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計測工学 II 【第10回】音響計測と超音波

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Page 1: 計測工学II - signalysis.co.jp · 音圧の定義 • 教科書P212 • 音圧P[Pa]に対して、音圧レベルは • 音圧 SPL = 20 × log 10(p/p 0) [dB] • で定義される。

計測工学II 【第10回】音響計測と超音波

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今日の内容

•  【音響計測と超音波】

•  動電変換方式、静電変換方式、抵抗変化変換方式、圧電変換方式、超音波の測定について学ぶ。

• 教科書では、P212〜P217です。

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音圧の定義

• 教科書P212

• 音圧P[Pa]に対して、音圧レベルは • 音圧 SPL = 20 × log10(p/p0) [dB] • で定義される。

•  基準値p0= 20 × 10-6 [Pa]  (人が感じることの出来る、もっとも微弱な音のエネルギー)

•  「人の感覚は、対数的である。」 •  微小なエネルギーの変化も、巨大なエネルギーの変化も、どちらも感じ

ることができる。

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音響センサ

• 音響センサは、大きく以下の4種類

•  動電変換型 •  可動コイルを用いる

•  静電変換型 •  コンデンサマイク

•  抵抗変化変換方式 •  教科書には記されているが、授業では扱わない。

•  圧電変換方式 •  圧電素子

• いずれも、「マイクロフォン」という形で知られている。

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動電変換型

• 可動コイル型

ナガタック(ナガタ産業株式会社)様のサイトを、直接再生します。

http://www.nagatac.co.jp/animation/speaker_v2.htm

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フレミングの右手の法則

• 左モーター:右発電機 •  機械的な運動から、電力を発生する。 音波の振動→交流電圧

http://www.nagatac.co.jp/animation/speaker_v2.htm

ナガタック(ナガタ産業株式会社)様のサイトを、直接再生します。

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静電変換型

• コンデンサマイク •  コンデンサの極板間距離の変化で、電気信号を取り出す。

http://www.onosokki.co.jp/HP-WK/products/category/sound_relate2.htm 小野測器様

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コンデンサの静電容量

• コンデンサの静電容量Cは、何で決まるか? •  ε0を真空の誘電率、極板間距離をd,極板面積をSとすると

• 極板間距離が変化すると、 キャパシタンスが変わる。

画像引用元: http://www.riruraru.com/cfv21/phys/capacitor.htm

C = ε0Sd

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コンデンサの直列並列

• 抵抗は、直列にした時の合成抵抗の計算は •  R = R1 + R2 + R3

• の形になる。 金属の抵抗率をρとすると、金属線抵抗は

• 並列にすると、(断)面積が加算され、直列にすると、長さ(極板間距離)が加算される。が、RとCとでは、分子と分母が入れ替わっている。 •  このため、合成抵抗の直列の式と、合成キャパシタンスの並列の式 •  合成抵抗の並列の式と、合成キャパシタンスの直列の式の形が同じに

なってくる。(板書参照)

R = ρdS C = ε0S

d

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【24P46】電気工学

図の回路において静電容量1µFのコンデンサに蓄積される電荷量Q[µC]はどれか。

1. 1 2. 3 3. 6 4. 12 5. 18

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過去問題から

•  【21P04】電気工学 答(5) 図の回路の合成静電容量はどれか。1. 1.2µF2. 2.0µF3. 2.4µF4. 4.0µF5. 4.8µF

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過去問題から

•  【01P12】電気工学 答(2) 図に示す回路の合成抵抗値は何Ωか。   1. 6     2. 8     3. 10 4. 12     5. 18  

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圧電変換型

• 圧力、ひずみ、質量測定などに続き、音の検出でも登場して来た、非常に応用範囲の広い素子。

• 圧電素子

•  教科書P108 : (前期の復習)ピエゾ電気効果 圧電効果

• 音圧による変形で、電圧が発生する。

• 超音波の発生や受信に用いられる。

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バイモルフ構造

• 圧電特性が逆となるような圧電素子を2枚張り合わせる。

•  一方は縮み、他方は延びるため 効率が良くなる。

http://www.kyoto-kci.jp/pdf/atudenbaimoruf_hatuden.bak.pdf 日新電機株式会社様

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超音波エコー

• 超音波の反射で、内臓の状態、心臓の弁の周囲の血流、部品内部の傷などを測定できる。

• 音波は、「音響インピーダンス」の境界面で反射しやすい。

• 音響インピーダンス:  •  媒質の密度などの違いから、材質によって音速が異なり、その素材ごと

の「音響インピーダンス」という性質が変わる。 •  この境界面で、音は反射しやすい。

• タイミングを調べたり、流速などによるドップラーシフトを測定したり、様々なバリエーションがあるので、「どんな原理」で、「どんな現象」を測定しているか、原理から整理すると良い。

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シュミットトリガー回路

• シュミットトリガ (Schmitt trigger)とは、入力電位の変化に対して出力状態がヒステリシスを持って変化することを特徴とする、デジタル回路の入力回路方式である。

• 上りと下りの「閾値が異なる」ような入力回路

画像:文章引用元: Wikipedia ヒステリシス特性

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ヒステリシス特性

•  「履歴」特性 • 今ある状態から、変化したくない特性のこと

•  「学校に行きたい」: 朝早く家を出て、夜遅く学校から帰る。 •  「学校へ行く」閾値が低い。 小さなエネルギーで学校へ行ける。

•  「学校に行きたくない」:家を出るのは遅く、帰るのは早い。 •  「学校へ行く」閾値が高い。

•  学校へ行くために、膨大なエネルギーを必要とする。

•  「動きたくない」:学校へ行くのも遅いが、帰るのも遅い。 •  「今ある状態を変化させる」のにエネルギーを要している。 •  家と学校、どちらが好きということは、特にない。

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今日のまとめ

• 動電変換型(可動コイル型;機械振動で磁界中のコイルを動かす)-- 大音響の再生ができる。

• 静電変換型 – コンデンサマイク – コンデンサの極板間距離の変化で生じる容量の変化で、音波を検出する。

• 圧電変換型 – 圧電素子を用いる。 -- 結晶が歪むと電圧を発生する素子。 •   バイモルフ構造;2種類の圧電素子を組み合わせる

• 超音波エコー : シュミットトリガー回路で、波形の立ち上がり部分を検出する。

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次回予告 【第11回】分子・原子の状態と計測(1)

• スペクトロメトリー、原子・分子のスペクトル、蛍光、モノクロメータ、分光分析機器、ランバート・ベールの法則、クロマトグラフィ、質量分析などについて学習する。

• 教科書では、P155〜P167です。