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『HASL社Flow Simulator 3Dの使用経験 ~ 異形チューブ押出成形への適応例』
2013.11.15
テルモ株式会社
生産統轄部技術センター
金子 隆
第3回HASL/Simulatorユーザ会資料
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課題:内面ヒケのないリブ付きチューブ
目標形状 現状チューブ断面
現状使用中の金型 出口形状図
トラブル=内面のヒケが原因でシール性低下⇒液漏れ発生 現行形状の金型形状では製品チューブの内面のヒケは出て当然と考えられる(経験上) シミュレーション(流動解析)でもヒケ発生を予測する筈と考えHASL社に相談
写真:実際のチューブ断面 製品の設計図
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Multi-Profile Simulatorには、下図に示めすように押出ダイの断面形状を指定して押出物の断面形状を予測する順解析(Forward Analysis)と、逆に押出物の断面形状を指定して押出ダイの断面形状を推定する逆解析(Reverse Analysis)機能が実装されている。これらの機能を利用し、リブ付き異型断面チューブの押出プロセスを分析。
異型押出の順解析と逆解析について(HASL社カタログより)
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スパイダーダイを利用したリブ付き異型断面チューブ押出プロセスの分析
スパイダーダイ及び異型断面ダイ内熱流動状況をFlow Tetraで予測
異型断面ダイ内熱流動状況及び押出物形状をMulti-Profile Simulator
で予測
ダイ形状3D図面
異形チューブダイの解析
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流速分布MD垂直断面図
順解析結果
異型押出順解析結果:何故ヒケが出る?
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異型押出順解析結果と実製品の比較
ダイ出口形状
実製品断面
使用ソフト
HASL社FlowSimulator3D
計算結果(予想)
チューブ断面
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異型押出順解析結果と実製品の比較
実製品断面と計算結果の重ね図
内径側のヒケは見事に一致、外側は概ね一致
(ヒケの原因はダイ出口部の流速分布の違い)
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流速分布MD垂直断面図
逆解析結果
異型押出逆解析結果
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逆解析では、下図に示めすように現状形状と大きく異なる断面形状が理想形状と予測された(右図)。
逆解析結果(右図)
逆解析では、断面形状に設計許容条件を設けずに、理想形を追求し、内外径の形状を自由に変形可能としたため、このような結果となった。
現状使用中金型出口形状 逆解析結果
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実成形の様子
50-28押出機
押出風景
シミュレーション形状金型
インダイ形状:左:突起あり、右:円
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リブ付きチューブ成形1stトライ結果
現行金型チューブ
①シミュレーション形状金型で成形
②シミュレーション形状金型+インダイ○で成形
-60
-40
-20
0
20
40
60
-60 -40 -20 0 20 40 60
出口形状
出口形状
出口形状
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まとめ(結果及び考察)
新しく開発されたHASL社Flow Simulator 3Dを使用し、異形チューブ内面ヒケの発生原因を解析(順解析)、同時に目的チューブ形状からの逆解析を行い金型設計に利用。シミュレーションから予測された金型を作製し実成形を行った。結果、同ソフトの異形押出プロセスの解析精度は高くヒケ原因の解明や形状改善に役立った。これまで異形押出の金型は経験と勘だよりで設計しトライ&エラーを繰り返して作製して来たが、シミュレーション技術の活用により、金型設計の効率化に繋がる事が期待出来る。
成形条件検討 (主として引取速度と内圧)
金型の修正・変更なし
最終 1stトライ
©Terumo Corporation