~病院に求められるミドルリーダーの役割~ 組織...
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メンバー矢賀 徹 (大阪大学医学部附属病院)
成田 保教 (弘前大学医学部附属病院)
渡邉 一義 (筑波大学附属病院)
加藤 守 (群馬大学医学部附属病院)
宮内 一途 (東京医科歯科大学歯学部附属病院)
野口 大輔 (浜松医科大学医学部附属病院)
中本 めぐ美(岡山大学病院)
森山 久美子(大分大学医学部附属病院)
獅々賀 英雄(宮崎大学医学部附属病院)
八倉 弘明 (奈良県立医科大学附属病院)
企画委員 北山 恵子(京都大学医学部附属病院)
「チームボランチ」と名付けた理由とは?
“組織の要”と言えば真っ先に想像したのは、サッカーにおいて、中盤底に位置する「ボランチ( volante ) 」でした。
ボランチは、「ハンドル」や「舵」という意味のポルトガル語で、その言葉のとおり、ディフェンスライン前でボールを持った相手やスペースのケアなど守備を助けるほか、長短のパスを用い攻撃の起点にもなり、ボランチの出来がゲームを左右すると言われるほど重要なポジションです。当然のことながら、豊富な運動量が求められます。
一方、我々E班の立場に置き換えますと、上司や部下、医師やコメディカル等の他職種、病院と大学事務局など多様な関係性の中盤に
位置しています。
これらを繋ぎ組織を活性化させれる役割、まさにサッカーで
いうところのボランチを目指したいと考えました。
はじめに、すごいと感じた係長の特徴を考えてみました
人の入れ替わりがあっても業務の質を維持する組織管理
垣根を越えた協力
フットワークの軽さ
医療現場に特有なプレッシャー回避
病院全体の情報収集
意思決定のスピード
根拠に基づく分かりやすい説明
常に経営感覚を意識
コミュ力の高さ
医療及び診療報酬等の豊富な専門知識
・専門知識を持ち他職種から信頼される係長
・コミュニケーション能力が高い係長
・医療現場に対応可能な部下を育成できる係長
・病院幹部や上司に提言できる係長
これらを総括すると、私たちの描く理想の係長像は・・・
では、理想の係長である「ミドルリーダー」となるためには、どのような能力が必要か?
理解⼒専門知識を持ち他職種
から信頼される係長・・・⾏動⼒
スケジュール管理⼒
情報収集⼒
⾏動⼒指導⼒
・・・コミュニケーション
能力が高い係長
聞く⼒情報収集⼒
説明⼒
医療現場に対応可能な
部下を育成できる係長・・・ 育成⼒
・・・病院幹部や上司に
提言できる係長
説明⼒⾏動⼒
雑談⼒
□問題提起:院内では、様々な職種の職員が勤務しており、円滑な調整管理が求められることはありませんか?様々な職種からの相談があり、知識不足で調整に苦労することはありませんか?
●今すぐできる行動:
①普段の業務を迅速かつ的確に行うことはもちろんのこと、嫌な業務でも積極的
に対応しましょう!
②自分の係の担当外の依頼内容でも、すぐに断るのではなく、できる限りの対応
をしましょう!
◎メリット:
①多様な知識を取入れることができ、業務の幅が広がります。
②院内(他職種)の職員との信頼関係が深まります。
☆結論:
院内(他職種)の業務の把握に努め、積極的に調整管理を行う
ことにより、業務の幅を広げ、より質の高い対応を行うことを
可能とし、それが院内(他職種)の職員との信頼関係をさらに
深めることに繋がります。
①「専門知識を持ち他職種から信頼される係長」となるために・・・
⾏動⼒
②「コミュニケーション能力が高い係長」となるために・・・
聞く⼒
□問題提起:
普段の仕事で上司と部下の意見が異なっていて困っていませんか?
●今すぐできる行動:
毎日の挨拶や何気ない会話を交わすことで、何でも言える雰囲気作りをしましょう!
◎メリット:
①上司、部下の良いところを引き出し、係内での業務運営について、さらに積極
的な意見を引き出せることが期待できます。
②思っていることを遠慮無く提案してもらいやすくなり、業務の質がさらに高ま
ることが期待されます。
☆結論:
機械も歯車だけではいずれ焼き付いてしまいます。そんなことに
なってしまっては、とても業務は回っていきません。
組織の中では、潤滑油の役目を果たす係長の役割はとても重要です。
上司の考えていること、部下の考えていること、それぞれを噛み
砕いて、お互いの意見と組織としての意見を合わせることが必要です。
我々は『安物』ではなく『高級潤滑油』を目指します!!
□問題提起:
メールや電話連絡ではなく、メディカルスタッフへ直接説明を行った際、業務に
役に立つ情報を取得した経験はありませんか?
●今すぐできる行動:
Face to Faceで業務を行うとともに、併せて雑談をしましょう!
◎メリット:
①締切が近い依頼も、既知の仲となっていれば、相手側も了承。
②雑談により、既知の仲となっていれば、メディカルスタッフがどの部署に依頼
して良いか分からない問題も担当である当該部署へ橋渡しができます。
☆結論:
ちょっとした雑談を行うことにより、院内の風通しが良くなり
事務局からの業務依頼がスムーズになるとともに、医療現場
からの問題が、事務局に上がり易い環境ができます。
③「コミュニケーション能力が高い係長」となるために・・・ 雑談⼒
□問題提起:
病院業務において過度にプレッシャーを受けている部下はいませんか?
●すぐできる行動:
部下が直面しているプレッシャーのかかる業務については、対応の手本を
示しましょう!
◎メリット:
診療行為に関するクレームの対応などは非常に難しく、一歩間違えばより困難
な状況になりかねません。そのような状況では、自らが手本を示すことにより、
部下のプレッシャーは軽減されると思われます。
☆結論:
デリケートな対応が求められる業務は、非常に大きなプレッシャー
がかかるものであり、そのような業務に対応できる人材を育成する
には、まず自らが手本を示し、慎重かつ丁寧に育成する必要があり
ます。
④「医療現場に対応可能な部下を育成できる係長」となるために・・・
育成⼒
□問題提起:
病院業務において、迅速な意思決定を必要とする場面が多々ありませんか?
●今すぐできる行動:
上司へ意思決定を求めてボトムアップをする際、説得力のある資料を作成し、
プレゼンを行いましょう!
例えば、① 簡潔な資料を作成しましょう!
② 質問されれば提示できる資料を事前に用意しましょう!
◎メリット:
分かり易くかつ説得力のある資料を作成し、プレゼンを行うことにより、
迅速かつ適切な意思決定に繋がります。
☆結論:
小さなことから大きなことまで様々な課題と直面している病院現
場において、迅速かつ適切な意思決定が行われることは、問題の
解決にあたって高い成果に結びつくことになります。
⑤「病院幹部や上司に提言できる係長」となるために・・・ 説明⼒
チームボランチの行動宣言
① 院内(他職種)の業務の把握に努め、積極的に
調整管理を行います。
② 上司と部下の潤滑油となります。
③ 院内業務は極力face to face で行います。
④ プレッシャーに耐える部下の人材育成をします。
⑤ 説得力のある資料作成・プレゼンを行います。