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JAPAN UL Japan、照明機器関連の CB試験所として認定 UL/IEC 60950-1 第2版 2014年10月14日付改訂に おける認証影響分析 UL Japan、照明機器関連の CB試験所として認定 IEC 60601-1-2:2014 第4版の変更事項概要 太陽光発電モジュールにおける 信頼性の実証について 試験・測定はUL Japanで 第5回 光放射安全試験 世界のEMC・無線規制改正 ー2014年後半を振り返って 製品安全要求事項 One Point Lesson No.40 IEC 62368-1 第2版 UL Japanは照明機器分野において下記IEC規格に対するCB試験所として認定されました。これに より、サンプルを海外に送付することなく、日本国内で関連する評価を行えるようになりました。 IEC 60598-1 (照明器具 通則) IEC 60598-2-1 (定着灯器具 個別要求) IEC 60598-2-2 (埋込型照明器具 個別要求) ・IEC 60598-2-4 (一般用移動灯器具 個別要求) IEC 62031 (LEDモジュール) ・IEC 61347-1 (ランプ制御装置 通則) IEC 61347-2-13 (LEDモジュール用ランプ制御装置 個別要求) 今後は、日本で評価・試験を実施し、NCB(CB制度における認証機関)であるUL(Demko)を通じて CB 試験証明書を発行いたします。 また、UL Japanは、かねてよりIEC 62471(ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性)の規格 でCB試験所として登録されていましたので、この規格についても日本で評価・試験を実施し、NCB であるUL(US)を通じてCB試験証明書を発行することができます。 IEC 60598-1やIEC 62031では、青色光網膜傷害に対してIEC/TR 62778 (青色光網膜傷害の評価のた めの光源および照明器具へのIEC 62471の適用) に基づく評価が要求されます。関連の評価が必要 なお客様には、 IEC 62471にIEC/TR 62778の内容を盛り込んだ評価を実施いたします。 「UL- ESE UL 用語解説」は、紙面の都合で本号は休載させていただきます。

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JAPAN ON the MARK

UL Japan、照明機器関連のCB試験所として認定

UL/IEC 60950-1 第2版2014年10月14日付改訂における認証影響分析

UL Japan、照明機器関連のCB試験所として認定

IEC 60601-1-2:2014 第4版の変更事項概要

太陽光発電モジュールにおける信頼性の実証について

試験・測定はUL Japanで第5回 光放射安全試験

世界のEMC・無線規制改正ー2014年後半を振り返って

製品安全要求事項One Point Lesson No.40IEC 62368-1 第2版

UL Japanは照明機器分野において下記IEC規格に対するCB試験所として認定されました。これに

より、サンプルを海外に送付することなく、日本国内で関連する評価を行えるようになりました。

・ IEC 60598-1 (照明器具 通則) ・ IEC 60598-2-1 (定着灯器具 個別要求)

・ IEC 60598-2-2 (埋込型照明器具 個別要求) ・ IEC 60598-2-4 (一般用移動灯器具 個別要求)

・ IEC 62031 (LEDモジュール) ・ IEC 61347-1 (ランプ制御装置 通則)

・ IEC 61347-2-13 (LEDモジュール用ランプ制御装置 個別要求)

今後は、日本で評価・試験を実施し、NCB(CB制度における認証機関)であるUL(Demko)を通じて

CB 試験証明書を発行いたします。

また、UL Japanは、かねてよりIEC 62471(ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性)の規格

でCB試験所として登録されていましたので、この規格についても日本で評価・試験を実施し、NCB

であるUL(US)を通じてCB試験証明書を発行することができます。

IEC 60598-1やIEC 62031では、青色光網膜傷害に対してIEC/TR 62778 (青色光網膜傷害の評価のた

めの光源および照明器具へのIEC 62471の適用) に基づく評価が要求されます。関連の評価が必要

なお客様には、IEC 62471にIEC/TR 62778の内容を盛り込んだ評価を実施いたします。

「UL- ESE UL 用語解説」は、紙面の都合で本号は休載させていただきます。

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[2]

ULでは、IEC規格と各国/地域規格との差異部分(Deviation)の追加評価を行い、お客様が効率的

に各国認証を取得したり、各国規制に対応するためのサポートを行っています。IEC規格とCB制

度を利用することによって、例えば照明機器分野では次のようなことが可能になります。

IEC規格に基づく世界の認証提供サービス

XX国 規制対応

差異を追加することで複数の国・地域に対応可能

CBレポート作成時に評価

ベース:IEC規格

XX国 差異

IEC規格と各仕向け国の規格との差異部分の

追加評価を行うことにより、CB制度加盟国の

認証マークなどが取得できます。

認証マークの例:Dマーク(欧州)、CCC(中国)、

SASO(サウジアラビア)など

注)工場検査、出荷検査、当局への申請など、各

認証により要求される対応が別途必要となる

場合があります。

1

EN 61347-2-13および

EN 61347-1

CBレポート作成時に評価<例えば…LED電源の場合>

IEC 61347-2-13および

IEC 61347-1

IEC 61347-2-13とEN 61347-2-13との差異

IEC 61347-1とEN 61347-1との差異

CE Marking(低電圧指令)

仕向け地が欧州の場合、欧州EN規格との差異部

分の追加評価を行うことにより、CEマーキング用

のレポートとして使用できます。

2

IEC規格

差異

J 61347-2-13およびJ 61347-1

CBレポート作成時に評価<例えば…LED電源の場合>

IEC 61347-2-13および

IEC 61347-1

IEC 61347-2-13とJ 61347-2-13との差異

IEC 61347-1とJ 61347-1との差異

PSE要求(技術基準解釈別表第十二)

仕向け地が日本の場合は、日本のJ規格との差異

部分の追加評価を行うことにより、電気用品安全

法で特定電気用品に対し要求される同法第9条

適合性検査用のレポートとして使用できます。

3

IEC規格

差異

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JAPAN ON the MARK

[3]

製品を市場に導入するにあたっては、その新たな市場で必要とされる試験や認証並びに規制や規格の要求事項を把握することが重要です。ULでは、 IEC規格

に基づく評価に加え、お客様が製品出荷を希望される国・地域の認証取得、並びに、製品の仕向地ごとに異なる基準に効率よく対応されるためのご相談にも応じ

ておりますので、お気軽にお問い合わせください。LED照明機器に対し、お客様一人ひとりのニーズに対応した試験/認証ソリューションをご提供いたします。

また、上述のサービスに加え、製品開発段階での事前構造評価の実施や技術相談も行っています。お客様のご要望に合わせ、出張セミナーやウェビナー(オンラ

インセミナー)を開催することも可能ですので、お客様の製品出荷のビジネスパートナーとして、弊社のご利用を是非ご検討ください。

試験 / 測定機器のご紹介

弊社の試験所にてIEC評価のために使用している代表的な測定機器につい

て一部ご紹介いたします。 

IP試験機IEC 60598-1に要求される、防塵、防水に対する各種IP試験に対応しています。

温度試験容器IEC 61347-1 Annex C(動作温度を宣言する、過熱保護手段付き電源に対する個別要求)に要求される温度試験に対応しています。

グローワイヤ試験IEC 60598-1、IEC 61347-1、IEC 62031に要求されるグローワイヤ試験に対応します。

恒温槽温度試験、異常試験などに使用します。

回転バレル装置電源コンセントに直接設置できる差込みプラグ付き安定器または変圧器、および、電源コンセント取付形照明器具の機械的強度を確認するための装置です。

1

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3

5

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[4]

認証影響分析は、情報技術機器(ITE)の安全性に関するUL規格とIEC規格の

最終版と、その前身規格との顕著な違いがもたらす影響を特定、分析するこ

とを目的に作成されたもので、IEC 60950-1第2版のアメンドメント2を、その

前身であるIEC 60950-1第2版アメンドメント1並びにUL 60950-1第2版と

比較し、分析しています。

IEC 60950-1第2版アメンドメント2は、2013年5月に発行されています。これ

に対応するCSA C22.2 No. 60950-1/UL 60950-1第2版の改訂は、2014年

10月14日に発行されており、本書は、最新の2カ国共通規格における国家

差異事項(National Differences)の変更分析も含んでいます。

また、国際展開する製品に影響する可能性があるため注意を要すると考え

られるEN 60950-1:2006/A1:2010/A2:2013(2014年8月)の新しいCommon

and Special National Condit ionにも対応しています(現時点では

EN 60950-1/A2:2013には見られません)。

本書は、IEC 60950-1とUL 60950-1をよく知っておられる方々に、最新のIEC

およびUL安全規格がITEに与える影響をお伝えするもので、興味を引くと

思われる事項も併せて掲載しています。新規格が使用されるにつれ新たな

情報が認識されれば、情報を追加して最新化されます。

留意するべきは、IECの専門委員会IEC TC 108が、IEC 60950-1への今後の

改訂を制限し、IEC 60065(AV機器)とIEC 60950-1(ICT機器)に将来的にとっ

て代わる規格であるIEC 62368-1(オーディオ/ビデオ、情報、通信技術機器

‒ Part1:安全要求事項)に関する業務に専念するという決定を下したことで

す。よって今回のアメンドメント2では、IEC 60950-1が移行期間中も継続し

て有効活用されるような変更が採用されています。

背景説明IEC 60950-1は情報技術機器の安全性に関する国際規格であり、その適用

範囲には、家庭、事務所、ビジネス、学校、コンピューター室や類似の場所で

使用される情報技術機器、通信機器、事務用機器およびマルチメディア

機器が含まれます。 

この規格は、IECの専門委員会TC108のメンテナンス・チームMT2(情報技術

機器の安全性とエネルギー効率)によって開発・更新されています。

IEC TC 108は次の安全規格も開発・更新しています。

IEC 60950-21 情報技術機器の安全性 ‒ Part 21:遠隔給電

IEC 60950-22 情報技術機器の安全性 ‒ Part 22:屋外に据え付ける機器

IEC 60950-23 情報技術機器の安全性 ‒ Part 23:大型IT機器

IEC 60990 接触電流及び保護導線電流の測定に関する規格

IEC 62151 電気通信網に電気的に接続された機器の安全性

IEC/TR 62102 情報技術/通信技術網に接続される機器のインターフェース

の分類

IEC/TS 62367 電気通信網に接続される回路にあるx DSLシグナルの安全側面

米国とカナダでは、ITEの2カ国共通規格(BNS)が、CSA C22.2 No. 60950-1/

UL 60950-1第2版という正式名称で発行されていますが、これは、IEC

60950-1第2版(アメンドメント1、2を含む)に基づいており、その前身と同様

に、基本のIEC文書にない国家基準に対処するための米国/カナダの国家差

異事項が含まれています。 

BNSの技術的内容は、技術整合化委員会(THC)のメンテナンス・チームMT2

によって開発・更新されています。このチームはUL、CSA、および、米国とカナ

ダのIT/通信機器の業界団体の代表者から構成されています。

UL 60950-1第2版の発効日は、ULのウェブサイトに提示されています。

http://industries.ul.com/blog/effective-date-information/

UL/IEC 60950-1 第2版2014年10月14日付改訂における認証影響分析ULは、2014年1月16日付で情報技術機器(ITE)の安全規格、IEC 60950-1に関する認証影響分析(Certifi cation Impact Analysis)を公開しています。

本誌では、今回より2回に分けて、この認証影響分析において留意していただきたい項目を抜粋して紹介いたします。原文は、簡単な登録が必要ですが(無料)、こちらで

参照していただけます。

⇒http://industries.ul.com/news/updated-uliec60950-1-ed-2-am-2-certifi cation-impact-analysis

なお、以下は参考和訳であり、翻訳に相違が生じた場合は、原文の内容を優先していただきますようお願いいたします。

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[5]

留意事項• 別途記載していない限り、全てのSub-Clause/附属書(Annex)への参照は、IEC 60950-1 第2版 アメンドメント2に対するものです。

• IEC 60950-1 第2版 アメンドメント2に関する変更や差異に関する議論は、標準文字を使用しています。

• 2カ国共通規格CSA C22.2 No. 60950-1/UL 60950-1 第2版の2014年10月14日に関する新規または改訂された差異事項に関する議論には、CAN/US NDと記さ

れています。

• CENELEC EN 60950-1:2006/A1:2010/A2:2013に関する新規または改訂された差異事項に関する議論には、CENELEC NDと記されています。

記述 影響度

なし(None) 変更により大部分のITEの現行の認証慣行

に影響がないと予想される。

軽微(Minor)* 変更により一部または全てのITEの現行の認

証慣行に少なからず影響すると予想される。

重大(Considerable)* 変更により一部または全てのITEの現行の認

証慣行に重大な影響があると予想される。

改訂内容 影響

Clause 1 (General)

1.5.1 Components ‒ General

IEC 62368-1に適合した部品および組立品は、最終製品での適切な使用

を考慮する以外は追加評価を行わずに使用してよいとする項目が追加

された。

最終製品メーカーがIEC 62368-1を選択する前に部品サプライチェー

ンに対してIEC 62368-1の使用開始を許容するために追加された。

同様の内容がIEC 60065にも追加される予定。

軽微(-)

現時点までにIEC 62368-1で認証されている部品は少ないので、影響は限定的

である。しかしIEC 62368-1への移行を考える上で有益な変更と考えられる。

訳注)IEC 60065 ed. 8で同様の内容が追加されました。またIEC62368-1 ed. 2でも

同様にIEC 60065, IEC 60950-1適合の部品を使用できる内容が追加され、これら

によりIEC 62368-1への移行開始がスムースになるものと期待されます。

1.5.6 Capacitors Bridging Insulation

アメンドメント1の修正に続いて、表1Cにさらなる詳細、IEC 62368-1によ

り整合するための付随規則が追加され、コンデンサに対する要求事項の更

新が行われた。

アメンドメント1の改訂において、適用が困難で不完全であった要求事項

が残されていたため、詳細の追加が必要だった。

軽微

IEC 62368-1に整合する。

基本的に現行の慣行と一致する。 製造者や認証機関相互で異なる慣行が

あった場合いくらか影響があるかもしれないが、それらはより整合される

ことになる。

1.5.9.4 Bridging of Basic Insulation by VDR

IEC TC 108 HBSDT分科会の作業結果であるIEC 62368-1への並行改訂に

整合するVDRとGDT(ガス放電管)の直列使用に関する要求事項の明確化

である。

基礎絶縁を橋絡するVDRとGDTにのみ対応している。

二重絶縁や強化絶縁を橋絡する構造には対応していない。

これは将来の課題である。

軽微

IEC 62368-1に整合する。

基本的に現行の慣行と一致する。 製造者や認証機関相互で異なる慣行が

あった場合いくらか影響があるかもしれないが、それらはより整合される

ことになる。

1.7.1.3 Use of Graphical Symbols

新しい項目である。1.7.1.1項にある最終パラグラフを抜きだし、それを

独立した項目とした。

ISO 3864-2への参照が追加され、シンボルを使用する際は、ユーザーマ

ニュアル中にも説明を入れると記されている。

軽微(+) 

基本的に現行の慣行と一致する。製造者や認証機関相互で異なる慣行が

あった場合いくらか影響があるかもしれないが、それらはより整合される

ことになる。 

認証影響分析以下に影響が「軽微(-)」と「軽微」の一部、および、「軽微(+)」、「重大」と思われる変更点を中心に紹介します。英原文では影響が[軽微]、「軽微(- )」、

「なし」と思われるものも含めて全ての変更点を紹介しています。

*既存の要求事項よりもさらに厳しい新規・改訂要求事項の場合は、影響度

に関する記述(軽微、重大)の後に(+)が続く。既存の要求事項よりも厳しく

ない新規・改訂要求事項の場合は、影響度に関する記述 (軽微、重大)の後に

(-)が続く。軽微の記述の後に記号がない場合は、限られた影響はあるかも

しれないが、それが若干多いのか少ないのかは確定できないことを示す。

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[6]

改訂内容 影響

1.7.2.1 Safety Instructions and Marking ‒ General    CENELEC ND                           

デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンでは、他の機器に

接続されるクラスⅠのプラグ差込式機器のタイプAにおいて、その安全

性が保護アースへの接続に依存していたり、サージ・サプレッサがネッ

トワーク端末と接触可能部分間を接続していたりした場合、機器は接

地されたコンセントに接続しなければならないと記したマーキングが

必要である。

軽微(+)

一部の機器に新しいマーキングが必要になる可能性がある。

1.7.5 Power Outlets on the Equipment         CENELEC ND                           

デンマークでは、その他の機器に電気を供給するコンセントは、DS

60884-1-D1: 2011に準じることとする。

軽微(+)

基本的に現行の慣行と一致すると予想される。

Clause 2  (Protection from hazards)

2.2.3 Voltages under Fault Conditions

故障状態での周期的なパルスのある繰返し波形により対応するために

SELV回路に関する要求事項をさらに修正した。

この修正により以前の120 Vdcを120 Vpeakに、以前の図2Eをより記述的

な図2E.1と図2E.2に差し替えた。

これらの変更は、IEC 62368-1では異なった手法でこれに対応しており、

同様の解釈問題の中には62368-1で対応または簡略化される場合もある

と予想されるので、60950-1から62368-1への移行の橋渡しとして実施さ

れた。

軽微

基本的に現行の慣行と一致する。 製造者や認証機関相互で異なる慣行が

あった場合いくらか影響があるかもしれないが、それらはより整合される

ことになる。

2.5 Limited Power Sources

過電流保護デバイスを使用せず電力制限する場合の表2Bで、脚注dの

PTCデバイスに対する出力電流(Isc)の測定時間が5秒後ではなく60秒

後に変更された。

この変更は、IT製品に使用されるPTCデバイスにおいて5秒はあまりも

短時間であるため、PTCデバイスが温度依存素子であることと製品周囲

温度に対応することが考慮された。

軽微(-)

限定的な部品が現時点までにIEC 62368-1で認証されているので、影響は

限定的である。

IEC 62368-1の移行期間は長期間であるが、製品開発には有益と考えられ

る。

2.6.2 Functional Earthing                                                CAN/US ND

IEC 60417に機能接地を有するクラスⅡの機器のための新しいシンボル

がIEC 60417-6092として追加された。

IEC TC108の意図としてこのシンボルを、機能接地を取り入れた機器に

使用しなくてはならない。

          

伝統的な二重絶縁のシンボルをこのような機器に表示することは許さ

れない。

TC108は2013年3月の会議で、上記の意図を反映すべく、IEC 60065と

62368-1の記述を変更することを決定した。しかし、IEC 60950-1は、既に

FDIS段階で正式な変更は許されなかったので、IEC 60950-1に対するIEC

TC108の現在の意図を明確にしようとINF(参考文書)の作成が計画され

ている。 (108/558/INF発行済み)

軽微(+)

一部の機器に新しいマーキング。機能接地を有するITEの識別に関して、

より明確な要求事項が製造者に示された。ただし、影響を受ける製造者は

少数である。

 

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JAPAN ON the MARK

[7]

改訂内容 影響

CAN/US ND

上記のように、機能接地を取り入れたこのような機器には、新しい機能

接地のシンボルを貼付するというのがIEC TC108の意図である。2.6.2項の

国家差異事項は、CSA/UL 60950-1が、IEC TC108の意図を反映することを

可能にすると共に、IEC 60065とIEC 62368-1の最新版にも整合している。

軽微(+)

一部の機器に新しいマーキング。機能接地を有するITEの識別に関して、

より明確な要求事項が製造者に示された。ただし、影響を受ける製造者は

少数である。

2.9.2 Humidity Conditioning

熱帯地域で使用するよう設計された機器に、湿度コンディショニングの

パラメータを追加した。

軽微(+)

国家規格の現行要求事項により、基本的に現行の慣行と一致する。

Clause 3 (Wiring, Connections and Supply)

3.2.5.1 Connection to AC Mains Supply

編集上の変更であり、可動型機器におけるシールドコードの使用に関

する要求事項の明確化。

軽微(+)

基本的に現行の慣行と一致する。  

第4項以降の認証影響分析は次号に掲載いたします。次号の発行は5月末の予定ですので、お楽しみに!

IEC 60601-1-2:2014 第4版の変更事項概要OVERVIEW OF CHANGES FOR IEC 60601-1-2:2014 FOURTH EDITION

2014年2月にIECより、IEC 60601-1-2第4版が発行されました。これは、電磁妨

害が存在する中で医療機器に必要な性能と基本的安全に関する要求事項

を規定した副通則(collateral standard)です。エミッションの限界とイミュ二

ティ性能に加えて、文書化、技術的記述、ユーザー向け情報に関する要求事

項が記載されています。

本書では、IEC 60601-1-2第4版に導入された主要な変更事項を、エミッショ

ンとイミュ二ティの試験にフォーカスして紹介いたします。

■電磁環境第4版に導入された、電磁環境に関する非常に重要な変更は、「生命維持装

置」というカテゴリーがなくなったことです。現在、この規格には、「意図され

た用途」での電磁環境が採用されています。意図された用途は、副通則IEC

60601-1の中で、「製造者が提供した仕様、指示、情報に記されている、製品、

プロセスまたはサービスに意図されている用途」(IEC 60601-1, 2012)と定

義されています。これらの電磁環境の導入により、エミッション制限に対応

する試験限度値、並びに、イミュ二ティ試験に適用するべき試験レベルの明

確性が増しました。

主要な電磁環境として、ヘルスケア専門施設と家庭でのヘルスケア(ホーム

ヘルスケア)の2つが挙げられます。ヘルスケア専門施設とは、病院や歯科

医院、集中治療室の手術室(電気手術器(電気メス)の付近は除く)など、医

療従事者が常駐する施設を意味します。ホームヘルスケア環境は、IEC

60601-1-11に、「患者が生活している住居または患者がいるその他の場所。

ただし、医療訓練を受けたオペレータが、患者がいる間、継続的に対応可能

である医療専門施設環境は除く」と定義されています。

第三の電磁環境として設けられたのが、「特殊環境」です。特殊環境とは、ヘ

ルスケア専門施設にもホームヘルスケア環境にも分類できない場所です。

これらには、専門施設と家庭環境のどちらとも異なるエミッション限度、耐性

試験レベルあるいは試験方法が存在したりします。これらの特殊な場所に

含まれるのは、重工業工場や、(超)短波治療機器などの高電力医療機器を

有する医療処置エリアなどです。

■エミッションに関する要求事項今までの版とは異なり、第4版では、照明の特性を有する装置の適合性を示

す際のオプションであったCISPR 15が削除されています。これらの製品は、

CISPR 11の要求事項に準じた試験を受けなければなりません。電子装置が

含まれていないモーターで動くシンプルな装置である製品は、引き続き

CISPR 14-1での試験が可能ですが、その他のヘルスケア専門施設とホーム

ヘルスケア環境にある機器は全て、CISPR 11で試験を受けることになりまし

た。飛行機で使用される機器は、ISO 7137に従ってエミッションに関する要

求事項の対象となります。ISO 7137はDO-160G Category Mと同等の要求

事項です。機器がその他の輸送手段で使用される可能性がある場合は、適

切なエミッション規格を使用します。例えば、自動車にはCISPR 25が適用さ

れます。

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[8]

ファスト・トランジェント・バースト(EFT)EFTの試験レベルに変更はありません。AC・DCのパワーポートで±2kV、信

号入出力(SIP/SOP)ラインで±1kVというレベルは引き続き必要です。しか

しながら試験に適用される繰り返し周波数は、5 kHzから 100 kHz に増えま

した。IEC 61000-4-4によると、100 kHzは、設置された機器が経験する実際

の繰り返し周波数により近いということです。DCパワーポートの試験は、長

さが3 m以上のラインに永久接続されるポートのみに必要となっています。

SIP/SOPラインも同様です。

サージイミュニティAC機器については、第4版の要求事項はその前身規格と同じです。電力線

が永久接続型で3 mより長いDC機器は、AC機器と同じ試験レベル、つまり

ライン間で±1 kV、ラインー接地間で±2 kV を満たす必要があります。第4

版で新しくなったのが、屋外のケーブルに直接接続されているSIP/SOPライ

ンへのサージです。この種のインターフェースを有する機器は、ラインー接

地で±2 kV の試験が必要です。IEC 61000-4-5は、引き続き試験方法を規定

する基本規格となっています。

電源ラインの電気過渡伝導第4版では、ISO 7637-2に準じたDC入力パワーポートの過渡電流試験が新

しく採用されています。これらの過渡電流試験は、乗用車、および、電気系統

が12 Vの救急車を含む業務用軽車両、または、電気系統が24 Vである救急

車を含む業務用車両に適用されます。また、ヘルスケア専門施設に設置さ

れる機器は対象外です。詳細は、ISO 7637-2を参照されることをお勧めしま

すが、インパルスの概要を表2にまとめました。

ヘルスケア専門施設においては、電源高調波(IEC 61000-3-2)とフリッカー

(IEC 61000-3-3)の試験が、医療用電気機器またはシステムが公共電源回

路網に直接接続される場合にのみ要求されています。交流電源に接続しな

いで稼働しているホームヘルスケア環境では、この試験は強制試験となっ

ています。IEC 60601-1-2は、230 Vac単相、または、400 Vac三相のいずれか

で動作する機器への適用に制限されていることに注意するべきです。フリッ

カー試験では、動作周波数は50 Hzに制限されています。

■イミュ二ティに関する要求事項エミッション試験に大きな変更はありませんが、意図された環境での通常

使用時に遭遇するであろう出来事に機器が反応しないことを確認するイミ

ュ二ティに関する要求事項は、大きく変わりました。次に、これらの変更の概

要について述べます。試験の詳細については規格書をご覧いただきますよ

うお願いいたします。

静電気放電(ESD)ESD試験のレベルは、気中・接触の両放電で上がりました。気中放電は、非

金属面で実施します。接触放電は、直接・間接の両方で行います。直接接触

放電は、直接、製品の金属部分で行い、間接接触放電は、隣接した或いは組

み合わされた製品を形成する並行および垂直結合板上でそれぞれ実施し

ます。接触放電の試験レベルは±6 kV から ±8 kVに上昇し、気中放電も±8

kV から ±15 kVに上昇しました。患者用カップリングポートは含まれます

が、シミュレーターまたは義手への接続部にはこの試験は実施されません。

放射無線周波(RF)電磁界放射RF電磁界またはRFイミュ二ティの試験レベルは、意図された用途の環

境に基づいて指定されるようになりました。ヘルスケア専門施設において

は、前版の規格の試験レベルである3 V/mに変更は加えられませんでした。

ホームヘルスケア環境の試験レベルは10 V/mに引き上げられました。試験

は引き続きIEC 61000-4-3に準じて実施されます。標準的なRFイミュ二ティ

試験は、80 MHz から 2.7 GHzで実施されますが、第4版にはそれに加えて、

無線通信機器への近接シミュレーション試験が新しく加わりました。この試

験は、専門施設にもホーム環境にも必要であり、無線装置のシミュレーショ

ンレベルは、どちらの場所でも同じだと思われるので、試験レベルは意図さ

れた用途の環境によって異なるということはありません。表1に、試験の周

波数、変調、試験レベルを示しました。

表2:IEC 60601-1-2 第4版におけるDC入力パワーポートのEFT試験レベル

試験パルス 適用されたインパルスレベル(Volts)

電気システム(Volts)

1 -150 12 or 24

2a +112 12 or 24

2b 10 12

2b 20 24

3a -220 12

3a -300 24

3a +150 12

3a +300 24

表1:イミュ二ティ試験レベル

試験周波数(MHz)

変調 イミュ二ティ試験レベル(V/m)

385 パルス変調 18 Hz 27450 FM ±5 kHz deviation

1 kHz sine**28

710, 745, 780 パルス変調217 Hz

9

810, 870, 930 パルス変調18 Hz

28

1720, 1845, 1970,2450

パルス変調217 Hz

28

5240, 5500 パルス変調217 Hz

9

*50%デューティサイクル方形波シグナルを使用してキャリアを変調する 場合あり

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JAPAN ON the MARK 〔2015・Issue 52〕

[9]

無線周波電磁界が誘導する伝導妨害伝導無線周波妨害に関するセクションには、意図された用途での場所に基

づく要求事項が新しく追加されました。ヘルスケア専門施設では、 試験レベ

ルがISM帯で3 Vrms から 6 Vrmsに増加しています。ホームヘルスケア環境

でも、ISM帯では同様の増加となっていますが、アマチュア無線帯のレベル

はこれより高くなっています。DCパワーポートの試験は、電力線が永久接続

型で3mより長い場合にのみ必要です。ISM帯、アマチュア無線帯の両方で

試験レベルが上がったことに加えて取り入れられたのが、長さが3 m以下の

SIP/SOPポートが除外されることです(FDAはこの条項を認めておらず、その

長さに関わらずSIP/SOPケーブルには試験が必要となっています。詳細は、

http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfStandards/detail.

cfm?standard_identification_no=32630 の「Extent of Recognition」を参

照してください)。

電源周波数磁界4版では、電源周波数磁界の試験レベルが10倍に引き上げられました。第3

版では3 A/mでしたが、新しい試験レベルは30 A/mとなっています。この要

求は、専門施設でもホーム環境でも同じです。しかし第3版と違ってこの新し

い要求事項は、磁力に敏感なコンポーネントが含まれている機器にのみ適

用されます。例えばリード継電器、ディスクドライブなどです。さらに、電源周

波数磁界源に15 cmより近い場所で使用される電気医療機器は、より近い

距離の磁界に相当するよう試験レベルに必要な調整をするという警告が新

たに加えられました。

電圧ディップと遮断0.5サイクル、電圧ディップ100%(試験中の残留電圧0%)で複数の位相角度

での試験が導入されました。試験は、位相角度45°毎(0°, 45°, 90°, 135°, 180°,

225°, 270°, 315°)に行われます。他の試験は全て0°クロッシングで1回の位

相角試験が要求されています。40%、5サイクル・ディップの要求事項が削除

され、1サイクル、100%電圧ディップとなりました。電圧ディップは、定格が

16A/相以下の機器にのみ要求されています。16 A/相より高い機器は、任意

の位相角度で単一電圧遮断のみが要求され、電気医療機器が多相電力系

統を有している場合は、任意の位相角度で全相を同時にドロップさせて、遮

断を発生させます。定格が16 A/相以下の多相機器については、全ての相を

同時に遮断します。どのケースでも、機器は50 Hzと60 Hzの両方で動作し、

サイクルはそれぞれの電力線の周波数に従って調整します。例えば、50 Hz

では250サイクル、60 Hzでは300サイクルで、どちらも入力電力の5秒間の

遮断という結果になります。

試験中の入力電力と周波数第3版では、電気医療機器に定格電圧範囲が含まれている場合、または、定

格電圧範囲があるオート・スイッチング電源があった場合は、EFTとサージ

などの試験は、定格AC電圧の最大と最小の両方で実施されていました。第4

版ではこの要求事項が削除され、エミッションとイミュ二ティの試験の両方

に必要な試験電圧と周波数を明記した表が追加されています。電圧ディッ

プと短時間遮断を除く全ての試験、及び高調波、フリッカー試験は、どれか

一つの入力電圧で実施されます。

高調波とフリッカーについては、単相で定格が220 Vacと240 Vacである機

器の試験電圧は230 Vacです。定格が380 Vacと415 Vacである三相の機器

では、試験電圧は400 Vacです。IEC 61000-3-2 と IEC 61000-3-3で規定され

ているのは、これらの電圧範囲での限度値のみで、その他の範囲では限度

値は明記されていないことを主な理由に、その他の電圧には、高調波とフリ

ッカーの試験は要求されていません。

電圧ディップと短時間遮断については、定格範囲が最低入力電圧の25%以

下であった場合は、どれか一つの定格入力電圧で試験を実施します。その

他のケースでは、最低と最大の定格電圧で実施します。原則的に、100 Vac

~ 240 Vacの定格入力には、最低と最大電圧での試験が要求されますが、

100 Vac ~240 Vacの定格入力には、その範囲内の単電圧での試験のみが

要求されるでしょう。唯一の例外は、電気医療機器の入力電圧が、トランス

のタップの変化によって変動する場合で、そうすると、トランスのタップの幅

に関わらず、試験はある一つのタップセッティングでのみ必要です。

高調波、フリッカーと電源周波数磁界を除く全ての試験の試験ライン周波

数は、定格周波数のどれか一つにセットすればよいことになっています。高

調波の試験は50 Hzと 60 Hzのいずれかで、フリッカーの試験は、ライン周

波数の定格が50 Hzの機器にのみ実施されます(例えば、定格50/60 Hzでは

50 Hzでの試験が必要)。試験周波数が、試験時の電気医療機器の動作周波

数と同じである限り、電源周波数磁界の試験は50 Hz か 60 Hzのいずれか

で行います。例えば、50 Hzで動作する電気医療機器では、磁気コイルの試

験周波数は50 Hzとなります。

■これからEMCの視点で見ると、第4版には、製品設計に著しい影響を与えかねない変

更が広範囲に複数導入されました。用途環境の明確化から試験と文書化に

関する要求事項の追加まで、患者の安全性の向上が図られています。試験

所と協力して、本規格の試験、要求事項、文書化の詳細を精査し、規定され

ている全ての要求事項に完全に適合しているか確認することが重要です。

IEC 60601-1-2を担当しているIEC委員会、SC 62Aが、既にこの第4版のアメ

ンドメント1に対する作業を開始していることにもご留意ください。

筆者:Bob DeLisi

Project Lead, Consumer Technology, UL

オリジナル英語記事(登録必要・無料)

http://web.ullifeandhealth.com/emc_4th_article_UL

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JAPAN ON the MARK 〔2015・Issue 52〕

[10]

IEC 62368-1の解説 IEC 62368-1 IEC 60950-1

該当項目 5.4.2項 2.10.3項

考慮される要素 IEC 62368-1では、IEC 60950-1の中では具体的要求値の算出に取り入れられていない要素Aと要素Dが取り入れられています。

手順1) 該当回路での測定によって求められる動作電圧と周波数によって導き出す要求値、そして、機器が接続される商用電源電圧によって定められている短時間過電圧値からの要求値をそれぞれ求めます。

要素A: 2000 V(5.4.2.2より)要素C: 600 V peak要素D: 30 kHz以下 → Table 11を適用要素Aからの要求値:2.54 mm要素Cからの要求値:0.4 mmいずれか高い方の値を要求値とする → 2.54 mm

要素B: 2500 V (Table 2Jより)要素C: 600 V peak → Table 2Kと2Lを適用4.0 + 0.5* = 4.5 mm* Table 2Lにて直線補間し端数を切り上げ

手順2) 機器の定格電圧と設置場所(過電圧区分)から定められている過渡電圧値によって決まる要求値を確認します。

要素B: 2500 V (Table 13より) → Table 15を適用要素Bからの要求値 → 3.0 mm(注) 手順2)の代替方法が5.4.2.4項にあるが、該当箇所に耐圧試験を実施して要求値を減じる方法であるので、割愛します。

なし

該当箇所の空間距離の要求値

手順1)と手順2)によるそれぞれの要求値を確認し、大きいほうの値が要求空間距離となります。

3.0 mm 4.5 mm

要素A 短時間過電圧(Temporary overvoltage)

要素B 該当回路に流入する可能性のある過渡電圧

要素C 該当回路のピーク動作電圧

要素D 該当回路の周波数

--

該当回路に流入する可能性のある過渡電圧

該当回路のピーク動作電圧

--

2014年2月にIEC 62368-1第2版が発行され、整合したEN 62368-1

第2版が2014年8月に、米国・カナダの2か国共通規格のUL 62368-1 第2版

が2014年12月1日に発 行されました 。危 険 から始まる安 全 工 学

(Hazard Based Safety Engineer ing) をコンセプトにした新しい

アプローチで規格が開発され、IEC 60950-1やIEC 60065の多くの部分

を引き継いではいるものの全体として従来の規格とは大きく異なる

規格構成になっています。今回は、その中から感電防止のセーフガード

となる「空間距離」の要求値を実際の例に従って算出して比較します。

■IEC 62368-1規格における空間距離要求

IEC 60950-1では2.10.3項でPEAK WORKING VOLTAGEを基に求め

る方法と、Annex GでREQUIRED WITHSTAND VOLTAGEを基に求め

る方法が与えられていましたが、ここでは使用頻度が多かったと思わ

れる2.10 .3項の方法と、IEC 62368-1の方法を比較して一次回路の

空間距離要求値の求め方とその要求値の違いを見ていきます。

IEC 60950-1の2.10.3項では、絶縁にかかるピーク動作電圧に対応す

る要求距離をTable 2Kより求め、ピーク動作電圧が電源電圧のピーク

値を超える場合、超えた分に対応する追加要求距離の値を加算して

算出していました。Annex Gの方法はこれに対する代替の方法でした。

IEC 62368-1の5.4 .2 .1項では2つの手順(Procedure 1 ,2)が示さ

れ、手順1によって該当回路でのピーク動作電圧を使用して電圧、周

波数、短時間過電圧から求められる要求値と、手順2によって要求耐

電圧(REQUIRED WITHSTAND VOLTAGE)を使用して機器に流入

すると考える過渡電圧値から求められる要求値の2つを確認し、

大きい方の要求値を該当回路への最終的な要求値とする方法をとっ

ています。要求距 離の値 や求め 方は、絶 縁協調 の国際 規格 I E C

60664-1に近い内容になり、技術的に必要最小限の距離要求となっ

ています。

以下のケーススタディを使って、IEC 62368-1とIEC 60950-1の双方

で空間距離要求値の違いを見ていきましょう。

■空間距離算出の条件

機器定格電圧 ……………240 Vac商用電源への接続 ………電源コードのプラグ過電圧カテゴリ ………… (Overvoltage Category )汚損度 ……………………2 (Pol lut ion Degree 2)設置場所海抜 ……………2000 m 以下要求絶縁レベル …………強化絶縁絶縁要求箇所の動作電圧 …600 Vpk絶縁要求箇所の周波数 ……30 kHz以下

ケーススタディ ‒ 空間距離要求値

製品安全要求事項

One Point LessonNo.40

IEC 62368-1第2版

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JAPAN ON the MARK

[11]

※次の表は、UL 62368-1、UL 60950-1からの抜粋です。内容はIEC規格と同じです。

注)IEC 60950-1では動作電圧の30 kHzを超える周波数について言及はしていますが、具体的要求事項に差異を設けていませんでした。

IEC 62368-1ではTable 12にて30 kHzを超える周波数の動作電圧に対応する距離要求値を規定しています。前記の計算例ではIEC 62368-1の

要求距離の方が小さくなっていますが、該当回路の周波数が30 kHzを超える場合にピーク動作電圧が高くなるとIEC 62368-1の要求距離の方

が大きくなるケースもあります。

本稿では、絶縁空間距離の要求について、IEC 60950-1とIEC 62368-1での要求値の比較を行いました。このように具体的要求値が多くのケース

でIEC 60950-1よりも緩和されると見込まれますので、この新しい規格IEC 62368-1では、小型化が重要な機器に対して有利な要求値となること

が期待されます。現在のIEC TC108の審議ではIEC 60950-1と同様の要求も代替の方法として使用できるような改訂が次の版に向けて検討され

ています。

IEC 62368-1 IEC 60950-1

手順1) Table 11(抜粋)

手順2) Table 13(抜粋)

Table 15(抜粋)

Table 2J(抜粋)

Table 2K(抜粋)

Table 2L(抜粋)

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JAPAN ON the MARK 〔2015・Issue 52〕

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太陽光発電モジュールにおける信頼性の実証について太陽光発電(PV)設備で重要なのは、安全性、性能、利便性であり、予想発電収量の確保です。その達成に必要なのが、信頼性の高い

PVモジュールであり、ULではその信頼性を実証する試験の開発に取り組み、製造者のみならずPVプラント建設プロジェクトのあら

ゆる関係者の方々が、モジュールの性能や信頼性に対する自信を深めていただくお手伝いをしています。

この度ULは、これらPVモジュールの信頼性を評価する試験方法を紹介する 白書“Achieving Increased Reliability in Photovoltaic

Installations”(太陽光発電設備の信頼性を高める)を発行しました。本誌では、この白書の参考和訳を3回に分けてお届けします。初

回は、PVモジュールの耐用年数の理論的推定方法を紹介いたします。

太陽光発電設備の信頼性を高めるAchieving Increased Reliability in Photovoltaic Installations

太陽光発電(PV)モジュールの製造者、設置業者、プロジェクトオーナーが

共通していだかれる関心は、PV設備の長期性能です。PVシステムの信頼性

評価に関しては、PVモジュール自体だけでなく、それらを含むシステム全体

に注目することが重要です。PVシステムは、ソーラーセルから高圧電線への

接続部まで、全ての部品が想定した通りに機能し、全システムの維持管理作

業が正しく行われて初めて期待どおりの働きをします。

周囲の状況、機器の温度、土壌や汚染物質などPVシステム設置サイトには

それぞれ特有の特性があり、それが設備の性能や予想寿命に影響を与え、

劣化速度も各サイトで異なります。さらに、PV業界における絶え間ない事業

統合の波により、製造業者の存続が厳しい事態に陥る可能性があり、そうな

ると製造業者の保証書が有効でなくなってしまいます。このような問題を避

けるには、製造者は、サンプリング率、試験プラン、試験時間などの重要項目

に対応した総合的な品質管理プロトコルを採用するのが望ましいでしょう。

本白書では、現実の状況下でPVモジュールの信頼性を評価する様々な試験

方法について記述します。まず、PVシステムの性能におけるモジュールの耐

久性と信頼性の重要性を見直すことから始まり、次に、モジュールの信頼性

評価で耐用年数の理論的推定モデルを使用する欠点について述べます。そ

して、モジュールの信頼性を評価するフレームワークを紹介すると共に、あ

る三つの試験が、いかに継続的品質検査プログラムでモジュールの信頼性

に関して意味のあるデータを提供できるかを説明します。

■耐用年数の理論的推定方法 PVモジュールの耐用期間や寿命サイクルのモデリング作業は、数多くの仮

定に基づいて行われます。これらの仮定は、試験所で測定されたデータ、

そして、現場での経験や現場から返品された製品の情報もある程度加味さ

れて行われます。しかしPV業界は比較的新しい産業であり、より高効率のセ

ル、新しい素材、新しい設計など変化が急速で、また、効率性の向上が重要

視されています。その一方で、モジュールの推定耐用年数は20年から30年

と幅があります。これらの要素がPVの寿命推定に使用するデータを入手し

にくくし、またその価値をも下げています。

PVモジュールの耐用年数という重要な問題に回答する際、よく使われるの

Achieving Increased Reliability

in Photovoltaic Installations

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JAPAN ON the MARK

[13]

が、加速エージング試験です。この試験では、アレニウス法によって活性化エ

ネルギー(Ea)が決定されます。温度、湿度、紫外線(UV)のEaの測定値が特

定され、耐用年数を推定する計算に使用されます。1,2,3,4 Eaは、現地の気候

データと合わさって、予想耐用年数算定の土台となります。

しかしながら、この手法の基本的問題は、トリガーが単一故障に限られてい

るということです。現実では、様々な劣化が並行して発生し、複合しています。

それらに、いつどこで起こるか分からない気候的要素(風、突風、嵐、雪、氷、

ひょう)が加わり、推測はほとんど不可能な状態です。

図1は、複数のPVモジュールの出力低下カーブ(点線)を、段階的保証ライン

(オレンジ、青)と共に示しています。緑と赤の線は、三つの要素が偶然に合

わさった場合の劣化カーブを示しています。この図から生じる大きな疑問

は、2段階になっている段階的保証ラインのどちらが耐用期間中の実際の性

能により近いかです。

PVの耐用年数の理論的推定を向上させるには、様々な環境条件と、これら

次号では、信頼性試験の概要について述べます。なお出典に関する情報は、オリジナル英語文書でご確認ください。 

の状況がPVモジュールに与える影響の観察結果間の相互作用を理解する

ことが必要です。これには様々な設置現場で収集した性能データと、不具合

の根本原因を推定するデータ分析が必要です。表1で、様々な環境パラメ

ーターをリストアップし、それらによって生じたと見られるPVモジュールの

不具合例を紹介します。

図1:劣化速度 vs 保証

表1:環境パラメーターとPVモジュールに見られる影響

環境パラメーター PVモジュールに認められた影響とその結果

太陽光(UV+VIS+IR)+全放射照度 ・ 退色(⇒黄変)⇒出力低下

・ 脆弱性の増加(例:バックシートに亀裂)⇒湿気の侵入⇒セル材料の劣化促進⇒出力低下と安全問題の発生

湿気 モジュール内外の腐食:

・ ガラス面の腐食⇒出力低下

・ セル材料の腐食(相互接続部の腐食、ソーラーセルの劣化)⇒出力低下

・ 湿気による封止材(加水分解)とバックシートの腐敗⇒出力低下

・ フレームなどの金属部分⇒接地部分や接合部の支持が不十分になることによる安全問題の発生

温度 ・ 熱膨張係数の違いによる影響(亀裂、グリッドフィンガーの障害、はんだ付け部分の開口)

・ 温度が原因の劣化/腐食/封止剤/バックシート/ガラス及びその他の部品における亀裂発生

⇒出力低下と安全問題の発生

風 あらゆる機械的疲労:

・ セルとはんだ接合部の破損  ・ 下部構造に損傷を与える振動  ・ ガラスまたはその他の破損

⇒出力低下と安全問題の発生

雪/氷 ・ セルの破損  ・ 着氷によるフレーム部分の屈曲  ・ ガラスの破損

⇒出力低下と安全問題の発生

電圧 モジュールの性能劣化をもたらす可能性のあるイオンの誘起拡散:

・ PID(高電圧化による性能劣化)  ・ 電気化学的腐食

⇒出力低下と安全問題の発生

電流 ・ モジュール内のセルと相互接続部の腐食/経年劣化

・ 各セル、コンバイナーボックス、コンバータ間のコネクタ/ケーブル

⇒出力低下とアーク放電等による安全問題の発生

汚損 コケ、砂、葉、土、糞尿⇒光透過力の劣化、モジュール内部の湿度を上げる可能性あり⇒出力低下と安全問題の発生

環境状況 塩害などの空気汚染:

・ アンモニア  ・ 硫黄酸化物(H2S、H2SO4など)  ・ オゾン

オリジナル英語文書(登録必要・無料)http://library.ul.com?document=achieving-increased-reliability-in-photovoltaic-installations

Life time [arb. units]

%

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JAPAN ON the MARK 〔2015・Issue 52〕

[14]

IEC 60825評価:レーザー製品の安全評価サービス

ULはレーザー安全に関する国際規格IEC 60825-1/-2のCB試験所

として認定されています。製造者の皆様のご要望に応じて、サービス

を提供します。

【レーザー製品のレーザークラス判定】

レーザー製品の被曝放出レベルを試験してレーザークラスを判定

します。ユーザーおよびサービスマンに対する被曝放出レベルと

レーザークラスを正しく評価することはレーザー製品の安全性を

確保するための第一歩となります。

IEC 62471評価:LED / ランプの光生物学的安全性評価サービス

ULはLEDおよびランプの光生物学的安全性に関する国際規格IEC

62471のCB試験所として認定されています。製造者の皆様のニー

ズに対応したサービスを提案し、提供いたします。

【LED/ランプのIEC 62471リスクグループ判定】

LED/ランプの分光放射照度および分光放射輝度を測定して各種

ハザードに対するリスクグループを判定します。

LED/ランプ搭載製品の安全確保は、搭載されているLED/ランプ、

および、製品において被曝し得る放射のリスクグループを正しく把

握することから始まります。

ULでは上記以外にも、米国FDA CDRH Laser Product Report作成

支援、PSC適合性検査サービス(JIS C 6 8 02、JIS C 7 550)、IEC / TR

62778評価や様々な技術相談など、多彩な光放射安全試験サービ

スを実施しています。製造者の皆様のご要望に応じて、フレキシブ

ルに対応させていただきますので、遠慮なくお問い合わせくださ

い。

測定器の紹介

適応波長範囲:

350~1800 nm

最大測定出力: 1 W

用途:IEC 60825の測定

条件に基づいたレーザーク

ラスを判定するため、レー

ザーパワーを測定します。

ダブルモノクロメーター(写真A) 適応波長範囲: 200~3000 nm

瞬間マルチ測光システム(写真B) 適応波長範囲: 360~1100 nm

用途:角膜や水晶体に関係する障害に対しては実効放射照度を、網膜に関係する障

害に対しては実効放射輝度を測定し、IEC 62471リスクグループを判定します。

ビームプロファイラ適応波長範囲:

200~1100 nm

用途:網膜に関係するハザ

ードのレベルを見積もる際

の指標の一つとなる光源の

視角を測定します。(IEC

60825、IEC 62471の評価で

使用します。)

試験・測定はUL Japanで

UL Japanが保有する試験機器や実施可能な試験をシリーズで紹介していますが、今回、取り上げるのは、光放射安全試験です。代表的な評価サービスと

共に、それらに使用する測定機器を紹介します。ULではレーザー製品のクラス判定やLED/ランプのリスクグループ判定などに必要な光放射安全試験を

認証申請の有無に関わらず提供しています。

第5回 光放射安全試験

A B

レーザーパワーメーター

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JAPAN ON the MARK

[15]

※以下年号のない日付は2014年です。

9月1日に欧州委員会は将来的に700 MHz帯をブロードバンド機器に対し

て有効利用するための計画を示しています。それに合わせて9月3日にイ

ベントなどに使用されるラジオマイクの周波数配置を、800 MHz(823

MHz~832 MHz)帯、1,800 MHz (1,785 MHz~1,805 MHz)に再配置する

決定を行っています。 9月12日に2013年10月の更新からほぼ1年ぶりに

R&TTE指令の整合規格が更新されました。今回から掲載されている整合

規格の初回掲載日のカラムが追加されました。電力線通信(PLC)規格の

EN 50561-1、適用日などを明確化したEN 50566及びEN 55032のAC

(Amending Corrigendum)の追加、EN 60950-1/A2、EN 61000-3-

3:2013、EN 301 908-2、EN 301 908-13、UWB規格であるEN 302 065シリ

ーズなどの掲載があります。なおR&TTE指令に代わるRE指令は発行されて

いますが、現時点で適用は不可です。さらに11月14日に初回掲載日の修

正(未だに誤っている箇所あり)と誤って削除されたEN 301 489-34 V1.3.1

の再掲載、EN 302 961-2 V1.2.1のDOC(Date of cessation)の記載(2015年

4月30日)を行った、R&TTE指令整合規格が発行されました。その他重要な

変更はない模様です。前回削除されたEMC指令、低電圧指令整合規格の

参照は再び追記されました。これはRE指令で明確になったように無線規

格以外の規格の使用はNBの関与なく使用できると思われますが、不要な

混乱をなくすためと思われます。またRE指令に記載された、製品は意図さ

れた用途において適合性の推定を行える旨の記載が追記されました。

R&TTE指令に代わるRE指令に関してのガイドライン作成のワーキンググ

ループが発足しました。保護の対象とされるDomestic Animalの範囲、今

まで対象外であった電池駆動の放送受信機の安全要求の扱い、アラート

マークの削除が行われた一方、ユーザーへの制限情報の提供の方法、適

合宣言書に関する他の指令以上の要求など多くの内容が議論されてお

り、今後の動向が注目されます。

1 0月8日、欧 州 委員会 は、製 品 情 報 などを登 録 する新システム

eCompliance systemの検討に入った模様です。現在考えられるオプショ

ンは以下となっています。

0. 現行どおり何もしない

1. 欧州委員会として中央登録システムを持つ

2. 1と同様であるが強制力を持つ

3. 経済担当者が個別のシステムを持つ

4. 電子ラベルに特化する

これらに関して現在も検討が進められています。

10月9日に、UWBの周波数要求などの決定2007/131/ECが更新されてい

ます。以下内容が記載、更新されています。

• Article 2 EIRP、平均EIRP、ピークEIRP、総放射電力密度の定義修正、

最大EIRP定義削除、オンボードエアクラフト、LTI定義追加

• Article 3加盟国への要求変更

• 2015年2月1日から有効

• 一般リミットのLow duty cycle (LDC)、Detect and avoid (DAA)を使

用した場合の緩和

• トラッキングシステムの追加

• 列車使用リミットの変更

• オンボードエアクラフトのリミット追加

• センシングデバイスのリミット追加と変更

11月6日に欧州委員会は、2013年9月に開始し、2014年8月に作成された

携帯電話の共通充電器に関してのファイナルレポートを公表しています。

このレポートは共用化が消費者及び工業界にもたらす利益、電気廃棄物

の削減、その他のポータブル機器に対しての影響などが、以下3つのパー

トに分けて分析がされています。

世界のEMC・無線規制改正ー2014年後半を振り返って例年になく大雪に見舞われている地域があり、その地域に住まれている方には大変な状況と思われます。不思議と外出の多い2月において、幸いにして今ま

で昨年のように空港で一夜を明かすこともなく過ごしています。暖かい春が待ち遠しい時期です。それでは、2014年後半から今年最初にかけての情報更新を

見ていきたいと思います。

Europe

欧州

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JAPAN ON the MARK 〔2015・Issue 52〕

[16]

Part Ⅰ:携帯電話とその充電器の市場における覚書の影響評価

Part Ⅱ:覚書がEU市場における他の小型の携帯用電子機器にもたらした

間接的可能性ある影響の評価

Part Ⅲ:携帯電話、その他のポータブル充電式機器の充電の更なる調和

のための異なった政策オプションの潜在的影響の事前評価

11月11日にEMCに関しての市場監査として、太陽光パネルのインバータ

ーの結果が公表されています。それによると、1月から6月にかけて行われ

た、14の加盟国が参加した監査により、55サンプルが調査され、全体適合

9%、エミッション適合33%、アドミ関連全体適合38%、CEマーキング適合

95%、適合宣言書適合56%となっており、アドミ適合をしているものは技

術的にも適合している傾向があるようです。また11月14日には、R&TTE指

令に対する市場監査として同時期に行われた、携帯電話リピーターにつ

いての市場監査の内容が公表されています。これらリピーターは専門取り

付けではなく入手できるものであり妨害の懸念も大きいものです。結果は

全体適合6%、技術基準適合32%、アドミ関連全体適合10%、CEマーキング

適合24%、適合宣言書適合43%、技術文書適合53%となっており必ずしも

良い結果を示していません。また来年度はR&TTE指令のもとで、遠隔操縦

航空機システムを対象にすることが計画されています。

ECCは、11月25日から28日まで開催された、スイス モントルーでの総会で

の可決を受けて、ブロードバンド無線のための700 MHz(694 MHz~790

MHz)帯の調和のとれた使用のための新たな技術的枠組みに関し検討を

進めていく予定です。12月5日に、Class 1、Class 2のリスト更新が行われて

います。前回の7月からの変更は、Class 1ではW56の航空機-地上局通信

禁止とドイツの制限解除、Class 2では2.5 GHzインプラントのデューティサ

イクル10%未満必須化のみとなっています。2015年1月16日にEMC指令、

レクレーショナル舟艇指令、一般製品安全指令、埋込式能動医療機器指

令、医療機器指令、体外診断用医療機器指令の整合規格が更新されまし

た。EMC指令に関してはEN 50550:2011/A1:2014、EN 61000-3-2:2014な

どの追加がありました。

9月24日に、6月3日に有効となった、§15.407の誤記訂正が行われていま

す。計算式の間違い、DFS要求の脱落などが訂正されています。 併せて、

W52の登録要求に対して2017年8月31日までを調査期間とすることが公

表されています。 さらに、9月30日にW52固定局に対して電力密度の記載

が抜けていたことが修正されています。同様の修正は12月23日にも行わ

れています。10月6日に、2012年10月11日に有効となった、制御装置に患

者データを送信する、身体着用センサーからなる低出力広帯域ネットワー

クに関する規則 FCC 12-54を更新するため、8月20日に発行されたFCC

14-124を最終ルールとしています。一部除外がありますが、11月5日に有

効となりました。11月21日には、ワイヤレスマイクの長期的なニーズに対

応するために、様々な用途を考慮し今後の再配置を含めた意見募集が、

Part 74(FCC 14-145)に対して行われました。ホワイトスペースなどを利用

した600 MHz帯免許不要ワイヤレスマイクなどの使用用途に関しても改

訂を進める予定です。11月28日には、TV受信機に割り当てられたデジタル

チャンネルの受信能力義務付けなど(FCC 14-151)のコメント募集が行わ

れ、検討が進められています。

12月30日にFCCはFCC 13-19(2013年2月15日発行)を更新する、FCC 14-

208を発行しています。これらは2年前から検討されていたものであり、現

在KDB(Knowledge Data Base)に基づくFCC主導の規則から法制化を行

うものです。ポイントは以下となります。

・FCCでの認可制度を廃止しすべてをTCBに許可(既にTCB除外リスト

は内容削除済み)

・FCCとの協議を要する新しい技術に基づく機器認可を行う場合の現在

従っている事前承認手順の成文化(Permit But Ask手順の成文化)

・認可した製品のTCBの市場監査の責任の明確化(KDBに基づく市場監

視の成文化)

・認可を発行するTCBの権限を撤回する、正当でない不備のための適切

な制裁を含む、欠点のあるTCBの能力の実例を示すための手順を指定

・無線機器のためのPart 2及び端末機器のためのPart 68の下で認可を

行うTCBを認定するために使用される新たな基準を参照するようにル

ールを変更

・Part 2の下でいずれかの認証手続きの機器を試験するすべての試験

所の認定の要求及び新たな試験所認定機関を識別し現行の委員会が

認める手順の成文化(DoCだけでなく証明も認定試験所要求)

・委員会が参照する試験方法の規格の更新(ANSI C63.10:2013、ANSI

C63.4:2014を参照)

・委員会規則Part 2、5、15、18で参照される業界標準の最新バージョン

に更新するときに考慮されるマイナーな技術的問題に対処することを

可能にするために、OETの既存の委任された権限の下でより大きな柔

軟性を提供

2015年1月21日にFCCはPart 15 Subpart Dに関して、その測定方法として

ANSI C63.17:2013を要求することを公表しています。これにより、Part 15

も一部変更がされています。2015年2月5日には、FCC 15-16を公表しPart

95(パーソナル無線サービス)に基づく、76 GHz~81 GHz帯における多様

なレーダー技術の商業開発や使用に対応する規則を提案しています。こ

れらの提案には、様々な機器がその帯域内で周波数を共有できるように、

帯域の割当変更及び規定を含みます。以下、2015年3月4日までコメント募

集が行われています。

North America

北米

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JAPAN ON the MARK

[17]

・76 GHz~81 GHz帯におけるレーダー運用の拡大

・77.5 GHz~78 GHz帯における無線位置サービスの割り当てを提供す

るため、周波数割当表の修正

・Part 95に基づく、ライセンス方式のレーダー運用の許可

・既存のPart 15 非ライセンス運用から、車両や他のユーザーをシフトさせる

・77 GHz~81 GHz帯におけるレーダーアプリケーションを有するアマチ

ュア無線の互換性を含む、既存の運用の互換性の評価

KDB関連では、旧要求事項対応の5 GHz帯要求のKDB 443999の誤記訂正

(Footnote 6のWebアドレスの修正)が9月23日に行われています。10月6

日に§15.256のレベルプロービングレーダーに関するKDB 890966がFM

CWの技術資料追加のため更新されています。10月10日には、KDB

937606が新規に掲載され、基本はオープンサイトの測定を優先とし、オー

プンサイトとの十分な相関が取れるのであれば暗室は認められます。この

意味は、少なくともオープンサイトでの30 mの値を取得し、実際に測定す

る3 mまたは10 mにおけるオープンサイトと暗室の相関を確認した後で

なければ暗室の使用は認められないことになります(この場合のオープン

サイトはグランドプレーン不要。EN 300 330ではグランドプレーンが要求

されるので注意)。同日、グラントへの周波数記載ポリシーであるKDB

634817が、D01更新(Part 15に関してIEEE 802.11などのチャンネルベース

とその他も含めて記載、シグナルブースター関係更新、LTEなども含めて記

載方法の簡略化、Appendix AをD02へ)、D02追加(Part 90の周波数アサ

インなどの追記等)が行われました。10月14日、認可費用を示すKDB

980285が申請費用の見直し(通常申請$1265⇒$1365等)のため更新、10

月16日、3GPP関連のSAR測定手順KDB 941225がD02、D03、D04を削除し

D01に統合、D06が他の新規発行KDBと整合が行われています。機密条件

を扱うKDB 726920はすべての文書を統合し、永久、短期機密は明確に分

類、TCBは従来認められていたマニュアル、内部写真などはFCCに都度確

認しない限り永久機密にはできないことになりました。10月17日に変更申

請のKDB 926956のQ&Aが更新され、Q1にてすべての申請は新ルールか

旧ルールかを明示する、新ルールの場合は、Grant Note 38または39を記

載すること、Q7ではU-NII-3バンドでの動作、及び250 mW伝導パワー未満

での動作について、「旧規則」に基づき承認されている特定の固定屋外デ

バイスのアンテナ要求事項適用について特定条件の明確化、Q9において

TDWRで動作するデバイスは、暫定手順(KDB 443999)に基づくことを明

確化しています。同日、UNII DFS試験手順のKDB 905462に、説明文書が追

加されました。長い間ドラフトとなっているWLAN関係のSAR試験方法の

KDB 248227のドラフトが更新されました。現時点で使用は可能ですが、ド

ラフト01より大幅に再構成されているので注意が必要です。認可取得者の

変更などのKDB 204515及びKDB 249634が更新され、それぞれ、すべて

のIDの移行を伴わない場合は、KDB 249634及び§2.933に基づくこと、一

部ID変更の手順とすべての変更は、KDB 204515を参照することが明記さ

れました。ライセンス機器のパワー測定のKDB 971168はD02追加、D01は

D02を参照し、参照KDBの記載、トレースアベレージの明確化、その他誤記

修正が行われています。10月20日に、アンテナ変更に関するKDB 353028

において、Part 15は、いくつかの例外(Subpart D、DFS対象、SAR関連)を除

いて、認可されているアンテナと同タイプの低いゲインを持つアンテナは

追加の確認なしに販売可能であることが記載されました。

カナダにおいては、9月4日に4.9 GHz帯公共安全機器RSS-111 Issue 5とワ

イヤレス電力伝送RSS-216 Issue 1が発行されています。 また10月3日に

電子ラベルを許可しました。これは9月19日まで意見募集を行っていた内

容に対しセキュリティに関する明確化が行われたのみであり、FCC同様に

3ステップ以内の表示や、通関時の梱包表示などが要求されています。こ

れにより北米への対応が一元化されたことになります。 10月9日に広帯域

無線サービスの2.5 GHz帯の規格RSS-199 ( 2500 MHz~2690 MHzで動作

する広帯域無線サービス(BRS))が発行されています。CB(認証機関)は1

年以内に新規格をスコープに含めることが要求されます。 11月13日に10

月3日に許可した、電子ラベルに関して緩和する内容をNotice 2014-

DRS1003に追記しました。それによると、表示画面のない機器は、音声メ

ッセージによる方法、またはディスプレイを持ったホスト機器に物理的、

Bluetooth、WiFiなどを通じて接続し、電子ラベルを表示する場合は、その

接続を必須とすれば認められ、これは認証や登録の要件に従うすべての

デバイスに適用されます。電子ラベリングの代替法は、ICに都度確認する

ことで可能となる場合があることも追記されました。 またRSS-310、RSS-

216、DC-01、ICES-001、ICES-002、ICES-003、ICES-006が電子ラベルを許

容するため、版の更新はありませんが変更が加えられています。 内容は電

子ラベルの許容のみです。 さらに、下記2規格は電子ラベルの許容を含め

更新が行われています。 発行日(適用日)は2014年11月22日となっています。

[RSP-100 ̶ 無線装置に対する認証] ドラフトとほぼ同様ですが以下の変更があります。

1. 2.7項(ライセンス機器の説明)、3.2項(マニュアル要求)、7項(モジュ

ール認可)をRSS-GENから移行し記載

2. 3項ラベリングに電子ラベルを許可

3. 6.4項に機密書類の明記

4. 7.3項にモジュール認可時のホストに対するRF曝露条件適合の記載

5. Appendix A、Bの書式変更

[RSS Gen ̶ 無線装置の認証に対する一般要求事項 ] ドラフトとほぼ同様、ISO/IEC 17025認定試験所以外は2017年からは受け

入れない旨が記載されました。

1. 全体的な項番の変更と再構成

2. タイトルの変更:General Requirements for Compliance of Radio

Apparatus ‒ Limits and Method of Measurement

3. Section 3: 参照規格の記載:ANSI C63.4:2014(但し、6.1項により

2009年版は2016年までは許容される:1GHz以上の測定に影響)、

C63.10:2013 、C63.26

4. Section 4: 除外条件の追加(何故適合できないのかを明確に記載

する等)

5. Section 5: 受信器に対して、NOTICE 2012-DRS0126を組み込み

6. Section 8: ライセンス不要機器への要求のまとめ、パルスオペレー

ションなどはANSIを参照

7. Section 9: 定義を再び掲載

8. 重複があった、2.4項(ライセンス機器定義), 3項(ラベリング要求、

モジュール定義等), 5項(ラベル、マニュアル等一般要求) はRSP-100

Issue10へ移行

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JAPAN ON the MARK 〔2015・Issue 52〕

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8月29日まで意見募集を行っていた、RSS-251( 46.7 GHz~46.9 GHz(車両

レーダー)及び76 GHz~77 GHz(車両及び空港固定レーダー)における電

磁界妨害センサー)を正式に発行しました。これによりRSS-210 Annex 13

が移行され、FCC 15.253と調和が行われています。 2015年2月5日には

RSS 210 Issue 8のアメンドメントを含む以下規格の更新を行っています。

DBS-01(ホワイトスペース利用)、CPC-4-1-01 (ホワイトスペース申請手

順)、CPC-2-1-11(低電力ライセンス機器)、CPC-2-1-28(TVバンドライセ

ンス不要低電力機器の任意ライセンス)、RSS-123(低電力ライセンス機

器)、RSS-222(ホワイトスペース機器)RSS-210(TVバンドライセンス不要

機器追加)。

日本では、9月26日に3.5 GHz帯への第4世代開放のための周波数開放が

行われました。これに伴い、従来のLTEバンド、2 GHz帯LTEバンド、UMB等

にも影響があります。11月25日に、4月23日に公表された登録修理業者規

則に関する制定案等についての意見募集が行われています。これは修理

業者を登録制とし、工事設計の変更に当たらない修理を明確化するもの

です。

12月10日に8月29日から開始したCISPRへの整合のための「工業、科学及

び医療用装置からの妨害波の許容値及び測定法」の意見募集の結果を公

表しています。これを受けて関連する電波法施行規則等の一部を改正する

予定です。主な内容は以下となります。

(1) 超音波洗浄機、超音波加工機、超音波ウェルダー、電子レンジ及び電磁

誘導加熱式(IH)調理器の型式の条件の改正(電波法施行規則第46条

の2及び第46条の7関係)

・電源端子妨害波電圧による許容値の導入(第46条の2第1項第6号

(3)、第46条の7第1項第1号(3)及び同第2号(3)関係)

・磁界強度による許容値の適用(第46条の2第1項第6号(4)(一)(二)、

第46条の7第1項第1号(4)及び同第2号(4)関係)

・測定距離の見直し(第46条の2及び第46条の7関係)

・許容値の見直し(第46条の2第1項第6号(4)(三)、第46条の7第1項

第1号(5)(6)(7)及び同第2号(5)関係)

(2) 通信設備以外の許可を要する設備の許容値の見直し(無線設備規則

第65条及び無線局免許手続規則別表第6号第2関係)

・CISPR規格に沿った数値とする

(3) その他(電波法施行規則第46条の2第1項第8号(4)(二)関係等)

・無電極放電ランプの許容値を定めた表の修正等、及び関係告示の整備

12月22日に3度目の微弱無線局の無線設備試買テストの結果の公表を行

っています。前回同様適合性は非常に低くなっています。なお試験はUL

Japanが行っています。微弱無線局の適合性がこれほど低いとは予想をし

ていませんでした。同日、スマートフォンなどの移動端末設備に設定され

ているSIMロック解除について、「ICTサービス安心・安全研究会」及び「情

報通信審議会2020-ICT基盤政策特別部会」の議論において、「利用者の

求めに応じて迅速、容易かつ利用者の負担なく解除に応じることが適当」

とされました。それを受けて実施された「SIMロック解除に関するガイドラ

イン」の意見募集の結果が公表されています。97件の意見が提出され、こ

れらの意見募集の結果を踏まえ、ガイドラインが改正されています。

低周波領域における電波防護指針の在り方について、電波利用環境委員

会報告(案)に対する意見募集が行われ、特に意見提出はありませんでし

た。ポイントは以下となります。

・刺激作用を防止するための、体内に発生する電界に関する指針値とし

て、ICNIRPガイドライン2010の基本制限を導入する

・10 kHz~100 kHzの刺激作用に関する基礎指針2を削除

・10 kHz~10 MHzの電磁界強度指針をICNIRPガイドライン2010の参

考レベルに整合

・10 kHz~100 kHzにおいて、電磁界強度指針の削除

・接触電流に関する補助指針を、ICNIRPガイドライン2010の接触電流

に関する参考レベル値に整合

・接触電流に関する基礎指針3の10 kHz~100 kHz の指針値(平均時間

1秒未満)を削除

2015年1月20日にワイヤレス電力伝送システムに関する技術的条件に関

する電波利用環境委員会報告(案)意見募集の結果が公表されました。こ

れにより、2015年1月21日に「6 MHz帯の周波数を用いた磁界結合型ワイ

ヤレス電力伝送システム及び400 kHz帯の周波数を用いた電界結合型ワ

イヤレス電力伝送システムに関する技術的条件」に関する技術的条件が

公表されています。

2015年2月17日に特定機器に係る適合性評価手続の結果の外国との相互

承認の実施に関する法律施行規則の一部を改正する省令が発行され、今

までのGuide 65に代わってISO/IEC 17065と同様である、JIS Q17065が要

求されることになりました。UL Japanはこれに基づき発行の翌日から3日

間 8号適合性評価機関(米国TCB)の監査を受けています。一般的にISO/

IEC 17065の完全施行は2015年9月15日とされています。

11月17日に韓国RRLは、放送通信機資材等の適合性評価に関する告示

2014-16を発行し、変更申請などの緩和を行っています。概要は以下となり

ます。

Asia

アジア

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JAPAN ON the MARK

[19]

• 一部有線端末機器の適合認証から適用登録への移行

• 製品型番の認可証からの削除

• ハードウエアの変更のないソフトウエアのみの変更の変更申請の緩

和(機能削除の場合は届出不要等)

• 変更届不要な部品変更に対して、同等製品を使用するための明確化

11月24日に電磁波障害防止の基準と電磁波保護基準の改正告示の通知

が行われています。 11月26日に3件のQ&Aが掲載されています。

・適合性評価対象外の機器は ?⇒ 携帯電子計算機、能動回路のないヘ

ッドホン・スピーカー、単機能腕時計、赤外線リモコン、カメラレンズ、

バッテリーなど

・Bluetoothスピーカー、ヘッドホンは適合性評価の対象か? ⇒ 対象

・Bluetoothリモコン等は適合性評価(認証)対象か?    ⇒ 対象

12月23日に第2014-90号を発行し、無線設備の適合性評価手順の改正を

公表しています。ポイントは以下となります。

・ノートブック、PCなどのホスト装置に内蔵され、運用される小出力無線

機器の電源電圧試験条件の緩和(第11条)

・13.56MHz帯RFID無線設備の「受信設備から副次的に発射される電波

の強さ」の試験項目免除条件明示(別表2)

・小出力無線機器の適合性を評価する、ターゲット機器が無変調をサポ

ートしていない場合の周波数の許容偏差測定方法設定(別表3)

・簡易無線局の無線設備の電気的試験項目のうち、送信装置の条件を

削除し、隣接チャネル漏洩電力を追加し、案内用簡易無線局関連試験

項目を追加(別表2)

・適合性評価対象機器の名称変更に伴う産業・公共用、緊急時の通信補

助用、海洋警備セーフティネットの無線設備関連機器名変更とその機

器の電気的試験項目追加(別表2)

・公告発令後の法令や現状を考慮し見直し期限を調整(第20条)

9月12日、シンガポールIDAは試験所・認証機関登録スキームを更新して

います。これはGuide 65からISO/IEC 17065への変更が主なものです。

香港OFTAは市中で使用される頻度が多くなってきているWiFiサービスに

関しての人体曝露に関する懸念事項のレポートを公表しています。様々な

場所での検証の結果、国際レベルで定められるリミット未満で安全性は確

保されているとしています。

9月9日にオーストラリアACMAはCompliance Labeling Notice、Short

Range Devices Standard Noticeなどの更新を行っています。これらは特

に大きな変更を含むものではありません。Short Range Standard Notice

はAS/NZS 4268の最新版対応などが主な変更です。その他クラスライセン

ス機器に関してもあわせて改定が行われています。

ニュージーランドRSMは10月2日に周波数割当てを更新し発行しています。

主な更新は以下3点です。

1. 欧州で調和されている電子式商品監視システム(EAS)の周波数で

ある、7.4 MHz~8.8 MHzの割当て

2. 600 MHz帯ラジオマイク周波数割当ての更新と新たな周波数帯174

MHz~230 MHzの割当て (2019年9月30日以降使用できないため

使用の推奨はしない)

3. 60 GHz帯 IEEE 802.11ad使用調和のための開放(合わせて、ライセン

ス機器としての開放あり)

またRSMは10月29日に一般ユーザースペクトラムライセンスとして、49

MHz帯の開放をしました。この帯域は短距離機器としてリモコンなどの使

用を意図しています。 さらに、無線ライセンスポリシー規則(PIB 58)を更新

しています。これは今年6月に更新された無線ライセンス認証規則(PIB 38)

を補足するものです。2015年1月13日にRSMはUWB(Ultra Wide Band)使

用に関して2014年12月15日有効で変更を更新しています。これは、欧州に

おける決定2007/131/EC 修正 2014/702/EUに基づくものとほぼ同様とな

っています。

*本記事の内容は、2015年2月23日までの情報に基づき構成されていま

す。最新の情報については各当局のウェブサイトでご確認ください。

お問合せ株式会社 UL Japan コンシューマーテクノロジー事業部

T:0596-24-8116 F:0596-24-8095E:[email protected]

Oceania

オセアニア

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JAPAN ON the MARK第52号発行所:株式会社 UL Japan 発行日:2015 年 3 月編集部:岩崎哲生、岩本由美子、木下喬太、谷口知房、 橋本哲哉、山崎彩子

本号の翻訳記事に疑義が生じた場合は、原文に基づいて解釈を行ってください。無断で複写、転載することを厳禁します。

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