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1 PSpice (Orcad/Cadence) 回路シミュレータSPICEを用いた電子回路設計 回路図 入力 アナログ・ディジタル回路の 動作シミュレーション 電気電子工学実験III

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PSpice (Orcad/Cadence社)

回路シミュレータSPICEを用いた電子回路設計

回路図

入力

アナログ・ディジタル回路の 動作シミュレーション

電気電子工学実験III

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電子回路・集積回路の設計

• 従来の問題点

–回路素子の最適値を見つけるのが困難

– ICのレイアウト、試作は無理?

–CADソフトが高価で難しい

–設計・試作の外注は費用・時間がかかる

パソコンで動作するCADツールを

用いた電子回路・集積回路設計

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集積回路の設計

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集積回路の設計

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LSI設計フロー(設計側)

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LSI設計フロー(製造側)

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回路シミュレータ

論理合成

計算機支援集積回路設計

Computer Aided Design

CAD

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SPICEの歴史

SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit

Emphasis:集積回路に重点をおいたシミュレーションプログラム)とは、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)で

開発された主にアナログ回路をシミュレート(模擬)する強力な汎用回路解析プログラム.

• 1960年代に計算エンジン部開発

• 1980年SPICE2G6公開

•1990年以降ベンダーよりGUI環境の

異なるバージョンが多数発表

Hspice, PSpice, Smart-Spice etc..

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初期のSPICE(テキストベース)

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最新のSPICE(GUIベース)

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回路入力(結線情報)

回路図エントリ

ネットリスト

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シミュレーションの流れ

Schematics(スケマティックス)

Probe(プローブ)

Spice(スパイス)

回路図入力およびシミュレーション条件設定

シミュレータ本体。ライブラリ、回路接続データ(ネットリスト) (テキストデータ)に基づき、回路シミュレーションを行う

シミュレーション結果をグラフ表示

回路図エディタ

(Schematics)

シミュレータ

(Spice)

波形表示

(Probe)

シミュレーション設定

(Schematics)

ネットリスト

(テキスト)

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シミュレーションの流れ(回路図入力)

回路図エディタ

(Schematics)

シミュレータ

(Spice)

波形表示

(Probe)

シミュレーション設定

(Schematics)

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シミュレーションの流れ(回路図入力)

回路図エディタ

(Schematics)

シミュレータ

(Spice)

波形表示

(Probe)

シミュレーション設定

(Schematics)

1) Schematicsで回路を設計する(回路図を描く).

2) Schematicsでシミュレーションの内容,素子の

パラメータを設定する.

3) Spiceでシミュレーションを行う.

4) Probeで結果をグラフに表示する.

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シミュレーションの流れ(回路図入力)

回路図エディタ

(Schematics)

シミュレータ

(Spice)

波形表示

(Probe)

シミュレーション設定

(Schematics)

1) Schematicsで回路を設計する(回路図を描く).

2) Schematicsでシミュレーションの内容,素子の

パラメータを設定する.

3) Spiceでシミュレーションを行う.

4) Probeで結果をグラフに表示する.

5) 結果が予定と違っていた場合は1)に戻り

回路の設計をやり直す.

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シミュレーションの流れ(ネットリスト入力)

シミュレータ

(Spice)

波形表示

(Probe)

ネットリスト

(テキスト)

ネットリストとは?

R1 1 2 1K

C1 2 0 10p

素子のノード間の

接続情報を記述

素子名 接点名 素子値

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素子の記述

1 1

1 2

2 4

1 2

1 2

抵抗 R 1 2 10K

インダクタ L 1 2 10U

容量 C 1 2 10P

MOS M 1 2 3 4 NMOS

電圧源 V 1 0 10

D G S B モデル

単位 : P, N, U, M, K, MEG, G

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SPICEの原理

コンピュータを使ってアナログ回路をシミュレート(模擬)

各接点の電圧、電流

キルヒホッフの法則で計算

1.直流、交流解析 : 直流、交流信号に対する回路応答

V = Z・ I

Z = jωC 1

, jωL R,

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SPICEの機能(1/2)

過渡(Transient)解析 : 時刻変化に伴う回路応答

電圧・電流値等

時間

時間とともに回路の

入出力信号が変化する様子を解析

発振器、オシロスコープ

入力

出力

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SPICEの機能(2/2)

1.フーリエ解析 : 過渡解析の結果、信号の周波数成分を

求める(信号のひずみの計算)

2.雑音解析 : 抵抗、トランジスタが発生する雑音が

出力にどのように影響するか求める

3.感度解析 : 素子の変動(ばらつき、温度特性)が

出力にどのように影響するかを求める

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Spiceを用いた高度な解析

抵抗、コンデンサ、温度などの値を

パラメータとして変化させ、AC解析、

過渡解析等を繰り返し行う

モンテカルロ解析 パラメトリック解析

素子のバラツキが回路特性に与える

影響を乱数を用いて解析。回路の歩留

まりの見積もりなどに適した統計解析

容量の値を変化

容量に誤差10%を与える

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モンテカルロ解析

パラメトリック解析

容量値によって 特性が変化

容量値のばらつき により特性が変化

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SPICEの利点・欠点

利点

欠点

• 実際に回路を作って動作確認する必要がないため、

経済的、設計の能率がよい。

• 素子の値を自由に変更したり、温度変化による

ばらつきなどを考慮できる。

• 大規模回路のシミュレーションには膨大な時間を要する。

• 理想モデルによる机上の空論での設計に走りがち。

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演習内容

• 試作したNAND回路のSPICEシミュレーション

(動作確認,遅延時間測定)

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50%

遅延時間の定義

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シミュレーション結果が表示されたら、下記のインタビュー(全員)

① タイミングチャート、組み合わせ表を参考に、回路がNANDとして

動作している様子を説明してください(どの波形が入力、出力か?)

② 遅延時間はシミュレーション結果のどのあたりに見られるか?

レポートについて

① 遅延時間は ** 秒

② 本実験、前回のNAND回路製作実習の結果を踏まえ、

SPICEについての感想(特徴、興味を持った点など)を

A4レポート1/3~1/2程度にまとめてこの時間内に提出。