数ナビ ti{89 の使い方 (1) - coocanyunavi.la.coocan.jp/katuyo/navi_prt.pdfす う...
TRANSCRIPT
す う
数ナビTI–89の使い方 (1)� �数式処理電卓 TI–89は、通常の関数電卓の機能の他に、数式の計算や関数のグラフを描く機能
があります。この電卓を活用すれば、数学に関するいろいろなことを自分で調べることができ、
数学上の「思考のツール」として利用できます。その意味で、この電卓を「数学ナビゲーター」、
略してす う
数ナビと呼ぶことにしましょう。以後の授業では、数ナビを必ず持ってきて下さい。� �基本的な操作黒カバー
カバーをはずすには、縦方向に、 ス、 ラ、 イ、 ドさせる。引きはがそうとすると壊れます。カバーをす
るときは、液晶画面の方からスライドさせること。逆に入れようとするとカバーが壊れます。
電源を切るには�� ��2nd�� ��ON を押す。
通常の電卓として使うには�� ��HOME (左端の上)を押すと現れる画面を基本画面という。
いろいろな計算は、基本画面の一番下の行 (入力行という)で行う。�� ��HOME を押すと、いつでも基本画面に戻ることができる。⇐=�� ��覚えておく !
計算は、基本画面の入力行に計算式を書いて�� ��ENTER (右下青)を押す。
�� ��= ではないので
注意。
四則計算では右側の黒いキーを利用。積の記号は右側。左側にあるのはエックスなので注意
する。
310は、3�� ��∧ (10)�� ��ENTER とする。
�� ��∧ は右端中央付近にある。指数は括弧 ( )で囲うこと。
[ ]や { }には別な機能が割り振られているので、括弧はいつでも ( )だけを使うこと!
負の符号と 2数の差が区別される。⇐=�� ��要注意 !
数や式の先頭にくるマイナスは�� ��(−) (下段右側)を、2数の差のときは
�� ��− を利用する。たとえば、−3x− (−2y + yz)は、
�� ��(−) 3x�� ��− (�� ��(−) 2y + y�� ��× z)と押す。
文字と文字の積では積の記号�� ��× を入れること。数と文字との積のときは入れなくてもよい。
結果を表示させるには、�� ��ENTER (右下の青)を押すのを忘れないこと。
ルートの計算をするには
ルートの計算は�� ��√ キーを利用する。黄色で書いてあるので、実際には
�� ��2nd�� ��× を押す。
√9であれば、�� ��2nd�� ��× 9)�� ��ENTER とする。左括弧 (は自動的につく。消さないで、右括弧 )で閉じること。
今後は、�� ��2nd キーの押し方までは明示しないので、各自で押すこと。
結果を小数表示させるには
通常の電卓と違い、この電卓は�� ��√ 7)�� ��ENTER としても
√7の値は表示されない。
結果を小数で表示させたいときは、�� ��√ 7 )�� ��♦ �� ��ENTER とすること。
つまり、小数で表示させたいときは、最後に�� ��ENTER ではなく、
�� ��♦ �� ��ENTER を押す。
エラー画面が出たら�� ��ESC (上段の青いキー)を押せば、エラー画面が消える。メニュー画面を消すときも同様。
Aから Zまでのアルファベットは�� ��alpha を押してから対応するキーを押す。
X,Y, Z, T は、よく使うキーなので、黒の上段のキーにある。�� ��alpha を押す必要はない。
キーには大文字が書いてあるが、実際に表示されるのは小文字である。
入力行のカーソルの移動は�� ��◀ ,�� ��▶ を押す。
削除するには�� ��← か�� ��CLEAR (上段右端)を押す。
�� ��← で一文字ずつ、�� ��CLEAR では全部削除される。
210 資料
1 次の計算を自分で行え。次に、数ナビを利用して確認せよ。特に、�� ��(−) と�� ��− の使い分けと、
括弧 ( )の使い方に注意すること。(3)(4)は分子や分母を括弧で囲うことが必要。数ナビは式を
入れただけでは何もしない。実行させるには�� ��ENTER を押すことが必要である。繁雑になるの
で、今後は�� ��ENTER を押すことはいちいち明示しない。忘れずに各自で押すこと。
(1) − 98
+ 37
(2) −(√8− 2
√12) (3)
−2x+ 3y
4− x− 2y
5
(4)3−
√2
2 + 3√2
数ナビの代数機能
一番上にある青いキーの�� ��F2 を利用すると、これまでに学習したいろいろな代数計算を数ナビに
させることができる。
式の展開�� ��F2 (3:expand)
•�� ��F2 3 を押すと「expand( 」と出るので、その後に展開したい式を入れて
�� ��ENTER を
押す。
• たとえば、「expand((a+1)3)」とせよ。式の括弧の対応関係に注意する。特に「expand(」
の右括弧) を閉じることを忘れないこと!
• アルファベットの aは�� ��alpha�� ��= である。今後、
�� ��alpha キーは特に明示しないので、
各自で押すこと。�� ��ENTER も同様。
式の因数分解�� ��F2 (2:factor)
•�� ��F2 2を押すと「factor(」と出るので、その後に因数分解したい式を入れて
�� ��ENTER を
押す。
• たとえば「factor(x2 − 4)」としてみよ。「factor(x4 + 4)」ではどうか。「cfactor(x4 + 4)」
として、最初に cをつけると、複素数の範囲で因数分解する。
方程式の解法�� ��F2 1 (1:solve)
•�� ��F2 1 を押すと「solve( 」と出るので、その後に解きたい方程式と未知数の文字をコン
マ,で区切って入れて�� ��ENTER を押す。
• たとえば「solve(x2 − 2x − 2 = 0, x)」としてみよ。「solve(2ax + 3by = 1, y)」ではどう
か。ax, byは文字の積なので、a�� ��× x, b�� ��× yとして�� ��× が必要である。
• 「solve(x2 − 4 = 0, x)」「solve(x2 +4 = 0, x)」「csolve(x2 +4 = 0, x)」で、それぞれどの
ように表示されるか確認せよ。「solve」は実数の範囲、「csolve」と cをつけると複素数の
範囲での解が求まる。
通分�� ��F2 (comDenom)
• 「comDenom」は、分母 (denominator)を共通にする (common)機能である。
• たとえば「comDenom(1/x+ 1/y)」としてみよ。
商と余り�� ��F2 (propFrac)
• 「propFrac」は、割り算をして分数 (fraction)の分子を簡単な式に直す機能である。
• たとえば「propFrac((2x2 − x− 3)/(x+2))」としてみよ。次に、手計算で 2x2 − x− 3を
x+ 2で割って商と余りを求めてみよ。
虚数単位 i
•�� ��2nd�� ��CATALOG を押すと「i」が出る。これは虚数単位である。複素数 a+ biの iは、
アルファベットの�� ��alpha�� ��9 を押して現れる iではなく
�� ��2nd�� ��CATALOG を使うこと。
• たとえば「(2 + 3i)(3− i)」としてみよ。「(2 + 3i)/(3− i)」ではどうか。
数ナビTI-89の使い方 211
[注意] 以下の問題は、まず自分でやってみて、次に数ナビで確認すること。訳も分からずに数ナビの
表示する答えを書き写していると、限りなく脳が退化していくことになるので注意すること!!
2 次の問に答えよ。
(1)展開せよ。�� ��F2 3(expand)で確認できる。
1⃝ (2x+ 3)(4x− 5) 2⃝ (2x+ 3)3
(2)因数分解せよ。�� ��F2 2(factor)で確認できる。
1⃝ a4 − b4 2⃝ −12a2 + a+ 20
(3)分子を簡単な式にせよ。�� ��F2 7(propFrac)で確認できる。
1⃝ 3x2 + 2x− 4
x− 12⃝ x3 − 1
x+ 2
(4)計算して簡単にせよ。基本画面 (�� ��HOME )の計算で確認できる。
1⃝ 1
x2 + x+
1
x2 − x2⃝
1 + 1x
1− 1x
(5)計算して簡単にせよ。基本画面 (�� ��HOME )の計算で確認できる。
1⃝ (−2√3 +
√5)(
√3 + 3
√5) 2⃝ 1
4−√3+
1
4 +√3
(6)計算して簡単にせよ。基本画面 (�� ��HOME )の計算で確認できる。
1⃝ (−3 + 2i)(4− 3i) 2⃝ 1− 3i
3 + 4i
(7)方程式を解け。�� ��F2 (solve)で確認できる。
1⃝ x2 − 3x− 2 = 0 2⃝ x2 − 2x+ 3 = 0
212 資料
関数グラフの描かせ方関数のグラフを描かせるには、次の 3つの機能を利用する。�� ��♦ �� ��F1 ⇐⇒関数の定義,
�� ��♦ �� ��F2 ⇐⇒範囲の指定,�� ��♦ �� ��F3 ⇐⇒グラフ描画
関数の定義�� ��♦ �� ��F1 (Y=) (この画面を、関数の定義画面という)
• 関数を定義するには�� ��♦ �� ��F1 を押し、y1, y2, · · · のどこに定義するかを
�� ��▼ ,�� ��▲ で選択
する。
• 定義する箇所を決めたら�� ��ENTER を押して一番下の段 (入力行という)に移る。
• 入力行 (一番下の行)で関数を定義して�� ��ENTER を押す。y =の部分を入れる必要はない。
y = −x2 + 2xを定義するには、y1 =の右側に −x2 + 2xとして�� ��ENTER を押す。
具体的には、�� ��(−)�� ��X �� ��∧ �� ��2 �� ��+ �� ��2 �� ��X �� ��ENTER とする。
• 一度定義した関数を変更するときも、一番下の入力行で同様にする。• 定義した関数を削除するには、
�� ��▲ ,�� ��▼ でその関数を黒くしてから
�� ��← か�� ��CLEAR を
押す。
• すべての関数を一気に削除するには、�� ��F1 8�� ��ENTER を押す。
グラフ描画�� ��♦ �� ��F3 (GRAPH) (この画面を、グラフ画面という)
• 関数を定義したら、�� ��♦ �� ��F3 を押すとグラフが描画される。
•�� ��♦ �� ��F1 の画面 (定義画面)で左端に
√印のついた関数だけが描画される。
•�� ��▲ ,�� ��▼ で該当する関数を黒くして
�� ��F4 を押せば、その関数の √をつけたり消したり
できる。
• グラフが表示されている状態で�� ��F2 4 (ZoomDec)を押せば、−7.9 <= x <= 7, 9, −3.8 <= y <=
3.8の範囲でグラフが表示される。ともかく、グラフがうまく表示されないときは�� ��F2 4 を
押す。
範囲の指定�� ��♦ �� ��F2 (WINDOW) (この画面を、ウィンドウ・エディターという。)
•�� ��♦ �� ��F2 を押せば、グラフの描画範囲を直接指定できる。
•�� ��▼ �� ��▲ を利用して該当項目に移動して、数値を直接書き込む。
• xmin, xmax は x軸の範囲、ymin, ymax は y軸の範囲、xscl, yscl では x軸と y軸の目
盛 (scale)の間隔を指定する。xmin<xmax, ymin<ymax, xscl> 0, yscl>0 となるように
指定すること。
• xmin, ymin などが負数になるときは、、 先、 頭、 の、 マ、 イ、 ナ、 ス、 に、 は�� ��(−)
、 を、 利、 用、 す、 る、 こ、 と。
• 設定を誤ってエラー画面が表示されたときは、�� ��ESC でエラーを消してから、
�� ��F2 4を
押す。強制的に −7.9 <= x <= 7, 9, − 3.8 <= y <= 3.8の範囲に変更される。
• xres ではグラフの解像度を指定できるが、xres = 2の値を特に変更する必要はない。
3�� ��♦ �� ��F1 として、y1に y = −x2 + 3xを定義して、
�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させよ。(1)グラフが表示されたら、
�� ��F3 を押して �� ��◀ �� ��▶ を押してみよ。その点の座標が表示される。
トレース機能という。�� ��ESC を押すと座標が消える。再び
�� ��F3 を押し、カーソルの点滅状態で 1�� ��ENTER 、3�� ��ENTER 、−1�� ��ENTER としてみよ。自分の好きな箇所に飛ぶことができ
る。−1のマイナスは、�� ��(−) である。
(2)�� ��♦ �� ��F1 で、y1を y1 = −x2 + 3x− 1に変更して、
�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させよ。(3)�� ��♦ �� ��F2 で、描画範囲を −3 <= x <= 5, − 2 <= y <= 2に変更して、
�� ��♦ �� ��F3 グラフを描画させよ。ここでのマイナスは
�� ��(−) を利用する。
(4)�� ��F3 で、(3 +
√5)/2�� ��ENTER とせよ。カーソルはどこに飛んだか。そのカーソルの移動先
を解の公式で計算して (自分で)確認せよ。
数ナビTI-89の使い方 213
すう
数ナビTI–89の使い方 (2)
グラフ画面での諸機能
トレース機能�� ��F3 (Trace)
• グラフ表示の状態で�� ��F3 を押すと、点の座標を表示しながら �� ��◀ ,
�� ��▶ でグラフ上を移動
できる。x座標を打ち込んで�� ��ENTER を押すと、その x座標をもつグラフ上の点に移動
する。
• 複数のグラフが表示されているときは、�� ��▲ �� ��▼ で別なグラフに移動できる。
• x < 0の値を打ち込むときは、�� ��(−) を利用すること。
• 画面の範囲を越えた値を入れると、「Windows Variables Domain」というエラーが表示
される。�� ��ESC を押すとエラー画面が消える。
再描画�� ��F4 (Regraph) グラフがどのように描かれるかをもう一度見たいときは、このキーを押す。
ズーム機能�� ��F2 1 (ZoomBox)
•�� ��F2 1 (ZoomBox)を押す。指定した長方形状の箇所を拡大表示させることができる。
• それには、長方形の対角線の向き合う 2点を指定する。
• 最初に「1st Corner?」を問われる。�� ��▲ ,�� ��▼ ,�� ��◀ ,�� ��▶ を利用して、拡大したい部分の
左側の点を指定して�� ��ENTER を押す。
�� ��2nd を押しながらやると移動量が大きくなる。
• 次に、「2nd Corner?」と聞いてくるので、同じように�� ��▲ ,�� ��▼ ,�� ��◀ ,�� ��▶ を利用して、最
初に指定した点と対角線の反対側の点を指定して�� ��ENTER を押す。
• 以上により、指定された長方形の内部が画面一杯に表示される。
x軸との交点�� ��F5 2 (Zero)
• 表示されたグラフと x軸との共有点があるときは、その x座標を求めることができる。
•�� ��F5 2�� ��ENTER を押し、共有点の左側と右側を指定する必要がある。
• まず、「Lower Bound?」と聞いてくるので、�� ��◀ �� ��▶ で共有点のちょっと左側にカーソ
ルを移動して�� ��ENTER を押す。
�� ��2nd を押しながらやると移動量が大きくなる。
• 次に、「Upper Bound?」と聞いてくるので、�� ��▶ でカーソルを共有点のちょっと右側に
移動して�� ��ENTER を押す。Lowerは小さい方、Upperは大きい方、Boundは端という
こと。
• 「Zero」が表示されてカーソルが x軸との共有点に移動し、その座標が下段に表示される。
最小値�� ��F5 3 (Minimum)、最大値
�� ��F5 4 (Maximum)
• 指定された範囲における、yの最小値や最大値を求めることができる。
• 最小値は�� ��F5 3�� ��ENTER 、最大値は
�� ��F5 4�� ��ENTER を押し範囲の左と右端を指定する。
• 「Lower Bound?」が出たら、�� ��◀ �� ��▶ で左端にカーソルを移動して
�� ��ENTER を押す。
次に、「Upper Bound?」が表示されるので、�� ��▶ で範囲の右端に移動して
�� ��ENTER を
押す。
• 指定された最小値 (最大値)を取る点にカーソルが移動し、その点の座標が下段に表示さ
れる。
2つのグラフの交点�� ��F5 5 (Intersection)
•�� ��F5 5 を押すと、2つのグラフの交点の座標を求めることができる。
• 「1st Curve?」では、�� ��▼ �� ��▲ でグラフの間を移動し、最初のグラフ上にカーソルを移動し
て�� ��ENTER を押す。グラフが 2つしか表示されていないときは
�� ��ENTER だけでよい。
• 次に、「2nd Curve?」が表示されるので、�� ��▼ �� ��▲ で 2つ目のグラフに移動して
�� ��ENTER を
押す。グラフが 2つしか表示されていないときは�� ��ENTER だけでよい。
214 資料
• その後で、「Lower Bound?」では�� ��◀ �� ��▶ で交点の左端を指定して
�� ��ENTER 、「Upper
Bound?」では同様にして交点の右側を指定して�� ��ENTER を押す。
• そうすると、カーソルが自動的に交点に移動して、その点の座標が下段に表示される。
座標を表にするテーブル機能グラフ表示されている関数の x座標と y座標を、表として表示させることができる。�� ��♦ �� ��F4 ⇐⇒表の開始位置や刻み幅の設定,
�� ��♦ �� ��F5 ⇐⇒ x, y座標を表で表示
テーブル機能�� ��F5 (Table)
•�� ��♦ �� ��F3 でグラフが表示されている状態で �� ��♦ �� ��F5 を押すと、そのグラフの x座標と y
座標が表 (テーブル)で表示される。
• 5行分のデータしか表示されないが、�� ��▲ �� ��▼ で上方にも下方にも自由に移動できる。
•�� ��◀ �� ��▶ で表の左右の移動もできる。下段には、黒くなっている箇所の詳細な値が表示さ
れる。
•�� ��♦ �� ��F4 を利用すると、最初に表示される表の左上の xの値や xの刻み幅を変更できる。
表が表示されている状態のときは、�� ��♦ を押さずに �� ��F2 だけを押してもよい。
テーブルセット�� ��F4 (Tblset)
•�� ��♦ �� ��F4 を押すと、 �� ��♦ �� ��F5 で最初に表示される表の左上の xの値や xの刻み幅を変更できる。
•�� ��♦ �� ��F4 を押して、最初に「tblStart」を指定する。表の最初の xの値を指定することになる。
• 次に、�� ��▼ で下の行に進み、「∆tbl」の箇所で、xの刻み幅を指定する。
• 以上の 2つの値を指定したら、�� ��ENTER を 2回押す。
• すると、表が設定したような開始位置と刻み幅で表示される。
1 数ナビで次の操作を行え。その操作ができたか、できなかったか、該当する項目を○で囲め。
(1) y1 = x− 1, y2 =√x+ 2を定義してグラフを表示させよ。 操作が できた、できなかった
(2)描画範囲が −3 <= x <= 5, − 2 <= y <= 3となるようにせよ。 操作が できた、できなかった
(3) y2のグラフだけが表示されるようにせよ 操作が できた、できなかった
(4)トレース機能で、y2 =√x+ 2のグラフ上を移動してみよ。 操作が できた、できなかった
(5) (4)において、x = 3のときの y座標を求めよ。 x = 3のときの y座標は、
(6) y1と y2の 2つのグラフが表示されるように戻せ。 操作が できた、できなかった
(7) xに対応する 2つの y座標を、表として表示させよ。 操作が できた、できなかった
(8)表の左上の xの値が 1、xの刻み幅が 0.1となるようにせよ。操作が できた、できなかった
(9)表で、y1 > y2となるのは xがどのようなときか。 x > のとき y1 > y2となる
(10)再度、グラフを表示させよ。 操作が できた、できなかった
(11) 2つのグラフの交点付近を、拡大せよ。 操作が できた、できなかった
(12) 2つのグラフの交点の座標を数ナビの操作で求めよ。 x = 、y =
(13) 2つのグラフの交点を自分で計算して確認せよ。 確認が できた、できなかった
[操作] (1)�� ��♦ �� ��F1 と �� ��♦ �� ��F3 、(2) �� ��♦ �� ��F2 、(3) �� ��♦ �� ��F1 で y1の
√を�� ��F4 ではずす、(4) �� ��♦ �� ��F3 と
してから�� ��F3 で �� ��◀ �� ��▶ で移動、(5) (4)の状態で 3
�� ��ENTER 、(6)�� ��♦ �� ��F1 で y1に
�� ��F4 で √をつけ
る、(7)�� ��♦ �� ��F5 、(8)�� ��♦ �� ��F4 、(9)�� ��♦ �� ��F5 として �� ��▼ で下の方を調べる、(10)
�� ��♦ �� ��F3 、(11)�� ��F2 1、
(12)�� ��F5 5(Intersection) を利用するか、または
�� ��HOME で基本画面に戻り�� ��F2 (1:Solve) を利用する。
(13) x− 1 =√x+ 2を自分で解く。両辺を平方すればよい。
数ナビTI-89の使い方 215
グラフ関連機能のまとめ
• 関数を定義する =⇒�� ��♦ �� ��F1
• 描画範囲を見る・指定する=⇒�� ��♦ �� ��F2
• グラフを描画する =⇒�� ��♦ �� ��F3
• 表 の 始 点 や 刻 み 幅 を 指 定 す る=⇒�� ��♦ �� ��F4
• グラフの x, y 座標を表にする
=⇒�� ��♦ �� ��F5
• 描画する関数を指定 =⇒�� ��♦ �� ��F1 の画
面で、�� ��▲ �� ��▼ で関数を指定し、
�� ��F4で
√を指定する
• 長方形指定でグラフを拡大 =⇒�� ��F2 1
• 標準座標でグラフを描画=⇒�� ��F2 4を
押す
• グラフ上を動く=⇒�� ��F3 で �� ��◀ ,�� ��▶ を
押す
• グラフを再描画する =⇒�� ��F4 を押す
• y 座標を求める =⇒�� ��F3 を押しカー
ソルが点滅状態で x の値を指定し
て�� ��ENTER を押す
• x軸との交点 =⇒�� ��F5 2 で交点の前後
を指定
• 最小値の座標=⇒�� ��F5 3で左端と右端
を指定
• 最大値の座標=⇒�� ��F5 4で左端と右端
を指定
• 2つのグラフの交点=⇒�� ��F5 5で、2つ
のグラフを指定してから、交点の前後
を指定する
注1)�� ��(−) と�� ��− の使い分けに注意すること。先頭のマイナスや括弧のすぐ後のマイナスは
�� ��(−) 。
注 2) 括弧 ( ) の対応関係にも注意すること。左括弧 ( と、右括弧) の数は一致する必要がある。
例1)�� ��♦ �� ��F1 で、y1 = x2 − x− 1とする。
関数の定義�� ��♦ �� ��F1 を押して、 �� ��▲ �� ��▼ で y1の箇所を黒くして�� ��ENTER を押
し一番下の行で x2 − x− 1を入れて�� ��ENTER を押す。y2に定義する
には、y2の箇所を黒くして�� ��ENTER を押して同様にする。
グラフ描画�� ��♦ �� ��F3 を押すとグラフが表示される。標準状態の範囲とするため �� ��F2 4
を押すと、−7.9 <= x <= 7.9、−3.8 <= y <= 3.8の範囲でグラフが表示される。目盛は x, y 軸とも 1刻みに指定されている。
範囲指定�� ��♦ �� ��F2 を押すと、どのような範囲でグラフが描画されているかが分かる。�� ��F2 4を押すと、必ず、右のような範囲になる。必要であれば、こ
の値は自由に変えてよい。ただし、xmin<xmax、ymin<ymax となるようにする。
トレース�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させ、その状態で �� ��F3 を押すと、 �� ��◀ �� ��▶ を
利用してグラフ上を移動できる。下段には、その点の座標が表示される。
xの値を打ち込んで�� ��ENTER を押すと、その値を x座標に持つ点に移
動する。右図は、x = 2を指定したときである。2�� ��ENTER とすれば
よい。
ZoomBoxグラフが表示されている状態で、長方形状の区画を指定して、その部分
だけを拡大表示させることができる。�� ��F2 1 を押す。「1st Corner?」
では、青い�� ��▲ �� ��▼ �� ��◀ �� ��▶ を利用して長方形の頂点の 1 つを指定
して�� ��ENTER 、「2nd Corner?」で対角線の反対側の頂点を指定し
て�� ��ENTER を押せばよい。右図は 2つ目の頂点を指定しているところ。
216 資料
座標を表で表示�� ��♦ �� ��F1 で関数が定義されているとき、 �� ��♦ �� ��F5 を押すと、その関数の座標を表で表示することができる。関数の定義画面で
√印のついた
関数の座標が表で表示される。右図から、1 < x < 2の箇所で y = 0となっていることが分かる。
刻み幅を変更�� ��♦ �� ��F4 を押すと、xの刻み幅を変更することができる。「tblStart」には
表の開始位置を、「∆tbl」には xの刻み幅をいれる。数値を入れて�� ��▼ で
下の項目に移動する。この 2つの数値をいれたら�� ��ENTER を 2回押す。
右図では、最初の開始位置を 1に、xの刻み幅を 0.1 に設定した。
変更後の表
前の箇所で、刻み幅を変更して�� ��ENTER を 2 回押すと、変更した設
定で表が表示される。�� ��▼ で下に行くことにより、y = 0 となるのは
1.6 < x < 1.7の箇所であることが分かる。�� ��♦ �� ��F4 で刻み幅をもっと
細かくすると、さらに詳しい範囲が分かる。
x軸との共有点�� ��♦ �� ��F3 で再びグラフを表示させる。その状態で �� ��F5 2(Zero)を押すと、
x軸との共有点の座標が求められる。「Lower Bound?」では、�� ��◀ �� ��▶ を
利用して共有点の左側を指定して�� ��ENTER 、「Upper Bound?」では
共有点の右側を指定して�� ��ENTER を押すと、その間にある共有点の座
標が表示される。右図は結論を表示ている。x ≒ 1.618であることが分かる。
トレース画面でも確認
x2−x−1 = 0の解は、x =1±
√5
2である。�� ��F3 のトレース画面では、
直接 xの値を指定できる。(1+√5)/2を入れて�� ��ENTER を押してみよ。
右図は�� ��ENTER を押す直前の状態である。(1+
√5)/2 = 1.618034であ
る。解の確認は、�� ��HOME を押して基本画面に戻り、
�� ��F2 1 (1:Solve)
で「solve(x2 −x− 1 = 0, x))」、または「solve(y1(x) = 0, x)」としてもよい。
最小値 (最大値も同様)�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。その状態で �� ��F5 3(Minimum)を押す
と、yの最小値が求められる。「Lower Bound?」では、�� ��◀ �� ��▶ を利用
して最小値がある箇所の左側を指定して�� ��ENTER 、「Upper Bound?」
では右側を指定して�� ��ENTER を押すと、y の値が最小になる点にカー
ソルが移動し、その点の座標が表示される。右図は結論を表示しているところである。
基本画面�� ��HOME を押すと、計算を行う基本画面に戻る。�� ��♦ �� ��F1 で定義した
関数は、この画面でも生きている。トレースの画面では、グラフが表示されている範囲外の xの値を指定するとエラーとなるが、基本画面では定義域内の値であれば何でも指定できる。右図は、y1 = x2−x−1において、
xに 1000を代入して y1(1000)を求めている。y1(1000)�� ��ENTER とす
る。
数ナビTI-89の使い方 217
すう
数ナビTI–89の使い方 (3)
関数記号の定義関数記号 f(x)
•�� ��HOME を押し基本画面に戻る。
�� ��F4 �� ��ENTER を押すと「Define 」と表示されるので、
その後に続けて、たとえば f(x) = x2 − 2xとして�� ��ENTER を押す。Define と f(x)の間
には空白が必要である。�� ��F4 �� ��ENTER の段階で空白がついているので、その空白は削除
しないこと。f(x)の f は�� ��alpha キーを利用する。 Define は「定義する」ということ。
• これで、「Define f(x) = x2 − 2x」が表示され、数ナビに f(x) = x2 − 2xが定義された。
• 続いて、f(3)�� ��ENTER , f(x− 1)
�� ��ENTER などを実行してみよ。
• f(x)に別な式を定義すれば、関数 f(x)の内容を歓待に変更できる。
• ここで定義した f(x)は、�� ��♦ �� ��F1 の関数定義画面でも利用できる。
•�� ��F4 を利用した Define f(x) =の形ではなく、
�� ��ON の上にあるキー�� ��STO を利用して
「x2 − 2x�� ��STO f(x)�� ��ENTER 」としてもよい。「x2 − 2x → f(x)」と表示される。
グラフ関連機能のまとめ (再掲)
• 関数を定義する =⇒�� ��♦ �� ��F1
• 関数を変更する =⇒�� ��♦ �� ��F1 で、変
更したい関数にカーソルを合わせ
て�� ��ENTER
• 関数を消去する =⇒�� ��♦ �� ��F1 で、消去
したい関数にカーソルを合わせて�� ��←
• すべての関数を消去する =⇒�� ��♦ �� ��F1
で、�� ��F1 8�� ��ENTER とすると全部消
える
• 描画範囲を見る・指定する=⇒�� ��♦ �� ��F2
• グラフを描画する =⇒�� ��♦ �� ��F3
• グラフがうまく出ない =⇒�� ��F2 4 を
押す
• エラー画面が出た =⇒�� ��ESC を押す
• 表 の 始 点 や 刻 み 幅 を 指 定 す る=⇒�� ��♦ �� ��F4
• x, y座標を表にする =⇒�� ��♦ �� ��F5
• 描画する関数を指定=⇒�� ��♦ �� ��F1 で �� ��▲ �� ��▼ で
関数を指定し、�� ��F4 で √
を指定する
• 長方形指定でグラフを拡大 =⇒�� ��F2 1
で、対角線の頂点を指定して�� ��ENTER
• 標準座標でグラフを描画 =⇒�� ��F2 4
• グラフ上を動く=⇒�� ��F3 で �� ��◀ ,�� ��▶ を
押して左右に移動する。
• グラフを再描画する =⇒�� ��F4 を押す
• y座標を求める=⇒�� ��F3 を押しカーソ
ル点滅状態で xを指定して�� ��ENTER
例2) 関数 f(x) = x2 − 2xのグラフの平行移動と対称移動 (対称変換)。
f(x) の定義 まず、�� ��HOME を押して基本画面とする。�� ��F4 �� ��ENTER を押して、Define の後に f(x) = x2 − 2x を入
れて�� ��ENTER を押す。f は
�� ��alpha キーを利用する。関数 f(x)
として f(x) = x2 − 2xが定義されたことになる。
f(x)の確認 入力行で、f(3)�� ��ENTER や、f(4)
�� ��ENTER など
として、f(x)の x = 3や x = 4のときの値が正しく計算されて
いることを確認する。f(a)は、関数 f(x)の式の xに aを代入し
たものであり、f(3) = 32 − 2 · 3 = 9− 6 = 3である。
f(x− 1)の計算 f(x)の xの箇所に x− 1を代入するとどうな
るか?f(x−1)�� ��ENTER を表示させてみよ。これは、f(x)の xの
箇所が x− 1になっているので、f(x− 1) = (x− 1)2− 2(x− 1) =
x2 − 2x+ 1− 2x+ 2 = x2 − 4x+ 3 = (x− 1)(x− 3) となる。
218 資料
y = f(x)の平行移動�� ��♦ �� ��F1 で関数定義画面に移る。
y1 = f(x), y2 = f(x) + 1, y3 = f(x− 2), y4 = f(x− 2) + 1を
定義する。
平行移動のグラフ表示�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。
y1, y2, y3, y4 の順にグラフが表示される。�� ��F4 を押すと、もう
一度最初から表示される。�� ��F4 を何度も押して最初の y = f(x)
のグラフがどのように移されるかを確認せよ。
座標を表で表示�� ��♦ �� ��F5 を押すと、y1, y2, y3, y4の座標が表で
表示される。
刻み幅を変更 分かりやすいように、x の刻み幅を 1 に変更す
る。刻み幅が 1でないときは、�� ��♦ �� ��F4 を押して、tbdStart= 0、
∆tbl= 1に変更して�� ��ENTER を 2回押す。
座標を表で表示 再度�� ��♦ �� ��F5 を押すと、y1, y2, y3, y4の座標が、
x = 0の箇所から 1刻みで表示される。y1, y2, y3, y4の式を思い
浮かべながら、これらの座標の変化の様子を観察せよ。
対称移動 (対称変換) の定義�� ��♦ �� ��F1 の関数定義画面に移る。
y2, y3, y4の箇所は、�� ��F4 を押して √
印をはずしておく。そして、
y5 = −f(x), y6 = f(−x), y7 = −f(−x)とする。
対称移動したグラフの表示�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。
y1, y5, y6, y7 の順にグラフが表示される。�� ��F4 を押すと、もう
一度最初から表示される。最初の y = f(x)のグラフがどのよう
に移されるか、�� ��F4 を何度も押して確認せよ。
座標を表で表示�� ��♦ �� ��F5 を押すと、y1, y5, y6, y7の座標が、表
で表示される。y1, y5, y6, y7の式を思い浮かべながら、これらの
座標の変化の様子を観察せよ。
関数の式を変更する�� ��HOME を押して基本画面に戻る。�� ��F4 �� ��ENTER を利用して f(x)に別な関数を定義する。
�� ��♦ �� ��F1 の関数定義は変更する必要はない。
�� ��F4 で必要な関数に √をつけ
て�� ��♦ �� ��F3 でグラフを表示させる。関数を変えても同じ状況にな
ることを確認せよ。
数ナビTI-89の使い方 219
すう
数ナビTI–89の使い方 (4)
代数機能の解説
式の展開や因数分解、あるいは方程式の解法などの代数機能は、�� ��HOME を押すと現れる基本画
面で行う。基本画面で�� ��F2 を押すと、そこにいろいろな代数機能が登録されている。
式の展開�� ��F2 (3:expand)
•�� ��F2 3を押すと「expand(」と出るので、その後に展開したい式を入れて
�� ��ENTER を押す。
たとえば、「expand((a+1)3)」とせよ。式の括弧の対応関係に注意する。特に「expand(」
の右括弧) を閉じることを忘れないこと!
• aは�� ��alpha�� ��= 。今後、�� ��alpha や�� ��ENTER は特に明示しないので各自で押すこと。
• 2x(3x−4)の程度の展開は自分でやって欲しいが、数ナビで展開させるには、2xと (3x−4)
の間に�� ��× を入れること。数値と文字式の積の時は �� ��× をいれなくてもよいが、文字式ど
うしの積の時は�� ��× を入れる。
式の因数分解�� ��F2 (2:factor)
•�� ��F2 2を押すと「factor(」と出るので、その後に因数分解したい式を入れて
�� ��ENTER を
押す。たとえば「factor(x2 − 4)」としてみよ。
• 「factor(x2 − 3)」ではどうか。次に、「factor(x2 − 3, x)」としてみよ。「, x」が無いと整
数の範囲で、「, x」をつけると実数の範囲で因数分解する。
• 「factor(x2 + 4)」ではどうか。次に、「cfactor(x2 + 4)」として、cをつけてみよ。複素
数の範囲で因数分解する。「cfactor(x2 + 3)」と「cfactor(x2 + 3, x)」の違いも確認せよ。
方程式の解法�� ��F2 1 (1:solve)
•�� ��F2 1 を押すと「solve( 」と出るので、その後に解きたい方程式と未知数の文字をコン
マ,で区切って入れて�� ��ENTER を押す。たとえば「solve(x2 − 2x− 2 = 0, x)」としてみ
よ。「solve(2ax+ 3by = 1, y)」ではどうか。ax, byは文字の積なので、a�� ��× x, b�� ��× y
として�� ��× が必要である。
• 「solve(x2 − 4 = 0, x)」「solve(x2 +4 = 0, x)」「csolve(x2 +4 = 0, x)」で、表示の違いを
確認せよ。「solve」は実数の範囲、「csolve」と cをつけると複素数の範囲での解が求まる。
• 連立方程式を解くには、複数の方程式を「 and 」(andの両側には空白が必要)で繋ぎ、
最後に解く変数を「{x,y}」のように中括弧で囲って指定する。andは�� ��alpha を利用する。
空白は�� ��alpha�� ��(−) である。例えば 2x − 3y = 1, 3x + 5y = 4を解くには、次のように
する。「 solve ( 2x− 3y = 1 and 3x+ 5y = 4, {x, y} ) 」中括弧は�� ��2nd を利用した括
弧である。
通分�� ��F2 6 (comDenom)
• 「comDenom」は、分母 (denominator)を共通にする (common)機能である。
• たとえば「comDenom(1/x+ 1/y)」としてみよ。
商と余り�� ��F2 7 (propFrac)
• 「propFrac」は、割り算をして分数 (fraction)の分子を簡単な式に直す機能である。
• たとえば「propFrac((2x2 − x− 3)/(x+2))」としてみよ。次に、手計算で 2x2 − x− 3を
x+ 2で割って商と余りを求めてみよ。
対数 log
• 10を底とする対数 log10 xは、log(x)である。log は�� ��CATALOG 4 を押して
�� ��▼ で下がっていくと現れる。次回からは、
�� ��CATALOG ,を押すだけで済む。
• 2を底とする対数は、底の変換公式により「log(x)/ log(2)」である。�� ��F4 �� ��ENTER を利
用して、Define log 2(x) = log(x)/ log(2) として新たな関数を定義しておくと、log 2(x)
だけで済む。log 2(8) = 3となることを確認せよ。
220 資料
代数機能のメニュー 最初に、�� ��HOME を押して基本画面にしてお
く。�� ��F2 �� ��ENTER を押すと右側の画面が現れる。「1:solve(」は方
程式の解法、「2:factor(」は因数分解、「3:expand(」は展開、「4:ze-
ros(」はゼロ点を求める、「6:comDenom(」は通分、「7:propFrac(」
は式の割算である。
式の展開 (3:expand) expand( の後に展開したい式を入れて、
右括弧 )で閉じる。変数と変数の積では�� ��× が必要である。式の
後に、変数名を指定する必要はない。
因数分解 (2:factor) factor(の後に因数分解する式を入れて、右
括弧)で閉じる。変数と変数の積では�� ��× が必要である。式の後
に、「, x)」を追加すると、実数の範囲での因数分解。cfactor と
して最初に cをつけると、複素数の範囲の因数分解になる。
方程式の解法 (1:solve)�� ��F2 �� ��ENTER を押して、solve(の後に
方程式と解くべき変数を指定して�� ��ENTER を押す。分数方程式、
無理方程式、指数方程式、対数方程式でもかまわない。
連立方程式の解法 (1:solve) 「false」と表示されたときは、解
が複素数である可能性があるので「csolve」としてもう一度確認す
る。それでも falseとなれば、解が存在しないということである。
連立方程式も、1:solve を利用して解ける。複数の方程式は and
を利用してつなぎ、最後に解く変数の組を中括弧で指定する。方
程式は 2つ以上あっても構わない。
分数式の通分 (6:comDenom) 分数式の通分をするには、�� ��F2 6 を利用して、「comDenom( 」の後に通分したい分数式を
いれて、右括弧 )で閉じて�� ��ENTER を押す。その分数式が履歴画
面 (上の大きな画面)に表示されているときは、comDenom(を表示
させた後で、�� ��▲ で移動して該当部分を黒表示にして �� ��ENTER を
押してもよい。
分数式の商と余り (7:propFrac) 分数式の分子を簡単にするに
は、�� ��F2 7 を利用して、「propFrac( 」の後に簡単にしたい分数
式をいれて、右括弧 ) で閉じて�� ��ENTER を押す。B/Aの場合、
Bを Aで割った商を P、余りを Rとすると、B = AP +Qと書
けるので B/A = P + Q/Aとなる。propFrac を利用すると、こ
の計算結果が表示される。
分子・分母、左辺・右辺 (B:Extract) この機能を選択して�� ��▶ を
押すとメニューが現れる。「1: getNum(」は、分数式の分子 (nu-
merator)、「2: getDenom(」は分数式の分母 (denominator)を取
り出したいときに利用する。「3: left(」は等式の左辺、「4: right(」
は右辺を取り出すときに利用する。
数ナビTI-89の使い方 221
数ナビでグラフ・アートに挑戦 《 y = f(x)版 》
#
"
!
数ナビを使って、グラフ・アートを作成することができる。画
面の範囲は�� ��F2 4の画面とし、−7.9 <= x <= 7.9, − 3.8 <= y <= 3.8
とします。たとえば、直線や放物線などを組み合わせるだけで、
右側のようなグラフが作成可能です。
1. 作成の流れ
(1)紙に描きたいグラフの下書きをする。動植物、風景、物、イラスト、抽象画など何でもよい。
(2)�� ��♦ �� ��F1 で指定できる関数の数は 99個ある。
(3)個々の曲線と、その描画範囲や描画方法を指定する (詳細は、2, 6, 7)。
(4)�� ��♦ �� ��F3 でグラフを描画。下書き通りのグラフになるように関数の形や範囲などを調整する。
すべての関数を描画させると時間がかかるので、調整に必要なグラフだけを表示させると
よい。�� ��F4 でチェック印のついた関数のグラフだけが表示される。
(5)グラフが確定したら、必要がなければ座標軸を消す (詳細は、6(5))。
(6)最後に、画面を保存する (詳細は、4)。
2. 描画範囲の指定�� ��|
個々の関数の描画範囲を指定できる。たとえば、y1 = x2の−1 < x < 2の範囲だけを描画さ
せたいのであれば、「y1(x) = x2 | −1 < x and x < 2」とする。つまり、関数の後に縦線�� ��| を
引き、その後に描画する範囲を指定する。�� ��| は �� ��= の下のキーである。andは
�� ��alpha を利
用し、and の両側には空白�� ��alpha�� ��(−) が必要である。不等号< >は、
�� ��2nd 0,�� ��2nd . で
ある。
3. 関数定義の際の留意事項
(1)「y = 2 | − 1 < x and x < 2」のように、x軸に平行な直線を定義すると、数ナビは
−1 < x < 2の範囲ではなく画面一杯のグラフを描画する。この場合は、傾きが 0の直線
を変数 xを含む形で定義する。例えば、「y = 2+ 0 · x | − 1 < x and x < 2」とする。
(2) x = 1のような y軸と平行な直線は、y = · · · の形では定義できない。傾きの非常に大きな直線として定義すればよい。例えば、点 (1, 0)を通る縦の直線は y = 100(x− 1)とする。
(3)絶対値関数 (absolute function) y = |x|は、「y = abs(x)」として定義する。absは�� ��alpha
を利用する。または、�� ��CATALOG を利用してもよい。
(4)中心 (a, b)、半径 rの円は、点 (a, b)との距離が rであるような点 (x, y)の集りであるから、三
平方の定理より (x−a)2+(y−b)2 = r2である。これを解くと y−b = ±√r2 − (x− a)2であ
るから、y = ±√r2 − (x− a)2+bである。したがって、円の上半分はy =
√r2 − (x− a)2+b
である。
4. グラフの保存
作成した図を保存するには、�� ��F1 2(Save Copy As · · · )とし、「Type」の箇所を「GDB」、�� ��▼ で「Variable」の箇所にいき、適当な名前を指定する。ファイル名は、gm45のように gの
後は自分の学科のアルファベットと出席番号とする。同じようにして、「Type」を「Picture」、
ファイル名は gm45p のように最後に pをつけたファイルでも保存する。
保存画像を呼び出すには、�� ��F1 1(Open) として Variable に自分が保存した名前を入れ
て�� ��ENTER を押す。ただし、現在
�� ��♦ �� ��F1 の画面で定義されている関数がすべて削除され、新にオープンする画像の定義関数で置き換られるので注意すること。
222 資料
5. 個々の関数の描画スタイルの設定
関数のグラフは、通常は少しずつ線分 (Line)で結ばれて曲線が表示される。点 (Dot)の連続
で表示させたり、太い (Thick)線で表示させたり、カーソルが動く (Animate)だけで曲線が残
らないようにしたり、曲線の上を斜線で塗りつぶしたりすることもできる。
(1)関数の定義画面 (�� ��♦ �� ��F1 )に関数が定義されているとする。
(2)�� ��▲ ,�� ��▼ で表示方法を指定したい関数に合わせ、黒くなった関数の表示方法が変更できる。
(3)�� ��F6 (�� ��2nd�� ��F1 ) を押すとグラフの描画スタイルを指定できる。
(4)前に変更していなければ、「1:Line」にチェック印がついている。
(5)�� ��▲ ,�� ��▼ で移動し、点 (Dot)の連続で表示させたいときは「2:Dot」、点 •の代わりに
四角■を使いたいときは「3:Square」、太線 (Thick) で表示させたいときは「4:Thick」
に、カーソルが動くだけで曲線が表示されないようにするには「5:Animate」に合わせ
て�� ��ENTER を押す。「7:Above」は曲線の上側に斜線を引き、「8:Below」は下側に斜線を
引く。
(6)再度�� ��2nd�� ��F1 を押せ。チェック印の位置が変更されているはずである。
(7)�� ��♦ �� ��F3 を押すと、指定された表示方法でグラフが描画される。
(8)以上のことを、個々の関数ごとに指定できる。
6. グラフ画面の描画形式の設定
複数のグラフを同時に描画させたり、座標軸を消したりすることもできる。
(1)�� ��♦ �� ��F1 、 �� ��♦ �� ��F2 、 �� ��♦ �� ��F3 のいずれかの画面において、 �� ��♦ �� ��| (または
�� ��F1 9)を押す。
(2)「Coordinate」のRECTは、変更しないこと。現在使っているのは直交座標 (rectangular
coordinates)である。
(3)「Graph Order」を SIMULにすると、複数のグラフが同時に (simultaneously)描画され
る。SEQでは、定義した順番に (in sequence)描画される。
(4)「Grid」を ONにすると、画面全体に格子縞が現れ、OFFにすると消える。
(5)「Axes」の箇所を OFFにすると座標軸が消える。ONにすると座標軸が表示される。
(6)「Leading Cursor」を ONにすると、グラフ描画の際の先端に十字カーソルが現れる。
(7)「Label」を ONにすると、座標軸の名前の x, yが表示される。
7. その他
(1)黒い塗りつぶしは、関数を太線で描画し、その関数を少しずつずらしながら塗りつぶすこ
とになる。太線は、太くしたいグラフを黒く反転させてから、�� ��2nd�� ��F1 で「4:Thick」を
選択する。
(2)すべての関数を削除するには、�� ��F1 8 を押す。
(3)グラフを描画させる関数は、�� ��F4 でチェック印のつけられた関数である。関数が増えて
くると、個々の関数にチェックをつけたり取ったりするのは面倒である。すべての関数に
チェック印をつけたり、取ったりするには�� ��F5 を利用する。 �� ��F5 1ですべての関数のチェッ
クをはずし、�� ��F5 2 で、すべての関数にチェックが付けられる。
8. 参考例の関数
例示した図は、以下の関数で描画されている。個々の関数に、太線や斜線による塗りつぶし
などの指定を行い、左上の図のように表示されるようにせよ。
y1 = −√x+ 7.5 + 1.7
y2 = −1/7 · x+ .7 | x > −7.7
y3 = −x5
+ 1/5 · sin(3 · x) | x > −7.6
y4 =√22 − (x+ 4.8)2 − 4.8
y5 = (x + 4.9)2 − 3.5 | − 5.5 <
x and x < −4.4
y6 =√x+ 4.9− 3.3 | x < −3.5
数ナビTI-89の使い方 223
数ナビでグラフ・アートに挑戦 《 媒介変数版 》
1: 媒介変数
数ナビで媒介変数表示された関数のグラフを描画するには、次のようにする。
(1)関数モードを媒介変数に切り替える。�� ��MODE で「Graph」の箇所を「2. Parametric」に
すればよい。あとは、y = f(x)の時と同様である。ただし、変数は必ず tを使用すること。
(2)�� ��♦ �� ��F1 で関数定義、
�� ��♦ �� ��F3 でグラフ描画、 �� ��♦ �� ��F2 で範囲指定、 �� ��♦ �� ��F5 で座標を表形式で表示、�� ��♦ �� ��F4 で表の刻み幅の指定ができる。
(3)�� ��♦ �� ��F1 での関数定義では、x = (tの式), y = (tの式)と、tの式で定義する。
(4)�� ��♦ �� ��F2 での範囲は、次のように指定せよ。
tmin= 0, tmax= 2π, tstep= π/24, xmin= −3.2, xmax= 3.2, xscl= 1
ymin= −1.6, ymax= 1.6, yscl= 1
(5)グラフの描画状況を把握するため、�� ��♦ �� ��| で「Leading Cursor」の箇所を「ON」にせよ。
2: 媒介変数表示によるグラフ例
曲線 x = cos t, y = sin tを定義せよ。これは半径 1の円であり、tが増えるにつれ円上を左
回りに 1回転する。まず、このことを確認せよ。 確認した 分からなかった
次に、�� ��F4 で円を再描画させ x座標の変化だけに注意すると、x座標の変化はコサインと
同一であることを確認せよ。y座標の変化だけに注意すると、y座標の変化はサインの変化と
同一であることを確認せよ。 確認した 分からなかった
以上を確認後、点が次の動きをするように式を変更せよ。範囲は変更しないこと。
(1)点が円上を 2回転するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。
x = y =
(2)時計回りに円上を 1回転するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。
x = y =
(3)点が図 1のような直線上を (0, 0) → (1, 1) → (0, 0) → (−1,−1) → (0, 0) と変化するよう
にするには、x, yをどのように定めればよいか。
x = y =
(4)点が図 2のような放物線 y = 1− x2 上を (1, 0) → (0, 1) → (−1, 0) → (0, 1) → (1, 0) と
変化するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。
x = y =
(5) 点が図 3の縦のサインカーブ上を (0,−π) → (−1,−π/2) → (0, 0) → (1, π/2) → (0, π) と
変化するようにするには、x, yをどのように定めればよいか。
x = y =
(6)点が (1, 0)を出発して左周りに渦を 2回巻きながら(12, 0)に到達するようにするには、
x, yをどのように定めればよいか。
x = y =
図 1 図 2 図 3 図 4
(1) x = cos 2t, y = sin 2t, (2) x = cos(−t), y = sin(−t), (3) x = sin t, y = sin t, (4) x = cos t,
y = 1− cos2 t, (5) x = sin t, y = t, (6) x = ((1− t/4π)) ∗ cos 2t, y = ((1− t/4π) ∗ sin 2t
224 資料
3: 各種の関数定義
(1) y = f(x)のグラフを媒介変数のモードで描画するには、x = t, y = f(t)として定義すれ
ばよい。例えば、y = ex は、x = t, y = et とすればよい。
(2) y = f(x)の逆関数のグラフは、x, yを交換した x = f(y)であるので、x = f(t), y = tと
すればよい。例えば、y = sinxの逆関数は、x = sin(t), y = tとすればよい。
(3)極座標 r = f(θ)は媒介変数表示では x = r cos θ = f(θ) cos θ, y = r sin θ = f(θ) sin θで
あるので、変数を tに変えて x = f(t) cos t, y = f(t) sin tと定義すればよい。
例えば、極座標の r = sin 2θは、x = sin(2t) · cos(t), y = sin(2t) · sin(t)とすればよい。4: 範囲変更の仕方 最初に設定した 0 <= t <= 2π 以外の描画を行う場合は、下記を参考にしてくだ
さい。
(1)関数定義の箇所 (�� ��♦ �� ��F1 )で、�� ��| を利用して tの範囲を指定する。その場合は、x, yのいず
れかで範囲指定する。例えば、π/2 < t < πの範囲を描画させたいのであれば、x, yのいず
れかの式の後で「�� ��| π/2 < t and t < π」とする。andの前後には空白 (
�� ��alpha�� ��(−) )
が必要である。ただし、この方式だと、t < 0の箇所や t > 2πの箇所は表示されない。
(2)そこで、範囲を指定しないで、関数自体を変更することで対応する。
例えば、tの範囲を変えないで π/2 < t < πの部分だけを表示させるには、tが 0から 2π
まで変化するとき、x, yの t相当部分が π/2から πまで変化するように変更すればよい。
それは、tが 0のとき π/2で、tが 2πのとき πになればよいから、x, yの式の t相当部分
を t/4+π/2に変更すればよい。例えば、単位円 x = cos t, y = sin tの π/2 < t < πの部分
だけが表示されるようにするには、x = cos(t/4+ π/2), y = sin(t/4+ π/2)とすればよい。
(3)同様にすると、α < t < βの箇所が表示されるようにするには、tが 0のとき α、tが 2πの
とき β になるようにすればよいので、x, yの t相当箇所を β−α2π · t+ αに変更すればよい。
5: 縦線と横線
(1)横線を描くには、x = t, y = a とする。aの値は自分が描きたい場所の数値である。横線の
一部だけを描くには、�� ��| を利用して tの範囲を指定するか、あるいは前述の方式で xの箇
所の式を変更する。例えば、−1 < x < 2の範囲の横線であれば、tが 0のとき−1になり、
tが 2πのときに 2になればよいから、xの式の tの箇所を 32π · t− 1に変更すればよい。
(2)縦線を核には、x = a, y = tとする。aの値は自分が描きたい場所の数値である。縦線の
一部だけを描くには、�� ��| を利用して tの範囲を指定するか、あるいは前述の方式で y の
箇所の式を変更する。例えば、−1 < x < 1/2の範囲の横線であれば、tが 0のとき−1に
なり、tが 2πのときに 1/2になればよいから、yの式の tの箇所を 34π · t− 1に変更すれ
ばよい。
6: いろいろな関数
(1)微積分で現れる対数関数 y = log xは、底を e = 2.71828とする対数関数 (自然対数)であ
り、数ナビでは「LN」(�� ��2nd�� ��X )に割り振られている。「LOG」を利用すると 10を底と
する対数 (常用対数)なので気をつけること。底を 2とする対数は、底の変換公式を利用し
て自然対数か常用対数に直して考える。例えば、log2(x)は、log(x)/ log(2)か、ln(x)/ ln(2)
とする。
(2) xの絶対値 |x|は、「abs(x)」とする。abs は�� ��alpha を利用する。
(3)条件判断のコマンド「When」を利用すると、1つの関数の中で、いろいろな条件に応じ
て複数の式を切り替えることができる。When の書式は「When(条件, 真の場合の式, 偽
の場合の式)」である。例えば、0 < t < π では単位円の上半分 x = cos t, y = sin tであ
り、π < t < 2πでは放物線 x = cos t, y = 1− cos2 tの場合は、x = cos(t), y = when(t <
π, sin(t), 1− (cos(t))2)とする。when は入れ子にすることもできる。
7: その他
(1)�� ��F6 利用で様々な線種でグラフを描画できるが、「塗りつぶし」の機能は利用できない。
数ナビTI-89の使い方 225