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12
〔高所トレーニング研究班〕 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 今村 高橋雄介 森谷 1 ⺌旧セ 競泳競技において呼吸循環器系機能を改善することは,その競技パフォーマンスを改善・向 上させるための重要な要素のひとつとなる⺋ 亁䎕붒溂 垍b첍bꊏ 鰍얃枃戟它檃塔O を行う高所トレーニングが盛んに狩われている⺍q榊슋ꮂ얃枃戟掃檃塔侂玂魔즂 솂쒍ナ 大畿葉摂取離,換気叢,忠誠➐ꮏ좂잂첗沁墂좐뚗搏䦓䮉栫䆂ꪐ뚂뚌級쪁䎕붒溂얂첍 욐겐톂ェ されるとの報告が多くみられる刊⺂뮂첂붂 䎖残档䦃潟塔玃抃亂얐ꊊ䖋䲘庂Ꞃ떁C ダルを獲得した北烏度分選手などの非常に競技力の高い選手においても積極的に高所ト レーニングを行っている⺌뮍 䎍o潟枃戟掃檃塔侂삎箂랂 䎂뮂첌쪂뺂 힂첑库䮕W 高は ㄸ〰ⴭ㈰〰 訟であるとされている⺋ꎉ檎 얂춊䎊侂즂ꢂꊂ쒒뎍㈲〰m を中心に ㈭- 4 週間の実施が主流となっている⺂떂떂좂ꪂ 䎊䎊侂얍玂o潟枃戟它檃塔侂즂춈놑 開や予算が必要となるため,必ずしも実施しやすい方法とは設えない⺂뮂첂붂 亁䌀 ㄳ〰m 程度であっても高所と同様な生理的瀧応がみられ,準高所であってもその効果が認め られている 他方,呼吸棲龍を改善する方法のひとつとして,以議より慢性関塞性賠装患患者を中心とし て,呼吸筋機能改善のためのリハビリテーショントレーニングが持われている似合その結 果,対象者の持久力を宥意、に高め,安静時及び運動時の呼吸困難感を有意に改善し,運動樹容 能を高める鎖向があるとしている印象また,種雷者においても,呼吸筋トレーニングを行う によって時吸機能や換気機能,連動龍力が向上し,日常住i 主運動負荷中の呼吸困難惑が低下 することが示されている 8 ㄲ)⺌쒋窑 枃戟它檃塔侂玂ꒂ붂 첕菇䂂욂떂쒂춁䎋䂊䊓䦕演힂ノ よる 剥獩獴慮捥 汯慤 周牥獨潬d 汯慤 があり紛, 周牥獨潬搠 汯慤 はパネや重りで押さえられた バルブが発生圧によって開く仕組みで,設定した庇を超えることで空気が流れる仕組みとなっ

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Page 1: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

〔高所トレーニング研究班〕

競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入

今村 高橋雄介

森 谷 暢

1結言

競泳競技において呼吸循環器系機能を改善することはその競技パフォーマンスを改善向

上させるための重要な要素のひとつとなる近年平地よりも標高の高い場所でトレーニング

を行う高所トレーニングが盛んに狩われている高訴環境でトレhellipニングを行う事によって最

大畿葉摂取離換気叢忠誠性状などの様々な生理的適応が生じ結果平地での作業成績が

されるとの報告が多くみられる刊そのため北京オリンピックで世界記録を樹立し

ダルを獲得した北烏度分選手などの非常に競技力の高い選手においても積極的に高所ト

レーニングを行っている現在高所トレhellipニングを実施する際その効果を得る為の楚適標

高は1800--2000訟であるとされている競泳種目では海外において諜高2200mを中心に 2--

4週間の実施が主流となっているしかしながら海外で行う高所トレーニングには鯵大な時

開や予算が必要となるため必ずしも実施しやすい方法とは設えないそのため近年

1300m程度であっても高所と同様な生理的瀧応がみられ準高所であってもその効果が認め

られている7)

他方呼吸棲龍を改善する方法のひとつとして以議より慢性関塞性賠装患患者を中心とし

て呼吸筋機能改善のためのリハビリテーショントレーニングが持われている似合その結

果対象者の持久力を宥意に高め安静時及び運動時の呼吸困難感を有意に改善し運動樹容

能を高める鎖向があるとしている印象また種雷者においても呼吸筋トレーニングを行う

によって時吸機能や換気機能連動龍力が向上し日常住i主運動負荷中の呼吸困難惑が低下

することが示されている812)呼吸第トレーニングを行うための方法としては機械的負荷に

よる ResistanceloadとThresholdloadがあり紛 Threshold loadはパネや重りで押さえられた

バルブが発生圧によって開く仕組みで設定した庇を超えることで空気が流れる仕組みとなっ

122 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

ている また fミesistanceloadでは穴に流れる空気の流速によゥて発生圧が変化して負荷がかe

かる仕組みとなっている14) これらのうち流最に関係なく庄設定が可能となる Threshold

load 誌呼吸筋トレーニングに最も適していると考えられている15)

近年呼吸筋トレーニングを実施することによって呼吸器系疾患患者のみならず健常者や

運動競技選手を対象として持久性運動パフォーマンスの改善についての検討もされるようにな

ってきているお

そこで本研究では競泳競技懸が10年以上と長く大学水泳部に所属し日頃から充分なト

レーニングを実施している日本水泳選手権に出場するレベルにある非常に競技力の高い大学生

男子競泳選手を対象として (実験 1) 3ヶ丹閉にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋ト

レーニングを加えることによる影響について検討をすることを目的とし呼吸筋トレーニング

前後における賄活盤響力肺活量最大換気量及び 1秒量を測定し検討することとしたま

た (実験 2) 高所トレーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での時吸筋トレーニング

の効果を比較検討することとした

2方法

(1)対象者

対象は男子大学金競泳選手37名(高所トレーニング実施群HATG16名呼吸筋トレーニ

ング群RMTG21名)であった Table 1に対象者の身体的特殺を示す対象者辻いずれ

も大学の水泳部に所属し常日頃から非常に レベルでのトレhellipニングを行っていた

Subjects characteristics Nwnber of subjects event 1 γable Table 2

HATG RMTG p valne SP MD D

Age 220念19 213t09 ns HATG 7 8 1

Hight 1793t3 8 1783t35 ns 鷺紅TG 5 13 2

notes SP Sprinter MD Midle distanceWeight 733t51 71Ot44 ns D Distance

BMI 228土12 224士13 ns

FA主主 12きま 24 122t24 ns

notes Values are mean tSD

HATG High altitude t路 ininggroup

RMTG Respiratorγmuscle training group

nsno significant

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 123

対象者には研究の意義内容危険性などを口頭及び文書にて十分に説明し対象者はそ

れらを理解した上で対象者本人が同輩の署名をし研究の参加に詩意したただし対象者が

未或年であった場合は保護者が代理の署名を行った本研究は中央大学保健体青研究所倫理

委員会の承認を得て実施した

(2)呼吸第トレーニング内容

呼吸第のトレーニングは対象者に負詩諜整パネにより内議のバルブシステムが空気の流入

量を諜整することで呼吸量をこ3ントロールし呼吸動作に負斉抵抗を与えることによって呼吸

筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreath Fitness 摘deltrade (英国 GAIAM社製以下

POWERbreat引を貸与し最大吸気在 (maxirn田 ninspiratory mouth pressure Plmax)から

γイナス 1----2の強度で有わせた (POWERbreath) トレーニング実施のタイミングとして

は朝のスイムトレーニング前に障上でおこなう体幹トレーニングやバランスボールなどを用

いて行うトレーニング時に導入したこの時指導者による呼吸筋トレーニングの実施方法に

ついて直接の指示があったその他スイムトレーニングとは独立して行うレジスタンスト

レhellipニング〈ウエイトトレーニング)の最後に 1由行うよう指示をした期間は約 3ヶ丹関

(106日〉 トレーニングを実擁したただし経続的な変化を確認するために 3ヶ丹後からさ

らに約 1ヶ月間〈約 4ヶ月後)まセ実施した

(3)高所トレーニング

トレーニングが呼吸機能に及ぼす影響に対して比較検討を加えるためThredbo Leisure

Centre (オhellipストラワアニューサウスウエールズ州D合語地の標高海抜1350m

開中の平均気圧8645mb) において約 lヶ月間 (26日)に及ぶ高所での競泳トレーニングを行

った トレーニングは最初の数日開における適応期間を経て桧々に平地でのトレーニングと

同様のトレーニングを行った

(4)呼吸機能テスト

呼吸機能の測定には電子式診断患スパイ訂メータ (sp-350COPDフクダ龍子社製)を使用し

た測定披位は立立としノーズクワップを装着しマウスピースを睦えて測定した時吸筋

機能の指標として肺活量勢力蹄活量最大換気議及び 1秒量を灘定した測定回数につい

ては第活量及び努力結活量は 2聞最大換気量は l聞としているが測定時咳き込んでし

まったりするなど明らかに正確な測定が出来なかった場合には 2----3分後に再灘定を行っ

124 中央大学保韓体育研究開紀要 第30号

(5)読計処理

平均値plusmn標準錨産で示した統計処理には統計処理ソフト DrSPSS立forwindows

(Ver 11O lJ) を用い呼吸筋トしーニングが呼吸機能に与えた影響の比較については長複

測定による一元配置分散分析を患い主効果が誌ぬられた場合に BonferroIUの多量比較法を

用いたまた高所トレーニング前後における呼吸機能の変化についてのよと較には対応のあ

るt検定を用いて解析したなお有意水準は 5未瀧とした

3結果

(1)最大換気量

Figure 1 ~こ呼吸筋トレーニング語 3 ヶ月(106 日)後及び 4 ヶ月(147 B)後の最大換気

量の変化を示した呼吸務トレーニング実施前の最大換気量誌1772士22711miれから実施後で

200 7念 22811m加及び2071 26 01lm加へ変fとした(増加率 117及び144)長復測

による一元艶量分散分析の結果有意な主効果が認められ (pく001F=178)多重比較検

定の結果実撞前と比較し存意に高笹を示した(実施蔀vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ

月f麦pltOOl)

Figure 2に トレーニング前後における最大換気量の変イとを示した高所トレhellipニング

250

240 230 220

210 (J)

200

~ 1号0

~ 180

ト 170

160

150

notes pく001Values are rneanくことSD

民同 Change of tidal volume in before and after respiratory muscle tra1 Figure

Pre Postω1 Post-2

125 2012

-250

240

230

220

210

同ぷOK

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競泳選手に対する時吸筋トレーニングの導入

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1

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ハυハ

附り

Pre Post

notes pltOOl紳

Values are meanlt二時D

Figure 2 Change of tidal volume inbefore and high altitude training

実施前の最大換気最は1831土 297lm恒から2093土 373lminへと有意に (pく001)変化し

た(増加率125)

(2) 1 秒 量

Figure 3に呼吸筋トレーニング前 3ヶ丹後及び 4ヶ丹後の 1秒量の変化を示した呼吸

筋トレーニング実施前の l秒最は47会 041であり実施後では51士 051及び51土 041へと

変化した(増加率744及び744)反復測定による一元配置分散分析の結果有意な主勢

65

8

55

5

45

4

担ド

Pre Post-1 Post-2

notes pltOOl榊

Values品remeanく士SD FEVlO Forced expiratory volume inone second

円ure3 Change of FEVlO加 beforeand after respiratory muscle traiI註ng

126 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

65

s

(CC-

notes pく001榊

Values are meanくごtSD FEVlO Forced expiratory volume in one second

Figure 4 Change of VFElO in before and after high altitude training

〉臼』

55

5

45

4

Pre Post

=210)多重比較検定の結果実施前と比較し

た(実施前 VS 3ヶ月後 pltOOl実施前 VS4ヶ月後pく001)

トレーニング前後における 1秒量の変化を示したFigure 4 ~こ トレーニング実施

によって 1 9 t061から弘5土 071へと有意に (pltOo1)変化した (増加率

10 7λ

鷺話 肺(3)

Figure 5 呼吸筋トレーニング諒 3ヶ月後及び4ヶ丹後における締活量の変fとを示し

た呼吸筋トレーニング実施後 は (69土 081及び69土 071)実路話 (64土 061)

F 100果が認められゆく に高穫を示し

33

8

75

7

65

6

55

5 Pre Post-1 Post-2

notes pく001 Values are meanlt玄SD

Figure 5 Change of vital capacity in before and after respiratory muscle training

2012 競泳選手に対する呼吸蕗トレhellipニングの導入 127

75

〆開酬閉附国剛yen〆司 7

呂ω邑 65υro

65S2

55

5 Pre Post

notesldquopく001 SDコヒmeanltValues are

Figure 6 Change of vital capacity inbefore and aftωhigh altitude tra担治g

と比較し72及び69の増加が認められた反復測定による元配置分散分軒の結果有意

F1(pltO0 な主効果が認められ 口

を示した(実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 Pく001)

Figure 6に高揚トレーニング前後における肺活量の変化を示した高所トレーニング実越

後の腸活最は実施前の63061から68土081と変化しその増加率は70であったlsquo一

元配畳分散分析の結果省意な主効果が認められ (pく001)多重比較検討を行ったところ

高所トレーニング実施前と比較し実施後で有意に った (pく仏 01)

(4)努力肺活量

Figure 7に呼吸筋トレニング前 3ヶ月後及び4ヶ月後の努力結活量の変化を示した

呼吸務トレーニング実施前における勢力諦活撃は 58玄 O訟であったのに対L 呼吸筋ト

レーニング実撞後では 66念 071及び65061であった(増加率 107及び106)一

432)多量辻較検定を行ったところ実施前と比較

F 1(plt00 元配量分散分析の結果有意な主効果が認められ

実施前と比較し有意に高値を示した〈実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 plt

001)

Figure 8に高所トレーニング前後における努力肺活量の変化を示した高所トしhellipニング

実施前の勢力窮話量は 61 O 71であり実施後では69081へと在意に (pく001)変化

した(増加率121)

=63 7) 多重比較検定の結果

8

usdh

〆宅

治麻酔会主事棺

128 中央大学保健体背研究所紀饗 第30号

75

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5 Pre Postω1 Post-2

notes pく001 Values are meanく土SD

Figure 7 Change of forced vital capacity in before and after respiratory muscle training

8

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7

365 〉

~ 6 υ 弘司

~ 55

5 Pre Post

notes 判pltOOl Values are meanくSD

ing訟Change of forced vital capacity in before and after high altitude tra8Figure

C唱

4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

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22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 2: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

122 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

ている また fミesistanceloadでは穴に流れる空気の流速によゥて発生圧が変化して負荷がかe

かる仕組みとなっている14) これらのうち流最に関係なく庄設定が可能となる Threshold

load 誌呼吸筋トレーニングに最も適していると考えられている15)

近年呼吸筋トレーニングを実施することによって呼吸器系疾患患者のみならず健常者や

運動競技選手を対象として持久性運動パフォーマンスの改善についての検討もされるようにな

ってきているお

そこで本研究では競泳競技懸が10年以上と長く大学水泳部に所属し日頃から充分なト

レーニングを実施している日本水泳選手権に出場するレベルにある非常に競技力の高い大学生

男子競泳選手を対象として (実験 1) 3ヶ丹閉にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋ト

レーニングを加えることによる影響について検討をすることを目的とし呼吸筋トレーニング

前後における賄活盤響力肺活量最大換気量及び 1秒量を測定し検討することとしたま

た (実験 2) 高所トレーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での時吸筋トレーニング

の効果を比較検討することとした

2方法

(1)対象者

対象は男子大学金競泳選手37名(高所トレーニング実施群HATG16名呼吸筋トレーニ

ング群RMTG21名)であった Table 1に対象者の身体的特殺を示す対象者辻いずれ

も大学の水泳部に所属し常日頃から非常に レベルでのトレhellipニングを行っていた

Subjects characteristics Nwnber of subjects event 1 γable Table 2

HATG RMTG p valne SP MD D

Age 220念19 213t09 ns HATG 7 8 1

Hight 1793t3 8 1783t35 ns 鷺紅TG 5 13 2

notes SP Sprinter MD Midle distanceWeight 733t51 71Ot44 ns D Distance

BMI 228土12 224士13 ns

FA主主 12きま 24 122t24 ns

notes Values are mean tSD

HATG High altitude t路 ininggroup

RMTG Respiratorγmuscle training group

nsno significant

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 123

対象者には研究の意義内容危険性などを口頭及び文書にて十分に説明し対象者はそ

れらを理解した上で対象者本人が同輩の署名をし研究の参加に詩意したただし対象者が

未或年であった場合は保護者が代理の署名を行った本研究は中央大学保健体青研究所倫理

委員会の承認を得て実施した

(2)呼吸第トレーニング内容

呼吸第のトレーニングは対象者に負詩諜整パネにより内議のバルブシステムが空気の流入

量を諜整することで呼吸量をこ3ントロールし呼吸動作に負斉抵抗を与えることによって呼吸

筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreath Fitness 摘deltrade (英国 GAIAM社製以下

POWERbreat引を貸与し最大吸気在 (maxirn田 ninspiratory mouth pressure Plmax)から

γイナス 1----2の強度で有わせた (POWERbreath) トレーニング実施のタイミングとして

は朝のスイムトレーニング前に障上でおこなう体幹トレーニングやバランスボールなどを用

いて行うトレーニング時に導入したこの時指導者による呼吸筋トレーニングの実施方法に

ついて直接の指示があったその他スイムトレーニングとは独立して行うレジスタンスト

レhellipニング〈ウエイトトレーニング)の最後に 1由行うよう指示をした期間は約 3ヶ丹関

(106日〉 トレーニングを実擁したただし経続的な変化を確認するために 3ヶ丹後からさ

らに約 1ヶ月間〈約 4ヶ月後)まセ実施した

(3)高所トレーニング

トレーニングが呼吸機能に及ぼす影響に対して比較検討を加えるためThredbo Leisure

Centre (オhellipストラワアニューサウスウエールズ州D合語地の標高海抜1350m

開中の平均気圧8645mb) において約 lヶ月間 (26日)に及ぶ高所での競泳トレーニングを行

った トレーニングは最初の数日開における適応期間を経て桧々に平地でのトレーニングと

同様のトレーニングを行った

(4)呼吸機能テスト

呼吸機能の測定には電子式診断患スパイ訂メータ (sp-350COPDフクダ龍子社製)を使用し

た測定披位は立立としノーズクワップを装着しマウスピースを睦えて測定した時吸筋

機能の指標として肺活量勢力蹄活量最大換気議及び 1秒量を灘定した測定回数につい

ては第活量及び努力結活量は 2聞最大換気量は l聞としているが測定時咳き込んでし

まったりするなど明らかに正確な測定が出来なかった場合には 2----3分後に再灘定を行っ

124 中央大学保韓体育研究開紀要 第30号

(5)読計処理

平均値plusmn標準錨産で示した統計処理には統計処理ソフト DrSPSS立forwindows

(Ver 11O lJ) を用い呼吸筋トしーニングが呼吸機能に与えた影響の比較については長複

測定による一元配置分散分析を患い主効果が誌ぬられた場合に BonferroIUの多量比較法を

用いたまた高所トレーニング前後における呼吸機能の変化についてのよと較には対応のあ

るt検定を用いて解析したなお有意水準は 5未瀧とした

3結果

(1)最大換気量

Figure 1 ~こ呼吸筋トレーニング語 3 ヶ月(106 日)後及び 4 ヶ月(147 B)後の最大換気

量の変化を示した呼吸務トレーニング実施前の最大換気量誌1772士22711miれから実施後で

200 7念 22811m加及び2071 26 01lm加へ変fとした(増加率 117及び144)長復測

による一元艶量分散分析の結果有意な主効果が認められ (pく001F=178)多重比較検

定の結果実撞前と比較し存意に高笹を示した(実施蔀vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ

月f麦pltOOl)

Figure 2に トレーニング前後における最大換気量の変イとを示した高所トレhellipニング

250

240 230 220

210 (J)

200

~ 1号0

~ 180

ト 170

160

150

notes pく001Values are rneanくことSD

民同 Change of tidal volume in before and after respiratory muscle tra1 Figure

Pre Postω1 Post-2

125 2012

-250

240

230

220

210

同ぷOK

Q

V

Q

d

υAυAυ

FMh

ハ つ

戸山銭円〉吋

mWC

競泳選手に対する時吸筋トレーニングの導入

U

1

i

I

l

-

-

t

i

1

i

U

tphvυAυ

ハυハ

附り

Pre Post

notes pltOOl紳

Values are meanlt二時D

Figure 2 Change of tidal volume inbefore and high altitude training

実施前の最大換気最は1831土 297lm恒から2093土 373lminへと有意に (pく001)変化し

た(増加率125)

(2) 1 秒 量

Figure 3に呼吸筋トレーニング前 3ヶ丹後及び 4ヶ丹後の 1秒量の変化を示した呼吸

筋トレーニング実施前の l秒最は47会 041であり実施後では51士 051及び51土 041へと

変化した(増加率744及び744)反復測定による一元配置分散分析の結果有意な主勢

65

8

55

5

45

4

担ド

Pre Post-1 Post-2

notes pltOOl榊

Values品remeanく士SD FEVlO Forced expiratory volume inone second

円ure3 Change of FEVlO加 beforeand after respiratory muscle traiI註ng

126 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

65

s

(CC-

notes pく001榊

Values are meanくごtSD FEVlO Forced expiratory volume in one second

Figure 4 Change of VFElO in before and after high altitude training

〉臼』

55

5

45

4

Pre Post

=210)多重比較検定の結果実施前と比較し

た(実施前 VS 3ヶ月後 pltOOl実施前 VS4ヶ月後pく001)

トレーニング前後における 1秒量の変化を示したFigure 4 ~こ トレーニング実施

によって 1 9 t061から弘5土 071へと有意に (pltOo1)変化した (増加率

10 7λ

鷺話 肺(3)

Figure 5 呼吸筋トレーニング諒 3ヶ月後及び4ヶ丹後における締活量の変fとを示し

た呼吸筋トレーニング実施後 は (69土 081及び69土 071)実路話 (64土 061)

F 100果が認められゆく に高穫を示し

33

8

75

7

65

6

55

5 Pre Post-1 Post-2

notes pく001 Values are meanlt玄SD

Figure 5 Change of vital capacity in before and after respiratory muscle training

2012 競泳選手に対する呼吸蕗トレhellipニングの導入 127

75

〆開酬閉附国剛yen〆司 7

呂ω邑 65υro

65S2

55

5 Pre Post

notesldquopく001 SDコヒmeanltValues are

Figure 6 Change of vital capacity inbefore and aftωhigh altitude tra担治g

と比較し72及び69の増加が認められた反復測定による元配置分散分軒の結果有意

F1(pltO0 な主効果が認められ 口

を示した(実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 Pく001)

Figure 6に高揚トレーニング前後における肺活量の変化を示した高所トレーニング実越

後の腸活最は実施前の63061から68土081と変化しその増加率は70であったlsquo一

元配畳分散分析の結果省意な主効果が認められ (pく001)多重比較検討を行ったところ

高所トレーニング実施前と比較し実施後で有意に った (pく仏 01)

(4)努力肺活量

Figure 7に呼吸筋トレニング前 3ヶ月後及び4ヶ月後の努力結活量の変化を示した

呼吸務トレーニング実施前における勢力諦活撃は 58玄 O訟であったのに対L 呼吸筋ト

レーニング実撞後では 66念 071及び65061であった(増加率 107及び106)一

432)多量辻較検定を行ったところ実施前と比較

F 1(plt00 元配量分散分析の結果有意な主効果が認められ

実施前と比較し有意に高値を示した〈実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 plt

001)

Figure 8に高所トレーニング前後における努力肺活量の変化を示した高所トしhellipニング

実施前の勢力窮話量は 61 O 71であり実施後では69081へと在意に (pく001)変化

した(増加率121)

=63 7) 多重比較検定の結果

8

usdh

〆宅

治麻酔会主事棺

128 中央大学保健体背研究所紀饗 第30号

75

--yen

Fmw議

泰寺

dn

R醤

戸幽吋

yen〆

を 7 d 0

二 s

65

宮υ

6 事

ら4

~ 55

5 Pre Postω1 Post-2

notes pく001 Values are meanく土SD

Figure 7 Change of forced vital capacity in before and after respiratory muscle training

8

75

7

365 〉

~ 6 υ 弘司

~ 55

5 Pre Post

notes 判pltOOl Values are meanくSD

ing訟Change of forced vital capacity in before and after high altitude tra8Figure

C唱

4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

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討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 3: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 123

対象者には研究の意義内容危険性などを口頭及び文書にて十分に説明し対象者はそ

れらを理解した上で対象者本人が同輩の署名をし研究の参加に詩意したただし対象者が

未或年であった場合は保護者が代理の署名を行った本研究は中央大学保健体青研究所倫理

委員会の承認を得て実施した

(2)呼吸第トレーニング内容

呼吸第のトレーニングは対象者に負詩諜整パネにより内議のバルブシステムが空気の流入

量を諜整することで呼吸量をこ3ントロールし呼吸動作に負斉抵抗を与えることによって呼吸

筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreath Fitness 摘deltrade (英国 GAIAM社製以下

POWERbreat引を貸与し最大吸気在 (maxirn田 ninspiratory mouth pressure Plmax)から

γイナス 1----2の強度で有わせた (POWERbreath) トレーニング実施のタイミングとして

は朝のスイムトレーニング前に障上でおこなう体幹トレーニングやバランスボールなどを用

いて行うトレーニング時に導入したこの時指導者による呼吸筋トレーニングの実施方法に

ついて直接の指示があったその他スイムトレーニングとは独立して行うレジスタンスト

レhellipニング〈ウエイトトレーニング)の最後に 1由行うよう指示をした期間は約 3ヶ丹関

(106日〉 トレーニングを実擁したただし経続的な変化を確認するために 3ヶ丹後からさ

らに約 1ヶ月間〈約 4ヶ月後)まセ実施した

(3)高所トレーニング

トレーニングが呼吸機能に及ぼす影響に対して比較検討を加えるためThredbo Leisure

Centre (オhellipストラワアニューサウスウエールズ州D合語地の標高海抜1350m

開中の平均気圧8645mb) において約 lヶ月間 (26日)に及ぶ高所での競泳トレーニングを行

った トレーニングは最初の数日開における適応期間を経て桧々に平地でのトレーニングと

同様のトレーニングを行った

(4)呼吸機能テスト

呼吸機能の測定には電子式診断患スパイ訂メータ (sp-350COPDフクダ龍子社製)を使用し

た測定披位は立立としノーズクワップを装着しマウスピースを睦えて測定した時吸筋

機能の指標として肺活量勢力蹄活量最大換気議及び 1秒量を灘定した測定回数につい

ては第活量及び努力結活量は 2聞最大換気量は l聞としているが測定時咳き込んでし

まったりするなど明らかに正確な測定が出来なかった場合には 2----3分後に再灘定を行っ

124 中央大学保韓体育研究開紀要 第30号

(5)読計処理

平均値plusmn標準錨産で示した統計処理には統計処理ソフト DrSPSS立forwindows

(Ver 11O lJ) を用い呼吸筋トしーニングが呼吸機能に与えた影響の比較については長複

測定による一元配置分散分析を患い主効果が誌ぬられた場合に BonferroIUの多量比較法を

用いたまた高所トレーニング前後における呼吸機能の変化についてのよと較には対応のあ

るt検定を用いて解析したなお有意水準は 5未瀧とした

3結果

(1)最大換気量

Figure 1 ~こ呼吸筋トレーニング語 3 ヶ月(106 日)後及び 4 ヶ月(147 B)後の最大換気

量の変化を示した呼吸務トレーニング実施前の最大換気量誌1772士22711miれから実施後で

200 7念 22811m加及び2071 26 01lm加へ変fとした(増加率 117及び144)長復測

による一元艶量分散分析の結果有意な主効果が認められ (pく001F=178)多重比較検

定の結果実撞前と比較し存意に高笹を示した(実施蔀vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ

月f麦pltOOl)

Figure 2に トレーニング前後における最大換気量の変イとを示した高所トレhellipニング

250

240 230 220

210 (J)

200

~ 1号0

~ 180

ト 170

160

150

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民同 Change of tidal volume in before and after respiratory muscle tra1 Figure

Pre Postω1 Post-2

125 2012

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240

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競泳選手に対する時吸筋トレーニングの導入

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Values are meanlt二時D

Figure 2 Change of tidal volume inbefore and high altitude training

実施前の最大換気最は1831土 297lm恒から2093土 373lminへと有意に (pく001)変化し

た(増加率125)

(2) 1 秒 量

Figure 3に呼吸筋トレーニング前 3ヶ丹後及び 4ヶ丹後の 1秒量の変化を示した呼吸

筋トレーニング実施前の l秒最は47会 041であり実施後では51士 051及び51土 041へと

変化した(増加率744及び744)反復測定による一元配置分散分析の結果有意な主勢

65

8

55

5

45

4

担ド

Pre Post-1 Post-2

notes pltOOl榊

Values品remeanく士SD FEVlO Forced expiratory volume inone second

円ure3 Change of FEVlO加 beforeand after respiratory muscle traiI註ng

126 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

65

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Values are meanくごtSD FEVlO Forced expiratory volume in one second

Figure 4 Change of VFElO in before and after high altitude training

〉臼』

55

5

45

4

Pre Post

=210)多重比較検定の結果実施前と比較し

た(実施前 VS 3ヶ月後 pltOOl実施前 VS4ヶ月後pく001)

トレーニング前後における 1秒量の変化を示したFigure 4 ~こ トレーニング実施

によって 1 9 t061から弘5土 071へと有意に (pltOo1)変化した (増加率

10 7λ

鷺話 肺(3)

Figure 5 呼吸筋トレーニング諒 3ヶ月後及び4ヶ丹後における締活量の変fとを示し

た呼吸筋トレーニング実施後 は (69土 081及び69土 071)実路話 (64土 061)

F 100果が認められゆく に高穫を示し

33

8

75

7

65

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55

5 Pre Post-1 Post-2

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Figure 5 Change of vital capacity in before and after respiratory muscle training

2012 競泳選手に対する呼吸蕗トレhellipニングの導入 127

75

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呂ω邑 65υro

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55

5 Pre Post

notesldquopく001 SDコヒmeanltValues are

Figure 6 Change of vital capacity inbefore and aftωhigh altitude tra担治g

と比較し72及び69の増加が認められた反復測定による元配置分散分軒の結果有意

F1(pltO0 な主効果が認められ 口

を示した(実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 Pく001)

Figure 6に高揚トレーニング前後における肺活量の変化を示した高所トレーニング実越

後の腸活最は実施前の63061から68土081と変化しその増加率は70であったlsquo一

元配畳分散分析の結果省意な主効果が認められ (pく001)多重比較検討を行ったところ

高所トレーニング実施前と比較し実施後で有意に った (pく仏 01)

(4)努力肺活量

Figure 7に呼吸筋トレニング前 3ヶ月後及び4ヶ月後の努力結活量の変化を示した

呼吸務トレーニング実施前における勢力諦活撃は 58玄 O訟であったのに対L 呼吸筋ト

レーニング実撞後では 66念 071及び65061であった(増加率 107及び106)一

432)多量辻較検定を行ったところ実施前と比較

F 1(plt00 元配量分散分析の結果有意な主効果が認められ

実施前と比較し有意に高値を示した〈実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 plt

001)

Figure 8に高所トレーニング前後における努力肺活量の変化を示した高所トしhellipニング

実施前の勢力窮話量は 61 O 71であり実施後では69081へと在意に (pく001)変化

した(増加率121)

=63 7) 多重比較検定の結果

8

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治麻酔会主事棺

128 中央大学保健体背研究所紀饗 第30号

75

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Figure 7 Change of forced vital capacity in before and after respiratory muscle training

8

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ing訟Change of forced vital capacity in before and after high altitude tra8Figure

C唱

4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

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132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

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10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

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討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 4: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

124 中央大学保韓体育研究開紀要 第30号

(5)読計処理

平均値plusmn標準錨産で示した統計処理には統計処理ソフト DrSPSS立forwindows

(Ver 11O lJ) を用い呼吸筋トしーニングが呼吸機能に与えた影響の比較については長複

測定による一元配置分散分析を患い主効果が誌ぬられた場合に BonferroIUの多量比較法を

用いたまた高所トレーニング前後における呼吸機能の変化についてのよと較には対応のあ

るt検定を用いて解析したなお有意水準は 5未瀧とした

3結果

(1)最大換気量

Figure 1 ~こ呼吸筋トレーニング語 3 ヶ月(106 日)後及び 4 ヶ月(147 B)後の最大換気

量の変化を示した呼吸務トレーニング実施前の最大換気量誌1772士22711miれから実施後で

200 7念 22811m加及び2071 26 01lm加へ変fとした(増加率 117及び144)長復測

による一元艶量分散分析の結果有意な主効果が認められ (pく001F=178)多重比較検

定の結果実撞前と比較し存意に高笹を示した(実施蔀vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ

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実施前の最大換気最は1831土 297lm恒から2093土 373lminへと有意に (pく001)変化し

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(2) 1 秒 量

Figure 3に呼吸筋トレーニング前 3ヶ丹後及び 4ヶ丹後の 1秒量の変化を示した呼吸

筋トレーニング実施前の l秒最は47会 041であり実施後では51士 051及び51土 041へと

変化した(増加率744及び744)反復測定による一元配置分散分析の結果有意な主勢

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126 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

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=210)多重比較検定の結果実施前と比較し

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トレーニング前後における 1秒量の変化を示したFigure 4 ~こ トレーニング実施

によって 1 9 t061から弘5土 071へと有意に (pltOo1)変化した (増加率

10 7λ

鷺話 肺(3)

Figure 5 呼吸筋トレーニング諒 3ヶ月後及び4ヶ丹後における締活量の変fとを示し

た呼吸筋トレーニング実施後 は (69土 081及び69土 071)実路話 (64土 061)

F 100果が認められゆく に高穫を示し

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2012 競泳選手に対する呼吸蕗トレhellipニングの導入 127

75

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Figure 6 Change of vital capacity inbefore and aftωhigh altitude tra担治g

と比較し72及び69の増加が認められた反復測定による元配置分散分軒の結果有意

F1(pltO0 な主効果が認められ 口

を示した(実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 Pく001)

Figure 6に高揚トレーニング前後における肺活量の変化を示した高所トレーニング実越

後の腸活最は実施前の63061から68土081と変化しその増加率は70であったlsquo一

元配畳分散分析の結果省意な主効果が認められ (pく001)多重比較検討を行ったところ

高所トレーニング実施前と比較し実施後で有意に った (pく仏 01)

(4)努力肺活量

Figure 7に呼吸筋トレニング前 3ヶ月後及び4ヶ月後の努力結活量の変化を示した

呼吸務トレーニング実施前における勢力諦活撃は 58玄 O訟であったのに対L 呼吸筋ト

レーニング実撞後では 66念 071及び65061であった(増加率 107及び106)一

432)多量辻較検定を行ったところ実施前と比較

F 1(plt00 元配量分散分析の結果有意な主効果が認められ

実施前と比較し有意に高値を示した〈実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 plt

001)

Figure 8に高所トレーニング前後における努力肺活量の変化を示した高所トしhellipニング

実施前の勢力窮話量は 61 O 71であり実施後では69081へと在意に (pく001)変化

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8

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4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 5: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

125 2012

-250

240

230

220

210

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競泳選手に対する時吸筋トレーニングの導入

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附り

Pre Post

notes pltOOl紳

Values are meanlt二時D

Figure 2 Change of tidal volume inbefore and high altitude training

実施前の最大換気最は1831土 297lm恒から2093土 373lminへと有意に (pく001)変化し

た(増加率125)

(2) 1 秒 量

Figure 3に呼吸筋トレーニング前 3ヶ丹後及び 4ヶ丹後の 1秒量の変化を示した呼吸

筋トレーニング実施前の l秒最は47会 041であり実施後では51士 051及び51土 041へと

変化した(増加率744及び744)反復測定による一元配置分散分析の結果有意な主勢

65

8

55

5

45

4

担ド

Pre Post-1 Post-2

notes pltOOl榊

Values品remeanく士SD FEVlO Forced expiratory volume inone second

円ure3 Change of FEVlO加 beforeand after respiratory muscle traiI註ng

126 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

65

s

(CC-

notes pく001榊

Values are meanくごtSD FEVlO Forced expiratory volume in one second

Figure 4 Change of VFElO in before and after high altitude training

〉臼』

55

5

45

4

Pre Post

=210)多重比較検定の結果実施前と比較し

た(実施前 VS 3ヶ月後 pltOOl実施前 VS4ヶ月後pく001)

トレーニング前後における 1秒量の変化を示したFigure 4 ~こ トレーニング実施

によって 1 9 t061から弘5土 071へと有意に (pltOo1)変化した (増加率

10 7λ

鷺話 肺(3)

Figure 5 呼吸筋トレーニング諒 3ヶ月後及び4ヶ丹後における締活量の変fとを示し

た呼吸筋トレーニング実施後 は (69土 081及び69土 071)実路話 (64土 061)

F 100果が認められゆく に高穫を示し

33

8

75

7

65

6

55

5 Pre Post-1 Post-2

notes pく001 Values are meanlt玄SD

Figure 5 Change of vital capacity in before and after respiratory muscle training

2012 競泳選手に対する呼吸蕗トレhellipニングの導入 127

75

〆開酬閉附国剛yen〆司 7

呂ω邑 65υro

65S2

55

5 Pre Post

notesldquopく001 SDコヒmeanltValues are

Figure 6 Change of vital capacity inbefore and aftωhigh altitude tra担治g

と比較し72及び69の増加が認められた反復測定による元配置分散分軒の結果有意

F1(pltO0 な主効果が認められ 口

を示した(実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 Pく001)

Figure 6に高揚トレーニング前後における肺活量の変化を示した高所トレーニング実越

後の腸活最は実施前の63061から68土081と変化しその増加率は70であったlsquo一

元配畳分散分析の結果省意な主効果が認められ (pく001)多重比較検討を行ったところ

高所トレーニング実施前と比較し実施後で有意に った (pく仏 01)

(4)努力肺活量

Figure 7に呼吸筋トレニング前 3ヶ月後及び4ヶ月後の努力結活量の変化を示した

呼吸務トレーニング実施前における勢力諦活撃は 58玄 O訟であったのに対L 呼吸筋ト

レーニング実撞後では 66念 071及び65061であった(増加率 107及び106)一

432)多量辻較検定を行ったところ実施前と比較

F 1(plt00 元配量分散分析の結果有意な主効果が認められ

実施前と比較し有意に高値を示した〈実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 plt

001)

Figure 8に高所トレーニング前後における努力肺活量の変化を示した高所トしhellipニング

実施前の勢力窮話量は 61 O 71であり実施後では69081へと在意に (pく001)変化

した(増加率121)

=63 7) 多重比較検定の結果

8

usdh

〆宅

治麻酔会主事棺

128 中央大学保健体背研究所紀饗 第30号

75

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65

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~ 55

5 Pre Postω1 Post-2

notes pく001 Values are meanく土SD

Figure 7 Change of forced vital capacity in before and after respiratory muscle training

8

75

7

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~ 6 υ 弘司

~ 55

5 Pre Post

notes 判pltOOl Values are meanくSD

ing訟Change of forced vital capacity in before and after high altitude tra8Figure

C唱

4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 6: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

126 中央大学保健体育研究所紀要 第30号

65

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Values are meanくごtSD FEVlO Forced expiratory volume in one second

Figure 4 Change of VFElO in before and after high altitude training

〉臼』

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Pre Post

=210)多重比較検定の結果実施前と比較し

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によって 1 9 t061から弘5土 071へと有意に (pltOo1)変化した (増加率

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鷺話 肺(3)

Figure 5 呼吸筋トレーニング諒 3ヶ月後及び4ヶ丹後における締活量の変fとを示し

た呼吸筋トレーニング実施後 は (69土 081及び69土 071)実路話 (64土 061)

F 100果が認められゆく に高穫を示し

33

8

75

7

65

6

55

5 Pre Post-1 Post-2

notes pく001 Values are meanlt玄SD

Figure 5 Change of vital capacity in before and after respiratory muscle training

2012 競泳選手に対する呼吸蕗トレhellipニングの導入 127

75

〆開酬閉附国剛yen〆司 7

呂ω邑 65υro

65S2

55

5 Pre Post

notesldquopく001 SDコヒmeanltValues are

Figure 6 Change of vital capacity inbefore and aftωhigh altitude tra担治g

と比較し72及び69の増加が認められた反復測定による元配置分散分軒の結果有意

F1(pltO0 な主効果が認められ 口

を示した(実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 Pく001)

Figure 6に高揚トレーニング前後における肺活量の変化を示した高所トレーニング実越

後の腸活最は実施前の63061から68土081と変化しその増加率は70であったlsquo一

元配畳分散分析の結果省意な主効果が認められ (pく001)多重比較検討を行ったところ

高所トレーニング実施前と比較し実施後で有意に った (pく仏 01)

(4)努力肺活量

Figure 7に呼吸筋トレニング前 3ヶ月後及び4ヶ月後の努力結活量の変化を示した

呼吸務トレーニング実施前における勢力諦活撃は 58玄 O訟であったのに対L 呼吸筋ト

レーニング実撞後では 66念 071及び65061であった(増加率 107及び106)一

432)多量辻較検定を行ったところ実施前と比較

F 1(plt00 元配量分散分析の結果有意な主効果が認められ

実施前と比較し有意に高値を示した〈実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 plt

001)

Figure 8に高所トレーニング前後における努力肺活量の変化を示した高所トしhellipニング

実施前の勢力窮話量は 61 O 71であり実施後では69081へと在意に (pく001)変化

した(増加率121)

=63 7) 多重比較検定の結果

8

usdh

〆宅

治麻酔会主事棺

128 中央大学保健体背研究所紀饗 第30号

75

--yen

Fmw議

泰寺

dn

R醤

戸幽吋

yen〆

を 7 d 0

二 s

65

宮υ

6 事

ら4

~ 55

5 Pre Postω1 Post-2

notes pく001 Values are meanく土SD

Figure 7 Change of forced vital capacity in before and after respiratory muscle training

8

75

7

365 〉

~ 6 υ 弘司

~ 55

5 Pre Post

notes 判pltOOl Values are meanくSD

ing訟Change of forced vital capacity in before and after high altitude tra8Figure

C唱

4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 7: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

2012 競泳選手に対する呼吸蕗トレhellipニングの導入 127

75

〆開酬閉附国剛yen〆司 7

呂ω邑 65υro

65S2

55

5 Pre Post

notesldquopく001 SDコヒmeanltValues are

Figure 6 Change of vital capacity inbefore and aftωhigh altitude tra担治g

と比較し72及び69の増加が認められた反復測定による元配置分散分軒の結果有意

F1(pltO0 な主効果が認められ 口

を示した(実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 Pく001)

Figure 6に高揚トレーニング前後における肺活量の変化を示した高所トレーニング実越

後の腸活最は実施前の63061から68土081と変化しその増加率は70であったlsquo一

元配畳分散分析の結果省意な主効果が認められ (pく001)多重比較検討を行ったところ

高所トレーニング実施前と比較し実施後で有意に った (pく仏 01)

(4)努力肺活量

Figure 7に呼吸筋トレニング前 3ヶ月後及び4ヶ月後の努力結活量の変化を示した

呼吸務トレーニング実施前における勢力諦活撃は 58玄 O訟であったのに対L 呼吸筋ト

レーニング実撞後では 66念 071及び65061であった(増加率 107及び106)一

432)多量辻較検定を行ったところ実施前と比較

F 1(plt00 元配量分散分析の結果有意な主効果が認められ

実施前と比較し有意に高値を示した〈実施前 vs3ヶ月後 pく001実施前 vs4ヶ月後 plt

001)

Figure 8に高所トレーニング前後における努力肺活量の変化を示した高所トしhellipニング

実施前の勢力窮話量は 61 O 71であり実施後では69081へと在意に (pく001)変化

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8

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128 中央大学保健体背研究所紀饗 第30号

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を 7 d 0

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Figure 7 Change of forced vital capacity in before and after respiratory muscle training

8

75

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~ 6 υ 弘司

~ 55

5 Pre Post

notes 判pltOOl Values are meanくSD

ing訟Change of forced vital capacity in before and after high altitude tra8Figure

C唱

4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

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及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 8: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

8

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128 中央大学保健体背研究所紀饗 第30号

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4考察

(1)野猿第トレーニング及び高薪トレーニンずによる最大換気量への影響

本研究は レベルの非常に高い大学生男子競泳選手を対象として 3ヶ月間の呼吸筋ト

レーニングを行い呼吸機能に与える影響について検討したまた 1ヶ月間の高所トレーニン

グにおける呼吸機能への影響と平地で行った呼吸務トレーニングとの比較検討を行った ト

レーニング賠関に恐があるが高所環境ではトレーニング時及び生活時における24時間の生態

的な負荷が与えられているが平地における呼吸筋トレーニングでは装具を用いた時のみの

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 9: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

競諒遺言手に対する呼吸第トレーニングの導入2012 129

トレーニングとなるため両者におけるトレーニング効果に対する期間に差が生じる可能性を

考麗し トレーニング期間に援を設けた

呼吸筋トレーニングを行うことによって最大換気量は有意 (pく001)に改善をしたそ

の増加率はトレーニング実施前と比較して117~14 4 (1772会 227Vminrarr2007土 228Vrnin

及び2071 t26 OVmin)であった

水泳中の呼吸は一般的に l動作中に 1呼吸が行われるつまり 1秒前後で 1聞の呼吸が行

われることになるまた競技動イ乍中はほとんどの時期で顔面が水中に入った状態であるた

め非常に誤られた時間内で呼吸を行う必要があるこのように競泳競技では普段から呼吸の

制限を受けながらトレhellipニングを行っているため一般鑓営者よりも換気量は著しく高いこと

が知られている17) 本研究の対象者は普段から高いレベルのトレーニングを行っているにもか

かわらず最大換気離に増加が認められたのは呼吸動作に負荷抵抗を与えることによって呼

吸筋を鍛えることの出来る器具である POWERbreathを用いた定期的なトレーニングが呼吸

筋の機能改善を促したことに起因するものと推察されるまた高所トレーニング後における

最大換気量の増加準は125 (183 1 t29 7Vrn加叶2093ごと 373Vrnin)であった

では吸気駿素分在の抵下が超こり蹄臆及び動脈車中の酸素分圧も低下するが末梢化学受容

器(頚動援小体大動難捧〉が耗設され換気が増大し始める18) 高所環境下でのトレーニング

で泣低在抵酸素の影響による動援車中酸素態和史 (SpO2)の低下と水中での止息を伴う

中等震から高強農のトレーニングによる影響を接合的に受けると考えられ トレーニング中に

低下する酸素娯取畿を補慣するためより一層の努力将吸を強いられることとなり主にト

レーニング中における呼吸筋に対する影響が考えられその事が平地での最大換気量の増加に

影響を及ぼしたとものと考えられる 19)

本研究では平地での呼吸筋トレーニングにおける最大換気量の増加率が117----144であ

ったのに詳し高所環境下でトレーニングを行ったことによる増加率は125でありほほ阿

隷の改善率が祷ることができたこのことは平地においても呼吸筋トレーニングを併用する

ことによって高所で詩られるトレーニング勢果とは認関様の効果が期持できることがポ峻さ

れる

(2)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる 1秒量への彰響

次に 1秒援への影響をみてみると呼吸筋トレーニング後において トレーニング蔚と比

較し l秒騒が有意 (pく001) に高値を訴したその増加率は744 (47土 041叶 51 t051

及び51念仏 41)であったWellsらは呼吸筋トレーニングを競泳選手に12週間爽施した結

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 10: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

130 中央大学保健体育研究所紀要 第30~子

果 1秒量の増加を認めており 20h 本研究も同様の結果を得ることができた 1秒量は最大努

力呼出の開始から最初の 1秒間に呼び出した空気量であり最大換気量との関連性もある 19)bull

そのため呼吸筋への負荷トレニングによって呼吸筋力が向上した結果最大努力呼出量

へ強く影響を攻ほした可能性が考えられるまた高所トレーニング前後においても 1秒量

が有意に (pく001)改善(I仏 7)された (61 t071rarr 69土 081)高所環境下における SpO

2の低下に伴い トレーニング中の酸素不足を補うためのより一騎の努力呼吸が必要となり

呼吸筋の強化につながった結果 1秒最の増加が認められたと推察される

(3)呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング後における勝活量は69土 081及び69土 071であり実施前 (64土 06

0と比較しそれぞれ72弘及び69の増加が認められた呼吸筋トレーニングを実擁するこ

とによって呼吸筋力を特異的に増加させることが健常者を対象とした研究によって明らかに

なっている 21)肺活量に影響を及ぼす横隔膜は呼吸筋の卦とつであり呼吸筋トレーニングを

実施することによってその横踊膜に影響を及ぼした可能性も考えられるさらに高所ト

レーニング実施後の賄活最は実施前の629土 0591から 676土 0781と宥意に変化しその増

加率は70であった高所環境では トレーニング中のみならず生活そのものも低圧低酸

素状態であるため常に努力呼吸が必要となる準高所競泳トレーニングが分時換気量を改善

することが報告されているが22己分時換気量は 1回換気量と呼吸数が影響を及ぼしたことが

肺活量を増加させその結果改善につながったものと推察される平地での呼吸筋トレーニン

グよって増加した肺活量は高所トレーニングによって増加した騎活量とほぼ同様の増加率を示

しており高所トレーニングと同援の効果が期待される

(的呼吸筋トレーニング及び高所トレーニングによる努力蹄活量への影響

呼吸筋トレーニング実施前における努力蹄活量は 58会 061であったのに対し呼吸筋ト

レーニング実擁後では 65土 071及び65 t061であった(増加率 107及び106)健

常者に呼吸筋トレーニングを 1回30分遇 5回 5週間実施した研究によると最大吸気圧

(Plmax)及び最大呼気圧 (PEmax) ともに増大させることが証明されている 21)努力肺活量

は最大に吸気した後一気に空気を吐き出す動作を苛うが呼吸鰐トレーニングによって最大

呼気正が改善されたことによって努力肺活量の向上がみられたものと推察されるまた高

所トレーニング実施前の響力肺活量は 61会 071であり実施後ではι9土 081へと宥意に

(pく001)変化した(増加率121λ 準高所環境において最高酸素摂取量を灘定した研究で

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 11: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

2012 競泳選手に対する呼吸筋トレーニングの導入 131

は平地で測定した最高酸素摂取量よりも低備を最すとされており 23 トレーニング中で gt

iこ一碧の努力呼吸が必要とをり時吸筋に対して影響を及ぼしたものと推察される

5lsquoまとめ

本研究は競泳競技歴が10年以上と長し大学水泳部に所麗し日頃から充分なトレーニング

を実施している日本選手権出場レベルの非常に競技力の高い大学生男子競泳選手を対集とし

て (実験 1) 3ヶ月間にわたり通常の競泳トレーニングに呼吸筋トレーニングを加えること

による影響について検討をすることを目的とし呼吸第トレーニング前後における蹄活麓努

力肺活量最大換気量及び 1秒鑑を測定し検討することとしたまた (実験 2)高所ト

レーニングが呼吸機能に及ぼした影響と平地での呼吸筋トレーニングの効果を比較検註する

こととしたその結果呼吸筋トレーニングを実施することによって腕活最努力肺活量

最大換気量及び 1秒量の企ての項目について有意に増加した (plto01) また高所ト

レーニングによる影響については腕活量努力賄活量最大換気最及び 1秒最の全ての項目

について在意に増加したヤく001)平地における呼吸第トレーニング実施によって得ら

れた増加率と高所トレhellipニングによって得られた増加率はほほ関様の結果であった以上の

ことから通常のトレhellipニングに加え呼吸第を特別にトレーニングすることによって高所

トレーニングによって得られる呼吸機能の改善とほほ模様の鶏果を得られる可能性が示唆され

本研究には幾つかの限界がある呼吸筋トレーニングが通常のトレhellipニングスケジュールに

合わせて行われたため トレーニング条件について十分なコント口hellipルが出来会かったこと

また対照群を設けていないことなどが挙げられる今後さらに詳細な研究結果を得るため

に開題点を解消し継続的な研究の実施が必要であると考えられる

文献費料

1)護野克己(19設計 トレーニングの生理的意義と最近の動向臨床スポツ医学16 505-516

2)或野克己(1989) トレーニングスポーツ 103-110

3) Adams京TCEM Bern獄lerDYDillJ BomarJr (1975)臨fectof equivalent sea-level and alti-

tude training on Vo2max and running performance J AppL PyshioL39 262-266

4) Robert F ChapmanJames Stray-Gundersenラ andBenjamin D Le吋ne(1998)Individualvariation

in response to altitude training J AppL PhysioL 85 1448-1456

5) Mizuno MJuel CBro-Rasmussen T Mygind ESchibey BRasmussen B Saltin B(1990)

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88

Page 12: 」jIノホキトzリg[jOフアSD HATG :High altitude t H ining group RMTG :Respiratorチmuscle training group n. s:no significant 2012 」jIノホキトzリg[jOフア 123 ホロメノヘC、フモ`CeCッォネヌェyムカノト¥ェノセオCホロメヘサ

132 中央大学保鍵体管研究所紀要 第30号

68 496-502 1Physiollbskeletal rnuscle adaptation in athletes after training at altitude J App知L

6 )霊堂智之出西哲蕗 (2000) ジュニア擦の長距離ランナーにおける高撞トレーニングの効果

群馬大学教青学部紀要 芸鋳技争奪体育生活軒学繊 第35巻 127-137

7 )磯鰭克男杉田正明 111本竜史i度曾公治川原質(1999)標高1300rnにおける水泳トレーニ

ングが生理機能に及ぼす第響 体力科学 48 (3) 393-402

8)秩古史1車高横仁美菅原慶勇佐竹勝宏櫛谷隆倍 (2001)呼気筋強化が呼吸筋力に及ぼす

第 8巻 47-51

9 )中田鉱hellip郎坪井永保成井浩司(1997)COPDにおける理学嬢法呼吸第16巻 502hellip516

10)官川哲夫(1988)慢性閉塞性肺疾患の呼吸筋トレhellipニング理学療法第 5巻 195-203

11)佐々 (2008)呼吸リハビリテーションにおける トレーニングの効果

16 (1) 22-27

12) S郎総iM(2007) The effect of expiratory rnuscle training on pulrnonary function in norrnal sub-

jects J Phys Ther Sxi 19 197-203

13) Daubenspeck JA(1995) Mech劉 calaspects ofload吋 breathingIn The Thorax(Iung Biology in

Roussos C85)1Health and Disease Vo Marcel Dekker edsNew York 953-985

14)おastwoodPRHi出nanDRFinucane KE(l995) Ventilatory responses to inspiratory threshold附

loading and role of rnuscle fatigue in task failure J Appl Physiol76(1)185-195

15)解良武士 (2003)呼吸筋力と増強理学療法学第18犠 1 6

16)解良武士古泉一久 (2009)呼吸筋トレーニングによる持久性能力の向上の可能性

科学第24巻 767hellip775

17)柴田義晴(1979)泳者の呼吸機能の特性について 東京学芸大学紀要 第31巻 219-228

18)宮村晴夫 (2001)低酸素環境における換気応容体育の勢学 51 281-285

19)解良武士小掠一也諸殺高志 (2004) ウェイトリフティング選手の呼吸機龍特性について一

呼吸筋力に着目してhellip 呂本生理学雑誌 Vol9 No4 151-156

20) Gregory D京俗芸sMichael PlyleyScott ThornasLen Goodrnan and Jarnes Duffin(2005) Effects

of concurrent inspiratory総 dexpiratory rnuscle training on respiratory and exercise perforrnance

in cornpetitive swimrners日urJ Appl Physiol94 527-540

21) Leith DEBradley M(1978) Ventilatory rnuscle strength and endurance training J Appl Physiol

41 508-516

22)今村貴幸加藤健志森谷暢 (2009)準高所競泳トレーニングにおける呼吸錯環応答の変化

中央大学保健体育研究所紀要 第27号 19-31

23)高橋雄介吉村豊(1995)男子大学競法選手のトレーニングプログラムー最近 3年需の比較綾

討 中央大学課健体育研究所紀要第24号 55-88