ir nagamachi
TRANSCRIPT
![Page 1: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/1.jpg)
たのしい んが
![Page 2: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/2.jpg)
はじめに
最初にこの本を作るにあたっての心意気
をお話します。私は版画作品を紹介した
3つの展覧会に行きました。そこで見て
感じた、あたりまえのことだけれどたの
しい版画の要素をビジュアルで紹介しま
す。参考文献の解説をそのまま写すので
はなく、単純に「版画って楽しそう」と
いう気持ちを本にしました。
![Page 3: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/3.jpg)
版と紙at 永遠なる迷宮 エッシャー展
版と紙の関係はきっと木版がいちばんわかりやすい。木版を彫って凸の部分にインクを塗って、紙に刷る。はんこと同じ。次の作品は、エッシャーが友人と共作した本 に作った挿絵です。ものの気持ちの詩もついています。ではさっそく刷ってみましょう。右が版で、左が紙です。さあ、ぺったん。
![Page 4: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/4.jpg)
ぺら。
6 やしの木 私は好奇心旺盛な樹木です。
世界の夢を見ながら、すらりと立っているのです。
![Page 5: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/5.jpg)
ぺら。
![Page 6: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/6.jpg)
「永遠なる迷宮 エッシャー展」のはなし4 月 19 日から6月1日まで旭川美術館で行われていたエッ
シャー展に行きました。札幌から旭川まで特急列車スーパーカム
イで行くとたったの 50 分で着きました。びっくり。
美術館は常盤公園の中にありました。環境のせいか、家族で美術
鑑賞している人が多かったように思います。とってもすてき。し
かし、子供はすぐに飽きてしまってお母さんに帰ろうとせがむ姿
もよく見ました。かわいい。
この展覧会で、エッシャーのインスピレーションの豊かさ、敏感
さ、というものを強く感じました。旅行した際に見た風景、動植
物の生命力から数学や地質学に至るまで幅広い分野に興味を示
し、そこから多くの作品を生み出しました。また、彼の几帳面な
性格から緻密で規則正しいものが多くありました。そのせいか、
作品数はそれほど多くない展覧会でしたが、とても見応えがあり
ました。
![Page 7: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/7.jpg)
重なりパズルat ドイツポスター PLAKATE 展
さて、さきほどの「版と紙」では黒の一色刷り
でしたが、カラーの多色印刷になると、色の数
だけ版の数を増やさなきゃいかんのです。
どの色をどの位置に、重なる部分があれば前後
関係も考えなくっちゃいけません。
最初は2版、それから4版。どんなポスターが
できるでしょうか。
![Page 8: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/8.jpg)
![Page 9: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/9.jpg)
2版はさすがに簡単だったでしょうか。
次はもう少し増えますよ。
ちなみにこの作品はドイツの商業ポスターが盛
んになってきた時代に作られた、ポスター会社
のポスターです。赤の入れどころに大変センス
を感じます。
![Page 10: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/10.jpg)
![Page 11: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/11.jpg)
簡単に完成をイメージできそうですが、細部ま
ではなかなか難しいですよね。
単純な構成ですが、面のかたち、色のバランス
がとってもきれいなポスターです。ベタ塗りで
こんなに豊かな表現ができるのだな、と関心。
![Page 12: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/12.jpg)
「ドイツ・ポスター PLAKATE 展」のはなし2月 26 日から3月 30 日まで京都国立近代美術館で行われてい
ました。宿泊していた町家の宿のすぐ近くにと近代美術館があっ
たので、2回も行ってしまいました。
展覧会を見た最初の感想はかわいい!でした。単純な構成、ドイ
ツらしいフォントのテキスト、トーンを抑えたしぶい色合い・・・
これらはどれもわたしにとってはツボでした。ツボのひとつであ
る、背景・画・テキストの三要素からなる単純な構成というのは、
ここで紹介されているポスターたちが先駆けだったようです。こ
れは、当時ヨーロッパで主流だった絵画的なものではなく、商業
ポスターの広告効果を高めることを目的とした構成としてベルリ
ンで発達しました。かわいいものにもこんなにしっかりした理由
があるなんて、ドイツポスターに関心してしまいました。
今回の展覧会のポスター(下)は 10 年代のポスターのオマージュをさらにオマージュしたもの。
![Page 13: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/13.jpg)
Y + M+ Cat 映画「人のセックスを笑うな」リトグラフ展
最後はシアン、マゼンタ、イエローの3色を使っ
てカラフルな作品を刷ってみましょう。
映画の中でこの作品を刷るシーンがありまし
た。一版目の黄色が黄色が刷り上がったシーン
が印象的でした。その一版だけでは何が描かれ
ているのかわからないのだけれど、とてもきれ
いなきいろでした。
では色の足し算をたのしんでください。
![Page 14: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/14.jpg)
Y
![Page 15: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/15.jpg)
M
![Page 16: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/16.jpg)
C
![Page 17: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/17.jpg)
「人のセックスを笑うな リトグラフ展示」のはなしこの展示会は映画「人のセックスを笑うな」を上映していた映画
館の隣にある kino cafe で映画の主人公が劇中で制作した版画を
紹介したものです。
まずは映画の紹介。主人公のユリは美大のリトグラフ講師。この
設定がマイナーでそそられます。お話は、ユリと生徒のみるめく
んの恋物語です。いけないいけない。だけどそれがとってもかわ
いらしく描かれています。
つぎは kino cafe について。狸小路6丁目にあるシアターキノと
ほぼつながっています。だから映画の待ち時間にもってこいの場
所です。親切にも上映時間前になるとスタッフの方がカフェに呼
びに来てくれます。また、映画館とのコラボレーションも楽しみ
のひとつ。今回の様な展示会や、映画をモチーフにしたフードや
ドリンクが期間限定で用意されることもあるんです。わくわく。
芳野。今回の映画のリトグラフとイラストを担当した作家さん。hina というネットショップで作品のポストカードなどを買うことができます。
![Page 18: Ir Nagamachi](https://reader033.vdocuments.net/reader033/viewer/2022052601/559398821a28ab7c1a8b45d2/html5/thumbnails/18.jpg)