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1 資料5 長期のエネルギー需給動向について (財)日本エネルギー経済研究所 小川芳樹 2002年10月31日 IEA需要見通しの前提条件 経済成長 1971-2000 2000-2010 2010-2030 OECD 北米 3.2 2.5 1.9 OECD ヨーロッパ 2.5 2.3 1.8 OECD 太平洋 3.7 2.1 2.0 旧ソ連邦 0.1 3.1 3.1 中国 8.2 5.7 4.3 インド 4.9 5.0 4.4 その他アジア 5.1 4.5 4.0 中東 2.9 2.6 2.7 アフリカ 2.7 3.8 3.5 ラテンアメリカ 3.1 3.0 3.0 世界平均 3.2 2.8 化石燃料価格 (2000年価格) 2000 2010 2020 2030 IEA輸入原油価格($/BBL)28 21 25 29 天然ガス価格 ($/MBtu) 米国輸入天然ガス 3.9 2.7 3.4 4.0 ヨーロッパ輸入天然ガス 3.0 2.8 3.3 3.8 日本LNG輸入価格 4.7 3.9 4.4 4.8 OECD一般炭輸入価格($/トン 35 39 41 44 GDP伸び率% (出所) IEA/WEO 2002 のデータから作

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Page 1: IEA需要見通しの前提条件¼ˆ出所)BP統計、OPEC統計のデータから作成 7 石油埋蔵量の分類と定義 原始可採資源量=原始資源量×採収率=累計生産量+確認可採資源量+未確認可採資源量

1

資料5

長期のエネルギー需給動向について

(財)日本エネルギー経済研究所

小川芳樹

2002年10月31日

IEA需要見通しの前提条件経済成長

1971-2000 2000-2010 2010-2030OECD 北米 3.2 2.5 1.9OECD ヨーロッパ 2.5 2.3 1.8OECD 太平洋 3.7 2.1 2.0旧ソ連邦 0.1 3.1 3.1中国 8.2 5.7 4.3インド 4.9 5.0 4.4その他アジア 5.1 4.5 4.0中東 2.9 2.6 2.7アフリカ 2.7 3.8 3.5ラテンアメリカ 3.1 3.0 3.0世界平均 3.2 2.8

化石燃料価格 (2000年価格) 2000 2010 2020 2030IEA輸入原油価格($/BBL) 28 21 25 29天然ガス価格 ($/MBtu)

  米国輸入天然ガス 3.9 2.7 3.4 4.0  ヨーロッパ輸入天然ガス 3.0 2.8 3.3 3.8  日本LNG輸入価格 4.7 3.9 4.4 4.8OECD一般炭輸入価格($/トン) 35 39 41 44

GDP伸び率%

(出所)IEA/WEO 2002のデータから作成

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エネ源でみたIEAの需要見通し

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

水力その他

原子力

石炭

天然ガス

石油

石油シェア%(右軸)

天然ガス

石油

石炭

原子力

水力その他

石油シェア%

石油換算百万ト %

(出所)IEAエネバラ表、IEA/WEO2002のデータから作成

IEA見通しにおけるエネ源構成の変化

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

45.0

50.0

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 203

シェア %

石油天然ガス石炭原子力水力

石油

石炭

天然ガス

原子力

水力

37.8%

23.6%

27.5%

4.6%

48.2%

28.0%

18.2%

1.8%

(出所)IEAエネバラ表、IEA/WEO2002のデータから作成

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3

IEA見通しにおけるCO2排出量

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

16,000

1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030

CO2排出量(OECD)

CO2排出量(非OECD)

世界の一次エネルギー供給(石油換算百万トン)

CO2排出量(炭素換算、百万トン)

一次エネルギー供給

CO2排出量(合計)

CO2排出量(OECD)

CO2排出量(非OECD)

(出所)IEAエネバラ表、IEA/WEO2002のデータから作成

部門でみたエネルギー需要見通し

0

2

4

6

8

10

12

14

16

1971 2000 2010 2020 2030

(GTOE)

5.0

9.2

15.3

0.917%

1.819%

3.222%

交通

民生

発電

産業

(出所)IEA/WEO2002のデータから作成

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部門でみたエネ需要構成の変化

0

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20

30

40

50

60

70

80

90

100

71 00 30 71 00 30 71 00 30 71 00 30

(%) 産業部門交通部門 発電部門 民生部門

石油

石炭

原子力・水力

天然ガス

電力

その他

(出所)IEA/WEO2002のデータから作成

部門でみた石油需要の見通し

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000

1971 2000 2010 2020 2030

(MTOE)

2450

3604

5769

79332%

169647%

319555%

交通

産業

民生

発電

2.7%

0.8%

0.1%

0.3%

2.1%

1.1%

1.2%

0.7%

(出所)IEA/WEO2002のデータから作成

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輸送部門のエネルギー需要見通し

(30%)(28%)(25%)(22%)(11%)

3.2%5.1%98475554938892ア ジ ア

2.1%2.6%3326274822181776852合   計

(16%)(14%)(13%)(12%)(8%)

3.0%3.9%52539028921470ラテン 他

(7%)(7%)(6%)(6%)(12%)

2.2%0.4%219178137113101旧ソ連 他

(16%)(18%)(20%)(20%)(20%)

1.2%2.6%520485432360169西   欧

(32%)(34%)(37%)(40%)(49%)

1.4%1.8%1078940811701420北   米

30/0000/7120302020201020001971(100万TOE)

(出所)IEA/WEO2002のデータから作成

北米規模へ拡大するアジアの輸送部門

0

200

400

600

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1600

1800

2000

1971 2000 2010 2020 2030 1971 2000 2010 2020 2030

(100万TOE)

北米

西欧

旧ソ連他

アジア

ラテン他

690(81%)

1174(66%)

1817(55%)

162(19%)

602(34%)

1509(45%)

(出所)IEA/WEO2002のデータから作成

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石油中東依存の量的増大

0

5

10

15

20

25

30

1973 1985 1999 2020 1973 1985 1999 2020 1973 1985 1999 2020

中 東アフリカ

ラテン

その他

(100万B/D)

5.621% 4.0

23%

9.925%

18.026%

15.368%

8.436%

9.739%

13.533%

6.396%

4.789%

12.785%

28.687%

アジア太平洋

旧ソ連

北  米 西  欧

(出所)US.DOE/EIA/IEO2001のデータから作成

石油資源の残存確認埋蔵量の推移

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1960 1963 1966 1969 1972 1975 1978 1981 1984 1987 1990 1993 1996 1999

20

25

30

35

40

45

50

北米

アジア・オセアニア

旧ソ・東欧

アフリカ

南米

中東

可採年数

西欧

(兆バレル) (年)

(出所)BP統計、OPEC統計のデータから作成

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石油埋蔵量の分類と定義

原始可採資源量=原始資源量×採収率=累計生産量+確認可採資源量+未確認可採資源量 究極可採資源量=原始可採資源量+未発見回収潜在量=回収可能資源量 発見可採資源量=確認可採資源量+推定および予想可採資源量

確認可採資源量=残存確認埋蔵量

現在の技術と経済条件下で 回収不能量

採収率の向上

既発見資源量 未発見資源量

探鉱の成果

現在の技術と経済条件下で

回収不能量

未確認可採資源量 推定および予想

確認可採資源量

累計生産量

未発見回収潜在量

回収不可能

資源量

回収可能資

源量

USGSによる石油究極可採埋蔵量の評価

(出所)IEA/WEO2001

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石油資源量評価の比較

累計生産量 確認埋蔵量 計

① ② ①+② ③ ④

石油 6,986 11,032 18,018 4,707NGL 900 900 1,022計 11,932 18,918 5,729石油 7,100 8,910 16,010 6,880 7,320NGL 70 680 750 420 2,070計 7,170 9,590 16,760 7,300 9,390

C.J.Campbell 1996年末 7,840 8,360 16,200 1,800石油鉱業連盟 1995年末 7,567 9,153 16,720 1,700 4,000

②+③+④①+②+③+

④②÷⑤ ⑥÷⑤

石油 15,739 22,725 43.9 62.7NGL 1,922 1,022 41.2 88.0計 17,661 23,747 43.7 64.7石油 23,110 30,210 35.5 92.1NGL 3,170 3,240 31.1 145.1計 26,280 33,450 35.1 96.3

C.J.Campbell 1996年末 10,160 18,000 30.6 37.2石油鉱業連盟 1995年末 14,853 20,720 33.5 54.4

251.0 21.9

究極資源量

2000年生産量

R/P 枯渇年数原油 NGL

USGS

1993年初

1996年初

残存資源量⑥

USGS

1993年初

1996年初

評価時点

評価時点

発見埋蔵量埋蔵量成長 未発見資源量

石油の究極可採資源量の評価

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000

Weeks の評価

石鉱連の評価

Warman (BP) の評価 Campbell の評価

Masters 等の評価

究極可採資源量(兆バレル)

世界石油会議2000の評価

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9

在来型・非在来型資源と原油価格

10

20

30

40

50

60

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

(ドル/バレル)

(兆バレル)

既生

産量

残存

確認

埋蔵量

EOR

回収率

50%まで

EOR

回収

60%

まで

超重質油

タールサンド

ビチューメン

シェール

オイル

カナダのオイルサンドの生産コスト

(出所)IEA/WEO2001

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天然ガス資源量の増加

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

60 62 64 66 68 70 72 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00

(兆バレル)

石油確認埋蔵量

天然ガス確認埋蔵量

48%

77%

86%

101%

47%

(出所)BP統計のデータから作成

原油価格の長期見通し(~2030年)

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

55

1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030

実績 米エネ省基準

米エネ省高価格 国際エネ機関

DRI-WEFA社 米ガス研

PEL社 カナダ資源省

DBAB 社 PIRA グループ

($/B)

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原油の生産および総供給コスト

(出所)IEA/WEO2001

原油の発見・開発コストの推移

(出所)IEA/WEO2001

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原油の生産量と埋蔵量のコスト分布

0

5

10

15

20

25

30

35

40

45

50

>0

>1

>2

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>4

>5

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>8

>9

>10

>11

>12

OPEC

非OPEC

(100万B/D)

(原油生産量)

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

>0>5>10>15>20

OPEC

非OPEC

(10億バレル)

(確認可採埋蔵量)

(出所)US.DOE/EIA/IEO2000

北海原油の生産見通し

(出所)IEA/WEO2001

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世界の石油生産の変化と今後の見通し

(出所)IEA/WEO2002

原油価格水準と産油国、消費国の反応原油価格(レンジ) 産油国あるいは消費国の反応

7~13 ドル/バレル

(平均 10 ドル/バレル)

・ OPEC、非 OPEC 産油国が割り込みたくない最低線

・ これ以下の価格水準にならないよう結束して死守

・ 1986 年、1998 年の暴落に対する産油国の反応

12~18 ドル/バレル

(平均 15 ドル/バレル)

・ OPEC、非 OPEC 産油国は協調して価格水準維持

・ 産油国にとって警戒領域(2001 年の非 OPEC の反応)

・ 非 OPEC 産油国の新規開発が始まる価格水準

17~23 ドル/バレル

(平均 20 ドル/バレル)

・ 非 OPEC 産油国は立場をプライス・テーカーに転換

・ 最近のロシアの動き、過去の非 OPEC 産油国の挙動

・ 石油代替エネルギーの市場参入が始まる水準

22~28 ドル/バレル

(平均 25 ドル/バレル)

・ OPEC 産油国が維持したいと希望する価格水準

・ この維持には OPEC 単独の生産コントロールが必要

・ 原油開発、石油代替が市場で活発化

27~33 ドル/バレル

(平均 30 ドル/バレル)

・ 全消費国が足並みを揃えて価格高騰を非難する水準

・ 緊急時用の石油備蓄放出などの議論が活発化

・ 2000 年の価格高止まりに対する消費国の反応

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原油価格の変化とOPECの石油収入

(出所)IEA/WEO2001

世界の石油供給の見通し

3.12.62.21.7プロセスゲイン

120.0104.088.875.0合   計

2.31.10.30.0 GTL

9.95.63.01.1非従来

64.950.235.928.7OPEC

11.111.610.68.5 その他

3.14.04.75.5 アジア

14.913.912.78.1 旧ソ連

12.816.319.821.2 OECD

42.145.747.843.4非OPEC

2030202020102000(100万B/D)

(出所)IEA/WEO2002のデータから作成