クラーナハの誘 森村泰昌(アーティスト) 新藤 …2018/11/02 · 「theatre of...
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ルカス・クラーナハ(父)《ホロフェルネスの首を持つユディト》1530年頃 油彩/板 国立西洋美術館
19:00 ~ 20:30(開場 18:40)
国立西洋美術館 講堂(企画展示館地下2階)
※ 当日 18:00 より本館1階東口付近にて整理券を配付いたします。 場所が不明な場合は、インフォメーションでお尋ねください。 おひとり1枚まで。
森村泰昌(アーティスト) ×新藤 淳(国立西洋美術館主任研究員)
クラーナハの誘惑、ふたたび
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森村泰昌とユディトを語らう夕べ森村泰昌
1951 年大阪市生まれ。大阪市在住。京都市立芸術大学美術学部卒業、専攻科修了。1985 年、ゴッホの自画像に扮するセルフポートレイト写真を制作。以降、今日に至るまで、一貫して「自画像的作品」 をテーマに作品を作り続ける。1989 年ベニスビエンナーレ /アペルト 88 に選出。最近の主な個展に 2018 年「YASUMASA MORIMURA: EGO OBSCURA」Japan Society( ニ ュ ー ヨ ー ク )、2017 年 「Yasumasa Morimura. The history of the self-portrait」プーシキン美術館 ( モスクワ )、2016 年「森村泰昌 : 自画 像の美術史―「私」と「わたし」が出会うとき」国立国際美術館 ( 大阪 )、2014 年「Theatre of the Self」アンディ・ ウォーホル美術館 ( ピッツバーグ )、「LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE 森村泰昌展 ベラスケス頌 : 侍女たちは 夜に甦る」資生堂ギャラリー ( 東京 )、2013 年「森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」原美術館 ( 東京 ) など。 2008 年 2007 年度芸術選奨文部科学大臣賞、2011 年 第 52 回毎日芸術賞、日本写真協会賞を授賞。2011 年秋、紫綬 褒章を受章。
1982 年生まれ。国立西洋美術館主任研究員。東京藝術大学大学院美術研究科芸術学専攻修士課程修了(西洋美術史)。共著書に『版画の写像学』(ありな書房)、『ウィーン 総合芸術に宿る夢 』(竹林舎)、『ドイツ・ルネサンスの挑戦』(東京美術)など。展覧会企画(共同キュレーション含む)に「フェルディナント・ホドラー展」(2014-15 年)、「クラーナハ展ー 500 年後の誘惑」(2016-17 年)、特別展示「リヒター/クールベ」(2018-19 年)など。
新藤淳お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)国立西洋美術館ホームページ http://www.nmwa.go.jp/
定員 130 人
16 世紀前半のドイツ・ルネサンスを代表する画家クラーナハは、聖書や神話のヒロインたちを蠱惑的に描きだした絵画の数々によって知られています。なかでもユディトは、この画家の芸術の中核をなしたテーマにほかなりません。このたび国立西洋美術館が購入した板絵は、現代において入手しうる彼の「ユディト」としては、実質的に最後の一枚ともいえるものでした。小ぶりながらも保存状態や来歴に恵まれ、最盛期のクラーナハの女性像に特有の、デリケートかつ緊張感ある「誘惑」を放っています。一方、日本の現代美術を代表するアーティストのひとりである森村泰昌さんは、過去にクラーナハのユディトに
国立西洋美術館が2018年度に購入したルカス・クラーナハ(父)《ホロフェルネスの首を持つユディト》のお披露目を記念して、現代アーティストの森村泰昌さんをゲストにお招きし、クラーナハの「ユディト」の魅力について、当館主任研究員の新藤淳と対話しながら語っていただきます。
「なろうとした」経験をお持ちです。多数の絵画や映画のイメージに身を投じたセルフ・ポートレイトを生みだしてこられた森村さんは、クラーナハのユディトになりきった《Mother》と題した連作を1991年に発表されました。クラーナハのユディトに「なる」こと――そんなことを本気で考えたひとは、日本には森村泰昌ただひとり、いや、世界広しといえど、他にはいないかもしれません。森村さんのアートは、ご自身の身体とそのイメージの変形を通じて、そのつど新たに上演される「美術史」です。2016-17 年の「クラーナハ展― 500 年後の誘惑」にもご出品くださった森村さんとともに、国立西洋美術館のコレクションに新しく仲間入りしたユディトの「誘惑」に迫ります。