ヨーロッパにおける「大航海時代」の結果・影響 補助資料2 · 2009-01-14 ·...
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ヨーロッパにおける「大航海時代」の結果・影響 補助資料2「大航海時代」
「大航海時代」の背景ポルトガルのアジア進出
各国の中央集権化 ポルトガルの植民地経営の柱は「胡椒と魂」
地中海商業の発達アジア物産の直接交易
(15C:香辛料による貿易利益) スペインの「新大陸」経営「世界の記述」など コロンブス,マゼラン,コルテス,ピサロ造船,航海技術の進歩 →貴金属の獲得・サトウキビ栽培
1「世界の一体化」
16C以前孤立した歴史
インドの歴史 16C以降 20世紀イランの歴史 ヨーロッパが3Aを支配 半ばまで中央アジアの歴史 する構造の中で有機的関連ヨーロッパの歴史
ヨーロッパ人はアジアやアメリカ大陸
に向かう航路をひらき,これらの地域
に積極的進出しました。やがて世界は
ヨーロッパがアジアやアメリカ大陸を
支配する形で,一つに結びついていっ
たのです。(中学校教科書:帝国書院)
シルク=ロードを通じた貿易は「世界商業」 といえるのか?
具体的には…「世界商業」が成立
世界が恒常的交易関係に入る
18世紀半ばまでの世界貿易
(茶,陶磁器,絹)
(毛織物) (香料)
新大陸 ヨーロッパ アジア(インド・中国)
(銀) ( 銀 )
2 貿易の中心が地中海から大西洋岸の都市へ
…「(商業革命)」
※ 「大航海時代」で活躍したイベリア半島の諸港の繁栄(exセビリア,リスボン)
地中海貿易(東方貿易)で繁栄した北イタリア諸都市の没落→(イタリア=ルネサンスの没落の一因)
3 ヨーロッパ封建制の崩壊
新大陸からの ヨ ー ロ ッ パ の (定額の貨幣地代)を 領主の財政
銀の大量流入 インフレ 3倍 領主に支払っていた農 窮迫を招く
民の負担軽減
ex,ポトシ銀山 現象(価格革命)
なぜ価格革命が領主の没落を招いたのか?説明しなさい。
教師作成ポスター1
ポルトガルは中国や日本とどのよ イエズス会など布教への支援
うな貿易を行ったのでしょうか?
高校世界史教科書
ポルトガルの植民地経営の柱は「胡椒と魂」(国家的事業)
高校日本史教科書 中学社会科教科書
マラッカを拠点に西はトルコから東は琉球・中国にいたる交易ルートに参入→アジアの諸商人に触発 銀山の開発は,朝鮮から新しい→香料獲得以外の商品の獲得 技術が伝わり,日本の銀が爆発
的に増産され,日本:1533以降石見銀山,佐渡・生野銀山の開発 世界の銀産出高の3分の1
(中学校教科書:帝国書院)
もともと日本の輸出鉱物は銅であり,銀は,むしろ輸入品であり,石見銀山に朝鮮から精錬技術の導入後増産された(高校日本史山川出版)
中高教科書豊後府内・長崎などキリシタン ポルトガル・スペイン人平戸や長崎な
大名量の湊町や,平戸・鹿児島 南 蛮 貿 易 どに来航するようになり,輸入品は,・坊津など九州の湊では,当時 生糸や絹織物,中国産の物品が中心,南蛮人とポルトガル・スペイン 鉄砲,火薬,毛織物,時計,ガラス製人との交易(南蛮貿易)が盛ん 品などヨーロッパの品物,輸出品は銀におこなわれた。中国人・琉球 (中学校教科書:東京書籍)人貿易商との交易を含めた当時 明 日本
の主な輸入品は,鉄砲・火薬を 南蛮文化の形成はじめ中国の生糸など,日本からは大量の銀を輸出
(高校日本史山川出版) 中国産:生糸・絹織物
日本産の銀 火薬・鉄砲
ポルトガル(マカオ),スペイン(マニラ)
「銀でつながる世界」
日本銀が世界市場を揺るがす影響力
教師作成ポスター2
スペイン人が持込んだサトウキビ栽培と天然痘が「新大陸」の人たちにどのような影響をあたえたのでしょうか?
サトウキビの原産地・インド→北アフリカ→十字軍→ヨーロッパ(スペイン)へ温暖な気候
コロンブス 第1回:1492年→金・銀・香料なし第2回:1493年(17隻1500人の乗組員)
→エスパニョーラ(ハイチ)島征服,支配→サトウキビ
の苗を持込み,サトウキビ栽培開始(理由:金・銀・香料なし)
※エスパニョーラ(ハイチ)島の砂糖生産は拡大→強制的労働→人口の激減
製糖工場エスパニョーラ(ハイチ)島のインディオ人口の変化
1492年 25万000人1508年 6万000人1560年 500人以下
『岩波講座世界の歴史 第16巻近代3』より
サトウキビ栽培作付け・施肥・除草・収穫は過酷な作業工場での製糖作業は,農園での仕事以上に過酷で危険
現在の西インド諸島(キューバ・ハイチ)インディオ絶滅し,黒人の居住する世界)
スペイン人が持ち込んだ天然痘・ジフテリア・チフス
→インディオ人口の激減→黒人奴隷の使用(奴隷貿易)
奴隷貿易は1713年からスペイン→イギリスへ(三角貿易)(イギリス:17世紀ころから飲茶の習慣はじまる)
西インド諸島・ブラジル (砂糖・タバコ・綿花) ヨーロッパ砂糖プランテーション (イギリス:リバプール)
奴隷貿易の中継地
(奴隷) (綿布・鉄砲・鉄棒など)
西アフリカ
教師作成ポスター3(高校詳説世界史山川出版)
スペイン人のコルテスとピサロが破壊したアステカ文明やインカ文明はどのような文明でしょうか?
1 アステカ文明やインカ文明の位置を確認しよう。
2 アステカ文明の特色
・ピラミッド型神殿・絵文字
※アステカ族は太陽を神格化した。そして,神が十分な力を保ちアステカ族を守ってくれるためには,人間のいけにえが必要と考えた。彼らは,毎日多くの奴隷や戦争で捉えた敵兵の心臓と血を神に捧げた。
3 インカ文明の特色
・ピラミッド型神殿・文字なし→結縄(キープ)キープ:文字ではなく,色によ
り内容,結び目により,数量を表す
・国王(インカ)は太陽の化身(古代エジプト文明と類似)
・石造建築に優れるインカの石積マチュ=ピチュの遺跡
・灌漑施設を利用した農業
4 アステカ文明やインカ文明の共通点
①トウモロコシ・ジャガイモを栽培する集約農業(灌漑農業)②リャマ・アルパカなどの小型家畜を飼育(牛・馬・ラクダなどの大型家畜はいない)
③太陽信仰を中心にする神権政治④高度の石造技術(神殿など)⑤金・銀・青銅器(青銅器は南アメリカのみ)は利用されたが,鉄器は知らない⑥車輪はない
アステカ文明(アステカ族)メキシコ~パナマ:14世紀~1521年都テノチティトラン
インカ文明(ケチュア族)エクアドル~チリ1201年~1533年都クスコ
赤道
アメリカ大陸からもたらされたものは…? (NEW STAGE 世界史詳覧 浜島書店)
1 梅毒(ハイチの風土病)コロンブス→ヨーロッパ→イタリア戦争・ルネサンスの風紀のみだれで拡大→ヨーロッパ全体へ→バスコ=ダ=ガマの航海→インドへ(1498年)→インドから東南アジアへ→南方で活躍した倭寇→日本へ
2 タバコ(煙草)
第1段階:インディオの喫煙 宗教儀礼・呪術,精霊との交わり,病気の治療
第2段階:コロンブスによる導入と世界への普及●当初は薬その後多様な吸い方…キセル・噛みタバコ・葉巻き・パイプ●中米,北米でタバコのプランテーションの拡大(奴隷貿易の推進)
第3段階:タバコの資本主義(大量生産)●19 C後半 紙巻きタバコ機械生産→巨大タバコ産業・国の専売化
第4段階:禁煙運動の展開(1970年~)●先進国での嫌煙・禁煙→第三世界への輸出増加
3 トウモロコシ(玉蜀黍)●前2000年頃メキシコで栽培化→コロンブス→ヨーロッパ●日本には16世紀後半に伝来
4 カボチャ(南瓜)●メキシコ産●ポルトガル人がカンボジアから日本に伝えた
5 トマト●メキシコ産●ポルトガル人がカンボジアから日本に伝えた
6 とうがらし(唐辛子)●メキシコ産●コロンブスにより伝来し,インド・東南アジア・日本・朝鮮に伝わった。
7 カカオ●熱帯アメリカ原産●ヨーロッパに伝来し,18世紀にはココアやチョコレートとして上流階級の飲料と
なった。●19世紀アフリカでプランテーション竿倍された。
8 七面鳥(turkey)●メキシコ原産●16世紀スペイン人によりヨーロッパへ伝来。英語でターキー(トルコ)と呼び,
クリスマスに食肉として用いる。
教師作成ポスター4
ポルトガル進出以前の東南アジアにおける琉球王国の役割は…?
ポルトガル進出以前の琉球王国と東南アジア(中学校社会科:帝国書院)
朝貢明 14Cから
琉球王国 衰朝鮮 国際交易 その後の琉球王国は?
の架け橋 退
東南アジア 16C半ばから
ポルトガルアジア進出
海をこえた交流 (中学校社会科:帝国書院)
●琉球(沖縄県)の島々は,10世紀に農耕社会となり,15世紀には,尚氏を中心に首里(現在の那覇市の一部)を都とした琉球王国が成立。(奄美大島から八重山列島に及ぶ地域がその領域)
●以前から,琉球は東シナ海を舞台に独自の交易活動を行っきた。14世紀末に明(中国)を中心とする国際関係(朝貢貿易)に加わった琉球は,日本・朝鮮・東南アジアの国々との中継ぎ貿易をさかんにすすめ,アジアを結ぶ国際交流のかけ橋となっていきました。
●琉球の船は,中国南部の福州や朝鮮の釜山をはじめ,シャム(タイ)・安南(ベトナム)・マラッカ・スマトラなどの港へたち寄って,生糸・絹織物・陶磁器などを転売し,南方産のめずらしい香辛料や象牙などを輸入しました。また,日本の坊津(鹿児島県)・博多・兵庫・堺の商人たちも,琉球へやってくるようになりました。こうした海外貿易によって琉球王国は繁栄し,独自の文化を築きあげました。
●しかし,16世紀半ばになると,明の商人が東南アジアヘさかんに進出するようになり,ポルトガル商人の活動も活発にな
りました。その影響を受けて,6世紀後半になると,琉球の活動進貢船(模型) はおとろえていきました。
みつぎものをもって,琉球から中国へわたった船です。実物は,全長40mをこえました。はじめは明から 支給されていました。(中学校社会科:帝国書院)
教師作成ポスター5
日本の「鎖国」政策の背景とその影響はどのようなことがありますか?
(中学校社会科:帝国書院)
新日本史(山川出版)・明から「琉球国中山王」 琉球王国 衰
として冊封された。 国際交易 その後の琉球王国は?・朝鮮から日本ではまだ生 の架け橋 退
産できなかった木綿が大量に輸入され 日本の衣 16C半ばから 琉球王国,山梨の養蚕・製糸
生活に大きな変化をもた 業のポスターセッションへ
らした。
ポルトガルアジア進出
(中学校社会科 新日本史(山川出版):帝国書院) ・中国産生糸の取引で利益を独占していたポルトガル商人に対し
日 本 て,幕府は長崎で,1604年糸割符制を始めた。これによってポ「鎖国」政策 ルトガル商人には打撃をうけた。これにより,幕府は外交と貿易禁教・貿易統制 の統制をおこなう。1637から38年島原・天草一揆。39年ポルか ら , 幕 府 の トガル船の来航禁止。幕府は,日本人の海外渡航とスペイン・ポ
外交政策: 四つ ルトガル船渡来を禁止し,唯一の開港地にオランダと中国商船のの窓口 渡来の許可。国内産の銀産出の減少のため,幕府は1668年銀出
を禁止,銅と海産物中心とする。
「鎖国」政策の影響は…?
中学校社会科:(帝国書院) 新日本史(山川出版)※戦国期から近世初頭にかけて発達した築城
「鎖国」期の江戸時代の農村 技術や鉱山技術のが利用され,大規模な治水や用水路造成が可能となり,「大開発時代」
・木綿・生糸の作物自給 ともいわれる。生糸は,貿易の中心であた輸
→商品作物の栽培 入生糸を17C末には圧倒し,幕末の開港以降の代表的輸出品となる基礎がつくられ
・各地に特産物の登場 た。
「大航海時代」の前後の状況(高校:詳説世界史山川出版)
国土回復 対立 イスラム世界 モンゴル帝国によるユ運動 ーラシア大陸支配
支配者聖ヨハネ の東方の 航海技術国の発見 冨に対 の発達 オスマン帝国 マルコ=ポーロ 東西交易の
する 地中海支配 「東方見聞録」 活発化欲求
インドとの直接交易の要求増大(ジェノバ人のスペイン・ポルトガル移住)
ヨーロッパ人のインド航路と「新大陸」の発見
いわゆる「大航海時代」
商業革命 価格革命 ヨーロッパ中心の「世界の一体化」開始→「新大陸」の従属化
ジャガイモ・ト 1 北イタリア・南ドイツ都ウ モ ロ コ シ ・ サ 市の衰退ツ マ イ モ ・ タ バ 2 封建勢力の没落と新興市コなど流入 民層の台頭(「旧世界」の変化)
スペイン・ポルトガルの繁栄