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2018年6月28日 キリン株式会社 R&D本部 パッケージング技術研究所
パッケージング技術に関する取り組み
© 2018 Kirin Company, Limited
1.パッケージング技術研究所の概要 2.CSVによる価値の共創 (1)環境に配慮した容器包装の開発 (2)お客様の期待に応える価値創造
本日お話しする内容
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キリングループの組織体制
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キリン㈱R&D本部の組織体制
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パッケージング技術研究所とは
お客様に安全に安心して私たちの製品を楽しんで いただくために、容器包装そのものの安全性はもちろん、飲みものの品質 保持や適切な表示が求められています。 これらを大前提に、さらにお客様の使いやすさや輸送効率、 買い求められる場面や飲まれる状況を考慮して、パッケージユーザー企業 では数少ない規模のパッケージに関する研究所を持っている強みを生かし、 先進的な容器包装の開発を行っています。
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パッケージング技術研究所 組織体制
所長
評価
生産技術
綜合容器
機能材料 副所長
開発推進
デザイン
ビールサーバー 業務用および家庭用ビールサーバー 開発(ホームタップ、タップマルシェ)
各グループ会社の生産性向上・品質 向上のための生産技術開発、AI, IoT導入
PETボトル、缶、カートンなどの容器 包装全般の開発
DLC等のバリア技術開発、その他 新規材料探索
容器包装全般の分析・評価、 分析方法管理
2017年10月新設。包装容器 全般のデザイン制作
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理念・ミッションの実現手段
2.生産技術の技術革新による 価値創出と生産性向上
1.デザインと機能の融合による 新パッケージの開発
Quality with Surprise 目指すは、お客様の心地良い 【!】
方向性
レベル
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1.パッケージング技術研究所の概要 2.CSVによる価値の共創 (1)環境に配慮した容器包装の開発 (2)お客様の期待に応える価値創造
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キリングループ長期環境ビジョン 目指すべき 方向性 キリングループのバリューチェーンから発生する環境負荷を低減させながら、地球が賄う
ことができる能力とのバランスが取れるように資源を循環させていきます。
取り組みの 姿勢
NGOや企業コンソーシアムとも連携し、広くステークホルダーと コミュニケーションを取りながら、役割をShareして活動を展開します。
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2.(1)環境に配慮した容器包装の開発
3Rの推進
リデュース 軽量中・大壜 軽量アルミ缶 軽量PETボトル ワインPETボトル 軽量6缶パック スマートカットカートン リユース リターナブル壜の展開 リサイクル 再生資源の利用促進 FCS認証資材
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リデュース 軽量中・大壜 軽量アルミ缶 軽量PETボトル ワインPETボトル 軽量6缶パック スマートカットカートン リユース リターナブル壜の展開 リサイクル 再生資源の利用促進 FCS認証資材
3Rの推進 容器包装の開発部隊として、3Rのうちリデュース(軽量化)に 注力している。
2.(1)環境に配慮した容器包装の開発
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≪メリット≫ 環境負荷・コスト
低減
≪デメリット≫ 強度・外観
低下
軽くても使えなければ意味が無い!
開発のポイント
軽くても・・・ 強い
使い易い 分かり易い キリンの強み
高い設計技術 確かな分析・評価技術 充実した設備
2.(1) 環境に配慮した容器包装の開発
軽量化における開発のポイント
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2.(1)環境に配慮した容器包装の開発
事例① スマートカットカートン コーナーカットカートン 2004年~
長手面上部を面取り
スマートカットカートン 2015年~
≪軽量化≫ ※対2003年度比
紙使用量約10%減
≪軽量化≫ ※対2014年度比
紙使用量さらに約17%減
≪GHG排出量≫※対2014年度比
▲2,000t/年 ≪付加価値≫ ①取出し易さ・持易さ向上 ②広告の視認性向上
■デザイン性の高さが認められ、 MOMAに展示
・キリングループの独自デザイン ・ビール4社中最少の紙使用量
コストダウン約1.7億円/年
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2.(1)環境に配慮した容器包装の開発
事例② 2LPETボトル ≪軽量化≫ ※対2014年度比 PET:35g→28.3g ▲6.7g(約20%減)
≪GHG排出量≫ ※対2014年度比 ▲3,850t/年
■木下賞(2016年) ■World Star(2017年)
≪付加価値≫ 老若男女誰でも握り やすいグリップ形状 ※筋電位測定による。対競合他社2LPET
2LPETボトル国内最軽量 参考)コカコーラ社29.0g,サントリー社29.8g
コストダウン 約1.6億円/年
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2.(1)環境に配慮した容器包装の開発
事例③ 軽量リターナブルガラス中壜
キリン独自のセラミックコーティング
薄く ≪軽量化≫ ガラス:470g→380g ▲90g(約20%減)
≪GHG排出量≫ ▲1,000t/年
■ガラスびんアワード(2017年) ■World Star(2018年)
≪付加価値≫ ①1ケースあたりの重量が軽く持易い ②トラックの排気ガス抑制
500mlリターナブルビール壜国内最軽量 参考) 競合他社3社は全て460g
コストダウン 約3,000万円/年
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2017年 容器軽量化 地球環境大賞(フジサンケイグループ賞) 軽量缶 木下賞 軽量中壜 ワールドスター賞・アジアスター賞 ガラスびんアワード 2016年 富士山麓 ワールドスター賞・アジアスター賞・グッドデザイン賞 生茶 500ml アジアスター賞・日本パッケージデザイン大賞 ホームタップ グッドデザイン賞 2015年 軽量2LPETボトル ワールドスター賞・アジアスター賞・木下賞 2014年 グランドキリン壜 ワールドスター賞・ガラスびんアワード 2013年 フローズン<生> 安藤百福賞 2010年 NEWペコロジーボトル ワールドスター賞・アジアスター賞
参考) パッケージング技術研究所受賞履歴
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1.パッケージング技術研究所の概要 2.CSVによる価値の共創 (1)環境に配慮した容器包装の開発 (2)お客様の期待に応える価値創造
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2.(2)お客様の期待に応える価値創造
ホームタップ Tap Marché
ビアインヒューザー
デザイン性の高い 容器設計 多彩な角度から
お客様との接点を拡大し、 新たな価値を提供
フローズン ビール
DLC
ビール用バリア (DLC)PETボトル
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CO2 CO2
O2
H2O DLCコーティング
DLC膜
2.(2)お客様の期待に応える価値創造 事例① DLCコーティング技術によるPETボトルのバリア性向上 ■DLC(ダイヤモンドライクカーボン)とは DLCは、非結晶性の炭素からなり、ダイアモンドとグラファイトに似た物性を示す。 キリン社はPETボトル内表面に厚さ約0.02μmのDLC薄膜を形成し、酸素などの 小分子に対し極めて高いガスバリア性を発揮することを見出した。(独自技術)
PETボトル
H2O
PETボトルは酸素など小さな 分子が透過しやすい
ボトル内面のDLC薄膜に より分子の透過を防ぐ
O2
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• 1993年 DLCコーティング技術開発着手 • 1994年 最初の特許単独出願、取得 • 2003年 量産機完成(三菱重工社等と共同開発) • 2004年 キリンビバレッジ社 加温販売用の「生茶」、「午後の紅茶」に採用 以降、炭酸飲料や食用油、調味料など社内外問わず 様々な食品容器に採用(市場規模:2.25億本(2016年)) • 2010年 メルシャン社の1.5 L ワインに採用 • 2012年 同社720 ml ワインに採用 以降、清酒や梅酒にも採用 • 2015年 家庭用サーバー専用のビールに採用 • 2017年 業務用サーバー専用のビールに採用
これまでの開発経緯と採用した商品群
2.(2)お客様の期待に応える価値創造 事例① DLCコーティング技術によるPETボトルのバリア性向上
・・・ ・・・
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2.(2)お客様の期待に応える価値創造
事例② Tap Marché
× ×
3Lペット容器 ※キリン独自
マルチタップ ディスペンサー
※キリン独自 選べるアイテム
飲みまわりに適したサイズ かつ回収不要な
バラエティー感を愉しめ 品質と供給も安定した
中型サーバー程度の スペースで設置可能な
ビールの愉しみを広げていく ~クラフト料飲市場の開拓~
Tap Marché
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多様なビールをお店に!
デザインと機能の融合
省スペース
カセット式
マルチ4タップビールサーバーの開発
ビールロス削減
操作・交換・洗浄容易性
業務ビール用3LバリアPETボトルの開発
DLCによる高ガスバリア性
遮光フィルムによる品質保持
Tap Marché
2.(2)お客様の期待に応える価値創造
事例② Tap Marché
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2.(2)お客様の期待に応える価値創造
事例③ デザイン性の高いPETボトルの開発
2015年 RN前
生茶販売箱数推移(万箱)
大幅増
リニューアル後 絶好調!! 前年比 142%
ボトルリニューアル変遷
リニューアル イメージ
2016年 RN後
保有技術を活用
3D CAD CAE解析
3D プリンター
設計 試作 評価
強度評価 製造/流通
適性
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(参考)軽量化等の取組みによるコストダウン額
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軽量化や仕様の見直し等(コストダウン)での創出利益※は年間約5~8億円。 ※:資材単価ダウン額に使用量を乗じて算出。 (開発年度を含め3年間はコストダウン効果が継続するルールとしている)
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2016 2017 2018(見込)
コスト
ダウ
ン額
(億
円)
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Quality with Surprise 目指すは、お客様の心地良い 【!】
実現に向け、パッケージング技術研究所は これからも邁進し続けます。
最後に…
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