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問題提起と高校の実践事例 2013年11月14日 G空間EXPO2013 エデュケーション・フォーラム (日本科学未来館) 伊藤 智章 (静岡県立裾野高等学校) 海鮮丼的 海鮮丼的 海鮮丼的 海鮮丼的 地理教育論 地理教育論 地理教育論 地理教育論

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G空間EXPO エデシュケーションプログラム(デジタル地図を使った授業づくり)での基調講演。

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Page 1: G-Expo 20131114

問題提起と高校の実践事例

2013年11月14日

G空間EXPO2013

エデュケーション・フォーラム

(日本科学未来館) 伊藤 智章

(静岡県立裾野高等学校)

海鮮丼的

海鮮丼的

海鮮丼的

海鮮丼的

地理教育論

地理教育論

地理教育論

地理教育論

Page 2: G-Expo 20131114

本日の内容

1.問題提起

・GIS=丼(どんぶり)論

・「料理」を失った高校地理教育

2.事例紹介

「教室GIS」と「防災教育」

3.展望

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1.問題提起

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①GIS=丼(どんぶり)理論

飯=地図

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具材=データ

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たれ=分析

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組み合わせは様々だが・・・・。

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我々は、日々「料理」できているだろうか?

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②「料理」を見失った地理教育

・進む「センター試験」依存

→指導内容や方法の画一化

・教師の多忙化とICTの浸透

→ネットからの情報を温めるだけ

知識の知識の知識の知識の「コンビニ弁当」化「コンビニ弁当」化「コンビニ弁当」化「コンビニ弁当」化

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ならば・・・・!

“オールドプロパー”の

「原理主義」は空回り・・・。

「飯盒炊さん」は、毎日できません!

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「自分で獲った」「生の地魚」だけで舟盛は作れません。

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「米(地図)を炊いたことがない」

「刺身(情報)を切ったことがない」

料理人の増加・・「必修外し」から20年

地図・各種地理情報

教育教材

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「地図の読図」「フィールドワーク」、「GIS実習」までもが通常の授業(コンビニ食)から遊離して“イベント”化している。個人の力量に頼る“職人芸”化

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「調理実習」にこだわる人ほど

普段の「飯」は、無味乾燥だったりする。

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③ GISは、「家電」である「炊飯器」・・・ご飯を炊く「電子レンジ」・・・温めや解凍する→それ以上でも

それ以下でもない。

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GISを使って教材を作っていることを殊更に強調する必要はないし、

「調理実習」にこだわる必要もない。

炊飯器炊飯器炊飯器炊飯器

で炊いたご飯!で炊いたご飯!で炊いたご飯!で炊いたご飯!

レンジレンジレンジレンジで解凍で解凍で解凍で解凍

した冷凍マグロ!した冷凍マグロ!した冷凍マグロ!した冷凍マグロ!

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「飯ごう」と「コンビニ弁当」の隙間を埋めるツール=GIS。

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④“台所のスペック”に合ってないGISデータ

冷凍マグロを家庭で

さばけますか?

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「業務用素材」を「教育用教材」に料理するツール=GIS

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飯・・・・地図具・・・・生データ(近海・生もの)(遠洋・解凍もの)

調味料食べる人のアレンジ

高校生に必要なのは

海鮮丼のような教材

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無理して揚げたり煮込んだりする

必要はない(そんな時間もない。)

→どうしても食べたければ、お客はそれぞれの専門店に行く

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彼らは「濃くて手軽な料理」には慣れきっているが・・・。

どんな素材を食べているか全くわかっていない。

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GIS=日常的に使うべき調理器具

「素材の“生”」=よく見せる(教科書)

「調理のプロセス」=見せなくてもよい

地図・各種地理情報

教育教材

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2.事例紹介

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①「白ごはん」に、ひと味

普通教室で毎日使うGIS

月刊「地理」2013年3月号

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①作業用白地図と

提示用白地図の連動

ススススラララライドを見ながら、イドを見ながら、イドを見ながら、イドを見ながら、白白白白地図を地図を地図を地図を塗塗塗塗りりりりつつつつぶすぶすぶすぶす

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統計を地図化する

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統計を地図化する

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アスパラガスの輸入先

連続表示で時系列データを表す。

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火力発電所の分布と出力

「立体化」することでより分かりやすく

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新潟県の市町村別老年人口と人口率

いろいろ重ねてみる

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②「防災教育」にGIS・新しい学習指導要領

(平成25年4月入学生徒~)に

「自然環境と防災」(地理A)

→震災もあり、注目度が高い分野

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災害が起きる度に、

関係機関が総力を挙げてデータを収集・蓄積して公開

(現場の「その時」と「その後」)

大きなギャップ

身近な地域に対して、乏しい資料を基にひたすら「もしも」を考えさせ、「危ないところ」を探させる学校教育

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「被災地」の情報豊富にあるが凍結保存されたまま。大きくて料理できない

「地元産」のネタ小さくて、乾燥している。「食用」には向かないが惰性で供している

「防災教育」の素材

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被災地の「凍結データ」

地元の「乾燥データ」

GIS等で「料理」する

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いとちりの「Google Earthで地形を楽しむ」

(10回)いとちり式「防災教育にGIS」

(6回)二宮書店『地理月報』裏表紙で連載。全国各地のGISデータを「防災」の観点から料理

→「Google Earth上に展開」

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東海道の「アキレス腱」(赤線は地すべり警戒斜面)

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雪と共存する190万都市「札幌」

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公共事業が減り、建設業の廃業が相次ぐ燃料高、除雪予算の縮小

「公助の除雪から、「自助」・「共助」の除雪へ

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富士山東側の火山灰到達予想範囲

50cm

30cm

10cm

東京

山北町

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1707年の噴火

土石流と戦いながら50年かけて表土をひっくり返した「天地返し」の遺構

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震災後の「東北」・・・「瞬間冷凍」された地理情報がネット上に“凍っている”

活用されず、忘れられつつある・・・?

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一応、料理されたデータは細かい上、アレンジしづらいので、「塩抜き」が必要。

PDFファイルWeb-GIS

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「塩抜き」、「再調理」にはパソコン×iPadが便利。

伊藤智章

「震災記憶地図」)(地理 2012年5月号)

東北地方限定です。

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タブレットで「お持ち出し」ができるように。

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タブレットに「盛り土・切り土」分布図を表示して、仙台の郊外を歩く、宮城県の先生方

2013.8.6

GPSでででで

現在地表示現在地表示現在地表示現在地表示

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浸水区域と津波の高さ

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3.展望

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GISの普及の鍵は

「本質の再点検」と、

「平易な利用」に向けた

環境整備

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「炊飯器の普及」

を目的化するのではなく

「米を炊く」行為そのものが

失われつつある

ことに危機感を持つ

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「地物の」「生の」にこだわり

すぎるあまり、各地の

「冷凍された素材」

を生かせていない

「防災教育」

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B to B(ビジネスtoビジネス)

B to C(コマース)

B to E(エデュケーション)

カチコチデータと“地図サービス”の中間の市場

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「海鮮丼」→

「勝手丼」の時代へ

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タブレット端末の位置づけ

「料理」を外へ持ち出すための保温弁当箱か?

個人持ちの

「コンビニ弁当温め機」になってしまうのか?

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われわれ(学校教員)

の立ち位置は?

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長々失礼しました。

さあ、料理を始めましょう!

Allez

cuisine!!