パルシステム 2030ビジョン2030年にめざすもの 1 2 3 ゲノム編集食品にno!...

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SDGs パルシステム 2030ビジョ パルシステムは2030ビジョンでSDGs達成に貢献します

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Page 1: パルシステム 2030ビジョン2030年にめざすもの 1 2 3 ゲノム編集食品にNO! エシカル消費を広げる パルシステムは、食の安全や 環境への影響の懸念等から

SDGs

パルシステム2030ビジョン

パルシステムは2030ビジョンでSDGs達成に貢献します

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ともにくらし、ともにいきる

2

商品づくりや交流を通じ、つくり手と食べ手、地域と地域をつなぎ、

世界がさまざまな課題に向き合っているいま、SDGsの掲げる「誰ひとり取り残さない」

わたしたちの「いのちをつなぐ食」。「たべる」ことの大切さを伝えあい、安心で心豊かな食を地域に広げます。

おいしいとうれしい。安心ならもっとうれしい。

たべる

組合員、生産者、メーカーが手を取りあって、地域をともに「つくり」、持続可能な生産と消費を確立します。

つくる人が元気だと私たちも元気になる。

つくる

商品の背景を知り選択を呼びかける「『ほんもの実感!』くらしづくりアクション」。そのひとつは「『ほんもの』をつくる生産者・メーカーと会おう、話そう、

伝えよう!」です( 7ページ)。パルシステムは40年以上にわたって、人と人、地域と地域のつながりを大切にしてきました。2枚の写真は、新潟県の産直産

地「JAささかみ(旧笹岡農協)」での産地交流。80年代から現在に至るまで、脈々と交流を続けています。

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ともにくらし、ともにいきる

3

持続可能な社会づくりをめざしてきたパルシステム。

と同じ方向を見すえ、身近なくらしの視点から共生社会の実現をめざします。

身近な「ささえあい」を通して、誰ひとり取り残すことなく、くらしやすい地域社会を広げます。

困ったときは、手をつなごう。

ささえあう

一人ひとりのくらしを「きりかえる」こと。生活のなかの小さな積み重ねで、多様ないのちを育む環境を広げます。

環境にいいって気持ちいい。

きりかえる 多様性を認める「わかりあう」心を広めること。そこから、一人ひとりが大切にされる、共生と平和の社会をつくります。

わたしも、みんなも、主人公。

わかりあう

パルシステム2030ビジョン×SDGs

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パルシステムは、これからの10年で取り組むべき課題とめざす姿を

「パルシステム2030ビジョン」にまとめました。

ここに描いたのは、いのちの尊厳が守られ、誰もが自分らしくいきいきと

生きることができる社会づくりに向けた取り組み。

経済優先の競争社会は、あらゆる側面で限界を迎えています。

異なる価値観や多様性への不寛容さが生む差別や偏見、格差の拡大、

加速する地球温暖化や異常気象―これらはどこか遠い世界の話ではなく、

自分ごととして早急に解決に向けた行動にきりかえることが求められています。

振り返れば、1970年代に誕生して以来パルシステムは、

商品を取り巻く物語や課題を組合員と共有することに努め、

与えられたものを一方的に受け取るのではない

“主体的な消費”を呼びかけ続けてきました。

その取り組みの一環、「選ぶで変わる」をキャッチフレーズとする

「『ほんもの実感!』くらしづくりアクション」は、

2017年、第1回「ジャパンSDGsアワード」でSDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を受賞。

これは、組合員一人ひとりの日々のくらしそのものが、SDGsの掲げる

「持続可能な社会づくり」において大きな推進力となることが評価されたものです。

すべての人が立場を超えて互いを理解し合い、ささえあえる社会をめざして―

パルシステムはこれからも、「たべる」「つくる」「ささえあう」を軸に据え、

それぞれの地域に根をおろし、心豊かなくらしと共生の社会をめざしていきます。

いままでも、これからも“心豊かなくらし”と“共生の社会”をめざして

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パルシステムグループ全体で、組合員をはじめとするあらゆる立場の人たちと手を取り合い、パルシステム2030ビジョンの実現に向かって取り組んでいきます。

つくる農・産直

たべる食

きりかえる環境

わかりあう平和

ささえあう福祉・たすけあい

「たべる」「つくる」「ささえあう」ともにいきる地域づくりパルシステム2030ビジョン

たべる「たべる」ことの大切さを伝えあい、安心で心豊かな食を地域に広げます。

P6-7

ささえあう身近な「ささえあい」を通して、誰もがくらしやすい地域社会を広げます。

P10-11

きりかえる一人ひとりのくらしを「きりかえ」、多様な命を育む環境を広げます。

P12-13

つくる地域をともに「つくり」、持続可能な生産と消費を確立します。

P8-9

わかりあう「わかりあう」心を広めて、一人ひとりが大切にされる共生と平和の社会をつくります。

P14-15

国際連合は2015年に持続可能な開発目標(SDGs :Sustainable Development Goals)を採択しました。 2030年までに「誰ひとり取り残さず、 すべての人にとって尊厳ある生活を現実のものとするため」の国際社会共通の目標です。

Sustainable Development GoalsSDGs (エスディジーズ)

※ジャパンSDGsアワード2015年に国連で採択されたSDGsの達成に向けて、すぐれた取り組みを行う企業・団体等を表彰する制度。2017年に開催された第1回では、応募総数が280を超えるなか、パルシステムは「顕著な功績が認められる団体」として、SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞を受賞しました。

心豊かなくらしと共生の社会を創りますパルシステムの理念

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パルシステムのオリジナル(PB)商品は、「食」と「農」

をつなぎ、いのちの力があふれる社会を次の世代にき

ちんと手渡したい、との思いから商品づくりを進めて

います。「国産・産直原料を積極的に使用する」「遺伝

子組換えにNO!」「組合員の参加を重視する」といった

“商品づくり7つの約束”に則って開発されており、2019

年時点のPB商品の数は811品にのぼります(2019年度

のPB商品供給比率46.5%)。今後も組合員の声を大切

に、PB商品の開発を積極的に行っていきます。

オリジナル商品の開発いのちや環 境に配 慮した

産 地 、行 政 、組 合員とともに

ニホンウナギは近年漁獲量が減少し、2013年に絶滅

危惧種に指定されました。パルシステムは同年、産直

産地の「大隅地区養まん漁業協同組合」(鹿児島県)と

ともに、「大隅うなぎ資源回復協議会」を設立。全国

に先駆け、うなぎの資源回復をめざして調査研究や情

報発信、カンパによる支援などの取り組みを続けてき

ました。これらが評価され、2014年の水産白書で「う

なぎを食べながら守る」取り組みが紹介され、2019年

には東アジア鰻学会の公開シンポジウムで唯一の消費

者団体・小売流通業として報告しました。

※ポイントカンパ1,874万7,388円、賦課金2,848万3,085円。放流モニタリング調査や学習会の開催に使用。

環 境 平 和農・産 直食 福 祉・たすけあい

食を通して、いのちの力があふれる社会を次の世代に手渡したい。「たべる」ことの大切さを伝えあい、安心で心豊かな食を地域に広げます。

資源回復をめざして

オリジナル商品 811点

4,723万473円2013~2019年合計で

私たちの たべる

効果的な放流方法を検証するため放流モニタリング調査を行っています

パルシステム2030ビジョン×SDGs

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安 全 性や生 態 系 影 響の検 証を求め 食を取りまく課 題を学び

組合員や職員が「商品」の向こ

うにある産地や地域、環境に

ついて理解を深める学習会を

開催しています。2014年度か

らのつくり手を講師とした「ほ

んもの実感!」商品学習会には、

毎年1万人以上が参加。一人

ひとりがくらしと社会のつなが

りを理解して商品を選ぶことで

社会を変える、エシカル消費の

輪を広げています。

「ほんもの実感!」連続講座も開催(2018年度)

2 0 3 0 年にめざすもの

123

ゲノム編集食品にNO! エシカル消費を広げるパルシステムは、食の安全や

環境への影響の懸念等から

遺伝子組換え作物やそれを

主原料とした食品は原則取

り扱わないことを方針化して

います。同様に、生物の遺

伝情報を改変するゲノム編集

技術によってつくられる作物

や食品についても規制と表

示を求めており、他団体と連

携して署名活動を行いました。

パルシステムグループを代表して署名を提出

一人ひとりの生涯を通じた食と健康なくらしによりそえる、安全で安心な商品を開発し、その情報を適切に伝えることで、くらしが求める多様なニーズに応えます。

おいしさを味わうことや食文化の継承、食育を大切にしながら、生産や物流の課題を知って商品を選ぶエシカル消費の考え方を地域社会に広げます。

行政や諸団体との連携により、食の安全や食料自給率などの食をとりまく社会的課題に取り組みます。

私たちの「 選ぶ 」で、未 来は変わる。

集まった署名

44万7,725筆(うちパルシステム90,475筆)

「ほんもの実感!」商品学習会参加者

延べ 92,661人(2014~2019年度)

組合員が選びやすいよう「ほんもの実感!」対象商品をマークで表示

主原料で、かつ当該 商 品を製 造するうえで不可欠な原料に産直提携の水 産 品を使用した商品

原 料 のすべてにおいて遺 伝 子 組換え原料を使用していないaaパルシステムが独

自開発したオリジナル商品

主原料で、かつ当該商品を製造するうえで不可欠な原料に産 直 品を使用しており、かつその原料が100%産直品の加工品

組 合 員による商品 開 発 チームなどが商 品 開 発に協力した商品

2014年にスタートした「『ほん

もの実 感!』くらしづくりアク

ション」。「選ぶで変わる」を

キャッチフレーズに、商品の社

会的・環境的な価値を伝えて主

体的な商品選択を呼びかける

取り組みです。 「ほんもの」をおいしくムダなく使いこなそう!食材を有効に利用した商品づくりや、上手に使い切るくらし提案を行っています。

アクション 3

「ほんもの」をつくる生産者・メーカーと会おう、話そう、伝えよう!産地と直接つながり、食べ手とつくり手がともに理解し合う関係性を大切にしています。

アクション 2

「ほんもの」の価値を知り、一人ひとりが選択しよう!思いを込めた商品づくりは、消費する私たちの共感や理解が支えとなっています。

アクション 1

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パルシステムは2009年に、産直産地の恩納村(おんなそん)

漁業協同組合(沖縄県)などと「恩納村美(ちゅ)ら海産直協

議会」を設立。もずく商品の売り上げの一部をサンゴの植え

付けや学習会、交流などに充てる仕組みをつくりました。この

活動は「恩納村コープサンゴの森連絡会」へと発展し、全国

の生協、漁協、メーカー、行政が連携して「里海」の環境保

全に取り組んでいます。2019年12月には恩納村で「里海カン

ファレンス(交流大会)」が開催されました。

商品利用が

サンゴを育む

8

私たちの つくる

環境 平和農・産 直食 福祉・たすけあい

「つくる人」と「食べる人」がともに支えあい築いてきたパルシステムの「産直」。地域をともに「つくり」、持続可能な生産と消費を確立します。

産直産地を訪れることで、組合員は生産現場を自分

の目で確かめ、産地ならではの体験をすることができ

ます。生産者にとっては、組合員の生の声を聞くこと

ができ、そのことが大きな励みになっています。2019

年度は16,518人もの組合員や職員が産地交流に参加

しました。パルシステムの産直は40年前から続く組合

員と生産者の交流が土台となっています。

年 間 1.6万 人が参 加パルシステムの産 地 交 流

恩納村の「里海」づくり

サンゴの植え付け31,972本

サンゴ礁の広がる恩納村の海。植え付けたサンゴは3〜4年で産卵するようになります

2019年12月までの合計

(恩納村コープサンゴの森連絡会全体で)

パルシステム2030ビジョン×SDGs

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2030年にめざすもの

123

組合員と「つくり手」の交流を促進し、お互いの理解を深めることで絆をさらに確かなものにするために、「つくり手」を多様な形で応援できる新たな仕組みや機会をつくりだします。

魅力ある農林水産業と製造業の構築を組合員の声を生かした商品づくりで促進します。「つくり手」が誇りを持ち、生産や製造の担い手が増えて地域経済や社会が元気になる仕組みづくりに取り組みます。

国内外で先進的な生産や製造の取り組みを展開する組織や団体との連携を広げ、持続可能な生産と加工、流通の確立を通じて、日本の農林水産業や製造業、国際産直産地の発展をささえます。

9

地域に活力を生む 持続可能な生産方式

食料や化粧品など幅広い用

途で使われているパーム油。

その原料となるアブラヤシの

農園開発による生態系の破

壊や労働環境が問題になっ

ています。パルシステムが産

直提携したコロンビアの「テ

ケンダマ社」は、森林を切り崩さず自社農園でアブラヤシ

を栽培。自前のパーム油からトランス脂肪酸の含有を1%

未満に抑えたショートニングを製造しています。パルシス

テムは同社製のショートニングへの切り替えを進め、持続

可能な生産を応援しています。

「テケンダマ社」のアブラヤシ収穫風景

有機栽培の広がり 国際産直のパーム油

産直原料で商品開発

食料自給率向上へつなげる

産地モデルをつくるため、北

海道十勝地方にあるじゃが

いも、牛乳、小麦粉などの

産直産地やメーカーとともに

「北海道十勝食料自給推進

協議会」を設立しました。産

直小麦を使ったパンなど十勝産の農産物を使った商品開

発は100品以上となり、地域の活性化に大きく貢献。青

果として規格外になったものを無駄にせず使うなど、資

源の有効利用にもつながっています。

『産直じゃがいものハッシュドポテト』のじゃがいもを生産する大牧農場

食料自給率の向上へ

鹿児島県知覧町では、茶業

界で長く定説だった“茶の有

機栽培はむずかしい”という難

題に立ち向かい、20年以上

前から有機の茶葉生産が始

まっていました。パルシステム

は、そうした生産者が立ち上

げた「うまか有機銘茶会」と

2018年に産直提携。親世代

の意志を継いだ若い後継者と

ともに、地域に活力を生む産

直関係をめざしています。安全でおいしいお茶づくりに取り組んでいます

『バランゴンバナナ』が初めて日本に届けられたのが1989

年。当時、ネグロス島では砂糖きびプランテーションに依

存した農業と経済が原因で、飢餓に陥っていました。安心

して食べられるバナナが欲しい日本の消費者と、持続可能

なくらしをめざす島民が結びつき、自立に向けた取り組みを

応援するために始まった民衆

交易(フェアトレード)。農園労

働者が生産者として経済的に

自立する後押しをしてきた取

り組みは、国際産直へと発展

し、さまざまな国や地域へと

広がっています。昔ながらのかごを使って運ばれるバランゴンバナナ

国際産直で、 現地の経済的自立を後押し

十勝の産直原料を使った商品開発100品以上

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【 人的支援も。台風被害支援 】2019年に国内各所へ深刻な被害を及ぼした台風15

号、19号では、組合員へ募金を呼びかけ、合計1億

9,815万834円が寄せられました。被災した産直産地や

取引先、支援団体などへ贈呈したほか、自治体を通じ

義援金としても活用されました。また災害直後から地

域と連携した炊き出しや物資支援、産直産地での復旧

作業を行い、とくに大きな被害を受けたりんご産地サン

ファーム(長野県)には、のべ400人以上の職員を派遣

し、生産再開に向けた準備に協力しました。

被災産地への支援つながりで助けあう

【 カンガルー島火災支援 】オーストラリアでは、大規模な森林火災が全土で発

生。パルシステムのオリジナル商品『圧搾一番しぼり

菜種油』の原料である非遺伝子組換え菜種

の産直産地であるカンガルー島も甚大な被害

を受けました。パルシステムグループでは支

援金として160万円を島の復興基金へ贈呈。

カタログで支援を呼びかけ、期間限定で商

品1点につき10円を送金する企画では、初回

の3月3回に通常週の約13倍である7万点以上

の利用があり、計約111万円を贈呈しました。

環境 平和農・産直食 福 祉・たすけあい

地域の課題に対し、産地、行政、市民団体と連携した活動を行っています。身近な「ささえあい」を通して、誰もがくらしやすい地域社会を広げます。

台風15号被害緊急支援募金

9,535万187円

台風19号被害緊急支援募金

1億280万647円

3月3回菜種油利用(通常週の約13倍)

71,887点

私たちのささえあう

毎年組合員が現地を訪れ、生産者と信頼関係を深めてきました

パルシステムグループ職員のほか、新潟県のJAささかみなど各地の生産者らも支援に駆け付けました

パルシステム2030ビジョン×SDGs

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パルシステムグループの助成金制度で

2030年にめざすもの

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地域の草の根活動を応援持続可能な地域社会や環境づくりに取り組む団体

を支援する助成金制度を設けています。この制度は

組合員が商品やサービス、共済などの事業を利用す

ることで生まれた剰余金(利益)をもとに運用されて

おり、2019年度はグループ全体で203団体に助成

を行いました。助成団体を通じて地域との連携も生

まれ、資金面だけではない「つながり」へと発展して

います。

生涯にわたるくらしに対応する商品やサービス、共済と福祉の事業活動を充実させることで、一人ひとりが自分らしく生きられる毎日をささえます。

地域のあらゆる立場の人たちが「自分ができること」で、ささえあってくらしていける仕組みや拠点づくりを進めることで、地域福祉の取り組みに積極的に関わります。

行政や多様な活動団体と連携し、人材ネットワークを構築することで、貧困・格差問題などの課題解決や災害時の緊急支援に活用できるささえあいの事業・活動モデルをつくります。

助成した団体(2019年度)

203団体 5,461万9,255円助成団体のひとつNPO法人ザ・ピープル(福島県)はパルシステム福島と連携し、台風19号による被災者支援も行いました

※CO・OP共済《たすけあい》新規加入者数×50円

安心してくらせる社会のために

地域の見守り活動定期的に商品を配達する特

性を生かして、離れてくらす

親族へ配達の情報を届ける

ほか、緊急時や異変を察知

した際には通報の代行なども

行う「見守り安心サービス」

を無料で行っています。各自

治体と「見守り協定」「災害

協定」「子ども110番」などを

締結し、エリア内で配達する

2,500の配達担当が地域の安

心を支えています。

安全にくらせる日まで

原発事故被災者を応援原発事故から9年が過ぎても、

放射能の影響で帰還できな

かったり、不安のなかで生活

を送っている人がいます。公

的支援が弱まるなか、パルシ

ステムでは「東京電力福島第

一原子力発電所事故被災者

応援金」を募っています。募金は、支援を実践する22団体

の23企画を通じ、保養や避難者の支援に活用されます。

福島の子どもたちの保養(2019年度)

各会員生協は自治体と「見守り協定」「災害協定」などを締結しています

2019年度原発事故被災者応援カンパ

2,042万4,129円(パルシステム共済連寄付金※130万5,750円を含む)

自治体との協定

10都県297件

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資源循環型社会の構築をめざし、「配送と回収」

という生協の仕組みを生かしてプラスチック排出

量の削減を進めています。プラスチックの過剰な

使用を抑制するために、まず必要なのがリデュース

(発生抑制)。パルシステムでは容器包装を簡素

化するなど「軽量化」を実施し、排出量を削減して

います。続いて「再生プラスチックなど環境負荷の

低い材質への切替え」も進めています。2017~19

年の3年間で、パルシステムオリジナル商品を中心

に120商品と2商品群で包材の改良を実現しまし

た。加えて組合員に届けたプラスチック資源の回

収強化に、組合員とメーカー、パルシステムが協

力して取り組んでいます。

環境 平 和農・産 直食 福 祉・たすけあい

余分なごみを出さない商品づくりや、再生可能エネルギーの推進などで、一人ひとりのくらしを「きりかえ」、多様な命を育む環境を広げます。

私たちのきりかえる

プラスチック回収対象4品目(カタログ・商品のまとめ袋、「お料理セット」トレー、米袋、「富士の天然水」ボトル)

回収強化で、リサイクル推進

2019年度の回収量

年間577トン

2017~19年の3年間で

120商品以上の包材を改良!

2016年より100%再生原料を使用したペットボトルを採用

(※1)「環境負荷の低い材質」とは、再生PET、再生PET以外の再生原料、その他の既存プラスチック製品より環境負荷が小さいと判断された材質。

パルシステム2030ビジョン×SDGs

プラスチック排出量を削減“商品包材の改良”や“リサイクル推進”で

軽量化

トレーや留め具の不使用や容器サイズを小さく、薄くするなど

材質の変更

環境負荷の低い 材 質(※1)への切りかえ

ラベルフィルムをシールに変更して

年間7.5トン再生プラスチックへ切り替え

年間3.1トン

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13

生きものと共生できる 「もったいない」の心で

2030年にめざすもの

123

環境保全型農業 3R活動環 境 保 全 型 農 業は大 切な

テーマ。産直産地のひとつ

JAたじま(兵庫県)では、コウ

ノトリのエサとなる田んぼの

生きものが増えるよう栽培方

法を見直し、一度は姿を消し

たコウノトリの復活を果たし

ました。各産直産地は有機

質肥料を使うなど、農薬や

化学肥料に頼らずに米を栽

培。その量年間14,475トンに

及び、各地で多様な生きも

のを育んでいます。

ごみを少なくする「リデュー

ス(発生抑制)」、「リユー

ス(再使用)」、「リサイク

ル(再生利用)」の取り組

みは3R活 動と呼 ば れて

い ます。 パ ルシステム

は容器包装の簡素化で

リデュースを進め、「R」

マークの付いた調味料やジャムなどのびんを組合員から

回収し、繰り返し使うことでリユースを進めています。組

合員から戻ってきた商品カタログや牛乳パックはトイレッ

トペーパーなどにリサイクルしています。

商品の開発・改善により、プラスチックをはじめとする廃棄物や温室効果ガス、食品ロスの削減を実現させ、環境に配慮した消費へのきりかえを加速させます。

産地や取引先との協同により、環境保全型の農林水産業の取り組みを広げ、環境配慮型の製造・物流設備へのきりかえを進めることで地域の環境改善につなげます。

地球温暖化対策は最重要課題とし、価値観のきりかえが急務であることを社会に向けて発信します。同時に、再生可能エネルギーを推進する諸団体と連携して、原子力発電に依存しない社会の実現に向けて取り組みます。

2030年に向けて 「パルシステムでんき」で広げる

温室効果ガスを削減 再生可能エネルギー温暖化対策の「パリ協定」を

踏まえて、2019年に「温室効

果ガス削減計画」を策定しま

した。パルシステムグループ

のCO2排 出 総 量を、2030年

までに、2013 年度比で26%

以上削減することをめざして

います。産直産地、取引先、組合員といった生協ならでは

の協同の関係を生かして、社会全体での温室効果ガス削

減も追求していきます。パルシステム神奈川ゆめコープは

2019年7月から、電気で走るEVトラックによる配達の実証

実験を始めています。

「パルシステムでんき」を立ち

上げ、業界トップクラスの割

合でFIT電気(再生可能エネ

ルギー)を供給しています。

FIT電気以外の再生可能エネ

ルギーと合わせた電源構成比

率は72%。職員、組合員が

参加する学習会や「発電産地

ツアー」も開催しています。

パルシステム神奈川ゆめコープが実証実験を始めているEVトラック

発電産地・森のソーラー「つくば発電所」で開催された「発電産地ツアー」

JAたじまの田んぼでエサをさがすコウノトリ 回収して再使用しているさまざまな

リユースびん商品

「FIT電気(再生可能エネルギー)+再生可能エネルギー」比率 72.3%

環境に配慮して育てた米

(精米換算/2019年)

年間14,475トン

2019年度の回収量

年間577トン

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戦後生まれが人口の8割を超え、戦争の風化が年々

進むなか、パルシステムは争いのない世界を次世代

に手渡すために、平和や憲法を考えるさまざまな取

り組みを行っています。専門家を招いて学習会を定

期的に開催しているほか、カタログでは毎夏、著名

人によるメッセージを紹介。組合員が平和について考

える機会を提供しています。また、核兵器廃絶に向

けた取り組みとして、「ピースアクションinヒロシマ」

への参加や、広島・長崎の被ばく者が始めた「ヒバク

シャ国際署名」には2017年度から継続して署名活動

に取り組んでいます。

平和をつなぐ活動争いのない世 界を次 世 代に

パルシステム2030ビジョン×SDGs

環境 平 和農・産直食 福祉・たすけあい

誰もが暮らしやすい社会を実現するために、一人ひとりが考えるきっかけを提案します。「わかりあう」心を広めて、一人ひとりが大切にされる共生と平和の社会をつくります。

「ヒバクシャ国際署名」集まった署名

28万2,660筆(2017年度~2019年度累計)

私たちの わかりあう

誰もがいきいきと生きるために 産直産地で「農福連携」農業と福祉が連携し、障がい者の働く場をつくる「農福

連携」が全国的に広がるなか、パルシステムの産直産地

でもその取り組みが行われています。2019年に開催した

学習会では3産地からの実践報告があり、農福連携が

地域の活性化やパルシステムの理念でもある「共生の社

会」へつながっていることを確認しました。また、同様の

取り組みを行う産直産地、紀ノ川農協(和歌山県)と大

紀コープファーム(奈良県)の視察も行いました。

カタログでは毎夏、著名人による平和メッセージを紹介。また、平和や憲法を考える学習会の開催や、広島でのピースアクションに参加しています

学習会で実践報告した、農事組合法人村悟空(千葉県)の取り組みのようす

紀ノ川農協(和歌山県)視察のようす

各国政府と協力して核兵器を国際法で禁止することを訴えて

きた「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」。パルシステム

もその活動に賛同し、 2018年4月にICANに加盟。 核兵器

に脅かされることがない世界をめざします。

ノーベル平和賞受賞のICANに加盟

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【 居住支援の全国組織設立を支援 】「一般社団法人全国居住支

援法人協議会(全居協)」が

2019年6月、設立されました。

低所得者や高齢者、子育て世

帯といった人々へ住まいの確

保を支援するため、住宅情報

の提供や相談・見守り、家賃

債務保証などを行う「居住支援法人」の育成と事業モデ

ルの構築をめざします。パルシステムグループは、関係

省庁と連携しながら設立準備や運営などを支援していま

す。研修会の開催や会員へ向けた情報提供などの事務

局機能は、パルシステムの協力団体一般社団法人くらし

サポート・ウィズが担っています。

【 悩みや困りごとによりそう電話相談 】パルシステムでは、一般社団法人

くらしサポート・ウィズに委託し、

電話やSNSでくらしに関わる相談

を受けています。内容は、離婚や

相続、住まい、人間関係などさま

ざまです。2019年度は1,678件の

相談がありました。

【 給付型奨学金制度を創設 】2020年1月に「パルシステム給付型奨学金」を創設し、

学びの意欲を持ちながらも経済的に困窮する若者へ伴走

型支援を行っています。奨学金給付とともに生活面の相

談や社会体験などを通じ、自立を応援しています。

くらしのセーフティネットづくり

生活困窮者への支援【 青果やパンなどの食品を提供 】経済格差の拡大で、その日の食さえ確保できない人々が

増えるなか、パルシステムグループでは、2008年の「年

越し派遣村」を契機に、生活困窮者への支援活動を展開

しています。子ども食堂やフードバンク、ホームレス支援

などの活動団体と連携し、食品提供を通じてひとり親世

帯や仕事を失った人たちの自立支援につなげています。

食品は、青果専門子会社の株式会社ジーピーエスやパン

製造子会社の株式会社パルブレッドで、商品を製造もし

くは仕分けする際に発生する予備分を活用しています。

子ども食堂(写真左『のんびる』2019年10月号より)や路上での食料提供に協力しています

全居協の会長には村木厚子さん(元厚生労働事務次官)が選出されました

15

2 0 3 0 年にめざすもの

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あらゆる立場の人たちの課題に関心を持ち、伝え合っていくことで、お互いの多様性を尊重し、一人ひとりが大切にされる共生の社会を実現します。

平和や憲法の意味を学び、被ばくや戦争の体験を伝えることで、平和の大切さを次世代に継承していく機会を増やします。

平和を脅かす戦争や核兵器、貧困のない社会づくりをめざし、国内外の協同組合や諸団体と連携して飢餓や収奪、差別や暴力を解消するための取り組みや政策提言活動を進めます。

146団体へ寄贈した青果

約16.8トン (2019年度)

無料の電話相談「くらしの相談ダイヤル」を設けています

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「パルシステムでんき」では、全国の「発電産地」と協力し、再生可能エネルギーの普及を進めています。

商品の生産・製造地域の経済の活性化や雇用創出を応援しています。

他生協と青果の共同物流体制を構築・運用するなど、インフラを補う協働の仕組みをつくっています。

フェアトレード商品を取り扱うほか、生活困窮者への食料提供など反貧困活動への支援や連帯を深めています。

「見守り安心サービス」による地域生活サポートをはじめ、自治体と見守りや災害協定の締結を進めています。

パルシステムオリジナル商品など、人や環境に配慮した商品づくりを行っています。

3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進によって、商品包材の削減や、トレー不使用などに挑戦しています。

産直産地とともに、「里海づくり」や「植樹活動」など、海の環境を守る取り組みを進めています。

「コア・フード」「エコ・チャレンジ」「予約登録米」の取り組みなど、産地とともに環境保全型農業を推進しています。

組合員の参画による民主的な組織運営に努めるほか、「ICAN」への加盟など、争いのない社会づくりを進めています。

「心豊かなくらしと共生の社会づくり」実現のため、助成金制度の運用や、被災者への応援を行っています。

フードバンクや「子ども食堂」への支援活動、また食糧問題や食料自給率向上にも取り組んでいます。

たすけあい活動や地域市民団体の草の根活動の支援など、総合福祉政策に取り組んでいます。

組合員による食育活動や、商品学習会の開催など、学び、教えあいに取り組んでいます。

女性目線の事業と活動を行うため、女性生産者の交流活動ほか、女性支援、活躍推進に取り組んでいます。

「石けん生活普及活動」により、身近な環境から水循環や生態系を守る取り組みを推進しています。

「国際産直」による地域産業支援のほか、国内の食糧提供や、貧困問題に取り組む団体への支援を行っています。

パルシステム2030ビジョン×SDGs「商品供給」「共済・保険」「電力」「地域福祉」の事業を通じて

パルシステム2030ビジョンの実現に向けた取り組みをすすめ、SDGsにも貢献します。

パルシステム生活協同組合連合会 広報・商品活動課

〒169-8527 東京都新宿区大久保2-2-6

http://www/pal.or.jp/  2020年7月発行