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RUN&FUNONE FOR TEAM,TEAM FOR WIN!! 北陽高校に赴任してから3年が経ちました。この間に選手達に数え切れないほどの感動と素晴らしい思い出をもらいました。 おそらく、普通に生活していれば何十年経っても経験できないものだと思います。その中で、唯一私が誇れることがあるとすれ ば、それは、毎日体育館で立って選手とともに本気で戦ったということです。私が大切にしている言葉に「座して語るよりも、共 に汗を流そう」というものがあります。教師とは指導者とは親とはそうでなければいけないと思うのです。子どもは親の言う通りに はなりません。した通りになるものです。同様に、後輩は先輩の言う通りにはなりません。した通りになります。さらに、先輩の想 いを引き継ぎ、自分の想いを足して伝統という力に変え、年々、成長していきます。 「チームは家族」 私たちのチーム理念の最上位に位置するものです。本当になんでも話し合って、いつでも一緒で、全員が一人のために涙し てきました。チームによっては、バスケットが上手な子や活躍できる子はチヤホヤされ、そうでない子はほとんど相手にもされな い、見てももらえないというチームもたくさんあります。また、試合に出るためにチーム内で潰し合いがあったりもします。しかし、 私がいつも思うのは「バスケットの上手・下手でその子の価値が決まるはずなどなく、どの子もみんな掛け替えのない私の娘で ある」ということです。全員バスケットにこだわり、「チームのことが最優先、自分のことは一番最後」に考えられる選手になってい けたら素晴らしいし、その最高の仲間とは一生の友であり、お金よりも地位よりも名誉よりも大切な人生の宝物です。 (1年生へ) 中学校まではずっと同じ環境で同じメンバーで過ごすので、高校に入学すると、今までの当たり前が当たり前ではないという ことに戸惑ったり、育ってきた環境が違うたくさんの人と交流したり、先輩達との力の差に先が見えず不安になったり…たくさん 悩むことがあるものです。その中で、みんなは「社会性」を身につけていきます。そして、考え方が違うなと思っていた人も勇気 をもって心を開いて話していくことで違う面が見え、最高の仲間になるものです。先輩達も本当に同じでした(むしろ、もっと大 変でした笑)。ぶつかり合って、支え合って、一緒に笑って、一緒に泣いて、その経験が絆となり、こいつとなら絶対に大丈夫と いう信頼になっていきます。先輩も後輩もみんなで一つ。チームは家族。この言葉を忘れないでください。 (2年生へ) きっと1年生の姿に1年前の自分の姿を重ねて見ているのではないかと思います。高校入学から1年経ち、気づかないうちに 心も体も技術もものすごく成長しているのを感じられると思います。1日1mm ずつしっかり成長してくれ、1 年経ってはっきり見 えるほどになりました。たくさんの経験や思い出が変えてくれたのですね。1年生、3年生を想う強い気持ちが伝わってきます。 (3年生へ) 3年生になり、いよいよという風格が出てきました。3年生6人らしい、真っ直ぐで強く、でも思いやりがあって安心するチームに なってくれました。大会を前に毎日充実した練習が続き、心も体も技術もこれまでにないぐらいベストな状態で大会に臨むこと ができます。それに経験と人間性。この5つを揃えたチームがチャンピオンです。もう迷いはありません。駆け抜けます。 人生は必ずどこかでつながっているし、どんなことも必ず意味があると理解していなければいけません。バスケだけは頑張 る、好きなことだけは頑張る、良い成績のギリギリを頑張る、できる範囲で頑張る…私に言わせればすべてダメです。そんな普 通の人の出す結果は「普通」です。そんなことはわかりきっています。勉強でも掃除でも遊びでもどんなこともその一瞬一瞬に 全力を尽くすことで、いつの日か「あの時の頑張りがこれか(当然、逆もある)」と感じる日が必ずきます。「誰にも見えない所の 小さな頑張り」「誰も気づいてくれない小さな心配り」バスケットの神様は必ず見てくれているし、気づいてくれています。 KUSHIRO HOKUYO BASKETBALL TEAM

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Post on 27-Jan-2021

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  • RUN&FUN☆ONE FOR TEAM,TEAM FOR WIN!! 北陽高校に赴任してから3年が経ちました。この間に選手達に数え切れないほどの感動と素晴らしい思い出をもらいました。

    おそらく、普通に生活していれば何十年経っても経験できないものだと思います。その中で、唯一私が誇れることがあるとすれ

    ば、それは、毎日体育館で立って選手とともに本気で戦ったということです。私が大切にしている言葉に「座して語るよりも、共

    に汗を流そう」というものがあります。教師とは指導者とは親とはそうでなければいけないと思うのです。子どもは親の言う通りに

    はなりません。した通りになるものです。同様に、後輩は先輩の言う通りにはなりません。した通りになります。さらに、先輩の想

    いを引き継ぎ、自分の想いを足して伝統という力に変え、年々、成長していきます。

    「チームは家族」

    私たちのチーム理念の最上位に位置するものです。本当になんでも話し合って、いつでも一緒で、全員が一人のために涙し

    てきました。チームによっては、バスケットが上手な子や活躍できる子はチヤホヤされ、そうでない子はほとんど相手にもされな

    い、見てももらえないというチームもたくさんあります。また、試合に出るためにチーム内で潰し合いがあったりもします。しかし、

    私がいつも思うのは「バスケットの上手・下手でその子の価値が決まるはずなどなく、どの子もみんな掛け替えのない私の娘で

    ある」ということです。全員バスケットにこだわり、「チームのことが最優先、自分のことは一番最後」に考えられる選手になってい

    けたら素晴らしいし、その最高の仲間とは一生の友であり、お金よりも地位よりも名誉よりも大切な人生の宝物です。

    (1年生へ)

    中学校まではずっと同じ環境で同じメンバーで過ごすので、高校に入学すると、今までの当たり前が当たり前ではないという

    ことに戸惑ったり、育ってきた環境が違うたくさんの人と交流したり、先輩達との力の差に先が見えず不安になったり…たくさん

    悩むことがあるものです。その中で、みんなは「社会性」を身につけていきます。そして、考え方が違うなと思っていた人も勇気

    をもって心を開いて話していくことで違う面が見え、最高の仲間になるものです。先輩達も本当に同じでした(むしろ、もっと大

    変でした笑)。ぶつかり合って、支え合って、一緒に笑って、一緒に泣いて、その経験が絆となり、こいつとなら絶対に大丈夫と

    いう信頼になっていきます。先輩も後輩もみんなで一つ。チームは家族。この言葉を忘れないでください。

    (2年生へ)

    きっと1年生の姿に1年前の自分の姿を重ねて見ているのではないかと思います。高校入学から1年経ち、気づかないうちに

    心も体も技術もものすごく成長しているのを感じられると思います。1日1mm ずつしっかり成長してくれ、1 年経ってはっきり見

    えるほどになりました。たくさんの経験や思い出が変えてくれたのですね。1年生、3年生を想う強い気持ちが伝わってきます。

    (3年生へ)

    3年生になり、いよいよという風格が出てきました。3年生6人らしい、真っ直ぐで強く、でも思いやりがあって安心するチームに

    なってくれました。大会を前に毎日充実した練習が続き、心も体も技術もこれまでにないぐらいベストな状態で大会に臨むこと

    ができます。それに経験と人間性。この5つを揃えたチームがチャンピオンです。もう迷いはありません。駆け抜けます。

    人生は必ずどこかでつながっているし、どんなことも必ず意味があると理解していなければいけません。バスケだけは頑張

    る、好きなことだけは頑張る、良い成績のギリギリを頑張る、できる範囲で頑張る…私に言わせればすべてダメです。そんな普

    通の人の出す結果は「普通」です。そんなことはわかりきっています。勉強でも掃除でも遊びでもどんなこともその一瞬一瞬に

    全力を尽くすことで、いつの日か「あの時の頑張りがこれか(当然、逆もある)」と感じる日が必ずきます。「誰にも見えない所の

    小さな頑張り」「誰も気づいてくれない小さな心配り」バスケットの神様は必ず見てくれているし、気づいてくれています。

    KUSHIRO HOKUYO BASKETBALL TEAM