ビルメンテナンス業における 労働災害の発生状況及び死亡災...
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ビルメンテナンス業における労働災害の発生状況及び死亡災害事例
について
令和元年7月9日
東京労働局労働基準部安全課
安全専門官 横山高志
~トップが打ち出す方針 みんなで共有 生み出す安全・安心~
第13次東京労働局労働災害防止計画推進中
労働災害が増加し、10年ぶりに1万人超(6.6%増)特にビルメンテナンス業については、前年比10%増加。
ビルメンテナンス業における労働災害は、「転倒災害」の災害46%を占めており、次いで「墜落・転落」の災害が約20%を占めている。また、高年齢労働者の割合が高く、被災者の平均年齢が60歳である。
死亡災害は、H29年以降全て墜落・転落災害によるものである。
507 569 548 560 609 562 498 533 549 606
1,3391,436 1,429 1,472
1,502
1,2541,136 1,136
1,2451,163
865 847810 750 726 696 696 696 639
735
0
500
1000
1500
2000
H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年 H29年 H30年
ビルメンテナンス業 建設業(参考) 製造業(参考)
労働災害による死傷者数の推移(東京、休業4日以上)
○ビルメンテナンス業は増加しており、21年から30年で約20%増加 3 資料出所:労働者死傷病報告
転倒37%
墜落、転落20%
動作の反動、無理な動作16%
はさまれ、巻き込まれ7%
激突6%
清掃と畜業
転倒
46%
墜落、
転落
21%
動作の
反動、
無理な
動作
15%
はさま
れ、巻
き込ま
れ
5%
激突
4%
ビルメンテナス業転倒24%
墜落、転落17%
動作の反動、無理な動作17%
交通事故(道路)9%
はさまれ、巻き込まれ8%
全業種
(資料出所:労働者死傷病報告)
5
3 3 3
5
6
1
6
3
2
6
4
6
0
1
2
3
4
5
6
7
20年 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年 31年
ただし、平成31年については、令和元年6月末までの半年間(速報値)
ビルメンテナンス業(死亡災害)の推移
6
年代別死亡災害発生状況(H25年~令和元年6月末)
(資料出所:労働者死傷病報告)
20代11%
30代7%
40代21%
50代18%
60代以上
43%
ビルメンテナンス業
20代20%
30代20%
40代40%
50代20%
ロープ高所作業
死亡災害(H31年~)
7
災害発生年 月
年 齢経験年数
災害の概要
R1年6月
50歳代5年~10
年
オフィスビル一階の保管場所から窓拭き用の清掃用具を取り出していたところ、植え込み横の開口部から地下1階の床に墜落した。
R1年5月
50歳代1年未満
マンションの清掃業務中、マンション階段踊り場から地上に墜落した。
H31年3月
70歳代1年未満
ビルの清掃作業中、階段の踊り場に転落した。
H31年2月
50歳代20年~30年
屋上の鉄架台を吊元としてブランコを設置し、ビルの窓ガラス清掃作業を行っていたところ、吊元強度不足のため、ブランコとともに地上に墜落し
H31年1月
20歳代1年~5年
建築物屋上にて、高所ガラスの清掃作業を行う準備作業を行っていたところ、墜落した。
H31年1月
50歳代30年以上
ブランコ作業にてビルのガラス清掃を行っていたところ、メインロープが支持物から外れ、ライフラインを設けていなかったため、地上まで墜落した。
ロープ高所作業等における死亡災害
8
災害発生年 月
年 齢経験年数
災害の概要
H29年11月
30歳代3年~6年
11階建て建物のベランダにおいて、安全帯を使用せずに、吸盤につかまりながら、体を乗り出してガラス清掃作業を行っていたところ、地上まで墜落した。
H29年3月
60歳代10年~20年
ビル6階の手すりがないキャットウォーク上において、脚立上で窓ガラス清掃を行っていたところ、墜落した。
H29年1月
40歳代20年~30年
建物(2階建て)屋上で窓ガラス清掃のためのブランコ準備作業中に、墜落した。
H27年5月
40歳代5年~10年
建物外面の窓ガラス清掃をブランコを使用して行っていたところ、7階清掃中にメインロープが切れて地上に墜落した。ライフラインは設置されていたが、ロリップを接続していなかった。
H27年2月
50歳代10年~20年
ガラス張りの温室の屋上で高圧洗浄機で屋上ガラスを清掃中、ガラスが割れて墜落した。
H26年11月
30歳代5~10年
ビル屋上の通路の足場板に、メインロープとライフラインロープを共に固定してビル窓ガラス清掃をブランコ作業で行っていたところ、足場板が固定されていた鉄骨から外れ、足場板ごと墜落した
H26年6月
20歳代2年~3年40歳代
10年~20年
ビルの窓ガラス清掃の作業のため、6階のベランダからブランコ作業で下りる準備中に墜落し、下方にいた労働者に激突した。墜落した労働者と激突された労働者が死亡した。
H26年5月
40歳代20年~30年
被災者は、ビル窓ガラス清掃をブランコ作業で行っていたところ、メインロープが吊り元から外れ墜落した。ライフラインにより墜落は避けられたが、安全帯で宙づりとなって、救出に約1時間要し、死亡した。
2.5% 4.7% 4.4%2.9%
4.7% 8.9%7.2%15.7% 10.0%
15.5%
22.8% 24.4%
43.3%
34.6%
34.4%
28.5%
17.3%16.7%
0%
20%
40%
60%
80%
100%
転倒 墜落・転落 動作の反動、無理な動作
20代 30代 40代 50代 60代 70代以上
50代以上
50%
(資料出所:労働者死傷病報告)7
「ロープ高所作業」での危険防止のため、
平成28年1月より労働安全衛生規則が改正されています
10
同封のリーフレットをご覧ください。
• ライフラインの設置
• 作業計画の策定
• 特別教育の実施等
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12資料:安全衛生情報センターHPより
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転倒(滑り)
(原因)床面が濡れている。滑りやすい床。
→すべりにくい床にする(可能な場所)
→個人用保護具:耐滑性のある靴の使用
ただし、つまづきやすくなるデメリットあり
墜落(脚立等からの墜落)
(原因)脚立上でバランスを崩す、滑る、躓く。
→アウトリガー等のついた脚立を使用する
→すこし高めの脚立を使用し、上段を余らせる
工学的対策等について
自主点検の内容について
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