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材料評価学 第 13 前回: 材料力学の「はりの曲げ」の問題における ・はりの形式 ・せん断力分布の算出 ・曲げモーメント分布の算出 今回: 材料力学の「はりの曲げ」の問題における ・せん断力線図・曲げモーメント線図 ・異なる形式のはり ・はりの曲げ応力とは

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材料評価学 第 13 回

前回: 材料力学の「はりの曲げ」の問題における

・はりの形式

・せん断力分布の算出

・曲げモーメント分布の算出

今回: 材料力学の「はりの曲げ」の問題における

・せん断力線図・曲げモーメント線図

・異なる形式のはり

・はりの曲げ応力とは

「材料評価学」第 13 回

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13. はり(梁)の曲げ3

13.1 せん断力線図および曲げモーメント線図の作成

せん断力分布 曲げモーメント分布

・0≦x≦a(AC 間):

・a≦x≦l(CB 間):

13.2 自由端に集中荷重を受ける片持ちはり

①支持反力の算出

・力のつり合い式:

②せん断力分布の算出

・力のつり合い式:

・せん断力の符号:

図 13.2 集中荷重を受ける片持ちはり 1

図 13.3 集中荷重を受ける片持ちはり 2

図 13.1 S.F.D.および B.M.D.

「材料評価学」第 13 回

2

③曲げモーメント分布の算出

・ 例題:AB 間の曲げモーメントを求めよ.

・モーメントのつり合い式

(回転中心:xの位置):

・曲げモーメントの符号:

●SFD,BMD の作成

13.3 分布荷重を受ける両端支持はり

●分布荷重の考え方:

①支持反力の算出

図 13.4 集中荷重を受ける片持ちはり S.F.D.および B.M.D

図 13.5 分布荷重を受ける両端支持はり 1

「材料評価学」第 13 回

3

・力のつり合い式:

②せん断力分布の算出

・力のつり合い式:

・せん断力の符号:

③曲げモーメント分布の算出

・ 例題:xまでの曲げモーメントの大きさを求めるとともに作用する方向を記入せよ.

・モーメントのつり合い式(回転中心:xの位置):

・曲げモーメントの符号:

図 13.6 分布荷重を受ける両端支持はり 2

「材料評価学」第 13 回

4

●SFD,BMD の作成

13.4 はりの曲げ応力とは

① 外力によるモーメント

② ①の作用により,はりのたわみ発生

③ ②のたわみにより,はり内部に垂直応力発生

④ ③の引張・圧縮応力により生じるモーメントの総和

● 曲げ応力の特徴

1) 曲げ応力=0 の位置がある・・・中立軸・中立面

2) 曲げ応力は中立軸からの距離 yに伴い増加する

3) ある任意の位置でのと yの積を断面で総和→曲げモーメント

図 13.7 分布荷重を受ける両端支持はり S.F.D.および B.M.D

図 13.8 はりの曲げ応力の模式図

「材料評価学」第 13 回

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13.5 第 13回講義に関する意見・感想・質問のまとめ

●意見・感想

・復習に励む,新しい内容について復習したい,残りの授業は少ないので予習をしっかりとして小テストに望

みたい,内容を良く復習しておきたい,曲げモーメント分布式を様々なシチュエーションで出せるようにな

りたい,復習が足りないと思ったので前回の内容を見直す,モーメントと前回の授業の復習が足りなかっ

た,線図も書けるようにしたい,せん断力分布と曲げモーメント分布のグラフからそれぞれの大きさや向き

をイメージしたい,曲げモーメントが苦手だと感じたので復習をしっかりしたい,だんだん内容が複雑にな

ってきているので、前回、前々回の内容を復習してしっかり応用できるようにしていきたい,小テストからこ

の部分をもっとしっかり勉強しないとと思った,今日は様々な情報が入って来たのできちんと整理して理

解していきたい,復習を頑張りたい,分割してモーメントを考えるイメージがしっくりこない,難しいが理解

できるよう頑張りたい,:25

・小テストの CD 間が特に難しかった,小テストが満足に解けなかった,小テスト焦ってしまった,小テストが

難しくて解けなかった,小テストが解けた気がしなかった,曲げモーメントの理解が足りず小テストの提出

が間に合わなかった,符号への理解が甘く小テストがうまく解けなかった,今日の小テストで理解不足だ

ったとわかった:13←今回は「曲げモーメント分布式を求めよ」という設問だったので,せん断力分布式の

算出は必要なかったのですが,多くの人がせん断力分布式も導出しようとしていました.それも時間が足

りなくなった一因だったのでしょう.

・特になし,今日も困ったことはなかった:9

・中立軸があるのは分かった,曲げ応力の別の図で理解が強まった,よく理解できた,図を用いていてわか

りやすかった,前回の内容とほぼ同じだったので理解しやすかった,分布荷重の考え方は分布荷重を仮

想的な集中荷重に置き換えて考えて求めるとわかった,説明を聞くうちに曲げモーメントが理解しやすくな

った,前回までの内容が理解できてたので分布荷重になった場合など条件が少し変わっても曲げモーメ

ントをすんなり求ることができた,せん断力線図と曲げモーメント線図について学んだ,はり曲げ応力につ

いて図で理解することができた:9

・梁の内容は全体的に難しい,外力によるモーメントと曲げモーメントが釣り合うことは説明理解したがそれ

とこれまで計算で求めていた曲げモーメントとが結びつかなかった,2 分の x を自分で考えて設定するの

が難しかった,曲げモーメントがとても難しい,モーメントの線図の考え方が難しく感じた,今日は内容が

多く理解するのが難しかった,今日の梁の内容は結構難しかった:7

・試験時間が適切だった,授業の進行度はちょうどよかった,:2

・以下一人ずつ:

考える領域が変わっても曲げモーメントは連続であることがポイントだと思った,はりのたわみの発生に

応じてはり内部に応力が発生するのが面白いと思った,

今日はテストがなかなか開けなく、慌てて解いてしまったために、きちんとした文章を書いたりせずに小テ

ストを提出することになってしまった。本番のテストでは同じことがないようにしたい←「テストがなかなか

開けない」というのは,通信速度に原因があるのか,サーバーの応答のせいなのか,PC 環境のせいなの

か,ファイル自体に起因するのか,どうなのでしょうか.他の人から同様の指摘がないので,ファイルに由

来する問題ではないと思いますが.

小テストの曲げモーメントの分布に関して、求める物が分からなかったため、しっかりとした解答が出来な

かった←「求めるもの」は曲げモーメント分布式と明記しています.ただ,荷重や距離について実際の値

が与えられていますので,式としてもそれを反映した形で求める必要があります.

「材料評価学」第 13 回

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ターム末になってきてレポートに追われる毎日で、大変。←実験レポートもありますしね.大変とは思いま

すが頑張ってください.

そろそろ期末試験の準備をはじめていきたいと思う。←早めの準備お奨めです.

少し電波が悪く講義中聞き取れないところがあった。←こちらとしてはどうしようもないですね.

●質問

・モーメントの記号は、時計回り、反時計回りで考えるのか←「曲げモーメント」と単なるモーメント(回転モー

メント)は別物です.回転モーメントは「時計回り/反時計回り」で符号をつけますが,曲げモーメントは先

週説明したように「微小体積 dx の両側面に作用する M’の向きの組み合わせ」で符号を判断します.

・曲げ応力の最大引っ張りと圧縮の大きさは同じですか←中立軸の位置次第です.中立軸がちょうどはり断

面の中央にある場合は,引張と圧縮の最大値は一致します.

・曲げモーメント分布の算出についてですが、モーメントの釣り合いの式を立てるときに M の符号はそんな

気にしなくて良い、なぜなら後で符号を決めるときに+か-かわかるからということですが、そこがあんまり

ピンときません。あとで符号(形式的なやつ)を決めるときは微小体積を考えて符号を決めますがその符号

は元の M の符号を元に決めているので結果的に最初に決めた M の符号が重要なのではと思ってしま

います。←百聞は一見に如かず,やってみましょう.今日の最後の例題で行った曲げモーメント分布式の

算出で,M をあえて逆向きに取った場合を以下に示します.

となり,授業で算出した式と一致します.ただ,この仮定では M の符号が負になるはずなのに,実際の M が

正になる(実際の値としてそうなるはずです)ことに気付くと,「ああ仮定した M の向きが間違っていたんだ

な」と理解できる,ということです.

今回の小テスト平均点:5.9点

「材料評価学」第 13 回

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13.6 第 12 回小テスト解答

Q.1 下図の両端支持はりにおける曲げモーメント分布式を求めると?

A.1 それぞれの領域における曲げモーメントを求める.

・AC 間[0≦x≦30 [mm]]

モーメントのつり合い式:

符号:(+) →

・CD 間[30≦x≦80 [mm]]

モーメントのつり合い式:

符号:(+) →

・DB 間[80≦x≦150 [mm]]

モーメントのつり合い式:

符号:(+) →

30 50 70

55 75

150

51 79