講演:「防災に役立つ情報gis」の有効性についての研究 gisa
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「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
岐阜県空間情報(GIS)研究会
*(株)ファルコン 荒川 宏
(株)テイコク 市橋利裕
(株)イビソク 田所健二
(株)パスコ 野田康司
(株)パスコ 江崎伸一
第22回GISA学術研究発表大会 2013/10/27
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目 的
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
「防災に役立つ情報GIS」の構築
市町村など行政機関から提供された
「防災に役立つ情報」を県域統合型GISに登録し、
それらを民間GISで引用表示したものを
地域住民グループで活用してもらう
有効性の検証
・市町村から提供された「防災に役立つ情報」の発信
・県域統合型GISに登録されたデータの民間利用
瑞浪市・羽島市
災害実績図
研究会会員
市提供の災害実績図を、GISデータ化
岐阜県・建設研究センター
県域統合型GIS
災害実績図
土砂災害(特別)警戒区域図
浸水想定区域図基本地図
地域で使えるWeb-GIS
地域コミュニティ
(事例1)昭和47年7月豪雨災害被災地(瑞浪市陶町)(事例2)昭和51年9・12豪雨災害被災地(羽島市竹鼻南)
資料提供
データ登録
データ配信 地域防災マップつくりで活用
意見をフィードバック
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実証実験の概要
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
協力:瑞浪市企画政策課、羽島市防災交通課
岐阜県情報企画課、岐阜県建設研究センター NPOによる支援
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GISサーバの相互運用
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
県域統合型GIS
市町村から
提供された
情報レイヤ
岐阜県・市町村
で整備した
情報レイヤ
民間GIS
共有空間
データ
岐阜県・市町村
で整備した
基本図レイヤ
共有空間
データ
地域住民が
作成した
情報マップ
データ
配信 地域の
マップ
eコミマップ
((独)防災科学技術研究所)
5GISを利用したハザードマップを通じた地域防災活動の広がりのイメージ
出展:GISを使ったハザードマップ整備等のガイドラインVer1.0
岐阜県電子自治体推進市町村・県連絡協議会幹事会
県域統合型GIS活用検討部会 (平成24年5月)
岐阜県で検討された統合型GISの活用
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
ハザードマップや災害関連情報を県域統合型GISに集約し、地域住民への情報
提供を行うとともに、民間サービスのWebGISに情報発信を行うことにより、
地域住民が自ら行うマップつくりに活用してもらう。
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行政機関からの情報提供
1)瑞浪市陶町地区
昭和47年土砂災害の被害状況を記録した地図情報とし
て、瑞浪市危機管理室より、次の資料の提供を受けた。
・昭和四十七年七月豪雨災害調査表綴
「7月豪雨 陶町被災状況図」
-路側決壊箇所、河川決壊箇所、激甚地区、家屋浸水
地域、不通箇所、水源地、地すべり
2)羽島市竹鼻南地区
昭和51年水害の被害範囲を記録した地図情報として、
羽島市防災交通課より、次の資料の提供を受けた。
・9・8豪雨浸水被害図
-浸水地域、排水路、排水機場、堤防破損箇所
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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瑞浪市から提供をうけた地図情報「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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県域統合型GISに提供情報を登録
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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地域のWEBGISで引用表示
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
地域のWebGISで引用表示
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羽島市から提供をうけた地図情報「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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県域統合型GISに提供情報を登録
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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地域のWEBGISで引用表示
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
地域のWebGISで引用表示
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地域住民グループにおける活用(瑞浪市陶町)
「47年災害を教訓に避難を考える」ワークショップ
趣旨:災害時の避難行動をどうするかを考える
日時:平成25年3月12日(火) 19:00-21:00
場所:陶コミュニティセンター
内容
・47災害をふり返る・防災マップをふり返る
(災害写真帳 ・災害実績図 ・土砂災害(特別)警戒区域 ・防災マップ)
・過去に作成した防災マップの見直し
(eコミマップで過去に作成した防災マップを閲覧する・紙地図に修正情報を書き込む)
・豪雨が発生したらどう行動するかを考える・話し合う・地図に書き込む
・話し合ったことをグループごとに発表
主催者:陶町明日に向かって街づくり推進協議会
参加者:陶町住民(区長・区会員、防災士会など45名前後
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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地域住民グループにおける活用(羽島市竹鼻南)「51年災害をつたえるマップ作成」ワークショップ
趣旨:昭和51年水害の状況を過去の災害写真や
体験談として地図上に記録し、地域で過去の災害
を伝える。
日時:平成25年3月23日(土)15:00-16:30
場所:竹鼻南コミュニティセンター
内容:
・eコミマップで51年災害をふり返る(災害実績図・浸水想定区域図・災害写真帳)
・地区で伺った体験談をeコミマップで確認 (体験談マップ)
・つたえるマップに載せる情報を地区(グループ)ごとに話し合う・発表する
主催者:竹鼻南コミュニティセンター
参加者:区長・防災担当者 21名
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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意見の紹介(県・市町村)
岐阜県情報企画課・(公財)岐阜県建設研究センターの意見・行政データや県域統合型GISの民間利用は、県民の防災活動に有効。
データの整備制度を超える縮尺での利用を懸念し、表示縮尺が制限できる
WMS配信としたい。
・地域の住民グループがGISで防災マップを作成するために市町村整備のハザード
マップ情報を配信することも考えられる。
瑞浪市企画政策課の意見・提供する情報が役立つのであれば、活用していただきたい。
・地域で必要とする情報と行政から提供できる情報についてすりあわせを行うこと
で情報利用の効果が出るとよい。
羽島市防災交通課の意見・市民への情報提供の事業化はこれからの課題だが、洪水履歴についての問合せも
増えているので、情報提供を行って活用してもらうことは重要。
・これまで県域統合型GISを情報提供に利用していなかったが、今回の活動で地図
情報が役に立ったとのことなので、今後は県域統合型GIS活用を考えていきたい。
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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意見の紹介(瑞浪市陶町)
瑞浪市陶町地区 陶町街づくり推進協議会の意見
○県・市から提供された地図について
・防災について考えるのに役立つので、地域の方に見てもらい
たい。
○防災活動を考えるために、提供されると良い情報
・現時点ではどのような情報が役立つのかはわからない。
○その他、県や市からの情報提供についての要望や課題点
・県や市で、どのような情報を提供してもらえるのかがわから
ないのが課題。情報提供可能な資料について、資料名だけでも
わかるように公開していただきたい。
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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意見の紹介(羽島市竹鼻南)
羽島市竹鼻南地区 竹鼻南コミュニティセンターの意見
○県・市から提供された地図について
・これまでは内水はん濫を想定していたが、浸水想定区域図で
示された破堤の場合も考えるきっかけとなった。
・災害実績図は、地域の方の体験情報をもとに修正したマップ
を作っていくことも重要。
・以前に、身近に避難できる場所を決めたが、地図を参考に見
直すことも必要と感じた。
○その他、県や市からの情報提供についての要望や課題点
・市でどのような情報があるのか、わからない。提供してもら
える情報について教えて欲しい。
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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まとめ
1)市町村から提供された「防災に役立つ情報」
の発信の有効性
情報発信が実現するまでには市町村における準備
が必要という課題はあるが、防災に役立つ情報を市
町村から発信することは有効との意見が得られた。
2)県域統合型GISに登録されたデータの民間
利用の有効性
県域統合型GISを地域のGISへの行政情報の発信基
地とすることは有効であると考える。
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
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提 言
行政情報のGISによるオープンデータ化
行政機関には、地域の住民にとって有益な
情報がストックされているが、公開・活用は
今後の課題となっている。
空間情報は、GISに載せることができるよ
うな形式でのデータ公開が望まれる。
行政GISからのデータ配信をうけて、民間
GISで引用表示して活用するのが有効。
「防災に役立つ情報GIS」の有効性についての研究
行政情報の活用
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展望:行政情報が活用されるサイクル
行政機関県や市町村
行政機関のGIS
地域で使えるWebGIS
空間情報の公開
空間情報の配信地域情報の整備
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