フッ化物洗口 - synapse(シナプス)qフッ化物ってどんなもの?...
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発行人/下川真弓発 行/鹿児島県歯科衛生士会〒892-0825鹿児島市大黒町3-21大黒町エーアイビル2階
FAX:099-222-4030http://www3.synapse.ne.jp/kdh
No.14 2020年春号
むし歯菌が糖を食べるむし歯菌が増える むし歯菌が「酸」をつくる 「酸」が歯を溶かす
① 雑に歯磨きして、口内に菌を増殖させます。デンタルフロスは使いません。歯を舌で触ったときザラザラ・ぬるぬるしていると、菌が増殖しています。
② 砂糖の入った食べ物を食べます。ジュースなどの飲み物でもよいです。だらだらと飲食すること、寝る直前の飲食で、より確実になります。
歯質の強化方法は内面
歯質
細菌時間
糖分
糖分
・自然の甘みを生かしたおやつ・摂取量のコントロール・キシリトールでの代用
細菌
・正しい歯磨き、デンタルフロスの使用などで菌を除去する・乳幼児期の母子感染を防ぐ
歯質
・歯の質を強化する・生えてから3~5年は歯質が弱いので要注意
時間
・時間を決めて食べる・食べた後はすぐ磨く・歯につきやすいものを避ける
むし歯
むし歯は4つの要因が影響して発生します。ひとつの対策のみではむし歯予防は困難です。むし歯治療を繰り返している場合には、なにが問題なのかを見直す必要があるでしょう。
今回は歯質の強化についてご紹介します。特に歯質強化をおすすめしたいのは、以下の方です。1) 0~18歳頃 : 生えたばかりの歯質の弱い歯がある2) 中高年 : 歯茎がさがって歯質の弱い根っこがみえてきている3) 要介護者等 : 歯科治療を受けることが負担になるため、予防を徹底したい4) 痛みに弱い、治療嫌い : むし歯にならなければ痛くない、治療しなくてよい
<参考>◆歯・口腔の健康と予防に関わる人間と社会の仕組み1 保健生態学:医歯薬出版株式会社◆フッ化物配合歯磨剤に対する日本口腔衛生学会の考え方:日本口腔衛生学会◆フッ化物でめざせ 強い歯☆丈夫な歯:社団法人かごしま口腔保健協会◆歯科素材.com https://www.dental-sozai.com/◆歯科素材屋さん http://shika-sozai.com/
フッナトリウム物洗口液の「エフコート」(SUNSTAR)、「クリニカ フッ素メディカルコート」(LION) はその安全性が評価され、2019年9月から第3類
医薬品に変更になました。これによりドラッグストアやインターネット通販などでも購入ることができるようになり、家庭でも気軽に使用できるようになりました。また、セルフメディケーション税制の対象商品でもあります。
最新情報!
フッ化物洗口
◎歯磨き後、フッ化物の入った液体で30秒間ぶくぶくうがいを行います。
ぶくぶくうがい後、液体を吐き出せることが使用の条件です。洗口後30分は飲食を避け、口内にフッ化物を留めましょう。就寝前の使用が効果的です。学校や保育園などで実施しているところもあり、子どものむし歯予防に貢献しています。
フッ化物を歯に直接作用させる方法を局所応用、経口的にフッ化物を摂取する方法を全身応用といいます。現在、日本では局所応用のみが行われています。他国では水道水にフッ化物添加する方法(水道水フロリデーション)、ミルクや食塩などの食品にフッ化物を添加する方法、サプリメントとしてフッ化物錠剤を活用する方法を実施している国もあります。特に水道水フロリデーションは多くの住民に効果が出やすい方法で、米国で50~70%のむし歯を抑制できたという結果を残しています。
諸外国のフッ化物活用状況
歯科衛生士は、歯科疾患の予防及び口腔衛生の向上を図る(歯科衛生士法第1条)ことを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の専門職です。
フッ化物を塗布する〈歯科予防処置〉や、むし歯や歯周病の予防・再発防止についてアドバイスを行う〈歯科保健指導〉などの役割を担っています。お口の健康について迷ったときは、歯科衛生士に相談してみましょう。
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鹿児島県歯科衛生士会の活動
本会は県民の歯とお口の健康の保持増進を目的として、健康教育への歯科衛生士の派遣、歯科衛生啓発イベント、歯科衛生士向け研修会などを行っています。イベント・研修会情報、かごしま歯科衛生士会だよりのバックナンバーはホームページをご覧ください。
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【むし歯の4つの要因】
フッ化物ってどんなもの?Q
フッ素は、自然界に広く分布している元素です。地球上のすべての動・植物にも、毎日飲む水や食べる海産物・肉・野菜・果物・お茶などほとんどの食品に微量ながら含まれています。フッ素元素の陰イオン(F-)の状態にあるものをフッ化物イオンまたはフッ化物といいます。むし歯予防に用いられるフッ化ナトリウムもフッ化物です。
飲食物から摂れるわずかなフッ化物では、むし歯予防には不十分です。日本ではフッ化物の全身応用は実施されていないため、むし歯予防のためには、フッ化物を意識的に利用することが有効です。
Q
歯磨きよりも効果あり!ただし、歯磨きで細菌を除去することも欠かせません。歯磨きとフッ化物活用の両方をマスターしましょう。
最新の研究では、むし歯予防に最も効果があるのはフッ化物応用とされています。現在様々なフッ化物応用が世界120カ国で利用されています。
半世紀以上にわたるフッ化物応用の有効性・安全性に関する研究結果に基づき専門機関であるWHO(世界保健機関)やFDI(国際歯科連盟)なども利用を推奨し、世界各国に実施を勧告しています。
フッ化物のむし歯予防効果はどのくらい?
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生えて間もない歯 数十年経った歯
生えたての歯の表面(エナメル質)を顕微鏡で見ると、スポンジのように凹凸が見られます。唾液の力で徐々に固くなっていきますが、長い年月が必要です。
もちろん、歯が生えてから時間の経った大人でも、フッ化物は効果を発揮します。
フッ化物入り歯磨剤(歯磨き剤)
日本でも市販品の9割以上がフッ化物配合をされているため、広く普及しているフッ化物の利用
方法です。年齢ごとに適切なフッ化物の濃度は異なるので、自分に合った適切な濃度ものを使用することが大切です。歯磨剤のフッ化物濃度が確認できない場合などは、かかりつけの歯科医院で相談しましょう。
◎ 歯ブラシに適量をつけて歯磨きをします。
フッ化物入り歯磨剤
セルフケア最も一般的歯磨きと同時にできる予防効果 20~30%
フッ化物洗口
セルフケアぶくぶくうがい毎日または週一回予防効果 50~80%
フッ化物歯面塗布
プロフェッショナルケア歯科医院で塗布年数回予防効果 30~40%
フッ化物の活用方法は?Q
3種類の方法があります。歯科医院で行うプロフェッショナルケアと自宅でできるセルフケアに分けられます。
年齢 使用量 フッ素濃度
歯の萌出~2歳 切った爪程度の少量500ppm
(泡状剤であれば1000ppm)3~5歳 5mm程度
6歳~14歳 1cm程度 1000ppm
15歳以上 2cm程度 1000~1500ppm
フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方より(一部改編)
うがいができなくても使える?Q
形状を選べば使用できます。一般的な練状(ペースト)歯磨剤はうがいを必要とします。うがいができない子供や、要介護者などはジェル・泡状(フォーム)の歯磨剤をおすすめします。
うがいは何回したらいい?Q
少量(10ml)の水で、1回のみです。フッ化物の効果を期待するにはある程度お口の中にフッ化物を残す必要があります。