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４日目午前（フランクルの生家・プラター公園・フロイト博物館）

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写真：フランクルの生家、プラター公園

【フランクルの生家】

ホテルから地下鉄を乗り継いでネストロイプラッツ（Nestroyplatz）駅で下車して、地上に上がり、大きな道路を渡

ると、そこがチェルニンガッセ（Czerningasse）入り口でした。プラータ公園のある方角へ歩いてまもなくの右側の

大きなアパート、そこがフランクルの生家でした。玄関の銘板には「神経科・精神科医フランクルの生家　強制収

容所に行くまでこの家で暮らし、仕事をした」と書かれています。その足元の道路には「ユダヤ人の医師たちアウ

シュビッツへ」と刻まれた銘板が、戻れなかった医師たちの名前と共に埋め込まれており、不幸な歴史は真実とし

て、今も消えることはないことを物語っています。

チェルニンガッセの通りをはさんで、フランクルの生家のまん前にはアルフレッド・アドラーが住んでいた家もあり

ました。

フランクルの生家をしみじみ見渡していると、想像はフランクルの幼少時代にタイムスリップし、プラータ公園へ走

り出すビクトール少年を呼ぶお母さんの声が聞こえそうな気がします。

【プラータ公園】

チェルニンガッセを下ってまもなく大きな観覧車が見えてきました。あの有名な映画“第三の男”の舞台となったプ

ラータ公園の入り口近くにある観覧車です。十数分かけて３０台のゴンドラ（一台２０人乗りのかなり大きなも

の）がぐるりと一回りします。最高で地上６４メートルの高さになるとか。観覧車には全員が乗ったのですが、この

日もお天気が良くウイーンの街や遠くの森、丘を一望することができました。

観覧車の後は、三々五々、それぞれに遊園地内をめぐったり、リリプットバーンと呼ばれる小さな列車に乗って公

園内をめぐったり、アイスを食べたり。私たちはプラタナスの並木道を歩き、園内に茂る木々の間を散策しなが

ら、近くで遊ぶ子どもたちの姿を見ては、フランクルの子ども時代を想像し、当時のウイーンの人々の暮らしに思

いを馳せておりました。

【フロイト博物館】

プラータから、さらに地下鉄と市電を乗り継いで、ショッテントーア（Schottentor）という駅で降りました。ここはウイ

ーン大学のキャンパス前になります。ここから二班に別れ、興味のある人たちはフロイト博物館まで足を延ばしま

した。途中、中島さんが「フランクルが唯一回フロイトと直接話したのがこの辺りです」と解説してくださいまし

た（「見てきたようなことを言いますが、赤坂訳本に書いてあったことです」…とはご本人の弁です）。1925年冬と

言われるその邂逅のシーンを想像しながら、私たちもベルグ通り（Bergstr.）を歩きました。フロイトが住み、現在

博物館となっているその重々しい建物には「精神分析の創始者、S.Freudが1891から1932までここに住み仕事を

していました」という大きな銘版が掛けられていました。中には、フロイトの書籍、写真、使用していた文具類など

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も展示してあり、直筆の手紙を目近にみたときには、あの巨大なフロイトがぐっと身近に感じられました。カウチの

部屋というのもあって、もちろん現代のモダンでシンプルなカウチでしたが、ちょっと座ってみると、フロイト先生に

相談するクライエントになったような不思議な気持ちになりました。

（Y.N. & M.M.記）

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