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Journal of Hydrocephalus Japanese Edition November 11, 2012 日本水頭症脳脊髄液学会 JSHCSF 略称日本水頭症 CSF 学会)[英文略称JSHCSF第 5 回日本水頭症脳脊髄液学会学術集会 Japanese Society for Hydrocephalus and CSF Disorders The 5th Annual Meeting 2012 President: Masaki SHINODA Vice President: Tamotsu MIKI 日時:2012 年 11 月 11 日 (日)9:00 - 会場:聖路加国際病院 本館 2 階 トイスラーホール 会 長:篠田 正樹 聖路加国際病院脳神経外科 副会長:三木  保 東京医科大学脳神経外科

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31J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

Journal of HydrocephalusJapanese Edition

November 11, 2012

日本水頭症脳脊髄液学会JSHCSF

(略称:日本水頭症 CSF学会)[英文略称:JSHCSF]

第5回日本水頭症脳脊髄液学会学術集会

Japanese Society for Hydrocephalus and CSF DisordersThe 5th Annual Meeting 2012

President: Masaki SHINODA Vice President: Tamotsu MIKI

日時:2012 年 11 月 11 日 (日)9:00 -会場:聖路加国際病院 本館 2 階

  トイスラーホール

会 長:篠 田 正 樹  聖路加国際病院脳神経外科

副会長:三 木   保  東京医科大学脳神経外科

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32 J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

日本水頭症脳脊髄液学会Japanese Society for Hydrocephalus and CSF Disorders

JSHCSF

■ 顧問 (Advisory Board) ……………………………………………………………………………………………………………………

佐 藤   修 (Osamu Sato) 佐 藤   潔 (Kiyoshi Sato) 森   惟 明 (Koreaki Mori)

塩 田 浩 平 (Kohei Shiota)

■ 理事 (Executive Board Officers) ………………………………………………………………………………………………………

理事長 President 新 井   一 (Hajime Arai)

副理事長 Vice President 稲 垣 隆 介 (Takayuki Inagaki)

事務局担当理事 Head Quater Secretary 宮 嶋 雅 一 (Masakazu Miyajima)

会計監査理事 Andit 伊 達   勲 (Isao Date)

理 事 Officers 三 宅 裕 治 (Hiroji Miyake) 森   悦 朗 (Etsuro Mori)

澤 本 和 延 (Kazunobu Sawamoto) 白 根 礼 造 (Reizo Shirane)

鈴 木 倫 保 (Michiyasu Suzuki) 田 代   弦 (Yuzuru Tashiro)

■ 学術集会会長 (Congress President) …………………………………………………………………………………………………

第 5 回学術集会会長 篠 田 正 樹 (Masaki Shinoda)

第 5 回学術集会副会長 三 木   保 (Tamotsu Miki)

■ 学会誌編集委員長 (Editor, Official Journal) 大 井 静 雄 (Shizuo Oi)

■ 評議員 (Council Members) ……………………………………………………………………………………………………………

赤 井 卓 也 (Takuya Akai) 池 田 智 明 (Tomoaki Ikeda) 小 野 成 紀 (Shigeki Ono)

梶 本 宣 永 (Yoshinaga Kajimoto) 数 井 裕 光 (Hiroaki Kazui) 加藤 美穂子 (Mihoko Kato)

門 脇 親 房 (Chikafusa Kadowaki) 斉 藤 和 恵 (Kazue Saito) 下 川 尚 子 (Naoko Shimokawa)

下 地 一 彰 (Kazuaki Shimoji) 高 橋 麻 由 (Mayu Takahashi) 西 山 健 一 (Kenichi Nishiyama)

野中 雄一郎 (Yuichiro Nonaka) 野 村 貞 宏 (Sadahiro Nomura) 橋 本 卓 雄 (Sadao Hashimoto)

橋 本 正 明 (Masaaki Hashimoto) 濱 田 秀 雄 (Hideo Hamada) 林   央 周 (Nakamasa Hayashi)

藤 井 幸 彦 (Yukihiko Fujii) 朴   永 銖 (Park Young-soo) 間 瀬 光 人 (Mitsuhito Mase)

室 井   愛 (Ai Muroi) 山 田 晋 也 (Shinya Yamada) 山 本 哲 也 (Tetsuya Yamamoto)

吉 野 雅 美 (Masami Yoshino) 下 地 武 義 (Takeyoshi Shimoji) 伊 達 裕 昭 (Hiroaki Date)

西 本   博 (Hiroshi Nishimoto) 松 前 光 紀 (Mitsunori Matsumae)

JSHCSF

JSHCSF

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33J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

●発表のご案内 本学会では出来るだけゆっくり講演をいただき,討論もじっくりできるように時間配分を発表 8 分,討論 4 分をしています.発表いただきます先生,座長の労をおとりいただく先生にはよろしくお願いします.

 発表はデータを USB,CD でお持ちいただいても良いですし,ご自身のコンピューターをお持ちいただいても結構です.ただし,ビデオなどをお持ちの場合はご自身のコンピューターをお持ちいただくことをおすすめします.Mac,ipad のプレゼンテーションの際はご自身のコンピューターをお持ちいただくことをお勧めいたします.

財団法人 聖路加国際病院 東京都中央区明石町 9-1

交通案内

近隣地図(電車・バスでお越しの場合)

地下鉄 東京メトロ日比谷線築地駅下車 (3、4番出口)、徒歩 7分

東京メトロ有楽町線新富町駅下車 (6番出口)、徒歩 8分

バス 東 15番-東京駅八重州口 深川車庫行 聖路加病院前下車

近隣地図(お車でお越しの場合)

2012 年 11 月 11 日(日)9:00 -会場:聖路加国際病院 本館 2 階 トイスラーホール

●会場のご案内聖路加国際病院 本館 2 階 トイスラーホール〒104-8560 東京都中央区明石町 9-1

 地下鉄:日比谷線築地駅▶徒歩 7 分 有楽町線新富町駅▶徒歩 8 分 バス:東京駅八重州口 深川車庫行 聖路加病院前

本館2階トイスラーホール

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34 J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

日本水頭症脳脊髄液学会JSHCSF

(略称:日本水頭症 CSF学会)[英文略称:JSHCSF]第5回日本水頭症脳脊髄液学会学術集会

ご 挨 拶

 昨年の東日本大震災,福島第 1原発事故の影響を受け,日本の価値観も少しずつ変化をして

きたように思えます.未だ傷跡が癒えぬ地域にお住いの方々に改めてお見舞いを申し上げます.

 石川正恒会長,新井 一副会長のご尽力により本会に先立って行われた Hydrocephalus 2012

Kyotoは成功を収めました.領土問題により隣国からの参会者は減少したものの我が国の水頭症

診療・研究のレベルの高さを再認識いたしました.国内の本学会も 5回目を迎えました.副会

長として東京医科大学脳神経外科 三木 保教授に労をおとりいただいております.

 今回は第 1回から第 4回までの開催場所を大学から離れ,聖路加国際病院 トイスラーホール

にて行わさせていただきます.トイスラーホールは 1902年に聖路加国際病院を創立した Rudolf

B.Teusler初代病院長を記念して 1992年新病院建築時に開設されました.小さい講堂ですが

1995年 3月地下鉄サリン事件の際にトイスラーホールを救急患者に解放したことにより有名に

なりました.

 今回の学会では諸先生方に演題を招聘させていただき,快くお受けいただき,演題をお送り

いただいた先生方と併せ,この場を借りてお礼申し上げます.特別講演として,現在渡米中の

本学会副理事長 聖トマス大学 稲垣隆介先生にアメリカでの水頭症研究の現状をご講演いた

だく予定です.また,昨年に引き続き 2001年に掲載された本邦発の水頭症,髄液研究の論文の

この 10年間における citationされた数を調査し上位の諸先生を表彰させていただきます.また,

本学会発の prospective studyのご提案をとまこまい脳神経外科小児脳神経外科部長の高橋義男先

生の発案により行いたいと思います.

 過去の学会と比べ,小粒な学会となりますが,手作りの学会を目指していきますので会員皆

様のご協力をなにとぞよろしくお願い申し上げます.

 2012年 10 月                       第5回日本水頭症脳脊髄液学会(JSHCSF)

                会長 篠田 正樹                副会長 三木  保

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35J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

プログラム 2012 年 11 月 11 日(日)

10 : 00-10: 05 開会挨拶  大会会長 篠 田 正 樹  聖路加国際病院脳神経外科医長

10 : 05-10: 30

■ シンポジウム 1:画像  座長 間 瀬 光 人,松 前 光 紀

  1 水頭症の分類を目指した MR による脳脊髄液の速度・渦・圧勾配の解析

平山 晃大 1),八ツ代 諭 2),厚見 秀樹 1),Afnizanfaizal Abdulla2),黒田  輝 2),松前 光紀 1)

1)東海大学医学部脳神経外科,2)東海大学情報理工学部情報科学科

  2 特発性正常圧水頭症における大脳白質心拍同期 ADC の変化

間瀬 光人 1),大沢 知士 1),宮地 利明 2),菅  博人 2),出村光一朗 1),笠井 治昌 3), 山田 和雄 1)

1)名古屋市立大学大学院医学研究科脳神経外科学,2)金沢大学大学院医学系研究科保健学科,3)名古屋市立大学病院中央放射線部

10 : 35-11 : 15

■ シンポジウム 2:内視鏡 座長 西 山 健 一 , 三 木   保, 村 井 尚 之

  3 成人後頭蓋窩病変に発症した閉塞性水頭症に対する第三脳室底開窓術の検討

中島 伸幸 1),冨田 丈博 1),伊澤 仁之 1),福原 宏和 1),和田  淳 1),斎田 晃彦 1), 秋元 治朗 1),深見真二郎 1),原岡  襄 1),三木  保 2)

1)東京医科大学脳神経外科,2)東京医科大学茨城医療センター脳神経外科

  4 水頭症関連病態に対する脳室鏡視下手術後に生じる頭蓋内出血

西山 健一,佐野 正和,吉村 淳一,藤井 幸彦新潟大学脳研究所脳神経外科

  5 第三脳室底開窓術不成功例の検討 ─脳コンプライアンスと開窓孔の抵抗に関する考察─

野村 貞宏,出口  誠,貞廣 浩和,五島 久陽,鈴木 倫保山口大学脳神経外科

11 : 15-12 : 00

■ シンポジウム 3:iNPH 座長 橋 本 正 明,石 川 正 恒

  6 シャントコントロール再考

三宅 裕治,辻  雅夫,浮田  透,英 賢一郎,山田 佳孝,タッカー アダム,上杉 哲平, 大村 武久

西宮協立脳神経外科病院脳神経外科

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36 J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

  7 当院における INPH シャント術に関わる初期圧設定の概念変化

橋本 正明,渡辺 卓也,北林 朋宏公立能登総合病院脳神経外科

  8 iNPH における定量評価法の検討

石川 正恒音羽病院正常圧水頭症センター

12 : 00-13 : 00

……………………………………… 昼食・理事会 ………………………………………

13 : 00-13 : 45

 特別講演 座長 新 井   一

  9  米国における水頭症研究最前線 稲 垣 隆 介

聖トマス大学

13 : 45-14 : 15

■ 水頭症研究マスターズ・ジャパン 2011 アワード 座長 大 井 静 雄

  10  水頭症・脳脊髄液関連文献レビュー(2001 ─ 2011) 篠 田 正 樹,藤 井 本 晴,村 形   敦,松 川 東 俊,山 本 大 輔, 住 吉 壮 介,石 川 陵 一 聖路加国際病院脳神経外科

14 : 15-14 : 40

■ シンポジウム 4:病態,手術 座長 藤 井 本 晴,稲 垣 隆 介

  11 回復期リハビリテーション期における CSF シャント

門脇 親房杉並リハビリテーション病院

  12 脊髄癌性髄膜炎に対する Lumbar CSF reservoir

住吉 壮介,篠田 正樹,藤井 本晴,村形  敦,松川 東俊,山本 大輔,石川 陵一聖路加国際病院脳神経外科

14 : 40-15 : 20

■ シンポジウム 5:基礎研究 座長 宮 嶋 雅 一,門 脇 親 房,小 野 成 紀  13 発達期・老齢期のマウス側脳室外側壁における上衣細胞の極性

澤田 雅人,黄  詩惠,廣田 ゆき,澤本 和延名古屋市立大学大学院医学研究科再生医学分野

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37J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

  14 Leucine-rich alpha-2-glycoprotein 1(LRG1)コンデションニングマウスの解析

宮嶋 雅一 1),中島  円 1),荻野 郁子 1),新井  一 1),多田 昇弘 2)

1)順天堂大学脳神経外科2)順天堂大学老人性疾患病態・治療研究センター遺伝子解析モデル研究室

  15 脳梁損傷症例における脳脊髄液サイトカイン値と障害程度との相関性

松川 東俊,篠田 正樹,藤井 本晴,高橋  理,村形  敦,山本 大輔,住吉 壮介, 石川 陵一

聖路加国際病院脳神経外科・臨床疫学センター

15 : 30-16 : 10

■ シンポジウム 6:小児 座長 野中雄一郎,朴   永 銖,田 代   弦

  16 当院における小児水頭症に対する神経内視鏡併用による単シャント化戦略

石崎 竜司,北川 雅史,田代  弦静岡県立こども病院脳神経外科

  17 内視鏡的脈絡叢凝固術の効果 小児水頭症における内視鏡再手術症例の検討

植松 幸大,師田 信人,萩原 英樹,田村剛一郎国立成育医療研究センター脳神経外科

  18 超低出生体重児脳室内出血後水頭症に対する新たな治療戦略─神経機能予後改善を目指して─

朴  永銖,小谷有希子,杉本  正 , 西村 文彦,本山  靖,中瀬 裕之奈良県立医科大学脳神経外科

16 : 10-16 : 50

■ シンポジウム 7:シャント後の問題点 座長 大 井 静 雄,高 橋 義 男,白 根 礼 造

  19 シャント free となった 5 症例における髄液循環の考察

小野 成紀 1),亀田 雅博 2),伊達  勲 2)

1)川崎医科大学脳神経外科,2)岡山大学大学院脳神経外科

  20 シャント離脱時における神経内視鏡下第 3 脳室底開窓術を施行した脊髄披裂水頭症病態に関する検討

野中雄一郎 1),大井 静雄 2),三輪 点 1),阿部 俊昭 1)

1)東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座,2)聖トマス大学

  21 現在的な小児水頭症の先端的治療の有効性を維持するための問題点と対策

─ Part I:キャリーオーバーだけでなく,超慢性期での小児期治療水頭症への問題対応は可能か?─

高橋 義男とまこまい脳神経外科 大川原脳神経外科病院小児脳神経外科

16 : 50-16 : 55 第 6 回日本水頭症脳脊髄液学会のお知らせ 篠田 正樹 聖路加国際病院脳神経外科16 : 55-    閉会挨拶                新井  一 日本水頭症脳脊髄液学会会長

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PROGRAM Sunday 11th November 2012

10 : 00-10 : 05 Opening Remark: Masaki Shinoda (Scientific Program Chairman)

10 : 05-10 : 30

■ Symposium 1: Imaging  Moderators: Mitsuhito Mase, Mitsunori Matsumae

1 Magnetic Resonance Evaluation of Time-varying Velocity, Vortex and Pressure Gradient of Cerebrospinal Fluid for Hydrocephalic Classification

Akihiro Hirayama 1), Satoshi Yatsushiro 2), Hideki Atsumi 1), Afnizanfaizal Abdulla 2), Kagayaki Kuroda 2), Mitsunori Matsumae 1) 1) Department of Neurosurgery, Tokai University School of Medicine, 2) Department of Human and Information Science, Tokai University School of Information Science and Technology, Isehara, Kanagawa

2 Changes of the regional apparent diffusion coefficient of the brain during the cardiac cycle in patients with idiopathic normal pressure hydrocephalus

M Mase 1), T Osawa 1), T Miyati 2), H Kan 2), K Demura 1), H Kasai 3), K Yamada 1)

1) Department of Neurosurgery, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya2) Faculty of Health Science, Institute of Medical, Pharmaceutical and Health Sciences, Kanazawa University, Kanazawa3) Department of Radiology, Nagoya City University Hospital, Nagoya

10 : 35-11 : 15

■ Symposium 2: Neuroendscopy  Moderators: Kenichi Nishiyama, Tamotsu Miki,

Hisayuki Murai

3 Endoscopic third ventriculostomy for occlusive hydrocephalus associated with posterior fossa lesions in adults

Nobuyuki Nakajima, Takehiro Tomita, Hitoshi Izawa, Hirokazu Fukuhara, Jun Wada, Akihiko Saida, Jiro Akimoto, Shinjiro Fukami, Jo Haraoka, Tamotsu MikiDepartment of Neurosurgery, Tokyo Medical University, Tokyo

4 Intracranial hemorrhage afterendoscopic surgery in hydrocephalic patientsKenichi Nishiyama, Masakazu Sano, Junichi Yoshimura, Yukihito FujiiDepartment of Neurosurgery, Brain Research Institute, Niigata University, Niigata

5 Failure analysis of endoscopic third ventriculostomy ─ Consideration on brain compliance and resistance of the stoma ─

Sadahiro Nomura, Makoto Ideguchi, Hirokazu Sadahiro, Hisaharu Goto, Michiyasu SuzukiDepartment of Neurosurgery, Yamaguchi University School of Medicine, Ube, Yamaguchi

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39J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

11 : 15-12 : 00

■ Symposium 3: iNPH  Moderators: Masaaki Hashimoto, Masatsune Ishikawa

6 Reconsideration about shunt controlHiroji Miyake, Masao Tsuji, Tohru Ukita, Kenichiro Hanabusa, Yoshitaka Yamada, Adam Tucker, Teppei Uesugi, Takehisa OhmuraNishinomiya Kyoritsu Neurosurgical Hospital, Nishinomiya, Hyogo

7 Conceptional change of initial setting pressure of CHPV and with SG for iNPHMasaaki Hashimoto, Takuya Watanabe, Tomohiro KitabayashiNoto General Hospital. Dept. of Neurosurgery, Nanao, Ishikawa

8 Quantitative assessments for iNPHMasatsune IshikawaPresident Hydrocephalus 2012Normal Pressure Hydropcephalus Center, Rakuwakai Otowa Hospital, Kyoto

12 : 00-13 : 00

…………………………………… Bussiness Lunch ……………………………………

13 : 00-13 : 45

 Special Lecture  Moderator: Hajime Arai

9 Hydrocephalus Research in U.S.A.

Takayuki InagakiSt. Thomas University, Amagasaki, Hyogo

13 : 45-14: 15

 The Hydrocephalus Research Masters Japan Award  Moderators: Shizuo Oi

10 Review of hydrocephalus and/ or cerebrospinalfluid related articles from Japan; the last decade Since 2001

Masaki Shinoda, Fujii Motoharu, Atsushi Murakata, Hidetoshi Matsukawa, Daisuke Yamamoto, Sosuke Sumiyoshi, Ryoichi IshikawaDepartment of Neurosurgery, St. Luke’s Internal Hospital, Tokyo

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40 J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

14 : 15-14: 40

■ Symposium 4: Symptoms Operation   Moderators: Motoharu Fujii, Takayuki Inagaki

11 CSF shunt for Secondary Normal Pressure Hydrocephalus in Convalescent Rehabilitation

Chikafusa KadowakiDepartment of Neurosurgery, Kyorin University Facility of Medicine, TokyoSuginami Rehabilitation Hospital, Tokyo

12 Lumbar CSF reservoir for the patients with spinal meningitis carcinomatosaSosuke Sumiyoshi, Masaki Shinoda, Motoharu Fujii, Atsushi Murakata, Toshiharu Matsukawa, Daisuke Yamamoto, Ryoichi IshikawaDepartment of Neurosurgery, St. Luke’s International Hospital, Tokyo

14 : 40-15 : 20

■ Symposium 5: Basic Reaserch and CSF  Moderators: Masakazu Miyajima, Chikafusa Kadowaki, Shigeaki Ono

13 Polarity of ependymal cells at the lateral wall of the lateral ventricles in developing and aged mice

Masato Sawada, Shih-hui Huang, Yuki Hirota, Kazunobu SawamotoDepartment of Developmental and Regenerative Biology, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Aichi

14 Leucine-rich alpha-2-glycoprotein 1 (LRG1) .conditioning mouseMasakazu Miyajima 1), Madoka Nakajima 1), Ikuko Ogino 1), Hajime Arai 1), Norihiro Tada 2)

1) Department of Neurosurgery, Juntendo University, Tokyo, 2) Research institute for diseases of old age, Juntendo University, Tokyo

15 Association between initial CSF cytokine levels and corpus callosum injuryHidetoshi Matsukawa 1), Masaki Shinoda 1), Motoharu Fujii 1), Osamu Takahashi 2), Atsushi Murakata 1), Daisuke Yamamoto 1), Sosuke Sumiyoshi 1), Ryoichi Ishikawa 1)

1) Department of Neurosurgery, St. Luke’s International Hospital, Tokyo, 2) Division of General Internal Medicine, Department of Medicine, St. Luke’s International Hospital, Tokyo

15 : 30-16 : 10

■ Symposium 6: Pediatric  Moderators: Yuichiro Nonaka , Young-Soo Park, Yuzuru Tashiro

16 Strategy of transformation from multiple shunts to single shunt with neuroendoscope

Ryuji Ishizaki, Masashi Kitagawa, Yuzuru Tashiro Department of Neurosurgery, Shizuoka Children’s Hospital, Shizuoka, Shizuoka

17 Effectiveness of endoscopic choroid plexus coagulation for hydrocephalusKodai Uematsu, Nobuhito Morota, Hideki Ogiwara, Goichiro Tamura Deaprtment of Neurosurgery, National Center for Child Health and Development

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41J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

18 New therapeutic strategy for post-IVH hydrocephalus in very low birth weight infants

Young-Soo PARK, Yukiko Kotani, Tadashi Sugimoto, Fumihiko Nishimura, Yasushi Motoyama, Hiroyuki Nakase Department of Neurosurgery, Nara Medical University, Kashihara, Nara

16 : 10-16: 50

■ Symposium 7: Postshunt problem  Moderators: Shizuo Oi, Yoshio Takahashi, Reizo Shirane

19 Consideration of CSF circulation in 5 shunt-free casesShigeki Ono 1), Masahiro Kameda 2), Isao Date 2)

1) Department of Neurosurgery, Kawasaki Medical School2) Department of Neurological Surgery, Okayama University Graduate School of Medicine, Dentistry, and Pharmaceutical Sciences

20 CSF dynamics for effective endoscopic surgery in the management of shunted hydrocephalus patients with myeloschisis

Yuichiro Nonaka 1), Shizuo Oi 2), Tomoru Miwa 1), Toshiaki Abe 1)

1) Department of Neurosurgery, The Jikei University, Tokyo2) Dean, St. Thomas University, Amagasaki, Hyogo

21 Advanced Treatment for Hydrocephalus in Infants and its Issues in the Chronic stage ─ Part I : How to respond efficiently and promptly to complex problems of advanced treatment for pediatric hydrocephalus in the chronic clinical problems ─

Yoshio TakahashiDepartment of Pediatric Neurosurgery, Tomakomai Neurosurgical Hospital and Ohkawara Neurosurgical Hospital, Hokkaido

16 : 50-16 : 55 Anouncement for the 6th JSHCSF Masaki Shinoda

16 : 55- Closing Remark: Hajime Arai President of JSHCSF

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42 J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

シンポジウム 1:画像 1水頭症の分類を目指した MR による脳脊髄液の速度・渦・圧勾配の解析Magnetic Resonance Evaluation of Time-varying Velocity, Vortex and Pressure Gradient of Cerebrospinal Fluid for Hydrocephalic Classification

○平山晃大 1),八ツ代諭 2),厚見秀樹 1),Afnizanfaizal Abdulla 2),黒田 輝 2),松前光紀 1)

1)東海大学医学部脳神経外科,2)東海大学情報理工学部情報科学科Akihiro Hirayama1), Satoshi Yatsushiro2), Hideki Atsumi1), Afnizanfaizal Abdulla2), Kagayaki Kuroda2), Mitsunori Matsumae1)

 【背景】MRIにおける位相コントラスト(PC)法は,脳脊髄液運動を非侵襲に可視化するだけでなく,速度を定量できる利点があり,主として正常な循環動態の把握に用いられてきた.我々は PC法によって得られた速度情報に基づいて,渦および圧勾配をベクトルならびに色差を用いて定量可視化する方法を開発してきた.本研究では病態分類を目指した解析を試みた. 【方法】健常者(11名,26~ 60歳)ならびに水頭症患者(10名,26~ 85歳)ボランティアに対して,正中矢状断ならびにモンロー孔を含む冠状断にて撮影を行った.前後,左右,上下の 3方向に脈波同期下にて速度エンコードを行い,ボクセル毎の髄液速度を頭尾・背腹方向はベクトル,左右方向は色調で可視化した.得られた速度画像を同一スライスで撮像した T2強調像に重畳させ,1心拍内での速度変化を動画として描出した.さらに速度場の渦ならびに圧勾配を求めた.これらの速度,渦,圧勾配について脳脊髄腔内の特定部位における定量化を行い,健常者間及び健常者─水頭症患者間の比較を行った.またファントム実験を行い,本解析法の妥当性の評価を行った. 【結果】健常者で得られた結果より第三脳室ならびに脳槽周囲に強い拍動性の動きと乱流が観察された.また頭蓋内中枢部において高い圧勾配が認められた.さらに閉塞性水頭症患者においては健常者と比べて脳脊髄液の動きが緩慢であり,定量結果の比較でも明らかな相違を示すことができた.ファントム実験では本法の妥当性を明らかにすることができた. 【考察】PC法にて健常者,水頭症患者の脳脊髄液動態を広範囲にとらえることができたが,健常者間における共通の動態パターンを見いだすことは困難であった.しかしながら健常者─水頭症患者間においては動態の明らかな相違が認められたことから病態分類に応用できることが示唆された.

抄  録

Page 13: Journal of Hydrocephalus - m3.com

43J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

2

特発性正常圧水頭症における大脳白質心拍同期 ADC の変化Changes of the regional apparent diffusion coefficient of the brain during the cardiac cycle in patients with idiopathic normal pressure hydrocephalus

○間瀬光人 1),大沢知士 1),宮地利明 2),菅 博人 2),出村光一朗 1),笠井治昌 3),山田和雄 1)

1)名古屋市立大学大学院医学研究科脳神経外科学,2)金沢大学大学院医学系研究科保健学科,3)名古屋市立大学病院中央放射線部

Mase M 1), Osawa T 1), Miyati T 2), Kan H 2), Demura K 1), Kasai H 3), Yamada K1)

 【背景・目的】脳実質の apparent diffusion coefficient(ADC)は心拍動に伴って変化する(delta-ADCと呼ぶ).本研究の目的は特発性正常圧水頭症(iNPH)における脳実質内の water dynamicsを delta-ADCで評価し,iNPHの症状発現機序について検討することである.【方法】対象は iNPH確定例(iNPH群,n=13),無症候性脳室拡大 (VD群,n=8),健常者(control群,n=10)である.全例に 1.5T MRI装置を用い,前頭葉白質におけるADCおよび delta-ADC値を得た.iNPH群では術前後,tap test前後にMRIを施行した.Delta-ADCとは 1心拍中のADCの変動値で,心拍同期した diffusion echo planner imaging(b=0,1000 s/mm2)を行い,1心拍中 20 phaseのADC値の最大値と最小値の差をpixel by pixelに計算して求めた.【結果】iNPH 群の術前 delta-ADC値は VD群および control群に比べ有意に高値であったが,VD群と control群の間には有意差はなかった.iNPH群において tap test後 24時間の delta-ADC値は有意に低下し,術後の delta-ADC値も低下した.これに対し ADC値はいずれも有意な変化を認めなかった.【考察・結論】delta-ADCとADCは必ずしも類似の情報ではなく,ADCが主に細胞内外の水分量に依存するのに対し,delta-ADCは水の周期的変動や量に依存していると考えられる.Tap test後,シャント後に前頭葉白質における delta-ADC値が低下することから,同部の水分子の変動による物理学的環境変化が正常圧水頭症の症状発現に関与している可能性が示唆される.

シンポジウム 2:内視鏡 3

成人後頭蓋窩病変に発症した閉塞性水頭症に対する第三脳室底開窓術の検討Endoscopic third ventriculostomy for occlusive hydrocephalus associated with posterior fossa lesions in adults

○中島伸幸 1),冨田丈博 1),伊澤仁之 1),福原宏和 1),和田 淳 1),斎田晃彦 1),秋元治朗 1),深見真二郎 1),原岡 襄 1),三木 保 2)

1)東京医科大学脳神経外科,2)東京医科大学茨城医療センタ-脳神経外科

Nobuyuki Nakajima 1), Takehiro Tomita 1), Hitoshi Izawa 1), Hirokazu Fukuhara 1), Jun Wada 1), Akihiko Saida 1), Jiro Akimoto 1), Shinjiro Fukami 1), Jo Haraoka 1), Tamotsu Miki 2)

 小児後頭蓋窩病変に発症する閉塞性水頭症への内視鏡的第三脳室開窓術(ETV, Endoscopic third ventriculostomy)の有用性は報告されている.しかしながら,成人に発症した後頭蓋窩病変に伴う閉塞性水頭症に対するETVの役割は明らかではない.【目的】成人後頭蓋窩病変に発症した閉塞性水頭症に対するETVを後方視的に検討.【対象と方法】1998年 3月から2012年 5月,単一施設における成人発症の後頭蓋窩病変に伴う閉塞性水頭症 15例を対象.男 7例,女 8例.18─ 78歳(中央値 58).腫瘍性病変 8例(類上皮腫 2,血管芽腫 2,転移性脳腫瘍 2,脈絡叢乳頭腫 1,膠芽腫 1),血管障害 6例(小脳梗塞 5,脳動静脈奇形 1),炎症性疾患 1例(IG4関連肥厚性硬膜炎).経過観察期間中央値 9ヵ月.緊急手術 11例,予定手術 4例.ETVは,原疾患の治療前 7例,同時 3例,原疾患の治療後 5例に行われた.4例にて中脳水道経由に第4脳室内を観察し,3例に同時に内視鏡的腫瘍生検を行った.【結果】15例全例に ETVを完遂できた.内視鏡所見にて急性水頭症(灰白隆起の菲薄化や乳頭体の開大なし)11例,慢性水頭症 4例であり,急性例は橋前槽が狭い,脳幹が前方に突出している,脳底動脈が透見できないなど難易度が高い印象を受けた.上行性ヘルニアを含め,ETVに伴う重篤な合併症はなかった.13例(87%)は ETV単独にて水頭症を制御でき,2例に脳室腹腔シャント術(VPS)を要した(脈絡叢乳頭腫,小脳梗塞).術前 KPSは 10─ 90%(中央値 35%),術後 1ヵ月KPSは 20─ 100%(中央値 60)であり,改善 10例(66%),不変 4例,悪化 1例であった.不変 4例の内,2例はVPSの追加にて改善した.【結語】成人の後頭蓋窩病変は,多様かつ様々な時期に水頭症が発生する.加えて,緊急を要することが多く,従来,外ドレナージやVPSが行われてきた.しかし,少数例の報告ではあるが,成人発症の後頭蓋窩病変の水頭症管理として,ETVの安全性,効果は,共に高い印象を受けた.

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44 J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

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水頭症関連病態に対する脳室鏡視下手術後に生じる頭蓋内出血Intracranial hemorrhage afterendoscopic surgery in hydrocephalic patients

○西山健一,佐野正和,吉村淳一,藤井幸彦新潟大学脳研究所脳神経外科Kenichi Nishiyama, Masakazu Sano, Junichi Yoshimura, Yukihito Fujii

 【目的】水頭症関連病態に対する脳室鏡視下手術後に頭蓋内出血を認めることがある.本研究では,その病因と予防法を考える.【方法】過去 15年間に経頭蓋冠的に内視鏡下手術を施行した 282例(出生 1日~ 86歳 ,平均 26.8歳 ,

中央値 16歳,男性 156例 ,女性 126例)を対象とした.術後 CT画像で出血の有無を確認し,年齢,原疾患,頭蓋内出血の部位,手術手技,手術時間等を後方視的に検討した.【結果】282例中 12例(4.3%)で術後出血を確認した.うち 1例は 25歳の脳室内腫瘍に対し内視鏡支援下に手術顕微鏡視下の摘出術を行い,術後 CTで大脳半球間裂に硬膜下血腫を認めた症例であった.残りの 11例は全て小児の水頭症関連疾患で,年齢は出生 1日~ 18カ月(平均 4.4

カ月,中央値 1カ月),男性 8例,女性 3例.6例が新生児例であった.出血部位は硬膜下血腫 6例,硬膜外血腫 1

例,脳室内 2例,脳内 1例,嚢胞内 1例,腫瘍内 1例.原疾患は水頭症 10例(3例が嚢胞,1例が腫瘍を合併),先天性腫瘍 1例.手術手技別では水頭症手術(第㈽脳室底開窓術,中脳水道形成術,嚢胞開窓術)6例,シャント術の観察支援 4例,生検術 1例,うち水頭症関連の 3例ではシャントも同時施行.使用した内視鏡は,軟性鏡(φ =4.5

mm<)7例,(φ =2.5 mm)2例で,硬性鏡(φ =4.5 mm<)1例,(φ =2.5 mm)1例.軟性鏡は全て透明シース内を経由した操作であった.手術時間は,40─ 187分(平均 115分,中央値 113分).出血の関与が疑われる死亡例を 1

例に認めたが,他 10例では後遺障害を残していない.【考察】乳児期早期例,およびシースを使用した軟性鏡手術例に出血が多い.頭蓋冠が未完成なこの年齢において,急速な髄液脱失に伴う頭蓋の虚脱や静脈還流の変化が関連しているものと考察する.従って,乳児例では必要最低限の内視鏡操作に留めるべきで,髄液脱失を最小限に抑えるべく細径内視鏡で頭蓋への出入を控えた手術操作が肝要と考える.【結論】乳児期早期では内視鏡視下手術後の頭蓋内出血が合併しやすく,手術操作に留意すべきである.

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第三脳室底開窓術不成功例の検討─脳コンプライアンスと開窓孔の抵抗に関する考察─Failure analysis of endoscopic third ventriculostomy. ─ Consideration on brain compliance and resistance of the stoma ─

○野村貞宏,出口 誠,貞廣浩和,五島久陽,鈴木倫保山口大学脳神経外科Sadahiro Nomura, Makoto Ideguchi, Hirokazu Sadahiro, Hisaharu Goto, Michiyasu Suzuki

 【目的】第三脳室底開窓術(ETV)不成功例の中には,非交通性かつ高圧性の水頭症で,開窓部が開存している例もある.本治療に必要な条件を考察した.【症例】症例 1:1歳の男児,松果体部奇形腫.腫瘍生検と同時に ETV

を行い,1か月後経皮質経脈絡裂法により腫瘍全摘を行った.脳室解放部から硬膜下への髄液流出が続くため脳室腹腔シャント術を必要とした.症例 2:9歳の男児,鞍上部くも膜嚢胞.脳槽造影では嚢胞 -くも膜下腔間は交通があるものの,クリアランスは嚢胞で不良,くも膜下腔は良好であった.ETV+嚢胞解放後,嚢胞は縮小したが,側脳室壁に孔脳症が現れた.症例 3: 6歳の女児,第四脳室内上衣腫.正中後頭下開頭による腫瘍亜全摘の 3か月後,脳室の再増大と後頭下皮下髄液貯留を認めた.ETVと髄液貯留部皮膚の圧迫を行ったが,水頭症は改善しなかった.

【考察】ETVは髄液を脳室内とくも膜下腔に均等に分布させるための手術であり,髄液を脳室から送り出すポンプは脳である.3例の不成功原因は,脳実質欠損または頭蓋欠損によるポンプ機能不全である.脳実質のコンプライアンスが高いことと開窓孔の抵抗が低い(孔が大きい)ことが ETV成功の条件である.

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45J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

シンポジウム 3:iNPH 6

シャントコントロール再考Reconsideration about shunt control

○三宅裕治,辻 雅夫,浮田 透,英 賢一郎,山田佳孝タッカー アダム,上杉哲平,大村武久西宮協立脳神経外科病院脳神経外科

Hiroji Miyake, Masao Tsuji, Tohru Ukita, Kenichiro Hanabusa, Yoshitaka Yamada, Adam Tucker, Teppei Uesugi, Takehisa Ohmura

 世界初の圧可変バルブであるソフィーバルブが登場して以来,種々のバルブが開発されシャント治療に多大の貢献をしてきた.特に iNPHを治療する上で最も問題となる合併症はオーバードレナージであるが,これは如何なる病態を指すのであろうか ? 臥位から座位への体位変換でシャント流量は急激に増加するが,その現象は一時的であり,直ちに頭蓋内圧が低下,腹腔内圧が上昇することでシャント潅流圧は相殺され,20分前後で定常状態となる.この時のシャント流量は毎分 0.6 ml前後で,見かけの髄液産生量に相当する量と考えられる.この様にシャント流量自体は自然に落ち着くところに落ち着くので,シャントコントロールは定常状態での頭蓋内圧低下をどの程度に留めるかを主眼に置くことが重要となる.SINPHONIでは,坐位 ICPを- 26 cmH2Oとなるように計算された設定早見表を用いて CHPVを初期設定し,シャントレスポンダー以上が 80%,手術を要した慢性硬膜下血腫の出現は僅かに 1例のみと極めて良好な結果を得た.この事からも SINPHONI II の結果が出るまでは可変式抗サイフォンバルブの使用は必要と思われる症例に留めるべきと考える.これまでの研究を紹介すると共に SINPHONIの結果を併せて報告する.

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当院における INPH シャント術に関わる初期圧設定の概念変化Conceptional change of initial setting pressure of CHPV and with SG for iNPH

○橋本正明,渡辺卓也,北林朋宏公立能登総合病院脳神経外科Masaaki Hashimoto, Takuya Watanabe, Tomohiro Kitabayashi

 当院では 1994年より特発性正常圧水頭症 (iNPH)に対し CHPVにてシャント手術を行ってきた.今回はこれまでの iNPH 193症例の経験を通して,SiphonGuard(SG)の有無を含め初期設定圧(IP)に注目して 4期に別け,設定に関わる概念変化を比較検討した.I 期 (1994─2000:46例,IP = 90.9± 14.8 mmH20),INPHに対して CHPVを用い,INPHの存在とともに,その良好なシャント効果を確認した時期.II 期 (2000─2003: 46例,IP = 117± 32

mmH20),Overdrainage (OD)問題を認識し IPを高めに設定.CHPVにおける三宅式の初期圧設定表の妥当性も確認.III 期 (2003─2006: 43例 , IP = 116± 29 mmH20),II期においても OD問題が認識され,を導入開始.当初,Underdrainageを考慮しつつ設定模索を開始した.IV期 (2006─2012: 57例,内 LP 25例,IP =149± 23 mmH20),VPおよびLP shuntに関わらず SG使用によるシャント効果を確認しながら,現状の比較的高圧設定より開始し,以後,徐々に設定を下げる方針で現状に至る.第 III期以降,INPH症例には 100% with SGを使用しており,2003年以降9年の経過においても,CSH, SD fluid collectionおよび ASD hematomaなど OD問題はほとんど消失した良好な経過を実感している.INPHの治療にはシャント効果ばかりでなく,長期的な OD問題の回避が重要であり,CHPV with

SGの有効性を確認できた.当院における約 18年間における CHPVおよび SG使用の経験より,iNPH治療における対応概念変化を述べるとともに,その理由としての作業仮説を提案したい.

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iNPH における定量評価法の検討Quantitative assessments for iNPH

○石川正恒音羽病院正常圧水頭症センターMasatsune IshikawaPresident Hydrocephalus 2012

 【目的】iNPHの評価には修正ランキンスケールや iNPH 重症度分類があるが,これらには評価者の判断の違いが入る可能性が高い.一方,定量的評価法はより客観的にみえるが,患者の状態の変化もあり,必ずしもタップテストと術後の変化が一致する訳ではない.我々は,どの定量法がより信頼性が高いかを検討した.【方法】最近約 2年間に iNPH

でシャント手術を行った 72例中,タップテストの前後および退院前の成績が得られた 39 例について,検討を行った.医師およびリハビリ士の全体改善度,3 m timed up & go test(TUG),3 m to & from test(3M TO&FROM),10 m

直線歩行(時間)(10M TIME),10 m 直線歩行(歩数)(10M STEPS),10 m 直線歩行(速度)(10M SPEED),10

m 直線歩行(歩幅)(10M STRIDE)について,タップテスト前後と状津後早期の状態との相関を比較検討した.同様に,ミニメンタルテスト(MMSE)および【結果】医師判定では改善が 74.3%に,リハ士判定では 30.7%で,明らかな違いを認めた.タップテストと術後早期の相関を見ると,もっとも寄与率の高いのは 10 m直線歩行歩数で 0.504であった.TUGは寄与率 0.104で,術後の効果予測には使いにくいと思われた.MMSEと FABについても検討を行ったが,寄与率はそれぞれ 0.368. 0.557で FABがもっとも高い値であった.【まとめ】改善度の判定は医師は甘く,リハビリ士は厳しい印象があった.タップテストは術後早期と相関が低く,予後予測には向いていないと思われた.歩行で相関が高いのは 10 m 歩数,高次機能では FABであった.【結語】個々の定量法において,改善度を定義する必要がある.

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米国における水頭症研究最前線Hydrocephalus Research in U.S.A.

稲垣隆介Takayuki InagakiSt. Thomas University, Amagasaki, Hyogo

水頭症研究マスターズ・ジャパン 2011 アワードThe Hydrocephalus Research Masters Japan Award

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Review of hydrocephalus and/ or cerebrospinalfluid related articles from Japan; the last decade Since 2001

篠田正樹,藤井本晴,村形 敦,松川東俊,山本大輔,住吉壮介,石川陵一聖路加国際病院脳神経外科Masaki Shinoda, Fujii Motoharu, Atsushi Murakata, Hidetoshi Matsukawa, Daisuke Yamamoto, Sosuke Sumiyoshi, Ryoichi Ishikawa

 2001年に刊行された日本発の水頭症・脳脊髄液関連の英論文をこの 10年間に英文誌にて citationされた数の上位論文を表彰する.

特別講演 1

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47J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

シンポジウム 4:病態,手術11

回復期リハビリテーション期における CSF シャントCSF shunt for Secondary Normal Pressure Hydrocephalus in Convalescent Rehabilitation

○門脇親房杉並リハビリテーション病院 杏林大学医学部脳神経外科Chikafusa Kadowaki

 2000年から導入された回復期リハビリテーション(回復期リハ)の対象に,くも膜下出血後水頭症に対する髄液短絡術(CSF シャント)後例が挙げられる.回復期リハ期では,臥床姿位から座位・立位・歩行へと,短期間に日常生活動作が大きく変化するため,その変化に伴ったシャント機能の評価と適切なる頭蓋内環境に見合った設定圧への変更が必要となる.この 3年間に経験したくも膜下出血後 CSFシャントを受けた回復期リハ例の CSFシャントのタイプ /初期設定圧 /入院中に変更した設定圧とその推移などについて検討した.【対象】2009年 4月~ 2012

年 3月の 3年間に当院へ回復期リハを目的に入院した脳疾患 867例の中,くも膜下出血後の回復期リハ入院 71例中CSF シャントを受けていた 40例.年齢 46歳~ 93歳(平均 68.8歳)の男性 8と女性 32.【結果】CSFシャントタイプ:35脳室─腹腔(VP)シャント,5腰椎くも膜下腔─腹腔(LP)シャント.バルブ種類:可変圧 38,固定圧 1,不明 1.入院経過中,設定圧変更を要したのは 7例.それらの内,3例は段階的に設定圧を上昇 /低下させ良好な経過であった.シャント内流量不足を疑い,設定圧を段階的に下げても脳室の縮小などが得られなかった 3例は機能不全(シャント内流量不足 /シャント閉塞)の診断で急性期病院での CSFシャント再建を受け,もう 1例はバルブ破損によるCSFシャント機能不全を来たし,急性期病院でのバルブ摘出を受けた. シャント感染の発生はなかった.【結論】くも膜下出血後の正常圧水頭症への CSFシャント・システムや設定圧を決めるに当たって,その後急速に改善する日常生活動作や姿勢の変化への対応を考慮することが必要であり,回復期リハビリテーション制度を利用する例においては可変圧バルブや anti-siphonバルブなどを用いることが望ましい.

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脊髄癌性髄膜炎に対する Lumbar CSF reservoirLumbar CSF reservoir for the patients with spinal meningitis carcinomatosa

○住吉壮介,篠田正樹,藤井本晴,村形 敦,松川東俊,山本大輔,石川陵一聖路加国際病院脳神経外科Sosuke Sumiyoshi, Masaki Shinoda, Motoharu Fujii, Atsushi Murakata, Toshiharu Matsukawa, Daisuke Yamamoto, Ryoichi Ishikawa

 乳がんを代表とする実質がんの治療成績の向上に伴い,中枢神経系に対する転移症例が増加している.中枢神経系に対する転移の中でもがん性髄膜炎は治療として薬物,放射線療法などの対象となるが,髄腔内薬剤投与の選択が出ることがある.現在薬剤髄腔内投与は腰椎穿刺,腰椎腔へのドレナージを使用した場合では,単回の処置が基本となり,患者の各処置での疼痛コントロール感染機会の増加などの問題もある.我々は脳室拡大を伴わずないOmmaya reservoirの設置が困難な症例において腰椎─腹腔シャント術のカテーテルを使用した Lumbar CSF reservoir

を設置し,良好な結果を得たので報告する.本研究の一部は,喫煙科学研究財団の助成によりなされたものである.

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48 J. Hydrocephalus, Vol. 4, No. 1 2012

シンポジウム 5:基礎研究13

発達期・老齢期のマウス側脳室外側壁における上衣細胞の極性Polarity of ependymal cells at the lateral wall of the lateral ventricles in developing and aged mice

○澤田雅人,黄 詩惠,廣田ゆき,澤本和延名古屋市立大学大学院医学研究科再生医学分野Masato Sawada, Shih-hui Huang, Yuki Hirota, Kazunobu Sawamoto

 脳脊髄液に接する脳室壁の表面には,多数の可動性繊毛を有する上衣細胞が存在する.我々は,マウスを用いて上衣細胞の役割および分化のメカニズムを研究してきた.分化途中の上衣細胞において,基底小体と呼ばれる細胞内小器官が細胞膜に結合し,繊毛が伸長する.未熟な上衣細胞においては,繊毛運動の方向は不規則であるが,生後一週間で基底小体が前方を向くようになり,協調的な繊毛運動が生じる.我々は,このような上衣細胞の極性決定に,細胞表面を流れる液流の刺激と平面内細胞極性シグナルが関与していることを明らかにした.また,発達期の上衣細胞において,非筋細胞ミオシン IIの働きによって基底小体が一時的に細胞前方に偏って極性を形成することを見いだした.しかし,脳の発達・老化過程の脳室面全域における上衣細胞の極性の変化については十分に解析されていない.そこで,本研究では,発達期から老齢期に至る各ステージのマウスを用いて側脳室外側壁のホールマウント標本を作製し,脳室面全域における上衣細胞の極性形成の変化を観察した.基底小体及び繊毛を可視化して解析したところ,上衣細胞の極性の変化は側脳室外側壁全体を通じて一様に生じるのではなく,腹側から始まり,背側へと移行していくことが明らかになった.興味深いことに,基底小体の細胞内分布は,発達期だけでなく成体以降も大きく変化し続け,老齢期には,発達期には見られない特徴的な分布を示した.このように上衣細胞の極性が生涯を通じて大きく変化することの意義は不明であるが,脳室壁組織の発達・老化や脳室下帯におけるニューロン新生の変化に関連している可能性があると考えられる.

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Leucine-rich alpha-2-glycoprotein 1(LRG1)コンデションニングマウスの解析Leucine-rich alpha-2-glycoprotein 1 (LRG1) .conditioning mouse

○宮嶋雅一 1),中島 円 1),荻野郁子 1),新井 一 1),多田昇弘 2)

1)順天堂大学脳神経外科,2)老人性疾患病態・治療研究センター遺伝子解析モデル研究室Masakazu Miyajima 1), Madoka Nakajima 1), Ikuko Ogino 1), Hajime Arai 1), Norihiro Tada 2)

 【目的】LRG1は正常圧水頭症患者の髄液のプロテオーム解析の結果,正常対照群と比較して優位に増加している蛋白の一つである.マウスでは LRG1は大脳皮質,基底核,視床,視床下部,脳幹の神経細胞やグリア細胞,小脳のプルキンエ細胞,グリア細胞,小脳核の神経細胞に広範囲に発現している.更に加齢とともにその発現が増加する.我々は LRG1の中枢神経系での機能を解析する目的で,中枢神経系に LRG1が特異的に過剰発現する double

transgenic mouse (dtg)を作製した.今回は生後 8週齢及び生後 1年の大脳皮質を組織学的に検討した.【対象と方法】CAG-loxP-GFP-loxP-LRG1ベクターを作製し,このベクターをマウス卵に遺伝子導入し,CAG-loxP-GFP-loxP-

LRG1遺伝子導入マウスを作製した.次に CAG-loxP-GFP-loxP-LRG1遺伝子導入マウスと GFAP-Cre Tag マウスを交配し,GFAPプロモーターが活性化される細胞において,Cre組換え酵素により GFPが除かれ,LRG1が過剰発現するマウスを作製した.RT-PCR法とマウス LRG1抗体を用いたWestern blot法で脳組織での,LRG1の発現を確認した.脳の形態学的変化と大脳皮質を免疫組織染色にて検討した.【結果と考察】生後 8週齢の dtg mouseは wild type

と比較して小頭を呈し,脳室は軽度拡大していた.大脳皮質は 6層構造は保たれているが,wild typeと比較して薄く,また細胞数の減少を認めた.LRG陽性の神経細胞及びグリア細胞は,wild typeと比較して増加していた.幼弱な神経幹細胞においても GFAPは発現する為,神経細胞においても LRG1の発現が増加していると考えられた.生後 1

年の dtg mouseでは,同年齢の wild typeと比較すると更に大脳皮質は薄く,神経細胞の顕著な減少を認めた.LRG1

は大脳の発生時期には神経細胞やグリア細胞の移動に関与し,その後は神経細胞の生存にも関与している事が推定される.

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脳梁損傷症例における脳脊髄液サイトカイン値と障害程度との相関性Association between initial CSF cytokine levels and corpus callosum injury

○松川東俊 1),篠田正樹 1),藤井本晴 1),高橋 理 2),村形 敦 1),山本大輔 1),住吉壮介 1),石川 陵一 1)

1)聖路加国際病院脳神経外科・2)聖路加国際病院臨床疫学センターHidetoshi Matsukawa 1), Masaki Shinoda 1), Motoharu Fujii 1), Osamu Takahashi 2), Atsushi Murakata 1), Daisuke Yamamoto 1), Ryoichi Ishikawa 1)

 中枢神経系損傷(TBI)における外傷後炎症反応は二次的脳障害に大きく影響する.その中でもサイトカインは主要な役割を行っていると考えられている.研究目的として TBIにおける局所炎症反応の程度を髄液中サイトカイン定量により検討することである.【方法】TBI4症例の髄液中のサイトカインをびまん性軸索損傷(DAI)とそれ以外の非 DAI患者とに分け髄液中 IL-1b,IL-2,IL-6,IL-8,IL-10,および TNF-aレベルの検討を行った.髄液中の各サイトカインは enzyme immunoassay (EIA)により測定した.TBIの髄液は開頭術によりくも膜下腔より直接採取し,非 TBIの髄液は脳室穿刺にて得られたものを対象とした.【結果】IL-6と IL-8において脳梁膝部損傷合併患者で高値を呈した.しかし,他のサイトカインは脳梁膝部損傷のあるなしで大きな差は認められなかった.【考察】TBIにおいても損傷部位,程度により実質損傷を反映する髄液中サイトカインの逸脱・増減に大きな違いがあることが示唆された.

シンポジウム 6:小児16

当院における小児水頭症に対する神経内視鏡併用による単シャント化戦略Strategy of transformation from multiple shunts to single shunt with neuroendoscope

○石崎竜司,北川雅史,田代 弦 静岡県立こども病院脳神経外科Ryuji Ishizaki, Masashi Kitagawa, Yuzuru Tashiro

 【目的】水頭症に対してシャント設置しかなかった頃は,多房化した脳室にカテーテルを多数挿入するしかなかったが,圧較差の問題や感染の危険を増やす結果となっていた.現在は神経内視鏡の登場により,水頭症治療法も多様化している.当院では,小児水頭症に対して積極的に内視鏡下開窓・ステントとしての脳室カテーテル留置を導入しているため,内視鏡を併用した単シャント化について検討した.【対象】2006年 4月から 2011年 12月までの間で,当院にて内視鏡を併用した単シャント化を施行した 30例について検討した.【結果】平均年齢は 3.96歳で,男 8例,女 22例であった.手術の内訳は,孤立性第 4脳室にたいする中脳水道ステントが 14例で,脳室開窓術が 16例であった.脳室開窓術には,多房性水頭症とシャント不全が 6例ずつと二分頭蓋 4例が含まれていた.多房性水頭症と二分頭蓋については,複数回の手術を要するものが多かった.手術による合併症は認めなかった.脳室カテーテルは,中脳水道ステントと脳室開窓術を行った 1例を除き,1本でコントロールすることができた.【考察】多房性水頭症や二分頭蓋に伴う水頭症などの特異なものについては,脳室の複雑な構造や脳室拡大の改善に伴う開窓部の閉塞のために複数回の手術を要することが多いが,当院では,可能な限り大きな開窓部を作成することと,脳室カテーテルが開窓部を超える形で留置することで対応している.【結語】小児水頭症に対する神経内視鏡の併用手術は,安全に施行可能であり,脳室カテーテルの数を減らすことで水頭症管理をより容易で安全なものとする.

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内視鏡的脈絡叢凝固術の効果 小児水頭症における内視鏡再手術症例の検討Effectiveness of endoscopic choroid plexus coagulation for hydrocephalus

○植松幸大,師田信人,荻原英樹,田村剛一郎国立成育医療研究センター脳神経外科Kodai Uematsu, Nobuhito Morota, Hideki Ogiwara, Goichiro Tamura

 【目的】小児水頭症に対する治療は VPシャント,第 3脳室底開窓術(ETV)など多岐にわたるが,近年では内視鏡的脈絡叢凝固術(Choroid Plexus Coagulation:CPC)も注目されている手法の一つである.また,ETVに CPCを加えることで,ETV success rateを上昇させることも報告されており,今後より一層 CPCが普及していくことが予想される.一方で,脈絡叢の再生に関する見解は定まっておらず,CPCの効果の持続に関してはいまだ議論の余地がある.今回我々は CPCを施行した小児水頭症症例のなかで,後に内視鏡的再手術を必要とした症例を抽出し,術中所見をもとに脈絡叢の再生に関して検討した.【方法】2002年 4月から 2012年 8月の間に当施設で施行されたCPC:23例のうち,後に内視鏡的再手術を施行した 3例について検討した.患児の初回 CPC施行時の年齢はそれぞれ 5カ月,12カ月,7カ月.内視鏡的再手術までの期間は 1カ月,38カ月,2カ月であった.手術は全例,側脳室前角穿刺によるアプローチを用い,軟性内視鏡を使用した.可視範囲の脈絡叢を可及的に凝固し,対側側脳室に関しても中隔開窓術を施行し,同様の手技を施行した.初回 CPCと再手術の際の術中所見の比較,原因疾患,再手術となった原因,画像所見などに関して検討を行った.【結果】水頭症の原因疾患の内訳は脳室内出血後:1例,中脳水道狭窄:1例,脊髄髄膜瘤:1例であった.再手術を必要とした 3例中全例の術中所見において,凝固した脈絡叢の再生を示唆する所見は認めず,ETV stomaの閉塞が水頭症再発の原因となっていた.【考察】脈絡叢が再生するか否かに関しては,いまだ一定の見解を得ていない.今回,我々が検討した 3症例では全例で CPC後の脈絡叢の再生を認めなかった.また,最長 38カ月もの期間をおいた後でも脈絡叢再生を認めなかった症例が存在したことから,CPCの効果は長期にわたって持続することが示唆された.

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超低出生体重児脳室内出血後水頭症に対する新たな治療戦略─神経機能予後改善を目指して─New therapeutic strategy for post-IVH hydrocephalus in very low birth weight infants

○朴 永銖 , 小谷有希子 , 杉本 正 , 西村文彦 , 本山 靖 , 中瀬裕之奈良県立医科大学脳神経外科Young-Soo PARK, Yukiko Kotani, Tadashi Sugimoto, Fumihiko Nishimura, Yasushi Motoyama, Hiroyuki Nakase

 【目的】超低出生体重児脳室内出血後水頭症に対する治療は困難を極める.我々は発症早期より PIカテーテルを用いた脳室ドレナージ管理(EVD)を積極的に導入し,さらには最近の症例に対しウロキナーゼ(UK)脳室内投与による線溶療法を併用することにより,V-Pシャントフリーな状態までに回復させることが出来た著効例を経験した.今回,神経機能予後も含めた治療成績について報告する.【対象・方法】2004 年 8月~ 2012年 6月までに,PIカテーテル(24G,

径 0.63 mm)による EVD 管理を行った 12例.平均出生週数 26w(22w5d~ 32w0d),平均出生体重 893 g(478

~ 1846 g).合計 17回のドレナージ管理期間(5例には 2回留置)は平均 64.1日(10 ~ 116日),最近の 7症例には血腫溶解目的で UK 脳室内投与を平均 8.8日間(5-14日)施行した.【結果】ドレナージ留置操作,長期ドレナージ管理や UK注入に伴う重篤な合併症は感染,再出血を含めゼロであった.ドレーン閉塞 :3回,カテーテル導出部髄液漏れ :1回,事故抜去 :1回を生じ,反対側から再度 EVDを施行し問題なく経過した.5例では V-Pシャント術を最終的に行ったが,UK脳室内投与を試みた 7例の内 5例はではシャントを留置することなく水頭症が軽快し,そのいずれもが 1000 g以下の超低出生体重児例であった.全例で十分な脳実質を早期に獲得することが可能であった.修正 24ヶ月までフォローが可能であった 10 症例の神経機能予後は,全例で言語理解能は良好であり,9 例が補助具無しで自力歩行可能となっている.【結論】特殊な手技や器具を要することなく,新生児室で施行可能な本治療法は重度循環呼吸合併症を有する超~極低出生体重児に対して極めて有用である.持続的 EVDは速やかに脳実質の容積を回復させ,UKの脳室内投与はシャントフリーな状態まで達成でき,長期的な神経機能予後を改善させる可能性が示唆された.

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シンポジウム 7:シャント後の問題点19

シャント free となった 5 症例における髄液循環の考察Consideration of CSF circulation in 5 shunt-free cases

○小野成紀 1),亀田雅博 2),伊達 勲 2)

1)川崎医科大学脳神経外科,2)岡山大学大学院脳神経外科Shigeki Ono 1), Masahiro Kameda 2), Isao Date 2)

 水頭症に対する治療方法として脳室腹腔シャント術は長年治療のファーストラインとして確立されたものとなっている.しかし,シャント治療の避けられない合併症として,slit ventricle syndromeやシャント閉塞,オーバードレナージ,シャント感染,成長に伴うシャントチューブ延長の必要性などが存在し,多くの症例で度重なる手術が必要となるのも事実である.最近我々は,以前行われた水頭症に対するシャントを様々な理由で抜去せざるを得なくなり,その後シャントfreeとなった症例を 5例経験し,これらにおいてシャント freeとなり得た要因を分析したので報告する.症例は 2007

年から現在まで約 5年間の脳室腹腔シャント挿入症例で,くも膜下出血(SAH)後の NPH症例 4例,原因不明の約20 年前のシャント症例が 1例であった.SAH後の NPHは全例食道癌を併発した患者で,食道癌根治術の際チューブを損傷したり,術野に露出してしまう恐れがあるとの理由でシャントチューブは一旦抜去され,様子を見てドレナージや脳室心房シャントなどへの切り替えを考慮するという治療方針となった.シャント抜去後脳室は全例若干拡大したが症状を来すこと無く経過した.20 年前に行われていたシャント症例は,シャント閉塞による急性水頭症を来し来院,ドレナージを挿入,その後のMRI 検査で中脳水道狭窄症が示唆され,第 3脳室底開窓術(ETV)が施行され軽快した.SAH後 NPH症例では,シャント後髄液循環が詳細に調べられることは殆ど無く,またシャント挿入によりその循環動態は複雑化しているためシャント抜去があえて試みられる症例は少ない.今回経験から症例によっては髄液循環を検討することでシャント freeとなり得る症例がかなりの数あることが明らかとなった.また,ETV 施行可能以前の症例ではMRIで f low studyや thin sliceによる詳細な検討を行うことでより確実にシャント freeとなり得ることが示唆された.

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シャント離脱時における神経内視鏡下第 3 脳室底開窓術を施行した脊髄披裂水頭症病態に関する検討CSF dynamics for effective endoscopic surgery in the management of shunted hydrocephalus patients with myeloschisis

○野中雄一郎 1),大井静雄 2),三輪 点 1),阿部俊昭 1)

1)東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座,2)聖トマス大学学長Yuichiro Nonaka 1), Shizuo Oi 2), Tomoru Miwa 1), Toshiaki Abe 1)

 【目的】脊髄披裂に伴う水頭症に対して,特にシャント機能不全時の治療選択の一つに神経内視鏡下第 3脳室底開窓術(ETV)が挙げられる.その選択にあたり術前画像で明らかな非交通性水頭症を診断できる症例を除き迷う場合があり,更に全ての症例において効果的でないため,安全確実な治療を行うためにその病態を検討することが必要である.【方法】外来経過観察中にシャント機能低下のため水頭症手術が必要となった脊髄披裂患児のうち ETV,シャント抜去,髄液リザーバー設置を行った 7例を対象とし,手術所見や術前後の画像所見,脳室造影検査などから水頭症病態の把握と治療効果を規定する要因を検討した.【結果】対象は 7例(男児 2例・女児 5例)で,手術時平均年齢 47.1ヶ月(1歳 1カ月~ 5歳 3

カ月),術後平均観察期間 34.9カ月(3カ月~ 6年 9カ月)であった.術前 MRIで明らかな第 3脳室底の ballooningを認めたのは 1例のみであった.6例に中脳水道狭窄(内 3例に延髄の屈曲あり)を認め,1例は橋前槽の被膜とキアリ奇形を認めた.術後 1例は頭痛・痙攣・意識障害を来したため,髄液リザーバーから髄液を排除するなどして経過をみたが,術後 10日目にシャント手術を施行した.この例では術後 MRIで第 3脳室内の flow voidを認め,第 3脳室底開窓部の開存も確認できた.またその他 2例に術後髄液皮下漏を認めたが,いずれも髄液リザーバーの再設置を行い改善した.術後脳室に注入した造影剤はシャント施行した例を除き,24時間で wash outされていた.【結語】ETVが効果的に働く要因に年齢や非交通性水頭症であることなどが挙げられるが,術前 MRIから髄液循環動態を確実に判断することは難しく,手術所見からも治療効果を予想することは困難であった.今回の検討では術後脳室造影の消失時間が 24時間以内であるものがETVの効果があり,脊髄披裂水頭症病態も症例によって異なることが示唆され,今後も症例を重ね検討する必要がある.

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現在的な小児水頭症の先端的治療の有効性を維持するための問題点と対策─ Part I:キャリーオーバーだけでなく,超慢性期での小児期治療水頭症への問題対応は可能か?─Advanced Treatment for Hydrocephalus in Infants and its Issues in the Chronic stage─ Part I : How to respond efficiently and promptly to complex problems of advanced treatment for pediatric hydrocephalus in the chronic clinical problems ─

○高橋義男とまこまい脳神経外科 大川原脳神経外科病院小児脳神経外科Yoshio Takahashi

 CTの普及とシャントシステムの開発は多くの水頭症患児に福音を与えた.また,最近は内視鏡手術なども増加している. しかし,水頭症治療は今でも対症的で,シャント依存など慢性期に多くの問題を残している.また,多くの患児は年齢とともに生活範囲が拡大するだけでなく,親,医療側の継続支援が難くなるなどから,一つの医療機関で患児が高齢になるまで診ることは不可能に近い.このように,小児水頭症治療はキャリーオーバーを含め,超慢性期にどう対応するのかという,新たな問題がつきつけられている. 【対症と研究方法】  対象は北海道第 5位市苫小牧で小児脳神経外科を開設後の 7年間に受診し,4歳未満にシャント術を受け,症状を訴えることが可能な 18歳以上の 158例.A群:18歳以上 21歳未満 48例,B群:21歳以上 31歳未満 94例,C群:30歳以上 16例に分け,今回は慢性期シャントトラブル(ST)を主に,シャント後の通院経過などと問題点を考察した. 【結果】 1.ST発生と内容:38例(24.1%)にみられ,シャント滑脱が多く,30歳以上では何らかの STが 60%以上.ST

は定期評価で,既に STがあったとされることが多く,症状を認めて受診は 8例(21.1%).2例は他院で歯痛,頭痛後の意識障害,呼吸障害後心肺停止と想定外の症状. 2.経過中の頭痛は 112例(87.9%)にみられ,緊張型頭痛が多く,シャント関連は 6例(3.8%)のみ. 3.初回シャント設置病院ないしは設置医師での継続的通院:86例(54.4%). 4.慢性期対応:北海道 80施設アンケートで他院シャント設置例でも対応可能としたのは 34施設(42.5%). 【まとめ】 1.STは超慢性期でもあり得,かつ,複雑な症状の場合がある. 2.小児水頭症の先端治療を継持するには,子どもの将来の成長,生活を考えた,やりっ放しではない慢性期治療方針とその対応システムの確立が重要.

 3.地域連携を何如にするかが必須.

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第 1 条第 1項 名称:本学会は日本水頭症脳脊髄液学会(略称:日本水頭症 CSF学会)[英文名:Japanese Society

for Hydrocephalus and Cerebrospinal Disorder, 英文略称:JSHCSF]と称する非営利団体である(以下,本会と称する).第 2項 所在地:本会の事務所は順天堂大学医学部脳神経外科に置く.第 3項 目的:日本水頭症脳脊髄液学会は,水頭症および脳脊髄液障害の医療ケアや研究調査の分野における科学技術の推進のため,そしてそれによる,以下の水頭症および脳脊髄液障害患者への可能な限り最良の治療を行なうために設立された.(a)水頭症および脳脊髄液障害患者治療のための的確な方策の保証

(b)水頭症および脳脊髄液障害患者への倫理的かつ高度な治療環境の支援と促進

(c)水頭症および脳脊髄液障害に関わる医師,研究者,医療専門関係者に向けた,医療・科学両面の,さまざまな医療・基礎科学プログラムを用意することによる,優れた専門教育の提供

(d)水頭症および脳脊髄液障害の倫理的医療行為および基本研究の支援

(e)科学的会議と出版による科学的,学問的情報の伝達

(f)若い研究者の参加と融合の奨励,および公教育と意識向上を推進

(g)学会の目的を最適な形で達成し維持するための,他団体との協力体制を提供

第 2 条第 1項 会員資格:本会会員は,水頭症・脳脊髄液障害の基礎的・臨床的研究調査,診察,治療,結果,およびその患者の擁護に携わるかあるいはそれに関連する諸分野の健康医療管理専門職,基礎および臨床的調査研究に携わる科学者,医学者 およびエンジニア,研修生によって構成される.会員資格は,年に 1回開かれる本会の学術集会に参加することで獲得される.学会会員会費は,学術集会参加登録時に支払う.また,事務局に連絡なく 3年連続して,学術集会に参加しなかった場合には,事務局よりの連絡にて意志表示の確

認のない場合会員資格を失う.会員資格に年齢制限はない.第 2項 役員:本会の役員には,理事および評議員をおく.第 3項 退会:会員は全員,役員会に書面にて退会届を提出することで退会できる.ただし,退会の日までの未納会費は支払われなければならない.第 4項 除籍:会員は全員,適切な理由により役員会で

3分の 2の評決があった場合,除籍処分となる.会費の未納や会員基準を満たしていない場合,除籍の十分な理由となると考えられ,役員会による審議は必要とされない.その他の理由により除籍を提案された会員は全員,役員会の決定の書状による通告の前に,除籍提案の理由を含めた事前通告を書面にて受け取り,それに対して,役員会宛書面にてあるいは役員会にて直接,異議を唱える機会を与えられる.第 5項 年次学術集会:学会の年次学術集会は毎年,役員会指定の場所で役員会指定の日に開催される.年次総会の主たる目的は,科学論文の発表のために教育課程およびフォーラムの場を提供することである.学会の年次総会毎に少なくとも 1回の会員総会が開催され(実務のための開会),役員会の執行役員および役員においての選挙が,さらにその他の適切な実務があればその実務も,行なわれる.第 6項 特別会議:学会の科学面および実務面での特別会議が,役員会によって指定された場所と日程で,召集される場合がある.第 7項 通告:学会の各年次総会に関する通知は,開催に先立ち,開催日の 180日前までに通知される.学会の,科学および実務の特別会議の通知に関しては,会議の開催に先立ち少なくとも 60日前には通知される.第 8 項 Journal of Hydrocephalus [ISSN: 1884 ─ 9555

(ONLINE), 1883─3640(PRINT)] を,本学会の機関誌とする.第 3 条第 1項 会費:最初の会費は役員会によって定められることになる.その後の会費変更は役員会に託され,通常会員の大多数の投票によって承認される.年会費は暦年を元に設定される.第 2項 払い戻し:いかなる会費,費用も払い戻しされ

日本水頭症脳脊髄液学会規約

2008年 12月 13日 kick off 集会議事総会にて承諾2010年 11月 28日理事会・評議員会合同会議にて改正承認

2011年 11月 6日理事会・評議員会合同会議にて改正承認

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ない.第 3項 会計年度:学会の会計年度は年次学術集会終了日から翌年の年次学術集会終了日までとする.

第 4 条第 1項 役員:学会の管理運営母体は役員会であり,学会の管理運営のための権威を有し,かつその責を負う.第 2項 役員会の構成:役員会の構成は,通常会員により選出さた評議員および評議員から選出された理事によって成る.理事(理事長,副理事長,学術集会会長,次期会長(副会長),会計庶務理事,監査理事を含む)および評議員は,年に一回以上の理事会,評議委員会を開催する.第 3項 執行役員会の選出および任期:学会の年次総会毎に役員会の新役員が選出されるが,水頭症研究の実績が主たる役員資格となる.その決定は年次学術集会での指名委員会(前理事長・現理事長・副理事長)が候補を指名し理事会の審査に基づき,評議委員会および会員総会で決定される.これらの役員は 2年の任期を務める.会長および次期会長(副会長)の執行役員の執行任期は,選出された年次学術総会に続く最初の日を初日として,1年の一任期とする.役員として,理事長,副理事長,学術集会(学会)会長,学術集会(学会)副会長は,一任期を全任期とし,再度選出されることはない.その他の理事,評議員の任期は 2年であるが,再選を妨げない.役員の定年を 65歳とし,65歳未満を役員候補の条件とする.但し,顧問・名誉役員はその限りではない.第 4項 欠員(空席):なんらかの理由により役員会に空席が生じた場合,役員会は任期の無効になっていない部分の期間中,その空席を埋めるため,適切な通常会員を指名する.指名された役員は,第 4条第 3項に記載されている通り,役員会の期間の条件が合った場合のみ,再選挙に臨むことができる.第 5項 会合:役員会は,少なくとも年 1回,その決定したいかなる時間と場所ででも,会合を開く.役員の多数(50%以上)の出席それに委任状を加えた数で定数を満たせば成立する.

第 5 条第 1項 資格:執行役員は学会の会員でなければならない.いかなる者も同時に 1つ以上の役職に就くことは

できない.執行役員は連続して任期を務めることができる.第 2項 執行役員会の選挙と任期:執行役員は学会の通常会員によって選出され,第 4条に記載されている通り,執行役員会の任期を務める.第 3項 職務:執行役員はその役職にとって通常である職務および役員会によって課せられた職務を遂行する.(a)理事長:理事長は本会の役員会議長である.理事長は,1)学会会員の全ての実務的会合を管理し,2)学会の主たる代表者として行動し,3)理事長として 1任期以上務めることはなく,4)理事会を開催する責を負い,5)必要であれば,学会の実務および議事を遂行するため,委員会あるいはタスクフォースを結成する.

(b)次期理事長:次期理事長は,理事長の任期の満了時,自動的に理事長になる.次期理事長は,必要に応じてその職務において理事長を補佐し,また,理事長あるいは役員会が決定するその他の全ての職務および責任を持つ.次期理事長は,理事長が不在の場合,その代理として行動する.次期理事長は理事長が職を務めることが不可能になった場合,辞職した場合,その職務を遂行する.

(c)庶務会計理事:庶務会計理事は,学会の会計面での執行役員であり,1)学会に正確な会計記録,議事録,通信文(記録)を保証し,2)会計的健全さを全面的に保証するため通常の基盤に基づき学会に支出および財政状態を管理する.また,3)学会の会計記録を毎年の外部の監査に提出し,4)役員会に財政的アドバイスを作成,提議する.さらに,5)会長あるいは役員会によって課せられたその他の職務を遂行する.

第 4項 権威:役員会は,学会の全ての実務および議事を管理する.役員会は常任委員会および臨時に設定されたタスクフォースの助力を得て,年次総会での投票のため,方針を作成し通常会員に推奨する.第 5項 本学会の会員の優れた学術業績に対して,「“水頭症研究マスターズ・ジャパン”アワード」と称する学会賞を授与する.