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固定資産税における

路線価格流れ図の作成

青木和人1・武田幸司2 ・矢野桂司3 ・中谷友樹3 あおき地理情報システム研究所・1 ・パスコ2 ・ 立命館大学3

地理情報システム学会 第23回学術研究発表大会 於：中部大学

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1.1 問題の所在

市町村に安定的な 財源を確保する基幹税 固定資産税

土地の評価 ３年に一度 市町村内に存在する すべての路線価格を 評価しなければならない． ・固定資産税路線価図面は一般公開

納税者への説明 京都市1,942路線 ・路線価格の流れ確認作業が必要 ・市町村にとって，困難，労力が大きい

出典 全国地価マップ | 地図

http://www.chikamap.jp/map/map.asp?plc=2610601400000518

図2 都市の地価分布モデル(Berry,B.J.L. 1963)

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1.2 既往研究の問題点

・水流や気流の可視化手法 (流れの可視化学会，1986)

・矢印の方向と太さで，

量と移動方向を同時に表現できる

流線図(上野ほか，2007)

・空間統計学におけるクリギングを

用いた地価推定・内挿(井上ほか，2009)

→離散的地点に限定された

地価公示価格

しかし，すべての街路価格の高低にかかる

流れを視覚化した事例はない．

2003年の鉄鉱石,鉄鋼,くず鉄の貿易の流線図 マテリアルフローデータブック -

出典 国立環境研究所HP

http://www.cger.nies.go.jp/publications/report/d022/mateflow

.html

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2.1 研究目的

これまで可視化することが困難であった 路線価格の高低を， 矢印による連続的な流れ図として 可視化するために， GISの空間処理にて 路線価格流れ図を作成する手法を提案し，その視認性を検証する.

2．路線価格流れ図作成手法

図- 1 路線価格流れ図の作成手順

（１）路線を系統ごとに区分

↓

（２）路線接合ポリゴンを作成

↓

（３）路線接合形状を区分

↓

（４）価格流れ図の矢印方向を判別

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2 (1)路線を系統ごとに区分

幹線道路などの 同一系統路線をGISの空間処理で定量的に判断 GISにより各路線の先・終端接合角度を算出し,接合角度が20度以内の路線を同一系統の路線としてグループ化

接合角度が20度以内=同一系統

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2．(2)路線接合ポリゴンを作成

路線の先端・終端にポイントを作成し， 円バッファーを発生，路線接合部分を示す ポリゴンを作成

a.2路線 b.3差路2路線 c.3差路3路線 d.4差路3路線 e.4差路4路線

図-2 路線接合形状の区分

路線接合

ポリゴン

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2．(3)路線接合形状を区分

・路線を中点より半分に分割 ・路線接合形状を 路線接合ポリゴン内の 路線の先端・終端ポイント数と路線ライン本数を GISにより計測して、 区分する．

路線接合形状

ライン数

ポイント数

形状数

a.2路線 2 2 432b.3差路2路線 2 1 603c.3差路3路線 3 3 442d.4差路3路線 3 2 156e.4差路4路線 4 4 565f.5差路 5 5 24g.6差路 6 6 64h.7差路 7 7 6i.8差路 8 8 3計 2,295 ※9差路以上は存在しない

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2．(4) 価格流れ図の矢印方向を判別

この路線接合形状ごとに， 隣接する路線価格との比較 比較した価格の大小に応じて，矢印方向を決定する

図- 3 矢印方向の判別例

100,00090,000

80,000

100,00090,000

70,000

80,000

a.2路線 b.3差路2路線 c.3差路3路線 d.4差路3路線 e.4差路4路線

図-2 路線接合形状の区分

路線接合

ポリゴン

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３.１ 研究対象地域

京都府京都市 人口1,474,473人 第7位の人口を有する都市 路線価格流れ図を作成する対象 2012年時点 京都市固定資産税評価の 京都市北区，上京区，左京区，中京区，東山区，下京区，南区のうち 1,942路線

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3．2．路線価格流れ図の作成

図- 4 路線価格流れ図

堀川通

四条通

同一系統 同一系統

同一系統

阪急大宮駅の北東最高価格路 線532,000円

大宮通

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3．2．路線価格流れ図の作成

図- 4 路線価格流れ図

大宮通

堀川通

四条通

阪急大宮駅の北東最高価格路線532,000円

価格の底路線449,000円

図2 都市の地価分布モデル(Berry,B.J.L. 1963)

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４.本研究の意義

これまで可視化することが困難であった 路線価格の高低を， 矢印による連続的な流れ図として定量的に可視化 京都府京都市における路線価格流れ図を作成し，その視認性を検証 →(1)定量的データに基づく路線価格流れ図の作成手法を提示 →(2)固定資産税評価替え事務の効率化 →(3)納税者への視覚的な評価説明が可能

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４.今後の課題

・流れ図で表現する線の種類や色の表現方法 ・流線図を基にした矢印の方向と太さによる表現方法 ・最高価格地の有無による表現方法