FORECAST  traumaFORECAST-Trauma 研究の概要

東京医科歯科大学医学部附属病院救命救急センター白石　淳

日本救急医学会多施設共同試験特別委員会

利益相反状態の開示

筆頭演者は、発表内容に関連する企業や営利を目的とする団体に関わる利益相反状態が過去3年間にわたって無いことを宣言します。

本日の構成• 外傷におけるランダム化試験と観察研究の位置づけ

• FORECAST研究のデザイン• 研究内容の紹介• 参加施設の皆様へ

外傷のランダム化試験 (PROPPR)

Holcomb JB et al. JAMA. 2015;313:471

私もランダム化比較試験がやりたい

PICO P: 重症顔面外傷 I: 外科的気道確保 C: 経口気管挿管 O: 28日死亡 同意はどうする？  

誰から取るの？  そんな時間があるの？

私もランダム化比較試験がやりたい

PICO P: 外傷性ショック I: 膠質液輸液 C: 晶質液輸液 O: 28日死亡 ショックの原因は？  

ランダム化前の輸液は？  止血処置のタイミング？

外傷のランダム化試験 (PROPPR)

Holcomb JB et al. JAMA. 2015;313:471

全対象の6.1%

時間的制約

・短時間で介入の決断を要する

・短時間で患者が急変することがある

・対象選択が困難である

・同意取得が難しい

介入の複雑さ

・複数介入の順番が前後する

・介入が相互に影響しうる

・ランダム化が難しい

・介入単独の効果推定が難しい

外傷初期診療における

ランダム化比較試験・理想的だが困難

・観察研究による補完が特に重要な分野

観察研究がトップジャーナルに

Huber-Wagner S et al. Lancet. 2009;373:1455

FORECAST研究• Focused Outcome Research for

Emergency Care in ARDS, Sepsis and Trauma

• 日本救急医学会多施設共同研究特別委員会が主導して企画した

• 現在の参加施設数 99施設（委員会施設＋参加施設, 研究一部への参加を含む）

多くの仲間をお待ちしております！

対象とする外傷• 選択基準• ISS≥16• 現場からの直接搬送例

• 除外基準• 病院到着前の心停止が一度でもあった例

この基準にはJTDB2015登録症例の32%が合致する

収集する説明変数• 病院前情報• 来院時から24時間までの（0,3,24時間）• バイタルサイン• 外傷重症度• 血液検査所見（特殊検査を含む）

・時系列に沿っている・各種重症度スコアが自動計算される

介入• 24時間以内の、• 手術、カテーテル手術、内視鏡手術• 晶質液、膠質液輸液量• 輸血、血液製剤、トラネキサム酸

“Focused” outcome• 24時間時点の、• 輸血量• スコア (SOFA, DIC)

• 7日以内の、

• ARDSの発症

• 28日以内の、• 生死• Ventilator free days• ICU free days

選択基準

患者情報

重症度・検査所見

重症度・検査所見

外注検査項目

予測スコア（自動計算）

介入

介入

転帰

転帰

倫理的配慮• DICおよびARDSに関連する特殊検査項目の採血を行うため、人を対象とする医学的研究の指針に照らし、本人もしくは代諾者からの同意取得が必要です。

現在公募中の研究• 病院前輸液  

• 外傷重症度スコアの外部検証  

• ベイジアンネットワークを用いた解析

まだまだたくさんの研究応募を待っております

・FORECAST 研究は天気予報ではありません・未来を予測します

外傷診療の未来強い研究体制臨床研究の経験を積んだ施設・医師

多くの施設からの参加と、研究疑問の提出を心からお待ちしております。