プルーム・テック使用時の体内に取り込まれる健康 …...2018/11/09 · 2018 年...
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2 0 1 8 年 1 1 月 9 日日本たばこ産業株式会社
プルーム・テック使用時の体内に取り込まれる健康懸念物質量(曝露量)の低減について
1目次
説明会の趣旨
プルーム・テック
人への健康影響を評価する段階的アプローチ ベイパー中成分量調査人への曝露量調査 人への健康影響調査
私たちの考え
◎ 本資料において、 「リスク低減製品」とは喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品のことを指します。
2説明会の趣旨
喫煙に伴う疾病のリスクの主な要因は、たばこ葉を燃焼させることに伴って発生するたばこ煙中の健康懸念物質であると考えられています。
したがって、たばこ葉の燃焼を伴わず煙を発生しない新しいスタイルのたばこ製品を喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品(リスク低減製品)と私たちは考えます。
私たちは、リスク低減製品に関する科学的な調査・研究を実施し、お客様にとって新たな選択肢となるように、エビデンスに基づく適切な情報を提供したいと考えています。
本日は、その一環として、プルーム・テックを使用した際に、体内に取り込まれる健康懸念物質の量が紙巻たばこの喫煙と比べて、どの程度低減するのかを調査した結果をご紹介いたします。
◎ 本資料において、 「リスク低減製品」とは喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品のことを指します。
3プルーム・テック
バッテリーカートリッジたばこカプセル
たばこ用具(デバイス)たばこ製品
プルーム・テックは、カートリッジに入ったリキッドを加熱により蒸気にし、これを専用のたばこカプセルを通過させることでたばこベイパーを発生させる製品です。たばこを燃やさないため、燃焼による煙は発生しません。
私たちは、プルーム・テックをリスク低減製品と考え、様々な科学的研究を実施しています。
◎ 本資料において、 「リスク低減製品」とは喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性のある製品のことを指します。
4人への健康影響を評価する段階的アプローチ
リスク低減製品から発生する健康懸念物質量が紙巻たばこと比較して低減されているか
ベイパー中成分量 調査
リスク低減製品の使用により、体内に取り込まれる健康懸念物質の量(曝露量)が紙巻たばこの喫煙と比較して低減されているか
人への曝露量 調査
リスク低減製品の使用者の生体指標が、紙巻たばこの喫煙者と比較して非喫煙者方向に位置しているか
人への健康影響 調査
リスク低減製品使用者の周囲の空気環境に影響を与えないか空気環境 への影響調査
完了*
完了*
完了*
計画*
本日の説明事項
* 「プルーム・テック」に対する各調査の進捗状況
5人への健康影響を評価する段階的アプローチ
リスク低減製品の使用により、体内に取り込まれる健康懸念物質の量(曝露量)が紙巻たばこの喫煙と比較して低減されているか
人への曝露量 調査
リスク低減製品の使用者の生体指標が、紙巻たばこの喫煙者と比較して非喫煙者方向に位置しているか
人への健康影響 調査
リスク低減製品使用者の周囲の空気環境に影響を与えないか空気環境 への影響調査
完了*
完了*
計画*
本日の説明事項
リスク低減製品から発生する健康懸念物質量が紙巻たばこと比較して低減されているか
ベイパー中成分量 調査
完了*
* 「プルーム・テック」に対する各調査の進捗状況
6ベイパー中成分量調査
プルーム・テックから発生するたばこベイパーから、WHOが懸念している9つの物質はほとんど検出されませんでした。
(平均低減率:約99%*3)
*1 JTグループでは、たばこ葉由来の成分を含む蒸気を「たばこベイパー」と呼んでいます。*2 たばこの燃焼によって発生する煙に含まれる物質のうち、WHOが健康上のリスクの観点から含有量の低減を優先して推奨している9つの物質(ベンゾピレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、N-ニトロソノルニコチン、4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン、一酸化炭素、1,3-ブタジエン、ベンゼン)を調査しました。本製品の使用は、従来のたばこ製品と比べ健康上のリスクが低減されているわけではありません。*3 Takahashi Y., Kanemaru Y., Fukushima T., Eguchi K., Yoshida S., Miller J.H., Jones I., Chemical analysis and in vitro toxicological evaluation of aerosol from a novel tobacco vapor product: A comparison with cigarette smoke. Regul. Toxicol. Pharmacol. 92, 94-103, 2017
7人への健康影響を評価する段階的アプローチ
リスク低減製品の使用者の生体指標が、紙巻たばこの喫煙者と比較して非喫煙者方向に位置しているか
人への健康影響 調査
リスク低減製品使用者の周囲の空気環境に影響を与えないか空気環境 への影響調査
完了*
計画*
本日の説明事項
リスク低減製品から発生する健康懸念物質量が紙巻たばこと比較して低減されているか
ベイパー中成分量 調査
完了*
リスク低減製品の使用により、体内に取り込まれる健康懸念物質の量(曝露量)が紙巻たばこの喫煙と比較して低減されているか
人への曝露量 調査完了*
* 「プルーム・テック」に対する各調査の進捗状況
8人への曝露量調査
実 施 責 任 者 日本たばこ産業株式会社
試 験 名 健康な成人喫煙者を対象とした5日間入院での プルーム・テック使用時のたばこ煙中に含まれる成分への曝露量を調査する試験
試験実施機関 医療法人相生会 臨床研究部門の施設(福岡県)
目 的 紙巻たばこ喫煙者がプルーム・テックの使用に切り替えた場合、紙巻たばこの喫煙を継続した場合、または禁煙した場合の、たばこ煙に含まれる特定の成分の人への曝露量を調査する。
デ ザ イ ン 概要参加者は医療施設に入院し、2日間、日常喫煙している紙巻たばこを喫煙する (事前調査期)。その後5日間、プルーム・テックを使用するか、紙巻たばこの喫煙を継続するか、または禁煙する(調査期)。翌日退院する。
測定項目・回数 • 尿または呼気中の、特定のたばこ煙中成分またはその代謝産物の量(曝露量)• 事前調査期: 1回、 調査期: 2回(3日目、5日目)
対 象 者 数 60名 ※ 20名/集団
対 象 者 の主 な 条 件
• 試験参加の同意の得られた、21歳以上65歳未満の健康な喫煙者の男女• 試験参加前の1週間以内に市販紙巻たばこ以外のたばこ製品を使用した者、 4ヵ月以内に
治験薬の投与を受けた者、妊娠中・妊娠の可能性または授乳中の女性は除く。
実 施 期 間 • 2017年1月(初めの対象者の入院)~2月(最終対象者の退院)• 2017年11月 (試験総括報告書_第1版)
外部医学専門家 北里大学医学部附属 臨床研究センター 教授 熊谷 雄治氏 (専門:臨床薬理学)
倫理的・科学的実 施
• 「ヘルシンキ宣言」に基づく倫理的原則の遵守/ 臨床試験実施に関する法令*1の準拠• JTと独立した試験実施機関の審査委員会*2からの承認
*1 平成9年厚生省令第28号「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」および当該省令に関する通知*2 医学・科学の専門家及び非専門家によって構成される独立の委員会。当委員会の責務は、特に、試験実施計画書、並びに被験者から文書によるインフォームド・
コンセントを得るのに使用される方法及び資料を審査し、承認し、また継続審査を行うことによって、被験者の人権、安全及び福祉の保護を保証することである。
9
調査のデザイン
採尿・呼気測定 採尿・呼気測定
5日間2日間
入院
健康な成人喫煙者が対象 参加条件を満たした者 参加の同意が得られた者
退院プルーム・テックを自由に使用
紙巻たばこを自由に喫煙普段通り、紙巻たばこを喫煙
禁煙
施設スタッフが無作為に割り振り
人への曝露量調査
[事前調査期] [調査期]
医療施設
3つのグループのいずれかに
60名
20名
20名
20名
10
米国食品医薬品局が提示する紙巻たばこの煙に含まれる健康懸念物質の成分リスト*1
等を参考に16種の成分(健康懸念物質およびニコチン)を選択し、その呼気中・尿中の成分、またはその代謝産物を測定しました。
これら成分・代謝物は、紙巻たばこの喫煙によりその曝露量が顕著に増加すること、科学的に信頼性のある測定手法が存在すること等の理由により、選択しました。
*1 U.S. Department of Health and Human Services, Food and Drug Administration. [Docket No. FDA–2012–N–0143] Harmful and Potentially Harmful Constituents in Tobacco Products and Tobacco Smoke: Established List. Federal Register; Vo. 77, No. 64. April 3, 2012.*2 4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノン*3 N-ニトロソノルニコチン*4 米国食品医薬品局が提示する紙巻たばこの煙に含まれる健康懸念物質の成分リスト外の成分であるが、ベンゾピレンの曝露量の測定において、広く用いられるピレンの尿中代謝物である1-OHPも測定*5 NNKの代謝産物であるNNALとそのグルクロンサン抱合体の総量*6 NNNとその代謝産物の総量*7 ニコチンとその代謝産物の総量
アクロレイン(3-HPMA)
アクリロニトリル(CEMA)
クロトンアルデヒド(HBMA)
NNK*2
(Total NNAL*5)
NNN*3
(Total NNN*6)エチレンオキシド(HEMA)
ベンゾピレン(3-OH-B[a]P)
1-ナフチルアミン(1-NA)
2-ナフチルアミン(2-NA)
4-アミノビフェニル(4-ABP)
オルト-トルイジン(o-Toluidine)
ピレン*4
(1-OHP)
ベンゼン(S-PMA)
1,3-ブタジエン(MHBMA)
一酸化炭素(呼気中CO)
ニコチン(Nicotine equivalents*7)
人への曝露量調査
測定成分
健康懸念物質およびニコチン (測定成分)
11
-100%
-80%
-60%
-40%
-20%
0%
3-H
PMA
(アクロ
レイン
)
CEM
A( ア
クリロニ
トリル
)
HBM
A(ク
ロトン
アル
デヒド
)
tal N
NAL
ニトロ
ソア
ミン(N
NK)
)
tal N
NN
ニトロ
ソア
ミン(N
NN
))
HEM
A( エ
チレ
ンオ
キシ
ド)
3-O
H-B
[a]P
(ベン
ツピ
レン
)
1-N
A(1
- ナフチ
ルア
ミン)
2-N
A(2
- ナフチ
ルア
ミン)
4-AB
P(4
- アミノ
ビフェニ
ル)
o-To
luid
ine
(オル
ト-トル
イジン
)
1-O
HP
(ピレ
ン)
S-PM
A(ベ
ンゼ
ン)
MH
BMA
(1,3
-ブタジ
エン
)
呼気
中CO
(一酸
化炭
素)
cotin
e eq
uiva
lent
s(ニ
コチン
)
紙巻たばこ喫煙グループに対する割合(%)
人への曝露量調査 結果
(1 - 最小二乗幾何平均値) ± (95%信頼区間)※ 共分散分析 (目的変数:最終日測定値, 説明変数:グループ, 共変量:ベース日測定値), 多重性の調整: Dunnett法
● 紙巻たばこからプルーム・テックに切り替えた場合、多くの成分の曝露量が、禁煙したグループと同様のレベルまで低減しました。
● また、喫煙を継続したグループと比較して、全ての成分の曝露量が、顕著に減少しました。
プルーム・テック禁煙
12人への曝露量調査 結果
● 紙巻たばこからプルーム・テックに切り替えた場合、各成分の曝露量は禁煙したグループと同様に推移しました。
0200400600800
10001200140016001800
Day-1 Day3 Day5
3-HPMA
020406080
100120140160180
Day-1 Day3 Day5
NNAL
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
Day-1 Day3 Day5
S-PMA
0
5
10
15
20
25
30
35
Day-1 Day3 Day5
Exhaled CO
紙巻たばこプルーム・テック禁煙
(平均値±標準誤差)
アクロレイン(3-HPMA)
NNK(Total NNAL)
ベンゼン(S-PMA)
一酸化炭素(呼気中CO)
(ug/
24hr
)(n
g/24
hr)
(ng/
24hr
)(p
pm)
13人への曝露量調査 結果
● 紙巻たばこからプルーム・テックに切り替えた場合、各成分の曝露量は禁煙したグループと同様に推移しました。
0
1000
2000
3000
4000
5000
Day-1 Day3 Day5
HEMA
020406080
100120140
Day-1 Day3 Day5
1-NA
05
101520253035
Day-1 Day3 Day5
2-NA
0
50
100
150
200
250
300
Day-1 Day3 Day5
o-Toluidine
1-ナフチルアミン(1-NA)
2-ナフチルアミン(2-NA)
エチレンオキシド(HEMA)
o-トルイジン(o-Toluidine)
(平均値±標準誤差)
紙巻たばこプルーム・テック禁煙
0
100
200
300
400
Day-1 Day3 Day5
1-OHPピレン
(1-OHP)
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
Day-1 Day3 Day5
MHBMA1,3-ブタジエン(MHBMA)
(ng/
24hr
)
(ng/
24hr
)
(ng/
24hr
)(n
g/24
hr)
(ng/
24hr
)
(ng/
24hr
)
14
020406080
100120140160
Day-1 Day3 Day5
CEMA
0
100
200
300
400
500
Day-1 Day3 Day5
HBMA
人への曝露量調査 結果
● 紙巻たばこからプルーム・テックに切り替えた場合、ニコチンを除く、各成分の曝露量は禁煙したグループと同様に推移しました。
0
5
10
15
20
Day-1 Day3 Day5
4-ABP
02468
101214
Day-1 Day3 Day5
Nicotine equivalents
アクリロニトリル(CEMA)
クロトンアルデヒド(HBMA)
4-アミノビフェニル(4-ABP)
ニコチン(Nicotine equivalents)
紙巻たばこプルーム・テック禁煙
(平均値±標準誤差)
0
50
100
150
200
Day-1 Day3 Day5
3-OH-BaPベンゾピレン(3-OH-B[a]P)
0
5000
10000
15000
Day-1 Day3 Day5
NNNNNN(Total NNN)
(pg/
24hr
)
(ng/
24hr
)
(mg/
24hr
)
(ug/
24hr
)
(ug/
24hr
)
(pg/
24hr
)
15人への健康影響を評価する段階的アプローチ
リスク低減製品使用者の周囲の空気環境に影響を与えないか空気環境 への影響調査
完了*
本日の説明事項
リスク低減製品から発生する健康懸念物質量が紙巻たばこと比較して低減されているか
ベイパー中成分量 調査
完了*
リスク低減製品の使用により、体内に取り込まれる健康懸念物質の量(曝露量)が紙巻たばこの喫煙と比較して低減されているか
人への曝露量 調査完了*
リスク低減製品の使用者の生体指標が、紙巻たばこの喫煙者と比較して非喫煙者方向に位置しているか
人への健康影響 調査
計画*
* 「プルーム・テック」に対する各調査の進捗状況
16
計画
人への健康影響調査
私たちは、プルーム・テックのリスク低減の可能性を引き続き研究するため、日本市場におけるプルーム・テック使用者の健康影響の調査を計画しています。
17私たちの考え
成人喫煙者の間で、リスク低減製品がより広く受け入れられていくことがお客様にとっても、社会にとっても、私たちの事業にとっても、有益であると私たちは考えています。
私たちは、たばこメーカーとして、医学界・科学界および公衆衛生当局による加熱式たばこの調査研究と科学的評価に、積極的に協力していきたいと考えています。
私たちは、リスク低減製品の開発や評価の研究について、引き続き一層努力していきます。
18
参考資料
18
19JTの加熱式たばこ製品
(発売予定) (発売予定)(発売中)※白いプルーム・テックは
2018年12月3日より発売
20曝露量評価の対象とした健康懸念物質と測定成分
健康懸念物質 測定成分 和名アクロレイン 3-Hydroxypropyl- mercapturic acid (3-HPMA) 3-ヒドロキシプロピルメルカプツール酸アクリロニトリル 2-Cyanoethylmercaturic acid (CEMA) 2-シアノエチルメルカプツール酸4-アミノビフェニル 4-Aminobiphenyl (4-ABP) 4-アミノビフェニル1-ナフチルアミン 1-naphthylamine (1-NA) 1-ナフチルアミン2-ナフチルアミン 2-naphthylamine (2-NA) 2-ナフチルアミンベンゼン S-Phenyl-mercapturic acid (S-PMA) S-フェニルメルカプツール酸ベンゾピレン 3-hydroxybenzo[a]pyrene 3-ヒドロキシベンゾピレン1,3-ブタジエン Monohydroxybutenyl-mercapturic acid (MHBMA) モノヒドロキシブチルメルカプツール酸一酸化炭素 Exhaled CO 呼気中一酸化炭素クロトンアルデヒド 3-Hydroxy-1-methylpropyl-mercapturic acid (HBMA) 3-ヒドロキシ-1-メチルプロピルメルカプツール酸エチレンオキシド 2-Hydroxyethyl-mercapturic acid (HEMA) 2-ヒドロキシエチルメルカプツール酸ニコチン Nicotine equivalents (NEq) ニコチン当量 (ニコチンとその代謝物の総量)
NNKTotal 4-(methylnitrosamino)- 1-(3-pyridyl)-1-butanol(total NNAL)
総4-(メチルニトロソアミノ)-1-(3-ピリジル)-1-ブタノール (NNALとその代謝物の総量)
NNN Total N-nitrosonornicotine (total NNN) 総N-ニトロソノルニコチン (NNNとその代謝物の総量)
オルト-トルイジン o-Toluidine o-トルイジンピレン 1-hydroxypyrene (1-OHP) 1-ヒドロキシピレン
選定理由 喫煙により、その曝露量が顕著に増加する。 科学的に信頼性のある測定手法が存在する。 健康懸念物質の曝露量と測定成分量との間に相関関係がある。 調査期間 (5日間) 中に測定成分の量が低減することを確認できる。 健康懸念物質に対し、科学的に信頼性のある体内測定代用成分である。