学校をデザインするプロジェクト(後編) · そのチーム が、どんな ......
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2014年9月14日O.:.
子ども×バリバラ
学校をデザインするプロジェクト(後編)
はるな愛:はーい、バリアフリーバラエティ「バリバラ R」の時間です。パーソナリティのはるな愛です。
よろしくピース。「バリバラ R」は、E テレで放送している障害者情報バラエティ「バリバラ」のラジ
オバージョンです。先週と今週の「バリバラR」は、子どもスペシャルです!イエーイ!(拍手)
「学校をデザインするプロジェクト」と題しまして、今日は、その後編をお送りします。
ゲストには先週に引き続き、中学1年生のまっちゃん、そして同じく中学1年生のティラ君、
小学3年生のまりあちゃんにお越しいただきました。よろしくお願いします!
まっちゃん・ティラ・まりあ:よろしくお願いします。
はるな愛:そして、取材をした鈴木伸治(すずき・しんじ)ディレクターとともに進めていきたいと思います。
よろしくお願いします。
鈴木D :よろしくお願いします。2週にわたってお送りしている「学校をデザインするプロジェクト」なんで
すけど、今まで学校で当たり前だったルールをもう一度考え直してみてですね、誰にとってもバリア
のない楽しい学校にするために、子どもたちがアイデアを出し合って、自分たちでデザインしてみよ
ういうものです。
はるな愛:前回の「前編」も小学校を見てまわって「目から鱗」のアイデアとかね、意見があって。
鈴木D :今回参加してくれたのは、障害がある子どもたち、そして、タレントの春名風花(はるな・ふうか)
ちゃんとソーズビー航洋(こうよう)くんを含めた12人の小・中学生なんですけど、今日来てくれ
ているまりあちゃん、まっちゃん、ティラくんの3人は、発達障害がありますが、他に、知的障害や
脳性まひ、視覚障害、ダウン症など、様々な障害のある子どもたちが集まってくれたんです。
鈴木D :どんなこと(バリア)が前回見つかったのか、先週の様子をちょっと振り返ってみましょう。
スタジオ出演 ◆まっちゃん・・・・・・・中学1年生 /発達障害
ティラくん・・・・・・・中学1年生/発達障害
まりあちゃん・・・・・・小学3年生/発達障害
鈴木 伸治(すずき・しんじ)・・・・・・NHKディレクター
ナレーション ◆神戸 浩(かんべ・ひろし)・・・・・・・俳優
ナレーション ◆神戸 浩(かんべ・ひろし)・・・ ・・俳優
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録音① <先週の振り返り>
ナレ) 普段、当たり前と思われている学校の設備には、障害のある子ども達にとっては、バリアがいっ
ぱい。例えば、学校のトイレといえば、和式が当たり前だが・・・。
(女子トイレ)
るりっぴ:和式を全部様式に変えたい。しゃがむのがいや!
ナレ) 黒板は緑色!が当たり前。でも。
カーリー:(黒板が)緑だと見にくいから、ホワイトボードやったら線とかで分かりやすい。
ナレ) もちろん階段だって当たり前だが・・・。
あすか :どこからが階段か分からなくなる。
ナレ) 前回、学校で発見した数々のバリア。それらを解決するため自由なアイデアを持ち寄り、
みんなで学校をデザインし直す。
はるな愛:みんながいろんなところに気づいていましたけどね。
鈴木D :そうですね。後編では、前回見つけた学校で困ったこと、SOSを解決するための道具やルールを・・・
はるな愛:道具やルール?
鈴木D :解決する夢の道具だったりとか、こんなルールだったら、いいんじゃないか、学校が楽しくなるんじ
ゃないか、みたいなことをみんなで考えていったんですね。12人がいろんなSOSを前回出し合っ
たんですけど、その中で、似たテーマを選んだ子どもたちが集まって、4つのグル―プを作ったんで
す。まず1つ目のチームなんですけど、学校の設備にSOSを感じていた「カラフル・アニマルバー
ド」っていうチーム名の4人のチームですね。そのチームが、どんなアイデアを考えたのか、録音を
お聞きください。
録音② <チーム「カラフル・アニマルバード」>
ナレ)メンバーは、廊下や階段など学校の設備にバリアを感じていた4人だ。
脳性まひのあすかちゃん(小4)にとって階段は、最大のバリアだ。
前回、ステップ1で、みんなのこうしたSOSを集めた。
あすか :階段が一段ずつ色が違うと分かりやすい。
ナレ) 同じ色が続く階段は、段差がわかりにくくて危ないのだ。
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カーリー(発達障害・小5)がSOSを出したのは、黒板。
カーリー:黒板をノートに写すのが苦手で、書こうとした時にもう忘れちゃって、
もう1回見て書こうとしたらまた忘れちゃっての繰り返しで。
ナレ) 結局ノートに写す前に、黒板の文字を消されてしまうのだ。
ズビー :はるなちゃんは?こんな学校に私はしたいって(ある)?
はるな :廊下を走らへん学校。
ナレ) はるなちゃん(全盲・小3)のSOSは廊下。目が見えないため、ほかの生徒が走ってくると、
ぶつかりそうで怖いという。
そして今回は、ステップ2。
みんなのSOSを解決するアイデアを考えていく。
教室には工作の素材や道具がたくさん。これを使ってアイデアを具体的な形にしていこう!
ズビー :何かロボットを作りたくて。でも形が分からないから、どんな物にしようかと思ったんですけど。
ナレ) ズビーが考えたのは、「まる」という丸形ロボット。
みんなのSOSを解決してくれるらしい。それを見たあすかちゃんは?
あすか :「まる」をいつも使いたい。
ズビー :廊下にいる「まる」、教室にいる「まる」。いろんな機能を持っている「まる」がいるのはどうか
な?
ナレ) 「まる」は、どうやってSOSを解決してくれるのか?4人で形にしたアイデアを発表する!
ズビー :いろんな所に「まる」がいて学校を守ってくれる感じで、4 人の願望を全部築き上げたものです。
ナレ) みんなが作ったのは、学校の模型(ブロックで作る)。
教室にいるのは「教室まる」。
(4コマのイラストで説明)
ズビー : 例えば、この女の子が、先生がせっかく書いてくれた文字が見えないなって思って、そんな女の
子を見た「まる」が気付いて、このスクリーンを映し出します。
このスクリーンに、目から黒板の様子を映して、この女の子はノートが取れると。
ナレ) 「階段まる」は、階段に色を投影し、見やすくしてくれる。
「廊下まる」は、走る子がいると立ちふさがって注意してくれるという。
夢のロボット「まる」は、どんなSOSも解決してくれる!
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はるな愛 :うーん。「まる」、いいなあ。
まっちゃん:ほしい。
はるな愛 :ほしい?
まっちゃん:っていうか、作れるんじゃないのかなーとは。
鈴木D :(笑)
はるな :(笑)「まる」、作れる?
鈴木D :「廊下まる」とかどうでした?
はるな愛 :「廊下まる」・・・走らないように?
鈴木D :そうですね。走る子がいると、立ちふさがって、注意してくれて・・・
はるな愛 :確かに。
まっちゃん:「廊下まる」は、蹴飛ばしそうですけどね。
は・鈴 :(笑)
まっちゃん:それは、ちょっと今思いましたね(笑)。
はるな愛 :でも、ちょっと走ってる子たちに、センサーで知らせて「走ったらいけないよ」っていう警告音。
まっちゃん:警報・・というかそんな感じの音を。
はるな愛 :そう。それ聞いてわかるからいいかもね。
鈴木D :ちなみに、ここに至るまでにも、いろんなアイデアが実は出てたんですけども、その中では例え
ばですね、「廊下を走らなかったら、宿題を減らしてくれる」っていうのもありましたし、可愛ら
しかったのが、「動物がもらえる」っていうのがあったんですね。
はるな愛 :え、どういうこと?
鈴木D :廊下とかを走らなかったら、白馬がもらえて・・・(笑)
はるな愛 :(笑)メルヘン。
鈴木D :それで面白かったのが、要は、白馬を学校で飼っておいて、それを引っ張って廊下を歩くと楽し
いし、自分も走らない。
はるな愛 :散歩にも出れるし。
鈴木D :そうですね。
はるな愛 :これすごいのがね、自由な発想で、ほんとうに夢だから、夢をみんなで意見を出し合うのが、「あ
ーこんなこと考えてたんだ」ってお互いも見れるよね。
鈴木D :何かのきっかけになればっていうのと、そういうアイデアがあって、最後「まる」っていう、ち
ょっとあり得るかも、っていうものの考えに至ったんで。
はるな愛 :「まる」作るの、結構具体的にどう?
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まっちゃん:具体的にいうと、あとは、プロジェクターをなんとか小さくして、カメラはかなり小さい物も今
出回ってるし、あとは、安いコンピューターも出回ってるし、問題はバッテリーやね。
はるな愛 :なんか、まっちゃんに任せたら出来そうよ、これ。
鈴木D :そうなんです。だから僕も出来そうかなと思うんですけど(笑)。
まっちゃん:プログラミングの技術はないですけど。
はるな愛 :まりあちゃん、どう?「まる」は?
まりあ :「まる」・・・いいと思う。
はるな愛 :いいよねー。この「まる」っていう球体の形が、いろんな可能性を秘めてる感じはすごいします
よね。面白い、「カラフル・アニマルバード」のチーム。じゃあ、続いてのチームは?
まりあ :楽しく学校に行ける服を考える「スクールガール・おしゃれっ子」、録音を聞いてください!
録音③<チーム「スクールガール・おしゃれっ子」>
ナレ) はるかぜちゃんとまりあちゃんが考えるのは、学校に行くときの服装について。
まりあ:着たくない服を無理矢理着させられたら自分の心が痛んじゃうし、もう(学校に)行きたくないって
なっちゃうから。
ナレ) 実は、まりあちゃん(小3)、性別に違和感を感じている。
本当は女の子の服で学校に行きたいが、ズボンをはいて通学している。青色のランドセルも嫌い。
まりあ:男っぽい。嫌や。(ズボンは)赤いけど絶対嫌だ。スカートの方がいい。
ナレ) じゃあ、好きな服で行けばよさそうだが、そう出来ない理由がある。
まりあ:多くの人に言われるかもしれないから。多くの人に。
「キモい」とか「こっちに来んといて」とか。仲間はずれとか。
ナレ) 私服の今でさえ、辛い思いをしながら学校に通っているまりあちゃん。
今後、中学生になると、多くの場合、決められた制服を着なければならない。
まりあ:私たちは、服をつくりました。
春風 :ちゃんとした制服があるんじゃなくて、こういうシンボルマークがどこかについていれば OKという。
ナレ) シンボルマークをつけることで、見事、制服のバリアを解決!
さらに2人は、こんなアイデアも考えていた。
春風 :ネームプレート、ここに本名ではなく、自分のニックネームを書きます。
まりあ:本名よりもニックネームの方が、自分の気持ちがちゃんと人に伝わるから。
春風 :自分の名前にコンプレックスを感じている人もいたりするのではないかな~と思ったので、
自分の好きな名前で自己紹介できた方がいいのかなと思いました。
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はるな愛 :んー、なるほど。すごいいいアイデア。どうだった?まりあちゃん。
まりあ :よかった。
はるな愛 :ほんと?こうやってみんなで考えてみて、自分の中で気持ちの変化ってあった?
まりあ :うん。なんか自分って、こんな考えられるんやって。
は・鈴 :(笑)
鈴木D :すごい考えてたもんね。
はるな愛 :あーそう。シンボルマークも可愛くて、これ、気に入ってる?ネコちゃんの。
まりあ :うん。ネコのシンボルマークは、はるかぜちゃんが考えて、マークっていうのは自分で考えたけど。
鈴木D :マークさえあれば、制服っていう決まったものがなくても、そのマークさえつけていれば、それが
制服のかわりになるっていうアイデア。
はるな愛 :なるほど。そこのマークだけはみんな統一するけども、個性を出していきたい。
まりあちゃんって、ちなみにニックネームだよね。どう?本名よりニックネームのほうが自分らし
いとか気持ちが伝わるとかある?
まりあ :やっぱ、ニックネームのほうが、自分らしさが出て、人にもよく伝わると自分でも思う。
はるな愛 :あ~。私も、賢示(けんじ)ていう本名じゃん。大西賢示って、めっちゃ男らしいじゃん。小学校
の時は、賢示の「け」をとって、「けー」って呼んでもらってたほうが、なんかよかった。「けんち
ゃん」って言われるの、すごいいやだったもん。だから、このニックネームっていうのは、確かに
なあ、この制度あったら嬉しい・・・ね、男の子たちもそうでしょ?
まっちゃん:はい。
ティラ :そうやな。
まっちゃん:やっぱり実名で呼び合うっていうのがね、やっぱりなんか・・あとどうしても僕、名前が覚えられ
ないんですよ。
はるな愛 :あーそっか。
鈴木D :あー
まっちゃん:みんなの名前が覚えられないというか、顔と名前が一致しない。みんなは多分、顔と名前が一つの
情報として残ってるけど、僕は、顔と名前が別々の情報で残ってるから、どうしても一致しないっ
ていうのはありますね。
はるな愛 :なるほどね。
鈴木D :ちなみに、はるなさん、服装の問題とかで、まりあちゃん、周りからちょっと心ないこと言われ
たりすることもあるみたいですけど、なんかあります?まりあちゃんに。
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はるな愛 :まりあちゃんは、でもやっぱり自分らしくいってほしいと思います。前編の時に聞いた時に、ま
りあちゃんの言葉からね、「これから、いろんなこと言われるかもしれない」っていう言葉を聞
いたとき、私、ぐっときて、これからいろんなこと言われることまで想像してるんだって思った
し、私も小学校の時、そんなことばっかり想像してたの。ほんとの女の子にはなれないから、こ
ういうこともあって、こういうこともあるんだなーっていうこと。だから、そういうことまで計
算してるじゃん、やっぱり私たちね。でも、楽しい時間やっぱり増えないと人生一度きりだから、
やっぱり自分 らしい自分のアピール、表現できる格好で行ってほしい。ね。
まりあ :うん。
はるな愛 :大丈夫?
まりあ :大丈夫。
鈴木D :こういう場所にこうして出てくるだけでもすごいですよね。
はるな愛 :ほんと嬉しいですよ。みんなにこうやって言ってくれるのもね。
♪インターミッション
はるな愛 :はるな愛の「バリバラR」。今日は、中学1年生のまっちゃんとティラくん、小学3年生のまりあ
ちゃん、そして、鈴木ディレクターと共にお送りしています。ということで、「学校で困ったこと
を解決するためのデザインを考えるプロジェクト」。さあ、3つめのチームの発表、お願いします!
まっちゃん&ティラ:ぼくたちと、もう1人タカトラ君の3人のチーム「オーバーロード」です。
はるな愛 :あ、タカトラくん、こないだちょっとケンカしたという。
まっちゃん:あれですね、はい。
鈴木D :ケンカして仲直りしたタカトラくん。
まっちゃん:そこ重要です、そこ。
はるな愛 :そこ重要よね。なんで「オーバーロード」なの?
ティラ :えっと、ゲームオーバーして、1回終わったけど、ロードで、もっかいやり直す、みたいな。
はるな愛 :なるほど(笑)。じゃあ、まさにタカトラくんと1回ケンカしたけど、もう1回やり直して3人で
チーム作ったみたいな?
まっちゃん:まあ、そんなことですね、はい。
はるな愛 :おお!でもこの3人のチーム「オーバーロード」は、どういうこと考えたんですかね?
まっちゃん:ぼくたちの理想の落ちつける場所について考えました。
はるな愛 :じゃあ、早速録音聞こうか。ふってください。
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まっちゃん&ティラ:ぼくたちのチーム「オーバーロード」、録音を聞いてください。
録音④<チーム「オーバーロード」>
ナレ) まっちゃんは感覚過敏。いろいろな音に囲まれていると疲れてしまう。
落ち着くために、雑音を消してくれるヘッドホンが欠かせない。
一方、ティラは、感情のコントロールが苦手。
ティラ :うっさい。うるさいんじゃ!さっきから。
ナレ) ティらもまた、1人になって感情を落ち着かせる空間が欠かせないのだ。
そこで、彼らが落ち着けるためのダンボールハウスと呼ばれる、小さなシェルターを用意した。
(白い段ボールで出来ている)
まっちゃん:これ落ち着きますよね。
まっちゃん&ティラ:落ち着くよな、これ。絶対楽しい。
ナレ) 彼らは、教室に自分専用のシェルターがあればいいと考えた。でも、1つ問題が・・・
ティラ: なんかめっちゃ目立つ気がする。
まっちゃん:目立つから行きにくいです。
(3人でシェルターに入る)
ナレ) シェルターに入ると落ち着くけど、クラスメートの目も気になるよね。
そしてこのチームのもう1つの SOSが「友だちがほしい」ということ。
ティラは、友だちの作り方が分からず悩んでいる。
悩んでいるのはタカトラ(発達障害・小5)も一緒。ふざけすぎてしまうキャラクターで、周り
の反感を買ってしま うことがしばしばある。
タカトラ :3回くらい(友達から)いじめを受けた。友達どうしで仲よくした方がいいと思う。
ナレ) どうすれば友達ができるのか、なにやら、ダンボールハウスをもう1つ作り始めた。
そして、2つをドッキング。一体どうして?
ティラ :友達になるねんな。これとこれをつなげて。嫌いな人とはつながないから、
いい人とやったらつなぐから、つないだら友だちになるみたいな。
タカトラ :最高のアイデアだ!
ティラ :いや、最高のアイデアじゃなくて、わかってるか?(笑)
ナレ) 段ボールハウスのアイデアを発表!(拍手)
まっちゃん:中見ていって下さい。
まりあ :すごーい、なんか居心地いいね。
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ナレ) 壁には、黒板が映し出されるモニターを設置。
授業が受けられるように、机も作った。
はるな愛 :ほー、すごくしっかりした段ボールハウスやね。
まっちゃん:しっかりしてるって言われると、ちょっと怪しいです。
はるな愛 :最初は、ちょっと目立つって言ってたけど、どう?この段ボールハウス。
まっちゃん:どっちにしろやっぱり目立つ。しかも2機つながって、なおさら目立つようになってるからなあ。
はるな愛 :ティラ君がいい、っていったのよね、このアイデア。どう?
ティラ :やっぱりあの、怒ったときには入りにくい。怒ったら・・・
まっちゃん:物を壊したくなる。だから、そういうような壊せる家がほしい。
ティラ :そう。壊しても元どおりになるような、やつがほしい。
まっちゃん:だから、フレームの真ん中に、バネかなんかがはいってて、踏んでも外の外観の板みたいなのは壊
れるけど、あとは壊れないっていうので・・・。
はるな愛 :なるほどなあ。私、ティラ君の、「いい人やったらつなぐけど、嫌いな人はつながない」って・・・。
ティラ :つなぐ気にならんな。
まっちゃん:ならんな、あれは。
はるな愛 :わからんよ。向こうも友達ほしい、ティラ君みたいな気持の子かもしれんよ。てみたいって。
ティラ :でもやっぱり今考えてみると、こいつと「つなごう」って(ぼくが)言ったとしたら、(相手は、
ぼくが)キレたときを知ってるから、 「いやや」って言ったら怒られると思うから、(ぼくが)「つ
なごう」って言ったら、絶対つなぐと思う。だから、「今は無理」みたいなこと言われへん、絶対。・・・
絶対かどうかわからんけど。
はるな愛 :なるほどなー。
でも、段ボールハウスって、落ちつく場所なんだ、みんなにとって。
まっちゃん:あの中で、実をいうと、お弁当食べてました。ロケ弁を。
はるな愛 :あ、そうなの?この日も?
鈴木D :1人になりたいあそこのスペースに3人で入って、一緒にみんなで狭い中でご飯を食べてたんです
よね。
まっちゃん:実をいうとあれ、2軒入ってて、中はつながってるかと思ったら、ちゃんと向こうのほうに出せる
壁が入ってて、それを閉めたら一人用のスペースになるし、開けば、ギリ3人入れるスペースにな
る。
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はるな愛 :じゃあ、こういうさあ、シェルターみたいなのがあれば、学校に行きたくなる?どう?ティラ君な
んかは。
ティラ :行きたくなりは、せーへんと思うけど、
はるな愛 :行きやすくなる?
ティラ :行きやすくはなると思う。
はるな愛 :あ、そう。
まっちゃん:やっぱり安心できるよね。そういうのがあると。
鈴木D :安心するというか、助かる人はいっぱいいると思う。
まっちゃん:安心するというか、助かる人はいっぱいいると思う。
鈴木D :あー、そうなんだ、やっぱそうなんですね。そういうことが分かっただけでもいいな。
まっちゃん:これで、みんな学校に秘密基地が作りたかったのも作れますよ、これで。
鈴木D :(笑)
はるな愛 :あー、なつかしい、ありましたよね、そういうの。
ティラ :秘密じゃないけど。
まっちゃん:ばればれやけど、みんな秘密のようなものやん、中見えへんし。
はるな愛 :確かに。いやあ、ちょっとね、いろいろ夢が広がって、話つきないですけど、
最後のチーム、お願いします。
鈴木D :最後は、「ガールズチーム」です。女の子3人がですね、楽しく夢のある学校を考えたらしいんで
すね。では、録音をどうぞ。
録音⑤ <チーム「ガールズチーム」>
ナレ) メンバーは、想像力豊かなこの 3 人。 テーマは、夢の学校だ。
しず しずか(ダウン症・小5) :お菓子の学校になってほしい。
るり るりっぴ(知的障害・小5):学校が電車になってほしい。
(Q:どこまで行きたい?)
東京。銀座の喫茶店でワッフル食べたい。
おお おおちゃん(知的障害・小6):学校でひと休みをしたい。学校にハンモックがあった方がいい。
ナレ) 実は、おおちゃん、障害のため疲れやすく、授業中に眠ってしまうこともある。
話し合いの結果、みんなのアイデアを乗せた、夢の学校電車を作ることに決定!
(3枚のトレーをつなげる)
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車両ごとにユニークな授業が開かれる学校電車。自分たちが乗りたい車両のアイデアを、
スタッフと一緒に電車の中に盛り込んでいく。
完成した、夢の学校電車。
るりっぴ:1号車めは、勉強ができる部屋です。
2号車めは、お泊まりする場所です。
ナレ) お泊りする車両は、もちろん、おおちゃんのデザイン。
ふかふかベッドが気持ちよさそう。
3 号車は、学習机を作る車両。
しずかちゃんは、ここで赤くて大きな机を作りたいんだって。
3人の夢が詰まった電車、発車しまーす。
はるな愛 :いやあ、なんかすごい女の子の夢がほんとにつまった、ねー。電車に乗って銀座の喫茶店で、ワッ
フル食べたいっていうとこがいいですね(笑)。
鈴木D :(笑)具体的なんですね。
はるな愛 :どう?これみんな。いいと思う?
まっちゃん:乗ってみたいですね。
まりあ :なんかいろんなところに、電車で、いろんなところのお菓子が食べられるっていうのがよかったり
して、あと、お泊りっていうのが、なんかよかった。
はるな愛 :おー、2号車めのね。これは夢があってね。
鈴木D :そうですね。ちなみにあと、今回出演していただいた、子ども達以外にアンケートとかとってるん
ですけど、「学校を楽しくするためのアイデア」ってことで、例えば、「時々、先生と生徒が入れ替
わる日がある」。そしたら先生にももっと生徒の気持ちとか、わかってくれるんじゃないかって。
はるな愛 :ねえ、これさ、これこそ「バリバラ」でやりましょうよ。
鈴木D :(笑)
はるな愛 :これ、見てみたいもん。教壇に立ってる子どもが、先生に・・
まっちゃん:やっぱりこれは、先生に対する学校のルール講座ですかね。
一同 :(笑)
はるな愛 :もうテーマまでできてるよ。
まっちゃん:「これはおかしい」って言わしてくれとか。
鈴木D :とか、あと出たのは、「1日言葉を使わない日を作る」。
はるな愛 :手話を覚える、みんなで。その授業。これ大切じゃない?
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まっちゃん:みんなで例えば声を使わずに、どういう代替手段で、気持ちを伝えることができるか、っていうの
を研究していく上でもいいかもなとは思いますね。
鈴木D :とか、あとは、「食事がバイキング」であったりとか。
まっちゃん:いいなあ。
鈴木D :まあ、そういういろんなことができる電車を考えたんです。
はるな愛 :どう?給食のバイキングは?ティラ君とかは。好きなんとって食べるのって、給食。
ティラ :好きなんがあるかどうか、わからんけど。
はるな愛 :(笑)でも、こういういろんな意見ね。
鈴木D :話がでること自体がやっぱり今回いいこと・・いいことっていったらあれですけど・・
はるな愛 :だって、大人の目線ではでないアイデアだったりするので、
鈴木D :そうですね。だから一緒にいて、もっといろんなアイデアがいっぱいでたんですけど、学校は、も
しかするとやっぱりちょっとずつでも変えられるかもしれないなあっていう可能性は感じたんです
ね。で、まあ、学校でみんなでやってる時の空き時間に、まっちゃんとティラとそれこそ話してた
時にですね、「君らの中学生の時にはまだ間に合わないかもしれないけど、もしかして、こういうこ
とをSOSをみんなが言ったから、10年後とかには、変わるかもよ。学校にシェルターあるかも
よ」とか言ったら、2人が「僕らが道を作るんですね、後輩に」って言ったんですよ。
はるな愛 :かっこいい~。言ったん?
鈴木D :言ったんですよ。
まっちゃん:なんやったっけな。
鈴木D :かっこいいこと言ったんですよね。
ティラ :おれ、覚えてない。
まっちゃん:あー、言ったような気がする。
ティラ :おれは言った覚えがないな。
はるな愛 :いや、でも、ほんとうにそうなったら嬉しいことやしね。
鈴木D :だから、頼もしいなというか、かっこいいなと思った。
ティラ :俺らにとって、嬉しいのかな?それは。
はるな愛 :もちろんですよ。という、こうやっていろんな意見が聞けました。2週にわたってお送りしてきま
した「学校をデザインするプロジェクト」でしたけども。じゃあ、一言ずつ感想を聞いていい?
テレビとラジオとこうやってね。まっちゃんいかがでしたか?
まっちゃん:制服とかシェルターとか、何が必要で、何がいらないのかって、もう一度先生方、考えてほしいで
すね。制服があるがために学校に行けないとか、タブレットが使えないとかそういうのだけで学習
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ができないとか。正直いって、いつも思うんですけど、おかしいと思います。
はるな愛 :ほんとそうやね。はい、ティラ君は?
ティラ :なんか、先生に言いたいことを、先生の目の前でいうと、それはそれで言いにくいけど、先生がい
ないけど、伝える感じが、なんかこれで伝わったかな、と。
はるな愛 :ほお~、結構、自分の中からいろいろ言えた?
ティラ :言えた。
はるな愛 :ほお~。良かった。
鈴木D :よかった。
はるな愛 :嬉しいですね。これね。
鈴木D :嬉しいですね。
はるな愛 :はい、そして、まりあちゃんは?
まりあ :えっと、いっぱい意見を言うところがあって、始めはドキドキしてちょっと言いづらかったけれど
も、すごい楽しくて意見もいっぱい言えて、いいと思いました。
はるな愛 :おー、よかった。嬉しいですね、ほんとね。
鈴木D :こういうの1回じゃなくて、ほんとは継続してやれたら、ほんとにいいですよね。
はるな愛 :そうしましょう!ぜひまたスタジオにもきてください。みなさん、どうもありがとうございました。
一同 :ありがとうございました。
はるな愛:さて、はるな愛の「バリバラ R」いかがでしたか? 感想やメッセージをお待ちしています。
宛先は、郵便番号540−8501。NHK 大阪放送局バリバラの係です。
メールは番組ホームページから送っていただけます。
ホームページのアドレスは、nhk.jp/baribara。スペルは、baribaraです。
来週の「バリバラ R」もどうぞお楽しみに。はるな愛でした。バイバーイ。