数ナビ ti{89 の使い方 (1) - coocanyunavi.la.coocan.jp/katuyo/navi_prt.pdfす う...

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数ナビ TI–89 の使い方 (1) 数式処理電卓 TI–89 は、通常の関数電卓の機能の他に、数式の計算や関数のグラフを描く機能 があります。この電卓を活用すれば、数学に関するいろいろなことを自分で調べることができ、 数学上の「思考のツール」として利用できます。その意味で、この電卓を「数学ナビゲーター」、 略して すう 数ナビと呼ぶことにしましょう。以後の授業では、数ナビを必ず持ってきて下さい。 基本的な操作 黒カバー カバーをはずすには、縦方向に ドさせる。引きはがそうとすると壊れます。カバーをす るときは、液晶画面の方から スライドさせること。逆に入れようとするとカバーが壊れます。 電源を切るには 2nd ON を押す。 通常の電卓として使うには HOME (左端の上) を押すと現れる画面を基本画面という。 いろいろな計算は、基本画面の一番下の行 (入力行という) で行う。 HOME を押すと、いつでも基本画面に戻ることができる = 覚えておく ! 計算は、基本画面の入力行に計算式を書いて ENTER (右下青) を押す。 = ではないので 注意。 四則計算では右側の黒いキーを利用。積の記号は右側 。左側にあるのはエックスなので注意 する。 3 10 は、3 (10) ENTER とする。 は右端中央付近にある。指数は括弧 () で囲うこと [ ] {} には別な機能が割り振られているので、括弧はいつでも () だけを使うこと! 負の符号と 2 数の差が区別される。= 要注意 ! 数や式の先頭にくるマイナス (-) (下段右側) を、2 数の差 のときは - を利用する。 たとえば、-3x - (-2y + yz) は、 (-) 3x - ( (-) 2y + y × z) と押す。 文字と文字の積 では積の記号 × を入れること。数と文字との積のときは入れなくてもよい。 結果を表示させるには、 ENTER (右下の青) を押すのを忘れないこと。 ルートの計算をするには ルートの計算は キーを利用する。黄色で書いてあるので、実際には 2nd × を押す。 9 であれば、 2nd × 9) ENTER とする。左括弧 ( は自動的につく。消さないで 、右括弧 ) で閉じること 今後は、 2nd キーの押し方までは明示しないので、各自で押すこと。 結果を小数表示させるには 通常の電卓と違い、この電卓は 7) ENTER としても 7 の値は表示されない。 結果を小数で表示させたいときは、 7) ENTER とすること。 つまり、小数で表示させたいときは、最後に ENTER ではなく、 ENTER を押す。 エラー画面が出たら ESC (上段の青いキー) を押せば、エラー画面が消える。メニュー画面を消すときも同様。 A から Z までのアルファベットは alpha を押してから対応するキーを押す。 X,Y,Z,T は、よく使うキーなので、黒の上段のキーにある。 alpha を押す必要はない。 キーには大文字が書いてあるが、実際に表示されるのは小文字である。 入力行のカーソルの移動は , を押す。 削除するには CLEAR (上段右端) を押す。 で一文字ずつ、 CLEAR では全部削除される。 210 資料

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Page 1: 数ナビ TI{89 の使い方 (1) - Coocanyunavi.la.coocan.jp/katuyo/Navi_prt.pdfす う 数ナビTI{89の使い方(1) 数式処理電卓TI{89 は、通常の関数電卓の機能の他に、数式の計算や関数のグラフを描く機能

す う

数ナビTI–89の使い方 (1)� �数式処理電卓 TI–89は、通常の関数電卓の機能の他に、数式の計算や関数のグラフを描く機能

があります。この電卓を活用すれば、数学に関するいろいろなことを自分で調べることができ、

数学上の「思考のツール」として利用できます。その意味で、この電卓を「数学ナビゲーター」、

略してす う

数ナビと呼ぶことにしましょう。以後の授業では、数ナビを必ず持ってきて下さい。� �基本的な操作黒カバー

カバーをはずすには、縦方向に、 ス、 ラ、 イ、 ドさせる。引きはがそうとすると壊れます。カバーをす

るときは、液晶画面の方からスライドさせること。逆に入れようとするとカバーが壊れます。

電源を切るには�� ��2nd�� ��ON を押す。

通常の電卓として使うには�� ��HOME (左端の上)を押すと現れる画面を基本画面という。

いろいろな計算は、基本画面の一番下の行 (入力行という)で行う。�� ��HOME を押すと、いつでも基本画面に戻ることができる。⇐=�� ��覚えておく !

計算は、基本画面の入力行に計算式を書いて�� ��ENTER (右下青)を押す。

�� ��= ではないので

注意。

四則計算では右側の黒いキーを利用。積の記号は右側。左側にあるのはエックスなので注意

する。

310は、3�� ��∧ (10)�� ��ENTER とする。

�� ��∧ は右端中央付近にある。指数は括弧 ( )で囲うこと。

[ ]や { }には別な機能が割り振られているので、括弧はいつでも ( )だけを使うこと!

負の符号と 2数の差が区別される。⇐=�� ��要注意 !

数や式の先頭にくるマイナスは�� ��(−) (下段右側)を、2数の差のときは

�� ��− を利用する。たとえば、−3x− (−2y + yz)は、

�� ��(−) 3x�� ��− (�� ��(−) 2y + y�� ��× z)と押す。

文字と文字の積では積の記号�� ��× を入れること。数と文字との積のときは入れなくてもよい。

結果を表示させるには、�� ��ENTER (右下の青)を押すのを忘れないこと。

ルートの計算をするには

ルートの計算は�� ��√ キーを利用する。黄色で書いてあるので、実際には

�� ��2nd�� ��× を押す。

√9であれば、�� ��2nd�� ��× 9)�� ��ENTER とする。左括弧 (は自動的につく。消さないで、右括弧 )で閉じること。

今後は、�� ��2nd キーの押し方までは明示しないので、各自で押すこと。

結果を小数表示させるには

通常の電卓と違い、この電卓は�� ��√ 7)�� ��ENTER としても

√7の値は表示されない。

結果を小数で表示させたいときは、�� ��√ 7 )�� ��♦ �� ��ENTER とすること。

つまり、小数で表示させたいときは、最後に�� ��ENTER ではなく、

�� ��♦ �� ��ENTER を押す。

エラー画面が出たら�� ��ESC (上段の青いキー)を押せば、エラー画面が消える。メニュー画面を消すときも同様。

Aから Zまでのアルファベットは�� ��alpha を押してから対応するキーを押す。

X,Y, Z, T は、よく使うキーなので、黒の上段のキーにある。�� ��alpha を押す必要はない。

キーには大文字が書いてあるが、実際に表示されるのは小文字である。

入力行のカーソルの移動は�� ��◀ ,�� ��▶ を押す。

削除するには�� ��← か�� ��CLEAR (上段右端)を押す。

�� ��← で一文字ずつ、�� ��CLEAR では全部削除される。

210 資料

Page 2: 数ナビ TI{89 の使い方 (1) - Coocanyunavi.la.coocan.jp/katuyo/Navi_prt.pdfす う 数ナビTI{89の使い方(1) 数式処理電卓TI{89 は、通常の関数電卓の機能の他に、数式の計算や関数のグラフを描く機能

1 次の計算を自分で行え。次に、数ナビを利用して確認せよ。特に、�� ��(−) と�� ��− の使い分けと、

括弧 ( )の使い方に注意すること。(3)(4)は分子や分母を括弧で囲うことが必要。数ナビは式を

入れただけでは何もしない。実行させるには�� ��ENTER を押すことが必要である。繁雑になるの

で、今後は�� ��ENTER を押すことはいちいち明示しない。忘れずに各自で押すこと。

(1) − 98

+ 37

(2) −(√8− 2

√12) (3)

−2x+ 3y

4− x− 2y

5

(4)3−

√2

2 + 3√2

数ナビの代数機能

一番上にある青いキーの�� ��F2 を利用すると、これまでに学習したいろいろな代数計算を数ナビに

させることができる。

式の展開�� ��F2 (3:expand)

•�� ��F2 3 を押すと「expand( 」と出るので、その後に展開したい式を入れて

�� ��ENTER を

押す。

• たとえば、「expand((a+1)3)」とせよ。式の括弧の対応関係に注意する。特に「expand(」

の右括弧) を閉じることを忘れないこと!

• アルファベットの aは�� ��alpha�� ��= である。今後、

�� ��alpha キーは特に明示しないので、

各自で押すこと。�� ��ENTER も同様。

式の因数分解�� ��F2 (2:factor)

•�� ��F2 2を押すと「factor(」と出るので、その後に因数分解したい式を入れて

�� ��ENTER を

押す。

• たとえば「factor(x2 − 4)」としてみよ。「factor(x4 + 4)」ではどうか。「cfactor(x4 + 4)」

として、最初に cをつけると、複素数の範囲で因数分解する。

方程式の解法�� ��F2 1 (1:solve)

•�� ��F2 1 を押すと「solve( 」と出るので、その後に解きたい方程式と未知数の文字をコン

マ,で区切って入れて�� ��ENTER を押す。

• たとえば「solve(x2 − 2x − 2 = 0, x)」としてみよ。「solve(2ax + 3by = 1, y)」ではどう

か。ax, byは文字の積なので、a�� ��× x, b�� ��× yとして�� ��× が必要である。

• 「solve(x2 − 4 = 0, x)」「solve(x2 +4 = 0, x)」「csolve(x2 +4 = 0, x)」で、それぞれどの

ように表示されるか確認せよ。「solve」は実数の範囲、「csolve」と cをつけると複素数の

範囲での解が求まる。

通分�� ��F2 (comDenom)

• 「comDenom」は、分母 (denominator)を共通にする (common)機能である。

• たとえば「comDenom(1/x+ 1/y)」としてみよ。

商と余り�� ��F2 (propFrac)

• 「propFrac」は、割り算をして分数 (fraction)の分子を簡単な式に直す機能である。

• たとえば「propFrac((2x2 − x− 3)/(x+2))」としてみよ。次に、手計算で 2x2 − x− 3を

x+ 2で割って商と余りを求めてみよ。

虚数単位 i

•�� ��2nd�� ��CATALOG を押すと「i」が出る。これは虚数単位である。複素数 a+ biの iは、

アルファベットの�� ��alpha�� ��9 を押して現れる iではなく

�� ��2nd�� ��CATALOG を使うこと。

• たとえば「(2 + 3i)(3− i)」としてみよ。「(2 + 3i)/(3− i)」ではどうか。

数ナビTI-89の使い方 211

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[注意] 以下の問題は、まず自分でやってみて、次に数ナビで確認すること。訳も分からずに数ナビの

表示する答えを書き写していると、限りなく脳が退化していくことになるので注意すること!!

2 次の問に答えよ。

(1)展開せよ。�� ��F2 3(expand)で確認できる。

1⃝ (2x+ 3)(4x− 5) 2⃝ (2x+ 3)3

(2)因数分解せよ。�� ��F2 2(factor)で確認できる。

1⃝ a4 − b4 2⃝ −12a2 + a+ 20

(3)分子を簡単な式にせよ。�� ��F2 7(propFrac)で確認できる。

1⃝ 3x2 + 2x− 4

x− 12⃝ x3 − 1

x+ 2

(4)計算して簡単にせよ。基本画面 (�� ��HOME )の計算で確認できる。

1⃝ 1

x2 + x+

1

x2 − x2⃝

1 + 1x

1− 1x

(5)計算して簡単にせよ。基本画面 (�� ��HOME )の計算で確認できる。

1⃝ (−2√3 +

√5)(

√3 + 3

√5) 2⃝ 1

4−√3+

1

4 +√3

(6)計算して簡単にせよ。基本画面 (�� ��HOME )の計算で確認できる。

1⃝ (−3 + 2i)(4− 3i) 2⃝ 1− 3i

3 + 4i

(7)方程式を解け。�� ��F2 (solve)で確認できる。

1⃝ x2 − 3x− 2 = 0 2⃝ x2 − 2x+ 3 = 0

212 資料

Page 4: 数ナビ TI{89 の使い方 (1) - Coocanyunavi.la.coocan.jp/katuyo/Navi_prt.pdfす う 数ナビTI{89の使い方(1) 数式処理電卓TI{89 は、通常の関数電卓の機能の他に、数式の計算や関数のグラフを描く機能

関数グラフの描かせ方関数のグラフを描かせるには、次の 3つの機能を利用する。�� ��♦ �� ��F1 ⇐⇒関数の定義,

�� ��♦ �� ��F2 ⇐⇒範囲の指定,�� ��♦ �� ��F3 ⇐⇒グラフ描画

関数の定義�� ��♦ �� ��F1 (Y=) (この画面を、関数の定義画面という)

• 関数を定義するには�� ��♦ �� ��F1 を押し、y1, y2, · · · のどこに定義するかを

�� ��▼ ,�� ��▲ で選択

する。

• 定義する箇所を決めたら�� ��ENTER を押して一番下の段 (入力行という)に移る。

• 入力行 (一番下の行)で関数を定義して�� ��ENTER を押す。y =の部分を入れる必要はない。

y = −x2 + 2xを定義するには、y1 =の右側に −x2 + 2xとして�� ��ENTER を押す。

具体的には、�� ��(−)�� ��X �� ��∧ �� ��2 �� ��+ �� ��2 �� ��X �� ��ENTER とする。

• 一度定義した関数を変更するときも、一番下の入力行で同様にする。• 定義した関数を削除するには、

�� ��▲ ,�� ��▼ でその関数を黒くしてから

�� ��← か�� ��CLEAR を

押す。

• すべての関数を一気に削除するには、�� ��F1 8�� ��ENTER を押す。

グラフ描画�� ��♦ �� ��F3 (GRAPH) (この画面を、グラフ画面という)

• 関数を定義したら、�� ��♦ �� ��F3 を押すとグラフが描画される。

•�� ��♦ �� ��F1 の画面 (定義画面)で左端に

√印のついた関数だけが描画される。

•�� ��▲ ,�� ��▼ で該当する関数を黒くして

�� ��F4 を押せば、その関数の √をつけたり消したり

できる。

• グラフが表示されている状態で�� ��F2 4 (ZoomDec)を押せば、−7.9 <= x <= 7, 9, −3.8 <= y <=

3.8の範囲でグラフが表示される。ともかく、グラフがうまく表示されないときは�� ��F2 4 を

押す。

範囲の指定�� ��♦ �� ��F2 (WINDOW) (この画面を、ウィンドウ・エディターという。)

•�� ��♦ �� ��F2 を押せば、グラフの描画範囲を直接指定できる。

•�� ��▼ �� ��▲ を利用して該当項目に移動して、数値を直接書き込む。

• xmin, xmax は x軸の範囲、ymin, ymax は y軸の範囲、xscl, yscl では x軸と y軸の目

盛 (scale)の間隔を指定する。xmin<xmax, ymin<ymax, xscl> 0, yscl>0 となるように

指定すること。

• xmin, ymin などが負数になるときは、、 先、 頭、 の、 マ、 イ、 ナ、 ス、 に、 は�� ��(−)

、 を、 利、 用、 す、 る、 こ、 と。

• 設定を誤ってエラー画面が表示されたときは、�� ��ESC でエラーを消してから、

�� ��F2 4を

押す。強制的に −7.9 <= x <= 7, 9, − 3.8 <= y <= 3.8の範囲に変更される。

• xres ではグラフの解像度を指定できるが、xres = 2の値を特に変更する必要はない。

3�� ��♦ �� ��F1 として、y1に y = −x2 + 3xを定義して、

�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させよ。(1)グラフが表示されたら、

�� ��F3 を押して �� ��◀ �� ��▶ を押してみよ。その点の座標が表示される。

トレース機能という。�� ��ESC を押すと座標が消える。再び

�� ��F3 を押し、カーソルの点滅状態で 1�� ��ENTER 、3�� ��ENTER 、−1�� ��ENTER としてみよ。自分の好きな箇所に飛ぶことができ

る。−1のマイナスは、�� ��(−) である。

(2)�� ��♦ �� ��F1 で、y1を y1 = −x2 + 3x− 1に変更して、

�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させよ。(3)�� ��♦ �� ��F2 で、描画範囲を −3 <= x <= 5, − 2 <= y <= 2に変更して、

�� ��♦ �� ��F3 グラフを描画させよ。ここでのマイナスは

�� ��(−) を利用する。

(4)�� ��F3 で、(3 +

√5)/2�� ��ENTER とせよ。カーソルはどこに飛んだか。そのカーソルの移動先

を解の公式で計算して (自分で)確認せよ。

数ナビTI-89の使い方 213

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すう

数ナビTI–89の使い方 (2)

グラフ画面での諸機能

トレース機能�� ��F3 (Trace)

• グラフ表示の状態で�� ��F3 を押すと、点の座標を表示しながら �� ��◀ ,

�� ��▶ でグラフ上を移動

できる。x座標を打ち込んで�� ��ENTER を押すと、その x座標をもつグラフ上の点に移動

する。

• 複数のグラフが表示されているときは、�� ��▲ �� ��▼ で別なグラフに移動できる。

• x < 0の値を打ち込むときは、�� ��(−) を利用すること。

• 画面の範囲を越えた値を入れると、「Windows Variables Domain」というエラーが表示

される。�� ��ESC を押すとエラー画面が消える。

再描画�� ��F4 (Regraph) グラフがどのように描かれるかをもう一度見たいときは、このキーを押す。

ズーム機能�� ��F2 1 (ZoomBox)

•�� ��F2 1 (ZoomBox)を押す。指定した長方形状の箇所を拡大表示させることができる。

• それには、長方形の対角線の向き合う 2点を指定する。

• 最初に「1st Corner?」を問われる。�� ��▲ ,�� ��▼ ,�� ��◀ ,�� ��▶ を利用して、拡大したい部分の

左側の点を指定して�� ��ENTER を押す。

�� ��2nd を押しながらやると移動量が大きくなる。

• 次に、「2nd Corner?」と聞いてくるので、同じように�� ��▲ ,�� ��▼ ,�� ��◀ ,�� ��▶ を利用して、最

初に指定した点と対角線の反対側の点を指定して�� ��ENTER を押す。

• 以上により、指定された長方形の内部が画面一杯に表示される。

x軸との交点�� ��F5 2 (Zero)

• 表示されたグラフと x軸との共有点があるときは、その x座標を求めることができる。

•�� ��F5 2�� ��ENTER を押し、共有点の左側と右側を指定する必要がある。

• まず、「Lower Bound?」と聞いてくるので、�� ��◀ �� ��▶ で共有点のちょっと左側にカーソ

ルを移動して�� ��ENTER を押す。

�� ��2nd を押しながらやると移動量が大きくなる。

• 次に、「Upper Bound?」と聞いてくるので、�� ��▶ でカーソルを共有点のちょっと右側に

移動して�� ��ENTER を押す。Lowerは小さい方、Upperは大きい方、Boundは端という

こと。

• 「Zero」が表示されてカーソルが x軸との共有点に移動し、その座標が下段に表示される。

最小値�� ��F5 3 (Minimum)、最大値

�� ��F5 4 (Maximum)

• 指定された範囲における、yの最小値や最大値を求めることができる。

• 最小値は�� ��F5 3�� ��ENTER 、最大値は

�� ��F5 4�� ��ENTER を押し範囲の左と右端を指定する。

• 「Lower Bound?」が出たら、�� ��◀ �� ��▶ で左端にカーソルを移動して

�� ��ENTER を押す。

次に、「Upper Bound?」が表示されるので、�� ��▶ で範囲の右端に移動して

�� ��ENTER を

押す。

• 指定された最小値 (最大値)を取る点にカーソルが移動し、その点の座標が下段に表示さ

れる。

2つのグラフの交点�� ��F5 5 (Intersection)

•�� ��F5 5 を押すと、2つのグラフの交点の座標を求めることができる。

• 「1st Curve?」では、�� ��▼ �� ��▲ でグラフの間を移動し、最初のグラフ上にカーソルを移動し

て�� ��ENTER を押す。グラフが 2つしか表示されていないときは

�� ��ENTER だけでよい。

• 次に、「2nd Curve?」が表示されるので、�� ��▼ �� ��▲ で 2つ目のグラフに移動して

�� ��ENTER を

押す。グラフが 2つしか表示されていないときは�� ��ENTER だけでよい。

214 資料

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• その後で、「Lower Bound?」では�� ��◀ �� ��▶ で交点の左端を指定して

�� ��ENTER 、「Upper

Bound?」では同様にして交点の右側を指定して�� ��ENTER を押す。

• そうすると、カーソルが自動的に交点に移動して、その点の座標が下段に表示される。

座標を表にするテーブル機能グラフ表示されている関数の x座標と y座標を、表として表示させることができる。�� ��♦ �� ��F4 ⇐⇒表の開始位置や刻み幅の設定,

�� ��♦ �� ��F5 ⇐⇒ x, y座標を表で表示

テーブル機能�� ��F5 (Table)

•�� ��♦ �� ��F3 でグラフが表示されている状態で �� ��♦ �� ��F5 を押すと、そのグラフの x座標と y

座標が表 (テーブル)で表示される。

• 5行分のデータしか表示されないが、�� ��▲ �� ��▼ で上方にも下方にも自由に移動できる。

•�� ��◀ �� ��▶ で表の左右の移動もできる。下段には、黒くなっている箇所の詳細な値が表示さ

れる。

•�� ��♦ �� ��F4 を利用すると、最初に表示される表の左上の xの値や xの刻み幅を変更できる。

表が表示されている状態のときは、�� ��♦ を押さずに �� ��F2 だけを押してもよい。

テーブルセット�� ��F4 (Tblset)

•�� ��♦ �� ��F4 を押すと、 �� ��♦ �� ��F5 で最初に表示される表の左上の xの値や xの刻み幅を変更できる。

•�� ��♦ �� ��F4 を押して、最初に「tblStart」を指定する。表の最初の xの値を指定することになる。

• 次に、�� ��▼ で下の行に進み、「∆tbl」の箇所で、xの刻み幅を指定する。

• 以上の 2つの値を指定したら、�� ��ENTER を 2回押す。

• すると、表が設定したような開始位置と刻み幅で表示される。

1 数ナビで次の操作を行え。その操作ができたか、できなかったか、該当する項目を○で囲め。

(1) y1 = x− 1, y2 =√x+ 2を定義してグラフを表示させよ。 操作が できた、できなかった

(2)描画範囲が −3 <= x <= 5, − 2 <= y <= 3となるようにせよ。 操作が できた、できなかった

(3) y2のグラフだけが表示されるようにせよ 操作が できた、できなかった

(4)トレース機能で、y2 =√x+ 2のグラフ上を移動してみよ。 操作が できた、できなかった

(5) (4)において、x = 3のときの y座標を求めよ。 x = 3のときの y座標は、

(6) y1と y2の 2つのグラフが表示されるように戻せ。 操作が できた、できなかった

(7) xに対応する 2つの y座標を、表として表示させよ。 操作が できた、できなかった

(8)表の左上の xの値が 1、xの刻み幅が 0.1となるようにせよ。操作が できた、できなかった

(9)表で、y1 > y2となるのは xがどのようなときか。 x > のとき y1 > y2となる

(10)再度、グラフを表示させよ。 操作が できた、できなかった

(11) 2つのグラフの交点付近を、拡大せよ。 操作が できた、できなかった

(12) 2つのグラフの交点の座標を数ナビの操作で求めよ。 x = 、y =

(13) 2つのグラフの交点を自分で計算して確認せよ。 確認が できた、できなかった

[操作] (1)�� ��♦ �� ��F1 と �� ��♦ �� ��F3 、(2) �� ��♦ �� ��F2 、(3) �� ��♦ �� ��F1 で y1の

√を�� ��F4 ではずす、(4) �� ��♦ �� ��F3 と

してから�� ��F3 で �� ��◀ �� ��▶ で移動、(5) (4)の状態で 3

�� ��ENTER 、(6)�� ��♦ �� ��F1 で y1に

�� ��F4 で √をつけ

る、(7)�� ��♦ �� ��F5 、(8)�� ��♦ �� ��F4 、(9)�� ��♦ �� ��F5 として �� ��▼ で下の方を調べる、(10)

�� ��♦ �� ��F3 、(11)�� ��F2 1、

(12)�� ��F5 5(Intersection) を利用するか、または

�� ��HOME で基本画面に戻り�� ��F2 (1:Solve) を利用する。

(13) x− 1 =√x+ 2を自分で解く。両辺を平方すればよい。

数ナビTI-89の使い方 215

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グラフ関連機能のまとめ

• 関数を定義する =⇒�� ��♦ �� ��F1

• 描画範囲を見る・指定する=⇒�� ��♦ �� ��F2

• グラフを描画する =⇒�� ��♦ �� ��F3

• 表 の 始 点 や 刻 み 幅 を 指 定 す る=⇒�� ��♦ �� ��F4

• グラフの x, y 座標を表にする

=⇒�� ��♦ �� ��F5

• 描画する関数を指定 =⇒�� ��♦ �� ��F1 の画

面で、�� ��▲ �� ��▼ で関数を指定し、

�� ��F4で

√を指定する

• 長方形指定でグラフを拡大 =⇒�� ��F2 1

• 標準座標でグラフを描画=⇒�� ��F2 4を

押す

• グラフ上を動く=⇒�� ��F3 で �� ��◀ ,�� ��▶ を

押す

• グラフを再描画する =⇒�� ��F4 を押す

• y 座標を求める =⇒�� ��F3 を押しカー

ソルが点滅状態で x の値を指定し

て�� ��ENTER を押す

• x軸との交点 =⇒�� ��F5 2 で交点の前後

を指定

• 最小値の座標=⇒�� ��F5 3で左端と右端

を指定

• 最大値の座標=⇒�� ��F5 4で左端と右端

を指定

• 2つのグラフの交点=⇒�� ��F5 5で、2つ

のグラフを指定してから、交点の前後

を指定する

注1)�� ��(−) と�� ��− の使い分けに注意すること。先頭のマイナスや括弧のすぐ後のマイナスは

�� ��(−) 。

注 2) 括弧 ( ) の対応関係にも注意すること。左括弧 ( と、右括弧) の数は一致する必要がある。

例1)�� ��♦ �� ��F1 で、y1 = x2 − x− 1とする。

関数の定義�� ��♦ �� ��F1 を押して、 �� ��▲ �� ��▼ で y1の箇所を黒くして�� ��ENTER を押

し一番下の行で x2 − x− 1を入れて�� ��ENTER を押す。y2に定義する

には、y2の箇所を黒くして�� ��ENTER を押して同様にする。

グラフ描画�� ��♦ �� ��F3 を押すとグラフが表示される。標準状態の範囲とするため �� ��F2 4

を押すと、−7.9 <= x <= 7.9、−3.8 <= y <= 3.8の範囲でグラフが表示される。目盛は x, y 軸とも 1刻みに指定されている。

範囲指定�� ��♦ �� ��F2 を押すと、どのような範囲でグラフが描画されているかが分かる。�� ��F2 4を押すと、必ず、右のような範囲になる。必要であれば、こ

の値は自由に変えてよい。ただし、xmin<xmax、ymin<ymax となるようにする。

トレース�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させ、その状態で �� ��F3 を押すと、 �� ��◀ �� ��▶ を

利用してグラフ上を移動できる。下段には、その点の座標が表示される。

xの値を打ち込んで�� ��ENTER を押すと、その値を x座標に持つ点に移

動する。右図は、x = 2を指定したときである。2�� ��ENTER とすれば

よい。

ZoomBoxグラフが表示されている状態で、長方形状の区画を指定して、その部分

だけを拡大表示させることができる。�� ��F2 1 を押す。「1st Corner?」

では、青い�� ��▲ �� ��▼ �� ��◀ �� ��▶ を利用して長方形の頂点の 1 つを指定

して�� ��ENTER 、「2nd Corner?」で対角線の反対側の頂点を指定し

て�� ��ENTER を押せばよい。右図は 2つ目の頂点を指定しているところ。

216 資料

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座標を表で表示�� ��♦ �� ��F1 で関数が定義されているとき、 �� ��♦ �� ��F5 を押すと、その関数の座標を表で表示することができる。関数の定義画面で

√印のついた

関数の座標が表で表示される。右図から、1 < x < 2の箇所で y = 0となっていることが分かる。

刻み幅を変更�� ��♦ �� ��F4 を押すと、xの刻み幅を変更することができる。「tblStart」には

表の開始位置を、「∆tbl」には xの刻み幅をいれる。数値を入れて�� ��▼ で

下の項目に移動する。この 2つの数値をいれたら�� ��ENTER を 2回押す。

右図では、最初の開始位置を 1に、xの刻み幅を 0.1 に設定した。

変更後の表

前の箇所で、刻み幅を変更して�� ��ENTER を 2 回押すと、変更した設

定で表が表示される。�� ��▼ で下に行くことにより、y = 0 となるのは

1.6 < x < 1.7の箇所であることが分かる。�� ��♦ �� ��F4 で刻み幅をもっと

細かくすると、さらに詳しい範囲が分かる。

x軸との共有点�� ��♦ �� ��F3 で再びグラフを表示させる。その状態で �� ��F5 2(Zero)を押すと、

x軸との共有点の座標が求められる。「Lower Bound?」では、�� ��◀ �� ��▶ を

利用して共有点の左側を指定して�� ��ENTER 、「Upper Bound?」では

共有点の右側を指定して�� ��ENTER を押すと、その間にある共有点の座

標が表示される。右図は結論を表示ている。x ≒ 1.618であることが分かる。

トレース画面でも確認

x2−x−1 = 0の解は、x =1±

√5

2である。�� ��F3 のトレース画面では、

直接 xの値を指定できる。(1+√5)/2を入れて�� ��ENTER を押してみよ。

右図は�� ��ENTER を押す直前の状態である。(1+

√5)/2 = 1.618034であ

る。解の確認は、�� ��HOME を押して基本画面に戻り、

�� ��F2 1 (1:Solve)

で「solve(x2 −x− 1 = 0, x))」、または「solve(y1(x) = 0, x)」としてもよい。

最小値 (最大値も同様)�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。その状態で �� ��F5 3(Minimum)を押す

と、yの最小値が求められる。「Lower Bound?」では、�� ��◀ �� ��▶ を利用

して最小値がある箇所の左側を指定して�� ��ENTER 、「Upper Bound?」

では右側を指定して�� ��ENTER を押すと、y の値が最小になる点にカー

ソルが移動し、その点の座標が表示される。右図は結論を表示しているところである。

基本画面�� ��HOME を押すと、計算を行う基本画面に戻る。�� ��♦ �� ��F1 で定義した

関数は、この画面でも生きている。トレースの画面では、グラフが表示されている範囲外の xの値を指定するとエラーとなるが、基本画面では定義域内の値であれば何でも指定できる。右図は、y1 = x2−x−1において、

xに 1000を代入して y1(1000)を求めている。y1(1000)�� ��ENTER とす

る。

数ナビTI-89の使い方 217

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すう

数ナビTI–89の使い方 (3)

関数記号の定義関数記号 f(x)

•�� ��HOME を押し基本画面に戻る。

�� ��F4 �� ��ENTER を押すと「Define 」と表示されるので、

その後に続けて、たとえば f(x) = x2 − 2xとして�� ��ENTER を押す。Define と f(x)の間

には空白が必要である。�� ��F4 �� ��ENTER の段階で空白がついているので、その空白は削除

しないこと。f(x)の f は�� ��alpha キーを利用する。 Define は「定義する」ということ。

• これで、「Define f(x) = x2 − 2x」が表示され、数ナビに f(x) = x2 − 2xが定義された。

• 続いて、f(3)�� ��ENTER , f(x− 1)

�� ��ENTER などを実行してみよ。

• f(x)に別な式を定義すれば、関数 f(x)の内容を歓待に変更できる。

• ここで定義した f(x)は、�� ��♦ �� ��F1 の関数定義画面でも利用できる。

•�� ��F4 を利用した Define f(x) =の形ではなく、

�� ��ON の上にあるキー�� ��STO を利用して

「x2 − 2x�� ��STO f(x)�� ��ENTER 」としてもよい。「x2 − 2x → f(x)」と表示される。

グラフ関連機能のまとめ (再掲)

• 関数を定義する =⇒�� ��♦ �� ��F1

• 関数を変更する =⇒�� ��♦ �� ��F1 で、変

更したい関数にカーソルを合わせ

て�� ��ENTER

• 関数を消去する =⇒�� ��♦ �� ��F1 で、消去

したい関数にカーソルを合わせて�� ��←

• すべての関数を消去する =⇒�� ��♦ �� ��F1

で、�� ��F1 8�� ��ENTER とすると全部消

える

• 描画範囲を見る・指定する=⇒�� ��♦ �� ��F2

• グラフを描画する =⇒�� ��♦ �� ��F3

• グラフがうまく出ない =⇒�� ��F2 4 を

押す

• エラー画面が出た =⇒�� ��ESC を押す

• 表 の 始 点 や 刻 み 幅 を 指 定 す る=⇒�� ��♦ �� ��F4

• x, y座標を表にする =⇒�� ��♦ �� ��F5

• 描画する関数を指定=⇒�� ��♦ �� ��F1 で �� ��▲ �� ��▼ で

関数を指定し、�� ��F4 で √

を指定する

• 長方形指定でグラフを拡大 =⇒�� ��F2 1

で、対角線の頂点を指定して�� ��ENTER

• 標準座標でグラフを描画 =⇒�� ��F2 4

• グラフ上を動く=⇒�� ��F3 で �� ��◀ ,�� ��▶ を

押して左右に移動する。

• グラフを再描画する =⇒�� ��F4 を押す

• y座標を求める=⇒�� ��F3 を押しカーソ

ル点滅状態で xを指定して�� ��ENTER

例2) 関数 f(x) = x2 − 2xのグラフの平行移動と対称移動 (対称変換)。

f(x) の定義 まず、�� ��HOME を押して基本画面とする。�� ��F4 �� ��ENTER を押して、Define の後に f(x) = x2 − 2x を入

れて�� ��ENTER を押す。f は

�� ��alpha キーを利用する。関数 f(x)

として f(x) = x2 − 2xが定義されたことになる。

f(x)の確認 入力行で、f(3)�� ��ENTER や、f(4)

�� ��ENTER など

として、f(x)の x = 3や x = 4のときの値が正しく計算されて

いることを確認する。f(a)は、関数 f(x)の式の xに aを代入し

たものであり、f(3) = 32 − 2 · 3 = 9− 6 = 3である。

f(x− 1)の計算 f(x)の xの箇所に x− 1を代入するとどうな

るか?f(x−1)�� ��ENTER を表示させてみよ。これは、f(x)の xの

箇所が x− 1になっているので、f(x− 1) = (x− 1)2− 2(x− 1) =

x2 − 2x+ 1− 2x+ 2 = x2 − 4x+ 3 = (x− 1)(x− 3) となる。

218 資料

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y = f(x)の平行移動�� ��♦ �� ��F1 で関数定義画面に移る。

y1 = f(x), y2 = f(x) + 1, y3 = f(x− 2), y4 = f(x− 2) + 1を

定義する。

平行移動のグラフ表示�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。

y1, y2, y3, y4 の順にグラフが表示される。�� ��F4 を押すと、もう

一度最初から表示される。�� ��F4 を何度も押して最初の y = f(x)

のグラフがどのように移されるかを確認せよ。

座標を表で表示�� ��♦ �� ��F5 を押すと、y1, y2, y3, y4の座標が表で

表示される。

刻み幅を変更 分かりやすいように、x の刻み幅を 1 に変更す

る。刻み幅が 1でないときは、�� ��♦ �� ��F4 を押して、tbdStart= 0、

∆tbl= 1に変更して�� ��ENTER を 2回押す。

座標を表で表示 再度�� ��♦ �� ��F5 を押すと、y1, y2, y3, y4の座標が、

x = 0の箇所から 1刻みで表示される。y1, y2, y3, y4の式を思い

浮かべながら、これらの座標の変化の様子を観察せよ。

対称移動 (対称変換) の定義�� ��♦ �� ��F1 の関数定義画面に移る。

y2, y3, y4の箇所は、�� ��F4 を押して √

印をはずしておく。そして、

y5 = −f(x), y6 = f(−x), y7 = −f(−x)とする。

対称移動したグラフの表示�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。

y1, y5, y6, y7 の順にグラフが表示される。�� ��F4 を押すと、もう

一度最初から表示される。最初の y = f(x)のグラフがどのよう

に移されるか、�� ��F4 を何度も押して確認せよ。

座標を表で表示�� ��♦ �� ��F5 を押すと、y1, y5, y6, y7の座標が、表

で表示される。y1, y5, y6, y7の式を思い浮かべながら、これらの

座標の変化の様子を観察せよ。

関数の式を変更する�� ��HOME を押して基本画面に戻る。�� ��F4 �� ��ENTER を利用して f(x)に別な関数を定義する。

�� ��♦ �� ��F1 の関数定義は変更する必要はない。

�� ��F4 で必要な関数に √をつけ

て�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。関数を変えても同じ状況にな

ることを確認せよ。

数ナビTI-89の使い方 219

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すう

数ナビTI–89の使い方 (4)

代数機能の解説

式の展開や因数分解、あるいは方程式の解法などの代数機能は、�� ��HOME を押すと現れる基本画

面で行う。基本画面で�� ��F2 を押すと、そこにいろいろな代数機能が登録されている。

式の展開�� ��F2 (3:expand)

•�� ��F2 3を押すと「expand(」と出るので、その後に展開したい式を入れて

�� ��ENTER を押す。

たとえば、「expand((a+1)3)」とせよ。式の括弧の対応関係に注意する。特に「expand(」

の右括弧) を閉じることを忘れないこと!

• aは�� ��alpha�� ��= 。今後、�� ��alpha や�� ��ENTER は特に明示しないので各自で押すこと。

• 2x(3x−4)の程度の展開は自分でやって欲しいが、数ナビで展開させるには、2xと (3x−4)

の間に�� ��× を入れること。数値と文字式の積の時は �� ��× をいれなくてもよいが、文字式ど

うしの積の時は�� ��× を入れる。

式の因数分解�� ��F2 (2:factor)

•�� ��F2 2を押すと「factor(」と出るので、その後に因数分解したい式を入れて

�� ��ENTER を

押す。たとえば「factor(x2 − 4)」としてみよ。

• 「factor(x2 − 3)」ではどうか。次に、「factor(x2 − 3, x)」としてみよ。「, x」が無いと整

数の範囲で、「, x」をつけると実数の範囲で因数分解する。

• 「factor(x2 + 4)」ではどうか。次に、「cfactor(x2 + 4)」として、cをつけてみよ。複素

数の範囲で因数分解する。「cfactor(x2 + 3)」と「cfactor(x2 + 3, x)」の違いも確認せよ。

方程式の解法�� ��F2 1 (1:solve)

•�� ��F2 1 を押すと「solve( 」と出るので、その後に解きたい方程式と未知数の文字をコン

マ,で区切って入れて�� ��ENTER を押す。たとえば「solve(x2 − 2x− 2 = 0, x)」としてみ

よ。「solve(2ax+ 3by = 1, y)」ではどうか。ax, byは文字の積なので、a�� ��× x, b�� ��× y

として�� ��× が必要である。

• 「solve(x2 − 4 = 0, x)」「solve(x2 +4 = 0, x)」「csolve(x2 +4 = 0, x)」で、表示の違いを

確認せよ。「solve」は実数の範囲、「csolve」と cをつけると複素数の範囲での解が求まる。

• 連立方程式を解くには、複数の方程式を「 and 」(andの両側には空白が必要)で繋ぎ、

最後に解く変数を「{x,y}」のように中括弧で囲って指定する。andは�� ��alpha を利用する。

空白は�� ��alpha�� ��(−) である。例えば 2x − 3y = 1, 3x + 5y = 4を解くには、次のように

する。「 solve ( 2x− 3y = 1 and 3x+ 5y = 4, {x, y} ) 」中括弧は�� ��2nd を利用した括

弧である。

通分�� ��F2 6 (comDenom)

• 「comDenom」は、分母 (denominator)を共通にする (common)機能である。

• たとえば「comDenom(1/x+ 1/y)」としてみよ。

商と余り�� ��F2 7 (propFrac)

• 「propFrac」は、割り算をして分数 (fraction)の分子を簡単な式に直す機能である。

• たとえば「propFrac((2x2 − x− 3)/(x+2))」としてみよ。次に、手計算で 2x2 − x− 3を

x+ 2で割って商と余りを求めてみよ。

対数 log

• 10を底とする対数 log10 xは、log(x)である。log は�� ��CATALOG 4 を押して

�� ��▼ で下がっていくと現れる。次回からは、

�� ��CATALOG ,を押すだけで済む。

• 2を底とする対数は、底の変換公式により「log(x)/ log(2)」である。�� ��F4 �� ��ENTER を利

用して、Define log 2(x) = log(x)/ log(2) として新たな関数を定義しておくと、log 2(x)

だけで済む。log 2(8) = 3となることを確認せよ。

220 資料

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代数機能のメニュー 最初に、�� ��HOME を押して基本画面にしてお

く。�� ��F2 �� ��ENTER を押すと右側の画面が現れる。「1:solve(」は方

程式の解法、「2:factor(」は因数分解、「3:expand(」は展開、「4:ze-

ros(」はゼロ点を求める、「6:comDenom(」は通分、「7:propFrac(」

は式の割算である。

式の展開 (3:expand) expand( の後に展開したい式を入れて、

右括弧 )で閉じる。変数と変数の積では�� ��× が必要である。式の

後に、変数名を指定する必要はない。

因数分解 (2:factor) factor(の後に因数分解する式を入れて、右

括弧)で閉じる。変数と変数の積では�� ��× が必要である。式の後

に、「, x)」を追加すると、実数の範囲での因数分解。cfactor と

して最初に cをつけると、複素数の範囲の因数分解になる。

方程式の解法 (1:solve)�� ��F2 �� ��ENTER を押して、solve(の後に

方程式と解くべき変数を指定して�� ��ENTER を押す。分数方程式、

無理方程式、指数方程式、対数方程式でもかまわない。

連立方程式の解法 (1:solve) 「false」と表示されたときは、解

が複素数である可能性があるので「csolve」としてもう一度確認す

る。それでも falseとなれば、解が存在しないということである。

連立方程式も、1:solve を利用して解ける。複数の方程式は and

を利用してつなぎ、最後に解く変数の組を中括弧で指定する。方

程式は 2つ以上あっても構わない。

分数式の通分 (6:comDenom) 分数式の通分をするには、�� ��F2 6 を利用して、「comDenom( 」の後に通分したい分数式を

いれて、右括弧 )で閉じて�� ��ENTER を押す。その分数式が履歴画

面 (上の大きな画面)に表示されているときは、comDenom(を表示

させた後で、�� ��▲ で移動して該当部分を黒表示にして �� ��ENTER を

押してもよい。

分数式の商と余り (7:propFrac) 分数式の分子を簡単にするに

は、�� ��F2 7 を利用して、「propFrac( 」の後に簡単にしたい分数

式をいれて、右括弧 ) で閉じて�� ��ENTER を押す。B/Aの場合、

Bを Aで割った商を P、余りを Rとすると、B = AP +Qと書

けるので B/A = P + Q/Aとなる。propFrac を利用すると、こ

の計算結果が表示される。

分子・分母、左辺・右辺 (B:Extract) この機能を選択して�� ��▶ を

押すとメニューが現れる。「1: getNum(」は、分数式の分子 (nu-

merator)、「2: getDenom(」は分数式の分母 (denominator)を取

り出したいときに利用する。「3: left(」は等式の左辺、「4: right(」

は右辺を取り出すときに利用する。

数ナビTI-89の使い方 221

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数ナビでグラフ・アートに挑戦 《 y = f(x)版 》

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"

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数ナビを使って、グラフ・アートを作成することができる。画

面の範囲は�� ��F2 4の画面とし、−7.9 <= x <= 7.9, − 3.8 <= y <= 3.8

とします。たとえば、直線や放物線などを組み合わせるだけで、

右側のようなグラフが作成可能です。

1. 作成の流れ

(1)紙に描きたいグラフの下書きをする。動植物、風景、物、イラスト、抽象画など何でもよい。

(2)�� ��♦ �� ��F1 で指定できる関数の数は 99個ある。

(3)個々の曲線と、その描画範囲や描画方法を指定する (詳細は、2, 6, 7)。

(4)�� ��♦ �� ��F3 でグラフを描画。下書き通りのグラフになるように関数の形や範囲などを調整する。

すべての関数を描画させると時間がかかるので、調整に必要なグラフだけを表示させると

よい。�� ��F4 でチェック印のついた関数のグラフだけが表示される。

(5)グラフが確定したら、必要がなければ座標軸を消す (詳細は、6(5))。

(6)最後に、画面を保存する (詳細は、4)。

2. 描画範囲の指定�� ��|

個々の関数の描画範囲を指定できる。たとえば、y1 = x2の−1 < x < 2の範囲だけを描画さ

せたいのであれば、「y1(x) = x2 | −1 < x and x < 2」とする。つまり、関数の後に縦線�� ��| を

引き、その後に描画する範囲を指定する。�� ��| は �� ��= の下のキーである。andは

�� ��alpha を利

用し、and の両側には空白�� ��alpha�� ��(−) が必要である。不等号< >は、

�� ��2nd 0,�� ��2nd . で

ある。

3. 関数定義の際の留意事項

(1)「y = 2 | − 1 < x and x < 2」のように、x軸に平行な直線を定義すると、数ナビは

−1 < x < 2の範囲ではなく画面一杯のグラフを描画する。この場合は、傾きが 0の直線

を変数 xを含む形で定義する。例えば、「y = 2+ 0 · x | − 1 < x and x < 2」とする。

(2) x = 1のような y軸と平行な直線は、y = · · · の形では定義できない。傾きの非常に大きな直線として定義すればよい。例えば、点 (1, 0)を通る縦の直線は y = 100(x− 1)とする。

(3)絶対値関数 (absolute function) y = |x|は、「y = abs(x)」として定義する。absは�� ��alpha

を利用する。または、�� ��CATALOG を利用してもよい。

(4)中心 (a, b)、半径 rの円は、点 (a, b)との距離が rであるような点 (x, y)の集りであるから、三

平方の定理より (x−a)2+(y−b)2 = r2である。これを解くと y−b = ±√r2 − (x− a)2であ

るから、y = ±√r2 − (x− a)2+bである。したがって、円の上半分はy =

√r2 − (x− a)2+b

である。

4. グラフの保存

作成した図を保存するには、�� ��F1 2(Save Copy As · · · )とし、「Type」の箇所を「GDB」、�� ��▼ で「Variable」の箇所にいき、適当な名前を指定する。ファイル名は、gm45のように gの

後は自分の学科のアルファベットと出席番号とする。同じようにして、「Type」を「Picture」、

ファイル名は gm45p のように最後に pをつけたファイルでも保存する。

保存画像を呼び出すには、�� ��F1 1(Open) として Variable に自分が保存した名前を入れ

て�� ��ENTER を押す。ただし、現在

�� ��♦ �� ��F1 の画面で定義されている関数がすべて削除され、新にオープンする画像の定義関数で置き換られるので注意すること。

222 資料

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5. 個々の関数の描画スタイルの設定

関数のグラフは、通常は少しずつ線分 (Line)で結ばれて曲線が表示される。点 (Dot)の連続

で表示させたり、太い (Thick)線で表示させたり、カーソルが動く (Animate)だけで曲線が残

らないようにしたり、曲線の上を斜線で塗りつぶしたりすることもできる。

(1)関数の定義画面 (�� ��♦ �� ��F1 )に関数が定義されているとする。

(2)�� ��▲ ,�� ��▼ で表示方法を指定したい関数に合わせ、黒くなった関数の表示方法が変更できる。

(3)�� ��F6 (�� ��2nd�� ��F1 ) を押すとグラフの描画スタイルを指定できる。

(4)前に変更していなければ、「1:Line」にチェック印がついている。

(5)�� ��▲ ,�� ��▼ で移動し、点 (Dot)の連続で表示させたいときは「2:Dot」、点 •の代わりに

四角■を使いたいときは「3:Square」、太線 (Thick) で表示させたいときは「4:Thick」

に、カーソルが動くだけで曲線が表示されないようにするには「5:Animate」に合わせ

て�� ��ENTER を押す。「7:Above」は曲線の上側に斜線を引き、「8:Below」は下側に斜線を

引く。

(6)再度�� ��2nd�� ��F1 を押せ。チェック印の位置が変更されているはずである。

(7)�� ��♦ �� ��F3 を押すと、指定された表示方法でグラフが描画される。

(8)以上のことを、個々の関数ごとに指定できる。

6. グラフ画面の描画形式の設定

複数のグラフを同時に描画させたり、座標軸を消したりすることもできる。

(1)�� ��♦ �� ��F1 、 �� ��♦ �� ��F2 、 �� ��♦ �� ��F3 のいずれかの画面において、 �� ��♦ �� ��| (または

�� ��F1 9)を押す。

(2)「Coordinate」のRECTは、変更しないこと。現在使っているのは直交座標 (rectangular

coordinates)である。

(3)「Graph Order」を SIMULにすると、複数のグラフが同時に (simultaneously)描画され

る。SEQでは、定義した順番に (in sequence)描画される。

(4)「Grid」を ONにすると、画面全体に格子縞が現れ、OFFにすると消える。

(5)「Axes」の箇所を OFFにすると座標軸が消える。ONにすると座標軸が表示される。

(6)「Leading Cursor」を ONにすると、グラフ描画の際の先端に十字カーソルが現れる。

(7)「Label」を ONにすると、座標軸の名前の x, yが表示される。

7. その他

(1)黒い塗りつぶしは、関数を太線で描画し、その関数を少しずつずらしながら塗りつぶすこ

とになる。太線は、太くしたいグラフを黒く反転させてから、�� ��2nd�� ��F1 で「4:Thick」を

選択する。

(2)すべての関数を削除するには、�� ��F1 8 を押す。

(3)グラフを描画させる関数は、�� ��F4 でチェック印のつけられた関数である。関数が増えて

くると、個々の関数にチェックをつけたり取ったりするのは面倒である。すべての関数に

チェック印をつけたり、取ったりするには�� ��F5 を利用する。 �� ��F5 1ですべての関数のチェッ

クをはずし、�� ��F5 2 で、すべての関数にチェックが付けられる。

8. 参考例の関数

例示した図は、以下の関数で描画されている。個々の関数に、太線や斜線による塗りつぶし

などの指定を行い、左上の図のように表示されるようにせよ。

y1 = −√x+ 7.5 + 1.7

y2 = −1/7 · x+ .7 | x > −7.7

y3 = −x5

+ 1/5 · sin(3 · x) | x > −7.6

y4 =√22 − (x+ 4.8)2 − 4.8

y5 = (x + 4.9)2 − 3.5 | − 5.5 <

x and x < −4.4

y6 =√x+ 4.9− 3.3 | x < −3.5

数ナビTI-89の使い方 223

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数ナビでグラフ・アートに挑戦 《 媒介変数版 》

1: 媒介変数

数ナビで媒介変数表示された関数のグラフを描画するには、次のようにする。

(1)関数モードを媒介変数に切り替える。�� ��MODE で「Graph」の箇所を「2. Parametric」に

すればよい。あとは、y = f(x)の時と同様である。ただし、変数は必ず tを使用すること。

(2)�� ��♦ �� ��F1 で関数定義、

�� ��♦ �� ��F3 でグラフ描画、 �� ��♦ �� ��F2 で範囲指定、 �� ��♦ �� ��F5 で座標を表形式で表示、�� ��♦ �� ��F4 で表の刻み幅の指定ができる。

(3)�� ��♦ �� ��F1 での関数定義では、x = (tの式), y = (tの式)と、tの式で定義する。

(4)�� ��♦ �� ��F2 での範囲は、次のように指定せよ。

tmin= 0, tmax= 2π, tstep= π/24, xmin= −3.2, xmax= 3.2, xscl= 1

ymin= −1.6, ymax= 1.6, yscl= 1

(5)グラフの描画状況を把握するため、�� ��♦ �� ��| で「Leading Cursor」の箇所を「ON」にせよ。

2: 媒介変数表示によるグラフ例

曲線 x = cos t, y = sin tを定義せよ。これは半径 1の円であり、tが増えるにつれ円上を左

回りに 1回転する。まず、このことを確認せよ。 確認した 分からなかった

次に、�� ��F4 で円を再描画させ x座標の変化だけに注意すると、x座標の変化はコサインと

同一であることを確認せよ。y座標の変化だけに注意すると、y座標の変化はサインの変化と

同一であることを確認せよ。 確認した 分からなかった

以上を確認後、点が次の動きをするように式を変更せよ。範囲は変更しないこと。

(1)点が円上を 2回転するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。

x = y =

(2)時計回りに円上を 1回転するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。

x = y =

(3)点が図 1のような直線上を (0, 0) → (1, 1) → (0, 0) → (−1,−1) → (0, 0) と変化するよう

にするには、x, yをどのように定めればよいか。

x = y =

(4)点が図 2のような放物線 y = 1− x2 上を (1, 0) → (0, 1) → (−1, 0) → (0, 1) → (1, 0) と

変化するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。

x = y =

(5) 点が図 3の縦のサインカーブ上を (0,−π) → (−1,−π/2) → (0, 0) → (1, π/2) → (0, π) と

変化するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。

x = y =

(6)点が (1, 0)を出発して左周りに渦を 2回巻きながら(12, 0)に到達するようにするには、

x, yをどのように定めればよいか。

x = y =

図 1 図 2 図 3 図 4

(1) x = cos 2t, y = sin 2t, (2) x = cos(−t), y = sin(−t), (3) x = sin t, y = sin t, (4) x = cos t,

y = 1− cos2 t, (5) x = sin t, y = t, (6) x = ((1− t/4π)) ∗ cos 2t, y = ((1− t/4π) ∗ sin 2t

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Page 16: 数ナビ TI{89 の使い方 (1) - Coocanyunavi.la.coocan.jp/katuyo/Navi_prt.pdfす う 数ナビTI{89の使い方(1) 数式処理電卓TI{89 は、通常の関数電卓の機能の他に、数式の計算や関数のグラフを描く機能

3: 各種の関数定義

(1) y = f(x)のグラフを媒介変数のモードで描画するには、x = t, y = f(t)として定義すれ

ばよい。例えば、y = ex は、x = t, y = et とすればよい。

(2) y = f(x)の逆関数のグラフは、x, yを交換した x = f(y)であるので、x = f(t), y = tと

すればよい。例えば、y = sinxの逆関数は、x = sin(t), y = tとすればよい。

(3)極座標 r = f(θ)は媒介変数表示では x = r cos θ = f(θ) cos θ, y = r sin θ = f(θ) sin θで

あるので、変数を tに変えて x = f(t) cos t, y = f(t) sin tと定義すればよい。

例えば、極座標の r = sin 2θは、x = sin(2t) · cos(t), y = sin(2t) · sin(t)とすればよい。4: 範囲変更の仕方 最初に設定した 0 <= t <= 2π 以外の描画を行う場合は、下記を参考にしてくだ

さい。

(1)関数定義の箇所 (�� ��♦ �� ��F1 )で、�� ��| を利用して tの範囲を指定する。その場合は、x, yのいず

れかで範囲指定する。例えば、π/2 < t < πの範囲を描画させたいのであれば、x, yのいず

れかの式の後で「�� ��| π/2 < t and t < π」とする。andの前後には空白 (

�� ��alpha�� ��(−) )

が必要である。ただし、この方式だと、t < 0の箇所や t > 2πの箇所は表示されない。

(2)そこで、範囲を指定しないで、関数自体を変更することで対応する。

例えば、tの範囲を変えないで π/2 < t < πの部分だけを表示させるには、tが 0から 2π

まで変化するとき、x, yの t相当部分が π/2から πまで変化するように変更すればよい。

それは、tが 0のとき π/2で、tが 2πのとき πになればよいから、x, yの式の t相当部分

を t/4+π/2に変更すればよい。例えば、単位円 x = cos t, y = sin tの π/2 < t < πの部分

だけが表示されるようにするには、x = cos(t/4+ π/2), y = sin(t/4+ π/2)とすればよい。

(3)同様にすると、α < t < βの箇所が表示されるようにするには、tが 0のとき α、tが 2πの

とき β になるようにすればよいので、x, yの t相当箇所を β−α2π · t+ αに変更すればよい。

5: 縦線と横線

(1)横線を描くには、x = t, y = a とする。aの値は自分が描きたい場所の数値である。横線の

一部だけを描くには、�� ��| を利用して tの範囲を指定するか、あるいは前述の方式で xの箇

所の式を変更する。例えば、−1 < x < 2の範囲の横線であれば、tが 0のとき−1になり、

tが 2πのときに 2になればよいから、xの式の tの箇所を 32π · t− 1に変更すればよい。

(2)縦線を核には、x = a, y = tとする。aの値は自分が描きたい場所の数値である。縦線の

一部だけを描くには、�� ��| を利用して tの範囲を指定するか、あるいは前述の方式で y の

箇所の式を変更する。例えば、−1 < x < 1/2の範囲の横線であれば、tが 0のとき−1に

なり、tが 2πのときに 1/2になればよいから、yの式の tの箇所を 34π · t− 1に変更すれ

ばよい。

6: いろいろな関数

(1)微積分で現れる対数関数 y = log xは、底を e = 2.71828とする対数関数 (自然対数)であ

り、数ナビでは「LN」(�� ��2nd�� ��X )に割り振られている。「LOG」を利用すると 10を底と

する対数 (常用対数)なので気をつけること。底を 2とする対数は、底の変換公式を利用し

て自然対数か常用対数に直して考える。例えば、log2(x)は、log(x)/ log(2)か、ln(x)/ ln(2)

とする。

(2) xの絶対値 |x|は、「abs(x)」とする。abs は�� ��alpha を利用する。

(3)条件判断のコマンド「When」を利用すると、1つの関数の中で、いろいろな条件に応じ

て複数の式を切り替えることができる。When の書式は「When(条件, 真の場合の式, 偽

の場合の式)」である。例えば、0 < t < π では単位円の上半分 x = cos t, y = sin tであ

り、π < t < 2πでは放物線 x = cos t, y = 1− cos2 tの場合は、x = cos(t), y = when(t <

π, sin(t), 1− (cos(t))2)とする。when は入れ子にすることもできる。

7: その他

(1)�� ��F6 利用で様々な線種でグラフを描画できるが、「塗りつぶし」の機能は利用できない。

数ナビTI-89の使い方 225