調査・検証用クラウドをグローバル展開 hyper-v 2,000...hyper-v +...
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カスタマー・プロファイル
調査・検証用クラウドをグローバル展開Hyper-V + ストレージ仮想化で2,000万ドルのコストを削減PowerEdgeサーバとDell Compellentストレージセンターで、調査・検証用のプライベートクラウドを整備。システム環境の準備に要する時間を短縮し、ハードウェア、設置スペース、空調等にかかる費用を大幅に削減。
課題• サーバやディスクストレージ、PCを用いた調査・検証作業において、その環境を整備するために数時間を要し、業務効率化の足かせとなっていた
• サーバ台数の増加に伴い、導入コストをはじめ、設置スペースや消費電力の削減が課題となっていた
• Windows PowerShellが活用できる、オープンなストレージ環境を求めていた
ソリューション• PowerShell 対応の「Dell Compellentストレージセンター」とHyper-Vにより調査・検証用のプライベートクラウドを構築
導入効果• 調査、検証環境の整備に要する時間を3時間から約10分~20分にまで短縮
ソリューション・エリア• 仮想ストレージ• 仮想サーバ
「プロプライアタリなストレージ製品は、将来的な拡張に問題が生じるおそれもあります。対して Del l Compellentストレージセンターはマイクロソフトのテクノロジーとの親和性が高いうえ、私たちの求める機能をほとんど満たしていました」マイクロソフトコーポレーションUS-CSS CC LABS CSS Labs グローバルディレクタージョン.F.シュミッツ氏
企業名 日本マイクロソフト株式会社業 種 コンピュータソフトウェアおよび
関連製品の営業・マーケティング所在地 東京都港区港南従業員数 2,208名(2012年7月1日現在)Webサイト www.microsoft.com/ja-jp/
導入システム
ハードウェア
Dell Compellentストレージセンター ×1
Dell PowerEdge R720 ×30
Dell Force10 S60 ×1
Case Study
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顧客のマイクロソフト製品への疑問に迅速に対応するために
マイクロソフト社のカンパニーミッションとし
て掲げられているのが、「世界中のすべての
人々とビジネスの持つ可能性を、最大限に引き
出すための支援をすること」であり、その実践
に向け、顧客に対するさまざまなサポート業務
を行っているのが、カスタマーサポート アンド
サービス部門である。世界各国の拠点にて展
開されている同部門は、マイクロソフト製品の
効率的な活用法から障害対応に至るまで、法
人、個人顧客からの問い合わせやサポート依頼
に幅広く対応。顧客満足度を高め、マイクロソ
フト製品のさらなる活用を側面から支援する役
割を担っている。
しかし近年、製品ラインナップの拡大や高機
能化を背景に、顧客からの問い合わせが増加す
る中で、1つの課題が浮上していたという。同部
門におけるワールドワイドでの責任者を務める、
マイクロソフトコーポレーション US-CSS CC
LABS、CSS Labs グローバルディレクターの
ジョン.F.シュミッツ氏は、このように話す。
「私たちの部門は、顧客からの問い合わせや
サポート依頼に対して、エンジニアが顧客のシ
ステム環境を再現し、障害に対する調査、検証
を行っています。しかし、内容に応じてその環境
を都度、整えていくにあたり、物理マシンの準
備や設定に数時間を要していました。それが作
業効率の低下、ひいては迅速な顧客への回答
の妨げになっていたのです。また、顧客のメン
テナンスデータや調査・検証用データをサーバ
に搭載されたディスクストレージで管理してい
たのですが、データの増加に伴いサーバ台数が
増え続けていただけでなく、I/0パフォーマンス
も低下する事態に見舞われていたのです」
加えて、エンジニアには調査・検証用のPCも
複数台配布されていたが、その台数も増加を続
「プライベートクラウドの構築によりハードウェアの集約が進んだことで、今ではカスタマーサポート アンドサービス部門が用いている調査・検証用システムの約9割が仮想化され、2,000万ドルのコスト削減につながっています」
マイクロソフトコーポレーションUS-CSS CC LABS CSS Labsグローバルディレクター
ジョン.F.シュミッツ氏
「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を、最大限に引き出すための支援をすること」。マイクロソフトコーポレーション(以下、マイクロソフト)は、このコーポレートミッションを実践していくため、顧客サポートも継続して強化してきた。そのミッションを担うのが、カスタマーサポート アンドサービス部門であり、マイクロソフト製品の活用法から障害対応まで、顧客からのさまざまな問い合わせに、日々、対処している。しかし、問い合わせ件数が増え続ける中で、物理サーバを用いる従来からの手法では検証環境の整備に数時間を要してしまうことや、データを保管するためのハードウェアの導入、運用コストの増加が課題となっていた。この問題の解決に向け、同部門では、調査・検証用プライベートクラウドの構築を決定。その中核となるシステムとして採用されたのが仮想ストレージ「Dell Compellentストレージセンター」だった。
けており、サーバと同様、設置スペースや消費
電力の問題への対処が迫られていたという。
シュミッツ氏は2007年2月、現在のポジショ
ンに就任したことを機にこれらの問題を解決す
るため、サーバ、ストレージ、ネットワークを含
めたITインフラの見直しを決断する
調査・検証作業の効率化のためにプライベートクラウドを構築
課題解決に向けシュミッツ氏が採ったアプ
ローチは、サーバ、ストレージの仮想化によるプ
ライベートクラウドの整備である。サーバ仮想
化のためのハイパーバイザーには「Windows
Server Hyper-V」を採用、これにより、物理
サーバシステムが統合されたほか、調査・検証
環境の整備が短期間で行えるようになった。
続いて行われたのがストレージの仮想化で
ある。シュミッツ氏は、さまざまなベンダーが
提供する仮想ストレージ製品の調査を行い、
選定要件をまとめた。それが、①オブジェクト
指向のスクリプト言語である「Windows
PowerShell」に対応していること、②今後も
続いていくデータの増大に柔軟に対応可能な
高い拡張性を備えていること、③可能なかぎり
コストを抑えられること、の3つである。これら
を総合的に判断し比較検討を進めた結果、白羽
の矢が立てられたのが、「Dell Compellent
ストレージセンター」だった。
「仮想ストレージ製品の中には、高い拡張性
を実現するために独自技術を採用したものも少
なくありません。しかし、ベンダーの独自技術
が採用された製品はWindows PowerShell
との親和性をはじめ、マイクロソフトの管理製
品との連携など、将来的な拡張性に問題が生じ
るおそれもあります。Dell Compellentスト
レージセンターはマイクロソフトのテクノロジー
との親和性が高かったことに加え、自動階層化
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機能やシンプロビジョニング、SnapShot機能
など、柔軟性や機能面において私たちが求める
さまざまな要件を満足させるものだったのです」
(シュミッツ氏)
Dell Compellent ストレージセンターは、
「Compellent Fluid Dataアーキテクチャ」
に則り開発された自動階層化ストレージであ
る。いずれのサーバに対してもリソースを柔軟
に提供したり、システムを停止することなく
RAIDレベルの変更が可能といった高度なデー
タ管理機能を有するほか、スナップショットであ
る「Data Instant Replay」など、多彩な機能
を揃える。
シュミッツ氏は、2007年にプライベートク
ラウドにおける仮想ストレージ環境の整備に
着手、その第 1フェーズとして 4台のDell
Compellentストレージセンターを導入した。
プライベートクラウドは2008年2月に稼働を
開始したが、Windows PowerShellでDell
Compellentストレージセンターの稼働を確
実に制御でき、かつ、高い拡張性も確認され
たことで、2010年に6台、さらに2012年に
2台を追加導入。現在、合計 12台のDel l
Compellentストレージセンターが稼働して
いる。
米国でのプライベートクラウド化を受け、各
国のカスタマーサービス アンド サポート部門
においても、その展開が進められている。日本
マイクロソフト株式会社(以下、日本マイクロソ
フト)の同部門もプライベートクラウドの整備を
完了した拠点の1つだ。
日本マイクロソフト カスタマーサービス アン
ド サポート ビジネスサポートグループ シェアー
ドサービス ラボ リードの三澤大志氏は、「日本
でも従来はディスクストレージとPCをつかって
調査・検証環境の構築を行っていましたが、サー
バ台数の増加に伴う故障の発生が問題となって
いました。また、当部門が保有するPCの台数
も数百台に上り、その導入、運用コストも課題
となっていました。そして、2011年3月の東日
本大震災の発生以降、エンジニアがデータを
個々のPCに管理するという体制の見直しも、
BCPの観点から急務となっていたのです」と、
これまでの状況を説明する。
Dell Compellentストレージセンターを軸
とした日本マイクロソフトの調査・検証用プライ
ベートクラウドは2012年4月から稼働を開始。
稼働している仮想サーバの台数は当初の200
~300台から、現在では750台にまで増加し
ているという。
米国のクラウド標準を日本に展開SCCMにより高い管理性も実現
では、日本マイクロソフトが構築したプライ
ベートクラウドのシステム構成について概観し
ていこう。仮想サーバ環境を支える基盤である
サーバにはデルの2ソケット/2Uラックサーバ
の「PowerEdge R720」が、データ管理の基
盤となるストレージには「Dell Compellentス
トレージセンター」がそれぞれ選択されている。
さらに 1/10GbEアクセススイッチである
「Dell Force10 S60」により、大量のデータ
のやり取りでもボトルネックが生じないネット
ワーク環境を実現。併せて、マイクロソフトの
「Microsoft System Center Configuration
Manager(SCCM)」を活用した、プライベー
トクラウドの運用管理体制が整備された。
日本マイクロソフト カスタマーサービス ア
ンド サポート ストラテジー&オペレーション
ビジネスサポートグループ ラボ エンジニアの
大月篤氏は、「カスタマーサービス アンド サ
ポート部門ではミッションクリティカルに近い
業務も手掛けており、システムを監視する仕
組みが不可欠です。Dell Compellentスト
レージセンターは障害発生時にメッセージが
自動通知されるので、その活用を通じて迅速
なトラブル対応も実現されています。さらに、
SCCMとWindows PowerShell、Dell
Compellentストレージセンターの連携によ
り、仮想マシンやストレージの管理を行えるよ
うな体制も整えられました」と述べる。
今回導入したプライベートクラウドのシステ
ム構成は、米国で構築されたものを基とした、
いわば標準化されたものであり、他の拠点も
同一構成となっている。そうしたことから、
Dell Compellentストレージセンターや
PowerEdge R720の導入にあたって苦労は
ほとんどなかったと大月氏は振り返る。
「当社にはシステムに精通したエンジニアが
多数在籍しており、すでに標準化されたクラウ
ドであることから特に問題なく環境の整備を終
えられました。もっとも、製品の詳細までは把握
しているわけではなかったのですが、その面で
デルからは迅速かつ手厚いサポートを受けるこ
とができました」
Dell Compellentストレージセンターは
データの利用状況などを踏まえ、データを最適
なストレージ/RAIDレベルで管理するData
Progression機能を備えている。マイクロソフ
トでは、Dell Compellentストレージセン
ターの採用を機にグローバルで2階層でのデー
「PowerEdgeサーバとDell Compellentストレージセンターにより、物理サーバの台数は半分以下となり、現在では、調査・検証システムの80%以上が仮想化されています。今後もさらなるサーバ、ストレージ仮想化を進めていく計画です」
日本マイクロソフトカスタマーサービス アンド サポートビジネスサポートグループシェアードサービスラボ リード
三澤 大志氏
今回導入されたDell PowerEdge R720
Case Study
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タ管理に着手。ただし、ここにきてマイクロソフ
トの製品群の機能向上が急速に進む中で、管理
手法の見直しも進めているのだという。
「当社のHyper-Vなどにおいて機能改善が
進んだことで、ソフトウェア側での高度なデー
タ管理が可能になりつつあります。これを受け、
データ管理はソフトウェア側に任せ、Del l
Compellentストレージセンターのデータ管
理構成を1階層へシンプル化していくことも検
討しています」(シュミッツ氏)
検証環境の整備が10分で可能に2,000万ドルのコスト削減も実現
プライベートクラウドを構築した効果は、調
査・検証環境の整備に要する時間が大幅に短縮
されたことに顕著に表れている。大月氏は、「こ
れまでは実機を用いた調査・検証環境の用意に
は、3時間ほどを要していました。今ではエンジ
ニアが自分のPCからワンクリックするだけで
済むようになっており、準備までの時間も10分
から20分程度にまで短縮されています。対応
できるサポート案件も飛躍的に増え、顧客への
迅速な回答につながっています」と、業務やビ
ジネスにもたらされた効果を説明する。
無論、物理サーバの集約が進んだことで、設
置スペースや消費電力などの問題も抜本的に
解消、ハードウェアにまつわるコストが大幅に削
減された。三澤氏は、「日本の当部門でも物理
サーバの台数は半分以下となり、80%以上の
調査・検証システムが仮想化されています。今
後もさらなるサーバ、ストレージ仮想化を進め
ていく計画です」と話す。
シュミッツ氏は、グローバルでのカスタマー
サポート アンド サービス部門におけるコスト削
減効果について、次のように語る。
「仮想化によりハードウェアが大幅に削減され
たことで、インドに3つ設置していたラボを1つ
に、米国のラボも4つから1つに統合することが
できました。私たちの部門が有するITインフラ
のうち仮想化されたものの割合は2007年で
1%に過ぎませんでしたが、現在では90%に達
しており、プライベートクラウド上で稼働してい
る仮想マシンの数も2万5,000台から3万台に
も達しています。また、2007年にサポートエン
ジニアが対応できていた問い合わせ件数は1週
間に3件程度でしたが、いまでは多くの問い合
わせに即時に対応できる体制ができています。
そして、プライベートクラウド化を推し進めたこ
とで、2012年の段階で、2,000万ドルのコス
ト削減を達成しました」(シュミッツ氏)
シュミッツ氏はプライベートクラウドの構築の
これまでを振り返るとともに、今後の展望を次
のように述べる。
「テクノロジーは常に進化しており、それを適
切に取り込むことが私たちに与えられたミッショ
ンになります。そのために私たちは継続してシ
ステムの見直しを行ってきましたが、その成功
もデルからの適切な製品やソリューションの提
供、そしてサポートがあったからこそです。今
後もデルには私たちのシステム環境をさらに深
く理解した上で、より高いレベルの支援を期待
しています」
マイクロソフトの製品に関する障害対応から
IT資産の安全かつ効率的な運用管理まで、広
範囲にわたる顧客からのサポートニーズに応え
るマイクロソフトのサポート サービス。企業・組
織の IT活用を促進させ、ひいてはそのビジネ
スの成長を根底から支える重要なミッションを
担っている。最適なシステム化によってサポー
トのクオリティを向上させ、マイクロソフトの顧
客満足度をさらに高めていけるよう、デルは製
品、ソリューション、そしてサービスを軸にこれ
からもその支援を続けていく。
Hyper-V Host Server
システム構成図
PowerEdge R720
Force10 S60
Compellent SC40
Compellentストレージプール ティア1
15K SAS 600GB/450GB × 24ティア37.5K SAS 3TB × 12
「従来、実機を用いた調査・検証環境の用意には、3時間ほど要していましたが、今ではエンジニアが自分の PCからワンクリックするだけで済み、準備までの時間も10分から20分程度にまで短縮されています」
日本マイクロソフトカスタマーサービス アンド サポートストラテジー&オペレーションビジネスサポートグループラボ エンジニア
大月 篤氏
日本マイクロソフト株式会社のシステム更改をサポートしたデルのアカウントチーム
グローバルアカウント営業本部セールス・マネージャー楊 博光
エンタープライズ・ソリューション本部 G500シニア コンサルタントシステムズ エンジニア高木 恵一
ユーザ
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