ルワンダの算数教育にictイノベーションを! 「さ …...2019/06/05 ·...
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ルワンダの算数教育にICTイノベーションを!「さくら算数IM」を活用した授業の実際とその成果
2019年6月5日
19:00~@地球ひろば
株式会社さくら社 代表取締役社長
横山 験也
株式会社アイリンク 主任研究員
松山 匡延
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JICA中小企業海外展開支援事業
~案件化調査~
~普及・実証事業~
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2016年:1年間
案件化調査 普及・実証事業
2018年10月~2021年7月:約3年間
2019年6月(残り2年)ODA事業化に向
けた各種調査
1年目の実証活動の80%が完了(P2~P5)
NOW
株式会社アイリンク
• 国際開発コンサルティング
• 設立: 2006年7月
• アフリカ地域・理数科教育分野での国際協力専門集団
• 社員は、ほぼアフリカ理数科教育の現場経験者(JOCV、専門家)
• 民間連携(中小企業支援)の基礎教育分野で、
「基礎調査、案件化調査、普及・実証事業」(6案件)を実施。
2018年3月統計で、この事業のアフリカ基礎教育分野は弊社only!
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本日のテーマ
なぜ、
算数の平均点が22点→60点と
38点も上がったのか!!?
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全30巻
100までの数
IMの基になっている製品がこちら
2. ルワンダ共和国Republic of Rwanda
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千の丘の国
3. 案件化調査
・ODA事業の提案
・ビジネス展開の足掛かり
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●普及・実証事業公教育へIMを導入しその有効性を実証すると同時に現地適合化を進め、日本の算数教育の特長を現地化した教材として普及する。これにより、現地教員の授業力が向上し、生徒の理解度が高まることで、将来的な科学技術系人材に必要不可欠な基礎能力育成に貢献する。
調査を通じて提案されているODA事業及び期待される効果
ODA事業によるIMの信頼性獲得及びルワンダ国教育省の教材認定を受け、公教育市場への教材販売とサポートサービスの展開を行う。更に、この実績により私立学校など民間教育セクターへの展開を行う。また、ルワンダ国での展開実績を活用し、類似状況下の他アフリカ諸国への展開も進める。
日本の中小企業のビジネス展開
提 案 企 業 : 株式会社さくら社 提案企業所在地: 東京都千代田区 サイト ・ C/P機関 : ルワンダ国・教育省、教育局
企業・サイト概要
『Interactive Mathematics (IM)』①日本の算数教育の全単元を網羅した算数教材ソフト②日本の算数教育の特長をデジタル化③算数における指導面(教員)、学習面(生徒)双方をサポート④「見える化」した理解度の高い学びで、成績向上実績多数
授業の質が確保できておらず、初等算数における生徒の学習到達度が低い・教員の授業力に課題(板書と口頭説明のみが主流)・教材の質に課題 (理解を促す教材が殆どなく、計算の抽象
的概念を引き出せていない)
ルワンダ国の開発課題 中小企業の技術・製品
POINTs• OLPCの活用
275,000台が配布済み
悩みの種?
• キニャルワンダ語(現地語)対応
新カリキュラム(CBC)にも対応
• Trialでの成果
短期の試用で絶大な効果を上げた!
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ルワンダの既存リソースのフル活用とニーズに基づいた製品現地化
さくら社によるこの決断がキー
4. 普及・実証事業(実施中)
• 案件化調査での結果を基に事業形成
【ODA事業】
ルワンダ初等教育でのIM普及による算数教育の改善
【ビジネス展開】
政府調達によるIMの公立学校普及
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SMART Classroom program• ICTのハードの整備は着々と進んでいる。
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【初等教育】
OLPC-XO 275,000台配布済み【中等教育】
POSITIVO laptop 700校以上配布済み
開発課題(初等教育・算数)
①実際の授業へのICT活用が進んでいない
・授業でICTを活用するための、コンテンツが存在していない
・教員のICT活用能力不足
⇒ハード先行で実践的コンテンツが欠如(教員研修にも影響)
②科学技術に必要な基礎科目「算数」の学習到達度の低さ
・算数における基礎学力(Numeracy)の課題
・教育の質低下の一因は、授業の質(教員、教材など)の課題
⇒初等の授業改善が急務(算数は積み上げ型の科目)
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現地児童(P1、P2、P3)の計算方法
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棒や丸を描いて、数える。
JICA現地事務所の手厚いサポート• 各種情報提供、ネットワーク活用、協議への参加など
• JICAルワンダのカレンダー2019年1月に本事業が!
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現地協力者公立学校 副校長 Evaさん
実証活動• 現在、1年目のP2~P5が終了。(今年8月にP1)
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• 実証方法
P1~P5各学年1単元(7~15コマ程度の授業)
●事前に教員研修を実施(教員の能力強化の実証)
●実際にIMを使って授業を実施(児童の成績向上等の実証)
A-type:教員のみがIM(POSITIVO)を使う(実状型)
B-type:教員と児童がIM(POSITIVO&XO)を使う(近未来型)
・各実証授業の前後で算数テストを実施して結果比較
・授業モニタリングやアンケートを通して授業の変化を観察
教員へのIM研修• 教員のICT活用能力と実践力は、課題解決のKey factor• 2日間(8:00~15:30) *REBが研修場所を提供
IMの説明、IMに慣れる、Lesson plan作成、IMを使った模擬授業 etc.⇒将来的には、REBの公的な教員研修へ組み込むため、
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IMを使った授業を習得するための、効果的な研修内容の検証
ルワンダ人研修講師の育成
研修の成果
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• IMは操作が容易なため、短期間で研修が可能(今後更に精査)
• 授業実践と効果に直結(比較、e-Learningとは違う)
• 研修講師レベルの人材が育ってきている(案件化調査から続いて)
• 教員の授業力(教授能力、教科知識)向上(他教科にも影響)
IM研修は、授業実践に繋がる効果的な研修内容を開発・提案する!
新しい教員像として、高いMotivation
SMART teachers
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教員が新しい挑戦をして成長していく姿こそ最大の効果IMは、教員を変える、授業を変える。
授業での実証
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• 【A-type】教員のみがIMを使う(対象P1~P3)
• 現在、P2(2校3クラス)、P3 (2校3クラス)での実証完了
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授業での実証
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• 【B-type】教員と児童がIMを使う(対象P4~P5)
• 現在、P4(1校2クラス)、P5 (1校2クラス)での実証完了
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児童同士の、教え合い
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• IMの10問連続機能では、「教え合い」が自然発生する。
• Aタイプでも、教員の腕次第で実現可能
教員も含め全員が同じものを見て、学んでいるため、Interactiveな授業展開になる。
IMは、授業を変える、児童を変える。
実証活動の成果• 事前事後の算数テスト結果(サンプル数:約500)
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Grade School Class Pre(%) Post(%) 差 T-va lue Sample N .
P2 Public A1 P2A 41.5 48.3 + 6.8 1.0 91 (45, 46)
P2B 22.9 38.8 + 15.9 3.0*** 92 (47, 45)
P2-all 32 .0 43.5 + 11.5 2.8***
Private A3 P2 44.6 54.6 + 10.0 1.5 51 (25, 26)
P3 Public A2 P3B 10.2 45.9 + 35.7 9.4*** 93 (42, 51)
P3C 12.7 35.2 + 22.5 5.5*** 88 (42, 46)
P3-all 12 .0 42.9 + 30.9 10.8***
Private A3 P3 60.2 82.5 + 22.3 5.4*** 54 (27, 27)
P4 Public B1 P4B 12.6 64.3 + 51.7 17.8*** 99 (52, 47)
P4C 31.7 56.9 + 25.2 6.5*** 91 (46, 45)
P4-all 22 .1 60.7 + 38.6 14.4***
Private A3 P4 36.3 83.7 + 47.4 8.5*** 62 (31, 31)
P5 Public B1 P5A 52.3 72.1 + 19.8 6.73*** 125 (62, 63)
P5C 59.6 79.5 + 19.9 5.67*** 121 (62, 59)
P5-all 57 .5 75.8 + 18.3 8.4***
Private A3 P5 85.4 92.3 + 6.9 2.2** 57 (29, 28)
言語切替
負の数
実証結果
• 児童の取り組む演習問題数
1授業(40分)あたり
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タイプ 問題数
通常 8A-type 32B-type 70
実証結果• 児童の答案用紙の変化
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事前テストでの裏面
事後テスト裏面に記載なし
案件化調査の結果30
定性的分析結果
実証結果• このような計算過程の改善(定性的結果)
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クラス対象児童数
(人)
答案用紙への棒やドットの書き込み改善した
児童の割合減った かなり減った 合計
P3B 26 14 3 17 65.4%
P3C 31 21 1 22 71.0%平均68.4%の児童の計算過程が改善された。暗算ができるようになる。
実証結果• 教員の変化
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• 児童の変化(学びの変化)
・教えることを楽しむ・実証授業の中で、着実にスキルUP・教えることへの意欲、姿勢・教員としての職能向上
・身につく(基本概念、暗算等)・教え合い・達成感、分かる喜び・算数授業への集中・算数学力の向上
ICT(IM)活用によって、算数授業が改善!
TAS2019への出展• Transform Africa Summit 2019 (ルワンダがホスト国)
• ICT関連のアフリカ国際会議及びTOP会談
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さくら社も、ブース出展!
大臣級も来訪
ACEITLMSとの共同研究
• ルワンダ国立大学に本部
• アフリカ広域の理数科教育研究機関
• 世界銀行の支援で設立・運営
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IMの効果に魅せられ、WBのプロジェクトを活用したIMの共同研究を提案される。ACEITLMS所長、副所長と会談し、前向きに協議中!
(左)副所長 (右)所長
5. 今後の展望• 引き続き、IMの教育的効果の実証
• REBによるIMの教材認定と全国公立学校へのIM普及
• LMS(学習管理システム)の活用
• IMを核としたデジタル教材の輸出(ICT輸出政策への貢献)
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ルワンダの算数教育改善そして、ルワンダと共に、
アフリカの国々へ!
日本の誇る「教育」と「ICT」の力で、
“made in Rwanda with Japan”