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© ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する研究会小研究会1 2011 ICT の環境効率評価のための「価値」算出事例 報告書 2011 年 3 月 日本環境効率フォーラム ICT の環境効率評価のための価値の検討ワーキング

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© ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する研究会小研究会1 2011

ICT の環境効率評価のための「価値」算出事例

報告書

2011 年 3 月

日本環境効率フォーラム

ICT の環境効率評価のための価値の検討ワーキング

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i © ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する研究会小研究会1 2011

目次

第1章 はじめに .......................................................................................................... 1

第1節 目的 .............................................................................................................. 1

第2章 活動実績 .......................................................................................................... 2

第3章 「価値」算出事例............................................................................................. 3

第1節 書籍と電子書籍の流通手段の価値の比較(事例1) ..................................... 3

第1項 事例の概要 ................................................................................................ 3

(1) 書籍のケース .................................................................................................... 3

(2) 電子書籍のケース ............................................................................................. 4

第2項 価値分析表による算出結果 ........................................................................ 5

第2節 ペットの購入形態の違いによる価値の比較(事例2) ................................. 8

第1項 事例の概要 ................................................................................................ 8

(1) ペットショップのケース .................................................................................. 8

(2) Web 上のペットショップのケース ..................................................................... 9

第2項 価値分析表による算出結果 ...................................................................... 10

第3項 ....................................................................................................................... 11

第4章 まとめ ............................................................................................................ 12

第1節 価値算出手法の有効性 ................................................................................ 12

第2節 今後の課題 .................................................................................................. 13

第3節 あとがき ..................................................................................................... 13

第5章 ワーキンググループ委員名簿 ......................................................................... 14

第6章 参考文献 ........................................................................................................ 15

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1 © ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する研究会小研究会1 2011

第1章 はじめに

第1節 目的

小研究会 1 では 2008 年度にラダリングを利用したICTの価値算出手法を考案し、価値の

定量化とファクターの算出を行なったが、この手法では価値の分析/算出に工数と時間を要する

ことがひとつの課題として提起された。

引き続き、「2009 年度 日本環境効率フォーラム ICT の環境効率評価のための「価値」と新

サービスの環境負荷評価方法に関する研究会内 小研究会 1」において ICT の価値算出手法[1][2]

の提案を行なうに際しては、前述の課題を改善する対策として、いくつかに分類した価値評価軸

を元にそれぞれの評価軸における要求の抽出から品質特性を導出する手法を検討し、事例

「e-learning」を対象として算出を試行することで、その妥当性を検証した。

2010 年度は、前年度の検証結果の再確認の意味から、価値算出の対象とする事例を増やし、

その有効性や妥当性、課題について更に検証を行なう。

算出を行なった事例は下記の 2 事例である。

事例1) 書籍と電子書籍の読者に対する価値の比較

事例2) ペットの販売形態の違いによる価値の比較

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第2章 活動実績

本研究会の開催日程と検討内容を下表に示す。

表 1 小研究会1の開催日と検討内容

回 日時 場所 内容

第1回 2 0 1 0 / 4 / 7 産業環境管理協会 「書籍と電子書籍の読者に対する価値の比較」

のモデルの定義を実施

第2回 2010/5/18 産業環境管理協会 「書籍と電子書籍の読者に対する価値の比較」

に対して、価値の分析を実施 第3回 2 0 1 0 / 6 / 8 産業環境管理協会

第4回 2 0 1 0 / 8 / 2 パナソニック(株)

第5回 2 0 1 0 / 9 / 7 東芝ソリューション(株) 「書籍と電子書籍の読者に対する価値の比較」

のまとめ

第6回 2010/10/5 産業環境管理協会 「ペットの販売形態の違いによる価値の比較」

のモデルの定義を実施

第8回 2010/12/7 産業環境管理協会 「ペットの販売形態の違いによる価値の比較」

に対して、価値の分析を実施 第9回 2011/1/17 パナソニック(株)

第 10 回 2 0 11 / 2 / 9 東芝ソリューション(株) 「ペットの販売形態の違いによる価値の比較」

のまとめ

第 11 回 2011/4/27 (株)日立製作所 報告書のまとめ

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第3章 「価値」算出事例

第1節 書籍と電子書籍の流通手段の価値の比較(事例1)

事例 1 では書籍と電子書籍について、その流通手段やコンテンツの購入しやすさ、読みやすさ

等に関する価値の比較を行った。

ここで、書籍とは紙に印刷することによりコンテンツが提供される、流通媒体・表示媒体と一

体の物であって、人が実際に手に取って読書する行為が可能である物、電子書籍とは電子ファイ

ルにより提供されるコンテンツそのものであって、インターネット等の流通媒体によって流通し、

読書する行為(表示)にあたってはポータブルな電子機器に搭載されるブックリーダ用のプログ

ラムを使用したり、利用者が紙に印刷したりすること等が前提となる物であると定義する。

第1項 事例の概要

価値を算出するにあたっての前提として、対象シナリオを固定する。本稿においては、表 1に

示すように、モデル会社員が通勤時に電車内で読書を行うというシナリオを前提とする。サービ

スを構成するアクターは「読者」以外に「作家」や「出版社」、「取次」、「書店」、「レビュ

アー」など多数存在するが、本稿では「読者」のみを取り上げ、当該モデル会社員が読者として

書籍、電子書籍各々に与えるであろう主観的評価を想定し、価値を算出する。

書籍・電子書籍の購入動機は、「帯に概要が書いてありおもしろそう」「映画化されている」等

(表 1)であり、これらの購入動機により書籍を購入する。

また、購入する書籍・電子書籍は文庫本サイズ程度のボリュームの小説であり、モデル会社員

が通勤時に電車に乗っている往復の 30 分間×2 の間に読書を行なうものとする。

表 2 書籍、電子書籍の読み手の前提条件

条件項目 データ対象 会社員

本を読むシチューエーション通勤の電車の中通勤時間 50分(電車に乗っている時間 30分)

本屋の位置地元の駅  小規模の店舗1軒あり勤め先の駅(もしくはターミナル駅) 中規模の店舗数軒あ

月間の購入冊数 8冊(文庫本サイズ、2往復半で一冊)本の種別 小説

購入動機

帯に概要が書いてありおもしろそう映画化されている賞、大作家など話題のある本本の見た目本屋によるかざり(独自の看板など。)第三者によるレビュー

(1)書籍のケース

現状、書籍の流通形態には二つの手段がある(図 1)。

一つは、リアルな書店を介して購入する方法である。もう一つは、Web 上の書店(amazon.com

や楽天ブックス等)を利用する方法である。本稿では、書籍購入は前者の手段によるものとした。

具体的に、書店の位置と規模に関して、モデル会社員の居住地の最寄り駅にある小規模店舗(一

軒)と勤務先の最寄り駅(あるいはターミナル駅)にある中規模店舗(数件)があるものとする。

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一方、購入した書籍は紙製の文庫本であり、手にとってページを捲りながら読むことになる。

読者

出版社

作家

本屋(リアル) 取り次ぎ

返本

出荷

出荷

返本

出稿

購入

下調べ調査

•来店•ネット検索

書評を書く

メディア

書評を書く

本屋(バーチャル)

出荷

物流会社

購入

配達配達

返本(ないかも)

Web上のショップ

従来書店

図 1 会社員の書籍の読書形態

(2)電子書籍のケース

電子書籍の流通形態、読書の様態を図 2 に示す。

電子書籍をリアルな書店を介して購入すること、また、作家から直接購入することも考えうる

が、ここでは、インターネット上のバーチャルな書店から購入するものとする。現状存在するネ

ット書店(amazon.com や楽天ブックス等)の例にも見られるように、購入にあたっては、表 1

の購入動機に記載されている「第三者によるレビュー」が大きな役割を果たすと考えられる。

また、ブックリーダ用のプログラムはスマートフォンやスレート PC、タブレット型端末等の

ポータブルな電子機器上で動作すると仮定する。したがって、電子書籍を読むにあたっては、指

やタッチペンで画面をタッチし、ページを進めることになる。

読者

出版社

作家

出稿

書評を書く

メディア

書評を書く

本屋(バーチャル)

出荷

購入

ブックリーダーの保守

審査

図 2 会社員の電子書籍の読書形態

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第2項 価値分析表による算出結果

価値分析表を利用した指標の導出結果を表 3 に示す。これにより導出された指標に基づき、QFD を用いて価値評価を実施した(表 4)。この結果、

価値は 1.63 倍に向上しているとの結論を得た(式(1))。

表 3 価値算出表による価値算出結果

要求 比較 指標 旧 新

1

好きなインターフェースから内容を獲得することができる(音読、挿絵の動画等)�

旧:文字データとして取り込むか、CDやDVDなどを添付し、別の表現手段と組み合わせての表現を実施していた。この結果、複数デバイスから取得を実施していた。新:文字データの表示領域から、絵だけでなく、ビデオや音声も取得できるようになった。

刺激可能感覚数:表現に必要なデバイス数~聴覚、視覚、触覚などが尐ないほうがよい?

1 2

2

コンパクト(文庫本、新書程度)な本がほしい(手で持たなくてもいいのが究極的?) (混んでいる時)(大きさ、厚さ、重さ)

旧:情報量が大きくなると、厚くなり、文字の大きさを気にすると、大きくなってしまった。また、決まった大きさに固定されてしまい、自分の好みの大きさの本にできなかった。新:情報量にかかわらず、大きさや厚さ、重量が同じになった。また、好みの大きさのデバイスを手に入れることで、自分が扱いやすい大きさの本を手に入れることができるようになった。

体積:重さ:厚さ:一つの本に対する書籍サイズの選択肢数:(文庫、新書、ハードカバーなど)

574.965253.7

2

2352920.92

1

3しまう時は小さくなるほうがいい 旧:小さくならない

新:片ページしかない面積比:体積比:

1/21

11

4

きれいな本がよい(清潔な、新品) 旧:本にも物理的な寿命がある?新:システム側の寿命がありうる。(コンテンツとビューアでセットで考えなくては同等にならない?ビューアの寿命が短い場合は?)紙とiPadはビューアとして同等か?電子書籍に”中古”はありうるか。

汚れの数(黄ばみとかも)(ただし値段との兼ね合いもある)→となると電子化された状態では必ず○になる。比較しようがない。

0 1

5

文字が適度に大きい(読み手に合わせて調節できる。)

旧:文字の大きさは基本的には変わらず調節できない。新版や子ども向けのリライト版などが出た時点で変更の可能性はあるが、自由に調節できる訳ではない。大きくしたい場合は老眼鏡や虫めがねを使う。新:ブラウザ側に表示領域の拡大・縮小等の機能があれば、それを使うことで結果的に文字の大きさを変更できる。

文字の大きさの選択肢の数 1 10000

6

いつでもどこでもとりだしやすい 旧:書棚、書庫に保管している場合は取りに行く手間がかかる。手元にある場合は即参照可能で見やすい。新:デバイスが近くにあれば、スイッチを入れる手間以外には、対象となるファイルをデバイス上で検索する程度。

手間(ステップ数) 5 4

7

たくさんの本の中から選択したい 紙:書店の広さが物理的制約となる(予約、取寄せは別だが)電子:品揃えには物理的な制約がほとんどない→検索機能との関連?リアル書店の場合は関連コーナーがあるかも。

選択可能な対象書籍の数(母集団の数)リスティング・分類・検索機能を評価可能な指標

50000 1E+06

8

本の人気ランキングを知りたい 旧:書店の目立つ場所で、売れ筋の本が紹介されていた。よって、意識しなくとも、売れ筋の本が目に付いた。→限られた範囲内でお勧め本が出ている。新:トップページに売れ筋の本が紹介されていることがあるが、意識しないと、売れ筋の本を知る機会がなくなった。一方で、自分の趣向に合わせた本が紹介されるようになった。→ジャンルごとに表示するなど、細分化されている。→→どのような目的で本を買いにいくのかなどの分析、どのような目的の客を集めたいのかなどの分析が必要。

一回の来店の際に、目に付く期待値:(amazonではかなり困難、三省堂bk1にはランキング情報あり;システムの仕様に依存する→結局のところあまり変わらない?)

100 50

9

内容をある程度知ってから買いたい 旧:立ち読み可能、裏表紙に梗概あり。新:部分的に提供しているケースもある。

梗概の有無:事前に読めるページ数事前に読める場所:

1100

1

15

1000000

10

尐々あらい使い方をしても大丈夫 旧:通勤中等に手荒に扱っても壊れない新:ビューアのハードが壊れる可能性あり(値段との関連もある?)

耐久度:○回投げても壊れない、○メートルの高さから落としても壊れない、水が垂れても大丈夫、等→高さ、圧力

0 1

11他の人からのぞかれたくない 旧:防ぎようがない

新:防護シールなどを貼ることができる(視野角調整可能)視野角:・対処したコンテンツの可読性(本人、覗き見する他者各々)

160 45

12

自分が読んでいる本を他人知られたくない 旧:本にカバーを掛けて読むことで他者から自分の読んでいる本を隠すことができる。新:自分の前に立っている人からは見えない。(ハードに裏側がない)

・対処法の数(←見えなくするための手間) 1 0

13

電池を充電しなくても読める 旧:充電しなくても絶対読める。新:充電されていない場合は充電が必要。通常数時間(4時間~8時間程度)かかる。

・充電時間・充電の手間・充電のために充電器を持ち歩く手間→今回は不要かも・連続稼働時間

1E+06 100

14好きな本をいつでもすぐに購入したい 紙:書店在庫は即時(数分)提供できるが、それ以外は取寄せ

(取次、出版元まで遡れば数日)電子:時間的な制約はほとんどない

購入の意思決定から精算までの時間 5 0.5

15

購入したらすぐほしい。 旧:書店からの購入の場合、購入時に本の現物を持つことができた。新:購入してからダウンロードが始まるため、読めるようになるまで、しばらくかかるようになった。

購入後(精算を済ませたあと)から読めるようになるまでの遅延時間:

5 1

16本を読んでいる時の進捗度をみたい 旧:本の残りの厚さで判別

新:ゲージ、数値で判別感度数(視覚、触覚) 2 1

17

読む権利を維持できる(なくした場合など。確実に今後の電子書籍で保証されるかは?)

紙:購入すれば自分のものになるが、紛失したらそれまで。電子:システム的、ハード的なデータ喪失は保証される?かもしれないが、購入しても所有権は提供元(アマゾン、アップルなど)にあるも同然で、相手の都合で消去されることもありうる。(倒産したらライセンスが継続できないかも)

可能性の可否(1/0で判断) 0 1

18

24Hいつでも購入可能である(サービスの質)そのため、買う動機につながっていく。

旧:書店が開いている時間に限りがあった。書店に行くにも時間、場所の制限があった。新:いつでも、どこでも好きな時に買えるようになった。

購入可能時間:購入のための移動時間:

13 24

19

サービスの良い店で買いたい サービスとは何か?具体性に乏しく記述不能→挨拶、ポイント制、空調、ジャンル分け、などなど。広すぎて不明。「フィードバックできるかどうか」に焦点を当てて、そこで評価する?

顧客の声を吸い上げる手法の数アンケートをとる仕組みの有無

0 0

20バックが変えられる 旧:変えられない

新:変えられるパターンの数 0 1

21

挿絵の挿入度合いを変えることができる 旧:いったん出版されたら挿絵の内容、数や場所は変更できない。新版や子ども向けのリライト版などが出た時点で変更できる可能性はあるが、自由に変えることはできない。(さらに同一性保持権に縛られている)新:(サービス仕様・コンテンツ仕様に依存するが)挿絵の表示・非表示を(そのタイミングまで含めて)端末側で指示する、コンテンツ提供者側で挿絵の追加・差し替えを行なう(コンテンツがサーバにある場合)、等が考えられる。

カスタマイズの可能性バリエーションの数

0 1

22下取りしてほしい 旧:中古書店等で下取り可能。

新:ライセンス形態なので未定。可能性の可否(1/0で判断) 1 0

23

貸し借りができるようにしてほしい 旧:物理的に手渡すことで可能。新:可能かどうかはライセンス次第。可能であれば、インターネットを通じての貸し借りが可能となる。

・貸し借りの手間(STEP数?)(面倒さ)・借りれるまでの時間?(読みたいときにすぐ読める?)

1 0

24

とりだしやすい(情報) 旧:既読の場合、自分の記憶に従ってページをめくり、情報を探し出すか、脚注に参照情報があればそれを利用する。未読の場合、目次や索引を用いて探し出すことになるが、小説の場合は通常索引がなく、目次がヒントにならない場合も多い。したがって、未読の場合はほぼ情報はとりだせないと考えられる(小説でそのような状況が生じるかどうかはさておき)新:端末に検索機能があると想定でき、全文検索は可能と考えられる。端末(orコンテンツ)にシソーラスが備わっていれば、キーワード検索も可能である。また、コンテンツ自身にハイ

・目次・索引・文中のリファレンスの有無、数 0 1

25

購入した本を場所をとらずにいくらでもためれるようにしてほしい

旧:本棚、書庫が必要。新:ディスクの容量が充分であれば、いくら保存しても、物理的なスペースはとらない。

本の体積 840 0.005

読者指標に入れた数分析

共感性

顧客の理解

アクセス・利用性

保証性

応答性

No

信頼性

物的要素

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6 © ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する研究会小研究会1 2011

1.6349.3

80.2≒=

価値書籍を購入した場合の

合の価値電子書籍を購入した場 (1)

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7 © ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する研究会小研究会1 2011

表 4 書籍と電子書籍の流通手段の価値の比較

改善方向 ↑ ↓ ↓ ↓ ↑ ↓ ↓ ↓ ↑ ↓ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↓ ↑ ↓ ↓ ↑ ↓ ↓ ↑ ↑ ↓ ↑ ↑ ↑ ↑ ↓ ↓ ↑ ↓ ↓04/01/2001 品質特性 満足度

要求品質 要求

品質

重要

刺激

可能

感覚

数:

デバ

イス

体積

デバ

イス

重量

デバ

イス

厚み

一つ

の本

に対

する

書籍

サイ

ズの

選択

肢数

収納

時の

面積

収納

時の

体積

汚れ

の数

文字

の大

きさ

の選

択肢

取り

出す

ため

の手

間数

選択

可能

な対

象書

籍の

数(母

集団

の数

)リ

ステ

ィン

グ・分

類・検

索機

能を

評価

可能

な指

一回

の来

店の

際に

、目

に付

く期

待値

梗概

の有

無:

事前

に読

める

ペー

ジ数

事前

に読

める

場所

耐久

視野

角:

覗き

見防

止の

ため

の対

処法

の数

充電

時間

充電

の手

連続

稼働

時間

購入

の意

思決

定か

ら精

算ま

での

時間

購入

後(精

算を

済ま

せた

あと

)か

ら読

める

よう

にな

るま

での

遅延

時間

進捗

率把

握の

ため

の感

覚数

購入

可能

時間

購入

のた

めの

移動

時間

割引

サー

ビス

の数

顧客

の声

を吸

い上

げる

手法

の数

書籍

背景

のパ

ター

ン数

挿絵

挿入

の動

的カ

スタ

マイ

書籍

下取

りの

ため

の手

貸し

借り

の手

目次

・索

引・文

中の

リフ

ァレ

ンス

の有

無、

必要

な収

納容

収納

する

重量

比較

分析

(満

足度

)1

0点

満点

要求

品質

ウェ

ート

0.0雰囲気の良い(店員のいる)店で買いたい 1.0               ###好きなインターフェースから内容を獲得することができる(音読、挿絵の動画等)1.0 ●   ###コンパクト(文庫本、新書程度)な本がほしい(手で持たなくてもいいのが究極的?) (混んでいる時)(大きさ、厚さ、重さ)1.0   ● ○ ○   ###紙面が大きいほうがいい 1.0 △ ○ ###しまう時は小さくなるほうがいい 1.0 ○ ○     ###きれいな本がよい(清潔な、新品) 1.0 ○デザインの良い装丁がされた本がほしい 1.0文字が適度に大きい(読み手に合わせて調節できる。)1.0 △ △ △ ●いつでもどこでもとりだしやすい 1.0 △ △ ○たくさんの本の中から選択したい 1.0 ○本の人気ランキングを知りたい 1.0 ○ ●内容をある程度知ってから買いたい 1.0 ● ○ △尐々あらい使い方をしても大丈夫 1.0 ●他の人からのぞかれたくない 1.0 ● ○自分が読んでいる本を他人知られたくない1.0 ○  電池を充電しなくても読める 1.0 ○ ○ ●好きな本をいつでもすぐに購入したい 1.0 ●購入したらすぐほしい。 1.0 ●本を読んでいる時の進捗度をみたい 1.0 ●読む権利を維持できる(なくした場合など。確実に今後の電子書籍で保証されるかは?)1.0 ###24Hいつでも購入可能である(サービスの質)そのため、買う動機につながっていく。1.0 ● △ ###

本を安く購入したい(△)⇒不要? 1.0 ○サービスの良い店で買いたい 1.0 ○ ●一度に情報がたくさん認識できる 1.0  バックが変えられる 1.0 ●挿絵の挿入度合いを変えることができる 1.0 ●下取りしてほしい 1.0 ●貸し借りができるようにしてほしい 1.0 ●読んだ本の記事の内容をブックマークできると良い。1.0とりだしやすい(情報) 1.0 ●文面の読みだし機能がほしい 1.0購入した本を場所をとらずにいくらでもためれるようにしてほしい1.0 ● ●

0.0

0.0

品質特性重要度(顧客) 3.8

3.6

0.8

0.8

3.2

3.0

2.7

3.8

2.9

2.3

4.8

2.9

2.7

0.9

0.3

3.8

2.9

4.8

0.8

0.8

2.3

3.8

3.8

3.8

3.5

0.4

4.8

2.9

3.8

3.8

3.8

3.8

3.8

1.9

1.9

品質特性正規化

従来 0.5

0.4

0.6

0.2

1.0

1.0

1.0

0.0

0.0

0.8

0.1

1.0

1.0

1.0

0.0

1.0

0.3

1.0

0.0

0.0

0.0

0.1

0.2

1.0

0.5

0.0

1.0

1.0

0.0

0.0

1.0

0.0

0.0

0.0

0.0

新規 1.0

1.0

1.0

1.0

0.5

0.5

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

0.5

1.0

0.1

1.0

0.0

1.0

0.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

0.5

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

0.0

1.0

1.0

1.0

1.0

品質特性(重み付け) 合計 向上比

従来 1.9

1.5

0.4

0.2

3.2

3.0

2.7

0.0

0.0

1.8

0.2

2.9

2.7

0.9

0.0

3.8

0.8

4.8

0.0

0.0

0.0

0.4

0.8

3.8

1.9

0.0

4.8

2.9

0.0

0.0

3.8

0.0

0.0

0.0

0.0 49.3 1.63

新規 3.8

3.6

0.8

0.8

1.6

1.5

2.7

3.8

2.9

2.3

4.8

1.4

2.7

0.0

0.3

0.0

2.9

0.0

0.8

0.8

2.3

3.8

3.8

1.9

3.5

0.4

4.8

2.9

3.8

3.8

0.0

3.8

3.8

1.9

1.9 80.2

改善方向 ↑ Maximize

◎ Target

↓ Minimize

対応関係 ● 強い関係(9点)

○ 普通の関係(3点)

△ 弱い関係(1点)

対応なし(0点)

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第2節 ペットの購入形態の違いによる価値の比較(事例2)

事例2は、ペットをペットショップから購入する場合と、インターネットを経由した Web 上

のペットショップで購入する場合について,所望するペットの入手のしやすさなどについて価値

の比較を行う。

ペットは犬を主体に何匹かを展示販売する形態とする。ペットショップとはペット専門の小売

店とし,購入者がペットを直接確認して購入する形態を想定している。Web上のペットショップ

はペットを写真やビデオなどにより Web 上で確認を行い、購入する形態を想定している。

第1項 事例の概要

サービスの利用においては,ペットショップ,Web上のペットショップともに,下記のアクタ

ーが関与するものとする。

・サービス利用者:購入者

・サービスプロバイダー:ペットショップオーナー

・サービスコンテンツベンダー:ペット生産者

各アクターにおいてサービスから得られる価値は異なるものであり,ペットショップ,Web上

のペットショップそれぞれにおいて,サービスのシナリオを次のように想定する。

(1)ペットショップのケース

ペット専門の小売店であるペットショップへ顧客が直接出向き、展示されているペットを主体

に購入を行なう。ただし、目的のペットを見つけるまで、自家用車にて数店舗を回るとともに、

目的のペットを探しあてた場合もペットを購入することを決定し、入手するまで3回程度は来店

することを想定している。

ペット生産者は生産したペットをペットショップへ納入する。

顧客、ペットショップ、ペット生産者までを含めたペットの購入までの流れを図 3 に示す。

表 5 ペットショップの前提条件

条件項目 ペットショップ Web上のペットショップ取引数 500件/一店舗 1000件店舗床面積 30㎡ 3.3㎡ペットの品揃え 5種類 5種類サーバ数 0台 1台営業時間 9時間 24時間仕入れの距離 5km 0km購入者の距離 5km 0km商品購入までの平均来店回数 3回 6回(2時間程度PC上で)購入者の移動手段 自家用車 なし

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ペットを探す

購入者

オーナー

生産者

商品仕入れ

ペットの流れ生産者→店舗→購入者

ペットショップ

図 3 従来の販売形態

(2)Web上のペットショップのケース

顧客は自宅のパソコンからインターネットを経由し、Web上のペットショップへアクセスする。

Web 上からペットの写真や諸データでペットの確認を行ない、購入するペットを決める。ペット

を購入したら、ペット生産者からペットの宅配便を利用して顧客の自宅に送付される。

生産者は販売したいペットの写真や諸データを Web 上のペットショップへ登録を行なう。ペッ

トが販売されれば、宅配便を利用して顧客へペットを送付する。

Web 上のペットショップはオーナーが管理および監視を行なっている。

顧客と生産者の間でのペット代金の授受は外部の代金授受システムを利用する。

顧客、Web 上のペットショップ、ペット生産者までを含めたペットの購入までの流れを図 4 に示

す。

購入者(多数)

DB 販売するペットを登録

Google MapTM

システムの参考:Java Pet Store:Sun Microsystems, Inc

カタログ検索

ペット生産者(多数)

外部(商品代金決済代行)外部(マップ)

オーナ(管理者/監視者)

検索

詳細参照/購入

購入やりとり

購入やりとり

サーバ

図 4 Web 上のペットショップの販売形態

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第2項 価値分析表による算出結果

価値分析表を利用した指標の算出結果を表 6 に示す。

表 6 価値分析結果

要求 比較 指標 旧 新

4 2

旧:ペットの属性(血統書など)を確認することが可能新:ペットの属性(血統書など)を確認することが可能

・血統書・身長、体重等のデータの把握・誕生日データ

1 1

旧:店においてあるペットの確認が可能新:ネット上から参照可能な数�

参照可能な数 20 10000

2

・店員の知識が豊富である・商品メニュー(アクセサリー、フード)が豊富

リアル:店員個々の知識が必要となるが,知識の多様性を持つことが出来るバーチャル:店舗(店員1人と同じ?)の知識として均質な知識を提供可能であるが,多様性が難しい・メニューは同じ。在庫に違いが出る。ロングテールの在庫確保にバーチャルが優位

・品揃え 1 1

3

・質問したらすぐに回答してくれるか?・注文したらすぐ手にはいるか?・注文の入荷進度を確認できる。

リアル:店員とは対面で質問/交渉可能(回答は定員のレベルに依存)。購入したらその場で連れ帰ることも可能

ヴァーチャル:ネットショップ管理者(又は対応専門家)とチャット/e-mailなどでやり取りする(回答のレスは対面よりは落ちるか?)。 注文後は生産者からの出荷?に、ある程度の時間が必要。進捗の確認可否はシステム・輸送手段による。

・質問から回答までの時間(営業日)・注文から入手までの時間(時間)・(注文の入荷進捗度を)問合せから情報入手までの時間

1.5.2

54812

4

・健康なペットがほしい・血統書が確認できる

・どちらも数値データの提供は可能なため,物的要素と同じになる(ただし、提供者によって健康データの提供するかどうかは未定。)・血統書の確認は可能

・双方とも可能であるが、均質に提供できるか(均質なサービスを維持でるかは)未定(半数は提供してくれないものと仮定)・双方とも可能

11

0.51

5

希望に沿った(大きさ、種類)ペットを購入できる 旧:ペット店で見ることのできる動物から選択できる新:掲載された複数の動物から選択できる

・参照可能な動物の種類、数 20 10000

6

旧:店の説明が主体新:対象のペットもしくは同種のペットに対するいろいろな人のコメントを入手することが可能。

・対象個体のペットに対する説明が可能な人数・対象種に対する説明が可能な人数・説明者の熟練度(年数)

3310

1∞1

7

旧:店員が自分の知識に応じて、柔軟に顧客のライフスタイルまでを考えて提案可能新:メール等を介して、顧客のライフスタイルに合わせた提案が可能

・回答までの遅延時間(ただし、本来はアドバイスの質を測定したい。)

0.1 24

8

旧:ペットを見ながら、店員が、リアルタイムに対応してくれる。一方で、店員に詳細な商品知識が求められ、属人的になる。新:システムが対応するために、リアルタイムの対応が厳しい。ただし、ペットの詳細な情報をもとに、おすすめの情報を紹介するシステムを作りこむことは可能。この場合、出品者がペットの年齢等の諸情報を詳細に入力する必要があると同時に、店舗側も、各種アクセサリーなどに、詳細な条件を記載して、システム的に条件マッチングを行うことが必要。

・顧客同時対応可能数・紹介されるアイテムの最適化度合い ・新規商品導入時に最適化にかかる時間(日程) ・新規ペット導入時に最適化にかかる時間

*紹介リスト:顧客の条件に合わせて、最善を提案するための商品の数

120m20m

100007D14D

・店にアクセスしやすいのがよい 旧:ペットを見にいくためには遠近に関わらず店に行く必要がある。新:店舗がネット上であるため、ネットへのアクセス環境があれば店に(仮想的に)行くことが可能である。

・店舗へのアクセス時間、距離、手間(数)など・駐車場(有無,台数) を追加

0.13

0.210000

旧:店舗で預りサービスを実施していれば可能。新:多くのペット業者の商品を束ねた仮想店舗であり、リアルに預かることの可能な設備はネット上の店舗にはない。(しかし、預りサービスを行う業者の紹介等は可能と思われる)

・預かりサービスの有無・預かりサービス紹介の有無

0.51

01

旧:店舗でトリミングサービスを実施していれば可能。新:多くのペット業者の商品を束ねた仮想店舗であり、リアルにトリミングの可能な設備はネット上の店舗にはない。(しかし、トリミングサービスを行う業者の紹介等は可能と思われる)

・トリミングサービスの有無・トリミングサービス紹介の有無

0.51

01

旧:店舗で動物病院を兼ねていれば可能。あるいは近隣の動物病院を紹介することは可能。新:多くのペット業者の商品を束ねた仮想店舗であり、リアルに予防注射等健康管理を行なえる設備はネット上の店舗にはない。(しかし、動物病院の紹介等は可能と思われる)

・動物病院を兼ねているかどうか・動物病院紹介の有無

0.051

01

旧:店舗でペットの葬儀を実施していれば可能。あるいは近隣の葬儀業者を紹介することは可能。新:多くのペット業者の商品を束ねた仮想店舗であり、リアルにペットの葬儀を行なえる設備はネット上の店舗にはない。(しかし、葬儀業者の紹介等は可能と思われる)

・葬儀事業の有無・葬儀事業者紹介の有無

01

01

9

顧客の理解

指標に入れた

購入者

信頼性

応答性

保証性

共感性

アクセス・利用性

物的要素

ペットに関する様々なアフターサービスをしてくれる

ライフスタイルにあったペットを購入したい

・ペットを確認したい

1

旧:ペットショップで直接確認することが可能新:写真のみ参照可能

No

・五感のうちいくつ感じられることが可能か?(視、聴、嗅、触(味は除く))

分析

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第3項

ペットショップで購入した場合と Web 上のペットショップから購入した場合の価値の比較を

表 7 に従い実施した結果、式(2)により 1.060 となった。

表 7 ペットショップにおける QFD による価値の比較結果(購入者)

TITLE: ペットショップ改善方向 ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↓ ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ ◎ ↑ ↓ ↓ ↑ ↑ ↑ ↑

04/01/2001 品質特性

要求品質 要求

品質

重要

確認

可能

な感

覚数

(max

:5)

血統

書の

有無

誕生

日デ

ータ

参照

可能

な個

体数

アク

セサ

リー

など

の品

揃え

質問

から

回答

まで

の時

注文

から

入手

まで

の時

入荷

進捗

度情

報の

入手

まで

の時

対象

個体

のペ

ット

に対

する

説明

が可

能な

人数

対象

種に

対す

る説

明可

能な

人数

説明

者の

熟練

回答

まで

の遅

延時

同時

顧客

対応

希望

に対

する

照会

でき

るア

イテ

ムの

最適

化度

合い

新規

ペッ

ト導

入時

に対

する

最適

化に

かか

る時

店舗

への

アク

セス

コス

駐車

預か

りサ

ービ

スの

有無

預か

りサ

ービ

スの

紹介

ペットを確認したい7.8 ● △ ○ ○      

店員の知識が豊富である2.9       ● △ ○ △ △

商品メニューが豊富3.7       ● ○

質問したら早く回答がほしい1.3     ● △ △

注文に対する応答がスピーディーであってほしい 1.2 ○ ○       △

注文の入荷真直度を確認したい0.7 ○ △

健康なペットがほしい6.2 △ △    

血統書が確認できる0.7 ●      

希望に沿ったペット購入できる5.0 ○ △ ● △   ○ ○ ○ △ △ △ △

ライフスタイルに合ったペットを購入したい 8.7 ● ○   △ ○ ○

店舗へはアクセスしやすいほうが良い0.8     ● ○

ペットに関してアフターサービスを提供してくれる 1.1       ○ ○

品質特性重要度(顧客) 20.0

2.9

4.1

32.8

2.3

4.4

1.3

1.6

9.2

1.9

2.8

2.7

4.4

4.4

1.6

0.5

1.3

1.3

品質特性正規化

従来 1.0

1.0

1.0

0.0

1.0

1.0

1.0

1.0

1.0

0.0

1.0

2.4

0.0

1.0

1.0

0.5

0.0

1.0

1.0

新規 0.5

1.0

1.0

1.0

1.0

0.2

0.0

0.0

0.3

1.0

0.1

0.1

1.0

0.0

0.0

1.0

1.0

0.0

1.0

品質特性(重み付け) 合計 向上比

従来 20.0

2.9

4.1

0.1

2.3

4.4

1.3

1.6

9.2

0.0

2.8

0.0

0.0

4.4

4.4

0.8

0.0

1.3

1.3 59.5 1.060

新規 10.0

2.9

4.1

32.8

2.3

0.9

0.0

0.0

3.1

1.9

0.3

0.0

2.7

0.0

0.0

1.6

0.5

0.0

1.3 63.1

改善方向 ↑ Maximize

◎ Target

↓ Minimize

対応関係�

● 強い関係(9点)

○ 普通の関係(3点)

△ 弱い関係(1点)

対応なし(0点)

1.06063.1

59.5Web≒=

入した場合の価値ペットショップから購

ら購入した場合の価値上のペットショップか (2)

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第4章 まとめ

第1節 価値算出手法の有効性

今年度は「書籍と電子書籍の流通手段の価値の比較」「ペットの購入形態の違いによる価値の比較」

の 2 つの事例に対して 2009 年度に提案を行った価値算出手法[2]を適用した結果、下記の効果を確認す

ることができた。

① 施行錯誤の低減による作業工数の削減

作業手順を明確にし、同じシステムにおいてラダーリングによる価値算出作業と 2009 年度に

提案を行った手法について作業工数の比較を行ったところ、全体工程で約 30%の工数削減(図 5)

が確認できた。「要求抽出~品質特性導出」のプロセスの試行錯誤が大幅に低減されたことが要

因である。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

ラダーリング利用

提案する手法

モデル作成、業務範囲の決定

要求抽出~品質特性導出

QFD作成

図 5 価値算出における工数の比較

② 観点の偏りの低減

価値の分析における「物的要素」「信頼性」「応答性」「保証性」「顧客の理解」「アクセス・利用

性」からなる6つの観点が標準として定義され、それを基に価値算出を行うため、異なった観点

で価値算出を行うという属人性を排除することができた

③ ラダーリングによる価値算出の値との比較

2009 年度にラダーリングを利用し「ペットの購入形態の違いによる価値の比較」について価値の

比較を行った結果、1.064 と算出された。

1.064Web

≒入した場合の価値ペットショップから購

ら購入した場合の価値上のペットショップか (3)

今回の価値の比較結果である「1.060」と比較するとかなり近似していることがわかる。現在、比

較できる算出結果が一システムしかないが、ラダーリング手法を簡易化した手法[2] [2]においても

算出の精度が同等である可能性が高いことがわかる。

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第2節 今後の課題

価値算出手法の適用により、算出する過程において次の課題が生じた。

① 価値算出手法の課題

ICT ソリューションの要求に対する品質特性の導出が、要求の大部分において可能となったが、

いまだ、感性など定性的なものについて導出が難しいものが一部存在する。

② 環境負荷と価値の二重評価における課題

価値を算出する対象が企業内システムの場合は業務作業の効率が主体となる。これは環境負荷

の算出時にも評価対象となるためファクター算出の際に二重に評価されてしまう。この二重の評

価を容認するか、もしくは他の特徴を持った要求を抽出する手段の検討が必要である。

今後は以上の課題について継続して検討を行なう。

第3節 あとがき

2007 年度から ICT の「価値」定量化における課題解決を目的とした,東京大学,早稲田大学と企業

11 社で構成する「ICT の環境効率評価のための価値の検討 WG」を端として,本研究会は検討を進め

てきた。研究会の活動としては「価値」定量化のためのフレームワークを提案し,本年度一旦終了す

る。しかし 2011.3.11 に起きた「東日本大震災」により,ICTサービスにおける一層の省エネルギー

が求められるとともに,その上で提供する「価値」の増大が重要になると思われる。したがって,

目に見える価値だけではなく本研究会が課題として残した感性を始めとした定性的な価値につい

ても検討されていく契機となれば幸いである。

小研究会1委員一同

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第5章 ワーキンググループ委員名簿

本研究会の参加メンバーを下表に示す。

表 2.1 参加メンバー

社 名 氏 名 所属・役職 執筆担当

(章)

東芝ソリューション

株式会社 村田 尚彦

IT技術研究所 研究開発部

IT品質ラボラトリー 参事

4章

清水 歩 CSRセンター 環境推進部

研究主務

パナソニック株式会社 本池 祥子

環境本部 環境企画グループ

主事

3章1節

株式会社日立製作所 前川 均

情報・通信グループ

環境推進本部 主管技師

3章2節

濱塚 康宏 横浜研究所 生産技術研究センタ

主任研究員

シーティーシー

・ エスピー株式会社 斉田 直樹

管理本部 本部長補佐

環境事務局

1章

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第6章 参考文献

[1] ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する調査・検討

報告書(P4-P31):2009 年:村田、清水、原田、野崎、豊国、田中、平田、伊藤、福田、前川、

濱塚:日本環境効率フォーラム

(http://www.jemai.or.jp/CACHE/eco-efficiency_details_detailobj4456.cfm)

[2] ファクターにおける価値算出方法の提案:2011 年:村田、清水、本池、前川、濱塚、斉田、

小清水:第 6 回日本 LCA 学会研究発表会

(http://www.jstage.jst.go.jp/article/ilcaj/2010/0/179/_pdf/-char/ja/)

[3] ICT の環境効率評価のための「価値」と新サービスの環境負荷評価方法に関する報告書

(P28-P34):2009 年:村田、清水、本池、前川、濱塚、斉田、小清水:日本環境効率フォー

ラム

(http://www.jemai.or.jp/CACHE/eco-efficiency_details_detailobj5186.cfm)