~持続的な森林経営の確立を目指して~ ·...
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面的なまとまりをもった森林で、自然地形を生かした路網整備と搬出間伐を一体的に進めることで、施業のコストダウンを進めます。
○付帯施設等整備・鳥獣害防止施設等・林内作業場等・林床保全・荒廃竹林
○森林作業道整備
○地拵え、植栽等○下刈り(10年生以下)○枝打ち(30年生以下)○雪起こし(25年生以下)○倒木起こし(25年生以下)○除伐等(25年生以下)
○間伐(60年生以下)○更新伐(90年生以下)
・育成複層林の造成・広葉樹林化の促進・天然林の改善
条件により上記と異なる林齢の制限がある場合があります。集約化に必要な境界確認などの支援については、森林整備地域活動支援交付金を活用できます。
○森林施業計画の認定を受けた方○特定間伐等促進計画における特定間伐等の実施主体
(平成24年度以降は新たに制度化される森林経営計画の認定を受けた方を支援する予定です。)
●支援の条件○集約化実施計画の対象森林(又は
国有林との森林共同施業団地内)○5ha以上の実施箇所を束ねて申請
(共同による申請も可能)○実施箇所1ha当たり平均10m3以上
の木材を搬出
詳しくはお近くの都道府県の林務担当までお問い合わせください。
ヘクタール当たり
助成単価
搬出材積
○木材を出せば出すほど助成が得られます
~持続的な森林経営の確立を目指して~
●助成単価のイメージ
参考
・フォレスターによる指導・地域における合意形成・境界の確認
(森林整備地域活動支援交付金による支援)
・森林施業の集約化(5ha以上)
施業のコストダウン + 間伐材の有効利用 → 林業所得の増加
森林作業道林業専用道林道
・計画的な路網整備(森林施業と一体的に整備)・路網と高性能林業機械を用いた低コスト作業システム
市町村などに対する専用道の促進パンフレット案
平成23年10月31日(版)
林業専用道ってどんな道?
林業専用道のイメージ(切盛のり面が低く森林へのアクセス性が高い道トラック道)
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林業専用道とは木材の搬出機能の向上を主たる目的
として作設するもの
路網の目的に応じ「林道」「林業専用道」「森林作業道」に区分しました。
「林道」は、効率的な森林の整備、地域産業の振興等を図る目的で、地域の基盤となる
一般の車輌の走行を想定した道です。
「森林作業道」は、導入する作業システムに対応し、森林整備の促進を図る目的で、林
業機械の走行を想定した道です。
「林業専用道」は、幹線となる林道と森林作業道をつなぎ、木材の搬出機能の向上を図
る目的で、大型トラックによる木材の搬出を想定した必要 小限の規格構造の道です。
主として森林施業のために利用するもので、経営計画の中で団地化された施業地の中
核となる路網です。
これまでの林道との違いは?
これまでの高規格の林道は走行性や木材の輸送機能等は優れているが、
直線的な線形のためのり高が大きい等から森林へのアクセス機能は低く、
森林施業を実施する観点からは必ずしも使いやすいとはいえません。
林業専用道は地形に沿った線形とし、のり高を低く抑えているため、
森林施業の実施に使いやすい構造としています。
利用間伐には林業専用道が必要不可欠です。丈夫で簡易な構造、大型トラックに対応し輸送コストを軽減
木材の搬出にあたって、「林道」と「森林作業道」だけでは、木材の搬出は困難です。
来たるべく国産材時代をにらみ、地域の林業を活性化させるためには、施業に直結した「林
業専用道」等を含めた路網の整備が必要不可欠です。
なぜ10トン積みの大型トラック(普通自動車)に対応した2級林道相当の道なのか?
狭い道で十分ではないか?という話をよく聞きます。
これまでのように切り捨て間伐が主体で、良質な通直材のみを搬出していた場合には、
小さいトラックでも採算が合ったかもしれませんが、国内自給率50%を想定した場合、
利用間伐を行うことになり、並材やチップ材等も搬出する必要が生じます。その場合、運
材コストを抑えるため、積み替えを行わないで長距離輸送が可能な大型トラックによる対
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応が必要となります。
3級林道 小型自動車(乗用車2t積トラック)車道幅員 2m → 輸送能力小 → 輸送コスト大
2級林道 普通自動車(10t積トラック) 車道幅員 3m → 輸送能力大 → 輸送コスト小
※4トン積みトラックでも車幅が2.1~2.5mあり、3級林道の走行は出来ません。
○これまでの木材の輸送状況
森林作業道 基幹作業道 林道公道
林地 → 山土場 → 中間土場 → 工場
フォワーダー 2㌧積トラック 10㌧積トラック
※積み替えが多く中間土場が必要となりコストが大きい。
○並材やパルプ材の利用を想定した求められる輸送
森林作業道 林 業 専 用 道
林地 → 山土場 (林道公道) 工場
フォワーダー →
10㌧積トラック
※直接山土場から工場への搬出が可能。輸送コストが大きく減少
(単純に考えて、10トン積み車は2トン積み車の5倍( !)の材を運ぶことが可能)
林業専用道を3級林道規格で出来ないか?
これからの森林施業を考えた場合、2トン積みトラック(3級林道)
だけでは、採算が合いにくいことが想定され、どうしても2級以上の規
格の林道が必要となります。また、曲線部の半径が小さい場合は、内輪
差等から、車道幅員の拡幅が必要になりますが、通行車両を車輪の距離
が短い車輌等に限定(例えば6トン車のショートボディー車等)するこ
とで、カーブにおける拡幅量の低減も可能です。
林道規程の運用細則では、
曲線半径12mの場合
通常2.25m → 車輌を限定することにより1.0mが可能。
丈夫で簡易な構造とはなにか?
・のり高を低く抑える。作設に際し一番重要なのがのり高を低く抑える事です。
のり面の高さを低く抑えれば、山側ののり面保護や谷側の構造物を抑制でき、林地へ
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のアクセスが容易になります。
また、のり高を抑えるため、のり勾配を切土6分、盛土1割2分を標準にしています。
1:0.8
1:0.6
1:1.2
1:1.5
※勾配1割2分(1:1.2)とは、
横1.2に対し縦1の割合
で傾斜した勾配。
1.2 ※これまでの林道は走行性
は優れているがのり面が
1.0 高く森林作業道等の取り
付けが困難。
・波形線形の採用。設計速度を時速15km/hとすることにより、きめ細かに曲線を設定し、地形に沿っ
た波形線形とすることでのり高を低く抑えます。
・水を集めない。これまでの林道では、側溝で山側に路面水を集め暗渠等により排水していますが、集
中豪雨などで雨水が集まることにより、側溝や暗渠が閉塞し氾濫することが、被災の
原因となる場合が多く見られました。
このため、林業専用道における路面排水は、側溝によらず、縦断勾配による波形勾配
と、きめ細かな横断排水溝の設置により分散排水を行い、水を集めないことで災害に
強い道作りを行います。
簡易な構造物による横断溝
構造物やのり面保護、側溝の施工は実施できない?
林業専用道の規格で、構造物の設置やのり面保護、側溝の施工は一切
できないということではありません。これまでの施工実績や土質、地形
の状況により、理由を整理した上で、のり面保護や構造物や側溝等の排
水施設を設置することは可能です。
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どんな箇所で計画したらよいか?
○計画が必要な箇所は・・・・・林業専用道は、山土場に集めた木材を大型トラックに乗せて運搬するための道です。車
輌系の作業システムでは、フォワーダー等の集材距離が長くなるほど非効率となるため、
森林作業道による集材距離が一定以内(例えば500m以内)になるように林業専用道の
配置を検討する必要があります。
○計画に当たって・・・・・林業専用道の計画に当たっては、導入する作業システムを考慮し、森林作業道と一体と
なった路網計画を作成する必要があります。必ずしも、連絡線形の必要はなく、突っ込み
線形で200mや500mといった短い距離の計画でも構いません。
また、林業専用道から森林作業道が分岐するポイントや終点付近には、残土処理を兼ね
た林業作業用施設(山土場)を計画すると効率的です。
○急傾斜地では工夫が必要・・・・・のり高を低く抑える事を 重要ポイントとしており、林地の傾斜が30度程度を越える
急傾斜地で作設を行う場合は、のり面が高くなったり構造物が連続することになります。
このため、林地傾斜が急な箇所においては、開設箇所や工法を工夫する必要があります。
例えば、台地状の地形で起点付近が急傾斜でも、途中から緩傾斜で土構造でも開設可能な
場合などは、急傾斜部分に必要な施設を設置するなど、部分的に集中投資を行いつつも、
路線全体でコストを抑えるなどの柔軟な発想により、急傾斜地でも壊れにくい道づくりの
工夫を行ってください。
林業専用道にはどんなメリットが?
○ 林業振興への直接的な効果が期待できること
① 開設単価の縮減により、林道延長の加速的な延伸が期待。
② 木材輸送エリアが拡大し、林業経営が成立するエリアが拡大。
③ 収入間伐が可能となり、林業の再生に伴う雇用創出、産業活性化。
○ 多様な目途に応え得る施設であること
① 林業専用道は、普通自動車の走行を可能とする規格・構造であり、
林業車両のみならず一般車両の通行、緊急時の迂回路、緊急車両の
通行等も可能となる。
② 高規格の林道より、森林施業の実施効果が早期に発現。
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災害復旧の対象になるのか?
要件を満たせば、林道災害の施設復旧対象となります。・林道として林道台帳に掲載し管理されている事
・利用区域面積 30 ha
・取り付け部の林道を含めて500 m 以上(取り付け部の林道が300 m であ
れば、その先の林道専用道は200 m 以上)あれば可
誰がどのように作るのか?(実施主体、測量設計、工事について)
林業専用道は、林道区分の中の一つであり、林道と同様に都道府県、市町村、森林組合
等が事業実施主体となります。
測量設計については、各都道府県が定める作設指針、林道規程、林道技術基準に基づき
設計することになります。
工事施工については、各都道府県が定める林道工事の仕様書等により施工管理し工事の
品質を確保する必要があります。
このパンフレットについてのお問い合わせは、
林野庁整備課林道担当(森谷)までお願いします。
電話 03-3502-8064
FAX 03-3502-8065