用をペプチドによって阻害する

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多剤耐性グラム陰性菌に対する

ペプチド抗生物質の開発

東海大学・医学部・基礎医学系分子生命科学

准教授 良原栄策

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1994年に世界で使用された抗生剤の割合

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抗生剤による細菌感染症治療における問題

耐性菌の出現 : 特定の抗生剤が効かなくなる

多剤耐性菌の出現 : 多くの抗生剤が効かなくなる

医療崩壊

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問題となっている多剤耐性菌

ブドウ球菌 結核菌

アシネトバクター 緑膿菌

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ICAACにおいても世界規模で

問題となっている多剤耐性

緑膿菌およびアシネトバクター

に多くの関心が集まった

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新規抗生剤の発見と発売 (日本)

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多剤耐性グラム陰性菌に対する新しい治療薬の開発

新規治療薬の候補物質

薬剤ターゲットとなる可能性のある新規分子の探索

ターゲット分子の機能を効率的に阻害する分子の創製

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グラム陰性菌での新規薬剤ターゲット分子の探索

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BAM (b-barrel assembly machinery)複合体

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BAM複合体の機能をいかにして阻害するのか?

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BamA BamB

BamA BamB

peptide

タンパク―タンパク間相互作用をペプチドによって阻害する

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高度耐性緑膿菌に対するLTLRの作用

polymyxinB

LTLR ━

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0

20

40

60

80

100

120

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5

OFLX (mg/ml)

+ LTLR-NH2

生存

率(

%)

高度薬剤耐性緑膿菌のオフロキサシン(OFLX)感受性

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ペプチドLTLR-NH2は緑膿菌に作用して、菌を薬剤

に対してより感受性にする活性を有する

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BamA/BamD間相互作用を阻害するペプチド

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多剤耐性緑膿菌のOFLX感受性

0

20

40

60

80

100

120

0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4

生存率(%)

OFLX (mg/ml)

+ FIRL-NH2

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ペプチドFIRL-NH2は緑膿菌に作用して、菌を 薬剤に対してより感受性にする活性を持つ

ペプチドは緑膿菌の薬剤耐性を抑制する

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in vivoにおけるペプチドの活性

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マウス: Balb/C メス 7-8 週齢 緑膿菌: PAO1株 1. PAO1 30ulを気道感染 2. 以下の溶液30ulを投与 a. 生理食塩水 b. YiOT (FIRL-NH2) (5mM) c. LVFX (5mg/kg) d. YiOT (5mM) + LVFX (5mg/kg) 3. 6時間後の緑膿菌生菌数を測定

緑膿菌

a, b, c あるいはd 生菌数の測定

6時間

緑膿菌感染モデルマウスを用いた動物実験

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マウス内での緑膿菌に対するYiOTの作用

Bacterial growth(n=5)

contr

ol

YiOT (5

mM

)

LVFX (5m

g/kg)

YiOT+LVFX

1.0101

1.0102

1.0103

1.0104

1.0105

1.0106

1.0107

5.0*10^7 CFU/ml

**

CF

U/m

l

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ペプチド抗生物質の発明

ペプチド活性の最適化研究の過程

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0

20

40

60

80

100

120

0 0.2 0.4 0.6 0.8 1

Via

bilit

y (

%)

peptide LT2-N(mM)

LT2-Nの緑膿菌に対する殺菌作用

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Effect of peptide PA-1on viability of HeLa ( ) and MG63( ) cell

Via

bilit

y (%

)

100

0

1mM 2mM peptide LT2-N

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ペプチドLT2-Nは多剤耐性緑膿菌に対しても殺菌作用を示した

LT2-Nは新しいペプチド抗生物質となる可能性

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アシネトバクターに対する抗菌ペプチドの開発

BamB構造のアシネトバクターと緑膿菌の相違を利用する

アシネトバクター仕様のペプチドを作成

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0

20

40

60

80

100

120

0 100 200 300 400 500

Via

bilit

y (

%)

peptide FS2-N (mM)

アシネトバクター 緑膿菌

FS2-Nの殺菌作用

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多剤耐性緑膿菌および多剤耐性アシネトバクター

に抗菌活性を示す新しいペプチド抗生物質の開発

に成功できた

結論

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実用化に向けた課題

・多剤耐性化した緑膿菌およびアシネトバクターに対して有効な

ペプチド抗生物質の発明に成功したが、抗菌活性の増大を図る

事が課題である

・今回発明したペプチドが生体内でも有効に作用するかを検討

する必要がある

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企業への期待

• 新薬として使用するために必要な課題を熟知している製薬企業との共同研究を希望。

• 多剤耐性グラム陰性菌に有効な新薬の開発が急がれるが、共同研究によってそれを可能にしたいと希望している。

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 :抗グラム陰性菌剤

• 出願番号 :特願2011-043824

• 出願人 :東海大学

• 発明者 :良原栄策、猪子英俊、

光永滋樹

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問い合わせ先

東海大学

研究支援・知財本部プロジェクトマネージャー

高柳 一男

TEL 0463-59- 4364

FAX 0463-58- 1812

e-mail tk087628@tsc.u-tokai.ac.jp