iot進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 ·...

27
平成2812経済産業省 商務情報政策局 IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ ~集めないビッグデータ、パーソナルデータストア、データ流通市場~ 資料2

Upload: others

Post on 08-Jul-2020

5 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

平成28年12月 経済産業省

商務情報政策局

IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ

~集めないビッグデータ、パーソナルデータストア、データ流通市場~

資料2

CS149012
テキストボックス
Page 2: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

(目次)

5. 個人起点の新たなデータ流通構造の創成 ・・・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・

2

4

5

9

14

19

2. IoT進展に立ちはだかる中期的課題

3. 新たな潮流を踏まえたIoT構造の将来像

4. ハイブリッドなデータ流通システムの実現

<参考:事例>

6. 政策の方向性

- データ流通の現状 - 事業者による個人情報の流通

- データポータビリティ - PDS/情報銀行

- 施策の方向性の例 - 今後、加速検討すべき象徴的なプロジェクト例

・ ヘルスケア(ヘルスケアデータの流通) ・ 流通(電子レシートの流通) ・ 観光(訪日外国人の属性情報・行動履歴等の活用) ・ 自動車(高精度3次元地図の整備) ・ 電力(大規模HEMS情報基盤整備事業) ・ データ流通市場(IoTデータ、センシングデータ)

・・・・・ 1. 検討経緯・位置づけ

1

- データオーナーシップの明確化

3

Page 3: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

機密性○

下堀 昌広 インテル株式会社 IoTシニアスペシャリスト 砂田 薫 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 主幹研究員 砂原 秀樹 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授 玉井 克哉 東京大学先端科学技術センター 教授 出口 弘 東京工業大学知能システム科学専攻 教授 林 いづみ 桜坂法律事務所 弁護士 松井 俊浩 NEDO技術戦略研究センター 統括研究員 丸山 宏 ㈱プリファードネットワークス 最高戦略責任者

安念 潤司 中央大学大学院法務研究科 教授 石黒 不二代 ネットイヤーグループ株式会社 代表取締役社長 兼 CEO 井上 拓生 株式会社産業革新機構 戦略投資グループ ディレクター 上田 祐司 株式会社ガイアックス 代表執行役社長 川村 龍太郎 NTT未来ねっと研究所 所長 楠 正憲 ヤフー株式会社 CISO Board 國領 二郎 慶應義塾大学総合政策学部 教授 塩野 誠 株式会社経営共創基盤 取締役マネージングディレクター

産業構造審議会情報経済小委員会の下に、分散戦略WG(座長:国領慶應大学総合政策学部教授)を設置し、本年3月から9回に渡り議論。 11月に中間取りまとめ。

ユーザードリブン

IoT構造の大きな変化

次を見据えた新たな戦略軸 サプライサイド

IoT推進ラボ スマートIoT 推進フォーラム

データ流通 促進WG

セキュリティWG

IoT推進コンソーシアム

ネット技術開発・実証 革新的プロジェクト

セキュリティガイドライン データ提供ルール

IoTプロジェクトのエコシステム

産業構造審議会 新産業構造部会

新産業構造ビジョン

主要分野の変化

産業・就業構造の変化

官民の対応

中長期の視点

分散戦略WGの 検討事項 クラウド集中型からエッジヘビーコンピューティング等 技術開発、競争戦略、データ戦略、人材育成など

自動運転、データ工場、超効率SC、 スマートハウス等

競争・協調領域明確化、規制改革、 教育雇用改革等

サービス化、データが価値の源泉へ、 職種変化等

規制改革、ルールなどの環境整備

これまでの取組

検討経緯・位置づけ

2

Page 4: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

機密性○

現行のIoTシステム

データ爆発とリアルタイムレスポンス 高信頼性とセキュリティの確保

プライバシー保護への懸念 データ寡占化によるロックインへの懸念

500億規模

可視化 予測 制御

500億規模

(億台)

0

200

400

600

800

1000

1200

2000 2010 2020 2050

ネットワークにつながるデバイス数の増加

5ms(自動運転)

1-10ms(産業用ロボット)

2ms(送電システム)

100億規模

数千億規模

集中型IoTシステム

技術的課題

社会的課題

→システム、データの信頼性の確保が鍵

交通システム 生産システム インフラシステム等

500億規模

様々なデータの中長期的蓄積

+ + + +・・

便利なカスタマイズドサービスの可能性

プライバシーへの世界的な懸念の高まり EUにおける個人情報保護規則などの保護強化の動き

衝突

技術的課題

社会的課題

データ集約による競争優位の構造

機械学習

サービス向上

クラウド上のデータ集約

【グローバルな巨人】 Google Amazon Facebook Apple 等

→将来的に、データ寡占により過度のロックイン効果が 生じれば、利用者にとって適切な競争が確保されない可能性

→膨大なデータ・デバイスをどう捌くか

→プライバシーと利活用のバランスの再構築が必要に 3

IoT進展に立ちはだかる中期的課題

Page 5: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

機密性○

データユーザー主導のデータ分散型構造 信頼の仕組みを変える新たな産業社会システム

ハイブリッドなデータ流通システム

【新たな潮流】エッジヘビー(フォグ)コンピューティング

エッジ

クラウド データ量

フォグ

【新たな潮流】ブロックチェーン(公開分散型台帳)

水平間連携も

データが最適な場所で 柔軟に処理される仕組み

データトラフィック問題を解決するとともに、ユーザー企業側の柔軟なデータ戦略が可能に。セキュリティの確保やマイクロサービスによる現場からのイノベーションも容易に。

機械学習、暗号技術 実装やマイクロ サービス等の バリュー

ローカルクラウドの市場創出

管理者不在の中でデータ真正性の確保が可能となるなどIoTの信頼性確保の基盤となるほか、登記・権利・契約管理などの契約社会システムが大きく変化。

【新たな潮流】パーソナルデータストア(PDS)

個人

小売a

銀行b

メーカーc

データポータビリティ

<集中型> <分散型>

オプトアウト型第三者提供、匿名加工情報 等 ・購買

履歴

・金融行動履歴

・運転履歴

プラットフォーム

企業

・匿名加工情報

<データ流通システムの俯瞰(イメージ)>

特に医療情報、行動履歴、経済活動履歴 等

従来型の集中型に加え、長期に個人を名寄せする「ディープデータ」については、個人が分散管理して流通させる仕組みが実現し、カスタマイズドサービスが進展。

信託

データ 取引所

信託型代理機関

PDS

新たなアーキテクチャー

特に、自動運転、生産システム・インフラ制御 等

補完

IoTデータのサプライチェーン管理、権利管理・契約社会基盤の代替、地方通貨、教育等の価値証明化 等

パブリックな分散型ビジネスモデル 【新たな潮流】シェアリングエコノミー

分散化された社会的資源(モノ、スペース、カネ、ヒト、エネルギー等)がデジタルアセット化されて、需要可変的に徹底利活用。従来型の公共サービスも「共助」へと変化。

N対Nで全ての「遊休」資産が徹底利活用

移動手段、スペース、運搬、スキル、食事、電力、生産システム、ストレージ・計算資源、保育・介護、データ 等

公共サービスにおける共助の一部活用が有効と考えられるケース

保育所 →預かり仲介サービス 公共バス →ライドシェア 雇用斡旋 →クラウドソーシング 公園整備 →クラウドソーシング 公民館 →スペースシェア 財源調達 →クラウドファンディング 生活支援 →食事シェア 4

新たな潮流を踏まえたIoT構造の将来像

将来のIoTシステム

データセントリック社会 (分散されたデータが 瞬時に協調してデータを中心に動く世界)

Page 6: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

機密性○

個人

小売a

銀行b

メーカーc

データポータビリティ

<集中型> <分散型>

オプトアウト型第三者提供、匿名加工情報 等 ・購買履歴

・金融行動履歴

・運転履歴

プラットフォーム

企業

・匿名加工情報

<データ流通システムの俯瞰(イメージ)>

特に医療情報、行動履歴、経済活動履歴 等

信託

データ 取引所

信託型代理機関

Personal Data Store

補完

5

統計的なビッグデータ分析には匿名加工情報制度が対応できる環境が整いつつあるが、個別化医療など個人に対する最適なカスタマイズドサービスの展開には、十分な対応ができていない状況。

従来型の匿名加工情報等の利活用領域(集中型)に加え、長期に個人を名寄せする「ディープデータ」については、個人が分散管理して流通させる仕組みが実現し、カスタマイズドサービスが進展。

ハイブリッドなデータ流通システムの実現

(将来像)

Page 7: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

6

○ 我が国の産業競争力強化、新産業創出、情報経済社会の構築に向け、データの性質を踏まえつつ、また、セキュリティーやプライバシーの確保等に対する要請にも応えた、データ流通促進の環境整備。

<喫緊の課題>

位置情報

囲い込み構造

ユーザー

サービス 提供

結果反映

取得/集約

購買情報 商品販売

サービス 提供

結果反映

分 析

取得/集約

購買客

A社

分 析

観光客

B社

サービス 提供

囲い込み

データの利活用が各事業者で閉じ、ビッグデータ分析ができていない。

事業者がデータの利活用を萎縮。事業者を越えたデータ流通のための法的枠組がないことやセキュリティ、プライバシーを懸念。

事業者にデータが囲い込まれる傾向。競合他社等にデータが晒されること、自らのコントロール権の喪失、データ由来者特定の可能性が内在することが要因と言われている。

個人関連情報は、より一層の活用が期待。他方、データ利活用とプライバシーが相克。

データ流通の現状

Page 8: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

① 損保会社は、利活用したいデータの保有者(自動車メーカー)を探し、データ提供を依頼。

※ 保有者は、データ保有者の意向を確認することなくデータ提供を拒否することが可能

② データ保有者が、損保会社にデータを提供するためには、本人(個人)の同意を取得する必要(コストが発生)。

③、④ 本人が同意すれば、データ保有者から損保会社にデータが提供。

※ 本人は、損保会社からの情報漏洩等を懸念し、消極的な対応を行う場合もある。

○ データ保有者による本人同意手続き等が不要になるなど、本人同意に係る諸課題が解決。

走行データを保有

自動車メーカー

【現状】

損保会社

①走行データの要求

④走行データの提供

個人

③提供の同意 ⑤走行データを使った商品提供

走行データを活用した新たな保険商品を開発・提供したい ②提供のための

同意取得手続

自動車メーカー

【個人起点】

損保会社

個人

③走行データの提供・共有

①新商品の提案 ②自己情報コントロール権の行使

<例:損保会社による自動車の走行データの利活用の場合>

7

現在、事業者は、個人情報保護法に基づき、保有する個人情報について、本人の同意を得ずに第三者に提供することはできない。

個人を起点とした個人データの提供であれば、本人同意に係る諸課題は解決。

事業者による個人情報の流通

Page 9: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

8

B2Bにおける非パーソナルデータの利活用を促進することが重要。

データ創出に寄与した者によるデータの利活用権限の主張を公平に認めることが望ましいとする「データオーナーシップ」の考えが浸透し、複数事業者間でデータ共有が行われていることが期待。

データオーナ-シップの明確化によるデータ協調の促進

• 契約上のデータ取引の明確化を図るため、データ流通契約ガイドラインの改訂を検討するとともに、主要分野における適用事例を明確化

• 企業がデータを容易に開放できるよう、秘密分散・計算技術の活用によるデータ協調環境の整備を検討 • 匿名加工制度の利活用を促進するとともに、データ流通促進WGなどにおいて企業からの個別事例を解決するほか、カメラ画像等について共通ルールを整備

個別の契約で各当事者のオーナーシップを明確化

Page 10: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

パーソナルデータの利活用ついては、個人の関与を省く形で議論される傾向にあったが、「ディープデータ」の利活用が期待される状況においては、個人の理解無くして利活用は実現されない。

「ディープデータ」に関し、個人の「納得感」を得ながらデータの利活用を目指す新たなアプローチが提唱(集めないビッグデータ、パーソナルデータストア、データ流通市場のアプローチ)

個人からデータを取得し一箇所に集約するのではなく、データを個人の「手元」に置き、その意思により管理可能とした上で、データを必要に応じて提供するモデル(データポータビリティ)。

(仕組み)

データポータビリティ (手段)

PDS/情報銀行、データ流通市場

個人を起点としたデータ流通促進のために不可欠な仕組み・手段 個人が、自分の情報をパーソナルデータストア(PDS)に保管し、個人自らが、各事業者毎に、情報提供可否、提供内容等を決定する。

分散PDS (集めないビッグデータ)

受託型 PDS

個人がパーソナルデータを管理する仕組み

利用者 個人

利用者個人の意思で 利活用させる

データ利活用事業者

サービス 事業者

マイナポータル 個人のクラウドに集約・スマホで管理

情報銀行 等 パーソナル データ

非個人データを提供或いは同意に基づき個人データを

提供

サービス提供

個人起点の新たなデータ流通構造の創成

9

Page 11: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

(参考1) 取組事例(日本)

■ 情報銀行

■ データ取引市場

大日本印刷株式会社

・VRMサービスを提供するサイト「Kirei-Safety」を試験的に運営

・利用者は、同サイトへの会員登録によって発行されるIDに

よってKirei-Safetyが審査・認定した他社サービスの利用が可能。

エブリセンスジャパン株式会社

IoTデータ交換所を開設。

IoTにより接続される様々なセンサーや機器の情報を持つ

データ提供者とそれらの情報の利活用を希望するデータ利用者を

仲介するIoTプラットフォームサービスを提供。

リアルタイムでの生データの提供が可能。

株式会社日本データ取引所

データ提供者、データ利用者を仲介するプラットフォームサービスを検討中。

データの第三者提供が可能な法人からデータを集め、カタログ化(データの内容、提供者、形式、価格等)。プラットフォーム上に登録されたカタログ情報を基に、データ提供者とデータ利用者をマッチング。

※ Vendor Relationship Management

10

Page 12: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

(参考2) 取組事例(海外)

■ 英国

■ フランス

■ 米国

※ EU(データポータビリティの権利:EUデータ保護規則20条)

○ 消費者が民間企業の持つ自分の個人データに自由にアクセスできるようにし、必要に応じ第三者企業に提供できる仕組み( midata )を官民協働で実施。

○ 政府や民間企業が保有する個人データを、データ主体の意思でパーソナルデータストアに預け、その利活用をデータ主体がコントロールできるようにするプロジェクト(MesInfos)を実施。政府からの補助金あり。

○ スマートディスクロージャー(Green Button(電力・エネルギー)、Blue Button (医療)、MyData Initiative(教育))を推進。

○ 銀行、証券、保険、クレジットカード等の金融機関等からデータを取得し、個人ユーザーにアカウントアグリゲーションの基本機能のサービスを提供。

実施主体:次世代インターネット財団

実施主体:政府、民間企業

1 データ主体は、データ管理者に提供したパーソナルデータを、構造化された、通常用いられる機械判読可能な形式で受け取る権利を有し、また、当該データを、妨害されることなくデータ管理者から他のデータ管理者に移転する権利を有する。 11

Page 13: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

個人起点の新たなデータ流通構造の創成(データ流通に必要な仕組:データポータビリティ)

データポータビリティ データポータビリティ ・ データポータビリティにより、これまで事業者間の

交渉では流通不可能であったデータの利活用も実現されることが期待

・ この仕組みを構築していくためには、まずは、社会実装の一部実現を通じて世の中でプロジェクトが具体的メリットも含め「見える化」され、社会的な受容が拡大していくことが重要

・ その上で、欧州のように横断的あるいは分野別に法制度化するか、あるいは事業者においてビジネス上先行させるなどが考えられるが、法制度化の可否等について今後検討していくことが必要

※ データポータビリティの仕組みが、データ流通の促進に係る全ての課題を解決する万能な機能を有するものではなく、一定の限界があることを前提とする必要

個人

信託

認定信託型代理機関

データ 取引所

データ提供

サービス提供

データ提供

データ利活用企業等

小売a (購買履歴)

銀行b (金融行動履歴)

メーカーc (運転履歴)

・・・

個人関連情報保有企業等

小売A 銀行B メーカーC

データ請求 APIベースでの データ還元

・・・

12

Page 14: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

個人起点の新たなデータ流通構造の創成(データ流通に必要な手段:PDS/情報銀行)

PDS 個人が自らのデータを安全に蓄積・管理・活用することができる。

PDS

個人

共有

共有

共有 AとBのデータを提供

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

個人に関する データ

個人に関する データ

個人に関する データ

事業者A

事業者B

事業者C

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

事業者E

事業者F

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

事業者D

管理するのが大変・・・

PDS(Personal Data Store) ・ データポータビリティを有効に機能させる手段が、

パーソナルデータストア ・ パーソナルデータストアは、「情報銀行」や「信託

型代理機関」のような、個人によるパーソナルデータの管理・運用が可能なツール

・ これにより個人に集約されたデータがパーソナルデータストアを介して事業者も含めた第三者に共有されるような、個人主導型のデータ流通が実現

(例:利用者に圧倒的な利便性を実感させるアプリケーション)

- 必然的にその利用者に関するあらゆるデータが集約。当該アプリケーションにデータの管理・提供機能が備わることで、当該アプリケーションを起点としたデータ流通、つまりは個人を起点としたデータ流通が可能となる。

・ パーソナルデータストアは現行法制度上実施することは可能であるが、今後、データの安全管理等の信用面での裏づけなどの観点からの検討が必要。

PDS 個人

共有

共有

共有

預託

便益

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

個人に関する データ

個人に関する データ

事業者A

事業者B

事業者C

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

事業者E

事業者F

- - - - - - - -

ー ー ー ー ー ー ー ー

事業者D

AとBのデータを提供

・・ ・・

■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■

・ ・ ・

●情報銀行:狭義のPDS(いわば受託型パーソナルデータストア)

個人に関する データ

13

Page 15: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

マイナポータルを活用したパーソナルデータストア・プロジェクトの実現 行政履歴が確認できるマイナポータルと連携して個人による履歴情報が一覧的に閲覧でき、個人の管理の下、提供が可能なプロジェクトを組成する。

政策の方向性

(1) 施策の方向性の例

○個人起点の新たなデータ流通構造の創成

データポータビリティ、個人を支える信託型代理機関(情報銀行)の検討 個人が自らに関連するデータの所在を把握し、データの引き出し等、自ら管理が可能であり、信託を受けてサポートする信託型代理機関、データポータビリティに係る法制度の在り方について検討する。

データ取引所のルール策定とビジネス実現化 データを取り扱う取引所サービスについて、取引所の信用性を強化するための行動指針を策定を検討するなど、民間事業者によるデータ取引所の立ち上げを支援する。

オープンデータとデジタルファーストの促進 行政機関が保有するデータをデータ流通市場に提供するよう、利用可能な形でのオープンデータ化を進めるとともに、官民・民民における書面手続きについても、デジタル化が進むための制度見直しを進める。

データ利活用を萎縮する制約要因の解消 具体的な加工手法の提示等を通じ、改正個人情報保護法に基づく匿名加工制度の活用を促進するとともに、データ流通促進WGにおいて企業からの個別相談を受けて解決するほか、カメラ画像の利活用などの自主ルールの策定を支援する。

14

Page 16: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

契約上のデータ取引の明確化を推進 データ流通契約ガイドラインを改訂する。

政策の方向性

主要分野のデファクト形成と国際連携 複数事業者が関連する工場内のデータ管理、ビル管理、海事等の具体的分野について協調領域に属するものは可能な限りシェアするとの理念の下、データ権限に関する具体的な事例づくりを行う。

秘密分散・計算技術の活用によるデータ協調環境整備の検討 企業が漏洩を気にすることなく、ビッグデータ分析のためにデータを容易に提供できるよう、秘密計算技術等を活用した、第三者に提供する場合の運用の在り方について検討する。

データ利活用を萎縮する制約要因の解消 具体的な加工手法の提示等を通じ、改正個人情報保護法に基づく匿名加工制度の活用を促進するとともに、データ流通促進WGにおいて企業からの個別相談を受けて解決するほか、カメラ画像の利活用などの自主ルールの策定を支援する。

15

○データの利活用権限の明確化(データオーナーシップ)

Page 17: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

改正個人情報保護法において、ビッグデータをはじめとするパーソナルデータの利活用に向けて、本人の同意に代わる一定の条件の下、特定の個人を識別することができないように加工された「匿名加工情報」制度が創設された。

匿名加工情報とは

匿名加工情報を作成する際の加工の程度は、個人データを取り扱う事業の内容や利用形態によって判断されるべきものであり、一律の基準は存在せず、個人情報保護法においても、認定個人情報保護団体の指針等が定められ、実用に供されることが想定されている。

本マニュアルは、業界団体、企業、認定個人情報保護団体等の事業者が、匿名加工情報や匿名加工情報に係るガイドラインを作成するにあたっての相場観を形成するべく、具体的なユースケースを用いて、匿名加工情報を作成するための具体的な手順や方法について、昨年10月以降、学界、産業界、消費者団体等における有識者により検討を重ねて作成したものである。

匿名加工情報作成マニュアルについて

匿名加工情報作成マニュアルのポイント

1)ユースケースの明確化

3)個人識別等に係るリスクの抽出

4)個人識別等に係るリスクを踏まえた加工方法の検討

2)識別子、属性、履歴の仕分け

具体的な手順として、以下を整理

留意すべきリスクを、個人が特定されるリスク、他の情報と照合されるリスク、本人にアプローチされるリスクに類型化し、リスクに応じた具体的な加工の方法を例示(特異値の削除、仮名化等)。

電力利用データ、購買データ、移動データの3つの事

例に基づく具体的な検討プロセスを提示。

(参考3) 匿名加工情報及び匿名加工情報作成マニュアル

16

Page 18: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

カメラ画像については顧客満足度の向上等の観点で利活用ニーズが高いが、個人情報の取得への事前同意を行っているとは限らない、取得された情報の利用範囲がカメラ本体から想像・把握できない等の特徴を有する。

このため、事業者が利活用するにあたり、生活者とそのプライバシーを保護し、適切なコミュニケーションをとる際の配慮事項を、ユースケースを基に整理。

例1 店舗内設置カメラ(属性の推定)

生活者と事業者間での相互理解を構築するための参考とするもの(記載された配慮事項を事業者へ強制するものではない)。これらを基に、事業者の業界・業態に応じた利活用ルールの 設定を期待。

位置づけ

個人情報保護法等関係法令を遵守し、個人 を特定する目的以外の目的でのカメラ画像の利活用を検討する事業者。 ※防犯目的で取得されるカメラ画像は対象外

適用対象

目的:レジ待ち時間の短縮等

配慮事項の対応例(一部) 入出時点で画像を取得 特徴量データを抽出後、撮影画像を直ちに破棄 来店者の人物属性(年齢等)を推定した時点で、 特徴量データを直ちに破棄 自社HP上でリリース (事前告知)を実施→ 店舗入口にポスター掲 示(通知)を実施 他社へ提供しない

事業者において、カメラを設置し、風景及び不特定多数の人物を対象として撮影し、そのデータを、個人を特定する目的以外の目的で利活用する場合を想定。配慮事項を、①基本原則②事前告知時の配慮③取得時の配慮④取扱い時の配慮⑤管理時の配慮として取りまとめ。

例2 屋外に向けたカメラ(人物形状のカウント)

目的:都市計画等

配慮事項の対応例(一部) 通行する人・物体の画像を取得 人・車等を識別しカウント後、撮影画像を直ちに破棄 自社HP上でリリース(事前告知)を実施 店舗入口に撮影中であることを示す通知を実施↓ カメラの計測対象 地点をHP上に掲載 個人の特定には至ら ない旨をJHP上に明記

配慮事項

(参考4) 「カメラ画像利活用ガイドブック」(案)Ver1.0(パブリックコメント中)

17

Page 19: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

エッジ・個人起点のデータ流通 健康情報・移動情報・購買情報などのパーソナルデータストアを提供するため、医療・自動車・流通などの分野別に関係会社が組織するプロジェクト

政策の方向性

(2) 今後加速検討すべき象徴的なプロジェクト例

18 出典:SIPシンポジウム2016「SIP『自動走行システム』」 葛巻清吾

【参考】業界内で、協調領域においてデータ共用を試みる動きが現れ始めている。

Page 20: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

<参考:事例> ・ ヘルスケア(ヘルスケアデータの流通)

・ 流通(全体最適なサプライチェーンシステムの構築)

・ 観光(訪日外国人の属性情報・行動履歴等の活用)

・ 自動車(高精度3次元地図の整備)

・ 電力(大規模HEMS情報基盤整備事業)

・ データ流通市場(IoTデータ、センシングデータ)

19

Page 21: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

企業や保険者、医療関係者等が、健康情報等を活用し、糖尿病軽症者等に対して個々人の状態に合った介入を行うことを通じて、症状の具体的な改善を目指す実証事業を実施。その中で、必要なデータフォーマットや、IoT端末等を活用した健康情報の収集方法、対象者への介入方法等について検証。

特に、健康情報については、機器やメーカー毎にその形式や定義、精度が異なり、円滑な情報の収集・利活用が困難であるため、本事業を通じて、実際にデータフォーマットの策定とその運用を行う。本事業を通じて、IoT機器から収集する健康情報等を活用したサービスの振興を目指す。

実証事業と政府の次世代医療ICT基盤協議会の下に設置した検討会(内閣官房、厚労省、総務省も参加)等を通じて、データ交換規約(データフォーマット)等のルールを策定。

(データ項目イメージ) ① 日常生活のモニタリングをするための情報

…歩数・活動量 (歩数計等のウェアラブル機器、スマホ等で計測) ② 症状の変化をアラートするための情報(職場等で計測)

…体重、血圧、HbA1c、血糖 等 これらの健康情報、検査情報等について、データの質を担保する観点から、測定日時や測定機器、検査機関、検査方法等の情報をあわせて収集することとし、約60項目のフォーマットを定義。

<事業イメージ>

<主に活用する健康情報等の項目>

医療機関等

臨床医

対象者

事業主/保険者

産業医 保健師等

歩数・活動量、体重、 血圧等の健康データを蓄積

日々の行動を自ら モニタリング

介入して 行動変容を支援

必要に応じて 情報を共有

健康関連 データベース

健康関連データに基づきモニタリング・ 症状の変化をアラート

健常者・予備群 対象者数:9千万人

通院フェーズ 対象者数:200万人 年間医療費:40万円/人

透析フェーズ 対象者数:10万人 年間医療費: 580万円/人

糖尿病

<対象者>

健診データ

レセプトデータ

健康情報の基盤整備及び利活用促進事業

20

Page 22: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

ヘルスケアデータの流通(第1回 IoT Lab Selection 支援対象プロジェクト)

2020年を目標に、ヘルスケア産業界横断でのデータ流通構造の構築や、流通プラットフォームの設計を完了させ、コンソ会員事業者によるヘルスケアデータ流通事業の実現を目指す。

パーソン・ドリブン・ヘルスケア社会(個人により管理された ヘルスケア関連データが流通する社会)の実現を目的に、業界横断での議論、知見共有の場を設置(2016年9月9日)。

パーソン・ドリブン・ヘルスケア社会でのキープレイヤーとなる事業者(信託銀行や損保、製薬会社、セキュリティ事業者)が参加し、制度、技術、ビジネスモデル等に関する課題を議論。

ヘルスケア IoT コンソーシアム

21

Page 23: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

購買履歴データ(電子レシート)

PPMを活用した購買履歴データ管理(東芝テック・KDDI総合研究所) PPM(※)を運用する実証実験を通じて、個人を起点にした購買履歴の管理に関する仕組みの標準化に向けた課題整理を行う。

電子レシート 対応POS導入店舗

平成28年度IoT 推進のための新産業モデル 創出基盤整備事業:7億円の内数

【小売A】

【小売B】

購入した商品、値段、日時、店舗名データを含む電子レシートを発行

電子レシート データセンター

東芝テック

KDDI総合研究所

電子 レシート

PPM

※PPM(Privacy Policy Manager):自身で設定したポリシーに従い、パーソナルデータを本人が管理する仕組み

本人の許可の下で 電子レシートデータを管理

スマート フォンで管理

【個人】

購買履歴に基づきアンケートを実施。店舗で利用可能なポイントをプレゼント

購入された商品で調理可能なおいしいレシピを紹介

<電子レシートデータの提供依頼者例>

【事業者A】 【事業者B】

データ 提供依頼

PPMアプリケーションを提供

合意の場合 データ提供

・データ提供の条件を分かりやすく表示

・提供するデータの粒度(匿名化の程度等)を選択可能

・データ提供のポリシーを作成でき、データ管理を容易にする

PPMを通じてデータ 提供の可否を決定

<実証事業におけるスキーム>

22

Page 24: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

「九州」(福岡)実証 テーマ: 横断的情報の観光戦略での活用 参加者: ジェイティービー・JTB総研・JCB・JSTO・NTTア

ド・九州経済連合会 等

プリペイドカードの発行とアプリの連携 属性情報に加えて、アクセスログ・

GPS情報・決済履歴等を収集、サービス提供

「関西」(大阪)実証 テーマ: 買い物シーンでの新しいサービス・決済 参加者: パナソニックグループ・三井住友カード・大日本印刷・

新関西国際空港・南海電気鉄道・海遊館 等

スマホでいつでもどこでも複数の決済手段を登録、生体認証

看板・サイネージ等と連動した多言語情報提供

「おもてなしプラットフォーム」構築 テーマ: 様々なサービスプラットフォーム間の情報

連携(1つのIDで複数の事業者・地域のサービスを利用可能等)

参加者: デロイトトーマツコンサルティング・

大日本印刷 等

訪日外国人の属性情報・行動履歴等を事業者・地域間で共有することを可能にする「おもてなしプラットフォーム」を構築・実証し、様々な事業者・地域によって、こうした情報を活用した高度で先進的なサービス、決済等を体験できる環境を整備し、2020年までの社会実装を目指す。

情報連携のためのルール整備 情報連携を活用した新たなユースケースの創出

個人情報やプライバシーの保護

キャッシュレス環境の向上 等

<平成27年度補正予算 実証事業> 「おもてなしプラットフォーム」の構築に取り掛かかり、システム開発等の準備期間を経て、3地域で実証中。

「関東」(箱根・湯河原・鎌倉)実証 テーマ: 手ぶら観光の実現 参加者: JTBコーポレートセールス・Liquid・箱根温泉郷・

湯河原温泉 等

配送受付時の伝票記載の省略 チェックイン時のパスポート提示の省略 レンタサイクルの貸出手続の簡略化 指紋認証による決済

A

B

C

D

A B

C D

※ 本人認証は、生体認証だけでなく、スマホやカードを用いた認証も検証範囲。

訪日外国人の属性情報・行動履歴等の活用(平成27年度補正 IoT活用おもてなし実証事業:5.0億円)

23

Page 25: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

自動車(高精度3次元地図)(再掲)(平成28年度予算額:8.5億円の内数)

24

出典:SIPシンポジウム2016「SIP『自動走行システム』」 葛巻清吾

【参考】業界内で、協調領域においてデータ共用を試みる動きが現れ始めている。

Page 26: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

• 今後、家庭内で連携する機器が増え、取得できるデータの量・質が向上することで、エネルギー消費の見える化や家電のOn/Off操作などに留まらない、生活空間のカスタマイズや製品ライフサイクルにおける改善等を可能にする革新的なサービスの創出が期待される。

• 実証を通じて、プライバシーを考慮したデータ連係等における業界横断的な共通指針の策定等、新たなサービス創出に必要な環境整備を行う。

社会課題の解決

事業者・個人ニーズの充足 (例)・消費者情報や機器稼働状況の分析による、消費者ニーズに合致した製品開発。 ・外出先から自宅の状況把握や家電製品の自動制御による快適な生活の実現。

(例)・ライフログを活用した在宅介護の高度化や女性の社会進出促進のための生活支援。 ・家電製品のトレーサビリティ向上による、リコール対策や廃家電の適正ルートでの排出促進。

実証イメージ

革新的なサービスの創出 • リコール情報等の配信 • リサイクルの容易な排出 • 買換え時等の省エネ情報の提供 • 高度な在宅介護サービスの提供 • 健康増進のための食レシピ提案、食材配送 等

機器(家電メーカー、電力・ガス会社)

家(ハウスメーカー)

サービス

(サービス事業者等)

データ提供

25

○ ハウスメーカー、家電メーカー、電力・ガス事業者、サービス事業者等からなる企業コンソーシアムを通じて、家庭にネットワーク接続する機器等を持ち込み、オープン指向でデータを取得・提供する環境を構築する。

○ 家庭に係わる様々なデータを活用し、製品ライフサイクルにおける総合的なサービスや、民間企業それぞれのニーズに合わせたサービス等、ユースケース創出のための実証も併せて行う。

<データ連携により産まれる革新的なサービスの概要>

家庭(家電、センサー等)

サービス事業者

革新的サービスの創出・提供

家庭にまつわる様々な情報の提供 (e.g. 家電の稼働情報等) 家電リサイクル

リコール

エンタメ 子育て テレワーク

セキュリティ 保険・メンテ

医療・健康・介護

♪ …etc

エネマネ

スマートホームにおけるデータ活用環境整備推進事業

Page 27: IoT進展に立ちはだかる中期的課題への 新たなアプローチ · 2016-12-09 · 平成. 28. 年. 12. 月 経済産業省. 商務情報政策局. IoT. 進展に立ちはだかる中期的課題への

データ流通市場(第1回 IoT Lab Selection 支援対象プロジェクト)

【EverySense:IoTデータ流通市場】

各種データについて、提供範囲・方針を予め登録することで、利用したい企業と自動的に結びつき、取引が成立する仲介システム。

データを簡便に登録でき、対価の有無や個人情報の扱いについても選択可能。対価はポイントで還元される独自の仕組み。

【Senseek:センシングデータ流通市場】

仕様の異なる様々なセンサデータについて、データの内容や取引条件等を統一的に記述するルールを整備し、そのルールに従ってデータの内容や取引条件等を公開することで、データを利用したい企業と提供したい企業の間で自動的に取引をマッチングさせる。

26