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4EDA000001 取扱説明書 小形低圧三相かご形誘導電動機 東芝モートル(屋内形、屋外形) <プレミアムゴールドモートル> (枠番号 80M~160L) お願い ・この取扱説明書は実際にご使用になるかたのお手元に必ず届くよう、 お取り計らいください。 ・ご使用の前にこの取扱説明書を必ずお読みください。 ・この取扱説明書はいつも取り出せる場所に保管してください。 ・本書の内容の一部または全部を無断で転載することは禁止されています。

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4EDA000001

取扱説明書

小形低圧三相かご形誘導電動機

東芝モートル(屋内形、屋外形)

<プレミアムゴールドモートル>

(枠番号 80M~160L)

お願い

・この取扱説明書は実際にご使用になるかたのお手元に必ず届くよう、

お取り計らいください。

・ご使用の前にこの取扱説明書を必ずお読みください。

・この取扱説明書はいつも取り出せる場所に保管してください。

・本書の内容の一部または全部を無断で転載することは禁止されています。

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安全上のご注意

-i-

4EDA000001

安全上のご注意 この取扱説明書には、運搬・据付・運転・保守点検の作業をされる方や他の方への危害と財産へ

の損害を未然に防ぎ、安全に正しくお使いいただくために、重要な内容を記載しています。

次の内容(表示・図記号)を良く理解してから本文をお読みになり、記載事項をお守りくだ

さい。

表示の説明

表示

表示の意味

危険 “回避しないと、死亡又は重傷*1を招く差し迫った危険な状況になること”を

示します。

警告 “回避しないと、死亡又は重傷*1を招くおそれがある危険な状況になること”

を示します。

注意 “回避しないと、軽傷又は中程度の傷害*2を招くおそれがある危険な状況

および物的損害*3のみの発生を招くおそれがあること”を示します。

*1:重傷とは、失明・けが、やけど(高温・低温)、感電、骨折、中毒などで、後遺症が残るもの、

および治療に入院・長期の通院を要するものをさします。

*2:傷害とは、治療に入院や長期の通院を要さない、けが・やけど・感電などをさします。

*3:物的損害とは、財産・資材の破損にかかわる拡大損害をさします。

図記号の説明

図記号 図記号の意味

禁止

“ ”は禁止(してはいけないこと)を示します。

具体的な禁止内容は、図記号の中や近くに絵や文章で指示します。

指示

“ ”は指示(必ずすること)を示します。

具体的な指示内容は、図記号の中や近くに絵や文章で指示します。

免責事項について

• 火災、地震、第三者による行為、その他の事故、お客様の故意または過失、誤用、その他異

常な条件下での使用により生じた損害に関して、当社は一切責任を負いません。

• モータの使用または使用不能から生ずる付随的な損害(事業利益の損失、事業の中断など)

に関して、当社は一切責任を負いません。

• 取扱説明書の記載内容を守らないことにより生じた損害に関して、当社は一切責任を負い

ません。

• 接続機器との組合わせによる誤動作などから生じた損害に関して、当社は一切責任を負い

ません。

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安全上のご注意

-ii-

4EDA000001

安全上のご注意(つづき) 用途限定について

• 人の生命に関わる装置*1および人の安全に関与し、公共の機能維持に重大な影響をおよ

ぼす装置*2などにお使いになるときは、特別な配慮*3が必要ですので、必ず当社へお知

らせください。配慮せずに使用すると重大な事故を起こす原因となります。

*1 ・手術室用機器

・生命維持装置(人工透析、保育器など)

・有毒ガスなどの排ガス、排煙装置

・消防法、建築基準などの各種法令により設置が義務づけられている装置

・各種安全装置および上記に準ずる装置

*2 ・航空、鉄道、海運など交通管制、または制御を行なう装置

・原子力発電所などの制御を行なう装置

・通信制御装置

・上記に準ずる装置

*3 ・本製品の据付け、運用、管理に関して機器設計者と十分な協議を行ない、本製

品の故障におけるバックアップシステムを事前に構築することをいいます。

• クリーンルームや食品機械等にお使いになるときは事前に当社へお知らせください。

特別な処置を施してない標準品をそのままお使いになると、軸受ブラケットと固定子枠

のインロー部や軸貫通部からグリースや油分が滲み出ることがあります。油分を嫌う場

所にお使いになるときは特別な配慮が必要です。

• 本モータは防爆形モータではありません。

爆発性・引火性・腐食性の雰囲気中では使用しないでください。このような雰囲気の所

ではその場所の危険度に適合した防爆形モータを使用してください。

作業者について

• 電源および接地線の配線接続作業は、一般電気工作物については電気工事士が行なって

ください。また、自家用電気工作物については、電気主任技術者の指示に従ってくださ

い。

• 運搬・据付・運転・保守点検作業は、専門知識のある方が行なって下さい。また、作業

時は必要な保護具(長袖作業服、安全帯、ヘルメット、安全靴、手袋など)を着用して

ください。

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安全上のご注意

-iii-

4EDA000001

安全上のご注意(つづき) 警告表示の一覧

危険

禁止

■爆発性、引火性、腐食性ガスや蒸気の雰囲気中に据付けない

ガスに引火し、爆発の恐れがあります。

指示

■異常が発生したときは、直ちに元電源を切る

そのまま運転を続けると、火災・感電の恐れがあります。

■停電が発生したときは、直ちに元電源を切る

通電開始時にモータが動き出し、けがの恐れがあります。

禁止

■運転中は、回転体(軸など)に接近したり、接触したりしない

巻き込まれ、けがの恐れがあります。

■運転中、開口部に手を入れない

けがの恐れがあります。

警告

指示

■モータを運搬するとき

・吊りボルト付きモータは吊りボルトを使う

・同時に吊りボルトにゆるみがないことを確認する

・吊りボルトのないものはフレームを両手で持って運ぶ

落下転倒により、けが、破損の恐れがあります。

■吊り具は定格荷重がモータ質量以上のものを使用する

落下転倒により、けが、破損の恐れがあります。

■周囲条件(表 1)の範囲内で使用する

守らないと、火災・感電・けがの恐れがあります。

禁止

■屋内形:水などの液体のかかるところに据え付けない

■屋外形:冠水、雪による埋没の恐れのあるところに据え付けない

火災・感電の恐れがあります。

指示

■天井や壁面へ取付ける場合は技術資料、カタログに従う

不適合があると落下し、けがや破損の恐れがあります。

■ベースやフランジ面への取付ボルトは適正トルクで締め付ける

緩みによって、破損やけがの恐れがあります。

■露出した回転部は保護カバーなどで覆う

運転中に巻き込まれて、けがの恐れがあります。

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安全上のご注意

-iv-

4EDA000001

安全上のご注意(つづき)

警告

指示

■端子箱内部に触れるときは、元電源を切ってから行なう

感電の恐れがあります。

開放した元電源には“操作禁止”の札を掛け、作業中の誤操作を防止する。

■結線は端子箱内の結線図または本取扱説明書によって行なう

間違った配線は、火災・感電の恐れがあります。

■ねじ締めによる配線接続は決められたトルクで締め付ける

火災・感電の恐れがあります。

接地

■アース(接地)をする

漏電したとき、火災・感電の恐れがあります。

禁止

■端子箱カバーを取外した状態で運転しない

感電の恐れがあります。

分解禁止

■分解・改造・修理(*)をしない

火災・感電・けがの恐れがあります。

(*)修理は「8.1 モータの修理等について」(29ページ)を参照のこと。

指示

■定期点検は、運転を停止し、元電源を切ってから行なう

感電の恐れがあります。

開放した元電源には“操作禁止”の札を掛け、作業中の誤操作を防止する。

注意

禁止

■天地を逆にして開梱しない

転倒してけがをする恐れがあります。

接触禁止

■キー溝は素手でさわらない

鋭利な角でけがの恐れがあります。

■絶縁抵抗測定時は、端子に触れない

感電の恐れがあります。

禁止

■持ち運ぶとき、軸端、端子箱、リード線、ファンカバーを持たない

部品破損により、けがの恐れがあります。

■モータの吊りボルトを使用して機械装置全体を吊らない

落下転倒により、けが、破損の恐れがあります。

指示

■機械との結合の前に回転方向を確認する

回転方向が合わないと装置破損の恐れがあります。

■負荷との結合は芯出し、ベルト張り、プーリの平行など取付け基準を

守る

装置破損による破片飛散などにより、けがをする恐れがあります。

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安全上のご注意

-v-

4EDA000001

安全上のご注意(つづき)

注意

指示

■モータ単体で回転させるときは、軸に仮止めのキーを取外す

キーが飛散してけがの恐れがあります。

禁止

■モータ周辺部に可燃物や通風を妨げるものを置かない

火災の恐れがあります。

接触禁止

■運転中や停止直後はモータに手や体を接触させない

やけどをする恐れがあります。

指示

■2コンタクタ方式の停止では常に元電源を切る

停止中でも電圧が印加されており、絶縁劣化で早期に焼損・火災に至る恐れが

あります。

■不要の用品や部品を廃棄する場合は、専門の廃棄物処理業者(*)に依頼

する

産業廃棄物の収集・運搬および処分は、許可を受けていない者が行なうと

法律により罰せられます。

(*)専門の廃棄物処理業者とは、産業廃棄物の収集・運搬業者、産業廃棄物処分

業者を言います。

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はじめに

-vi-

4EDA000001

はじめに

このたびは、東芝モートルをご採用いただきまして、まことにありがとうございます。

この取扱説明書は、東芝モートル(屋内形、屋外形)(以降、モータと称す)をご使用いただ

くときの安全上のご注意と取扱い上の指示事項を示したものです。本文中、屋内形と屋外形を

区分する内容については、注釈付か、両方併記で説明しています。該当のモータと対照してお

読みください。

本文の主な内容は、モータの受入れ、据付け、運転、保守点検等の取扱い手順および確認事項

です。

ご説明の対象は、モータを実際に取り扱う方々としています。

モータの受入れ、据付け、運転、保守点検等の作業前にお読みいただき、記載事項をお守りく

ださい。

■ プレミアムゴールドモートル採用時のご注意

【モータ採用時】

プレミアムゴールドモートルは、発生損失を抑制しているため、標準モータに比べ一般的

に回転速度が速くなります。ポンプや送風機などの負荷で、標準モータを高効率モータに置

き換えた場合、この回転速度が速くなることにより、モータの出力が増加します。モータ効

率は高いのですが、出力が増加することにより、消費電力が増加する場合があります。

また、銅損低減のために(一次、二次)抵抗を低くしているため、始動電流が標準モータ

に対し高くなり、ブレーカなどの変更が必要になる場合があります。

【端子箱位置の変更】

枠番号90L~160Lのモータは脚の取付位置を変更できる構造となっていますが、お客様

での脚の取り外しは行わないでください。端子箱位置変更の際はご注文先の支社・支店営業

部(29ページ)もしくは販売店へご連絡下さい。

【エネルギー消費効率】

エネルギー消費効率につきましては試験成績表にてご確認願います。

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目 次

-vii-

4EDA000001

目 次 安全上のご注意 ............................................................................................................................................................ i

はじめに ......................................................................................................................................................................... vi

目 次 ................................................................................................................................................................................ vii

1.概 要 ........................................................................................................................................................................ 1 1.1 形状と各部の名称 .................................................................................................................................................... 1 1.2 形 式 .............................................................................................................................................................................. 2 1.3 銘 板 .............................................................................................................................................................................. 2

2.受入れ時の作業のしかた ............................................................................................................................. 3 2.1 受入時の確認.............................................................................................................................................................. 3 2.2 保管のしかた.............................................................................................................................................................. 4 2.3 運搬時の確認.............................................................................................................................................................. 5

3.据付けのしかた ................................................................................................................................................. 6 3.1 設置場所の確認 ......................................................................................................................................................... 6 3.2 据付け、固定のしかた .......................................................................................................................................... 7 3.3 負荷との結合のしかた .......................................................................................................................................... 9

4.配線のしかた ................................................................................................................................................... 13 4.1 配線時の確認事項 .................................................................................................................................................. 13 4.2 配線接続の方法 ....................................................................................................................................................... 16 4.3 スターデルタ始動器について .......................................................................................................................... 17

5.運転のしかた ................................................................................................................................................... 18 5.1 運転前の確認事項 .................................................................................................................................................. 19 5.2 通常運転のしかた .................................................................................................................................................. 20

6.保守点検 ............................................................................................................................................................. 21 6.1 日常点検 ..................................................................................................................................................................... 21 6.2 定期点検 ..................................................................................................................................................................... 24 6.3 長期間運転を休止する場合 ............................................................................................................................... 25 6.4 故障と手当 ................................................................................................................................................................ 26 6.5 更新時期 ..................................................................................................................................................................... 27

7.保 証 .................................................................................................................................................................. 28

8.修理・廃棄・サービスネットワーク ................................................................................................. 29 8.1 モータの修理等について ................................................................................................................................... 29 8.2 モータの廃棄について ........................................................................................................................................ 30 8.3 サービスネットワーク ........................................................................................................................................ 30

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1.概 要

-1-

4EDA000001

1.概 要 ここではモータ各部の名称、形式内容、銘板記載事項について述べます。

1.1 形状と各部の名称

図 1 全閉外扇形

吊りボルト 固定子枠(フレーム)

軸受ブラケット

キ ー 溝

軸(シャフト)

銘 板

ファンカバー

端 子 箱

水切カラー(屋外形のみ)

(*)鋼板製カバー付き

…24ページ 図 16参照

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1.概 要

-2-

4EDA000001

1.2 形 式 プレミアムゴールドモートル(東芝モートル)の形式表示は以下の内容を表します。

・形(TYPE)は電気的特徴を示し、相数や回転子構造などを表します。

・式(FORM)は機械的特徴を示し、外被構造や駆動方式などを表します。

形(TYPE)の代表例 式(FORM)の代表例

T K K H3 (15kW以上の例) F B K A 21E (屋内形の例)

I K K H3 (15kW未満の例) F B K AW 21E (屋外形の例)

(注1)15kW未満はTを省きます。

(注2)15kW以上はTKKH3の如く「I」を省きます。

図 2 形式の体系

1.3 銘 板

図 3 銘板記載内容(屋内形の例)

定格効率

I:誘導機

K:かご形回転子

K:二重かご形

B:ベルト運転

C:直結運転

T:三 相 E:全閉形

F:全閉外扇形

K:ころがり軸受付

L:フランジ形

A:アルミダイキャストフレーム

K:鋼板フレ-ム

W:屋外形

21E :ワールドエナジー21Eシリーズ

H3:高効率機

(IE3:プレミアム効率)

代表例

代表例 (注1,2)

定格出力 極数

定格電圧

定格周波数

定格電流

定格回転速度

形記号

式記号

軸受番号

(負荷側)

軸受番号

(反負荷側)

効率クラス

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2.受入れ時の作業のしかた

-3-

4EDA000001

2.受入れ時の作業のしかた

警告

指示

■モータを運搬するとき

・吊りボルト付きモータは吊りボルトを使う

・同時に吊りボルトにゆるみがないことを確認する

・吊りボルトのないものはフレームを両手で持って運ぶ

落下転倒により、けが、破損の恐れがあります。

■吊り具は定格荷重がモータ質量以上のものを使用する

落下転倒により、けが、破損の恐れがあります。

注意

禁止

■天地を逆にして開梱しない

転倒してけがをする恐れがあります。

接触禁止

■キー溝は素手でさわらない

鋭利な角でけがの恐れがあります。

■絶縁抵抗測定時は、端子に触れない

感電の恐れがあります。

禁止

■持ち運ぶとき、軸端、端子箱、リード線、ファンカバーを持たない

部品破損により、けがの恐れがあります。

■モータの吊りボルトを使用して機械装置全体を吊らない

落下転倒により、けが、破損の恐れがあります。

ここでは、受入れチェック、据付けまでの保管、運搬のしかたを述べます。

機械と組み合わせた状態での保管のしかたは、「6.3 長期間運転を休止する場合(25ページ)」

をご参照ください。

2.1 受入時の確認

受入れ時には次の事項を確認してください。

・開梱時は天地を逆にしないこと。

・銘板(図 3参照)に記載されている定格事項がご要求のものと一致していること。

・変色、変形、外傷がないこと。

・部品の破損、ねじなどのゆるみがないこと。

(万が一、モータに外傷や破損がある場合は、輸送事故の可能性もあるため、梱包にも損傷

がないか確認のこと。)

・軸を手(*)で回したとき、滑らかに回り、異常音がないこと。

(*)素手でキー溝に触れないでください。

万一、不都合のところがありましたら、ご注文先の支社・支店営業部(29ページ)もしくは販売

店へご連絡下さい。

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2.受入れ時の作業のしかた

-4-

4EDA000001

2.2 保管のしかた

■ 保管のときは、以下の項目を実施してください。

・モータは受入時の梱包状態に戻して保管する。

・保管場所の周囲条件は「表 1 設置場所の周囲条件(6ページ)」と同じにする。

・モータを積み重ねて置いたり、モータの上に重量物等を置かない。

・床面への直置きを避け、簀す

の子等を敷く。

・壁際から30cm以上離して置き、雨水がかからない場所とする。

■ 長期間保管する場合は3ヶ月ごとに次の項目を確認してください。

・軸を手(*)で回し、滑らかに回り、異常音がないこと。(軸受の発錆防止)

(*)素手でキー溝に触れないでください。

・長期保管モータを通電しますと、稀に軸受グリースの潤滑不足から異音を伴います。

この場合 30分~1時間程度で消滅するのなら使用上問題はありませんが、異音が消滅し

ない場合には当社サービス担当部門にお問合せ願います。

・リード線とアース間の絶縁抵抗が

1MΩ以上あること。(図 4参照)

測定時には、端子に触れないでください。

・長期保管についての詳細は別冊の長期保管要領書

(4EDA000013)を参照願います。

図 4 絶縁抵抗の測定

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2.受入れ時の作業のしかた

-5-

4EDA000001

2.3 運搬時の確認

モータを運搬するときは、モータの大きさ、質量、梱包状態等に留意し、作業を進めてください。

作業に必要な保護具(手袋など)を着用してください。

■ 吊りボルト付きのもの

お願い

・モータの吊りボルトを使用して機械装置全体を吊らないでください。

モータの吊りボルトはモータ単体の吊り上げのみに使用ください。

・吊りボルトにて吊り上げ、吊り下げ時、モータが傾く機種があります。モータ

が傾いた際に接触しないように注意してください。また、モータ設置時、モー

タが破損しないようにゆっくり降ろしてください。

・フランジ形のモータにおいて運搬用のアイボルト(未塗装品)が付いているも

のがあります。モータ運搬後、アイボルト(未塗装品)は取り外して使用して

ください。

・モータの質量を確認し、定格荷重の合った吊り具を選ぶこと。

・吊りボルトにゆるみがないことを確認すること。

・吊り上げ用フックを吊りボルトにかけて吊り上げること。

(図 5)

・急激な吊上げ、吊下げ、発進、停止をして、

モータに衝撃を与えないよう運搬すること。

・運搬時に軸端、端子箱、リード線、ファンカバー

などを持たないこと。

図 5 吊りボルト付のモータ運搬

■ 吊りボルトのないもの

・フレームを両手で持ち、運ぶこと。(図 6)

・運搬時に、軸端、端子箱、リード線、ファンカバーを

持たないこと。

・運搬中に衝撃を与えないこと。

図 6 吊りボルトのないモータの運搬

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3.据付けのしかた

-6-

4EDA000001

3.据付けのしかた ここでは、設置場所の確認、据付け、機械に結合までの一連の作業について述べます。設置場所

への運搬作業は、「2.3 運搬時の確認(5ページ)」に従い行なってください。

お願い ・モータの上部あるいは近辺で工事を行なうときはモータ全体を覆い、工具の落

下などによる損傷、塵埃による汚損等を防止してください。

3.1 設置場所の確認

危険

禁止

■爆発性、引火性、腐食性ガスや蒸気の雰囲気中に据付けない

ガスに引火し、爆発の恐れがあります。

警告

指示

■周囲条件(表 1)の範囲内で使用する

守らないと、火災・感電・けがの恐れがあります。

禁止

■屋内形:水などの液体のかかるところに据え付けない

■屋外形:冠水、雪による埋没の恐れのあるところに据え付けない

火災・感電の恐れがあります。

モータは表 1の条件を満たす場所に設置してください。

なお、受入れや保管時など一時的に仮置きする場合も、同じ条件の場所を選んでください。

表 1 設置場所の周囲条件

項 目 内 容

設 置 場 所 屋内形:屋内(水滴、飛沫のかかる恐れがないこと)

屋外形:屋内・屋外(冠水、雪による埋没の恐れがないこと)

冷 媒 温 度 -30~40℃(凍結のないこと)

湿 度 全閉形、全閉外扇形 ······························· 100%以下

標 高 1000m以下

ガス・蒸気 爆発性、引火性、腐食性ガスや蒸気がないこと

振 動 0.5G以下

注)上記周囲条件は当社標準仕様モータの場合です。

特別仕様で製作のモータは、その仕様を守ってください。

特に次の事項を確認してください。

・爆発性、引火性、腐食性ガスや蒸気がない場所であること。

・浸水、冠水の恐れがない場所であること。

・過度な塵埃がない場所であること。

・異常な衝撃が外部から加わらない場所であること。(0.5G以下)

・保守点検に支障のないよう、機器間隔が確保できていること。

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3.据付けのしかた

-7-

4EDA000001

・ファンカバー吸気口と障害物の間は10cm以上の隙間があること。

・モータの質量、騒音に対して十分に耐える基礎強度、周囲環境であること。

・電気炉など外部熱源の近辺を避け、直射日光があたらない場所であること。

・空気がよどまないよう換気されていること。

3.2 据付け、固定のしかた

警告

指示

■天井や壁面へ取付ける場合は技術資料、カタログに従う

不適合があると落下し、けがや破損の恐れがあります。

■ベースやフランジ面への取付ボルトは適正トルクで締め付ける

緩みによって、破損やけがの恐れがあります。

■露出した回転部は保護カバーなどで覆う

運転中に巻き込まれて、けがの恐れがあります。

お願い

・モータにスラスト荷重がかかる場合は軸受部の変更が必要になる場合があります

のでご相談ください。

・ファンなどのランナを取付ける場合、運転中にランナに塵埃が付着してアンバラ

ンスとなり軸受をいためますので、ご相談ください。

・モータの吊りボルトは、取り外さないでください。(運搬用の未塗装のものは除

きます。)万一取り外したり、再度取り付けて使用する場合は、ねじ穴から水や

異物が浸入しないように対策願います。特に屋外用では、ボルトやコンパウンド

などを詰めて防水保護をしてください。

モータの固定には、脚取付けのものとフランジ取付けのものがあります。

天井や壁面へモータを取付けて使用する場合、条件によって落下の恐れがあります。使用可能な

範囲を技術資料やカタログで確認し、記載内容に従ってください。

据付け、固定は次の手順で進めてください。

1)軸端に塗ってある防錆油と、フランジ形のフランジ面をきれいに清掃する。

2)ベースやフランジを取り付ける位置と取付け穴の寸法を確認する。

3)方向、位置を調整し、取付ボルトで固定する。

取付ボルトの締付トルクを表 2に示します。

取付ボルトの推奨ボルトサイズを表 3に示します。

負荷との結合作業時に、再度位置決めの微調整が

必要になります。

4)シャフトなどの露出した回転部は保護カバーなどで

覆う。(図 7参照)

図 7 保護カバーの取付

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3.据付けのしかた

-8-

4EDA000001

表 2 取付ボルトの締付トルク

■ 軟鋼ボルトの締付トルク ■ 黄銅ボルトの締付トルク

亜鉛メッキ、重クロム酸処理したボルト

で鉄鋼製品部を締付ける場合に適用す

る。他の場合も下限締付力を確保する。

無処理の黄銅ボルトで銅製品部又は黄

銅製品部を締付ける場合に適用する。

ボルト 締付トルク(N・m) ボルト 締付トルク(N・m)

M3 0.5 ~ 0.7 M3 0.4 ~ 0.6

M3.5 0.8 ~ 1.2 M3.5 0.7 ~ 0.95

M4 1.3 ~ 1.7 M4 1.1 ~ 1.4

M5 2.6 ~ 3.4 M5 2.1 ~ 2.85

M6 4.2 ~ 5.7 M6 3.4 ~ 4.5

M8 10.0 ~ 13.5 M8 8.3 ~ 11.3

M10 20.9 ~ 28.2 M10 16.7 ~ 22.6

M12 37.6 ~ 50.8 M12 31.7 ~ 42.9

M16 91.7 ~ 124 M16 79.1 ~ 107

M20 184 ~ 248 M20 159 ~ 214

M22 251 ~ 338 M22 209 ~ 281

M24 317 ~ 428 M24 267 ~ 360

注:トルク値の設定はトルクドライバー又はトルクレンチの最小目盛で上記基準内とする。

表 3 取付ボルトの推奨ボルトサイズ

■ 脚取付けの推奨ボルトサイズ ■ フランジ取付けの推奨ボルトサイズ

枠番号 推奨ボルトサイズ 枠番号 推奨ボルトサイズ

80M M8X20 80M M10X25

90L M8X20 90L M10X25

100L M10X25 100L M12X30

112M M10X30 112M M12X30

132S, M M10X30 132S, M M12X35

160M, L M12X40 160M, L M16X40

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3.据付けのしかた

-9-

4EDA000001

3.3 負荷との結合のしかた

注意

指示

■機械との結合の前に回転方向を確認する

回転方向が合わないと装置破損の恐れがあります。

■負荷との結合は芯出し、ベルト張り、プーリの平行など取付け基準を

守る

装置破損による破片飛散などにより、けがをする恐れがあります。

負荷との結合のしかたにはカップリング直結とベルト掛けがあります。負荷量(モータ軸にかか

る荷重および負荷の完成モーメント)がモータの定格と適合しているかを事前に確認してから、

作業を進めてください。

■ カップリングの取付け手順

1)カップリングの取付け部を油などで潤滑し、樹脂製ハンマーで軽く打って圧入する。

お願い

・ハンマーで打つとき大きい衝撃を与えないでください。軸や軸受を痛めます

・ファンカバーを下にした状態で、ハンマーで打たないでください。

ファンカバーの破損やファンカバー取付けボルトの緩みが生じます。また、転

倒してけがをする恐れがあります。

2)モータと相手機械(負荷)の回転方向を確認する。

3)モータと相手機械の軸(シャフト)の中心が一直線になるように芯出しする。

取付けの誤差許容範囲は、表 4に従ってください。

表 4 カップリング取付けの許容範囲

項目 リジッド

カップリング

フレキシブル

カップリング

A寸法 0.03mm以下 0.05mm以下

B寸法 0.03mm以下 0.04mm以下

X寸法 0mm以下 メーカ指定値

図 8 カップリング取付け精度

4)カップリングを固定する。

準備されたカップリングの指示に従って固定してください。

お願い ・モータの軸と相手機械の軸を平行にかみ合わせる「はすば歯車」など、軸方向

に荷重が加わる取付けの場合は当社までご相談ください。

X A

B X

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3.据付けのしかた

-10-

4EDA000001

■ ベルト掛けのしかた

1)プーリとベルトを準備する。

・「表 5(12ページ)」をご参照のうえ、適用するプーリとベルトを準備してください。

・2本以上のベルトを使用するときには、同じ周長のマッチドセットをご使用ください。

・図 9に示すように、プーリにはモータの通風冷却を妨げないようできるだけ大きな通風

穴をあけてください。

お願い

・プーリ径を表 5の記載値より小さくしたりベルト本数を増すと、軸の折損、

軸受損傷などの原因となります。このように使用する場合は当社までご相談

ください。

2)モータと相手機械の回転方向を確認する。

3)プーリを取り付ける。

・モータのシャフトの軸段付部や軸受に加わ

る荷重を最小にするためプーリのリム端面

とシャフトの軸段付部が同一面になるよう

にすること。

・荷重点をモータ側に近づけること。

4)プーリを固定する。

図 9 プーリの取付けかた

5)モータの軸と相手機械の軸(シャフト)を平行にし、両方のプーリの中心を結ぶ線が直角

になるよう配置し仮固定する。

6)ベルトを掛け、軸間距離を次のように調整する。

・新しくベルトを取り付ける場合は、必ず軸間距離を狭めてベルトをプーリに挿入後、ベル

トに張りを与えるようにする。

・表 5に示すたわみ荷重(Td)を図 10のように加えたときに、たわみ(δ)がスパン

長(t)の100mm当たり1.6mmになるように軸間距離(c)を調整する。

例:スパン長1000mmのときには、δ=1.6×1000/100=16mm

ベルトとプーリとの接触角度θが140°以上になるようにする。

t= C2-

δ=1.6×t/100

図 10 たわみ荷重調整

t:スパン長さ(mm)

c:軸間距離(mm)

θ:接触角(º)

D,d:プーリ径(mm)

Td:たわみ荷重(kg)

δ:たわみ(mm)

D-d 2

PW(プーリ幅)

通風穴

プーリ

荷重点

リム端面

軸段付部

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3.据付けのしかた

-11-

4EDA000001

お願い

・ベルトは張り過ぎると軸受を痛め、緩いと滑ってベルトを痛めたり、

外れたりしますので、取り付け基準を守ってください。

・ベルトは長期間使用していると伸びます。

表 5に示すたわみ荷重に従って張り直してください。

・ベルト掛けでの運転時に、軸受の保持器音と呼ばれる特定間隔の音が発生

することがありますが、軸受寿命等に影響はなく異常ではございません。

音響の診断につきましては、最寄りの各サービス担当部門(30ページ)

までご相談ください。

■ 負荷のアンバランスが大きい場合など

直結駆動では負荷のアンバランスで軸受及び軸受ブラケットを損傷するおそれがあります。そ

のため、アンバランスが大きい場合やフライホイールカップリングの場合などは使用条件に応

じてクリープ対策が必要になります。このような場合は当社までご相談ください。

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3.据付けのしかた

-12-

4EDA000001

表 5 VベルトとVベルト車の適用及びたわみ荷重

(kW)

標 準 V ベ ル ト 細 幅 V ベ ル ト

プーリ

たわみ荷重 [kg/本]

プーリ

たわみ荷重 [kg/本]

50Hz 60Hz 50Hz 60Hz

数 径 幅

新しい

ベルト

を張る

とき

ベルト

を張り

直すと

新しい

ベルト

を張る

とき

ベルト

を張り

直すと

数 径 幅

新しい

ベルト

を張る

とき

ベルト

を張り

直すと

新しい

ベルト

を張る

とき

ベルト

を張り

直すと

2

0.75 A 1 80 20 0.7~0.8 0.6~0.7 0.7~0.8 0.6~0.7 3V 1 71 17.4 0.7~0.8 0.5~0.7 0.7~0.8 0.6~0.7

1.5 A 2 80 35 0.8~0.9 0.6~0.8 0.7~0.8 0.6~0.7 3V 1 75 17.4 1.3~1.5 1.0~1.3 1.1~1.3 0.9~1.1

2.2 A 2 90 35 1.0~1.1 0.8~1.0 0.9~1.0 0.7~0.9 3V 1 75 17.4 1.8~2.1 1.4~1.8 1.6~1.8 1.2~1.6

3.7 A 3 90 50 1.0~1.2 0.8~1.0 1.0~1.2 0.8~1.0 3V 2 75 27.7 1.6~1.8 1.3~1.6 1.4~1.6 1.1~1.4

5.5 A 3 112 50 1.3~1.5 1.0~1.3 1.3~1.4 1.0~1.3 3V 3 75 38.0 1.6~1.8 1.3~1.6 1.4~1.6 1.1~1.4

7.5 A 3 132 50 1.5~1.8 1.2~1.5 1.5~1.8 1.2~1.5 3V 4 80 48.3 1.5~1.8 1.2~1.5 1.4~1.6 1.1~1.4

4

0.75 A 1 80 20 1.1~1.3 0.9~1.1 1.0~1.1 0.8~1.0 3V 1 71 17.4 1.3~1.5 1.0~1.3 1.1~1.2 0.9~1.1

1.5 A 2 90 35 1.1~1.2 0.8~1.1 0.9~1.1 0.7~0.9 3V 2 75 27.7 1.3~1.5 1.0~1.3 1.1~1.2 0.9~1.1

2.2 A 2 100 35 1.4~1.6 1.1~1.4 1.2~1.4 0.9~1.2 3V 2 75 27.7 1.8~2.1 1.4~1.8 1.5~1.8 1.2~1.5

3.7 A 3 112 50 1.4~1.6 1.1~1.4 1.2~1.4 1.0~1.2 3V 2 100 27.7 2.3~2.6 1.8~2.3 1.9~2.2 1.5~1.9

5.5 B 3 125 63 1.9~2.2 1.5~1.9 1.7~1.9 1.3~1.7 3V 3 100 38.0 2.2~2.6 1.7~2.2 1.9~2.2 1.5~1.9

7.5 B 3 150 63 2.2~2.5 1.7~2.2 2.0~2.3 1.5~2.0 3V 3 125 38.0 2.4~2.8 1.9~2.4 2.1~2.4 1.6~2.1

11 B 4 160 82 2.3~2.6 1.8~2.3 2.1~2.4 1.6~2.1 3V 4 125 48.3 2.7~3.1 2.1~2.7 2.3~2.6 1.8~2.3

15 B 5 170 101 2.4~2.7 1.8~2.4 2.2~2.5 1.7~2.2 3V 6 125 68.9 2.4~2.8 1.9~2.4 2.1~2.4 1.6~2.1

6

0.75 A 2 80 35 0.9~1.0 0.7~0.9 0.8~0.9 0.6~0.8 3V 1 75 17.4 1.8~2.0 1.4~1.8 1.5~1.7 1.2~1.5

1.5 A 2 100 35 1.4~1.6 1.1~1.4 1.2~1.3 0.9~1.2 3V 2 75 27.7 1.8~2.1 1.4~1.8 1.6~1.8 1.2~1.6

2.2 A 3 100 50 1.3~1.5 1.1~1.3 1.2~1.3 0.9~1.2 3V 2 90 27.7 2.2~2.5 1.7~2.2 1.9~2.1 1.5~1.9

3.7 B 3 125 63 1.8~2.1 1.4~1.8 1.6~1.8 1.3~1.6 3V 3 100 38.0 2.2~2.6 1.7~2.2 1.9~2.2 1.5~1.9

5.5 B 3 150 63 2.3~2.6 1.8~2.3 2.0~2.2 1.5~2.0 3V 3 140 38.0 2.4~2.7 1.9~2.4 2.0~2.3 1.6~2.0

7.5 B 4 150 82 2.3~2.6 1.8~2.3 2.0~2.3 1.6~2.0 3V 4 140 48.3 2.4~2.8 1.9~2.4 2.1~2.4 1.6~2.1

11 B 5 170 101 2.4~2.8 1.9~2.4 2.1~2.4 1.6~2.1 3V 5 140 58.6 2.8~3.2 2.2~2.8 2.4~2.7 1.9~2.4

(注)上表のたわみ荷重は,ベルトとプーリの接触角度が140°の場合を示します。

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4.配線のしかた

-13-

4EDA000001

4.配線のしかた

警告

指示

■端子箱内部に触れるときは、元電源を切ってから行なう

感電の恐れがあります。

開放した元電源には“操作禁止”の札を掛け、作業中の誤操作を防止する。

■結線は端子箱内の結線図または本取扱説明書によって行なう

間違った配線は、火災・感電の恐れがあります。

■ねじ締めによる配線接続は決められたトルクで締め付ける

火災・感電の恐れがあります。

接地

■アース(接地)をする

漏電したとき、火災・感電の恐れがあります。

お願い

・保護装置はモータに付属していません。電気設備技術基準では、モータ過負荷

保護装置の取付けが義務づけられています。お客様にて取付けをお願いしま

す。

・過負荷保護装置以外の漏電遮断器などの保護装置も設置されることを推奨し

ます。

ここでは、配線時の確認事項、配線接続の方法、スターデルタ始動器について述べます。

なお、電源および接地線の配線作業は電気工事士が行なってください。

4.1 配線時の確認事項

配線接続にあたっては、次の事項をご確認ください。

1)端子箱内に触れるときは、元電源を切ること。

2)電気設備技術基準や内線規程および電力会社の規程に従うこと。

3)結線は端子箱内の結線図又は本取扱説明書によって行なうこと。

4)配線の線サイズ、最大長さおよび各器具・設備の容量は表 6によること。

(配線が長すぎると電圧降下が大きくなり、モータが始動できなくなることがあります。

電圧降下は2%以内に収めてください。)

5)配線用材料は表 7の最高許容温度を考慮して選択すること。

(細い線サイズは過熱によって火災が発生する恐れがあります)

6)ねじ締めによる配線接続は決められたトルクで締め付けること。

7)屋外形において、電線管のねじ込み部分は、不乾性液状ガスケット剤(スリーボンド

1102号等)を塗布し、水が浸入しないよう対策すること。

8)アース端子は確実に接地すること。

9)配線完了後は、モータ端子箱カバーを元通りに取付けること。

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4.配線のしかた

-14-

4EDA000001

表 6 三相誘導電動機1台の場合の分岐回路

モータ

出力

(kW)

電圧

(V)

超過目盛

電流計の

定格電流

(A)

配線

接地線の

最小太さ

電線管、線ぴに3本

以下の電線を収める

場合及び

VVケーブル配線など

CVケーブル配線

最小太さ 最大

こう長(m) 最小太さ

最大

こう長(m)

0.75 200 5 1.6mm 56 2mm2 56 1.6mm

1.5 200 10 1.6mm 32 2mm2 32 1.6mm

2.2 200 10, 15 1.6mm 23 2mm2 23 2.0mm

3.7 200 15, 20 2.0mm 24 2mm2 15 2.0mm

5.5 200 30 5.5mm2 29 3.5mm2 18 5.5mm2

7.5 200 30, 40 14mm2 53 5.5mm2 21 8mm2

11 200 60 14mm2 38 14mm2 38 8mm2

15 200 60, 100 22mm2 44 14mm2 28 8mm2

18.5 200 100 38mm2 62 22mm2 36 14mm2

0.75 400 5 1.6mm 226 2mm2 226 1.6mm

1.5 400 5 1.6mm 130 2mm2 130 1.6mm

2.2 400 5 1.6mm 94 2mm2 94 1.6mm

3.7 400 10 1.6mm 62 2mm2 62 1.6mm

5.5 400 15 1.6mm 42 2mm2 42 2.0mm

7.5 400 15, 20 2.0mm 48 2mm2 30 2.0mm

11 400 30 5.5mm2 59 3.5mm2 38 5.5mm2

15 400 30, 40 8mm2 65 5.5mm2 44 5.5mm2

18.5 400 40 14mm2 92 8mm2 52 8mm2

内線規程(JEAC 8001-2016)による

(注)過電流遮断器については、内線規程(JEAC 8001-2016)をご参照ください。

なお、実際の使用機器と保護協調をご確認の上、選定をお願いします。

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4.配線のしかた

-15-

4EDA000001

表 7 モータの配線材料例と最高許容温度

電動機

の耐熱

クラス

絶縁電線

(材質)

最高

許容

温度

(℃)

ケーブル

(材質)

最高

許容

温度

(℃)

接続部絶縁用

テープ

(材質)

最高

許容

温度

(℃)

ビニール 60 ビニール 60 ビニール 60

ゴム 60 天然ゴム 60

二種ビニール 75 ポリエチレン 75

ポリエチレン 75 ブチルゴム 80 自己融着ブチルゴム 80

エチレンプロピレンゴム 80 EPゴム 80

架橋ポリエチレン 90 架橋ポリエチレン 90 ポリエステル 120

F 架橋ポリエチレン 90 架橋ポリエチレン 90 ポリエステル 120

ケイソゴム絶縁ガラス 180 ケイソゴム 180 シリコンガラス 180

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4.配線のしかた

-16-

4EDA000001

4.2 配線接続の方法 モータ口出し線の接続方法は表 8(代表例)に従ってください。ただし、極数変換や二重電圧な

ど特殊なモータの場合は本体に付属の接続図に従ってください。

表 8 口出し線の接続方法(代表例)

適用規格

JIS

JEC

口出線

端子数 枠番号 口 出 線 の 接 続 方 法

80M

112M

132S

160L

適用規格

IEC 6

132S

160L

お願い

・電線間の短絡がないように接続願います。

・スターデルタ始動器に接続時は短絡板を外してください。

(5.5kW以上の機種はスターデルタ始動が可能です)

・アース端子は確実に接地してください。

電 源

直入始動

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4.配線のしかた

-17-

4EDA000001

4.3 スターデルタ始動器について

お願い

■スターデルタ始動は、3コンタクタ方式のご採用を推奨します。

・スターデルタ始動において、2コンタクタ方式(2コン方式)では停止中で

も電圧が印加されており、電圧によるモータの絶縁劣化で、早期に焼損・

火災に至ることがあります。

・3コンタクタ方式(3コン方式)では、この恐れがありません。

■ 3コンタクタ方式(3コン方式)

図 11 に3コンタクタ方式の概念図を示します。

3コンタクタ方式の接続は、端子箱裏面に貼付けの

接続銘板により行なってください。

図 11 3コンタクタ方式の概念図

■ 2コンタクタ方式(2コン方式)

図 12 に2コンタクタ方式の概念図を示します。

2コンタクタ方式では、停止中でもモータ端子に

電圧が印加されており、絶縁を劣化させます。

特別な場合を除き、安全性の高い3コンタクタ

方式をご推奨します。

やむを得ず2コンタクタ方式をご採用の場合、

その接続は端子箱裏面に貼付けの接続銘板に

よって行なってください。

図 12 2コンタクタ方式の概念図

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5.運転のしかた

-18-

4EDA000001

5.運転のしかた

危険

指示

■異常が発生したときは、直ちに元電源を切る

そのまま運転を続けると、火災・感電の恐れがあります。

■停電が発生したときは、直ちに元電源を切る

通電開始時にモータが動き出し、けがの恐れがあります。

禁止

■運転中は、回転体(軸など)に接近したり、接触したりしない

巻き込まれ、けがの恐れがあります。

■運転中、開口部に手を入れない

けがの恐れがあります。

警告

指示

■端子箱内部に触れるときは、元電源を切ってから行なう

感電の恐れがあります。

開放した元電源には“操作禁止”の札を掛け、作業中の誤操作を防止する。

禁止

■端子箱カバーを取外した状態で運転しない

感電の恐れがあります。

注意

指示

■モータ単体で回転させるときは、軸に仮止めのキーを取外す

キーが飛散してけがの恐れがあります。

禁止

■モータ周辺部に可燃物や通風を妨げるものを置かない

火災の恐れがあります。

接触禁止

■運転中や停止直後はモータに手や体を接触させない

やけどをする恐れがあります。

指示

■2コンタクタ方式の停止では常に元電源を切る

停止中でも電圧が印加されており、絶縁劣化で早期に焼損・火災に至る恐れが

あります。

ここでは、運転前の確認事項、通常運転のしかたについて述べます。

異常があった場合は、後に述べる「表 12 モータの故障とその手当法(26ページ)」をご参照

のうえ対処してください。

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5.運転のしかた

-19-

4EDA000001

5.1 運転前の確認事項

■ 電源を投入する前の確認事項

・回転部には保護カバーなどの接触防止処置が

行なわれていること。

・端子の接続が正しく行なわれており、結露がないこと。

・アースが確実に接続されていること。

・各部の締付けに緩みがないこと。

・端子箱カバーが取付けられていること。

図 13 電源投入前の確認箇所

■ インバータ運転の場合の確認事項

・400V級インバータでモータを運転する場合、インバータ側に制御フィルタや

リアクトルなどのサージ電圧対策機器が設置されていること。

・モータは絶縁強化されたものであること。

(絶縁強化したモータの許容される端子電圧ピーク値は線間1250Vです。

インバータ入力電圧の変動等により、この電圧を超えるサージ電圧が発生する場合には、

インバータ出力端にサージ電圧対策機器を併設して、サージ電圧を抑制してください。)

・モータ部に軸受電食対策は施しておりません。

(インバータにて駆動する場合、軸受封入グリースの状態、配線方法及び運転条件等に

よっては、稀に軸受電食が発生することがあります。)

■ 始動ひん度が高い場合の確認事項

・負荷の慣性モーメント・運転間隔・始動回数の関係が適正であること。

(始動ひん度が著しい場合、巻線の損傷や回転子バーの損傷が生じることがあるため、始動

回数に制限があります。)

頻度始動する場合は対応可否をご相談ください。

詳細は、ご注文先の支社・支店営業部(29ページ)もしくは販売店へお問合せください。

■ 試運転確認事項

次の手順で試運転してください。

1)モータ単体で回転させるときは、軸に仮止めのキーを取り外す。

2)モータの電源入れる。

3)回転方向を確認する。

4)異常音、振動が発生していないことを確認する。

5)モータの電源を切る。

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5.運転のしかた

-20-

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5.2 通常運転のしかた

■ 運転環境の再確認

・モータの周辺部に可燃物や通風を妨げる物が置いてないこと。

・保護カバーやキャップ類が正規の状態に装着されていること。

■ 運転時の遵守事項

・運転中は、回転体(軸など)への接近、接触をしないこと。

・運転中は、回転部に手を入れたりしないこと。

・ モータ枠は高温になります。運転中や停止直後は、手や体を接触させないこと。

・ 2コンタクタ方式の停止では、常に元電源を切ること。

■ 運転中の電圧変動と周波数変動

電源の電圧変動と周波数変動の組合せは、図 14 の領域A、または領域Bとします。

1)領域A内での運転

定格トルクで連続運転しても、寿命を著しく短縮することはありません。

ただし、この場合、効率および温度上昇などは定格状態の規定値には従いません。

2)領域B内での運転

定格トルクで運転は可能ですが、長時間運転することは好ましくありません。変動時の短

時間のみの運転にしてください。この場合も、効率および温度上昇などは定格状態の規定

値には従いません。

図 14 モータの電圧と周波数

■ 異常時の対応のしかた

異常(停電も含む)が発生したときはすぐに元電源を切ること。

領域A

定格点

領域B

0.9

5

0.95

0.90

0.9

8

1.0

2

1.0

3

1.05

1.10

電圧 P.U.

周波

数 P

.U.

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6.保守点検

-21-

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6.保守点検

危険

禁止

■運転中、開口部に手を入れない

けがの恐れがあります。

警告

分解禁止

■分解・改造・修理(*)をしない

火災・感電・けがの恐れがあります。

(*)修理は「8.1 モータの修理等について」(29ページ)を参照のこと。

指示

■端子箱内部に触れるときは、元電源を切ってから行なう

感電の恐れがあります。

開放した元電源には“操作禁止”の札を掛け、作業中の誤操作を防止する。

注意

接触禁止

■運転中や停止直後はモータに手や体を接触させない

やけどをする恐れがあります。

■絶縁抵抗測定時は、端子に触れない

感電の恐れがあります。

保守点検は、関連機器についての保守点検知識と技能のある方が実施してください。

元電源を切って保守点検作業をするとき以外は、カバー類を取り付けておいてください。

保守点検で異常が見つかったときは、「表 12 モータの故障とその手当法(26ページ)」に従

って点検し、対策を講じてください。

分解手入れについては、最寄りの各サービス担当部門(30ページ)までご相談ください。

6.1 日常点検 日常は、運転状態にあるモータ内部の細かい点検はできませんが、次の項目について、常に状況

を把握されますと、異常の早期発見に役立ちます。

・外観、音、においなどの日常点検

・モータおよび周辺の温度監視

・モータおよび周辺の振動状態

次に上記各項目についての詳細点検内容を述べます。この点検内容と、このときの運転状況を記

録しておくことをお奨めします。

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6.保守点検

-22-

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1)日常点検項目

下表をもとに点検してください。

表 9 日常点検表

点検項目 点検要領 推定原因 対 策 備 考

締付け部 接続部の変色 締付け部の緩み 増締め *1 *1:増締めは、規定の

トルクで行なって

ください。

「表 2(8ページ)」

*2:ごみ、ほこりは電気掃

除機で吸い取ってく

ださい。

*3:最寄りの各サービス

担当部門(30ペー

ジ)にお問い合わせ

ください。

*4:結露原因を調査し、

必要に応じて除湿器

を設置してください。

汚れ 清 掃 *2

電 線、

ケーブル

損 傷 外傷、亀裂 交換修理

腐食変形 異物付着、汚れ 清 掃 *2

端子箱 変色、発錆、腐食

塗料の劣化 再塗装

水滴等の付着 水分浸入の防止

特殊ガスの存在 ガス侵入の防止

局部過熱 詳細調査要 *3

臭 気 異常な臭気 過負荷 負荷の低減

局部過熱 詳細調査要 *3

全 体

結 露 *4

変色、発錆、腐食

塗料の劣化 再塗装

水滴等の付着 水分浸入の防止

特殊ガスの存在 ガス侵入の防止

局部過熱 詳細調査要 *3

軸貫通部の汚損 清 掃 *2

2)温度上昇測定と判定基準

運転状態にあるモータの温度上昇値が通常範囲から逸脱していないことを確認します。

温度上昇値は測定温度から周囲温度(冷媒温度-30℃~40℃)を引いて求めます。

測定器 :温度計、サーモカップル等

部 位 :軸受部、モータのフレーム、端子箱

判定基準 :日常記録値との差が大きい場合は運転を停止し詳細点検が必要です。

モータの固定子巻線部および軸受の温度上昇限度を表 10に示します。

表 10 温度上昇限度(単位K)

部 位 測定方法 耐熱クラス

130(B) 155(F)

固定子巻線 抵抗法 80 105

軸 受 温度計またはサーモカップ

ルで表面測定 55

注)固定子巻線の温度は日常点検では測定できません。フレーム温度を測定してください。

温度上昇限度はモータ試験成績書の外枠(Frame)の温度上昇を目安としてください。

(但し、電気炉など外部熱源の近辺や直射日光があたる場所などでは試験成績書の温度上昇

値を超える可能性があります。)

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6.保守点検

-23-

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3)振動測定と判定基準

運転時の振動状態を測定してください。

・測定器 :振動測定器の使用をお奨めします。

・測定部位 :フレーム

モータは取付け状態によって振動状態が変わります。フレーム上の各部で測

定してください。

・判定基準 :運転時の振動が、図 15 に示す使用可能範囲内にあれば問題ありません。

振動が大きい場合は振動を周波数分析し原因を調査してください。

負荷側(相手機械)や外部から、振動加速度0.5Gを超える振動や衝撃を受

けていないか調査してください。

★振動周波数はモータの回転速度ではありません。

図 15 振動許容範囲

2A

振動周波数 [Hz]

振動

振幅

(全振

幅2A)[μ

m]

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6.保守点検

-24-

4EDA000001

6.2 定期点検

警告

指示

■定期点検は、運転を停止し、元電源を切ってから行なう

感電の恐れがあります。

開放した元電源には“操作禁止”の札を掛け、作業中の誤操作を防止する。

定期点検は、運転を停止し、元電源を切ってから行なってください。

また、開放した元電源には“操作禁止”の札をかけて作業中の誤操作を防止してください。

定期点検は、1~3ヶ月毎に以下の項目について行なってください。

なお、分解点検・清掃は表 11を参考にご計画ください。

屋外用電動機の場合、負荷側、反負荷側の一方、または両方の軸貫通部にゴム製水切カラーを取

り付けている機種があります。1年に1回程度、水切カラー状態を確認していただき、劣化(表

面にひび、き裂などが発生)していれば、水切カラーを交換してください。

(注)鋼板製カバー付きの場合は、

カバーを取り外して水切り

カラー状態を確認してください。

確認後は、確実に鋼板製カバーを

元の位置に再取り付けしてください。

図 16に軸貫通部の構造例を示します。

図 16 軸貫通部の構造例(鋼板製カバー付きの場合)

1)軸受

軸受はシールドベアリングを採用し、優れた潤滑性能を持ち長寿命のマルテンプSRLグリ

ース(協同油脂)を封入しています。封入グリース銘柄を変更された場合には、モータ効率

が低下する可能性があります。

定期点検では、軸受まわりのごみを清掃してください。

軸受は運転によって磨耗し寿命に至りますので交換が必要です。軸受交換の目安は、使用開

始後もしくは軸受交換後20,000時間です(定格運転、標準仕様周囲条件下)。但し、運転条

件・使用環境によっては、これ以下になる場合があります。個々の詳細は、ご注文先の支

社・支店営業部(29ページ)もしくは販売店へお問合せください。なお、交換の際は、最寄

りの各サービス担当部門(30ページ)にご相談ください。

(交換時に損傷を与えたり、使用する軸受を間違える恐れがありますので、軸受交換は専門

家にお任せください。)

使用する軸受は、銘板(図 3参照)に表示のものとし、軸受内部すきまの記号表示のないも

のは、CMすきま(電動機用すきま)のものです。

ゴム製水切カラーがある場合は、同時に交換してください。

また、樹脂製冷却ファンの取り外し・再取り付け時には、変形などが生じないように注意し

てください。

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6.保守点検

-25-

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2)絶縁抵抗測定

リード線とアース間の絶縁抵抗が1MΩ以上あることを確認する。

3)カップリング・ベルト

・カップリングの直結精度を「表 4 カップリング取付けの許容範囲」で確認する。

・プーリの平行度やベルトの張り具合を「■ ベルト掛けのしかた」(10ページ)で確認す

る。

4)締付部

モータ取付けボルト、カップリングやプーリの締付ボルト、モータ本体のボルト・ナットに

ゆるみがないかを確認する。

5)塗装

塗装の剥げ落ちがないかを確認する。

なお、塗装仕様内容は、お断りなしに変更することがありますので、補修・重ね塗り塗装の

際は、ご注文先の支社・支店営業部(29ページ)もしくは販売店へお問合せください。

6)その他

「表 9 日常点検表」による点検、および「表 12 モータの故障とその手当法」の原因

記述項目について詳細点検を行なってください。

表 11 分解点検・清掃回数の目安

設 置 場 所 間 け つ 運 転 連 続 運 転

塩分・湿気・ほこりの多い所 1~2年に1回 1~2年に1回

清潔な所 3年に1回 2~3年に1回

6.3 長期間運転を休止する場合 モータを据え付けた状態で長期間運転を休止する場合は以下の対策を実施してください。

1)6ヶ月以上(高温多湿地域では3ヶ月以上)休止の場合

・モータと相手機械全体にシートをかけ、中に除湿剤を

入れておく。(図 17)

特に湿度の高い場所、水や異物が入る恐れが

ある場所では充分に養生する。

・ベルトは、はずして保管する。

・3ヶ月ごとに次の運転を行なう。

5分間程度空回し運転を行なう(軸受異常の防止)。

図 17 保管状態

2)運転再開時の実施事項

次の点検を行い異常がないことを確認してください。

・軸受の点検

・絶縁抵抗測定

リード線とアース間の絶縁抵抗が1MΩ以上であること。

・「5.1 運転前の確認事項(19ページ)」に記載の実施、確認事項

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6.保守点検

-26-

4EDA000001

6.4 故障と手当 一般的なモータの故障とその手当法について表 12に示します。

表 12 モータの故障とその手当法

現 象

原 因

回転しない

回転ムラがある

軸が折れる

音および振動大

過 熱 保護リレー動作

絶縁抵抗低下

処 置 本

受 据付け

周囲温度が高い ◎ ○ ◎ 通風を良くする

湿度が高い ○ ◎ 最寄りの各サービス担当部門

(30ページ)に相談する

冠水や雪による埋没(屋外用)

水滴や飛沫がかかる(屋内用) ○ ◎ 設置場所を変更する

油が多量にかかる ○ ○ ◎ かからないように防止する

モータに障害物が接近 ◎ ○ ○ 10cm以上離す

外部振動、衝撃大 ◎ ○ ○ 防振する

基礎が弱い ◎ 堅固にする

負荷との連結

芯の不一致 ○ ◎ ○ 芯を一致させる

カップリングの不釣合量大 ◎ カップリングをバランス修正する

ベルト掛け

プーリ間の中心不一致 ○ ◎ 中心を一致させる

接触角度が小さい ◎ ○ 適正プーリ径にする

ベルトの張り過ぎ ◎ ◎ 適正ベルト張力にする

荷重点がモータから離れ過ぎ ◎ ○ モータ側に荷重点を近づける

プーリが大きくモータの冷却

風を妨げる ◎ ○ プーリに通気口を設ける

その他

回転部にごみが付着 ◎ ○ ごみなどを除去する

スラスト荷重大 ◎ 最寄りの各サービス担当部門

(30ページ)に相談する

電気がきていない ◎ 電源を入れる

接続回路の調査

電圧降下大 ○ ○ ◎ ◎ 配線の太さ、長さ調査

電力会社に相談する

接地(アース)不完全 ○ ◎ 接地基準にあわせて

完全に設置する

単相運転 ○ ◎ ◎ ◎ 接続回路の調査

電圧不平衡 ◎ ○ ○ 電力会社に相談する

リレーの容量不適 ○ ◎ 規定のものに変更する

スターデルタ始動器の不適 ○ ○ 3コンタクタ方式を採用

過負荷 ○ ○ ◎ ◎ 負荷を軽くする

始動頻度大 ○ ◎ ○ 始動回数を減らす

負荷の慣性大 ◎ ○ 最寄りの各サービス担当部門

(30ページ)に相談する

相手機械の振動大 ◎ 相手機械の調査、振動低減

負荷の不釣合量大 ◎ ○ バランスをとり直す

その他

軸受の異常 ○ ◎ ◎ ○ 最寄りの各サービス担当部門

(30ページ)に相談する

固定子巻線の断線 ◎ ○ ○ ◎ ◎ ◎ 最寄りの各サービス担当部門

(30ページ)に相談する

◎:現象と原因との関係が深いもの ○:関係があるもの

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6.保守点検

-27-

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6.5 更新時期 モータを末永くご使用頂くために日常点検・定期点検等の実施は欠かせませんが、モータの経年

劣化を避けることはできません。

安心してご使用頂くと共に経年劣化等による産業事故の未然防止や環境・省エネの観点からも、

計画的な更新を推奨いたします。

お客様のご使用条件やご使用環境が様々な状況ですので、更新時期につきましては、社団法人 日

本電機工業会『汎用電気機器の更新のおすすめ』パンフレットおよび当社発行『東芝モートル更

新のおすすめ』などをご参照ください。

更新を計画される場合は、ご注文先または各支社店もしくは各サービス担当部門(30ページ)ま

でお問合せください。

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7.保 証

-28-

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7.保 証

下記内容により、無償で修理および調整を行います。

1. 正常な据付けおよび取扱いのもとで納入後1年以内に故障が発生し、その原因が明らかに

当社の設計、製作上の責任に帰するときは、無償で修理いたします。

2. 保証の範囲は納入品本体のみとします。

3. 保証期間内でも次のような場合は有償となります。

1)ご使用の誤り、および不当な修理や改造による故障および損傷

2)お買いあげ後の落下および運送上の故障および損傷

3)火災、塩害、ガス害、地震、風水害、落雷、電圧異常およびその他の天災地変を原因

とする故障および損傷

4)モータの機能(用途)以外に使用された場合の損傷

5)取扱説明書やカタログ等の記載内容を守らないことにより生じた損傷

4. 別に定める保証条件がある場合、そちらが優先します。

5. 保証は日本国内においてのみ有効です。

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8.修理・廃棄・サービスネットワーク

-29-

4EDA000001

8.修理・廃棄・サービスネットワーク 8.1 モータの修理等について 故障、修理、その他お問い合わせの節は、ご注文先または下記支社・支店、もしくは各サービス

担当部門(30ページ)までご連絡ください。(下記支社・支店やサービス担当部門の所在地、電

話番号等の連絡先は変更される場合があります。ご了承願います。)

なお、故障のご照会には次の事項を明記願います。

■ 故障のご照会

・モータの銘板記載事項

特に ①TYPE ②FORM ③POLE ④kW ⑤SERIAL NO.をお忘れなく。

・故障箇所とその状態(写真があれば写真を)

・使用状態(電圧、電流、負荷の大きさ、力率、設置状況、周囲温度など)

・始動方式(直入始動、スターデルタ始動、インバータ運転など)

・運転経過

・相手機械

・整備履歴

東芝産業機器システム株式会社

名 称 郵便番号 所 在 地 電話番号

本 社 212-0013 神奈川県川崎市幸区堀川町580(ソリッドスクエア西館9階) 044-520-0390

首 都 圏 支 社 212-0013 神奈川県川崎市幸区堀川町580(ソリッドスクエア西館9階) 044-520-0870

西東京営業所 190-0012 東京都立川市曙町1-36-3(東芝立川ビル2階) 042-522-1661

東 日 本 支 社 330-0835 埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-318(みづほビル2階) 048-631-1048

北 海 道 支 店 063-0814 北海道札幌市西区琴似四条2-1-2 011-624-1188

東 北 支 店 984-0051 宮城県仙台市若林区新寺1-4-5(ノースピア3階) 022-296-2266

群 馬 支 店 370-0814 群馬県高崎市栄町14-5(内堀ビル8階) 027-386-6034

新 潟 営 業 所 950-0088 新潟県新潟市中央区万代3-1-1(メディアシップビル10階) 025-241-1418

栃 木 支 店 321-0925 栃木県宇都宮市東簗瀬1-26-14 028-634-0261

埼 玉 支 店 330-0835 埼玉県さいたま市大宮区北袋町1-318(みづほビル2階) 048-631-1048

中 部 支 社 451-0064 愛知県名古屋市西区名西2-33-10(東芝名古屋ビル8階) 050-3191-0670

北 陸 支 店 930-0008 富山県富山市神通本町1-1-19

(いちご富山駅西ビル4階(株)東芝 北陸支社内) 076-432-7121

福井営業担当 910-0001 福井県福井市大願寺2-9-1(福井開発ビル7階) 0776-24-3330

静 岡 支 店 410-0055 静岡県沼津市高島本町16-16

(大樹生命沼津高島本町ビル3階) 055-922-8926

浜松営業担当 430-0929 静岡県浜松市中区中央3-9-3(UNビル4階) 053-458-1048

信 州 支 店 390-0815 長野県松本市深志2-5-26(松本第一ビル4階) 0263-35-5021

関 西 支 社 530-0017 大阪府大阪市北区角田町8-1

(梅田阪急ビル オフィスタワー28階) 06-6130-2285

京 都 支 店 600-8421 京都府京都市下京区綾小路通烏丸西入童侍者町167

(AYA四条烏丸ビル8階) 075-353-6021

姫 路 支 店 670-0964 兵庫県姫路市豊沢町140(新姫路ビル7階) 079-226-0222

中 国 支 店 732-0052 広島県広島市東区光町1-12-20(もみじ広島光町ビル5階) 082-263-0325

福 山 支 店 720-0811 広島県福山市紅葉町2-27(日本生命福山ビル3階) 084-999-5177

四 国 支 店 760-0065 香川県高松市朝日町2-2-22(東芝高松ビルB棟2階) 087-811-5883

九 州 支 社 810-0072 福岡県福岡市中央区長浜2-4-1(東芝福岡ビル8階) 092-735-3512

鹿児島営業所 890-0053 鹿児島県鹿児島市中央町13-1

(熊本ファミリー不動産鹿児島ビル5階) 099-296-9681

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8.修理・廃棄・サービスネットワーク

-30-

4EDA000001

8.2 モータの廃棄について

注意

指示

■不要の用品や部品を廃棄する場合は、専門の廃棄物処理業者(*)に依頼

する

産業廃棄物の収集・運搬および処分は、許可を受けていない者が行なうと

法律により罰せられます。

(*)専門の廃棄物処理業者とは、産業廃棄物の収集・運搬業者、産業廃棄物処分

業者を言います。

モータは、樹脂類、鋼材、銅、アルミニュームなどを使用しています。廃棄するときは、専門の

廃棄物処理業者に依頼し処理してください。産業廃棄物の収集・運搬および処分は、認可を受け

ていない者が行なうと法律により罰せられます。

8.3 サービスネットワーク

東芝産業機器システム(株)のサービス担当部門 【東日本サービス部】

名 称 郵便番号 所 在 地 電 話 FAX

北海道・関東・関信越

地区サービス担当 212-0013

川崎市幸区堀川町580

ソリッドスクエア西館9階 044-520-0819 044-520-0510

東北地区サービス担当 984-0051 仙台市若林区新寺1-4-5 ノースピア3階 022-292-2422 022-296-2275

【西日本サービス部】

名 称 郵便番号 所 在 地 電 話 FAX

関西地区サービス担当 530-0017 大阪市北区角田町8-1 梅田阪急ビル オフィスタワー28階 06-6130-2291 06-6130-1143

東海・北陸

地区サービス担当 451-0064 名古屋市西区名西2-33-10 東芝名古屋ビル8階 050-3191-0675 052-523-9231

中四国地区サービス担当 720-0811 福山市紅葉町2-27 日本生命福山ビル3階 084-999-5178 084-999-5179

九州地区サービス担当 810-0072 福岡市中央区長浜2-4-1 東芝福岡ビル8階 092-735-3522 092-735-3596

便利な部品センター

予防保全やリフレッシュのための交換部品は、全国10ヶ所の部品センターへ。

東芝電機品部品センター名 郵便番号 所在地 電 話 FAX

北海道・関東地区部品センター(三井工業(株)内) 190-0021 立川市羽衣町1-4-2 042-523-1333 042-523-1335

東北地区部品センター((有)東北電機サービス内) 984-0042 仙台市若林区大和町4-10-1 022-788-3427 022-788-3428

関信越地区部品センター((株)イートラスト内) 940-0871 長岡市北陽1-53-54 0258-21-2500 0258-21-2542

中部・東海地区部品センター((株)名古屋電機製作所内) 454-0013 名古屋市中川区八熊2-3-3 052-331-1631 052-322-1800

北陸地区部品センター((株)森山電機製作所内) 930-0814 富山市下冨居1-39-13 076-433-3788 076-442-5272

関西地区部品センター((株)宮浦製作所内) 555-0012 大阪市西淀川区御幣島3-8-34 06-6471-8061 06-6471-8322

関西地区部品センター(トウバンテクノ(株)内) 578-0964 東大阪市新庄西1-11 06-6744-4005 06-6744-4006

関西地区部品センター(日本電研工業(株)内) 671-0232 姫路市御国野町御着266 079-252-2913 079-252-6373

中四国地区部品センター(中外テクノス(株)内) 733-0013 広島市西区横川新町10-21 082-532-1713 082-532-1641

九州地区部品センター((株)興電舎内) 882-0862 延岡市浜町222-1 0982-20-2050 0982-20-7009

Page 40: 東芝モートル(屋内形、屋外形) › member › teclib › mot › data › ...小形低圧三相かご形誘導電動機 東芝モートル(屋内形、屋外形)

合格証

試験検

査合格

之印

本品について、ご照会またはお気付きの点がありましたら、銘板

の試験番号、併記の上、ご注文先の支社・支店・営業部・特約店・

販売店へご連絡ください。

2019-08