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© 2018 Dai Nippon Printing Co.,Ltd. All Rights Reserved. 【FinTech実証実験ハブ結果報告】 金融機関店頭業務における 顔認証技術を用いた本人確認に 係る実証実験 2018年10月 大日本印刷株式会社 株式会社西日本シティ銀行

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    【FinTech実証実験ハブ結果報告】金融機関店頭業務における顔認証技術を用いた本人確認に係る実証実験

    2018年10月

    大日本印刷株式会社株式会社西日本シティ銀行

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    【1】背景と目的

    【2】実験の内容① 実験概要② 実施方法③ 検証結果④ 課題

    【3】今後について

    目次

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    【1】 背景と目的

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    背景 : 主な金融機関様店頭業務

    口座開設カード契約

    住宅ローン申込み

    住所・電話変更 氏名変更

    印鑑・サイン変更 暗証番号

    変更

    外貨預金FX

    定期預金海外送金

    投資信託

    国内送金(振込)

    公共料金自動振替 各種

    再発行

    マイナンバー届出

    口座解約相続手続き

    紛失時手続き

    ネットバンキング申込み

    デビット申込み

    各種申込みや変更手続きなど、限られた営業時間内で多くの業務を対応しなければなりません。

    その他

    変更手続き

    申込み手続き

    取引

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    いままで

    これから

    SUN MON TUE WED THU FRI SAT

    SUN MON TUE WED THU FRI SAT

    営 営 営 営

    営 営 営 営 営

    営 営 営 営 営

    営 営 営 営 営

    営 営 営 営

    営 営

    営 営 営

    営 営 営

    営 営 営

    営 営

    有人

    有人有人

    有人

    無人無人

    銀行規制緩和による平日休業 窓口業務削減および軽量店舗の推進

    背景 : 金融を取り巻く環境変化の変化

    その一方で、規制緩和による休日規定の見直しや軽量店舗の検討など新しい働き方への取り組みが急務になっています。

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    背景 : 店頭でのセルフ操作による非対面取引の実現へ

    理想 現実

    “店頭でのセルフ操作による非対面取引の実現へ”

    ネットバンキングの普及

    銀行に出向かなくても、主要な取引を済ますことができる

    対面業務が減らず、店舗の省人化が進まない

    コンビニでの公共料金等支払い

    合理化 負荷増

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    大日本印刷(以下、DNP)が開発した「DNPカード即時発行サービス(KIOSK端末型)」(以下「KIOSK端末」)を西日本シティ銀行店頭DNP敷地内に設置し、顔認証技術を用いた本人確認事務の効率化について、以下の観点から検証し、性能検証及び有効性を確認する。

    目的

    1、KIOSK端末による本人確認の信頼性の検証

    2、生活者利便性の検証

    3、銀行事務の効率性の検証

    4、法令への適合※実験では、生活者の口座開設等自体は、窓口の銀行職員による目視での本人確認等により行われており、現行法令に反するものではありません。なお、運転免許証等のICチップから読み取った顔写真データと、端末に内蔵されたカメラで撮影した顔写真を照合して本人確認を行う方法については、本年7月に意見募集が行われた「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」(以下「改正規則案」という。)において規定予定の本人確認方法を想定したものです。

    参考:「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行規則の一部を改正する命令案」に対する意見の募集について(電子政府の総合窓口HPリンク)http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=120170029&Mode=1

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    【2】 実験の内容

    ①実験概要

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    •KIOSK端末を用いて以下の流れで本人確認等を行い、1)KIOSK端末による本人確認の信頼性を確保

    しつつ、2)生活者の利便性、3)銀行事務の効率性の向上が図られるか等を検証しました。

    • ① KIOSK端末が来店者の運転免許証等のICチップから顔写真データを読み取るとともに運転免許証

    等の真正性を確認

    • ② KIOSK端末が来店者の顔をカメラで撮影

    • ③ KIOSK端末に搭載される顔認証技術を用い、①の顔写真データと②で撮影した顔を照合

    実験内容

    •西日本シティ銀行本店営業部、北九州営業部及び福岡支店の店舗

    •大日本印刷敷地内(銀行店頭での実験を踏まえた追加実験を実施)

    実施場所等

    •平成30年4月から9月まで

    実施期間

    •銀行店舗の来店者等、任意の生活者1,000名以上

    参加人数

    実験概要

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    【2】 実験の内容

    ②実施方法

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    専用カメラと顔写真付き身分証(マイナンバーカードと運転免許証)を利用した本人確認を行います。

    ① 公的身分証明書の真贋判定

    ② 顔認証技術を利用した本人認証

    実験に使用したKIOSK端末

    認証に成功しました。

    個人番号カード(マイナンバーカード)

    偽造運転免許証運転免許証

    カメラに顔を向けてください。

    端末イメージ

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    店頭でのオペレーションの流れ

    対面による

    通常手続

    •生活者より申込書、身分証を受領 ⇒ 行員が対面で本人確認

    【実験実験】

    実験の説明

    •生活者へ実験協力の依頼と内容の説明、チラシの配布

    【実証実験】

    KIOSK利用

    •公的身分証をKIOSK端末に挿入 ⇒ 真贋判定

    •顔認証 ⇒ 結果をKIOSK端末内に証跡保存

    対面による

    通常手続

    • カード、通帳などの引渡しや指静脈登録などを実施

    銀行店頭での通常手続に の内容を追加する形で実施しました。

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    •住所 :福岡市博多区博多駅前3-1-1

    •設置位置 :店舗中央へ設置

    ①本店営業部

    •住所 :北九州市小倉北区鍛冶町1-5-1

    •設置位置 :店舗奥、窓際へ設置

    ②北九州営業部

    •住所 :福岡市博多区博多駅前1-3-6

    •設置位置 :店頭入口付近に設置

    ③福岡支店

    設置環境について

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    【ご参考】KIOSK端末に搭載の日本電気株式会社様 顔認証技術について

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    【ご参考】 日本電気株式会社様 顔認証技術について

    NECは、米国国立標準技術研究所(以下 NIST)が実施した顔認証技術ベンチマークテスト(以下 FRVT2013)の「静止画像からの顔照合部門」において、当社の顔認証技術が第1位の性能を有するとの評価を獲得しました。

    今回、2009年・2010年のテスト に続き3回連続の第1位獲得となり、顔認証におけるNECの技術力の高さを確実なものとしました。本テストでは、約160万人の顔画像データから任意の顔画像を検索する、「1対N照合」を対象とした精度の評価が行われました。その結果、NECの顔認証アルゴリズムは、検索精度と速度の両方で他社を大きく引き離す第1位の評価を獲得しました。

    さらに、2枚の顔画像が同一人物であるかを判定する「1対1照合」において、NECが独自で評価を行った結果、当社の従来技術と比べ、認証エラー率を約1/3に低減できました。

    NECは「社会ソリューション事業」に注力しており、中でもグローバル成長戦略の柱として、「セーフティ事業」を強化しています。NECは最先端の顔認証技術を、国民IDや出入国管理などの国家インフラから、官公庁・企業でのセキュリティ対策などに提供することで、安全・安心な社会づくりに貢献していきます。

    ※日本電気様 Webページより引用(2014年6月20日付プレスリリース)

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    【2】 実験の内容

    ③検証結果

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    KIOSK端末による本人確認の信頼性の検証

    KIOSK端末による本人確認の信頼性の検証

    •本実証実験では、複数の異なる環境にKIOSK端末を設置し、運転免許証等の

    ICチップから取得した顔写真データと生活者本人の顔写真を照合して、誤拒否

    (本人を誤って拒否)への影響を検証したところ、設置環境(例:著しく設備照

    明が暗いなど)の影響を受ける場合があることを確認しました。更に、DNP内部で

    実施した追加実験では、銀行店頭での実験で得たノウハウを利用することで、誤拒

    否率の大幅な低減を実現したことを確認しました。

    •また、本実証実験で入手した顔写真データ及び顔写真を用いて、10万通り以上

    のシミュレーションを行い、本実証実験で構築したいずれの環境下で撮影された顔

    写真を用いても、誤受入(他人を誤って受入)が発生しないことを確認しました。

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    本実証実験では、「顔認証スコア」を、以下の基準に設定しています。・スコア70以上→「本人」 ・スコア70未満→「他人」誤受入率を検証するため以下①と②の照合を10万件以上行いました。・①撮影収集した「本人」の顔写真データ ②「他人」の運転免許証やマイナンバーカード結果、誤受入は確認されませんでした。

    KIOSK端末による本人確認の信頼性の検証‐誤受入について‐

    縦軸:シミュレーション数

    横軸:KIOSK端末を利用した顔認証独自スコア

    他人を本人と認識他人を他人と認識

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    生活者利便性の検証

    課題

    •店頭における銀行口座の開設等では、以下の課題がありました。

    •店頭での待ち時間が発生する(生活者の来店から口座開設等までに30分以上の時間を要している場合がある)

    •口座開設等が銀行の営業時間内に限定される

    •セルフ操作端末を設置するとしても、操作が分かりづらいと途中離脱者が多く発生し、かえって生活者の利便性を損

    なう可能性がある

    実験

    •生活者が、KIOSK端末の操作を平均2分で完了することを確認しました。

    •参加者の途中離脱率を検証した結果、年齢性別に関係なくKIOSK端末の操作が問題なく行われ、途中

    離脱者がほとんど発生しないことを確認しました。

    今後

    •実際のサービス提供では、生活者がスマホやWEBにて口座開設申込みを事前に行った上で来店することを

    想定(申込情報をもとに、銀行において当該生活者の事前審査を実施)しています。

    •生活者は、KIOSK端末を利用して口座開設及びICキャッシュカード受取までを自ら行うことが可能となり、銀

    行での滞在時間が大幅に短縮される見込みです。

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    銀行事務の効率性の検証

    課題

    •銀行窓口での対面による本人確認事務において、以下の事務の効率化が課題となっていました。

    •本人確認書類の真正性の確認(本人確認書類の偽変造の確認等)

    •口座開設等の申し込みに来店した生活者と本人確認書類の名義人の同一性の確認(なりすましの確認等)

    実験

    •本実証実験では、誤拒否発生時の対応について検討を要するものの(後述)、KIOSK端末により、上記

    事務が問題なく遂行されることを確認しました。

    今後

    •以下の業務を省力化することで、銀行事務が効率化される見込みです。

    •①本人確認書類の確認業務、②本人確認業務

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    法令準拠への適合

    法令準拠への適合

    • 本実験では、改正規則案第6条第1項第1号ヘを前提としており、金融庁から、同号が求める要件や

    解釈を提供いただくなどの支援を受けました。

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    導入後のイメージ

    一般的な窓口での口座開設(カード即時受取)

    申込書受領

    帳票入力・審査

    帳票出力

    帳票内容確認

    上長承認

    口座開設・

    カード発行

    カード引渡

    本人確認

    来店

    申込データ受領

    口座開設・上長承認

    審査通過連絡

    来店

    カード発行

    カード引渡

    内容確認・審査

    スマホで事前申込

    KIO

    SK

    端末受付・

    本人確認

    店頭滞在時間 5分程度

    店頭滞在時間 30分程度

    KIOSK端末を利用した口座開設イメージ

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    【2】 実験の内容

    ④課題

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    課題

    •KIOSK端末にビデオ通話(※)システムを搭載し、DNPコールセンターまたは銀行保有のコール

    センターに接続し、本人確認事務を実施する。

    •または郵送対応に切り替え、必要書類をDNP BPO(business process outsourcing)

    センターまたは銀行事務センターより転送不要郵便または本人限定受取郵便で送付する。

    誤拒否が発生した場合の対応

    •本実証実験では、生活者がスマホやWEBにて口座開設申込みを事前に行った上で来店すること

    を想定(申込情報をもとに、銀行において当該生活者の事前審査を実施)しております。一方、

    KIOSK端末で全ての手続きを完了させる方法についても、銀行の要望等を踏まえ、個別に

    協議させていただきます。

    来店前の申込未実施の場合の対応

    本実証実験を通して、顕在化した主な課題については、以下のように整理を行い、サービス開始に向けて準備を進めてまいります。

    ※ビデオ通話による本人確認方法は、改正規則案第6条第1項第1号ホにおいて想定される本人確認方法です。

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    【3】 今後について

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    今後について

    DNPは、本実証実験で得たノウハウを活用し、銀行と共にKIOSK端末の早期導入、ひいては生活者の利便性向上及び銀行店頭業務の省人化・無人化に向けた準備を進めていきます。

    また、KIOSK端末の機能拡張により、口座開設済生活者の住所変更受付やICキャッシュカードの再発行等の諸手続事務も実現可能です。

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