テクノロジーで社会を変える~ internet of...
TRANSCRIPT
川島 宏一 （株）公共イノベーション代表取締役、佐賀県特別顧問
（社）オープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパン共同創設者
テクノロジーで社会を変える ~ Internet of Societies ~
IPAグローバルシンポジウム2014 @六本木ミッドタウンホールA
経済産業省 （独）国際協力機構 （独）情報通信研究機構 （株）三菱総研
（社）オープンナレッジファウンデーション・ ジャパン共同創設者
Code for Japanアドバイザー （社）日本ビジネスプロセス・マネジメント協会理事 （社）オープンコーポレーツジャパンアドバイザー 横浜オープンデータソリューション発展委員会理事 東日本復興支援コンソーシアム顧問
内閣官房、総務省、（独）情報処理推進機構等の有識者会議構成員 横浜市、倉敷市、静岡市、長岡市、多久市ほか自治体の地域情報化アドバイザー等 （株）イノベーション推進センター顧問 （株）パスコ顧問、（株）ESRIジャパン顧問 （株）アスコエパートナーズ顧問
（株）公共イノベーション代表取締役
地域の社会課題は 地域が解決できる社会へ
【法人】 【市民】
【個人】 佐賀県特別顧問
〜 市民 × データ × IT で 社会課題を解決する 〜
出典：IMD
IMD国際競争力ランキング (推移)
2014年ランキング
21 日本
• 経済状況（25） • 政府効率性（42） • ビジネス効率性（19） • インフラ（7）
ニーズに応じたサービス提供に対する行政への評価
ニーズに応じたサービス提供に
注力すべきと考える市民の割合
（１．全く提供されていない ⇔ ５．常に提供されている） 出典：アクセンチュア.2009
2.5 3 3.5 20%
50%
80%
Japan
Italy
Portugal
UK
Norway Brazil
Finland Singapore
Malaysia Canada
Belgium Ireland Germany
Spain
Denmark
USA
Sweden
各国政府の顧客サービス成熟度調査2008
「テクノロジーで社会を変える」とは？
社会制度
マネジメント
プロセス
データ
テクノロジー
社会制度などが テクノロジー・データの進歩を 小気味よく反映できていない
災害・事故等に 後追い的に 対応する社会
社会ビジョン
社会制度 A
社会制度 B
社会制度 C
マネジメントx マネジメント y
マネジメント z
プロセス １
プロセス ２
プロセス ３
データ
テクノロジー
価値を創出し、 問題の顕在化を 未然に防ぐを社会
データ・テクノロジー の進歩に応じて社会制度が
変わっていく社会
テクノロジーが 社会を変えている
例
マイナンバー制度 政府CIO制度
インターネット の発展
ビッグ/オープンデータ
クラウド技術
テクノロジーが 社会を変えていない
例
５年毎の 都市計画基礎調査
GIS 人口
交通量固定資産 データ
GPS・ スマートフォン
佐賀県 診療録地域連携システム
大きな病院で詳しく検査してもらいましょ
うか
診療所・クリニック（かかりつけ医）
佐賀大学病院 県立病院 A病院
大学病院や県立病院で手術 地域中核病院で検査
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導入前 導入後
医療費の削減
二重検査・投薬
無駄な検査・投薬の排除
医療の質の向上
飲み合わせの悪い医薬品の投与
飲み合わせの悪さの排除
生活の質の改善
大病院 への
通院負担
地元医院・クリニックへ通院 大学病院など
での手術、検査，投薬等）のデータを見ながら説明
総務・厚労省が横展開
必要だった能力は何か？
① 俯瞰する力
② ルールを突破する力
③ 共感を呼ぶコミュニケーション力
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システム思考（End-to-Endで対象を俯瞰）
Inputs Outputs /Outcomes
System Environment
Environment
Transformation Process
モノづくり モノ･コトづくり
モノ・コト一体化
企業
市民
新しい 公共空間
行政 公共
NPO
PTA
ボランティア
社会貢献 活動
マンション 管理組合
ボーイ・ガール スカウト
公営企業 第3セクター
公益企業
CSR フィランソロピー
公共交通
地域課題解決の鍵：自前から協働へ
Private Businesses
CSOs
Public Administration
協働化テスト 予算情報の原則公開、民間提案についての柔軟な対面協議及び行政側による説明責任を制度的に実現し、 公民の協働の範囲と程度を抜本変革。
導入前 導入後
情報 公開度 部分的
公開 (Open by Default)
情報 交流度
文書による一方向
対面による柔軟な協議
意思決定ルール
民間が 説明責任
行政が 説明責任
工程①：職員による業務内容の自己点検
工程② 全業務内容の公表
工程③：県民へ の説明会
県の全業務を 対象として
工程④：提案書の受付
協働化テストの工程
工程⑤：提案者と業務内容について協議
工程⑦： 契約・品質管理
工程⑧： 評価（事業実施後）
工程⑥：提案書へ の回答
16
17
2006.10.29 読売新聞
2006.10.25 日本経済新聞
５
訪問者 up 43%
県民総合相談・情報提供窓口（元気ひろば）運営を NPOへ委託
提案内容： • 高機能広汎性発達障害等の子ども達への教育的支援を目的に専門NPOが「フリースクール」を開設
• 県の空き施設有効活用及び事業の協働
発達障害者地域支援拠点整備事業を 発達障害児支援ノウハウを持つ専門NPOへ委託
これまで、発達障害者に対して、特別なケアが何も提供されていなかった。
提案内容： 小型船舶で漂着ゴミのみならず、海上浮遊ごみの除去、撤去活動の支援。
伊万里湾清掃業務を小型船舶協会へ委託
これまでは・・・
岸壁漂着ゴミのみを処理（伊万里湾の浮遊ごみの撤去等に未実施）
市民参加行事として定例化
2. イノベーション”さが“プロジェクトの制度設計ポイント 行政が、公共分野未導入の民間サービスであって行政課題への適用可能性の
高いサービスについてテーマ設定し、研究パートナーを公募、契約に基づく共同研究を実施。行政機関が有する現場課題に関する「知識・経験」と民間等の「創意・工夫」とを結合させることで“新しいサービス”を創造するプロジェクト。
導入前 導入後
共同研究への民間参加機会 裁量的・限定的 参加機会の公
開
役割分担の 明確度
必ずしも明確な文書によらない 契約文書で明記
成果共有 ルール 知財処理曖昧 知財の尊重
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＜工程1＞ 共同研究課題の庁内募集
＜工程2＞ 共同研究課題の選定
＜工程3＞ 研究パートナーの公募
＜工程５＞ 共同研究契約の締結
＜工程８＞ 研究成果の活用
公共サービスの品質向上・コスト削減
＜工程4＞ 審査委員会によるパートナー審査
＜工程６＞ 共同研究の実施
＜工程７＞ • 実績報告 • 知的財産取扱の協議
社会課題の解決
イノベーション“さが”プロジェクトの工程
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2007.10.19 佐賀新聞
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小学校区毎の感染症患者の欠席者数の可視化
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国連公共サービス賞を日本初受賞（2010年）
協働化テスト：政策策定過程への参加を促す革新的メカニズム部門第１位イノベーション“さが”プロジェクト：政府内の知識管理促進部門第２位
出典： http://www.pref.saga.lg.jp/web/kensei/_1363/jyusyou.html
公共部門のイノベーションに対する世界で最も権威のある賞。 国連総会決議に基づいて国連経済社会理事会（ECOSOC）が2003年創設。四部門あり、各四段階の審査。 2010年度は各国から選りすぐられた全207件の候補から22件受賞し、うち2件が佐賀県。
iPhoneの場合
• $500 • Apple:$321 • Cost:$179 • 日本：$61 • ドイツ：$30 • 韓国：$23 • 米国：$11 • 中国：$7
優れた要素技術は持っている日本
川上と川下を重視する必要性
デザイン ・設計
素材・ 要素技術
製造機械 組立 部品 小売
川上 川下
アメリカ 日本 日本 台湾・韓国 中国 アメリカ
経常利益率
川上 川下
なぜ、十分に対応できないのか？
構想力 技術力 完成力 表現力
４つの能力のリバランスが必要
必要な人的スキル
Code for America: 動き出したエンジニアたちによる自治体ICT支援
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http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130621/486966/?ST=govtech
http://code4japan.org/
日本でも生まれているオープンデータ・エンジニア・コミュニティ
日本でも広がりつつある 地域課題解決型のオープンソース・アプリケーション開発
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International Open Data Day 2014 • ２０１４年２月２２日（土） • 世界194都市、日本32都市で開催
35 OKF Japan Flickrページより
課題解決プロセスのデザイン 課題が ある状態
課題が 解決された
状態
Partner
Partner
Data
Data Data
Data
Data
IPS
Partner Partner
社会イノベーションの方法（例）
⑴課題がある状態
⑵課題が解決された状態
⑶ ⑴と⑵の乖離の 原因をデータで表
現 ⑷ 原因を解消する ロジックの創出
⑸ ICTツール実稼働でロジック実現
課題解決 ＝ ⑴と⑵の乖離を生んでいる原因を取り除くこと
© 2014 IPSi
バックキャスティング
「課題がある状態」： AEDで救える命を救えていない
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心肺停止時間と救命率 *1
心肺停止からの経過時間（分）
救命率（％）
1. 心肺停止傷病者の場合、救急車では間に合わない*1。
2. 一般市民が救急車到着前に除細動を実施すると、１ヶ月後、生存率4.0倍、社会復帰率5.9倍*2。
3. しかし、心原性かつ一般市民により心肺停止時点が目撃された症例のうち、市民による除細動実施は3.7%*2。
4.もし、10%適用されれば、全国で、年間466市民、30%なら1,946市民の命を救うことができる。
*1: アメリカ心臓協会 心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドライン 2000. Figure1. http://circ.ahajournals.org/content/102/suppl_1/I-60.full
*2:平成25年版「救急救助の現況」消防庁. 67頁第80図. http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/kyukyukyujo_genkyo/h25/01_kyukyu.pdf 38
「課題が解決された状態」：
「課題状態と課題解決状態の乖離の原因」：
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1. 心肺停止現場近くにAEDがない。どこにAEDがあるのかわからない。
2. 心肺停止を目撃した市民は、必ずしも、AEDを正しく使える自信がない。
心肺停止後5分以内に、AEDが適用され、救える命を救えている。
AED Expert Callとは
一一九番通報
AED熟練者及びAEDを現場に呼寄せる携帯アプリケーション
AED
熟練者
AED
管理者
AED所在地 を地図表示
AED Expert Callのイノベーションプロセス （バックキャスティング・ロジック・マップ）
課題：
AEDで救える命を救えてい
ない
心肺停止者発見時に、その場所に、AEDと
AED熟練者がいない
5分以内に、心肺停止者、AEDとAED熟練者の所在地を一致させる
心肺停止現場に、AED及びAED熟練者を呼び寄せるシステム開発
課題解決：
AEDで救える命を救えている
41 Copyright © 2014 Institute for Public Sector Innovation All Rights Reserved.
AED Expert Callとは
① 119通報（位置情報、心肺停止者の状況など）【音声、GPS座標】
AED熟練者及びAEDを現場に呼寄せる携帯アプリケーション
③医師による電話支援(CPR/AEDの方法等)【音声】
⑤心肺停止者の位置から4-6分以内で参集できる位置にいる既に登録されている(a)AED熟練者及び(b)AED管理者に現場急行を要請【テキスト、GIS上の現場急行ルート】
②救急車に出動指令（位置情報、傷病者情報）【音声、GPS座標】
⑥現場急行対応中の回答【テキスト、GIS上の対応者位置】
⑧AED熟練者等現場急行状況の説明
【音声】
GIS上に現場急行 ルート表示 42
AED Expert
Call
④ 心肺停止者の位置情報【テキスト住所、GPS座標】
⑦AED熟練者等の現場急行状況の情報【テキスト、GIS上の対応者位置】
携帯アプリケーションの画面イメージ
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データは利活用を待っている
港湾管理
施設管理
海岸保全と船舶
飛行機
博物館
政府・自治体
警備
観光
電波管理
インフラ管理
ごみ収集
景観設計
信号
金融機関
電気・ガス
救急救命
防衛
農業
経済開発
教育 公園・レクリエーション
医療福祉
商業
標識管理
土地台帳
出典：ESRI
IT企業・技術者が実現してほしいこと
ITとデータの力をベースとして、社会課題を提起し、 その解決のための社会システム変革の実現をリード 1
実現した変革事例を蓄積し、そこから新たな方法論を抽出・共有し、世界に発信 2
3 1と2の過程にステークホルダーを巻き込み、より多様性と柔軟性に富み、イノベーション創出力の高い日本社会づくりの貢献
Internet of Societies for Innovation
Private Businesses
CSOs
Public Administration
IT企業・技術者の 倫理と誇り
