itu-t fg imt-2020第3回及び 最終会合報告 · 2016-01-29 · ituジャーナル vol. 46 no....
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ITUジャーナル Vol. 46 No. 2(2016, 2) 45
1.はじめに 第5世代移動通信網(5G)やIMT-2020(International Mobile Telecommunication system for Year 2020)と呼ばれる将来のモバイル通信網に関するITU-TのフォーカスグループFocus Group on IMT-2020(FG IMT-2020)が2015年6月から開始され、その第3回会合が2015年9月にイタリア(トリノ)で、また、最終会合となる第4回会合が2015年10月に中国(北京)で開催された。これらの会合と合計25回の電子会議の結果、IMT-2020の有線通信網部分に関わる標準化ギャップを85件特定し、FGの主目的であるギャップ分析文書を完成させた。本報告では、第3回及び第4回会合の概要を報告し、第4回会合で合意された最終成果文書であるギャップ分析文書の内容を概説する。
2.FG IMT-2020の概要 現在の移動通信サービスである第4世代移動通信網(4G)の100倍以上の通信速度や、1000倍以上の端末数の収容を可能とする、5GやIMT-2020と呼ばれる次世代の移動通信網に関する検討が、ITUをはじめとする様々な団体で検討が開始されている。 ITU-Tでは2015年4月のITU-T SG13(Study Group 13:クラウドコンピューティングを含む将来通信網を検討する研究グループ)会合で、IMT-2020の有線通信網部分を対象としたFG IMT-2020を設置することを合意した。本FGは、将来網を検討するSG13が親SGとなり、IMT-2020の有線通信網におけるITU-Tが実施すべき標準化検討項目の明確化を目的としている。本FGでは、超高速の無線アクセスに必要な有線通信網に関する技術的な検討のため、他組織で検討されている5Gに関連する有線通信網に関する標準化検討情報の収集や、IMT-2020の有線通信網の実現のために考えられる新技術に関する情報収集を通じ、標準化ギャップ分析を実施した。本FGの活動期間は、2015年12月に開催されたSG13会合までの8か月である。 FGのマネジメント体制を図1に示す。議長にHuawei(カナダ)のPeter Ashood-Smith氏が就任し、副議長はChina Mobile(中国)、ETRI(韓国)、Telecom Italia(イタリア)、NTT(筆者)が就任している。議長、副議長の5人のうち
3人が通信オペレータである点が特筆できる。第1回会合において、本FGで検討すべき技術トピックを合意し、検討の推進者であるチャンピオン(推進者)を指名した。表1
に本FGで検討するトピックとチャンピオンを示す。第1回会合では、11の技術トピックが挙げられたが、時間的制約を考慮してユースケースからフロントホール・バックホール(FH/BH)までの7項目を検討対象とし、それぞれにチャンピオンを指名した。日本からは、NECの江川氏がユースケース、中尾教授(東京大学)がネットワークソフト化を
ITU-T FG IMT-2020第3回及び最終会合報告
今いまなか
中 秀ひで
郎お
NTTアドバンステクノロジ株式会社 ネットワークテクノロジセンタ 担当部長
会合報告
■図1.FG IMT-2020のマネジメント構成
■表1.FGで検討すべきトピックとチャンピオン(推進者)
# 技術トピック 想定される寄与組織 チャンピオン
1 ユースケースと用語定義
TSB、ETRI、Ericsson、NEC、Saudi Telecom
NEC(江川氏)
2 ハイレベル要求条件(技術目標)
Univ. Tokyo/TTC
3 ハイレベルアーキテクチャ ETRI、KT、SKT、ITU-RWP5D、China Mobile
ETRI
4 エンドエンドQoS KT、SKT KT
5 新ネットワーク技術(ICN, CCNx等)
Cisco、PARC、Huawei Cisco
6 ネットワークソフト化 5GMF、KT、SKT、China Mobile
5GMF(中尾教授)
7 フロントホール・バックホール
ITU SG15/Huawei、TTC
Huawei
5Gへの挑戦とイネーブラー Huawei統合マネジメント TTC、Huawei、KT、
China Mobile、ETRI網移行 CISCO、ALU、Saudi
Telecomセキュリティ TTC
(網掛け部分は、推進者が決まっていないトピック)
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第5世代モバイル通信フォーラム(5GMF)のチャンピオンとなった。要求条件に関してはチャンピオンが決まらなかったため、独立した検討はされていない。また、後述する第3回会合でユースケースの検討中断を合意している。
3.第3回FG IMT-2020会合概要3.1 開催概要
FG IMT-2020の第3回会合は、2015年9月21日(月)から24日(木)の4日間、Telecom Italiaのホストによりイタリア(トリノ)のテレコムイタリア社内で開催された。FG議長のAshwood-Smith氏(Huawei)が不参加だったため、FG副議長のPesando氏(Telecom Italia)が議事進行した。FG議長はリモートで参加した。表2に第3回FG会合の構成と提案寄書を示す。今会合の初日にはネットワークソフト化に関するワークショップが開催され、日本から中尾教授
(東京大学)と津田教授(早稲田大学)の2名の講演者を含む 7 名が講演した。また、Huawei から CCN(Content Centric Networking)のデモ(サーバを要しないコンテンツ配信)があった。参加者は全体で55名、日本からの参加者が17名(5GMF、早稲田大学、NTT、NEC、OKI、富士通、三菱、TTCが現地参加、4名がリモート参加)と最大数であった。次に米国と中韓からの参加者が多い。
■表2.第3回FG IMT-2020会合の構成と寄書提案
日付 セッション名 寄書等 備考
9/21 Workshop on NW soft
テレコムイタリア、5GMF、早稲田、UCL等
講演
9/22
Network Softwarization 5GMF(2件)、UCL、NOKIA(2件)、早稲田、CMCC
High Level Architecture ETRI(3件)、早稲田、KT、CNU、Ericsson
Emerging networking technologies
(e.g., ICN, CCNx)
CISCO, PARC
9/23
Front Haul/Backhaul Huawei(2件)、TTC(6件)、Ericsson(2件)
End to End QoS KT(3件)Overview of use cases and terminology
NEC(2件)
9/24
Breakout sessions on work items
アーキテクチャとFH/BHが並列他はシリアルに実施
2並列
Next Step & Closing BOセッションの結果報告
3.2 全体構成
寄書数は31件で、表2の赤字で示すように日本からはTTCのIMT-2020アドホックメンバによるFH/BHに関する寄書が6件、チャンピオンを務める5GMFからNWソフト化
に関する寄書が2件、早稲田大学からNWソフト化とアーキテクチャに関する寄書がそれぞれ1件、NECからユースケース文書に関する寄書が2件提案された。今会合では、各トピックで作成している出力文書の議論が中心となり、会合前に実施された電子会議での議論結果を基に寄書審議がなされた。最終日に開催されたブレイクアウトセッションでは、NWソフト化とFH/BHが2並列で実施され、他のトピックはシリアルに実施された。
3.3 ネットワークソフト化のワークショップ概要
FG会合の初日に開催されたワークショップでの主な講演内容を示す。
・Telecom Italia:テレコムイタリアの考えるIMT-2020のビジョンについて紹介があった。NWスライスを活用した有線無線統合ネットワークの構築を目指しており、3GPPやETSIとITU-Tとの協調の重要性やNWスライスによる非IPのCCNの実現などが示された。
・5GMF(中尾教授:東大):NWソフト化によるNWスライスの水平垂直方向への拡張が重要になること、モバイルエッジコンピューティングをスライスごとに制御することなど、5GMFで検討している新しいアイデアが紹介された。
・University College London:インターネットの課題を示し、5Gでは網管理を含めて抜本的にネットワークの概念を変革する必要があり、5Gオーケストレーションに期待していること、分散オーケストレーション、NWスライス間のオーケストレーションなどによりユーザにオーケストレーションを活用したサービスの提供について示された。
・Telecom Italia(IEEE):IEEE SDN委員長として、IEEEでのSDN/NFVの活動が紹介された。通信事業にとっての課題として、今後ネットワークのソフトウェア制御が主流になるため、ソフトウェアの知識が今以上に必要になるとのことである。
・China Monile:5Gネットワーク構築に関する技術課題が示され、NWスライスの必要数やNWスライスの粒度の検討などのITUへの期待する事項が紹介された。
・津田教授(早大):早稲田大学で実施したCCN/NDN(Named Data Networking)を用いた動画配信トライアル(電車内での大量動画配信実験)の紹介があった。
・【デモ】Huawei:仮想化エッジによるICN(Information Centric Networking)のデモで、センタサーバを持
会合報告
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たない分散制御のテレビ会議の実験システムを展示した。
3.4 FG会合の主要結果
NEC寄書を基に、ユースケース文書の今後の進め方に関する議論があった。各トピックの文書にユースケースに関する記述があることから、ユースケース文書として単独で文書作成することの是非が議論され、結果としてユースケース文書の作業を継続しないこととなった。また、最終成果文書の構成についても議論され、FG議長提案の文書構成(サマリと各トピックの文書から抜き出したギャップをまとめた本文と、各トピックの文書をアペンディックスに添付)が合意された。
4.第4回(最終)FG IMT-2020会合概要4.1 開催概要
FG IMT-2020の最終会合である第4回会合は、2015年10月27日(火)~ 30日(金)の4日間、China MobileとHuaweiのホストにより中国(北京)のホテルで開催された。表3に会合概要と提案寄書を示す。参加者は63名で、日本からは16名(5GMF、TTC、NEC、富士通、NTT、OKI、Huaweiが現地参加、7名がリモート参加)が参加し、開催国の中国(21名参加)に次いで多かった。
4.2 全体構成
表3に示すように提出寄書数は26件で、日本からはNWソフト化のチャンピオンを務める5GMFから文書完成度向上のための寄書が 2 件あった。29日のブレイクアウトセッション(3並列で実施)での各トピックの議論は、会合前の電子会議で作成された出力文書を基に、標準化ギャップの記述内容の精査が中心となった。最終日にはFG終了後の今後の活動方針に関する議論があった。
4.3 主要結果
最終日に議論された今後の活動方針では、以下を合意した。
-FGのToRにあるギャップ分析は完成した。現ToRでの継続はしない。
-特定したギャップそれぞれに対し、今後の検討の方向性を提案。
-セキュリティなど検討が不充分な部分がある。-いくつかのギャップ(プロトタイピング、NWソフト化、
アーキテクチャ、FMC、FH/BHのNWスライス、QoSやOAMのモデル)は、他SDOと連携し検討継続が必要。
これらの活動方針の親SG(SG13)への提言と共に、各トピックの文書で特定されたギャップをFG副議長(筆者)がギャップ分析文書として最終成果文書にまとめ、最終プレナリで報告された。この最終成果文書は、エディトリアルな修正を会合後に実施することを前提として合意した。会合後の3回のエディトリアル修正の電子会議では、文書全体の記述修正や各トピックの文書をアペンディックスに追加するなどの更新があった。完成した文書はSG13に提出された。
4.4 今後の予定
FG IMT-2020の目的であったギャップ分析は完了した。各トピックの文書は、本FGの親SGであるSG13の2015年12月会合で今後の検討方向性が決定される。FG参加者の意向として、特定のトピックの技術検討を本FGの継続により実施することが示されており、FG延長議論もSG13会合で実施される。
5.最終成果文書(ギャップ分析文書)の概要5.1 文書構成
FG IMT-2020でまとめた最終成果文書であるギャップ分析文書の概要を示す。文書の構成は、ITUの勧告フォーマットにのっとり、以下のような構成としている。
■表3.第4回FG IMT-2020会合の構成と寄書提案
日付 セッション名 寄書等 備考
10/27
Opening Huaweiを代表して FG議長が挨拶
High Level Architecture ETRI(3件)、CNBU、UCL、Saudi
Front Haul/Backhaul Huawei(3件)、Ericsson、China Unicom(2件)、5GPPP
10/28
Network Softwarization 5GMF(2件)、CMCC(2件)、UCL
End to End QoS KT(3件)Emerging networking technologies
(e.g., ICN, CCNx)
PARC(3件)
Final deliverable FGマネジメント
10/29Breakout sessions アーキテクチャとFH/BH
とICNが並列他はシリアルに実施
3並列
10/30
Next Step 今後の活動とSG13への提言の議論
Review deliverable & Closing
最終成果文書のレビューと合意
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1章~ 5章:スコープ、参考文献、定義、略語 6章:エグゼクティブサマリ 7章:ギャプ分析と親SGへの提案 8章:まとめと今後の予定 Appendix NWソフト化 Appendix アーキテクチャ Appendix QoS Appendix FH/BH Appendix ICN(新技術)
5.2 エグゼクティブサマリの概要
文書の6章には、エグゼクティブサマリとしてFGで検討の対象とした全体概要図(図2)、五つの技術トピックの概要が記載されている。図2に示す全体概要図では、無線区間を含むエンドエンドのQoS、網機能をサービスごとに仮想化するネットワークスライスの概念、転送機能を支えるFH/BHの概念、網機能としてエッジコンピューティングや次世代のネットワーク機能であるCCN、ネットワークスライスを含む全体を管理するオーケストレーション機能などが概念的に示されている。
5.3 主なギャップ
文書の7章に記載しているギャップ分析では、アペンディックスに付加した各トピックの文書から標準化ギャップの記載を抜き出してまとめている。特定されたギャップは、全部で85項目あり、ネットワークの構成や機能に関するギャップが51件、信号方式やAPIに関するギャップが6件、主に転送機能に関するギャップが16件、品質関連のギャップが8件、セキュリティ・網運用管理に関するギャップが5件
である。これらのギャップは、一部に重複があり、また、標準化ギャップではなく要求条件的なものもあるが、ギャップ間の精査は実施していない。
5.3.1 ハイレベルアーキテクチャ
ハイレベルアーキテクチャとして19件の標準化ギャップを特定した。以下に主なギャップを示す。
・様々な帯域のサポート:柔軟でリジリエントなアーキテクチャの検討
・アプリケーションアウェア:アプリケーションによる分散ネットワークの活用の検討
・サービス可用性:キャッシュ等によるサービス可用性の向上の検討
・低遅延:エンドエンドでの網内遅延時間の低減に関するアーキテクチャの検討
・NWソフト化のサポート:無線区間を含めたネットワーク全体のソフト化の検討
・エネルギ効率化:網機能の仮想化により消費エネルギの効率化を検討
・プライバシ・セキュリティ:ユーザ装置、アプリケーションの要求レベルの実現の検討
・エンドエンド網管理:統合されたエンドエンドの網管理による自由度の向上の検討
・OAMプロトコル:ネットワーク機器管理のための標準OAMプロトコルの検討
5.3.2 NWソフト化
NWソフト化として21件の標準化ギャップを特定した。以下に主なギャップを示す。
・多様なアプリケーションの収容:多様なアプリケーションの要求を効率的にサポートするためのNWスライスの検討
・最新アーキテクチャのサポート:ICNなどの新ネットワーク技術のサポートの検討
・NWスライスの垂直・水平拡張:無線区間までを含めたNWスライスのエンドエンドの制御と管理、及び、データ層までのプログラム性の検討
・オーケストレーション:ソフト化された機器の管理、及び、機器のソフト化とオーケストレーションの検討
・MEC(Mobile Edge Computing):MECのライフサイクル管理やアプリケーションサービス管理の検討
・RAN(Radio Access Network)の仮想化:RANリソー
会合報告
■図2.エグゼクティブサマリのIMT-2020概念図
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スの仮想化により無線区間を含めたスライス管理の検討・網機能の開示:網機能の一部をAPIを通じて開示する
アーキテクチャやAPIの検討
5.3.3 エンドエンドQoS
エンドエンドQoSとして9件の標準化ギャップを特定した。以下に主なギャップを示す。
・エンドエンドの定義:無線区間まで含めたエンドエンドQoSの範囲の検討
・複数のQoSクラス:有線通信の6クラス、無線通信の13クラスを考慮したエンドエンドの新しいQoSクラスの検討
・QoSパラメータの追加:NWスライスの概念を考慮した新しいQoSパラメータの検討
・QoS配置:エンドエンドのネットワーク区間ごとのQoSバジェット配置の検討
・QoS検討の全体的なアプローチ:NWソフト化やCCNなどの新しいネットワーク技術に対するQoSの検討
5.3.4 フロントホール・バックホール
フロントホール・バックホールとして21件の標準化ギャップを特定した。以下に主なギャップを示す。
・低遅延:エンドエンドでの遅延、処理時間、待ち時間の検討
・PONの仮想的なデジタル有線サービス利用:Ethernet上でのCPRI(Common Public Radio Interface)の実現のためのプロトコル検討など
・複数のRAN対応:異なる無線アクセスを管理するモバイルシステムとFH/BHのインタフェースの検討
・FHでの多数のファイバ収容:多数のスモールセルを要するFHはファイバ数が多くなるため、PONやWDMなどを使ってファイバ数を削減することを検討
・信頼性と堅牢性:自動的なリソース再配分機能やインタフェースの検討
・Radio over Fiber:ファイバによる無線伝送の要求条件、端局仕様、伝送機能の検討
・Radio over Packet:パケットネットワークによる無線伝送の可能性の検討
5.3.5 新ネットワーク技術(ICN)
新ネットワーク技術として ICN に関する15件の標準化ギャップを特定した。以下に主なギャップを示す。
・ICNをIMT-2020のプロトコルとして検討:既存のIPベースのネットワークではなく、ICNをIMT-2020のプロトコルとして検討
・ヘッダ圧縮のロバスト性:標準的な圧縮技術ではなく、ICNプロファイルの特定
・ICNプロトコル:NWスライスにおいてICNの実行環境の検討
・ICNの法的傍受:非IPにおける傍受方法の検討・ICNの運用と管理:ネットワークの運用管理のための
共通インタフェースの検討・ICNのQoS:トラフィックの優先度や輻輳制御のため
ICNに特化したQoSの検討
5.4 将来計画
特定されたギャップは、その今後の検討の進め方について、提言が文書の7章に記載されている。例えば、FH/BHに関しては、転送系のギャップ、ネットワーク系のギャップなどに分類され、それぞれ適切なSGでの検討を提言している。また、8章には、第4回会合で合意したFG後の検討方向性のSG13への提言が記載されている。 本FGの今後の展開について、2015年12月に開催されたSG13会合で議論された。この結果、成果文書の8章に書かれた提言を基に新しいToRが作成され、2016年末まで1年間の期間延長が承認された。
6.おわりに 本稿では、FG IMT-2020 の第 3 回及び最終会合となる第4回会合の概要を示し、最終成果文書であるギャップ分析文書について概説した。本FGは短期間であったが、日本からの多大なる貢献により、TTCや5GMFの検討内容の盛り込みができ、成功裏にギャップ分析が完了した。また、検討内容の更なる深堀のため、FGの検討期間が1年延長になった。 日本にとって必要な仕様、日本の技術をグローバルに展開するために必要な要件などを早期に勧告化できるよう、今後、FGで特定された85件のギャップのうち、日本にとって優先度の高い項目を特定し、勧告作成に向けた具体的な取組みが必要となる。また、本FGの検討期間が延長されたため、FGをより一層積極的に活用し、3GPPなどの他SDOとの協調関係を深め、IMT-2020の早期実現に向け更なる日本からの標準化活動への貢献が望まれる。