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フェルデンクライス岡山 森近 貴幸(理学療法士)

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Post on 16-Mar-2020

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フェルデンクライス岡山 森近 貴幸(理学療法士)

Movement is Life, without movement life Is unthinkable. ~Moshe Feldenkrais

フェルデンクライス・メソッド®とは?

モーシェ・フェルデンクライス博士により創案・体系化されたこのメソッドは、「 心地よく、楽な動きが”脳”を刺激し、活性化させる 」という博士の理論に基づいて組み立てられています。

レッスンでの独創的な動きを体験することで、無意識のうちに身に染み着いた古い動きの習慣から離れ、より自然で効率的な動きを自らに再教育する方法を学ぶことがきます。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

フェルデンクライス・メソッド®とは?

心地よさを感じながら脳に動きの選択肢を提示すると、解放感と共に今まで眠っていた潜在意識が覚醒し、脳は本来持っ

ている最高の能力を発揮するのです。

レッスンを積み重ねることで、不可能だと諦めていたことができるようになり、可能となったことは、より楽にできるようになり、さらに、楽にできるようになったことは美しく優雅に行えるようになります。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

このメソッドの目的

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

メソッドの考え方

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

創始者モーシェ・フェルデンクライス博士について

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

1904年、旧ロシア領ポーランドに生まれ、イスラエルで開拓者として肉体労働に従事。パリ・ソルボンヌ大学で工学・物理学の博士号を取得後、物理学博士としてジュリオ・キュリーの研究所で働く。スポーツの愛好家としても知られ、日本柔道の創始者としても名高い嘉納治五郎先生からパリで柔道を習い、西欧人として初めての黒帯取得者のひとりとなる。その後、フランス柔道クラブを創立し、フランス柔道連盟の会長を務めるなどスポーツ界にも尽力した。しかし、サッカーなどで膝を故障し、当時の医学では固定するしか対処のすべがないことを知り、どうしたら再びスポーツ活動が自由にできるかを、物理学をはじめ大脳・神経生理学、生理学、解剖学、心理学、精神医学、系統発生学、ヨーガ、柔道などを基に探求していった結果、現在のメソッドの基礎を確立し、再びスポーツ活動ができるようになる。そのことは周囲を驚かせ、教えを乞う人が次第に集まるようになり、1940年代に現在のメソッドとして確立した。(1984年没)

著書に、「Body and Mature Behavior(身体と成熟した行動)」(1949)「Awareness through Movement」(1972:邦訳「フェルデンクライス身体訓練法」)、「Nora’s Case」(1977:邦訳「脳の迷路の冒険」)、「The

Elusive Obvious(曖昧にして明瞭なるもの)」(1983)、「The Master

Moves」(1984:邦訳「心をひらく体のレッスン」)など、その他多数。

ゆえに、潜在している多くの機能性の精度を高めるた

めには、動きを再び学び直す状況が必要となった。人々

は特別な動きを新しく身につけるのではなく、生まれて以

来発達してきた正しい発達段階の動きから動きやパター

ンを作り直すことを教えられなければならなくなってし

まったのだ。」

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

「鍛錬した身体は、周囲の環境に必要に応じて動きを順応していく傾向がある。

我々の社会は、人間が本来持っている神経システムに適応できないほど歪めら

れ、人間が生来持っている動きが抑制されてしまった。

フェルデンクライス・メソッド®の適応

フェルデンクライス・メソッド®は、より良い動きをしたい人すべてが試み、学び、継続する価値があり、適応がある。

メソッドは「治療」ではなく「学び」に関わっているため、気づきと反応、変化に応じたプログラムのメニューを探っていくため、疾患・症状に沿った分類の境界を設けていない。

治療という側面から、理学療法士はその経験から動作や動きの観察に秀でているので、どのような疾患であれ、動きと反応に応じたプログラムの構築・変更・メニューの選択ができる。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

フェルデンクライス・メソッド®の効果

効果として、姿勢や柔軟性の改善、感情や精神の安定及び向上、ストレスや苦痛からの解放、怪我の回復や予防、ダンサー、ミュージシャン、アスリートたちの技術向上などが挙げられます。

特にリハビリテーションの分野では、対象者の問題解決の一助になると考えられます。活用分野として、リハビリテーション(中枢疾患、整形疾患その他)、看護や介護におけるケア場面、高齢者の生活支援など。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

リハビリテーションへの活用の可能性

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

アプローチの方法

機能的統合 (F.I.) 動きを通しての気づき (A.T.M.)

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

ATM(動きを通した気づき)

ATMレッスンは、精密に構成された「動き」による探索法で、思考、感覚、動き、そして想像力が要素として含まれています。レッスンの多くは発達の動きと日常的な活動の機能に基づき構成されています。また、筋骨格系と姿勢との関連性についても探求します。

レッスンはシンプルな動きで、快適に動きながら無理なく動きの範囲を広げて、どのように機能を組織化してゆくのか自然に学んでゆきます。「動き」の要素を詳細に経験することにより、自分自身の全体に注意を向け、不必要なエネルギーを減らし、意図を行動に結びつける方法を学びます。行動の質が変容し、習得のプロセスがスムーズなものとなります。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

気づき(AWERENESS)について

~複数の意識を含んだ、多元的、多層的な高次の認識作用~

自分が今何をしているかを理解している

一つの事柄だけに心を占拠されない、気を取られない

実際に体験していることを、先入観なく、ありのままに見る

自分の内部あるいは外部に起きていることを、注意深く観察する

一つの対象を同一平面から見るだけでなく、立体的にも見る

「関係」や「関連」を見る

新皮質・前頭葉辺りの分野での作用(人間に特有なもの)

探求のプロセスであり、限度はない

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

FI(機能統合)

FIレッスンは徒手接触を用いた触覚及び運動感覚によるコミュニケーションといえます。どのように自分の身体を組織化してゆけば良いか伝え、やさしいタッチと動きによって、運動の機能性、効率性、巧緻性、アライメント、全体の調和を向上させてゆきます。レッスンの学びのプロセスでは、個人の領域を侵襲したり、力で変化を起こすようなことはありません。対象者がその瞬間に必要としているレッスンを構築し機能の統合を図ってゆきます。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

F.I.におけるHands On

FI(機能統合)はHands On(触手)によって行われます。Hands Onというのはもともとアレクサンダー法によって表現された用語ですが、現在ではフェルデンクライス・メソッドでもFI時のキーワードとなっています。

触覚によるフィードバック(Mirroring)はフェルデンクライス・メソッドのFIでは重要な要素であり、効果を左右します。

失われた身体感覚、定型化した動きからの脱却、動きの奥への広がり、面への広がり、幅への広がりをハンズオンによって誘導し動きを学ばせ、促す。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

F.I.におけるHands On

ハンズオンは、からだの動きを呼び覚まし、動きの質を高める、正にゴールデンハンズをPT・OTはいつも対象者の身体と向き合い修練する機会をふんだんに与えられています。

ハンズオンによって身体を意識させ感覚を高め学ばせる一助として、からだの中に自然に起こってくる柔らかで滑らかな動きの体感を促通することで、従来の手技とは異なり「軽いタッチ」に終始します。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

フェルデンクライス岡山について

フェルデンクライス岡山は、動きを通して様々な気づきを高めるフェルデンクライス・メソッドの理解と普及を目的に、PT・OTその他医療従事者に対して、レッスンやワークショップを通じて皆様の臨床に役立つ情報を提供しております。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

主な活動内容

定例ワークショップ

フェルデンクライス・メソッド®ワークショップ

F.I.ワークショップ

身のこなしセミナー

中高年向け公民館講座

学術発表、その他

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

定例ワークショップ

開催場所:岡山県倉敷市児島

対象:医療従事者

開催日時:毎月第2、4(水)

内容:ATMレッスン及びFI実習、臨床応用の実際、ケアや介護のための身のこなしなど。

2009年5月より岡山フェルデンクライス研究会として活動を開始し現在に至る。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

定例ワークショップの様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

フェルデンクライス・メソッド®ワークショップ

2009年12月より開始し、ほぼ毎月西日本各地で継続開催中。

対象:PT/OT/その他身体に興味のある方。

定員:20~30名

内容:歩行編、腰椎骨盤編、胸椎胸郭編、頭頸部肩編、呼吸顎関節編、フォームローラー編など

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

ワークショップの様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

ATMレッスンの様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

FIデモの様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

フォームローラー編の様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

ローラーを用いたデモの様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

FIワークショップ

参加者には各1時間ずつ個人レッスン(F.I.)を受けていただき、その後フィードバック(実習)を参加者全員で行います。

マンツーマンでF.I.を受けていただくことで、ご自身の身体に対する気づきを高めていただき、臨床に役立てるための様々なアイデアを体験することが出来ます。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

FIワークショップの様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

身のこなしセミナー

ケア場面に携わる私達は、目の前の対象者にとって、その場に適応した最も心地よく行いやすい身体の動かし方を提供する必要があります。そして、提供をする私達も、対象者を誘導する時に心地よく行いやすい自分の身体の動かし方があるのではないでしょうか? このセミナーでは、「 寝返り 」「 起き上がり 」「 立ち上がりと乗り移り 」それぞれの活動を通して、自分の動きと相手の動きを感じることから、心地よく行いやすい身のこなし方を、一緒に探求していきたいと考えています。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

身のこなしセミナーの様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

中高年向け公民館講座

地域の公民館の講座として開催中。(週1回、1時間半)

主に中高年の方を対象とした健康増進・介護予防を目的とする。

フェルデンクライス・メソッド®のATMレッスンを提供。

講座の卒業者は、グループ活動として継続している。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

公民館講座の様子

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

雑誌および学術発表の一例

気づきの効果-フェルデンクライス・メソッドを使ったアプローチ(月刊トレーニング・ジャーナル)

Feldenkrais Method(月刊ジャパン・フィットネス)

変形性股関節症による人工股関節全置換術患者に対してフェルデンクライス・メソッドを用いた一症例

慢性腰痛患者に対するマネジメント

膝前十字靭帯再建術後の高校サッカー競技選手に対する競技復帰に向けた取り組み

サッカーにおけるスポーツ外傷予防プログラム導入の効果

脳卒中片麻痺患者に対してフェルデンクライス・メソッドを用いた一症例

在宅介護者に対するフェルデンクライス・メソッド

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

歯科との連携による顎関節症教室

フェルデンクライス・メソッド®の顎関節に対するレッスンを導入。

歯科医師、歯科衛生士などと連携しながら顎関節症教室を開催。

コルクなどを用いたレッスンなど、自宅でも気軽に行える内容。

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

日本通所ケア研究大会での講演

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

北海道および九州の病院から依頼をうけたワークショップ

Takayuki Morichika 《 Feldenkrais OKAYAMA 》

“Through the first years of life, we organize

our entire system in a direction which will

forever after guide us in that direction.

We end up being restricted, we don’t do

music, we don’t do other things.

What is more important, we find ourselves

capable of doing only those things that we

already know”

- Moshe Feldenkrais, San Francisco 1977