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平成28年度~平成31年度 平成28年3月 坂戸市 坂戸市ICT推進アクションプラン 2016

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Page 1: 坂戸市ICT推進アクションプラン - Sakado坂戸市ICT推進アクションプラン 4 (出典)総務省「情報通信白書平成26年度版」 2 普及するソーシャルメディアと期待される効果

平成28年度~平成31年度

平成28年3月

坂戸市

坂戸市ICT推進アクションプラン

2016

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坂戸市ICT推進アクションプラン

1

目 次

第1章 計画の背景 ............................................. 2

第1部 我が国における情報化の現状 ........................... 2

1 インターネットの普及と生活インフラ化 ................. 2

2 普及するソーシャルメディアと期待される効用 ........... 4

3 デジタル・デバイド .... .............................. 7

4 インターネット利活用における不安.................... 11

5 東日本大震災で明らかとなった課題 ................... 12

第2部 国及び埼玉県によるICT政策の動向 ................. 17

1 国におけるICT政策の動向 ......................... 17

2 埼玉県におけるICT政策の動向 ..................... 20

第3部 坂戸市における情報システムの現状 ................... 22

1 既存システムの現状と課題 ........................... 22

第2章 坂戸市のICT推進アクションプランについて ........... 28

第1部 プランの基本的考え方 ............................... 28

1 プランの趣旨・位置付け ............................. 28

2 プランが目指す方向 ................................. 28

3 情報化の現状を踏まえた計画の策定 ................... 29

第2部 計画期間 ........................................... 31

第3章 ICT推進アクションプランにおける具体的な取り組み ... 32

第1部 業務システムの課題等への取り組み ................... 33

1 基幹系システムについて ............................. 33

2 情報系システムについて ............................. 34

第2部 人材育成 ........................................... 38

用語 ........................................................ 39

文中に「*」を付した語句については、39ペ

ージ以降に「用語の解説」がありますのでご

参照ください。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

2

第 1 章 計画の背景

第1部 我が国における情報化の現状

1 インターネットの普及と生活インフラ化

インターネットは、情報収集やコミュニケーションそしてショッピングにと、なく

てはならない生活手段としてその地位を築いています。

我が国の平成25年末のインターネット利用者数は、平成24年末より392万人

増加して10,044万人(前年比4.1%増)、人口普及率は82.8%(前年差3.

3ポイント増)となりました。

平成25年末における個人の世代別インターネット利用率は、13歳から59歳ま

では9割を超えているのに対し、60歳以上は大きく下落しています。

家庭内におけるインターネットの利用目的については、「電子メールの送受信」が

最も多く、次いで「商品・サービスの購入・取引」、「動画投稿・共有サイトの利用」

となっており、インターネットは、生活の必須アイテムになっている傾向が見られま

す。

7,730 7,948

8,529 8,754 8,811 9,091

9,408 9,462 9,610 9,652 10,044

64.3 66.0 70.8 72.6 73.0

75.3 78.0 78.2 79.1 79.5

82.8

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000インターネットの利用者数及び人口普及率の推移

利用者数 人口普及率

(万人) (%)

H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25

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坂戸市ICT推進アクションプラン

3

(出典)総務省「情報通信白書平成26年度版」

携帯電話からインターネットに接続する携帯IP接続サービスは、平成11年から

開始され、電子メールの送受信や携帯向けインターネットサイトの閲覧が携帯電話で

できるようになりました。また、平成15年に携帯インターネットを対象としたパケ

ット定額サービスが提供されたことで、料金を気にすることなく携帯インターネット

が利用可能となり、これを背景にインターネットを利用する際、モバイル端末を利用

する人の割合が増加しました。

端末別インターネット利用状況をみると、「自宅のパソコン」が58.4%と最も

多く、次いで「スマートフォン*」(42.4%)、「自宅以外のパソコン」(27.

9%)となっています。

自宅などの固定インターネットに限らず、個人それぞれがインターネット接続でき

る環境が整ったことで、インターネットの生活インフラ化が進んだと言えます。

82.8

73.3

97.9 98.5 97.4 96.6 91.4

76.6

68.9

48.9

22.3

1 0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

世代別インターネット利用率 (%) 25年末

全体 6~ 13~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 65~ 70~ 80歳

12歳 19歳 29歳 39歳 49歳 59歳 64歳 69歳 79歳 以上

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坂戸市ICT推進アクションプラン

4

(出典)総務省「情報通信白書平成 26年度版」

2 普及するソーシャルメディアと期待される効果

ソーシャルメディア*とは、Webサイト上で提供されるサービスのうち、ユーザー

の積極的な参加によって成り立ち、ユーザー間のコミュニケーションをサービスの主

要な価値として提供するサービスの総称です。

主なソーシャルメディアとしては、LINEやフェイスブック、ツイッターなどの

SNS*(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログ*、BBS*(電子掲示

板)などインターネット上の掲示板サイトやユーチューブなどの動画共有サイトなど

があります。

平成25年度におけるソーシャルメディアの利用率は、各年代ともLINEやフェ

イスブックの利用が多く、世代別では若年層ほど利用率が高くなっており、30代よ

り若い世代の利用が多く60代以上と大きな差があります。

82.8

58.4

42.4

27.9

24.5

12.4

9.1

5.8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

インターネット利用端末の種類 (%) 25年末

インターネットに

接続できるテレビ

家庭用ゲーム

機・その他

タブレット型端末機

携帯電話

自宅以外のパソコン

スマートフォン

自宅のパソコン

インターネット利用率

(全体)

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坂戸市ICT推進アクションプラン

5

(出典)総務省「情報通信白書平成 26年度版」

人間関係が希薄になる傾向にある現代社会において、ソーシャルメディア*は「オフ

ラインコミュニケーションの補完」「ソーシャルメディアを契機とする新たなコミュ

ニケーションの創造」に効果を発揮しています。

ソーシャルメディアの利用者の多くが「自分や家族の進学・就職・結婚・育児等の

問題が解消した」、「自分や家族・親戚の健康上の不安・問題が解消した」、「老後

のくらしに希望が持てるようになった」等身近な不安・問題の解決を実現しています。

このように、ソーシャルメディアには多くの効用が見受けられ、人々はその目的に

応じた使い分けをしています。ソーシャルメディアは、人と人とを結びつけ、その絆

を深め、現実社会における身近な不安や問題を解決し、人と人とが支え合うためのツ

ール(道具)として活用されています。時間や場所の制約の無いソーシャルメディア

の利用により、社会の中で孤立するおそれのある人々が支え合いのネットワークを持

つことにも寄与しており、今後更にICT*(情報通信技術)の力で幅広い層の人々を

包摂することができるものと期待されています。

70.5

22.3

39.6

8.6

14.4 16.4

80.3

57.0

47.1

34.1

22.9 16.6

65.4

42.0

13.3

19.2 16.4

14.4

42.6

20.3 12.5

9.8 13.9 11.8

22.3

15.2

7.0 3.9 2.7 3.5 4.3 5.0

3.0 1.0 1.7 0.7 0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

LINE Facebook Twitter mixi Mobage GREE

ソーシャルメディアの利用率

10代 20代 30代 40代 50代 60代

平成25年度 (%)

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坂戸市ICT推進アクションプラン

6

(出典)総務省「次世代 ICT社会の実現がもたらす可能性に関する調査研究報告書」(平成 23年)

39.4

84.1

54.3

73.3

59.9

58.3

36.3

34.5

19.0

17.7

14.1

14.0

10.1

9.8

11.7

10.3

8.6

3.5

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90

疎遠になっていた人と再び交流するようになった

知りたいことについて情報を得られた

自分の情報や作品を発表できた

同じ趣味・嗜好を持つ人と交流できた

不特定多数とのコミュニケーションをとることが…

自分の周囲にいないタイプの人と知り合えた

ソーシャルメディアで知り合った人と実際に会う…

新たな絆(ビジネスパートナーや趣味友達など)…

自分や家族の進学・就職・結婚・育児などの問…

自分や家族・親戚の健康上の不安・問題が解…

家族・親戚間の人間関係がより良好になった

勤務先・学校での人間関係や業績・成績が良…

収入や資産に関する不安・問題が解決した

老後の暮らしに希望がもてるようになった

近隣・地域にかかわる不安・問題が解消した

社会の仕組みを変えることに貢献できた

政治や政策に影響を与えることができた

あてはまるものはない

ソーシャルメディアを利用して実現したこと

(%)

オフラインコミュニケーション

情報の受発信

身近な不安・問題の解決

社会・コミュニティの問題解決

できた

ことができた

が生まれた

題が解消された

消された

好になった

ソーシャル

メディアを

契機とする

新たなコミ

ュニケーシ

ョン

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坂戸市ICT推進アクションプラン

7

3 デジタル・デバイド

デジタル・デバイド*とは、「インターネットやパソコン等の情報通信技術(ICT*)を利用できる者と利用できない者との間に生じる格差」のことをいいます。

インターネットが生活のインフラ(基盤)となりつつある状況を考察すると、イン

ターネットの利用が進んでいない(デジタル・デバイドが生じている)層は、インタ

ーネットにアクセスできないことで生活に必要なサービスにアクセスできず、負の連

鎖を生むことが懸念されています。

世代別にみると、60歳以上での利用が13歳から59歳の層と比較すると低く、

特に、60歳以上では年齢層が上がるにつれて利用率が下がる傾向がみられます。ま

た、所属世帯年収別のインターネット利用率は、400万円以上で8割を超えている

が、年収が低いほどその利用率が低く年収200万円未満の世帯では、利用率が約6

割となっています。

そこで、インターネット利活用上の課題としてあげられているものは、低所得層に

おいては「ネット接続料金が高い」「ネット接続端末が高い」等経済的な課題が大き

な問題とされており、また、高齢層では「新しい技術・製品・サービスについていく

のが難しい」「端末の使い方がわからない」といった意見が多く、技術等への対策が

課題とされています。

(出典)総務省「情報通信白書平成 26年度版」

65.3

75.9

83.5 88.1 87.2 89.9

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

所属世帯年収別インターネット利用率

平成25年末(N=36,594)

(%)

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坂戸市ICT推進アクションプラン

8

障害者にとってICT*は、自立生活、在宅就業、就労に向けた教育、生活・就労の

ための情報収集等、社会参加・生活を容易にする潜在力をもっていると考えられてい

ます。しかしながら、ICTツールは障害者の情報入手手段としてはいまだ利用率が

低い状況にあり、ICT製品・サービス等における障害者の情報バリアフリー対策が

重要な課題となっています。

障害者のデジタル・デバイド*解消については、内閣府が平成21年度に行った調査

によると「画面の表示やデザインが見づらい(13.7%)」、「書かれている内容

が難しい、わかりづらい(15.7%)」、「キーボードや周辺機器、ソフトウェア

が操作しづらい(15.3%)」、「音声が聞きづらい、わからない(10.3%)」、

「点字ディスプレイ、ジョイスティック、読み上げソフト、その他の補助機器・ソフ

トウェアの開発普及や操作性が不十分(9.5%)」といったユニバーサルデザイン

の充実や、「使い方を教えてくれる人が身近にいない(17.8%)」といったサポ

ート体制の充実が課題としてあげられています。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

9

(出典)内閣府「平成 21年度 障害者施策総合調査」

13.7

15.7

15.3

10.3

9.5

17.8

28.4

30.0

40.0

9.1

3.4

22.0

3.5

0 10 20 30 40 50

インターネットを利用する際に困ること・不安なこと

(%)

画面の表示やデザインが見づらい

書かれている内容が難しい、わかりづらい

キーボードや周辺機器、ソフトウェアが操作しづ

らい

音声が聞きづらい、わからない

点字ディスプレイ、ジョイスティック、読み上げソ

フト、その他の補助機器・ソフトウェアの開発普

及や操作性が不十分 使い方を教えてくれる人が身近にいない

機器や通信にかかる費用が高い

インターネットによる悪徳商法がこわい

個人情報の流出がこわい

ホームページや掲示板などでの誹謗・中傷

その他

特にない

不明・無回答

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坂戸市ICT推進アクションプラン

10

(出典)内閣府「平成21年度障害者施策総合調査 」

34.2

15.8

7.5

35.5

41

72.3

14.9

21.5

15.7

7.5

8.9

22.7

33.7

1.8

2.8

3.7

0 20 40 60 80

障害者にかかる行政情報をどこから得ているか

行政窓口

行政ホームページ

行政以外のホームページ 新聞・テレビ・ラジオ・雑誌・映画・社内野

外広告 広報誌

障害者団体

サービス提供事業者

ボランティア・NPO団体

シンポジウム・講演会

Eメール、携帯メール、メールマガジンなど

その他

特にない

不明・無回答

ポスター・パンフレット

交流活動

友人・知人・家族

(%)

n=2,135

25.2

33.2

31.6

30.3

21.1

33.4

19.9

38.8

37.8

55.1

38.1

6.2

13.6

0 10 20 30 40 50 60

情報提供のバリアフリー化を進めるのに必要なこと

各種書類の点字化、音声化

アクセシブルな(情報を入手しやすい)ホー

ムページ作成

その他

不明・無回答

公共施設等の点字案内、音声ガイド、案内表示の設置

(%)

各種書類の音声コードの付与

公共施設等における手話通訳の配置

公共施設等における要約筆記者の配置

各種書類・ホームページにふりがなの付与

インターネット等に文字情報を入れる 各種資料・ホームページに問合せ先が(電話・ファックス

番号やメールアドレスなど)示されていること

見やすい書類・ホームページの作成(拡大文字)

誰もが分かりやすい内容の書類・ホームページの作成

n=2,135

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坂戸市ICT推進アクションプラン

11

4 インターネット利活用における不安

少なくとも1人はインターネットを利用したことがある世帯について、インターネ

ットを利用して感じる不安をみると、81.4%が「個人情報が外部に漏れていない

か」を挙げており、次いで「コンピュータウィルス*への感染」が76.7%、「電子

決済の信頼性」が47.4%などとなっており、情報セキュリティ*に関する不安を抱

えていることがうかがえます。

情報活用能力別に「安全性の理解」の有無に応じた「ネット活用全般の不安」の違

いを見てみると、全般的な傾向としては、情報活用能力が低下するにつれて、不安を

感じる割合は高まっていく傾向が見られます。また、情報活用能力の各レベルにおい

て、安全性を理解していない人は、理解している人に比べて「不安」が高い傾向とな

っています。特に60代、70代以上は、情報活用能力や安全性の理解がその他の年

代と比較して低く、インターネットの利活用に関して「不安」が高くなっています。

この結果から、今後、この「不安」を払拭するためには情報活用能力の向上とともに

安全性の理解を促していくことが重要な課題であると考えられます。

(出典)総務省「情報通信白書平成 26年度版」

81.4

76.7

47.4

46.5

45.0

42.9

34.5

16.1

15.5

13.0

10.2

8.2

7.7

1.3

0 20 40 60 80 100

個人情報が外部に漏れていないか

コンピュータウィルスへの感染

電子決済の信頼性

迷惑メールが来ること

どこまでセキュリティ対策を行えばよいか

架空請求やインターネットを利用した詐欺

きちんと理解できているか

認証技術の信頼性

違法・有害情報の氾濫

知的財産権を侵害していないか

インターネット依存になっていないか

電子メールの送受信がうまくいっているか

コミュニケーション相手とのトラブル

その他

世帯におけるインターネット利用で感じる不安

(%)

平成25年末(n=8,534)

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坂戸市ICT推進アクションプラン

12

5 東日本大震災で明らかとなった課題

東日本大震災では、国民の生命・財産の安全や国家機能の維持に不可欠な重要性を

有する通信インフラにおいて、広範囲にわたり、輻そう*(特定の回線等にアクセスが

集中し使用できなくなる状態)や通信途絶の状態が生じました。ICT*を活用した

様々な取り組みも、ICTインフラ(及び電力)が使用できる環境がなければ、その

機能を十分に発揮することは不可能です。

今後の課題として、耐災害性に優れたネットワーク構築など、可能な限り災害に強

いICTインフラの整備に向けた取り組みが必要となります。

今回の震災に関しては、多くの研究機関においてICTに係る問題や課題について

の調査・研究が行われています。以下、いくつかの調査研究資料を掲載するとともに、

本計画を策定するうえで必要となる事項について考察することとします。

(1)被災者のICT環境に関する要望やニーズ

被災者のICT環境に関する要望やニーズで最も多かったのが、携帯電話による通

話等の確保であり、電源の喪失(バッテリー切れ)や輻そうによる連絡・情報収集手

段の途絶が問題とされていました。

必要とされる対策としては、電源の確保、公衆無線LAN*環境など通信インフラの

整備(災害等に備え通信回路の二重化)や確保等があげられています。

また、津波情報に係る情報入手手段としては、テレビ、ラジオそして防災無線が重

要視されていました。しかし、防災無線に関しては、聞こえなかった人が57.1%

となっており、半数以上の人が聞こえない状況となっていました。避難に際しては如

何に早く正確に、そして全ての市民に必要とされる情報を伝達することができるかが

課題となっています。

一方、実際の避難に当たって行動を決定する根拠としたものは、防災無線や目視の

割合が比較的高いのに対し、経験則とした人は37.1%にものぼり、防災無線から

の情報に対する信頼性が問題とされる結果となっています。

(2)自治体の対応

行政から発信された情報については、被災地において、53.9%もの人が不十分

だったと回答しています。被災者の行政情報収集手段としては、電源の喪失の影響等

により、機器に頼らない直接訪問や近隣住民の口コミが多くなっていました。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

13

また、被災市町村においても県からの情報受信が正常におこなわれなかった割合が

55.6%に達しており、情報入手経路がうまく機能しなかった自治体では、マスメ

ディアからの情報収集に頼らざるを得ない状況でした。

自治体が情報発信に利用した手段で最も多かったのが防災無線でしたが、一方で津

波被害等により活用できなかった自治体が44.4%にも上り、災害時等における自

治体の情報発信体制の確保が課題とされました。

情報弱者と言われる高齢者に対しての情報提供については、67.7%と多くの自

治体において特別な工夫はなされていませんでした。理由としては、口頭による情報

伝達が主流であった等が考えられています。

30.2%

53.9%

15.9%

行政情報収集の充足度

十分だった

不十分だった

わからない/無回答

n=301

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坂戸市ICT推進アクションプラン

14

(出典)(株)三菱総合研究所「災害時における情報通信の在り方に関する調査結果」

22.2

11.1 8.1

4.0

14.1

67.7

0

10

20

30

40

50

60

70

80

高齢者配慮の工夫 (%)

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坂戸市ICT推進アクションプラン

15

(出典)平成 24年版 情報通信白書

(3)震災を契機とした業務継続の考え方

東日本大震災では、多くの地方自治体や企業において重要なデータが紛失してしま

い、早期の業務再開に支障を来していました。また、電源の回復には3日程度、更に

通信インフラの回復には1週間程度の時間を要したことも、早期の業務再開を阻む要

因となりました。

43.9

12.3

78.2 76.4

29.1 25.7

34.6

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

首都圏住民が震災当日に利用しようとした通信手段 (%)

55.1

36.0

65.4

37.0

32.0

17.9

11.3

31.6

27.1

29.8

50.5

38.8

21.4

18.2

13.3

36.8

4.9

12.4

29.2

60.8

70.5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

固定電話(n=879)

公衆電話(n=247)

携帯(音声)(n=1,565)

携帯メール(n=1,528)

携帯ウェブ(n=582)

パソコンメール(n=416)

パソコンウェブ(n=692)

通信手段を利用しようとした人の首都圏における疎通度

全くつながらなかった 時々つながった 全部つながった

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坂戸市ICT推進アクションプラン

16

被災地における自治体や企業の業務継続に係る意識について見てみると、データの

バックアップとネットワークの冗長化*(通信回路の二重化)など大多数でその必要性

を指摘しているものの、他方では、この実現には多大な投資が必要となるなど経済性

に対する懸念があげられています。

また、データなどを遠隔地に保管し、こことのやり取りでシステムを運用するクラ

ウドコンピューティング*については、災害時における業務の継続に関して有効との反

面、現行業務の大幅な見直しやセキュリティ、通信環境の充実等があげられており、

特に個人情報の管理については、冗長性確保の観点から有効ではあるものの、個人情

報を扱う上でのセキュリティ対策に十分配慮する必要があります。

次に、震災前後における企業の経営課題の変化では、災害が発生した場合でも業務

を継続できる、また、被害を最小限に食い止めるBCP*(業務継続計画)や早期の復

旧を図るDR*(災害復旧)を経営課題の最優先とする企業が増加していることがうか

がえます。

震災前(2011年3月調査時 震災前(2011年5月調査時

1位 IFRS(国際財務報告基準)への対応 災害やシステムダウンへの対応(BCP/DR)

2位 業務プロセスの効率化 経営意思決定の迅速化(スピード経営)

3位 グローバル化への対応 セキュリティ強化(個人情報保護)への対応

4位 社内体制・組織の再構築 IFRS(国際財務報告基準)への対応

5位 経営意思決定の迅速化(スピード経営) 業務プロセスの効率化

6位 営業力の強化 社内体制・組織の再構築

7位 社内コミュニケーションの強化 営業力の強化

8位 企業間(グループ、業界、取引先間)の情報連携 法規制への対応(全般)

9位 商品・サービスの品質向上 IT機器・システム更新時期への対応

10位 IT機器・システム更新時期への対応 社内コミュニケーションの強化

11位 新たな顧客コミュニケーションの構築 企業間(グループ、業界、取引先間)の情報連携

12位 法規制への対応(全般) グローバル化への対応

13位 セキュリティ強化(個人情報保護)への対応 新商品・新市場の創出基盤の構築

14位 災害やシステムダウンへの対応(BCP/DR) 基盤環境(通信、OSなど)の変化への対応

15位 新商品・新市場の創出基盤の構築 新たな顧客コミュニケーションの構築

情報システム基盤の復旧に関する対策の調査【調査結果報告書】より独立行政法人情報処理推進機構

震災前後の今後1~3年で重視する経営課題(震災前 n=88、震災後 n=172)

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坂戸市ICT推進アクションプラン

17

第2部 国及び埼玉県によるICT政策の動向

1 国におけるICT政策の動向

国では、平成13年(2001年)以来、高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本

部(IT総合戦略本部)を中心にIT革命への本格的な取り組みを開始しました。e

-Japane戦略、u-Japane政策、i-Japane戦略2015、IT新

改革戦略等を推進し、平成25年(2013年)6月には「世界最先端IT国家創造宣

言」を策定し推進しています。

一方で、地方分権改革の加速、厳しい財政状況、地域における社会変化など、地方

を取りまく環境の変化は大きく、電子自治体の取り組みにおいてもこれら問題への対

応が求められています。これらを踏まえ、総務省では、各地方公共団体が電子自治体

関連政策を推進する際の参考として平成19年(2007年)3月に策定した「新電子

自治体推進指針」を改訂するため、「電子自治体の取り組みを加速するための検討会」

が開催されている状況です。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

18

次に各種の取り組みの中で、本市におけるICT*推進アクションプランの策定のう

えで参考としなければならない、総務省策定の「電子自治体の取り組みを加速するた

めの10の指針」の概要を表記します。

節 指針 地方公共団体の取り組み項目

【1】

番号制度の導入に併せた自治体クラウ

ド*の導入

① コストシミュレーション比較・投資対効果試算

の実施

② 最適な自治体クラウド導入スケジュールを策定

③ 業務フローの見直し

④ スケジュールに沿った自治体クラウドの導入

【2】

大規模な地方公共団体における既存シ

ステムのオープン化・クラウド化等の徹底

① 自治体クラウドの導入可能性の検討

② 既存システムのオープン化の促進

③ マルチベンダ*への対応

④ 全庁的共通システム基盤の導入の検討

⑤ 自治体クラウド導入の再検討

【3】

都道府県による域内市区町村の自治体

クラウドの取り組み加速

① 域内市区町村の自治体クラウドの導入状況の把

② 情報化推進計画等への自治体クラウド導入支援

に関する目標設定等の盛込み

③ 域内市区町村間の連携等に関する支援を実施

④ 域内自治体クラウドグループ間の調整

【4】

地域の実情に応じた自治体クラウド実

施体制の選択及び自治体クラウド導入を

見据えた人材育成・確保

① 自治体クラウドの導入効果が最大化するような

導入・運用体制の選択

② 途中参加の容易な自治体クラウドの運用体制の

構築

③ 新システムに応じた業務体制の見直し

④ 新システム導入を契機とした今後の人材育成等

の検討

【5】

パッケージシステムの機能等と照合し

た業務フローの棚卸し・業務標準化による

カスタマイズの抑制

① カスタマイズを抑制することについての庁内・

団体間の合意形成

② 現行の業務フローとパッケージシステムの機能

の照合・分析による業務の標準化

③ 業務の標準化を利用し、事務の共同アウトソー

シング*等を実施

④ 標準化された業務フローの整理・メンテナンス

の実施

【6】

明確なSLA*の締結、中間標準レイアウ

① 自治体クラウドで必要とされるSLAの締結及

び厳格なSLM*の実施

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坂戸市ICT推進アクションプラン

19

トの活用等による最適な調達手法の検討 ② 新システムへの移行に際し、中間標準レイアト

仕様・地域情報プラットフォーム等の活用を検討

③ 次回データ移行時の競争性を確保した調達仕様

書の作成

便

【7】

オープンデータの推進に向けて、地方公

共団体が保有するデータに対するニーズ

の精査及び推進体制の整備

① 保有するデータに対する民間ニーズの把握、関

係法令との関係整理を実施

② 上記①で把握した公開ニーズのあるデータにつ

いて庁内の情報連携を強化

③ 二次利用可能なデータ形式による情報公開体制

の整備

④ 国の実証実験等への参加

⑤ 新たな住民満足度向上施策の検討

【8】

ICT*利活用による更なる住民満足度

向上の実現

① 現在の目標設定の把握、課題の抽出

② ICT利活用による新たな行政サービスの検討

③ 各地方公共団体において地域の実情に応じた多

様な新指標の設定

④ 住民満足度向上につながるPDCAサイクルの

徹底

【9】

CISO*機能の明確化等、情報セキュリ

ティに関する人材・体制の強化

① 情報セキュリティ対策等の重要性の再認識

② 情報セキュリティポリシー*の実効性の確認、課

題の抽出

③ ②の課題を解決するための体制整備

④ 必要に応じた自団体の情報セキュリティポリシ

ーの改定

⑤ ICT-BCP*の策定と実効性の確保

【10】

チェックリストを活用した強力なPD

CAの構築

① 情報政策部門による主導的な情報化推進計画の

作成

② 情報化推進計画を踏まえたチェックリストの作

成・公表

③ チェックリストを活用したフォローアップ・改

善指示等の検討

④ 都道府県による域内市区町村の取り組みの把

握・必要な支援の実施

※表中の番号制度は、社会保障・税番号制度

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坂戸市ICT推進アクションプラン

20

2 埼玉県におけるICT政策の動向

埼玉県においては、国の情報化推進政策を自治体において体現するものとして、平

成12年10月に「埼玉県情報技術(IT)活用総合対策」を決定し、平成13年3

月、「埼玉県電子県庁構築基本方針」を策定しました。

この基本方針の実現を目指して、以降3年ごとに次表のとおり実施計画が定められ、

情報化への取り組みが進められています。

年 取り組み 目標等

平成13年 IT推進アクションプラン

平成16年を「電子県庁元年」と位置付け

次の目標を掲げる

・迅速で質の高い行政サービスの推進

・業務改革によるスリムで効率的な行政

・県民に開かれた身近な県政の実現

平成17年 新IT推進アクションプラン 安心・安全で活力に満ちた県民生活の実現

平成20年 第3次埼玉県ITアクション

プラン

ITの活用による便利な暮らしの実現

平成23年 第4次埼玉県ITアクション

プラン

ITの利活用による豊かで元気な県民生活

の実現

平成26年 埼玉県ITアクションプラン

2014-2016

ITを活用した県民生活の利便性の向上

現在、平成28年度までの計画期間で進められている「埼玉県ITアクションプラ

ン2014-2016」で推進する施策は、次のとおりとなっています。

テーマ 施策

新たな課題・技術への対応

・クラウドコンピューティング*の活用拡大

・タブレット端末*等の効果的な活用

・オープンデータ化の推進

・官民連携による県政情報の発信

・社会保障・税番号制度を支える基盤の整備

県民生活に関わる重要なシステムの構築

・県民生活の安心・安全の確保

・IT利活用による利便性の向上

・ITを活用した共助社会づくりの推進

・IT推進を担う産業の育成

・IT基盤の高度化の推進

システムの再構築と危機管理 ・庁内システムのマネジメントの推進

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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・IT利活用による行政事務の効率化

・IT推進を担う人材の育成

・情報セキュリティの強化とサイバー犯罪*対策

・有害情報等への対策の強化

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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第3部 坂戸市における情報システムの現状

1 既存システムの現状と課題

本市の情報化については、国の「IT基本法」や「e-Japane e戦略」など

様々な計画に基づき、ITアクションプランを策定し「電子計算組織アウトソーシン

グ*サービス事業」や「電子申請システムの導入」など、高度な情報通信技術の便益を

最大限に活用した情報化施策を推進してきました。

本市における情報化の現状について把握し、そこにおける課題等を明らかとするた

め、既存システムの運用状況を見ていきます。

(1)基幹系システムについて

現 状

基幹系システムは、住民記録システムや各種税システム等市民サービス業務の根幹

となるシステムで、以下43の業務システムが構築されています。

システム名 契約期間等 業務名 所管課

基幹系システム

第二期アウトソーシング 平成22年6月23日~

平成29年3月31日

延長期間(3年) 平成29年4月1日 ~

平成32年3月31日

1.住民記録 市民課

2.印鑑登録 市民課

3.住民基本台帳ネッ

トワーク 市民課

4.戸籍管理 市民課

5.国民年金 市民課

6.公的個人認証 市民課

7.個人住民税 課税課

8.申告受付 課税課

9.法人住民税 課税課

10.固定資産税 課税課

11.軽自動車税 課税課

12.宛名管理 情報政策課

13.口座管理 情報政策課

14.収納管理 納税課

15.滞納管理 納税課

16.国保資格 健康保険課

17.国保賦課 健康保険課

18.後期高齢者医療 健康保険課

19.介護保険 高齢者福祉課

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坂戸市ICT推進アクションプラン

23

20.介護認定審査会 高齢者福祉課

21.重度障害者医療 障害者福祉課

22.障害福祉 障害者福祉課

23.障害手当 障害者福祉課

24.自立支援 障害者福祉課

25.ひとり親医療 子育て支援課

26.こども医療 子育て支援課

27.児童手当 子育て支援課

28.児童扶養手当 子育て支援課

29.特別児童扶養手当 子育て支援課

30.保育 保育課

31.生活保護 福祉総務課

32.臨時福祉給付金 福祉総務課

33.畜犬管理 環境保全課

34.健康管理 市民健康センター

35.農家台帳 農業委員会事務局

36.学齢簿 学校教育課

37.就学援助 教育総務課

学校教育課

38.幼稚園管理台帳 教育総務課

39.幼稚園就園奨励費 教育総務課

40.選挙人名簿 庶務課

41.裁判員制度 庶務課

42.国民投票 庶務課

43.役職員台帳 秘書課

「電子計算組織アウトソーシング*サービス事業」については、導入以後コストが削

減されるとともに、市民サービスの向上と、事務の効率化が図られました。

また、重要な個人情報等のデータは、外部の専用の施設において厳重に保管がなさ

れ、安全に管理・保全が図られています。

当該サービスで提供されるシステムは、パスワード認証により担当者ごとに利用で

きるシステムやデータが定められ、これにより個人情報が関係課以外へ流出すること

を防ぐとともに、通信回線は専用線を使用するなど、物理的にも外部と回線が遮断さ

れているため、コンピュータウイルス*感染や外部への情報漏えいのリスクが低減され

ている構成となっています。

また、平成28年度で業務委託契約の更新を迎えますが、マイナンバー(社会保障・

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坂戸市ICT推進アクションプラン

24

税番号制度)の対応に万全を図る必要があるため、「第二期電子計算組織アウトソー

シング*サービス業務委託」を3年間延長する措置を講じました。

新たなアウトソーシング業務委託に当たっては、本アクションプランの目指すとこ

ろに沿って、システム調達の適正化を図るとともに、より効率的・経済的で災害等に

も強いシステムの構築を目指して行く必要があります。

本システムの課題や問題点としては、以下の点が考えられています。

課 題

現在の運用では、全43業務システムを一括でのアウトソーシングサービス契約に

より調達・運用していますが、引き続いて全ての業務システムを一社から提供されて

いる体制を今後も維持し続けることは、経費の比較検討や妥当性、ベンダーロックイ

ン*(特定業者の独自技術に依存したシステム等を採用した場合、他業者の提供する同

種のシステム等への乗り換えが困難になる現象)などを鑑み、難しい状況にあります。

また、総務省による他市町との共同利用を念頭においた自治体クラウド*など、業務

システムの利用形態や契約形態は多様化しており、様々なシステムを組み合せて利用

できる柔軟な環境が求められています。

さらに災害時に対する課題として、東日本大震災の教訓では、戸籍等の重要なデー

タが消失、市民の安否確認、罹災証明等の発行等、重要な自治体業務に重大な影響を

与えました。

(2)情報系システムについて

現 状

庁内向けの情報系システムは、グループウェア*を庁内ポータルサイト*として整備

し、統合型地理情報システムや財務会計、契約管理システム等を庁内向けシステムと

して整備しています。また、ホームページや電子申請・届出サービス、公共施設空き

状況確認システム等を市民向けシステムとして整備しています。事務の合理化・効率

化及び市民サービスの向上を目指し、電子自治体としての社会的要求に対応するため、

導入が図られてきたシステムです。

平成27年9月現在の状況は次のとおりです。

システム名 業務 所管課 備考

情報系システム

(庁内向け)

1.情報系システム管

理サーバ 情報政策課

2.グループウェア (庁内ポータルサイト)

情報政策課

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坂戸市ICT推進アクションプラン

25

3.統合型地理情報シ

ステム 情報政策課

4.オープンデータシ

ステム 情報政策課

5.契約管理システム 施設管理課

6.人事給与システム 職員課

7.財務会計システム 財政課

8.家屋評価システム 課税課

9.CMSシステム 広報広聴課

10.会議録検索システ

ム 議会事務局

11.例規検索システム 庶務課

12.土木積算システム 道路河川課

13.学校給食システム 教育総務課

14.地域包括支援シス

テム 高齢者福祉課

15.要援護者支援マッ

プシステム 福祉総務課

情報系システム

(市民向け)

16.電子申請システム 情報政策課 埼玉県と県内自治体

共同運営

17.公共施設空き状況

確認システム 情報政策課

18.ホームページ 広報広聴課

19.埼玉県電子入札共

同システム 施設管理課

埼玉県と県内自治体

共同運営

20.会議録検索システ

ム 議会事務局 (再掲)

21.例規検索システム 庶務課 (再掲)

22.図書館システム 図書館

前記システムを運用するための機器類は、庁舎内に設置されたサーバ13台、庁内

LAN*端末用パーソナルコンピューター(以下、パソコン)670台、プリンター9

0台などとなっています。

情報処理端末として配備しているパソコンについては、保育園や幼稚園を除き、原

則1人1台の配備を実現していますが、職員数が減少する中にあって、これを補充す

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坂戸市ICT推進アクションプラン

26

るために再任用職員や臨時職員等を採用しており、相対的にパソコンの設置台数につ

いての増減は少ないものと思われます。

これらの業務システムが運用されることにより、行政内部事務の効率化・合理化や

情報の共有化が図られており、更に市民サービスの向上や迅速化にも貢献しています。

また、本庁舎をLAN*(Local Area Network「構内通信網」)

により、出先機関をWAN*(Wide Area Network「広域通信網」)

により庁内ネットワークを形成しています。このネットワークは、坂戸市情報セキュ

リティポリシー*に基づき、個人情報などの保護すべき情報を利用するネットワークと

して、インターネットに接続されるネットワークとは、相互に情報が行き来しない別

のネットワークを構成しています。さらに、外部のインターネットとは直接つながっ

ていないため、外部からのコンピュータウイルス*侵入やサイバー攻撃等からシステ

ム・機器等は保護された形態となっています。

平成26年度に運用を開始した「統合型地理情報システム」は、それまで各所管で

各々構築していた地理情報システムを集約したことで、情報の共有化、データベース

化が図られ、効果的な運用がされています。

また、インターネットを利用して、施設の空き状況を24時間確認できるシステム

として、平成26年度から「公共施設空き状況確認システム」の運用を開始しました。

今後はパソコンやスマートフォン*等から公共施設の使用予約や検索ができる「公共施

設予約サービス」に統合することになっています。

課 題

「電子申請システム」は、住民基本台帳カードに搭載されている公的個人認証機能

に適応した各種申請を行うことのできるサービスですが、住民基本台帳カードの普及

が進んでいないため、利用されることが少ないのが現状です。

今後は住民基本台帳カードが廃止となり、個人番号カードがその機能を受け継ぐこ

とになるため、個人番号カードの普及促進を図る必要があります。

人事異動に伴った庁内ポータルサイト*(グループウェア*)等の人事データの更新

に手間がかかる等、改善に向けた対策を講ずる必要があります。

(3)LAN関連機器及びパソコン等管理について

現 状

庁内パソコンについては、5年毎のリース期間を2期に分け、1期分の300台が

平成28年度にリースアップに伴い更新する予定です。

LAN*関連機器については、平成26年1月1日から平成30年12月31日まで

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坂戸市ICT推進アクションプラン

27

の5年間リースで借り上げています。

項 目 平成28年度 平成29年度 平成30年度 平成31年度

LAN関連機器

H26.1.1~H30.12.31

庁内パソコン1期分

H24.1.1~H28.12.31

庁内パソコン2期分

H26.1.1~H30.12.31

課 題

人事異動に伴うパソコンやプリンターの移設・配線作業に膨大な作業が発生する等、

改善に向けた対策を講ずる必要があります。

また、マイナンバー(社会保障・税番号制度)開始に伴い、情報セキュリティ*をよ

り一層深めるため、庁内ネットワークの再構築を行う必要があります。

本庁舎、各施設間の庁内ネットワーク回線を冗長化*する等、災害時に強く、安定し

た通信を確保するため再構築します。

各業務システムの「個別最適化(個々の作業効率の向上)」がなされたとしても、「全

体最適化(庁内全体の業務効率化)」が図られているか点検する必要があります。

300台

370台

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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第2章 坂戸市のICT推進アクションプランについて

第1部 プランの基本的な考え方

1 プランの趣旨・位置付け

本市では、ICT*による行政の効率化や利活用を推進してきましたが、ICTの進

展に伴い市民の生活は確実に変化を遂げています。

そこで、ICTを取り巻く社会的背景と課題、これまでの本市の取り組みと課題等

を踏まえ、坂戸市ICT推進アクションプラン2016を策定しました。

本プランは、本市におけるまちづくりの指針である「坂戸市総合振興計画」の部門

別計画として、本市のICT政策の基本的方向を示し、今後において推進するICT

関連施策を整理した行動計画となっています。

2 プランが目指す方向

本プランは、「ICTを活用した市民生活の更なる利便性の向上」を目標とします。

ICTは、生産性の向上に資するとともに、今日においては、市民生活に不可欠なツ

ールとなっています。本市においても、新たなICTの活用を推進することで、市民

生活の安心・安全の確保や利便性の供与、より開かれた市役所の実現を目指すととも

に、情報セキュリティ*対策の強化や行政事務の効率化を図る必要があります。

(1)情報化による「オープンガバメント」の実現

オープンガバメント*とは、①「透明性」②「市民参加」③「官民の連携」の3つを

基本原則として提唱され、その原則を基にした透明でオープンな政府を実現するため

の政策とその背景をなす概念のことです。

IT戦略本部が平成22年5月に公表した「新たな情報通信技術戦略」では、「国

民との情報の共有化や政策形成過程の可視化を進め、国民が政策を検証又は提案し、

政策形成過程に参加できるようにすること」を目指しています。

これを地方自治体に当てはめると、市民の政策形成過程・行政経営への参加を促し、

市民とともに築き上げる市政とするためにも、行政による積極的な情報公開・提供に

よる行政の可視化が求められていると言うことになります。

市民の意見の収集、政策形成過程への参加を実現する有効な手段としてICTが活

用されなければなりません。このような観点にたった情報化の推進が求められていま

す。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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オープンガバメントの進め方イメージ

「電子行政に関するタスクフォース」会議資料より

3 情報化の現状を踏まえた計画の策定

目指すべき目標や方針も現状を踏まえたものでなければ単なる理念だけが先行し、

実際の事務形態を変えることは大変難しい問題です。

そのため、本計画の第 1章「計画の背景」において見てきた状況をその項目ごとに

再度確認し、本計画策定に当たり、今、何が課題となっており、何が求められている

のかを検証していきます。

(1)我が国における情報化の現状から

① インターネットが生活に必須となり、また、そのパーソナル化が進んでいること

② ソーシャルメディア*の普及により新たなコミュニケーションが創造されている

こと

③ 高齢者や障害者等においてデジタル・デバイド*が存在していること

④ ICT*活用における安全性確保が求められていること

⑤ 災害に強い情報化が求められていること

⑥ クラウドコンピューティング*等の新たな技術が注目されていること

(2)国や埼玉県の取り組みから

① 住民が恩恵を実感できる行政サービスの高度化が求められていること

② ICTを活用した業務・システムの効率化・簡素化を進めるべきであること

③ 情報システム調達の透明化・効率化が求められていること

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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④ ICT*を活用した地域課題の解決に取り組むべきであること

⑤ 電子自治体の推進体制を強化すべきであること

⑥ 情報セキュリティ*対策の強化が求められていること

(3)本市の情報化の現状と課題から

① 業者の固定化傾向が見られること

② 多くの独自システムが利用されていること

③ 経費や仕様の妥当性チェック、セキュリティ対策や管理・運用方法に係る統一基

準がないこと

④ システム導入にあたっては個別最適化ではなく全体最適化の観点から検討され

るべきであること

⑤ 情報政策部門において、ICT分野の専門知識を有する人材の確保・育成

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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第2部 計画期間

第6次坂戸市総合振興計画後期基本計画が平成29年度からとなっており、総合振

興計画への整合性に配慮し、また、昨今のめまぐるしいICT*の進展により情報化の

長期予測は、きわめて困難な情勢から計画期間を平成28(2016)年度から平成

31(2019)年度の4年間とします。

なお、技術動向や社会情勢の変化、事業の進捗状況に応じて、計画期間内において

も必要に応じて見直しを行うこととします。

坂戸市ICT推進アクションプランの計画期間

平成

24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度 33年度

第6次坂戸市総合振興計画 基本構想

総合振興計画 後期基本計画 総合振興計画 前期基本計画

第5次坂戸市行政改革大綱

行政改革アクションプラン(4年間)

坂戸市ICT推進アクションプラン

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坂戸市ICT推進アクションプラン

32

第3章 ICT推進アクションプランにおける具体的な取り組み

ここでは、計画の目的や方針を実現するためにどのような事業を実施していくのか

を具体的に掲載します。

本市におけるICT*各種関連業務システムの中から、基幹系業務システム、情報系

システム、さらに新規の業務システムに分類し、新たな課題・技術への対応、取り組

まなければならない事項について掲載しています。

「スケジュール」については、本市の財政状況や技術動向等様々な要因を勘案し、

必要に応じて見直しを行うこととします。

「備考」には、事業概要について補足説明等がある場合には、その内容を記載して

います。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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第1部 業務システムの課題等への取り組み

クラウドコンピューティング*、タブレット端末*の普及、オープンデータの活用な

ど、ICT*を取り巻く新たな課題や技術に適切に対応していく必要があります、また、

社会保障・税番号制度の運用が開始されるに当たり、情報セキュリティ*対策など適切

に対応していく必要があります。

1 基幹系システムについて

平成

27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度 33年度

備考

仮想化技術*の導入

基幹系業務システムを運用するために導入している「第二期電子計算組織アウトソ

ーシング*サービス事業」は、平成22年度から平成28年度で終了しますが、平成2

8年1月からマイナンバー(社会保障・税番号制度)の運用が開始されることに伴う

システム業者の技術者不足等影響が顕著であることを考慮し、平成29年度から平成

31年度までの3年間延長しました。

平成32年度から新たな基幹系業務システムを稼働させるためには、計画的に新シ

ステムを調達し、導入していく必要があります。

新システムの導入に当たっては、業務の更なる簡素・効率化、経費削減と市民サー

ビスの質の向上を図るため、近隣市町との広域連携などによる自治体クラウド*の導入

基幹系業務システム管理運用事業

(自治体クラウド導入)

《導入》 《運用》

第二期電子計算組織

アウトソーシングサ

ービス事業

第二期電子計算組織アウトソ

ーシングサービス事業 (期間

延長)

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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を図る必要があります。クラウドシステムを採用することにより、セキュリティレベ

ルの向上と災害時における住民記録等の重要データの消失を未然に防ぐと同時に、業

務継続性と信頼性の高いシステムを構築することができます。

埼玉県では平成27年2月現在、埼玉県町村会23団体中の約8割の18町村(人

口規模は計35万人)が共同により自治体クラウド*を導入し運用しています。

また、各市税等や使用料等に対応したマルチペイメントシステムの導入や、個人番

号カードの活用による各種証明書等のコンビニエンスストアでの交付システムの導

入など、更なる市民サービスの向上と事務の軽減と組織のスリム化を図ることで経費

削減が期待できます。

さらに、大震災など災害時に備えたICT*-BCP*の策定及び通信回線等のイン

フラの見直しなど、信頼性の高い情報基盤を整備する必要があります。

2 情報系システムについて

各情報系システムを運用するために、それぞれサーバコンピュータ等を設置し、そ

れに付随するUPS*(無停電電源装置)など周辺装置も導入していますが、切替・更

新にあたっては、それらコンピュータ資源を自庁に設置する必要の無いクラウドシス

テムに切り替え、運用費用の節減と災害に備えた、信頼性の高いシステムを導入して

いく必要があります。

職員が利用するパソコンについても、パソコン本体にデータを保存しない、いわゆ

る「シンクライアント*・ゼロクライアント端末*」の導入を推進し、パソコンの持ち

出しや盗難などによる情報漏えいを防止する対策も必要となります。

また、クラウドシステムでは、自らが作成したファイルや電子メール等のデータを

インターネット上に保存できることで、場所や端末の種類(パソコン、スマートフォ

ン*、タブレット端末*など)を問わずアクセスすることができ、データを共有できる

利便性があります。

このほか、民間企業等において活用が始まっているBYOD*(Bring you

r own device:職員が私物の端末を職場に持ち込んで業務に活用する

こと。)の導入など、環境整備が整い次第導入していきます。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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(1)庁内ポータルサイト管理運用事業

平成

27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度 33年度

備考 グループウェアの借上げ

次期グループウェア*はクラウド版を検討する必要があり、職員のポータルサイト*

として、庁外からアクセスして利用できるようなモバイル化が求められます。

(2)オープンデータシステム

情報処理の高速化やクラウド化・モバイル化に伴うオープンデータの活用が注目さ

れています。

市の各部署が保有しているデータを組織全体で共有することで、精度の高い政策決

定や事務の効率化が効果として期待され、また、データはパソコン等で加工・処理可

能な形式で外部に公開することにより、行政の透明性や信頼性の向上が図られるとと

もに、市の特性や情報を多くの市民と共有し、地域の活性化や課題に対して協働で取

り組むまちづくりのために活用がされることが期待できます。

グループウェア借上げ H26.1.1~H30.12.31 次期グループウェア借上げ H31.1.1~

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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(3)庁内ネットワーク基盤整備事業

平成

27年度 28年度 29年度 30年度 31年度 32年度 33年度

PC300台

更新

PC370台

更新

PC 更新

備考

・平成28年度庁内ネットワークの構成変更

基幹系+情報系とインターネット → 基幹系と情報系とインターネットそれぞれを

分離

H28.9~H28.12:LAN関連機器等設定変更業務委託

庁内ネットワークについては、平成28年度に見直しを行い、従来のネットワーク

を基幹系、内部情報系及びインターネットの3つに分類し、セキュリティレベルをよ

り一層高めるとともに、大容量のデータ通信やWi-Fi等の無線LAN*等に対応し

たネットワークを再構築し、事務の効率化・迅速化を推進します。

情報漏えい事故などに関しては、総じて人的要因に基づく場合が多いことから、職

員の情報セキュリティ*研修の履修義務化とセキュリティポリシーの強化・徹底を図る

必要があります。さらに災害時に強く安定した通信回線の確保及び多重化を図る必要

があります。

(4)市民向けの情報系システム

ICT*による情報化の推進が市民の利便性の向上に寄与するものである反面、情報

通信機器や知識、技術の有無によって、情報を収集し、活用できる人とできない人の

従前のネットワー

ク機器借上

LAN関連機器等借上

H26.1.1~H30.12.31

次期LAN関連機器等借上

無線ネットワーク機器借上

基幹系ネットワーク機器借上

情報系ネットワーク機器借上

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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間で情報格差を生じさせないための配慮が重要であり、今後のシステムの見直しや構

築にあたっては、アクセシビリティ*に配慮し、お年寄りや障害のある方等、いわゆる

デジタル・デバイド*解消に取り組むことが必要です。

(5)サイバーセキュリティへの対応

コンピュータセキュリティインシデント*発生時においては、迅速かつ的確な対応が

必要とされることから、最高情報セキュリティ責任者(CISO*)を設置し、その任

務を明らかにするとともに、CISOを支え、自治体情報セキュリティ対策を推進す

るCSIRT*等のインシデント即応体制を整備する必要があります。

(6)今後取り組む新規情報システム

今後において取り組むべき、または検討が必要とされている新たな情報システムに

ついて記述します。

・文書管理システム

・電子決裁システム

・社会保障・税番号制度における個人番号カードの活用

文書管理システム等による情報基盤を整備するとともに、市民の利便性向上のため、

個人番号カード活用にる電子申請システムや他の情報システムの導入を図ることと

併せて個人番号カードの普及を推進し、公的個人認証機能を利用した市民の様々なニ

ーズに対応できるシステムを検討していく必要があります。

また、マイナポータル(個人情報提供等記録開示システム)を利用した情報発信や

行政手続き等にかかる仕組みを個人番号カード上のICチップに搭載するなど、情報

発信に向けたシステムの導入等に関して調査及び検討を行う必要があります。

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第2部 人材育成

全庁的なICT*スキルの底上げ、情報化計画の推進とマネジメントに必要となる人

材を育成するため、積極的に次の事項に取り組みます。

1 ICT利活用に係る基本ルール・マナーの取得を目指した初任者研修の実施

2 ICTスキル向上に向けた各種e-ラーニング*の実施

3 ICTリーダー育成のための外部団体主催研修への参加

4 ITマネジメント等PMO*に必要とされる専門的知識習得を目指した研修への

参加

5 本計画推進に必要とされるICTスキル獲得に向けた自己研修の励行

6 計画事業の推進等、実践を通じたOJT(実際の仕事を通じて行う教育・訓練)

の実施

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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用語

用語 意味

B BBS 「Bulletin Board System」の略

掲示板の開設者が決めたテーマに沿って、参加者が自由に投

稿し、書き込みを連ねていくことで参加者同士のコミュニケ

ーションができるWebサイトのこと。

BCP 「Business Continuity Plan(業務継続計画)」の略

企業が業務継続に取り組むうえで基本となる計画のこと。災

害や事故などの予期せぬ出来事の発生により、限られた経営

資源で最低限の事業活動を継続、ないし目標復旧時間以内に

再開できるようにするために、事前に策定される行動計画で

ある。

BYOD Bring your own deviceの略

従業員等が私物の端末を自社に持ち込んで業務に活用する

ことをいう。

私用で普段から使っているスマートフォンなどから企業の

情報システムにアクセスし、必要な情報を閲覧したり入力し

たりすることなどを意味する。

C CISO Chief Information Security Officerの略

最高情報セキュリティ責任者

CSIRT Computer Security Incident Response Teamの略

情報システムに対するサイバー攻撃等の情報セキュリティ

インシデントが発生した際に、発生した情報セキュリティイ

ンシデントを正確に把握・分析し、被害拡大防止、復旧、再

発防止等を迅速かつ的確に行うことを可能とするための機

能を有する体制。

D DR 「Disaster Recovery(災害復旧)」の略

自然災害などで被害を受けたシステムを復旧・修復するこ

と。また、そのための備えとなる機器やシステム、体制各種

の障害は必ず起こり得るものと想定し、いかに効率よく迅速

に復旧するかという点から災害対策を捉える。システム停止

による利益の損失を最小限に抑えることを目的とする。

E e- ラーニング 英語で「e-learning」

パソコンやコンピュータネットワークなどを利用して教育

を行うこと。教室で学習を行う場合と比べて、遠隔地にも教

育を提供できる点や、コンピュータならではの教材が利用で

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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きる点などが特徴。

I ICT 「Information and Communication Technology(情報通信技

術)」の略 情報(information)や通信(communication)に関

する技術の総称。日本では同様の言葉としてIT(Information

Technology:情報技術)がある。

L LAN 「Local Area Network」の略

ケーブルや無線などを使って、同じ建物の中にあるコンピュ

ータや通信機器、プリンタなどを接続し、データをやり取り

するネットワーク。「構内通信網」と訳されることもある。

P PMO 「Project Management Office」の略

企業内で、個々のプロジェクトのマネジメント支援を専門に

行う部門。

S SLA 「Service Level Agreement(サービス品質保証契約)」の

サービス提供者と委託者との間で契約を行う際に、提供する

サービスの内容と範囲、品質に対する要求(達成)水準を明

確にして、それが達成できなかった場合のルールを含めて、

あらかじめ合意しておくこと。あるいはそれを明文化した文

書、契約書のこと。

SLM 「Service Level Management」の略

サービスレベル管理

通信サービスやITサービスなどで、提供者がサービスの品

質について継続的・定期的に点検・検証し、品質を維持ある

いは改善する仕組みのこと。

サービスを構成するシステムの機材、作業プロセスなどにつ

いて、稼働状況や対応状況を継続的に記録し、事前に定めら

れた目標水準に照らして十分な品質を保っているか定期的

に点検する。問題が発見された場合は改善策を検討し実施す

る。

SNS 「Social Networking Service」の略

人と人とのつながりを促進・サポートする、コミュニティ型

のWebサイト。友人・知人間のコミュニケーションを円滑に

する手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、

あるいは「友人の友人」といったつながりを通じて新たな人

間関係を構築する場を提供する、会員制のサービスのこと。

U UPS 「Uninterruptible Power Supply」の略

無停電電源装置

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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W WAN 「Wide Area Network(広域通信網)」の略

電話回線や専用線を使って、本社-支社間など地理的に離れ

た地点にあるコンピュータ同士を接続し、データをやり取り

すること。

ア アウトソーシング 「outsourcing」

企業が業務の一部を別の企業などに委託すること。外注、外

製、外部委託、業務委託、社外調達などもほぼ同義。自社で

人員を確保するのが困難な高度に専門的な業務や、専業の事

業者の方が低コストで処理できるような業務で行われるこ

とが多い。

アクセシビリティ 「accessibility」

使いやすさ、利用しやすさ。技術に依存せず、さまざまな情

報端末やソフトウェアから利用できることを目指す。

インシデント 「incident」

出来事、偶発事件など。

・コンピュータウィルス

・サービス運用妨害攻撃(DoS攻撃等)

・情報漏えい

オープンガバメント 透明でオープンな政府を実現するための政策とその背景と

なる概念のこと。

カ 仮想化技術 1台のコンピューターの中に複数の仮想コンピューターを作

り、それぞれ別々の基本ソフトウェアを動かす仕組みのこと

であり、システムの構成を柔軟に変えることができる。

クラウドコンピューティ

ング 「cloud computing」

従来は手元のコンピュータで管理・利用していたようなソフ

トウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワー

クを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式。

グループウェア 企業内LANを活用して情報共有やコミュニケーションの効率

化をはかり、グループによる協調作業を支援するソフトウェ

アの総称。

コンピュータウィルス 「computer virus」

他人のコンピュータに勝手に入り込んで悪さをするプログ

ラム。画面表示をでたらめにしたり、無意味な単語を表示し

たり、ディスクに保存されているファイルを破壊したりす

る。ウイルスはインターネットからダウンロードしたファイ

ルや、他人から借りたメディアなどを通じて感染する。

サ サイバー犯罪 コンピューター技術やインターネット等の情報通信技術を

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悪用した犯罪のことで、次のような犯罪が挙げられる。

・不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反

・犯罪の敢行に必要不可欠な手段としてネットワークを利用

した犯罪など。

自治体クラウド クラウドコンピューティング技術等を活用して、地方公共団

体の基幹系業務システム等を複数団体にて共同利用するこ

とをいう。

情報セキュリティ 情報の機密性、完全性、可用性(システムの壊れにくさ)を

維持すること。

情報セキュリティポリシ

ー 「information security policy」

企業全体の情報セキュリティに関する基本方針。広義には、

セキュリティ対策基準や個別具体的な実施手順などを含む。

どの情報を誰が読み取れるようにするか、どの操作を誰に対

して許可するか、どのデータを暗号化するかなど、情報の目

的外利用や外部からの侵入、機密漏洩などを防止するための

方針を定めたもの。

冗長化(冗長性) 必要最低限のものに加えて、余分や重複がある状態。また、

そのような余剰の多さ。情報システムの分野では、障害に備

えて機材や回線などを複数用意し、並列に使用したり一部を

すぐ使える状態で待機させたりすることがある。このような

余裕を冗長性と呼び、システムをそのように設計・配置する

ことを冗長化という。

シンクライアント 「thin client」

クライアント端末に必要最小限の処理をさせ、ほとんどの処

理をサーバ側に集中させたシステムアーキテクチャ全般の

こと。

スマートフォン 個人携帯用のコンピュータ機能を併せ持った携帯電話。従来

の携帯情報端末に携帯電話・通信機能を統合したもの、と表

現されることもある。単に高機能というだけでなく、汎用の

OSを搭載し、利用者が後からソフトウェアなどを追加できる

ようになっている機種を指す場合が多い。“smart”は「賢

い」の意。

ゼロクライアント 「zero client」

企業の情報システムのクライアント端末の種類の一つで、仮

想デスクトップ環境を利用することを前提に、単体として機

能を極限まで削減したもの。

ソーシャルメディア インターネット上で展開される情報メディアのあり方で、個

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人による情報発信や個人間のコミュニケーション、人の結び

つきを利用した情報流通などといった社会的な要素を含ん

だメディアのこと。利用者の発信した情報や利用者間のつな

がりによってコンテンツを作り出す要素を持ったWebサイト

やネットサービスなどを総称する用語。

タ タブレット端末 コンピュータ製品の分類の一つで、板状の筐体の片面が触れ

て操作できる液晶画面(タッチパネル)になっており、ほとん

どの操作を画面に指を触れて行うタイプの製品のこと。ま

た、特に、そのような製品のうち、スマートフォンと共通の

OSやアプリケーションソフトを使用する製品のこと。パソコ

ンと共通のOSなどを用いる製品は「タブレットPC」と呼ぶ場

合がある。

デジタル・デバイド 「digital divide」

パソコンやインターネットなどの情報通信技術を使いこな

せる者と使いこなせない者の間に生じる、待遇や貧富、機会

の格差。個人間の格差の他に、国家間、地域間の格差を指す

場合もある。

ハ 輻ふく

そう ものが一ヶ所に集中して混雑している状態のこと。IT分野で

は、電話回線やインターネット回線において利用者のアクセ

スが特定の宛先に集中することにより、通常行えるはずの通

話・通信ができなくなる状況を指す。俗に「回線がパンクす

る」と表現される状態。

ブログ 個人や数人のグループで運営され、投稿された記事を主に時

系列に表示する日記的な Webサイトの総称。”web”

と”log”(記録)で”blog”ブログ。

ベンダー 「vender」、「ベンダ」とも言う。

「売り手」を意味する英語であり、製品の製造業者、供給業

者を指す言葉である。ICT業界における反対語は「ユーザ

企業」となる。

ベンダーロックイン 「vender lock-in」

ある特定のメーカーや販売会社がユーザーを自社製品で囲

い込むこと。あるベンダー独自仕様のシステムを採用する

と、結果として後継システムや周辺システムも同一ベンダー

製を採用せざるを得なくなることがある。特定のベンダーに

依存するため製品・サービスなどの調達に競争が働かず、高

値でも購入せざるを得なくなってしまう。

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坂戸市ICT推進アクションプラン

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ポータルサイト 「portal site」

一般的にはインターネットの入り口となるWebサイトのこ

と。検索エンジンやリンク集を核として、ニュースや株価な

どの情報提供サービス、ブラウザから利用できるWebメール

サービス、電子掲示板、チャットなど、ユーザがインターネ

ットで必要とする機能をすべて無料で提供して利用者を増

やし、広告や電子商取引仲介サービスなどで収入を得るサイ

トのこと。

マ マルチベンダ 「multi vendor」

様々な企業の製品を選んで組み合せ、システムを構築する手

法のこと。メーカー的統一性にこだわらず部品ごとに製品を

選りすぐることで、選択の幅が広がり、うまく組み合わせれ

ば効率のよいシステムを安価に構築することもできる。

他面、システムの設計者には十分な知識が要求される。また

他企業の接続に際して相性の問題などが発生する可能性も

あり、運用は難しいとされる。

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坂戸市ICT推進

アクションプラン2016 (平成28年度~平成31年度)

坂戸市総合政策部情報政策課

〒350-0292 坂戸市千代田一丁目1番1号

TEL 049-283-1331

FAX 049-283-3903

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