新潟港海岸(西海岸地区)離岸堤(潜堤)端部設計 -...
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1.概 要
新潟西海岸は侵食対策として、昭和61
年度より海岸地形を安定的に防護・維持し、
かつ、快適で潤いのある海岸空間の創出が
可能となる「潜堤+突堤+養浜工」を組み
合わせた「面的防護工法」を導入して整備
してきた。当該事業は、市民等の評価・期
待が非常に高く、事務所でも潜堤延伸(進
捗)に多大な努力がはらわれている。
これまで、第1期離岸堤(潜堤)及び突
堤(第1)、(第2)、(第3)について
は既に完成供用済みである。第2期離岸堤
(潜堤)については現在657mまで完成し
ており、計画延長に対し残り約90mとなっ
ているが、端部(60m)については隣接海
岸の施設計画との調整を図ることから、設計
を見合わせていた。しかしながら、西海岸地
区の海岸保全効果の早期発現を図る必要が
あることから、離岸堤を推進させるため、残
す端部(西側60m)の設計を行うものであ
る。
写真-1 施設現況
新潟港海岸(西海岸地区)離岸堤(潜堤)端部設計
設 計 室
突堤(第1)突堤(第2)突堤(第3)
第1期潜堤
突堤(第4)
第2期潜堤
突堤(第1)突堤(第2)突堤(第3)
第1期潜堤
突堤(第4)
第2期潜堤
全延長 1580m
設計対象区間(60
59
区間延長(m) 40 20 580 60設計水深 (m) -10.5 -10.0 -10.0 -10.5
波高 H1/3 (m) 6.9 6.7 6.4 6.6
周期 T1/3 (m) 14.0 14.0 12.5 15.2
海底勾配 1:n 130 150入射角 β (°) 0 0堤体天端高 (m) -1.5 -1.5
土質条件
-10.0m -10.0m
-10.5m -10.5m
-11.5m -11.5m -11.5m
C=3.0+1.0Z(Z=0;at-11.5m)
C=3.8tf/m2
γ’=0.6tf/m3 γ’=0.59tf/m3
-13.0m -13.0m -13.0m
φ=30° φ=30°
γ’=1.0tf/m3 γ’=1.0tf/m3
0-1.5
120
φ=30°
γ’=1.0tf/m3
備考
A-4区間 A-3区間
第2期潜堤
設計対象区間A区間 A’区間
φ=30°
γ’=1.0tf/m3
φ=35°
γ’=10kN/m3
φ=36°γ’=10kN/m3
C=30.3+10.4Z (kN/m2)
(Z=0;at-11.5m)
γ’=5.8kN/m3
2.設計条件
新潟海岸(西海岸地区)離岸堤(潜堤)端部の設計条件を表-1に示す。
表-1 設計条件一覧表
60
(1)-① (1)-② (2)-① (2)-②
Ns(高橋半沢式) Ns(人工リーフ実験)
直立堤・傾斜堤 海岸等リーフ
H4.10 A 600m 5.7m 20t型 (18.25t) 12.5t型 (11.32t) - -H4.10 B 41.2m 6.2m 32t型 (23.49t) 20t型 (14.57t) - -H4.10 C 68.8m 5.9m 25t型 (20.24t) 16t型 (12.56t) - -H10.12 B’ 60m 6.6m 32t型 (28.33t) 20t型 (17.58t) ※25t型 (18.59t) ※16t型 (13.07t)
H10.12 C’ 60m 5.9m 25t型 (20.24t) 16t型 (12.56t) ※16t型 (13.28t) ※8t型 (7.01t)
H8.2 A 580m 6.4m 32t型 (25.83t) 20t型 (16.03t) - -H10.12 A’ 60m 6.6m 32t型 (28.33t) 20t型 (17.58t) ※25t型 (18.59t) ※16t型 (13.07t)
A-3 20m 6.7m 40t型 (29.64t) 20t型 (18.39t) 25t型 (19.21t) 20t型 (14.65t)
A-4 40m 6.9m 40t型 (32.38t) 25t型 (20.08t) 25t型 (21.24t) 20t型 (16.81t)H18
第2期
第1期
ブレブナードネリー式ハドソン式
KD(一建実験値)KD(カタログ値)
設計年 施設 設計区間 延長設計波H1/3
3.基本設計
3-1 所要ブロック重量の算定
<算定式>
(1)ハドソン式 : M=ρ・H3/KD・(Sr-1)3・cotα
①一般的なKD値(カタログ値)
②一建実験によるKD値(※既設の潜堤設計で採用している方法)
(2)ブレブナードネリー式 : M=ρ・H3/Ns3・(Sr-1)3
①消波ブロック被覆堤のNs値(基準:高橋・半沢らの式 1998.3)
②人工リーフのNs値 (海岸工学論文:人工リーフの機能安定性に関する実験的研究 1996.11)
<設計条件> ※)KD値及びNs値については、代表的なブロックについて示す。
<KD値> <Ns値>
<各区間の所要重量算定結果(テトラポッド)> ※( )は所要重量
※現行海岸基準(H16.4)よりハドソン式に加え、ブレブナードネリー式が適用されて
おり、旧基準では土研実験式または当該条件の水理実験によることとされている。
h
R
1:n
テトラポッド 8.30六脚ブロック 8.10シーロック 10.00
シェークブロック 8.60(1)-② テトラポッド 13.38
算定式 ブロック KD値
(1)-①
HWL LWLテトラポッド六脚ブロックシーロック
シェークブロック(2)-② テトラポッド 3.00 2.8
算定式 ブロックNs値
2.682.642.842.75
(2)-①
区間潮位 HWL LWL HWL LWL
検討潮位 0.5 0.0 0.5 0.0設計水深 h(m)
設計波高 H1/3(m) 6.7 6.4 6.9 6.7斜面勾配 1:n
天端水深 R(m) 2.0 1.5 2.0 1.5R/H1/3(m) 0.30 0.23 0.29 0.22
A3 A4
1.5
10.0 10.5
61
<A-3区間算定結果>
※( )は所要重量
(1)-① (1)-② (2)-① (2)-②
KD(カタログ値) KD(一建実験値) Ns(消波ブロック被覆堤) Ns(人工リーフ)
テトラポッド 40t型 (29.64t) 20t型 (18.39t) 25t型 (19.21t) 20t型 (14.65t)六脚ブロック K1.44型 (30.37t) K1.22型 (19.97t)シーロック 25t型 (24.60t) 20t型 (16.13t)
シェークブロック 30t型 (28.61t) 20t型 (17.80t)
算定式 ハドソン式 ブレブナードネリー式
<A-4区間算定結果>
※( )は所要重量
(1)-① (1)-② (2)-① (2)-②
KD(カタログ値) KD(一建実験値) Ns(消波ブロック被覆堤) Ns(人工リーフ)
テトラポッド 40t型 (32.38t) 25t型 (20.08t) 25t型 (21.24t) 20t型 (16.81t)六脚ブロック K1.44型 (33.17t) K1.22型 (22.08t)シーロック 30t型 (26.87t) 20t型 (17.83t)
シェークブロック 40t型 (31.25t) 20t型 (19.68t)
ハドソン式 ブレブナードネリー式算定式
3-1 決定断面
(1)A-3区間
40.0
図-1 標準断面図(消波ブロック20t型)
(2)A-4区間
40.0
図-2 標準断面図(消波ブロック25t型+20t型)
62
1.概 要
新潟港(西港地区)防波堤(第二西)
は、港内における船舶の安全な入出港お
よび荷役稼働率を向上させて、効率的な
港湾物流を図るために計画された施設
である。
本施設は、昭和46年度より着工し、平
成17年度に現在の終端ケーソン(F-
2区間2函目)を据え、上部工等を施工し、
本防波堤計画延長1,700mに対し、現在
延長約1,403mを整備済みである。また、
G区間までが設計済であり、今回の設計対象
区間は施設の最終区間であるH区間につい
て設計を行った。
図-1 設計対象構造物位置図
新潟港(西港地区)防波堤(第二西)(H区間)設計
設 計 室
設計対象区間
H区間147m
63
8.5 8.6
14.0 14.0
15.2 15.4
3 0
120 147
-19.0 -19.0 ( )は洗掘を考慮した
(-22.0) (-22.0) 水深
+5.6 +5.7
H.W.L(m) +0.5 +0.5
H.W.L(m) +0.0 +0.0
▽±0.0m ▽±0.0m
海底地盤 -19.0m 海底地盤 -19.0m
置換砂 置換砂
φ=30° φ=30°
γ'=10kN/m3 γ'=10kN/m3
置換外 粘性土 置換外 粘性土
C=8.1kN/m2+0.83Z C=16.5kN/m2+0.36Z
(Z=0,at-19m) (Z=0,at-19m)
γ'=7.0kN/m3 γ'=6.9kN/m3
-23.0m -23.0m
砂質土 砂質土
φ=37° φ=37°
γ'=10kN/m3 γ'=10kN/m3
-26.0m -26.0m
粘性土 粘性土
C=17.6kN/m2+1.05Z C=16.5kN/m2+0.36Z
(Z=0,at-26m) (Z=0,at-19m)
γ'=7.0kN/m3 γ'=6.9kN/m3
-28.0m -28.0m
砂質土 砂質土
φ=34° φ=34°
γ'=10kN/m3 γ'=10kN/m3
備 考G区間 H区間
新潟港(西港地区)防波堤(第二西)
設 計 天 端 高 (m)
設計潮位
土 質 条 件
入 射 角 β(°)
区 間 延 長 (m)
設 計 水 深 (m)
施 設 名
設 計 波 高 H1/3(m)
設 計 周 期 T1/3(sec)
設計最大波高 HD(m)
区間名称設計条件
2.設計条件
新潟港(西港地区)防波堤(第二西)(G区間)の設計条件を表-1に示す。
表-1 設計条件一覧表
64
3.基本設計
3-1 基本的な考え方
① ケーソン製作は新潟東港で予定してお
り、4層目まではFD(フローティングド
ック)製作、5層目以降は海上打継とする。
打継場等の諸元を表-2に示す。
② ケーソン据付天端高は、施工性を考慮
したH.W.L.+1.5mが標準であるが、
圧密沈下が予想されるため、沈下を考慮し
た乾舷を確保する。
③ 本設計区間の海底表層付近には、比較
的緩い粘性土が存在することから、地盤支
持力を確保するための地盤改良の有効性
の確認を行い、ケーソンの施工性・経済性
を確保する。
④ 堤体幅および基礎マウンド幅を縮小で
き、経済性で有利となる摩擦増大マットを
使用する場合についても検討する。
⑤ 基礎支持力の安定性と経済性を考慮し
フーチングを設ける。
表-2 打継場等の諸元
同時 製作
函 数
打 継 場 -9.5m 2函 既設
仮 置 場 -13.0m 2函 既設
引出 水路 -14.0m -
航 路 -14.0m -
水深 備考
3-2 提案断面
前述の考え方に基づき、経済性・施工性
の面から構造の検討を行い、図-2 の断面が
採用された。
図-2 H区間 採用標準断面図(完成時)
65
66
作業基地防波堤
設計対象区間A~C-2区間551m
作業基地防波堤作業基地防波堤
設計対象区間A~C-2区間551m
設計対象区間A~C-2区間551m
1.概 要
直江津港(荒浜ふ頭地区)防波堤(第3
東)は、施設延長660m(内、直部46
0m)をエネルギー事業で整備するもので、
上越火力発電所1号系列の運転開始に合
わせて、平成23年完成を目途としている。
既設計A・B・C区間約524mは、作
業基地ケーソンの撤去に伴う、流用材を有
効活用することで断面決定(平成10年1
月設計会議)している。今回の設計は、既
設計済み区間(A~C-2)の設計波等の
修正設計を行う。
写真-1 設計対象位置
直江津港(荒浜ふ頭地区)
防波堤(第3東)(A~C区間)修正設計
設 計 室
67
A区間 B区間 C-1区間 C-2区間 備 考
区間延長(m) 205 188 72 86
設計波高H1/3(m) 3.9 3.4 2.7 2.7
設計周期T1/3(sec) 12.0 12.0 12.0 12.0
波向 N N N N
入射角β(°) 32° 30° 0° 0° 15°補正後のβ
+2.84 +2.54 +2.12 +2.12 計算値(0.6H1/3+H.W.L)
+3.00 +3.00 +2.50 +2.50 採用値(0.5m単位で切上)
A区間 B区間 C-1区間 C-2区間 備 考
区間延長(m) 205 188 72 86
設計波高H1/3(m) 4.4 4.1 3.8 3.7
設計周期T1/3(sec) 12.6 12.6 10.9 10.0
波向 N N NNE NE
54°( 1°) 49°(6°) 44°(11°) 7°(3°) 補正前のβ(方位角)
39°(16°) 34°(21°) 29°(26°) 0°(10°) 15°補正後のβ(方位角)
+3.14 +2.96 +2.78 +2.72 計算値(0.6H1/3+H.W.L)
+3.20 +3.00 +2.80 +2.80 採用値(0.1m単位で切上)
( +0.20 ) ( +0.00 ) ( +0.30 ) ( +0.30 ) ( )は原設計からの増
【参考 ; 設計波H1/3増大量の割合】
A区間 B区間 C-1区間 C-2区間 備 考
0.5 0.7 1.1 1.0
13% 21% 41% 37%
増大量(m)
区 間
区 間
入射角β(°)
区 間
修正設計
防波堤天端高(m)
原設計
防破堤天端高(m)
率 (%)
砂質土 φ=30°
γ’=10.0 kN/m3
砂質土 φ=30°
粘性土
γ’=10.0 kN/m3
粘性土 C=168.0 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
C=64.00 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
砂質土 φ=30°
粘性土
γ’=10.0 kN/m3
C=64.00 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
砂質土 φ=30°
粘性土
γ’=10.0 kN/m3
A区間
C=64.00 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
B区間C-1,C-2区間
2.設計条件
直江津港(荒浜ふ頭地区)防波堤(第3東)(A~C区間)の設計条件を表-1に示す。
表-1 設計条件一覧表
68
当初設計C-1 C-2
サクション函 標準函【設計条件】
設計波H1/3(m) 3.9 3.4 2.7 2.7 H10.1設計
+2.84 +2.54 +2.12 +2.12 計算値(0.6H1/3+HWL)
+3.00 +3.00 +2.50 +2.50 採用値(0.5m単位で切上)
見直し設計
C-1 C-2
サクション函 標準函
【設計条件】
見直し設計波H1/3(m) 4.4 4.1 3.8 3.7 H19.3設計
+3.14 +2.96 +2.78 +2.72 計算値(0.6H1/3+HWL)
+3.20 +3.00 +2.80 +2.80 採用値(0.1m単位で切上)
(+0.20) (+0.00) (+0.30) (+0.30) ( )は原設計からの増
【参考】
+1.00 +1.00 +2.80 +1.00 暫定時
+1.00 +1.00 +2.80 +1.00 完成時
- - - - 暫定時
+3.20 +3.00 +2.80 +2.80 完成時
ケーソン天端高(m)
上部工天端高(m)
区 間 A B
備 考A B
備 考
見直し天端高(m)
防波堤天端高(m)
区 間
3.基本設計
3-1 既設区間 A~C-2 区間の修正について
1)既設計区間の修正内容
防波堤(第3東)の設計条件は、平成1
0年1月設計会議において、防波堤(沖)
および作業基地防波堤と同じく決定して
いる。その後、防波堤(沖)の設計につい
ては設計波および沈下量の見直し等実施
してきたが、防波堤(第3東)については
当初設計のまま現在に至っている。
従って、防波堤(第3東)の既設計 A~
C-2 区間についても、設計波の修正を行う。
修正の内容は以下のとおり。
① 設計波の修正による防波堤天端高の
変更。コスト縮減より防波堤天端高の設
定単位を 0.5m単位から 0.1m単位に変
更。
② コスト縮減より蓋コンクリート厚さ
を現在標準の厚さに修正。(当初 0.6m →
修正 0.5m)
③ 施工性・安全性の向上および沈下へ
の対応による C-2 区間の基礎マウンド
天端高の修正。(当初-13.0m→修正
-12.5m)
2)既設計区間の修正設計断面
既設計A~C-2区間の修正設計断面
は、以下のとおりとする。
① A区間
・先行マウンド施工済み区間であり、
修正は上部工の嵩上げとする。
・追加が必要な嵩上高が 20cm と薄いた
め、施工後の安定性・耐久性を考慮し、
パラペット場所打ちとする。
② B区間
・上部工は高さに余裕があったため嵩
上げ高の変更はない。
・上部工構造は、施工後の安定性・耐
久性を考慮し、パラペット場所打ちと
する。
③ C-1区間
・嵩上は経済性により、パラペット場
所打ちとする。
69
D D
+3.2+2.8
嵩上工20cm
-12.5
+1.0
+3.0
-13.0
+1.0
-12.5
+3.0
-13.5
+1.0
基礎マウンド天端高+50cm
-12.5
+2.8
-12.5
嵩上工30cm
13.00
カウンターウェート(捨コンクリート)t=0.45
上床版
2.50
0.50
0.30
+3.20
+1.50 +1.00
2.504.00
9.05 0.85 3.00
3.50
2.91 2.00 5.00
基礎捨石 200~500㎏/個
3.00 2.00
マット類
帆 布
-11.00
-12.50
被覆石1t/個
根固方塊 2.5×1.5×0.8根固方塊 2.5×1.5×0.8
ケーソン 13.0×17.0×13.5(B) (L) (H)
-17.00
L.W.L±0.00 H.W.L+0.50
-10.32
被覆ブロック 4t型(2層乱積み)
0.50
0.10
中
詰
砂
中
詰
砂
中
詰
砂
捨石 (30~200kg/個)1:2
1:3
1:1
1:1
凡 例
見直し箇所流用一部流用
パラペット(新規)
①新規場所打ち(パラペット天端高+20㎝増)
3.75
3.00
被覆ブロック(パラペット) 3.0(3.75)×6.5×1.5(B) (L) (H)
CL
④ C-2区間
・既設計ではケーソン天端高が
H.W.L.(+0.5m)であるため、施工性・
安全性を考慮し、基礎マウンド天端高
を 0.5m の高くし、ケーソン天端高
+1.0mとする。
・上部工構造は、安定性・耐久性および
施工性を考慮し、パラペット場所打ち
とする。
※上部パラペットブロック等の用途換
え利用は、新潟港との調整により決定
する。
4.決定断面
前項までの検討を踏まえ、決定断面を以下のとおりとする。
図-1 A区間修正設計断面
70
2.502.503.00 3.50
2.91 2.00 5.00
基礎捨石 200~500㎏/個
3.00 2.00
マット類
帆 布
13.00
カウンターウェート(捨コンクリート)t=0.45
上床版
0.50
0.30
+3.00
+1.50+1.00
9.15 0.75 3.00
ケーソン 13.0×17.0×13.5(B) (L) (H)
0.50
0.10
中
詰
砂
中
詰
砂
中
詰
砂
-11.00
-12.50
被覆石1t/個
根固方塊 2.5×1.5×0.8根固方塊 2.5×1.5×0.8被覆ブロック 4t型
(2層乱積み)
-18.00
1:21:3
-10.32
1:1
1:1
L.W.L±0.00 H.W.L+0.50
捨石 (30~200kg/個)
凡 例
見直し箇所流用一部流用
パラペット(新規)
①新規場所打ち(パラペット現行高t=1.5m)
CL
凡 例
流用一部流用
見直し箇所
-10.60
8.90
0.30
1.00
基礎捨石 200~500㎏/個
2.50 3.50
2.40 2.00 5.00
2.504.00 1.00
1:2
1:3
1.00
-18.00
-11.50
-13.00
被覆石1t/個
被覆ブロック 4t型
(2層乱積み)
根固方塊 2.5×1.5×0.8根固方塊 2.5×1.5×0.8
3.00 2.00
マット類
帆 布
中
詰
砂
中
詰
砂
0.60
1:1
1:1
ケーソン 8.9(10.9)×23.9×15.5(B) (L) (H)
L.W.L±0.00 H.W.L+0.50
捨石 (30~200kg/個)
※サクション基礎部ケーソン流用
3.75
3.00
被覆ブロック(パラペット) 3.0(3.75)×6.5×1.5(B) (L) (H)
1.00
0.80
+2.80
3.90
CL
①新規場所打ち(パラペット天端高+30㎝増)
図-2 B区間修正設計断面
図-3 C-1区間修正設計断面
71
2.502.504.50 3.50
2.40 2.00 5.00
基礎捨石 200~500㎏/個
3.00 2.00
マット類
帆 布
13.00
カウンターウェート(捨コンクリート)t=0.45
上床版
0.50
0.30
+2.80
+1.50+1.00
9.25 0.65 3.00
0.50
中
詰
砂
中
詰
砂
中
詰
砂
ケーソン 13.0×17.0×13.5(B) (L) (H)
根固方塊 2.5×1.5×0.8根固方塊 2.5×1.5×0.8被覆ブロック 4t型
(2層乱積み)
1:3
-11.00
-12.50
-10.10
-19.00
1:1
1:1
1:2
被覆石1t/個
L.W.L±0.00 H.W.L+0.50
捨石 (30~200kg/個)
パラペット(新規)
凡 例
流用一部流用
①新規場所打ち(パラペット高t=1.3m)
②基礎マウンド天端高(+50㎝増)
見直し箇所
3.75
3.00基礎マウンド天端高+50㎝
被覆ブロック(パラペット) 3.0(3.75)×6.5×1.5(B) (L) (H)
CL
図-4 C-2区間修正設計断面
72
作業基地防波堤
設計対象区間D区間109m
作業基地防波堤作業基地防波堤
設計対象区間D区間109m
1.概 要
直江津港(荒浜ふ頭地区)防波堤(第3
東)は、施設延長660m(内、直部46
0m)をエネルギー事業で整備するもので、
上越火力発電所1号系列の運転開始に合
わせて、平成23年完成を目途としおり、
先端部D区間約109m標準部の設計を
行うものである。
既設計A・B・C区間約524mは、作
業基地ケーソンの撤去に伴う、流用材を有
効活用することで断面決定(平成10年1
月設計会議)している。
今回の設計対象区間は、その後平成10
年3月設計会議により、ケーソン長が変更
(L=20m→L=17m)となったこと
から「新技術対応の施工区間の余地を残
す。」とある、先端部109mのD区間に
ついて、新技術も含めた断面検討を行う。
写真-1 設計対象位置
直江津港(荒浜ふ頭地区)防波堤(第3東)(D区間)設計
設 計 室
73
砂質土
砂質土 φ=40°
粘性土 C=2.98z+21.36 kN/m3
(Z=0 at -20.0m)
γ’=10.0 kN/m3
γ’= 6.1 kN/m3
粘性土 C=114.63 kN/m3
γ’=6.0 kN/m3
砂質土 φ=30°
γ’=10.0 kN/m3
砂質土 φ=30°
粘性土
γ’=10.0 kN/m3
粘性土 C=168.0 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
C=64.00 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
砂質土 φ=30°
粘性土
γ’=10.0 kN/m3
C=64.00 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
砂質土 φ=30°
粘性土
γ’=10.0 kN/m3
A区間(参考)
C=64.00 kN/m3
γ’=7.0 kN/m3
B区間(参考)C-1,C-2区間(参考)
D区間
φ=40°γ'=10.0 kN/m3
2.設計条件
直江津港(荒浜ふ頭地区)防波堤(第3東)(D区間)の設計条件を表-1に示す。
表-1 設計条件一覧表
区 間 A区間(参考) B区間(参考) C-1区間(参考) C-2区間(参考) D区間 備 考
区間延長(m) 205 188 72 86 109
波向(港外波) N N NNE NE NE
設計波高H1/3(m) 4.4 4.1 3.8 3.7 3.5
設計周期T1/3(sec) 12.6 12.6 10.9 10.0 10.0
54° 49° 44° 7° 9° 補正前のβ
39° 34° 29° 0° 0° 15°補正後のβ入射角β(°)
74
3.基本設計
3-1 検討断面
D区間の断面比較は、一般的な構造断面と
新技術構造断面によるものを対象とする。
1)一般的な構造断面
○前面パラペット堤
○後部パラペット堤
2)新技術構造断面
新技術構造断面は、直江津港での実績
および成果を反映するためサクション基
礎と、経済的に有利になると考えられる、
ハイブリットケーソン堤を対象とする。
○ハイブリットケーソン堤
○サクション基礎構造
3-2 設計上の基本的な考え方
1)ケーソン製作上の制約条件
本体の主要部分であるケーソン製作は、
直江津港でFD製作を予定している。
(1)ケーソン製作は、FDによるコスト
を考慮しなるべく同時製作とする。
(参 考)
H20 年度 異形函 1函、標準函 2函製作
対象 FD:載荷荷重 6,000t
製作可能幅 B32m×L52m
H21 年度 標準函 4函製作
対象 FD:載荷荷重 5,000t
製作可能幅 B29m×L48m
(2)引出水路水深:-14.5m
3-3 新技術構造断面について
1)防波堤(第3東)に必要とされる機能
第3東防波堤D区間の地盤は、表層の
砂質土層が薄く、下部の粘性土の強度も
さほど強くない。防波堤の設計・施工実
績から判断すると堤体の安定にとって、
支持力(地盤反力)に関する破壊モードが
支配的で、これに対応するためにフーチ
ング(バットレス)の採用や水張りによる
堤体重量の軽減が図られてきた。下部の
粘性土層は、地盤改良が必要なほど脆弱
なものではないが、地盤の安定に寄与す
るために十分な地盤反力の低減を図る必
要はある。
2)構造分類の選定
当該施設が機能条件を満足する構造を
選定し、自然条件および特徴を考慮して
比較検討を行う。
①軟着堤構造
・軟弱地盤着堤式ケーソン堤
②拡堤構造
・ハイブリッドケーソン堤
・バットレスケーソン堤
・台形ケーソン堤
③半円形構造
・半円形ケーソン堤
④杭構造
・杭式(PC 二重カーテン式)
・杭式(ジャケット式)
⑤サクション基礎構造
・サクション基礎
3)構造形式の選定要素
比較検討の結果、ハイブリットケーソ
ン堤およびサクション基礎が構造形式と
して適していると考えられる。
以上について、経済性を加え最適断面
を決定する。
75
1:2
(港外側)
1:3
基礎捨石(200~500kg/個)
-12.00-12.75
マット類
帆布
-13.50
(港内側)
-20.00
L.W.L±0.00 H.W.L+0.50 +1.00
ケーソン 9.0(12.0)×18.0×14.5(B) (L) (H)
+2.00+2.60
1:1
被覆ブロック 3t型
(1層整積み)
根固方塊 2.5×3.0×1.0
(2層積み)被覆石1t/個
1:1
中
詰
砂
中
詰
砂
捨石 (30~200kg/個)
CL
根固方塊 2.5×3.0×1.0
4.決定断面
一般的な構造断面と新技術構造断面を比較し、最も経済的となる前面パラペット堤を決
定断面とする。
図-1 D区間決定標準断面図(完成時)
76
10.5
40.0
9.8
2.0
2.0
図-3 潜堤端部(西側)平面図
77
78
伏木富山港(新湊地区)臨港道路東西線電気設備詳細設計
~グレア対策の検討について~
技術開発課
1. はじめに
伏木富山港は、日本海
沿岸のほぼ中央に位置し、
富山県を中心とした北陸地
方の物流拠点として重要な
役割を担っている。
臨港道路富山新港東西
線(総延長約 3,600m)は、
港湾関連車両を幹線道路へ
円滑に誘導するための臨港道路として、富山県射水市に位置する富山新港の港口部に計
画され、平成 14 年度に現地着工している。また、本臨港道路は主橋梁部、アプローチ部
及び土工部から構成されており、このうち新湊大橋(仮称)は、大型船舶の航行する航
路上に日本海側最大の斜張橋として整備が進められている。
本橋の架橋地点は、昭和 42 年の富山新港建設に伴い東西に分断された地域であるこ
とから、地元住民からは、本来の整備目的以外に、分断以来の交通手段である渡船に代
わる機能や新たなランドマークとして期待されている。
本検討は、電気設備詳細設計の内、本臨港道路建設に伴うグレア対策についてとりま
とめたものである。
2. 検討内容
2-1 グレア検討の目的
「グレア」とは、まぶしさを示すものであり、照明設計においては、道路照明等の
機器から発せられる光の内、周囲に不快と感じさせる光、又は視認性に悪影響を及ぼ
す光を指す。グレアの制限値は、航空局や海上保安庁で勧告している数値等があるが、
原因となる灯具や影響を受ける対象物により、数値や考え方が異なるため、適切に設
定する必要がある。
本業務は、既往設計におけるグレア検討結果より、本臨港道路においてグレア対策
を実施すべき対象を抽出し、検討条件を整理した上で、グレア対策の検討を行うこと
が目的である。
2-2 既往設計結果の整理
既往設計における、グレア検討結果及び検討の必要性を表-1に示す。この結果、
中央径間
360m
側径間
120m
側径間
120m
図-1 新湊大橋(仮称)の側面図
79
制限値を超える結果となった2項目(表-1着色箇所)についてグレア対策の検討を
行った。
表-1 既往設計におけるグレア検討結果及び検討の必要性
既往設計の検討結果 グレア
対象 グレア検討
の有無 検討結果
本設計で検討の必要性
道路利用者
無し - -
×無し
通常の照明器具を設置基
準に基づいて設置する場
合、グレアの影響は軽微で
ある。また、制限値や検討
手法も明確ではないため、
検討は不要と考える。
道路照明・自歩道照明
航路利用者
有り NG
海上保安庁の指導
する橋梁灯に関する
制限値(背景が非常
に 暗 い 場 合 の
0.01Lx)を適用し、
道路照明および自歩
道照明の両方で制限
値を超えている。
○有り
海上保安庁の指導する制
限値を超えており、再検討
の必要がある。
橋梁灯(
航路標識)
航路利用者
無し - -
×無し
設置する橋梁灯は、海上
保安庁が規定する灯具性能
を満たすものでなければな
らない。通常、この灯具に
対しグレア対策を検討する
必要はない。
周辺地域
有り NG
一部施設で、角膜
照度の制限値を超え
ている。
○有り
航空局の制限値を超えて
おり、再検討の必要があ
る。 航空障害灯
海上灯火
有り OK
周囲の海上灯火へ
の 影 響 は 軽 微 で あ
り、対策を講じる必
要はない。
×無し
3. 道路照明及び自歩道照明によるグレア検討
3-1 既往設計結果
既往設計における検討条件及び結果を表―2、3に示す。
道路照明及び自歩道照明共にグレアの限界値を超過しているが、自歩道照明が大幅に
超過した結果となっている。
80
表-2 既往設計におけるグレア検討条件及び結果(道路照明)
項 目 摘要
照明方式・灯具取付高 ポール照明方式・H=8m(幅員 W=7.0m から、H≧1.1×W)
光源 HF250X(高圧水銀ランプ)
照明設置間隔 S=28m(灯具取付高 H=8m から、S≧3.5×H)
船舶航行に対する
グレア
グレアが発生し、航海者に影響を与える範囲である橋梁中心から水
平距離 100m 以上の範囲で、限界値である平均照度 0.01Lx を超えて
いる。(100m 前方で 0.05 Lx 程度)
表-3 既往設計におけるグレア検討条件及び結果(自歩道照明)
項 目 摘要
50Lx 以上(一般部) 平均照度
100Lx 以上(EV ホール、主塔付近、支間中央付近)
センター配置天井(鋼桁部) 蛍光灯 32W 照明器具
サイド配置高欄上部(PC 桁部) 蛍光灯 32W
船舶航行に対する
グレア
グレアが発生し、航海者に影響を与える範囲である橋梁中心から
水平距離 100m 以上の範囲で、限界値である平均照度 0.01Lx を超
えている。(100m 前方で 0.05~0.2Lx 程度)
3-2 検討方針
制限値は、「導灯に関する IALA(国際航路標識協会)勧告」で定める 0.1Lx と背景が
非常に暗い場合に採用される 0.01Lx があるが、現場条件を勘案した海上保安庁の指導
により、0.01Lx を採用することとした。
道路照明及び自歩道照明によるグレア対策は、各々のグレアを同時に考慮した場合
にも制限値を満足する必要がある。しかし、各々のグレアを同時に考慮したシミュレ
ーションが不可能であることから、グレア対策を考慮の上各々シミュレーションを実
施し、橋梁中心から 100m の範囲における照度分布の和が 0.01Lx 以下となれば、制限
値を満足するグレア対策と考えた。
道路照明のグレア対策は、①配光制御器具の採用(ルーバーの設置)、②照明灯柱を
下げることを検討することとした。対策イメージを図-2に、検討条件を表-4に示
す。各種数値及び分類については、「道路照明設置基準」(日本道路協会発行)より設
定した。光源は、既往設計では高圧水銀ランプとしていたが、ランプが小さいほど配
光制御器具の効果が大きいことから、ランプの大きさと経済性よりセラミックハライ
ドランプとした。
81
航路への漏れ光をカット
ポール高8mの配光
ポール高調整
港内 港外
図-2 グレア対策イメージ(照明柱高さの見直し)
表-4 道路照明グレア検討条件
項 目 設計条件
道路分類 幹線道路
車道幅員(W) W=7.0m(路肩含まず) 既往設計より
路面の仕上げ アスファルト 既往設計より
採用光源 セラミックメタルハライドランプ
基準輝度 0.5cd/㎡
平均照度 7.5Lx
航行船舶に対する
グレア
グレアが発生し、航海者に影響を与える範囲である橋梁中心
から水平距離 100m 以上の範囲で平均照度 0.01Lx 以下
外部条件※ C
※外部条件とは、建物の照明、広告灯、ネオンサインなどの道路交通に影響を及ぼす光が
道路沿道に存在する程度であり、C は「道路交通に影響を及ぼす光がほとんどない道路
沿道の状態」と定義されている。
自歩道照明のグレアは、既往設計では制限値を大幅に超過しており、対策を施しても
制限値を満足することが困難であることから、基準照度を見直すこととした。既往設
計では基準照度は、自歩道空間へのメリハリの創出及び防犯面を考慮し表-3のとお
り設定していたが、本検討においては各種基準等より、一般部 20Lx 以上、主要箇所
40Lx 以上とし、グレア対策として、①照明器具配置の変更、②ランプ種類の変更、③
照明器具の変更を検討することとした。
3-3 道路照明検討結果
シミュレーションの結果、配光制御器具のみでは制限値を満足しないこと、照明灯
柱高さの変更のみでは輝度の低下により照明灯の数が増加してしまうことが判明した
82
0.01 Lx 未満
0.01 Lx 未満
ことから、それぞれの対策の組み合わせることとした。検討結果一覧を表-5に示す。
道路の平均照度及びグレアの制限値をともに満足するケース5をグレア対策として採
用することとした。ケース5のシミュレーション結果を図-3に示す。
表-5 グレア検討結果一覧
ケース 光源 照明 配置
灯具 配光制御
灯具 高さ
設置間隔
結果 (道路平均照度)
(※7.5Lx 以上)
結果 (航路グレア)
(※0.01 Lx 以下)
1 セラミックメタルハライドランプ 190W
片側 配置
配光制御なし
8m 28m OK(光束法より確
認) -
2 〃 〃 配光制御
あり 8m 28m NG(ケース 4NG より) -
3 〃 〃 〃 7m 28m NG(ケース 4NG より) -
4 〃 〃 〃 6m 28m NG -
5 〃 〃 〃 6.1m 16m OK OK
図-3 シミュレーション結果(車道照明グレア対策時)
3-4 自歩道照明検討結果
シミュレーションの結果、照明器具配置の変更又はランプ種類の変更だけでは、平均
照度及び制限値を満足しないことが判明した。このことから、照明器具を見直す(図
-4参照)とともに、支間中央付近の主要箇所は遮蔽物がなく航路への影響が大きい
ため、基準照度を 20Lx 以上とすることにより、平均照度及び制限値を満足する対策と
した。シミュレーション結果を図―5に示す。
前述のとおり基準照度を下げることにより、制限値を満足する対策を行うことが可
能であることが分かったが、照度を下げることは防犯面、安全面での問題が懸念され
る。また、自歩道内の照明は道路照明と比較して光束が低いため、まぶしさを感じる
83
度合いは低いと考えられることなどから、基準照度及び照明配置は、既往設計のとお
りとすることとした。
当初器具 -天井取付け灯-
対策後器具 -天井取付けダウンライト-
当初器具 -高欄上部取付け灯-
対策後器具 -壁埋込み灯-
図-4 照明灯具見直しイメージ
図-5 シミュレーション結果(自歩道照明グレア対策時)
天井
天井
壁埋込灯
約 0.01 Lx
約 0.01 Lx
84
4. 航空障害灯によるグレア検討
4-1 航空障害灯の設置について
航空障害灯は、航空法第 51 条にお
いて地表面または水面から 60m 以上の
高さの物件には設置が義務づけられて
おり、本橋の主塔高さが 125m である
ことから、これに該当する。設置位置
については、航空法施行規則第 127 条
に高さが 105m を超える物件は、当該
物件の底部までの間に、ほぼ等間隔の
位置にも設置することになっており、
既往設計では図-6のとおり設置する
こととしていた。
4-2 既往設計結果
既往設計では、周囲 2km 以内にある公共施設、高層建築物及び大型マンション等の
42 物件を対象に角膜照度計算を行った結果、雨天時にグレアの下限値(眩しく見え始
める値)を超過した物件が 14 あった。なお、角膜照度とは、瞳に入る光の強さを照度
で表したものであり、観測者が感じる光源の明るさを表すのに用いられる。
4-3 検討方針
角膜照度は通常の照度計算と同様に逆 2 乗法則を使用し、大気透過率を考慮すること
により算出する。算出された角膜照度が表-6に示すグレア下限値を超過した場合に
「グレア有り」と判断され、グレア対策を検討するものとした。なお、グレア下限値
は、法律、基準等で規定されたものがないことから、一般的に使用される値を使用し
た。角膜照度計算は、気象が晴れ(視程 15km)、曇り(同 3km)、雨(同 1.2km)で背景
が昼間、薄明、夜間に対して実施し、検討対象物件は、現地調査の結果既往設計後に
建設された 1 物件を追加した 43 物件とした。
グレア対策は、ルーバー(遮光板)の設置について検討した。
表-6 グレア下限値一覧表
(単位:Lx)
背景\視程 晴(15km) 曇( 3km) 雨(1.2km)
昼間 8×10-2 4.5×10-2 2.8×10-3
薄明 1.0521×10-2 7.3493×10-3 3.0974×10-4
夜間 2×10-3 1.9×10-3 8×10-5
図-6 既往設計における航空障害灯設置位置
85
4-4 検討結果
無対策時は、既往設計時と同様に 14 物件で「グレア有り」下限値を超過する結果と
なった。対策として、ルーバーの設置を航空法施行規則の規定を満足する範囲とした
場合(水平面より下 5°以下)には、1 物件が P22 中間部の障害灯に対して、グレア下
限値を超過する結果となった。水平面より下 5°より上の範囲へのルーバーの取付によ
り、全ての物件でグレア下限値を下回る結果となることが分かったが、航空法施行規
則の規定を逸脱するため大阪航空局に照会した結果、航空法施行規則の規定を逸脱す
ることの例外を認めていないこと、対策は仰角の変更、又は設置位置の変更(10%以
内)を検討するよう指導を受けた。
本橋梁に設置を計画している航空障害灯は 360°タイプであり、設置角度は水平が基
本であることから、設置位置の変更について検討を行うこととした。検討の結果、中
間部の設置位置を 3.5m 上方に移動することにより、全ての物件でグレア下限値を下回
ることを確認した。図-7に中間部航空障害灯及びルーバーを示す。
図-7 中間部航空障害灯及びルーバー設置参考図
5. 今後の課題
自歩道照明のグレアについては、前述のとおり、一般部の基準照度を 20Lx とすると
ともに、照明灯具を見直すことにより、制限値を満足することが確認されたが、防犯
面及び安全面での問題が懸念されることから、当初設計どおりとすることとした。こ
の場合、グレアの制限値を満足しないことから、海上保安部と協議し、了解を得る必
要がある。
ルーバー
ルーバー
航空障害灯
航空障害灯
86
金沢港(大野地区)泊地(-13m)護岸設計
設 計 室
1.はじめに
金沢港(大野地区)泊地(護岸)は、平成 18 年度より現地着手している「金沢港多目的国
際ターミナル事業」の岸壁(-13m)とあわせて整備される泊地(-13m)の南側に位置する護岸であり、
岸壁の早期供用にあわせた平成 20 年度内での整備完了を予定している。
本件は、港湾機能に支障がなく泊地域を恒久に確保するとともに、背後用地も安定的に維持で
きる護岸の設計を行ったものである。
また、本施設は隣接する岸壁法線と直交しているため、護岸の反射波が岸壁前面の静穏度に影
響するとともに、岸壁の暫定供用時は、西防波堤が未完成であることから、冬季風浪等による港
内擾乱が懸念されるため、反射を抑えた護岸構造とした。
設計対象位置を図-1に示す。
図-1 設計対象位置図
設計対象位置 岸壁(-13m)1号
87
2.設計条件
2-1 護岸構造
表-1 構造条件一覧表
設 計 値 備 考 種 別 項 目
Ⅰ工区 Ⅱ工区 Ⅲ工区
30m
-13.0m ~
-6.0m
99m
-6.0m ~
-1.5m
218m
-1.5m
総延長 347m
泊地水深:-13.0m
法勾配 1:2
形状条件 区間延長
整備水深
(法線水深)
天端高
水叩き幅
水叩き勾配
+2.5m
3.0m
1/100
隣接施設に準ずる。
(岸壁(-13m):+2.5m
航路護岸 :+3.0m)
海側へ片勾配
常時;
q=30.0kN/㎡
地震時;
q=15.0kN/㎡
サムソントレーラー他
常時;
q=5.0 kN/㎡
地震時;
q=2.5 kN/㎡
-
常時;
q=5.0 kN/㎡
地震時;
q=2.5 kN/㎡
-
Ⅰ工区は利用形態上、岸壁
(-13m)に準ずる。
外力条件 上載荷重
(荷役機械)
設計震度
kh=0.14、
kv=0.0
kh=0.12 × 1.0
×
1.2≒0.14
(C 地区,第二
種地盤,A 級)
kh=0.12、kv=0.0
kh=0.12×1.0×1.0
=0.12
(C 地区,第二種地盤,B 級)
Ⅰ工区は利用形態上、岸壁
(-13m)に準ずる。
H.W.L. +0.50m
L.W.L. ±0.00m
+0.35m(矢板式) 0.5×2/3=0.333≒0.35m R.W.L.
+0.20m(重力式) 0.5×1/3=0.167≒0.20m
H1/3 1.0m
Hmax 1.8m
T1/3 14.0sec
構造及び部材検討波
H1/3 0.4m
Hmax 0.7m
海象条件
T1/3 6.0m
Ⅱ工区の遊水室検討対象波
その他 耐用年数 50 年
※Ⅱ工区及びⅢ工区の構造は、岸壁(-13m)暫定供用時において反射波を抑制できる構造とする。
2-2 外力条件(上載荷重)
本施設は、荷役機械等による特殊な荷重の作用は無いため、本護岸における基本的な外力条
件としては、その他の荷重として、群集荷重を上載荷重として考慮した。
なお、Ⅰ工区においては施設構造上岸壁(-13m)と利用形態が同一となるため、岸壁(-13m)と
同様積載荷重を採用した。以下に、各区間の検討に用いる外力条件(上載荷重)を示す。
Ⅰ工区・・・積載荷重(常時:30kN/m2、地震時:15kN/m2,サムソントレーラー他)
Ⅱ工区・・・群集荷重(常時: 5kN/m2、地震時: 2.5kN/m2)
Ⅲ工区・・・群集荷重(常時: 5kN/m2、地震時: 2.5kN/m2)
88
本施設に隣接する岸壁(-13m)の荷役形態を図-2に示す。
図-2 荷役形態
2-3 土質条件
図-3 泊地(護岸) Ⅰ工区 土質条件
89
3.基本設計
3-1 設計の基本方針
本護岸の設計にあたって、主に以下のことを踏まえ、設計を行った。
1) 岸壁(-13m)供用に影響が出ないように、短期間での整備が出来る構造であること。
2) 西防波堤が、整備途中延長であっても、港内進入波による反射波を抑制できる構造であるこ
と。
3) Ⅰ工区は、隣接する岸壁(-13m)の利用形態から特殊トレーラー等の荷重を考慮すること。
4) Ⅲ工区は、背後に丘陵地に+8.7m 程度の簡易的な築堤があり、護岸構造の安定上(円形すべ
り)から掘削する場合でも、+7.0m の高さを確保する必要があること。丘陵部が護岸背後の至
近距離にあるため、大雨時の含水比(100%)における円形すべりでも安定性をチェックする
こと。
5) Ⅱ~Ⅲ工区は、既設護岸の陸側に築造することから、矢板撤去前は止水矢板代わりに既設鋼
矢板を有効活用することで、なるべく陸上施工で施工性やコストの削減を図ること。
6)既設護岸矢板の撤去手順は、安全上背後土砂の撤去(土圧低減)を先行させること。
3-2 提案断面
設計条件及び設計の基本方針から、本施設は経済性・施工性を踏まえ、以下Ⅰ~Ⅲ工区の構造
図-4 泊地(護岸) Ⅱ工区 土質条件
図-5 泊地(護岸) Ⅲ工区 土質条件
90
タイプを採用した(図 6~11)。
Ⅰ工区 (L= 30m) 控え杭式矢板護岸
Ⅱ工区 (L= 99m) A、B区間:矢板式護岸(控え矢板)
C区間:直立消波ブロック式護岸
Ⅲ工区 (L=218m) 捨石傾斜堤式護岸
図-7 Ⅰ工区 B区間 標準断面図
図-8 Ⅱ工区 A区間 標準断面図
図-6 Ⅰ工区 A区間 標準断面図
埋立地側
※造成天端は、+2.0mとし、舗装工は別件工事とする。
L.W.L ±0.0H.W.L +0.5
計画水深 -13.0
1:2
-13.1
既設法線(C区)
+0.3
-16.4
-1.0
既設C区法線から27m
57.00
-8.70
+1.00
31.00
+2.5
鋼管杭(SKK490)φ500×t9,Lg=10.5m
鋼管矢板(SKY490)φ1000×t12,Lg=27.5m
(継手L-T型,L-100×75×10,Lg=17.0m)
2.00
電気防食(50年)
タイ材(検討結果一覧表参照)+1.5
舗装工(別件工事)
液状化対策工法
-25.5
(継手深度)
+1.0
1:3被覆石 1t/個
-3.5
基礎捨石 200㎏/個1:
2
アスファルトマット
3.50
+2.00
1.803.80
1/100
3.00
腹起し;2[-300×90×10×15.5
塗覆防食
-4.3
埋立地側
※造成天端は、+2.0mとし、舗装工は別件工事とする。
L.W.L ±0.0H.W.L +0.5
-5.2
既設法線(C区)
+0.3
-1.0
既設C区法線から27m
57.00
-8.20
+1.00
30.00
+2.5
鋼管杭(SKK490)φ600×t9,Lg=10.0m
1.66
電気防食(50年)
塗覆防食
タイ材(検討結果一覧表 参照)+1.5
舗装工(別件工事)
液状化対策工法
+1.0
1:3被覆石 1t/個
-3.5
基礎捨石 200㎏/個1:
2
アスファルトマット3.50
+2.00
2.00
1/100
3.00
腹起し;2[-250×90×9×13
-16.5
鋼矢板(SYW390)Ⅳ-W型,Lg=18.5m
-4.3
計画水深 -13.0
泊地法線(南)
4.59法面余掘幅
1.00 底面余掘
17.41
22.00
護岸法線(Ⅱ工区)
-3.3
砂質土;N=13,φ=35°
砂質土;N=44,φ=39°
-20.0
L.W.L ±0.0H.W.L +0.5
+2.50(計画天端) +2.0(現地盤高)
既設護岸法線
8.60
-1.5(現海底水深)
Lg=16.0m鋼矢板Ⅲ-W型(SY295)
-14.50(最短距離)
1/100
(海側) (陸側)
腹起し;2[-200×80×7.5×11.0
タイ材(検討結果一覧表 参照) +1.0腹起し;2[-200×80×7.5×11.0
(SS400)
(SS400)塗覆防食c.t.c;2.40m
-4.70
+1.30
鋼矢板ⅡA型(転用材),Lg=6.0m(SY390)
11.50
-1.0
3.00(水叩き工)1.38
+0.3
電気防食(50年)
-3.5
-4.46
1:2.04
計画勾配
法面余掘
1:2.04(設
計勾配)
1:1.5(陸削
)1:1
.5
設計水深 -8.5
51.7°54.4°
-0.18
+0.35
30.0°
液状化対策 14.3
30.0°
-6.5
地震時常 時
応力度前面矢板
91
計画水深 -13.0
泊地法線(南)
4.59法面余掘幅
1.00
底面余掘
21.00
護岸法線(Ⅱ工区)
-3.3
砂質土;N=13,φ=35°
砂質土;N=44,φ=39°
-20.0
L.W.L ±0.0H.W.L +0.5
+2.50(計画天端) +2.0(現地盤高)
-1.5(現海底水深)
Lg=15.0m鋼矢板Ⅲ-W型(SY295)
1/100
腹起し;2[-200×80×7.5×11.0
腹起し;2[-200×80×7.5×11.0
(SS400)
(SS400)塗覆防食c.t.c;2.40m
-4.2
+1.30
鋼矢板ⅡA型(転用材),Lg=5.5m(SY390)
10.50
-1.0
3.00(水叩き工)1.38
+0.3
電気防食(50年)
-3.5
-13.50
-4.1
タイ材(検討結果一覧表 参照)+1.0
法面余掘
1:2.04
計画勾配
1:2.04(設
計勾配)
検
地震時常 時
応力度前面矢板
根入れ深度
σ=σ=
-
(海側) (陸側)
1:1.5(陸削
)1:1
.5
設計水深 -7.551.7°-0.15
+0.35
液状化対策 13.3
-6.5
25.59
図-11 Ⅲ工区 標準断面図
図-9 Ⅱ工区 B区間 標準断面図
図-10 Ⅱ工区 C区間 標準断面図
泊地法線(南)
42.070.0(岸壁境界線)
4.5法面余掘幅
計画水深 -13.0底面余掘
捨石(洗掘対策)10~30kg/個,t=0.5m
1:1.5(陸削)
計画水深 -13.0
4.59法面余掘幅
1.0
0
底面余掘
33.14
28.55
護岸法
線(Ⅱ
工区)
-6.5
砂質土;N=13,φ=35°
砂質土;N=44,φ=39°
L.W.L ±0.00H.W.L +0.50
+2.50(計画天端) +2.0(現地盤高)
直消ブロック
直消ブロック
上部コンクリート
1:1.5(陸削
)
裏込石
埋土
-3.50
+1.40
-0.30
防砂シート
底版ブロック
4.500.50 3.80
4.50
10~30kg/個
3.00
1:1.2(4.50B×2.00L×1.70H)
(4.50B×2.00L×1.70H)
(水叩き工)1/100
(海側) (陸側)
1:1.5
(4.50B×5.00L×0.60H)
3.90
基礎捨石200~500kg/個 -4.10
法面余掘
1:2.04
計画勾配
1:2.04
(設計勾配)
泊地
法線(南
)
+2.50+2.00
-2.00
コンクリート(t=0.20)
基礎砕石(t=0.20)
捨石(洗堀対策)10~30kg/個
-3.00-2.60
3.00
5.609.50
92
第1章 築堤・護岸 - MLIT · 2020. 4. 29. · 第6編 河川編 第1章 築堤・護岸 6-3 6-1-6-4 矢板工 矢板工の施工については、第3編3-2-3-4矢板工の規定による。
第6章復興に向けた取り組み - mlit.go.jp...海岸防災林 海岸堤防 5.0m 計画高潮位+1.60m 海 T.P.±0.0m 常磐自動車道 農地・水田 約3.0m 5.0m 海岸・河川堤防