ロック系スラップ・ベーシストなら ストラップの長さにも...

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ハーモニクス音が出てしまうので、指 1 本でミュートして はいけない。 複数の指を使って、確実に音を止めることが大切だ。指 の力を的確に抜こう。 ( 左 )高い位置で持つと、アップ & ダウン が演奏しやすい。( 右 )低い位置で持つと、 腕を大きく振れるためアタックのあるサウ ンドが生み出せる。 〜コラム 8 〜 空ピッキングにおける 左手 & 右手の使い方 このエクササイズで取り上げている空ピッキ ングは、ファンク系の16 ビート・フレーズでよく 使 用する。基 本的にはミュート音(ゴースト・ ノート 【 註 】)を鳴らすことになるので、実 際 に演奏する時には音の止め方に気をつけるこ とが大切だ。左手は、押弦を緩めながら、弦 に軽く触れておこう。指 1 本で音を止めようと すると、ミュート音ではなくハーモニクス音が 出てしまうことが多いので、複数の指を使うよ うに心掛けてみてほしい(写真①)。右手 は、空ピッキングだからといって力を抜いては いけない。逆にしっかり弾かないと、アタック 感が出ないので気をつけよう。空ピッキングを マスターして、グルーヴ感を高めるべし! 全体の流れを理解して グルーヴ感を生み出そう! ロック系スラップ・ベーシストなら ストラップの長さにもこだわれ! 16 ビート・フレーズでシェイク感やグルーヴ 感を出すために、ギターは空ピッキング、ドラ ムはゴースト・ノートを使うことがある。同じよ うにベースは、ミュート音やハンマリング &プ リングといったテクニックを使 って、うねりを 出すことが多いのだ。このメイン・フレーズは、 譜面の音符を目で追いながら演奏しているよ うでは、グルーヴ感が出ない。実音とミュート 音を正確に弾き分け、ハンマリングを使 ってレ ガート感を出し、さらに休符の長さを理解して おくことが大切だ(図1)。1 音 1 音を瞬間的に 処理( =弾く)するのではなく、フレーズ全体 をとおして弾く意識を持とう。フレーズの全体 像が見えない者には、決してグルーヴは操れ ないのだ! ベース界ではその昔から“ スラップができる 人=ベースがウマい人”という図式があった。 そのため、多くのベーシストが憧れるのだが、 立って演奏する時にはベースを持つ高さによっ てスタイルが変わる( 写真③)。ベースを高い 位置で持つと、アップ & ダウンがしやすく、ス タンダードなスラップが演奏しやすい。一方、 低い位置で構えると、アップ&ダウンがしづ らいが、腕を大きく振ることができるため、ア タック感のあるサウンドが出しやすい。どちら にもメリットとデメリットがあるので、各自で 自分のスタイルを探すことが大切だ。 【ゴースト・ノート】実際に演奏していないのに演奏しているように聴こえる音や、非常に小さな音量の音。音量は小さいが、グルーヴを生み出す大きなスパイスになるので、的確に鳴らせるようになりたい。

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Post on 27-Feb-2021

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Page 1: ロック系スラップ・ベーシストなら ストラップの長さにも ...ハーモニクス音が出てしまうので、指1本でミュートして はいけない。複数の指を使って、確実に音を止めることが大切だ。指

ハーモニクス音が出てしまうので、指1本でミュートしてはいけない。

複数の指を使って、確実に音を止めることが大切だ。指の力を的確に抜こう。

(左)高い位置で持つと、アップ&ダウンが演奏しやすい。(右)低い位置で持つと、腕を大きく振れるためアタックのあるサウンドが生み出せる。

〜コラム8〜

空ピッキングにおける左手&右手の使い方 このエクササイズで取り上げている空ピッキングは、ファンク系の16ビート・フレーズでよく使用する。基本的にはミュート音(ゴースト・ノート【註】)を鳴らすことになるので、実際に演奏する時には音の止め方に気をつけることが大切だ。左手は、押弦を緩めながら、弦に軽く触れておこう。指1本で音を止めようとすると、ミュート音ではなくハーモニクス音が出てしまうことが多いので、複数の指を使うように心掛けてみてほしい(写真①&②)。右手は、空ピッキングだからといって力を抜いてはいけない。逆にしっかり弾かないと、アタック感が出ないので気をつけよう。空ピッキングをマスターして、グルーヴ感を高めるべし!

全体の流れを理解してグルーヴ感を生み出そう!

ロック系スラップ・ベーシストならストラップの長さにもこだわれ!

 16ビート・フレーズでシェイク感やグルーヴ感を出すために、ギターは空ピッキング、ドラムはゴースト・ノートを使うことがある。同じようにベースは、ミュート音やハンマリング&プリングといったテクニックを使って、うねりを出すことが多いのだ。このメイン・フレーズは、譜面の音符を目で追いながら演奏しているようでは、グルーヴ感が出ない。実音とミュート音を正確に弾き分け、ハンマリングを使ってレガート感を出し、さらに休符の長さを理解しておくことが大切だ(図1)。1音1音を瞬間的に処理(=弾く)するのではなく、フレーズ全体をとおして弾く意識を持とう。フレーズの全体像が見えない者には、決してグルーヴは操れないのだ!

 ベース界ではその昔から“スラップができる人=ベースがウマい人”という図式があった。そのため、多くのベーシストが憧れるのだが、立って演奏する時にはベースを持つ高さによってスタイルが変わる(写真③)。ベースを高い位置で持つと、アップ&ダウンがしやすく、スタンダードなスラップが演奏しやすい。一方、低い位置で構えると、アップ&ダウンがしづらいが、腕を大きく振ることができるため、アタック感のあるサウンドが出しやすい。どちらにもメリットとデメリットがあるので、各自で自分のスタイルを探すことが大切だ。

【ゴースト・ノート】 実際に演奏していないのに演奏しているように聴こえる音や、非常に小さな音量の音。音量は小さいが、グルーヴを生み出す大きなスパイスになるので、的確に鳴らせるようになりたい。