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総説論文古川恵太 :マングローブ根系と流れの相互作用 …………… 3

原著論文大友萌子・宮城豊彦・浅野哲美 : ベトナム、ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性

―マングローブ湿地と水路網の分布に着目して― …………… 21

資 料平成 27 年度総会報告 ………………………………………………………………………………………………………… 35平成 28 年度総会報告 ………………………………………………………………………………………………………… 37平成 29 年度総会報告 ………………………………………………………………………………………………………… 39

平成 27 年度日本マングローブ学会大会プログラム ……………………………………………………………………… 41平成 28 年度日本マングローブ学会大会プログラム ……………………………………………………………………… 42平成 29 年度日本マングローブ学会大会プログラム ……………………………………………………………………… 43

日本マングローブ学会会則 ………………………………………………………………………………………………… 44

MANGROVE SCIENCE 投稿規定・執筆要領 …………………………………………………………………………… 45

M A N G R O V E S C I E N C E

Japan Society for Mangroves日本マングローブ学会

第 10 巻2018 年 12 月

目  次

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3

マングローブ根系と流れの相互作用古川恵太1)

Keita Furukawa

Interaction between mangrove root system and flow

Abstract: Research publications on interactions between mangrove root systems and flow are reviewed. Firstly, based on Mazda (2010), a review of physical processes such as tidal flow, waves, and ground water flow in mangrove forests is updated. In addition to that, interactions between mangrove root systems and flow are classified and reviewed; namely 1) the wake behind a single stem and root of a mangrove tree, 2) the wake behind stems and roots, 3) flow in a simple swamp with mangroves, 4) flow in a swamp with a secondary creek network, 5) flow in R-type mangal, 6) flow in F-type mangal, 7) holistic circulation in watersheds and bay systems, and 8) an integrated view of ecosystem networks. These interactions can be a clue to understanding future changes of environment in mangrove forests and surrounding coastal areas. Mangrove forests will play an important role in adaptation to and mitigation of global warming, implementation of Eco- DRR (Disaster Risk Reduction by Ecosystem), and achieving SDGs (Sustainable Development Goals). By this review, the importance of physical-based monitoring and adaptive management to sustain mangrove forests is highlighted.

Keywords: Mangroves, Marine ecosystem, Sediment transport, Water circulation

1.はじめに

 マングローブ林は熱帯,亜熱帯の潮間帯に広がる典型的な沿岸生態系である.マングローブ林を特徴づけるものが,柔らかな砂泥や泥炭等の 2 次元的な基盤と硬質な気根や支柱根の 3 次元的な広がりを持つ複雑な場であり,本稿ではこうした基盤とマングローブが形作る場を一体として,マングローブ根系として定義し,潮汐や波浪により導入される流れとの相互作用について概観し考察することとする. その根系を含むマングローブ林は様 な々生態系サービスを生み出している.多くの生き物に棲み処を提供するサービス(Ellison and Farnsworth, 1992; Nagelkerken et al., 2008)の他,食料や材料の供給,海岸防護,洗堀対策,水質浄化,漁業への寄与,炭素貯留,観光などのサービスなどが挙げられている(Barbier et al., 2011).炭素貯留に関しては,マングローブ落葉や底生微細藻類や,海流により運ばれてくる植物プランクトンや海草のデブリ等が根系に堆積することによると推察されている(Kristensen et al., 2008).  2004 年のインド洋津波以降,高潮や津波から沿岸

域を防護するサービス(Alongi, 2008; Kristensen et al., 2008; Sandilyan and Kathiresan, 2015)が注目されている.その根源は,根系と波(水粒子の流れ)の相互作用によるエネルギー減衰と考えられている(Mazda et al., 1997, 2006; Massel et al., 1999; Wolanski, 2007; Barbier, 2016; Barbier et al., 2011; Koch et al., 2009). 本稿においては,松田(2010)がまとめた総説「マングローブ環境を支える物理過程」を参考に,マングローブ根系と流れの相互作用について,流れのスケールに着目して再整理を試みる.マングローブ根系と流れの相互作用は,流れのスケールにより分類すると,1)1 本の根を通過することにより生じる渦流れを最小単位として,2)複数の根を通過する流れ,3)複数のマングローブが存在する平坦な swamp での流れ,4)swamp の中に 2 次的なcreek があるような複合的な地形での流れ,5)R 型マンガル(潮流や河川流がある creek と swamp の組み合わせの流域)での流れ,6)F 型マンガル(波浪が到達する干潟・海岸と swamp の組み合わせの海岸域)での流れ,7)そうしたマンガルが存在する流域や湾域全体での流れ,8)海流が関与する広域での流れなどが考えらえる.こうした流れは,林床や海底の土砂を再懸濁させ輸送し

総説論文

1) 笹川平和財団海洋政策研究所 E-mail: [email protected] The Ocean Policy Research Institute, The Sasakawa Peace Foundation, 1-15-16, Minato-ku, Tokyo 105-8024, Japan

Mangrove Science Vol.10 ;3-19, 2018

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4 Mangrove Science Vol.10古川恵太

地形変化を引き起こす.したがって,その計測にあたっては,流れそのものだけでなく,土砂の侵食,輸送,堆積とその結果としての地形変化により間接的に計測することが可能である.

2.マングローブ林に生じる流れ

2.1.潮汐流 松田(2010)がまとめているように,マングローブ域の海水流動は,地形に依存しており,特に Riverrine forest type(R 型)においては,creekを通って遡上する上げ潮,swamp への氾濫,下げ潮時に creek を通って外海へ流出するという潮汐流が卓越する(Mazda et al., 2005).こうした潮汐流によりマングローブ林と外海が creek を通して連結されており,マングローブ林生態系と周辺の藻場・サンゴ礁生態系との重要な物質交換が行われている

(Wattayakorn et al., 1990; Lacombe and Ridd, 1995).

その際に潮汐の非対称性(Fig. 1),swamp への氾濫水量と樹木の抵抗に依存した浸水現象の理解が重要であることが指摘されている(Wolanski and Ridd, 1986; Ridd et al., 1990; Mazda et al., 1995, 1999). そうした潮汐の大切さに鑑み,マングローブ林再生においての配慮がなされ始めている.Lewis(2005)は,生態系工学的手法(Ecological Engineering Approach)を用いて,水理学的環境,特に潮汐による海水循環の再現の重要性を説いている.Beauchard et al.(2011)は,囲われた汽水域生態系の再生における潮位差を管理することの重要性に鑑み,潮汐制限管理システム(CRT)の導入を行い,その有効性を示した.今後,放置エビ池の再生や養殖池等を利用したマングローブ林再生の際に参考となる事例と思われる. また,今後直面する地球温暖化に伴う海面上昇の影響について,Passeri et al.(2015)は,ミシシッピ河口部のグランド湾において地形変化と海面上昇による歴史的な潮

Fig. 1

Fig.1 : Water level, velocity and discharge at a mangrove swamp. Stn.1 (a point at the creek – swamp boundary) shows higher velocity at drain-ing tide and lower velocity at filling tide. Stn.2 – Stn.4 (inside of swamp) shows higher velocity at filling tide and lower velocity at draining tide (after Mazda et al., 1995).

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5December 2018 マングローブ根系と流れの相互作用

汐の変化を計算で検証し,過去において潮流が 5cm/s 早かったこと,1848 年当時は上げ潮優位であったが,2005年には下げ潮優位に変化したこと,こうした変化は沖合のバリアアイランドでは顕著でなく,汽水において発現したことなどを報告している.マングローブ林においては,こうした影響がより顕著に表れる可能性があることを示唆しており,今後,重点的に研究すべき領域と言える.

2.2.波浪・津波 松田(2010)は,波浪とマングローブ林の相互作用として,波浪による海水や底泥の撹拌によるマングローブ環境への影響と,マングローブ林による波浪減衰によるマングローブ環境の安定化という2 面から整理した.特にマングローブ樹木群による定量的な波浪減衰効果については,観測・計算に基づいての検討がなされており,そのエネルギー減衰率などは根系と状況(密度や空間配置,樹種など)により変化することが示されている(Mazda et al., 1997, 2006; Massel et al., 1999; Koch et al., 2009; Gedan et al., 2011; Bao, 2011). 津波は長周期の波浪現象であり,水位上昇による静圧力とともに水粒子の運動による流れの動圧力を生じる.Hiraishi and Harada(2003)は,マングローブ林や海岸林などいわゆるグリーンベルトによる津波水位,津波流速,津波波圧の低減量を調べ,10 m 四方の土地に20~30 本の樹木林を育成することにより,樹木林がない場合に比較して最大津波高を半分程度に低減できることを示した(Fig. 2).Kathiresan and Rajendran(2005)は,2004 年のインド洋津波の影響を受けた 18 の沿岸の村の立地条件を解析し,マングローブ林による津波減災効

果を示した.一方,Kerr et al.(2006) は,Kathiresan and Rajendran(2005)の統計処理上の問題点を指摘し,Kathiresan and Rajendran(2005)において,津波減災の効果は,1) 海からの距離,2) 地盤高によって異なることや,マングローブ林などのグリーンベルトの密度と距離に大きく左右されることを確認した.また,津波遡上計算については,Bricker et al.(2015)は,植生のある領域に用いる抵抗係数(マニングの粗度係数)の見直しを既往事例から検証し,より大きな係数を用いることで計算結果が改善することを示した. 人為的影響として,creek やマングローブ林の前面を航行する船舶による引き波の影響が考えられる(Fig. 3).環境省自然環境局・国際マングローブ生態系協会(2003)と,九州森林管理局・国際マングローブ生態系協会(2006)は,いずれも西表島の仲間川および浦内川において,引き波による根系侵食の実態を実船を用いて確かめ,引き波の規模がある範囲を超えることで引き波により再懸濁する底質が表層に達し,川の流れに乗って輸送されることで根系の侵食が進行する機構を明らかにし,航行の速度制限などの自主規制につながる情報を提供している.Awang et al.(2014)は,マレーシアのタンジュンピアイにおいて,潮流や出水,波浪の影響による海岸侵食が,船舶の引き波により助長されている状況を報告している.

2.3.地下水 松田(2010)は表層水だけでなく,根系下の地下水流についても注意を払うべきであると指摘している.根系の底質は通常,細粒分の多い砂泥分かマングローブピートと呼ばれる泥炭であるため,透水係数が低く,地下水の

a) b)

Fig. 2

-●- With Forest –〇- Without Forest -●- With Forest –〇- Without Forest

Fig.2 : Time series of a) current and b) pressure (height of tsunami) with green belt (forest model) and without green belt. a) shows current sup-pressed about half by existence of the green belt. b) shows wave height of tsunami which is higher in the case with the green belt, but is almost the same in the lee of the green belt (after Hiraishi and Harada, 2003).

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6 Mangrove Science Vol.10古川恵太

流量が小さいと考えられるため,無視されることが多い.しかし,カニ穴やトビハゼの巣などの存在(Fig. 4)により透水係数が 10-100 倍大きくなり,土中の海水や溶存物質の透水性を高め,土質の維持に貢献していることを示した

(Mazda et al., 1990; Ridd and Sam, 1996; Stieglitz et al., 2000; Susilo and Ridd, 2005). Donato et al.(2011)は,マングローブ林生態系における全体の炭素固定量をインド洋 - 太平洋の領域の 25 の林で推計し,1 ha あたり1,023 mg の炭素を含み,深さ0.5 m から 3 mまでの底泥にそのほとんどが存在することを示した.このことは,炭素貯留において,地下水による物質循環に注意を払うべきであることを示唆している.Maher et al.(2013)は,潮汐による地下水流動が溶存無機炭素の系外流出に係わっていることを炭素同位体を用いた観測から示した. Lindén and Pålsson(2013)は,ナイジェリア・オゴニ

ランドにおける観測により,流出油による地下水汚染が深刻化し,マングローブ林が影響を受けている現状を報告しており,人為的影響の伝達経路としても地下水を無視できないことが示唆されている.

3.根系と流れの相互作用のスケールごとの整理

3.1.1本の根を通過することにより生じる渦流れ マングローブ根系と流れの相互作用を最も単純化すると,直立する一本の根(もしくは幹)を1 方向の流れが通過する状況である.例えば,コヒルギの根を通過する流れにより生じる流れを観察すると,根の背後に双子渦ができている.流れが速くなるとこの渦が剥離し,流れに渦列が放出されるようになる.これは,カルマン渦と呼ばれ,流速と代表長さ(例えば幹の直径)の積を動粘性係数で除したレイノルズ数によって支配されている(Schlichting,

Fig. 3

Fig. 3 : Erosion of root system at Nakama River in Iriomote Is., Japan (from top left – clockwise: a tour boat used for experiments, wake of a boat in operation, eroded root system of Bruguiera gymnorhiza due to boat traffic, healthy root system of Bruguiera g. without boat wake in the same river but on the other side of a small island in the river) .

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7December 2018 マングローブ根系と流れの相互作用

1979; 古川 , 2004; Fig. 5). Furukawa and Wolanski(1996)は,コヒルギの幹の周りの流れを画像解析による粒子追跡法で可視化した

(Fig. 6a).Massell et al.(1999)では,離散渦法を用いたシミュレーションにより抗力係数(Cd)を推定し,  (1)の関係式を導いた.ただし,Re は,流速と幹の直径を用いて計算したレイノルズ数であり,200 から 80,000 の間の範囲で適用される.

3.2.複数の根を通過する流れ Furukawa et al.(1997)は,オーストラリア・ケアンズのヤエヤマヒルギが優占する R 型マングローブ林において,根の周りの流れを詳細に観測し,モデル化した(Fig. 6b).Furukawa and Wosanski(1996)は,現地観測及び数値計算により,流速が小さいときは,個々の根が作る渦が互いに干渉せず,1 本の根の周りの流れと同じような様相を示しているが,流速が早くなると,カルマン渦として剥離する渦が相互に干渉し,大きな乱れと噴流状の流れと共に大きな滞留域が観測されるようになることを示した(Fig. 7).このことがセジメントの滞留時間を増やし,見かけ上堆積速度を増加させることに役立っていると考えられる. Massell et al.(1999)は,複数の根の周りのシミュレーションを行い,1 m2 あたり,9 本もしくは 16 本の根が存在する場合の Cd を推定し,  (2)の関係式を導いた.ただし,Re は,200 から 80,000 の間の範囲で適用される. Zhang et al.(2015)は,こうした複雑な流れ場を模型実験により再現し,同様にヤエヤマヒルギの根系による遮へい効果と複雑な 2 次流れの存在を明らかにした

(Fig. 8).3 次元超音波流速計により,乱流エネルギーの測定も行い,乱れの原因が,後流およびせん断流にあることを示した.Zhang et al.(2015)が算定した Cd は,Re が 2x105 ~ 5x105 の範囲において 1.8 ~ 1.2 であり,Massell et al.(1999)の示した Cd の値と同様の傾向を

Fig. 4

Fig. 4: Schematic diagram of crab burrows that are intermingled with, but separate from each other. (a) shows the case when a quanti-ty of water is pumped from burrow B. (b) shows the normal relative water levels in the burrows, i.e., where the closer the burrow is to the creek, the lower the water level in the burrow. Note the burrow’s size is greatly exaggerated compared with the size of the creek. (c) shows the plan view of three burrow systems that intermingle with each other (after Susilo and Ridd, 2005).

Fig. 5: Schematic image of vortex formation behind a single cylinder. The formation pattern change with Raynolds Number ( 古川 , 2004).

Fig. 5

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8 Mangrove Science Vol.10古川恵太

Fig. 6

Fig. 6: Observed 1-min mean water velocities around mangroves for (a) Ceriops sp. and (b) Rhyzophora sp. (Furukawa and Wolanski, 1996).

Fig. 7: Simulated velocity field around a Rhizophora sp. root matrix. (a) shows approach velocity of 0.05 m/s. (b) shows approach velocity of 0.2 m/s. Right figures show mean velocity U and root mean squared velocity Urms at a cross-sectional line α-α’ shown in the left figure. Note the stagnation zones and the jets interacting with one another in (b) (Furukawa and Wolanski, 1996).

Fig. 7

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9December 2018 マングローブ根系と流れの相互作用Fig. 8

Fig. 8: Top figure shows laboratory experiments conducted for a 6-m stretch of an artificial prop root model array fitted into a 12-m long glass recirculating tilting flume. Bottom figure shows an example of averaged mean stream-wise velocity U and Reynolds stress/density – u’w’ pro-files (after Zhang, 2015).

Fig. 9: Sediment transport between creek and mangrove swamp. Imported sediment has been trapped by sediment traps, and interpreted as sedi-mentation rate. The integrated sedimentation (10 kg/m/tide) observed by sediment traps on the forest floor matched with the difference between imported sediment (12 kg/m/tide) and exported sediment (2 kg/m/tide) observed at the boundary of creek and mangrove swamp (Furukawa et al. 1997).

Fig. 9

Sediment Traps

Distance from Creek (m)

Sedi

men

tatio

n R

ate

(g/m

2 /tid

e)

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10 Mangrove Science Vol.10古川恵太

示した.

3.3.�複数のマングローブが存在する平坦な swampでの流れ

 こうしたマングローブが林立する swamp においては,根系が抵抗となり,潮流が非対称となることは,前述した.そうした効果によりセジメントの堆積が促進される.Furukawa et al.(1997)は,creek からの距離に従って減る堆積量をセジメントトラップ法で観測し,混合型の沈砂池における堆積量を推計する自然対数式にあてはめ,swamp 全体での堆積量を推計した(1 潮汐,creek1m 幅当り10 kg).その価が creek から流入・流出するセジメントフラックスを測定し計算した結果(流入 12 kg, 流出 2 kg)と整合することを確かめた(Fig. 9). Wolanski(1995)は,こうした物理的な堆積機構以外に,化学的反応により緩やかに連結し見かけ上密度が減少して浮遊していたフロックが崩壊すること,微生物が粘土粒子に取りつくこと等による生物的な効果が発揮されること等が堆積を促進する効果として働くことを示唆している.

 Swamp は通常堆積傾向にある場であるが,侵食が進むマングローブ林が見られている.多くは,波浪の影響によるものであるが,ミクロネシア連邦のポンペイ島では,潮汐流が支配的なオヒルギ,,ホウガンヒルギが卓越する林分で,顕著な侵食が観測されている(Fig. 10).地球温暖化に伴う海面上昇の影響が懸念されているが,まだその詳細なメカニズムは解明されていない.

3.4.�swamp の中に 2 次的なcreek があるような複合的な地形での流れ

 Kjerfve et al.(1991)は,米国南カロライナの複数のcreek が流れる汽水域を詳細にモデル化し,植生による流れの変化,高潮時におけるシートフロー状の流れがswamp を横断すること等を示した(Fig. 11).Nihei et al.(2002)は,石垣島吹通川流域の詳細な観測により,同様の流れの変化を捉えるとともに,温度フラックスを測定することで creek からの熱が,流れに移送され swampの林床に到達していることも発見した. Creek の中では,その流路の曲がりがあると表層で外

Fig. 10: Eroded forests at Ponpei Is., Federal States of Micronesia. Left photo shows exposed knee root system of Bruguiera sp. at lowtide. Almost all roots of 50 cm height are exposed. Right photo shows submerged knee root system at high tide. Turbid water shows high sediment transport.

Fig. 10

Fig. 11: Simulated distribution of flow in the North Inlet estuary - marsh system in South Carolina, USA. Left figure shows a flow pattern at high tide. Right figure shows a flow pattern at 3 lunar hours after high tide (after Kjerfve et al., 1991).

Fig. 11

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11December 2018 マングローブ根系と流れの相互作用

側に,底層で内側に向かう流れが生じ,らせん流となる.そうした微細な流れ構造が局所的な洗堀・堆積を促進し,より複雑な流れとセジメント輸送の様相が生じる.古川(2009)は,swamp の中に 2 次的な creek が無い場合,主 creek に対して直角にある場合,斜めに存在する場合を比較し,2 次的な creek によりswamp 内の流速成分が増加し物質交換が促進されている可能性を示すとともに,その効果は 2 次的な creek が主 creek に対して斜めになっていた方が高いことを示唆した(Fig. 12). Michot et al.(2011),米国フロリダ湾のエバーグレイドマングローブ生態遷移場(Everglades Mangrove Ecotone Region: EMER)の一部をなすテイラー湿地にお い て,MIKE-FLOOD(DHI, http://dhigroup.com/)を用いて,地下水,池,creek,swamp のモデル化を行い,年間を通しての水循環を計算した.河口部における流量が良好に再現されているが,降水時にシートフロー状に地表を流れる現象がモデルに取り込めていないなどの問題点も指摘された.複雑な地形条件の計算ができるようになってきている一方で,それを校正する現地データが

不足していることが問題となっている.

3.5.R 型マンガルでの流れ R 型マンガルとは,潮流や河川流がある creek とswamp が組み合わさった流域である.Swamp における主な流れの特徴は 2.1 潮汐流の節で紹介した.本節では,creek の流れについて重点的に解説する. Creek においては,海からの海水と上流からの淡水が合わさり,濁度極大域(turbidity maximum zone) や塩分の極大域を形成するとともに,swamp への浸水,swamp からの流入を繰り返すことで creek の流路方向の分散が大きくなる傾向がある(Wolanski, 1986; Wolanski and Ridd, 1986; Wolanski, 1992; Wolanski and Spagnol 2003).  Mazda et al.(1995)では,creek の入口において上げ潮時と下げ潮時で流速が非対称となる機構が理論的に説明されている.すなわち,creek の入口での流速 u は,creek の水深 H と creek 長 Lで計算される creek 内の水量変化と,swamp 内への浸水面積 A による水量変化の

Fig. 12: Simulated sub-creek effects on material transport. Injected passive tracer has been tracked for 2 tidal cycles and plotted. Top and bottom left figures show calculation domain. (a) shows sediment transport in a case with sub-creeks perpendicular to a main creek. (b) shows that with sub-creeks oblique to the main creek(after Furukawa, 2009).

‐6.0 

‐5.0 

‐4.0 

‐3.0 

‐2.0 

‐1.0 

0.0 

‐30  ‐20  ‐10  0  10  20  30  40  50  60  70 

Depth (

m)

Distance from Main Creek (m)

Main Creek 

Low tide (‐0.9m)

High tide (+0.1m)

Forest Floor

Main Creek

-20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 Distance from Main Creek (m)

Sub-Creek (a)

Sub-Creek (b)

(b) Sub-Creek(a) Sub-Creek

-20 -10 0 10 20 30 40 50 60 70 80 Distance from Main Creek (m)

Dep

th (

m)

Main Creek

0.0

-1.0

-2.0

-3.0

-4.0

-5.0

-6.0

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12 Mangrove Science Vol.10古川恵太

Fig. 13: Velocity at the mouth of a model creek. uH is a tidal current velocity component due to the creek, and uA is a component due to the swamp. (after Mazda et al ., 1985). See Eq.(3) in the text

H

B

Lu

A

Fig. 13

uA

uHu

Fig. 14: Observed sediment transport at F-type mangal at Nadara River, Iriomote Is., Japan. Velocity is calculated by water level change (see Eq.(4) in the text). Plus flux represents sediment transport from sea to land (sedimentation), and minus flux represents sediment transport from land to sea (erosion)(after Furukawa et al., 2002).

Flux at Nadara R., Jan 2000

-0.002

-0.001

0.000

0.001

0.002

0.003

0.004

0.005

0.006

12 13 14 15 16 17 18

Date

Velo

city

(m

/s)

-20

-15

-10

-5

0

5

10

Flu

x (g

/200m

/s)

Velocity (m/s)Flux (g/200m/s)

8.1

-5.2

3.7

-14.1

14.6

-15.3

5.0

-2.6

4.8

-4.4

0.6

-0.5

5.1

-3.9

2.7

-9.0

30.5

-35.0

4.8

-6.6

34.9

-58.2

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13December 2018 マングローブ根系と流れの相互作用

効果を合わせたものとなる .

  (3)

ここに,B は creek の幅である.式(3)の右辺 2 項をuH, uA として別々に作図すると,uH は上げ潮下げ潮時ともに,ほぼ同じ流速を持ち,uA は上げ潮時の方が早い流速となる(swamp における潮汐の非対称性).この 2項を足した u は,下げ潮時の方が早い流速となる(Fig. 13). この非対称性が creek 内の土砂閉塞を防いでいるのではないかと見られている(Bunt and Wolanski, 1980).

3.6.F型マンガルでの流れ F 型マンガルとは,波浪が 到達する干潟・海岸とswamp が組み合わさった海岸域のマングローブ林を示す.多くは,パイオニア種であるマヤプシキやヒルギダマシなどが優占する. 海岸線に沿った単位長さ当たりで,潮汐によって F 型マンガルに浸入する水量 Q は,海面が水平と仮定すると,流速 uと水深 H ならびに地形勾配 i によって

  (4)

と推定できる .したがって,水位と濁度を連続的に測定することで,F 型マンガルへのセジメント輸送が観測できることになる.古川ら(2002)は,西表島のナダラ川河口のF 型マンガルで観測を行い,波浪の高低によってセジメント輸送の形態が変わることが示唆された(Fig. 14).すなわち,波浪が弱いときは波に誘起される非対称性の流れであるストークス輸送により堆積傾向にあり,波浪が高いときには,林内での再懸濁が生じ,侵食傾向となるようである.このことからも,波浪の制御が F 型マンガルの侵食対策として有効であることが推察される. ベトナムのカンザー生物圏保護区において,国土技術政策総合研究所はベトナム科学大学との共同観測を行い,侵食傾向にあるという海岸線の海底地形を2年間にわたってモニタリングするとともに,海岸線の数か所でセジメントフラックスの計測を行った(未発表).その結果,正味のセジメントの流出のあるマングローブ林の前面干潟部では,水深が浅くなる堆積傾向にあり,正味のセジメントの捕捉のあるマングローブ林の前面干潟部では,水深が深

Fig. 15: Can Gio Mangrove Reserve. Observation of sediment transport between a tidal flat and a F-type mangrove forest. Top Left figure shows location (by Google map), Right figure shows anomaly of bottom topography and direction of sediment transport. Arrow length is qualitatively described. Bottom Left figure shows location of observation (Furukawa unpublished data).

0

2

4

6

8

10

-5

-2.5

-1.25

-0.625

0

0.625

1.25

2.5

5

50m

Erosion

Deposition

Erosion

Deposition

Deposition

Erosion

Rhizophora sp.Avicenia OfficinarisAvicenia Alba

St.d1MWH-ICT, ATU, TD(MDS dt=1s)

X=0

1 March. 2005

Wave Energy Attenuationand Sedimentation

St.d2CT, ATU,TD (compact dt =1s)

Fig. 15

Erosion

@ Google map

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14 Mangrove Science Vol.10古川恵太

くなる侵食傾向にあることが分かった.F 型マンガルの多くは,前面干潟とともに立地していることが多いことを勘案すると,F 型マンガルにおける底質は,ダイナミックに前面の干潟部と林内を行き来している可能性が示唆される

(Fig. 15).

3.7.マンガルが存在する流域や湾域全体での流れ Victor(2007)は,パラオのバベルダオブ島にあるネレメドゥ湾にそそぐ 3 つの川とその流域にあるマングローブ林でのセジメント輸送,堆積速度の推定,湾口部でのセジメントフラックス計測,海底地形の測量などを実施し,湾内のセジメント輸送状況を推定した(Fig. 16).南側の2 つの河川,特に Ngetpang 川の土砂供給量が大きいのは,島に周回道路を整備中であり,工事や伐採などによる土砂流出の影響を受けていると想定される.この 2 つの河川の河口部には比較的トラップ量の少ない(安定した)マングローブ林と前面の干潟が発達していた.一方,

北の Ngermeskang 川の河口部では,若いヤエヤマヒルギが稠密に生育しており,大きなトラップ量を見せ,川からの供給だけでなく湾内のセジメントのシンクになっていることが示唆された.湾外への流出は少なく,その差として湾内に堆積するセジメントが 500t/ 年を超えることが推定された.こうした状況をモニタリングし評価することで,その生態系の管理の方針が見えてくる.

3.8.海流が関与する広域での流れ さらに広い視野から島嶼の周りの海流・波とマングローブ林・干潟・サンゴ礁の相互作用を見ることで,生態系の繋がりが俯瞰できる.Mesaki(1995)は,サンゴ礁周辺の海域を波の強さ,基盤の広がりなどをもとに,Reef, Reef-Lagoon, Lagoon と分類した.マングローブ林や干潟は,主に波の影響が少なく基盤が広がる Lagoon タイプの場に存在することが多い.マングローブ林や干潟が波力によるかく乱に弱い生態系であり,サンゴ礁などによる

Fig. 16: Schematic images of (a) watershed in Babeldaob Island, Palau and (b) sediment transport from three rivers to the sea in Ngeremeduu Bay. Sedimentation rates were estimated by observation and simulation. (after Victor,2007).

net f

lux

=176

t/ye

ar

620 t/year

80 t/year

83 t/year

321 t/year

657 t/year

358 t/year

518 t/y

ear

299 t/year

737 t/year441 t/year

Ngermeskang R.

Ngetpang R.

Tabecheding R.

Fig. 16

(a) (b)

5 km

500 m

N N

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15December 2018 マングローブ根系と流れの相互作用

波浪の低減効果などがその存在に不可欠であることが推定される(Fig. 17).

4.おわりに

 地域においては,昔からマングローブ林の多面的な機能が経験的に知られており,劣化したマングローブ林の再生事業がコミュニティレベルで実施されている事例がある.フィリピン Pedada 湾においては,季節的な高波浪が原因とみられる侵食により失われたAvicenia marina を中心とする F 型マングローブ林を再生し,海岸保全ならびに,生態公園の構築を目指した再生活動がZSL-CMRP(ロンドン生物学会,コミュニティベースマングローブ再生プログラム)の元,展開されている (Fig. 18).ZSL-CMRP チームによる事前の踏査および,地元の体験的情報から,高波浪を防波堤により防ぐことが有効と判断され,専門コンサルタントにより高さ1.2 m (HWL+0.3 m),天端幅1.5 m,の防波堤 2 本(延長 80 m と 120 m)の蛇かごに石を詰めた Gabion タイプの構造が提案された.こうした情報がPO(People Organization:地域協議会)および,MLGU

(Municipal Local Government Unit:地方自治体)と共有され,話し合いがもたれた結果,現地で入手可能な小

石などを材料として,防波堤を小型化し,高さを 0.8 m 程度に減じる再設計案が合意された.防波堤は POメンバーを中心とする地元労働者らにより施行され,2010 年 1 月に完成した.その後,同年 3 月から 9 月までの間,7 回に分け,総数 1306 株のA. marina の移植が行われた.しかし,2011 年 3 月の訪問当時の残存率は 0% であった. 著者らが現地に専門家として入り,地形測量を実施した結果,植林した地盤高が周囲の生息限界であるLWL+0.75 m に 30-50 ㎝程度足りていないことが,植林の失敗の原因と判断された.しかし,地形測量結果からは,年 10 cm 程度の堆積が起こっていた.これは,湾内の季節的な風による沿岸方向の漂砂があり,それを防波堤が効率的にトラップし, 一定の海岸保全効果が発揮されているものと考えられた.そこで,持続的な再生の推進のために,この堆積傾向を継時的に把握することを PO の管理スキームに追加することを提案し,堆積状況を見ながら適地に植林していく戦略をとることとなった.その後,2014年には防波堤背後にA. marina が活着し,台風時にも耐えられるだけの林が再生した. マングローブ根系と流れの相互作用を理解することで,短期的な観測から長期的な変化の傾向を推定することができる.地球温暖化による環境変化への適応,生態系を

Fig. 17: Schematic image of linked ecosystems (mangrove forests, lagoons and coral reefs). Dominant wave direction effects on forming differ-ent habitat types around reef-type, reef and lagoon-type and lagoon-type islands (after Masaki, 1995).

Fig. 17

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16 Mangrove Science Vol.10古川恵太

利用した防災機能の発揮,持続可能な開発と保全,利用を実現するためのツールとして,こうした物理過程の理解に基づくモニタリングや順応的な管理は不可欠と考える.

謝辞

 本稿のとりまとめにあたり,日本マングローブ学会編集委員会委員藤本潔先生に大変お世話になりましたこと,また,2 名の匿名の査読者によって詳細な確認・ご指摘をいただきましたことお礼申し上げます.さらに,本稿をまとめるにあたり,松田義弘先生の執筆された松田(2010)を細部にわたり参考にさせていただきました.マングローブ林における物理過程の先駆者としての業績に敬意を表し,後続の関連研究の発展を祈念いたします.

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Fig. 18: Community Based Mangrove Rehabilitation Project (CMRP). Top figures (from left to right) show material preparation by local fisher-men, constructed break waters, monitoring of topography by local community, and restored mangroves, Bottom: shows governance of CMRP.

Government Unit

Team CMRP:Cheif Scientist:Dr. Jurginee Premavera

Social EconomistBiologist

Regional Coordinator

People OrganizationMunicipal Local Government Unit

MayorCouncil Member

Engineer

FishermanWomenʼs Organization

CommunityNGO

Fig. 18

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17December 2018 マングローブ根系と流れの相互作用

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21

Mangrove Science Vol.10 ;21-33, 2018

ベトナム、ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性―マングローブ湿地と水路網の分布に着目して―

大友萌子1)、宮城豊彦2)、浅野哲美3)

Moeko Otomo, Toyohiko Miyagi, Tetsumi Asano

The land use features of tidal area in and around the Ho Chi Minh City, Vietnam: with special references to mangroves and its water way networks

Abstract: A spatial spread of mangrove environment and the use has been grasped through the waterway distribution and its usage in Ho Chi Minh City. A zone with a radius of the Dong Nai river mouth of 60 km is an intertidal zone in the City. The mangrove and land use features in the range of 60 km of inland from Dong Nai River mouth can be summarized as follows. It changes from the coast to inland in the area where the mangrove coast use along the channel and branch of a river is prosperous, and the area which uses mangrove environment seasonally and partially. The results are summarized as follows.1.  As a viewpoint which catches relation of a mangrove and a person, use of the products of a forest region,

destruction, reclamation, etc. attract attention from the former. However, the waterway which connects by network the intertidal-zone region which is a potential mangrove region here was observed as "an index of function which connects people and a mangrove."

2.  The Can Gio area, and a river and the tidal channels 5-10 km upper stream, "A: the prosperous area of mangrove resource use" spreads from the Dong Nai river mouth. The area of width approximate 5 km of a besides style or a circumference region is "B: an area which uses mangrove environment seasonally and partially." The land side circumference of the area A and B where canal and a waterway excavate, and it turns into farmland progressed, "C: the area which will perform the case of a mangrove coast and a similar life if it sees from a point of waterway use" spreads. Furthermore, in a circumference part (G), it changes to hills, an artificial place, etc. which are poor relations to the characteristics of the mangroves.

3.  It looked down at the whole potentially tidal area in which a mangrove may be materialized, meant understanding the comprehensive relationship of people and a mangrove, based on the GIS data creation.

Keywords:GIS, Ho Chi Minh City, Land use, Mangrove wetland, Waterway network

1.はじめに

 ベトナム南部のホーチミン市一帯において、潜在的にマングローブ林が発達可能と思われる地域全体を対象に、マングローブ湿地域が有する自然特性とその利用特性を俯瞰的に捉える視点を設定することを試みる。そのために、先ず理解と分析との基礎として対象地域における自然条件と人為との関係を概括的に整理する。次に地域の開発が急伸する以前の地図情報を GIS データベース化し

て整理し、マングローブ林の存在傾向、水路の分布実態と利用特性の対応傾向を把握した。本報告の構成は、1) 既存論文から、当該地域の自然環境やマングローブ利用を整理し、2) 大友(2015)が構築した当該地域の GIS データベース(水路網、道路網、居住地、市街地、およびマングローブ林の5項目)をもとに、当該地域におけるマングローブ林域への人の関与の時間的、空間的な様相を捉え、3)特に水路網の分布とその利用実態、居住地との位置関係の把握に務めた。次に水路網に注目して、対象

原著論文

1) ESRI ジャパン株式会社 ESRI Japan Corporation2) 東北学院大学地域構想学科 E-mail: [email protected] Department of Regional Design, Tohoku-Gakuin

University, Izumi-ku, Sendai, 981-3193, Japan3) マングローブ植林行動計画 Action for Mangrove Reforestation (ACTMANG)

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22 Mangrove Science Vol.10大友萌子・宮城豊彦・浅野哲美

地域 41 カ所において、水路と水路周辺で営まれるさまざまな利用状況の観察調査と聞き取り調査を行った。これらの情報を指標化して、マングローブ林域が潜在的に有する諸特性と土地利用特性の存在状況を把握した。それらを総括して、潜在的にマングローブ湿地域であると考えられる地域の範囲、その全体におけるマングローブ湿地の分布特性、そこに織り込まれる人為の諸相を大局的に捉えることを試みた。

2.背景と視点

 マングローブと人為の関係については、古くは Walsh et al. (1975)によるマングローブ生物学と管理に関するシンポジウム、ITTO と ISME 共同企画 による複数の出版

(例えば、Field, 1996a, b )など多くの報告がある。その間日本人による調査研究も活発に行われ、マングローブ林が有する資源の直接的・伝統的利用、マングローブ生態系の間接的利用、養殖池造成や開発による林地転用などの排他的利用が把握され(安食・宮城 , 1992;安食 , 2002;井上・藤本 , 2014)、またマングローブ林域での水産物の輸出や土地政策や人口移動を明らかにした例などがある(村井 , 1988;鈴木 , 1999, 2005)。近年の研究、特に地域住民とマングローブとの関わりの例としては、特定の地域を対象として森林構造や地域住民の伝統的利用に配慮した管理(在地的管理)(大野 , 2007)や、地域

住民の生活基盤として生態系を位置づけ、生態系利用を把握する試み(原田・小林 , 2012)などがある。 マングローブ林と人の関係を捉える視点の一つに、日本の里山と同じ様子が見られることや、マングローブ林の多くが二次林であることが度々指摘されている(小見山 , 1992;宮城ほか , 2003)。里山の概念を厳密に定義することは難しいが、人里近くで人が日常の生活にかかわる林地

(中村・本田 , 2010)とマングローブ林域の類似が指摘されている。マングローブが里山といえるのか、疑問を呈する見方もある(阿部 , 1997;今村 , 2000)。マングローブと地域住民との関係に里山のそれと同様の一面があるとすれば、日本における里山的自然の役割やその景観が、周辺地域の経済発展、社会基盤整備、人々の価値観・生活様式の変化など、人間社会の変容に伴って変わってきたことと類似の現象が、潜在的にはマングローブが分布可能な湿地域全体でも生じていると想定することが可能なのではないかと考える。 さて、これまでのマングローブへの人為に関して多くの研究が対象としてきた地理的な範囲は、現存するマングローブ林域に限定されてきたようである。マングローブが成立可能な条件は、熱帯・亜熱帯の感潮域である。現在は森林が確認できなくても、マングローブが分布可能な自然環境条件が内陸まで広がっている可能性がある。そうであればマングローブが生育可能な地域全体(マングローブ湿地)を対象とした研究も成立すると考える。

図 1 本研究のコンセプトと対象となる場所の範囲についての概念図Fig. 1 : Concepts of the study

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23December 2018 ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性

 さらに、これまでに試みられた研究例にみる空間設定の中で展開される人為とは、マングローブ林産物の利用や林域での漁業活動など、いわばマングローブの目に見える利用を主な指標として取り上げられてきたのではないか。だが、本研究のように、マングローブが分布可能な感潮域全体で人為を把握する場合、これらを指標にするのは適切でない。この空間に関わるすべての人々がマングローブを目に見える形で使っている訳ではないからである。マングローブを目に見える形で利用していなくても、地域住民の日常生活の中で、その場所がマングローブ湿地であることが何らかの形で影響していると考える視点を持つことを提案したい。 マングローブ域の骨格的な要素である水路網について、阿部(1997)は、マングローブが生育可能な低湿地では、陸域と海域双方の特性を持つマングローブ生態系の潜在的な特質の内、とくに海域性によって人の生活が制限を受け、水路を利用した水上交通網が発達することを述べている。水路は、交通路としてだけでなく、生産場や生活場、排水路、用水路など、多面的な役割をもつ生活基盤である。マングローブ湿地で発達する水路網は、都市化などに伴う社会基盤整備が進むことで陸地化し、陸上の道路網にとって代わられることになる。水上から陸上への生活基盤の変化はそのまま、人為の性質や規模の変化へともつながるのではないか。

 こうしたことから、本研究では、マングローブが分布可能な土地、感潮域全体をマングローブ湿地として設定し、この土地での人の関与とこの変化を捉える具体的な指標として、水路ネットワークの利用を設定する。本研究が想定するマングローブ域における人為の構造を図1に模式的にまとめた。

3.分析対象地域の決定とそこで考慮した条件

 本研究を展開するために、次の2つの条件を満たすホーチミン市一帯を対象地域に設定している。一つは開発の歴史や背景、利用の性質・規模とその変化など、マングローブ湿地での人為の履歴が、現在の調査やデータから追跡可能であること。いわば時間的な条件である。もう一つは空間的な条件であり、マングローブが成立可能な感潮域とともに、人間の居住空間が広範に分布していることである。 ホーチミン市を有するベトナム国は、1867 年にフランス領となり、メコンデルタからドンナイデルタにかけて運河建設と農地開拓が進められた。その後第一次インドシナ戦争(1946-54 年)、第二次インドシナ(ベトナム)戦争(1960-75 年)と、長く戦禍を被り、1986 年のドイモイ政策によって経済発展が本格的に始まった。この間の土地利用状況の変化は、約 100 年前からの各種地図類、1980 年代以降の衛星画像データや各種数値地図の分析、住民への聞き取り調査や観察から追跡することが可能である。また、ホーチミン市は約 700 万の人口を有する大都市であり、都心部を中心に人間の居住空間が広がる。さらに、市近郊のカンザ地区には約 32,000ha(Nam et al., 2014)の広大なマングローブ保護林が存在し、内陸 60 ~ 70㎞程度までの感潮域全体が、マングローブが潜在的に生育可能な

図 2  調査対象範囲と調査実施集落位置、現地で確認したマングローブ植物の存否

Fig. 2 : Study area for the research.

表 1 水路利用およびマングローブ環境の評価項目 Tab. 1 Evaluation criteria of waterway use and mangrove environments

水路利用 マングローブ環境

1 排水 (Dr)

1 マングローブ植物

※マングローブ林の主要構成種 1種につき 2 点、副次的な構成種 1 種に

つき 1 点を加点 (Ma) 2 農業灌漑 (Ir)

3 移動 (Mo)

4 輸送 (Tr) 2 潮汐の影響 (Ti)

5 生産場 (Pr) 3 地形

(デルタ・エスチュアリー型) (De) 6 生活場 (Li)

各 2 点満点 合計 12 点 各 2 点満点+1 の得点

( )内のアルファベットは次の単語の省略形 Dr: Drainage, Ir: Irrigation, Mo: Movement, Tr: Transportation, Pr: Production, Li: Livelihood, De: Delta, Ti: Tide, Ma: Mangrove plants

表 1 水路利用およびマングローブ環境の評価項目Table 1 : Evaluation criteria of waterway use and mangrove environ-ments

( )内のアルファベットは次の単語の省略形Dr : Drainage, Ir: Irrigation, Mo: Movement, Tr: Transportation, Pr: Production, Li : Livelihood, De: Delta, Ti: Tide, Ma: Mangrove plants

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24 Mangrove Science Vol.10大友萌子・宮城豊彦・浅野哲美

地域となっている。 以上のような地域特性を持つことから、ここではマングローブと人の双方の要素の在り様を俯瞰的に把握できると考えられる。おおよその分析範囲はホーチミン市周辺を含む海岸線から 60㎞内陸までの感潮域とした。

4.�ホーチミン市一帯におけるマングローブ湿地の土地自然と人の居住空間

 ホーチミン市とその周辺はサイゴン川とドンナイ川の流域に属し、市域の南西には、メコンデルタが広がる(図2)。ドンナイ川河口部は河成営力による沖積作用に、主として潮汐による海成営力も加わり小規模ながらデルタが形成され、そこがカンザ地区となっている。市域の大半が標高 6m 以下の低平な土地であり、年間の最大潮差は河口のブンタオ港で 5m に達する。市の南東部には、UNESCO/MAB の生物圏保護区に指定されているカンザ地区があり、約 32,000ha のマングローブ林が保護されている。なお、この森林はベトナム戦争時に枯葉剤による壊滅的な被害を受け、その後経済的価値の高いRhizophora apiculata を中心に植林が実施されて再生したものである。 この森林はデルタ上に形成されており(宮城 , 1995)、デルタは、河川、分流路、澪、分流路間低地、自然堤防といった地形要素で構成される。森林の立地型は潮汐営力卓越立地(Woodroffe, 1992)であり、一日二潮汐による頻繁な冠水と共に、河川からの淡水も流入し、それらと共に水と物質も移動するという特徴を持つ。対象地域のように低地が広がる場合、デルタ河口部から内陸部まで河川を通じて潮汐の影響を受け、内陸奥深くまでマングローブが分布する。図2には、実際に現地調査によって確認したマングローブ植物の分布状況が示してある。Sonneratia caseolaris やNypa fruticans など、マングローブ林の主要構成種(Tomlinson, 1986)を広い範囲で確認しており、都心部でも民家の溜め池にRhizophora apiculata やSonneratia caseolaris、河川流路や水路際ではNypa fruticans が群生する様子が見られ、地形、潮汐、植生の各観点からみてマングローブが潜在的に成立可能な環境(表1)が、対象地域のほぼ全域に面的に、また水系沿いに広がっていることが窺える。 Mochida et al. (1999) は、東南アジアにおけるマングローブの垂直分布と潮位、堆積物、土地利用の関係を示している。それによれば、マングローブの群落は地盤高と潮位に応じた樹種の置き換わりを示し、その中等潮位面から最高潮位面までの地盤高の高い部分では、薪炭材・建材や、燃料(薪)の確保のための伐採、養殖池造成などといった人為も地盤高に対応しているように記載してい

る。 本研究の対象地域では、自然に発達した水路や澪に加えて、人工的に造られた水路も発達する。このような水路であっても潮汐作用や河川水の影響から免れるものではない。大枠で見れば潮間帯の環境下にあるから、一部のコンクリート擁壁で囲まれたような例を除けば、水路両岸にはマングローブが確認できるし、侵食・堆積作用も現れる。広大に潮間帯が広がるホーチミン市一帯では、河川水と潮汐水双方の作用が流路や堤間湿地(水域)に潮汐環境よりも僅かに高い微高地(陸域)が入り組む地形構成が発達していると言えるのではないか。この組み合わせがモザイク状に連なりホーチミン都心部とその奥の内陸部までの感潮域全体に発達する。潮間帯とそれより僅かに高い陸地が入り組むような場所では、陸域を居住空間としつつ周辺の潮間帯と行き来する生活が成立する。

5.�広範な開発前のホーチミン市一帯における水路網と土地利用

 ホーチミン市一帯のマングローブ湿地では、複雑な水路網が張り巡らされ、水域と陸域がモザイク状に配置される土地ができあがる。この土地の水路ネットワークを把握するために、米軍が作成した 1/50,000 地形図(1967)を用いて、詳細な数値地図を整備した(大友 , 2015)。図3a は、その数値地図から、当該地域の 1967 年時点の主要河川と水路を示したものである。現在もマングローブ林があるカンザ地区から Nha Be(ニャーベ)、ホーチミン市都心部にかけてと、ドンナイ川とサイゴン川沿いに、網目状に入り組んだ水路網が発達する。特にドンナイ川とサイゴン川の合流地点から南側の Nha Be 地区一帯では、密な水路ネットワークが形成されている。この地図に示される水路は、地図の縮尺に依存しており、実際には更に小規模な水路も存在する。現地に行けば「至る所に水路が張り巡らされる土地」といえる。図 3a に現地調査でマンブローブ植物を確認した地点を示した。マングローブは、最も内陸で海岸線から約 80㎞の地点まで確認でき、かなりの内陸であってもマンブローブの分布域が水路網にそって、分布している様子がわかる。フランス植民地時代の地形図では、ホーチミン市街地の西側に直線的な水路網が密に発達する場所が見られる。これは仏軍の占領時に、除塩して農地化する目的で掘削された運河で(V. N., Nam, 私信)あり、ここにもマングローブ植物が存在していたと推測できる。 図 3b は、1967 年時点の道路網と居住立地である。ホーチミン市都心の住宅密集地域とその北部を中心に、水路網が発達するエリアを避けるように道路が延びる。特に、マングローブ林が発達するカンザ地区とその周囲では道路

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25December 2018 ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性

図 3a  対象地域の 1967 年時点での水路網(1/50,000 地形図より筆者作成)

Fig. 3a : GIS data of waterway and mangrove distribution (1967)

図 3b  1967 年時点での道路網と住居(1/50,000 地形図より筆者作成)

Fig. 3b : GIS data of roads, residences and mangrove distribution (1967)

をまとめれば、マングローブと水路で括られる水の世界と、道路と居住系で特徴づけられる潮汐作用から免れた微高地の世界とに区分できる。しかしながらマングローブ水域が無人であった訳ではない。そこには地図には記載されないながらも人が住んでいたことは想像に難くない。この水の世界、すなわちマングローブが成立可能な土地、つまりマングローブ湿地を人為の観点からまとめれば、そこは本来、潮汐流と河川流の双方向の水の動態によって、その空間を構成する地形、植生、さらに人為までもがコントロールされ、まとめ上げられた空間であると言えるのではないだろうか。この前提を拡張すれば、水路ネットワークの利用とはマングローブ湿地利用の延長上にあるとも考えられる。マングローブへの人の関与を捉える指標として水路ネットワークとこれの利用を設定できると考えられるのではないか。 一方で道路網と居住地の関係からは、人が暮らす目的や都合に沿って自然の土地を改変してきた事実が見えてくる。ホーチミン市が現在のような大都市になる前は、当たり前のようにマングローブが見えていたはずである。人間の目的に沿うように道路が敷かれ、人が住み、土地が改変され、マングローブが見えなくなる。道路網の整備や利用の様子からも、マングローブ湿地利用の変化を捉えるヒントが導かれるのではないだろうか。

はほとんど見られない。 住居系(住居系とは、GIS データ作成の基になった地形図上で住居と表示されるもので、実際の家屋とは異なる可能性がある)の分布を見ると、道路沿いに立地するエリアが広い。一方で、ロンアン省東部やカンザ地区では住居系は、図 3aで示した水路網に沿って並ぶ傾向が確認できる。 図 4 は、1967 年時点での水路、道路、住居系それぞれの分布密度を表したものである。水路の分布密度(図4a)は、マンブローブ分布の中心と言えるカンザ地区から内陸側にマングローブの分布と重なるように変化していることが分かる。カンザ地区の水路密度は低い値を示すが、これはデータ作成元の地形図には小規模な水路や澪はマングローブ林と一括されて表記されていることに起因する。実際は大小の水路が入り組んだ土地が広がっていることは、宮城(1995)の記載からも推測できる。道路密度(図4b)は、ホーチミン市中心部に集中し、市より北と東側の比較的地盤が高い地域で発達し、市の南部からカンザ地区、ロンアン省西部では密度が低い。この道路密度分布図と同じ様子が見られるのが、住居密度分布図(図 4c)である。道路網に沿って住居が分布し、居住地と道路網の密度分布はほぼ一致していることが見て取れる。 広域の地域開発が進む以前のホーチミン市一帯の状況

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26 Mangrove Science Vol.10大友萌子・宮城豊彦・浅野哲美

図 4a  対象地域における 1967 年時点の水路密度(km2 あたりの水路数)

Fig.4a : Density of waterway (1967)

図 4c  対象地域における 1967 年時点の住居密度(km2 あたりの住居数)

Fig.4c : Density of residence (1967)

図 4b  対象地域における 1967 年時点の道路密度(km2 あたりの道路数)

Fig.4b : Density of road (1967)

6.ホーチミン市一帯に見る水路と利用特性の評価

 ここでは、マングローブ林が成立する潜在性を有する地域全体(感潮域とほぼ重なる)を調査対象として、図1で模式的に示したマングローブと人との関係が実際の空間分布としてどのように特徴づけられるかの全体的な傾向を把握したい。前章までの着眼に基づいて、マングローブ湿地における人為の諸相を測る指標として「水路利用」を設定する。ここでいう水路利用とは、交通や輸送、生産活動など、生活に関係する諸場面での利用である。潮汐の影響をうける対象エリアにおいて発達する水路および水路網の利用を評価することはマングローブ湿地の利用を測ることになると考え、ホーチミン市一帯の 41 集落を対象に、マングローブ環境と水路利用の評価を実施した。そのために「湿地利用度」と「集落類型」を求め、その結果を地図化することで、湿地利用の特性とその地理的な範囲を明らかにし、マングローブ湿地の利用空間を捉える視点を広げることとした。 次に具体的な評価の方法を記載する。既存の文献(菊池, 1966;Tomlinson, 1986;宮城ほか , 2003;春山 , 2009)からマングローブ環境および水路利用の評価に用いる項目を整理して評価シートを作成した(表 2)。これを用いて

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27December 2018 ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性

表 2 集落別マングローブ環境および水路利用評価調査結果Table 2 : Results of survey about mangrove environment and waterway use

表中指標欄のアルファベットは次の単語の省略形Dr: Drainage, Ir: Irrigation, Mo: Movement, Tr: Transportation, Pr: Production, Li: Liblihood.De: Delta, Ti: Tide, Ma: Mangrove plants(集落内にマングローブ植物が複数確認できた場合、1種毎に得点しているため、Ma1 ~ Ma4 まで項目を決定)Np: Nypa fruticans, Sc: Sonneratia caseolaris, Aa: Avicennia alba, Ao: Avicennia officinalis, Ra: Rhizophora apiculata, Bg: Bruguiera gymnorrhiza, Bs: Bruguiera sexangula

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28 Mangrove Science Vol.10大友萌子・宮城豊彦・浅野哲美

2013 年 8月と2014 年2月にホーチミン市一帯の41集落(図2)で現地調査を実施し、評価項目の存否を得点化した。調査対象箇所は、調査範囲の感潮限界を考慮し、調査点の間隔がほぼ均等に配置されるように設定した。なお道路整備状況により進入不能な場合も多く、多少の偏在もある。調査対象集落各項目の得点を算出し、各集落に見られるマングローブ湿地利用の特徴を整理して集落の類型化を行い、これを基に GIS で調査地点データの内挿処理をおこないマングローブ湿地利用度別の地域区分図を作成した。

7.マングローブ環境および水路利用の評価

 調査結果を表 3 にまとめ、集落毎のマングローブ環境および水路利用得点から相関図を作成した。この結果によれば、得点が高く積極的な水路利用が見られる集落では、マングローブの生育に適した自然環境にあり、逆に水路利用に消極的な集落においては、マングローブの生育に不適な自然環境にある傾向が示唆される。これに基づいて水路利用の内容や程度から、集落におけるマングローブ湿地利用タイプの類型化が可能ではないかと想定し、マングローブ環境における水路利用と集落の類型化を進めることとする。

7.2.�マングローブ湿地利用度による集落の類型化と地図化

 はじめに、土地利用とマングローブ環境特性の大まかな把握を行うために調査データを便宜的に整理した。図5 は、各セルに省略形で示した集落名と該当集落数を色で示した相関図である。これを基に集落をa~fの6グループ(マングローブ環境得点・水路利用得点の順にそれぞれ、a:高い-かなり高い・高い-かなり高い、b:中間・中間、c:低い・中間、d:低い・低い、e:低い・かなり高い、f:かなり低い・低い)に便宜的に区分した(表 4)。現地調査の結果と併せて集落を類別したものが表 5 である。 次に、類型別の集落ポイント 41 点を基に、GIS 補間処理(Natural Neighbor 法)を施し、現地調査の結果と照合させるように修正を加え、マングローブ湿地利用度別の地域区分図を作成した(図6)。また、各類型別の面積を表5に示した。一連の処理には ArcGIS for Desktop 10.2 を使用した。 集落類型(表 5)は、地域住民の生活に何らかの形でマングローブ湿地の自然環境が関与していると判断できるグループを「マングローブ環境関与型 (面積評価比73.2%)」(A、B、C、D、E)とし、反対に希薄なグループを「マングローブ環境希薄型 (同面積比 21.9%)」(F、G)、この 2 つのいずれにも属さないか、今回の調査の中

表 3 水路利用およびマングローブ環境評価得点を基にした便宜的なグループ Tab. 3 Convenient groups based on the evaluation score

マングローブ環境得点

水路利用 得点

集落数

集落名 (略称)

マングローブ植物 水路利用 土地利用

a 高い -かなり高い

高い -かなり高い 3 LH, LHD, PD_7

Aa, Ao, Np, Bg, Ra, Sc

排水, 移動, 輸送, 生産, 生活

マングローブ林、住居、池

b 中間 中間 20

NB, LT, TT, PK_2, TB, PD_GOD,

9Q_LP, LH_AX, PVT, DP, TV, BM_8, TN, P15, HP, ATD, PH, PK, BK, TPT

Ao, Np, Ra, Sc

排水, 移動, 輸送, 生産

池, 住居, 水田, 果樹園

c 低い 中間 5 TTN, LP, PV, CB, HT N/A 排水, 農用水,

移動, 輸送 水田, 住宅, 池

d 低い 低い 10 LMX, BC_BP, LA, BD, BM_1, TDH, VLB, MHN, PVH,

ML N/A 排水, 農用水 住居, 畑, 国有

e 低い かなり高い 1 HH N/A 排水, 移動, 輸送, 生産, 生活 住宅, 畑, 果樹

f かなり低い 低い 2 BC_3, PT N/A 排水, 移動 住居, 墓地, プランテーシ

ョン

表中のマングローブ植物の記載は次の単語の省略形

Np: Nypa fruticans, Sc: Sonneratia caseolaris, Aa: Avicennia alba, Ao: Avicennia officinalis, Ra: Rhizophora apiculata, Bg: Bruguiera gymnorrhiza, Bs: Bruguiera sexangula

表 3 水路利用およびマングローブ環境評価得点を基にした便宜的なグループTable 3 : Convenient groups based on the evaluation score

表中のマングローブ植物の記載は次の単語の省略形Np: Nypa fruticans, Sc: Sonneratia caseolaris, Aa: Avicennia alba, Ao: Avicennia officinalis, Ra: Rhizophora apiculata, Bg: Bruguiera gymnor-rhiza, Bs: Bruguiera sexangula

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29December 2018 ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性

では類型化が出来なかった 「その他�(同面積比 4.9%)」(H)の 3 類型に大別した。 さらに、「マングローブ環境関与型」は、A:「マングローブ環境型―中心型」、B:「マングローブ環境型―バランス型」、C:「準マングローブ環境型」、D:「過去利用・減少型」、E:「新規参入・増加型」の5タイプに分けた。この内、A、B に関しては特にマングローブ湿地の利用が盛んな集落であると言え、全集落の半数以上の 53.7% を占めている。これらのタイプは、サイゴン川やドンナイ川、バンコー川など、大小の河川流路沿いに広がっており、マングローブ植物そのものが生育する自然環境である。Aと B の違いは、マングローブの生育する環境そのものを生活基盤としているかどうかである。季節的、あるいは生活の一部にこの環境を利用している場合は B としている。A から B へ、マングローブ環境の利用度は低くなるが、どちらの集落も河川流路・水路に沿って内陸まで分布する。

 一方で、同じ水路沿いであっても、ホーチミン市南西部や、人工的に掘削された運河・水路など、農地として開拓された土地の場合、Cの「準マングローブ環境型」が広がる。C は農村が多く見られ、水路利用度が高い点で A、B と共通するが、潮汐が生活に与える影響はほぼない。ホーチミン市の西側一帯はメコン地域にかけて Cタイプが続くと考えられる。マングローブ環境とは言い難いが、この縁辺部を構成し、水路利用の面では、A、B のタイプと大きな違いは認められない生活様式であることから、C はマングローブ環境関与型に分類している。 D:「過去利用・減少型」、E:「新規参入・増加型」は、新たに湿地の利用を始めた集落や、以前は使っていたが、現在は使っていない集落など、時間軸に関係する集落が当てはまる。しかし、今回の分析では経時的変化の評価指標を設定していないため、このタイプは類型から外している。これについては、道路・土地整備を指標に判断できるのではないかと考えているが、今後どのように評価で

図 5 集落名入りの水路利用とマングローブ環境得点の関係Fig.5 : Correlation of mangrove environments and waterway use score (site name)

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30 Mangrove Science Vol.10大友萌子・宮城豊彦・浅野哲美

きるか検討したい。 「マングローブ環境希薄型」は、全体の 21.9% 占め、2つのタイプに分けられる。F:「社会環境的希薄型」

(2.4%)は、居住者の職業や土地の所有者など、自然環境以外の要因によって水路利用に消極的である集落が当てはまる。国有地などがその例である。G:「自然環境的希薄型」(19.5%)は、丘陵地や淡水湿地、沼沢地など、自然環境の面で、マングローブ環境とは言えない地域に位置する集落が当てはまる。H:「その他」は、今回の分析ではどれにも分類されない、もしくは不明な集落である。該当集落は 3 集落であり、地域区分には反映していない。 図 6、表5に示したように、マングローブ湿地利用の中心ともいえるA(マングローブ環境型―中心型)は、カンザ地区全てと、ドンナイ川を挟んで西側、北部 5km~10㎞程度に広がる。その面積は 999km2 で、分析範囲中の23.5% を占める。この周辺に、季節的、または部分的にマングローブ湿地を利用する地域 B(マングローブ環境型

―バランス型)が広がる。すなわちドンナイ川、サイゴン川、バンコー川といったこの地域の主要河川とその支流沿いであり、内陸 60㎞圏を目安に広がる。総面積は 784km2、面積比は 18.5% である。AとBを併せるとおよそ 42% の地域がマングローブ湿地利用の盛んな地域であった。 こうしたマングローブ湿地利用の盛んな地域の西側には、Cの準マングローブ環境型が広がる。これは、ホーチミン以西のメコンデルタに属する水田地域が主に当てはまっている。マングローブ植物(主要構成種)は確認できなかったが、水路利用だけを見れば、A、B に劣らぬ活発な利用が確認できる。面積は 1,423km2で、全体の33.5% を占めている。 マングローブ湿地利用の盛んな地域の東側と市中心部には、自然環境的にマングローブ環境とは言えない、G の自然環境的希薄型の地域が広がる。ドンナイ川以東は、ベトナム中部アンナン山脈が構成する山岳地帯となり、デルタ地形からは離れ、標高数十メートル程度の丘陵地が

表 4 マングローブ湿地利用度を指標にした集落類型 Tab. 4 Types of settlements based on utilization of mangrove wetland

類型

特徴

水路利用

土地利用

集落数・名

1・マングローブ環境関与型

(73

%)

A マングローブ

環境関与型―中心型 (22%)

生活の中心または一年を通し

て水路利用が見られ,マング

ローブ環境下にある 排水, 移動, 輸送, 生産, 生活

マングロー

ブ林, 住居, 池

9:HP, ATD, PVT, DP, TB, 9Q_LP,

LH_AX, LH,LHD

B マングローブ環境関

与型―バランス型 (31%)

生活の一部または季節的に水

路を利用し,マングローブ環

境下にある 排水, 移動, 輸

送, 生産 池, 住居, 水田, 果樹

13:PH, PK, BK, TPT, TN, P15, TV,

BM_8, NB, LT, TT, PK_2,

PD_7

C 準マングローブ 環境関与型

(20%) 水路利用は見られるが,マン

グローブ環境下とは言い難い 排水, 農用水, 移動, 輸送

水田, 畑, 住居

8:HH, ML, TTN, LP, PV, CB,

HT, PVH

2・マングローブ環境

希薄型

(22

%)

F 社会環境的

希薄型 (2%)

職業, 土地所有者, 利用者など

排水, 農・工用

水 工業地帯,国有地 1:LMX

G 自然環境的

希薄型 (20%)

丘陵地, 標高, 淡水湿地, 沼沢地 --

住居, 墓地, プラン

テーション

8:C_3, PT, MHN, VLB, TDH, BM_1,

LA, BD

3・

その他

H その他 (5%)

上のどれにも当てはまらない

/不明 -- -- 2:BC_BP, PD_GOD

類型型別の集落位置は図6に記載

表 4 マングローブ湿地利用度を指標にした集落類型Table 4 : Types of settlements based on utilization of mangrove wetland

類型型別の集落位置は図6に記載

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31December 2018 ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性

広がり、ゴムの木やユーカリ等のプランテーションなどに利用されている。また、都心部は人口過密地域で、地表面はほとんど見えず、水路の利用も消極的である。これら G の面積は 976km2 で、全体の 23.1% を占めている。 以上のように、マングローブ湿地利用を水路利用という指標で評価した場合、カンザ地区のマングローブ林地に限らず、海岸線よりおよそ 60km 圏内の特に河川流路・支流沿いに、マングローブ湿地利用の中心とも言える地域が面的に広がり、周辺地域に向かって徐々にその利用度合いが下がっていくことが理解できた。

8.�まとめ 水路から見るマングローブ湿地利用の構造性

 ホーチミン市一帯における水路の分布とその利用を通して、マングローブ湿地利用の空間的な広がりを把握し、利用の特徴を類型化して理解することによって、現存する大

規模なマングローブ林域から、ほぼ消滅した場所までにおける土地利用・人為の実際とマングローブ域との関係性を類型的に把握し、以下にまとめた。  1)  マングローブと人の関わりを捉える視点として、従

来から森林域の生産物の利用や破壊・埋め立てなどが注目されているが、ここでは潜在的なマングローブ域である潮間帯域をネットワーク化する水路を「人とマングローブをつなぐ機能を示す指標」として注目した。

  2)  沿岸部のドンナイ川河口から内陸 60㎞圏が潮間帯である。カンザ地区とドンナイ河川流路・支流・澪沿い 5 -10㎞上流まではマングローブ湿地利用の盛んな地域(A)が広がる。この上流や周辺域の幅 5㎞内外のエリアは、季節的・部分的にマングローブ環境を利用する地域(B)である。さらにその周辺陸域では、運河や水路が掘削され、農地開発が進んだ地域となり、水路利用の点から見ればマングローブ湿地の生活と類似する生活様式を持つ地域(C)が広がる。さらにこの周辺

図6  マングローブ湿地利用を指標にした集落類型と地域区分図 類型 H(不明)には地域区分を設定していない。

Fig.6 : Classification map based on utilization of mangrove wetland

Page 33: M ANGROVE S...mangrove forests is updated. In addition to that, interactions between mangrove root systems and flow are classified and reviewed; namely 1) the wake behind a single

32 Mangrove Science Vol.10大友萌子・宮城豊彦・浅野哲美

部(G)では潮間帯のマングローブ特性とは関係の薄い丘陵地や人工改変地などへと変化する。これらは、徐々に水路密度を低下させながらも、利用の性質や度合いを変化させながら相互に連続する地域構造が理解できる。

  3) 現時点でもマングローブ生態系が成立している箇所では生態系自体を維持する基幹装置としての水路網が自然に成立している。それが人の利用強度が増化するとともに、水路の機能は変化し、ついには人工的な水路開削が圧倒する状況も現れる。この空間的な構造は、その配置から明らかなようにマングローブ域の感潮条件にコントロールされて成立するものの、マングローブ生態系が有する特性をも都合よく利用し続ける人為の営みもある。

  4) マングローブが成立しうる感潮域全体を俯瞰して、人とマングローブとの包括的な関係性を理解することを意図し、水路が両者を通奏するものとして注目された。今後はその機能を更に詳細に解明していくことで人がマングローブ生態系の何をどのように利用し変えていくのかを明確化できるのではないか。

謝辞

  本 研 究 を 進 め る に あ た り、Can Gio Mangrove Protection Management Board の Le Ban Shin 所 長、Pham Van Quy 氏をはじめとするスタッフの皆様、また、ベトナム農林大学の Vien Ngoc Nam 助教授など、多くの皆様に御意見と御協力をいただいた。心から御礼申し上げる。また、観察や聞き取り調査に快く応じて下さった集落の皆様にも記して感謝申し上げる。

文献

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開発の将来 . TROPICS (熱帯研究) 6(3): 215-226.安食 和宏・宮城 豊彦(1992): フィリピンにおけるマング

ローブ林開発と養殖池の拡大について. 人文地理 44(5): 76-89.

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原田 ゆかり・小林 繁男 (2012): インドネシア・バタム島におけるマングローブ生態系利用による地域住民の生存基盤の維持 . アジア・アフリカ地域研究 12(1): 61-78.

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菊池 一雅 (1966): 『ベトナムの農民』古今書院 .小見山 章 (1992): マングローブ林の生態系修復 . 森林

科学 6: 33-38.宮城 豊彦 (1995): ベトナム沿岸域におけるマングローブ

の生育環境 . 東北学院大学論集-歴史学・地理学- 27: 1-37.

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の変遷 . 千葉県生物多様性センター研究報告 2: 13-20.Nam, V. N., Shin, L. V., Miyagi, T., Baba, S. and Chan,

H. T. (2014): An overview of Can Gio District and Mangrove Biosphere Researve. International Society for Mangrove Ecosystems (ISME)

表 5 マングローブ湿地利用型別の面積と割合 Tab. 5 Area and the rate according to mangrove wetland use typed

Type Area(km2) %

A マングローブ環境関与型―中心型 999.2 23.5 B マングローブ環境関与型―バランス型 784.0 18.5 C 準マングローブ環境型 1,423.6 33.5 F 社会環境的希薄型 60.9 1.4 G 自然環境的希薄型 976.2 23.1

Total 4,243.9 100

類型 H(不明)には地域区分を設定していない。

表 5 マングローブ湿地利用型別の面積と割合Table 5 : Table 5 Area and the rate according to mangrove wetland use typed

類型 H(不明)には地域区分を設定していない。

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33December 2018 ホーチミン市一帯の感潮域における土地利用特性

Mangrove Ecosystems Technical Reports 6: 1-8.大野 勝弘 (2007): ミャンマー・エーヤワディーデルタに

おけるマングローブ生態系の在地的管理に関する研究 . 横浜国立大学大学院 博士論文 .

大友 萌子(2015): 旧米国陸軍地図局刊行の地形図を利用した GIS データ整備―ホーチミン市一帯のマングローブ湿地を対象に―. 地域構想学研究教育報告 6: 71-78

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Page 35: M ANGROVE S...mangrove forests is updated. In addition to that, interactions between mangrove root systems and flow are classified and reviewed; namely 1) the wake behind a single
Page 36: M ANGROVE S...mangrove forests is updated. In addition to that, interactions between mangrove root systems and flow are classified and reviewed; namely 1) the wake behind a single

3535December 2018

平成27年度 日本マングローブ学会 総会報告

第1号議案 平成 26 年度事業および収支決算報告の件

 1.平成 26 年度事業報告   1.1 役員会

第 1 回役員会  平成 26 年 7月16日 14:00 ~16:00 於:横浜国立大学環境情報 1 号棟 316教室

 ・ 平成 26 年度年次大会について、以下の内容にて開催することに決定した。

  開催日:平成 26 年 11 月 22 日(土)・23 日(日)  開催 場所:東京農業大学 世田谷キャンパス 1

号館 242 教室  公開特別講演  演題: 「マレーシア・ボルネオ島のマングローブ林の

現状と再生への取り組み(仮題)」  講演者:ジョセプ・タンガ博士(サバ州森林局) ・ マングローブサイエンス(Vol. 9)の発行について ・その他   日本熱帯生態学会との共催について前向きに検討

することとした。第 2 回役員会 平成 26 年 11 月12 日 12:00 ~ 13:00 ・日本マングローブ学会総会提出議案について ・その他   日本熱帯生態学会における学会連携セッションに、

日本マングローブ学会からは 2 名が参加予定。   1.2 年次大会

平成 26 年 11 月 22 日(土) 東京農業大学において開催公開特別講演「マレーシア・ボルネオ島のマングローブ林の現状と再生への取り組み」講師 ジョセプ・タンガ博士(サバ州森林局)

   1.3 マングローブサイエンス(Vol. 9)の発行について    平成 26 年度発行(3 月) 2.平成 26 年度収支決算報告

第2号議案 平成 27 年度事業計画および収支予算の件

 1.会員の移動状況 平成 27 年 10 月末   会員数 67 名 入会 1 名、退会 12 名 2.平成 27 年度事業計画(案)   2.1 役員会

第 1 回役員会 平成 27 年 8 月 5 日~ 9 月 17 日(メール上にて開催) ・ 第 21 回日本マングローブ学会大会について  開催日:平成 27 年 12 月12 日(土)13 日(日)  開催場所:東京農業大学 世田谷キャンパス

 ・会計報告(中間) ・その他  日本熱帯生態学会との共催について(報告)第 2 回役員会 平成 27 年 12 月 12 日(土)12:00 ~13:00 ・ 平成 27 年度日本マングローブ学会総会提出議案に

ついて ・その他   日本地球惑星科学連合大会(来年 5 月)での学会

連携について   日本サンゴ礁学会、熱帯生態学会と学会連携した

セッションの開催(検討中)。 ・ 役員改選(平成 28 年度~ 29 年度)

   2.2 年次大会平成 27 年 12 月12 日(土)・13 日(日) 東京農業大学において開催公開特別講演:「マングローブ研究の最前線」講演Ⅰ「マングローブ林の土壌炭素循環に関する一連の研究」(岐阜大学流域圏科学研究センター・大塚 俊之氏)講演Ⅱ「マングローブにおける食物連鎖・炭素循環におけるカニの役割」(高知大学農学部・池島 耕氏)講演Ⅲ「マングローブ林の保全と再生に必要な遺伝的多様性の解析」(琉球大学熱帯生物圏研究センター・梶田 忠氏)講演Ⅳ「マングローブ主要構成種の地下部生産・分解プロセスと立地環境の関係」(南山大学総合政策学部・藤本 潔氏)一般発表 15 課題

   2.3 マングローブサイエンス(Vol. 10)の発行について 3.平成 27 年度収支予算(案)

第3号議案

 その他  ・ 日本熱帯生態学会との共催について(報告) 平成 27 年

6 月19 日~ 21 日    日本熱帯生態学会における学会連携セッションについて、

田淵氏より報告があった。日本マングローブ学会からは 4名が発表参加。

  ・ 日本地球惑星科学連合大会(来年 5 月)での学会連携について

    日本サンゴ礁学会、熱帯生態学会と学会連携したセッションの開催

  ・ 役員改選(平成 28 年度~ 29 年度)

Mangrove Science Vol.10 ;35-36, 2018

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3636 Mangrove Science Vol.10

別表-1

     平成27年度 収支決算報告 (平成27年4月1日~平成28年3月31日)

Ⅰ 収入の部 単位:円

科目 27年度予算額 決算額 増 減▲ 摘要

前年度繰越金 615,223 615,223 0

1.年会費 230,000 153,000 ▲ 77,000 正会員5,000円(30人)、学生会員3,000円(1人)

2.事業収入(計) 240,000 168,000 ▲ 72,000

   大会開催 240,000 168,000 ▲ 72,000大会参加費(6,000円X25人、4,000円X2人、非会員

当日参加等2,000円X5人)

   受託事業 0 0 03.寄付金 60,000 30,000 ▲ 30,000 東京農大からの学会開催助成金

4.雑収入 10,000 110 ▲ 9,890 普通預金利息

合計 1,155,223 966,333 ▲ 188,890

Ⅱ 支出の部 単位:円科目 26年度予算額 決算額 増 減△ 摘要

1.事業費(計) 570,000 178,741 ▲ 391,259   大会開催費 270,000 178,741 ▲ 91,259 平成27年度(第21回)大会(12月12・13日)開催費

   学会誌刊行費 300,000 0 ▲ 300,000 Mangrove Science Vol.10未刊行

   受託事業費 0 0 0   その他 0 0 02.管理費(計) 65,000 14,433 ▲ 50,567   会議費 5,000 0 ▲ 5,000   旅費・交通費 5,000 0 ▲ 5,000   通信費 20,000 8,850 ▲ 11,150 平成27年度(第21回)大会開催案内状送付

   印刷・製本費 0 0 0

   消耗品費 5,000 5,583 583 宛名ラベルほか

   賃借料 0 0 0   負担金 0 0 0

   雑費 30,000 0 ▲ 30,000

3.予備費 30,000 0 ▲ 30,000

小計(1.+2.+3.) 665,000 193,174 ▲ 471,826 次年度繰越金 490,223 773,159 282,936 合計 1,155,223 966,333 ▲ 188,890

平成27年度 貸借対照表 (平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)

収支決算 収入総額 966,333円

(平成27年3月31日現在) 支出総額 193,174円差引残高 773,159円単位:円

借方(資産の部)       貸方(負債・資本の部)科目 金額 摘要 科目 金額 摘要

1.現金 9,335 負債2.普通預金 763,824 1.未払金 0 3.郵便振替口座 0 2.預り金 0 4.損益 0 資本

次年度繰越金 773,159 資産合計 773,159 負債・資本合計 773,159

会計監査報告  平成27年度会計監査の結果、適法であり正確であることを認めます。

平成28年7月1日   監事 河合省三 ㊞(省略)

  監事 大田克洋 ㊞(省略)

別表-1

     平成27年度 収支決算報告 (平成27年4月1日~平成28年3月31日)

Ⅰ 収入の部 単位:円

科目 27年度予算額 決算額 増 減▲ 摘要

前年度繰越金 615,223 615,223 0

1.年会費 230,000 153,000 ▲ 77,000 正会員5,000円(30人)、学生会員3,000円(1人)

2.事業収入(計) 240,000 168,000 ▲ 72,000

   大会開催 240,000 168,000 ▲ 72,000大会参加費(6,000円X25人、4,000円X2人、非会員

当日参加等2,000円X5人)

   受託事業 0 0 03.寄付金 60,000 30,000 ▲ 30,000 東京農大からの学会開催助成金

4.雑収入 10,000 110 ▲ 9,890 普通預金利息

合計 1,155,223 966,333 ▲ 188,890

Ⅱ 支出の部 単位:円科目 26年度予算額 決算額 増 減△ 摘要

1.事業費(計) 570,000 178,741 ▲ 391,259   大会開催費 270,000 178,741 ▲ 91,259 平成27年度(第21回)大会(12月12・13日)開催費

   学会誌刊行費 300,000 0 ▲ 300,000 Mangrove Science Vol.10未刊行

   受託事業費 0 0 0   その他 0 0 02.管理費(計) 65,000 14,433 ▲ 50,567   会議費 5,000 0 ▲ 5,000   旅費・交通費 5,000 0 ▲ 5,000   通信費 20,000 8,850 ▲ 11,150 平成27年度(第21回)大会開催案内状送付

   印刷・製本費 0 0 0

   消耗品費 5,000 5,583 583 宛名ラベルほか

   賃借料 0 0 0   負担金 0 0 0

   雑費 30,000 0 ▲ 30,000

3.予備費 30,000 0 ▲ 30,000

小計(1.+2.+3.) 665,000 193,174 ▲ 471,826 次年度繰越金 490,223 773,159 282,936 合計 1,155,223 966,333 ▲ 188,890

平成27年度 貸借対照表 (平成27年4月1日から平成28年3月31日まで)

収支決算 収入総額 966,333円

(平成27年3月31日現在) 支出総額 193,174円差引残高 773,159円単位:円

借方(資産の部)       貸方(負債・資本の部)科目 金額 摘要 科目 金額 摘要

1.現金 9,335 負債2.普通預金 763,824 1.未払金 0 3.郵便振替口座 0 2.預り金 0 4.損益 0 資本

次年度繰越金 773,159 資産合計 773,159 負債・資本合計 773,159

会計監査報告  平成27年度会計監査の結果、適法であり正確であることを認めます。

平成28年7月1日   監事 河合省三 ㊞(省略)

  監事 大田克洋 ㊞(省略)

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3737December 2018

平成28年度 日本マングローブ学会 総会報告

第1号議案 平成 27 年度事業および収支決算報告の件

 1.平成 27 年度事業報告   1.1 役員会

第 1 回役員会  平成 27 年 8 月 5 日~ 9 月 17 日(メール上にて開催)

 ・第 21 回日本マングローブ学会大会について  開催日:平成 27 年 12 月12 日(土)13 日(日)  開催場所:東京農業大学 世田谷キャンパス ・会計報告(中間)   平成 26 年度収支決算報告は、マングローブサイエ

ンスVol.9 記載の通り。 ・その他 ・日本熱帯生態学会との共催について(報告) 第 2 回役員会  平 成 27 年 12 月 12 日( 土 )12:00 ~

13:00 ・ 平成 27 年度日本マングローブ学会総会提出議案に

ついて  ・その他 ・ 日本地球惑星科学連合大会(来年 5 月)での学会

連携について   日本サンゴ礁学会、熱帯生態学会と学会連携した

セッションの開催 ・役員改選(平成 28 年度~ 29 年度)

   1.2 年次大会平成 27 年 12 月12 日(土)・13 日(日) 東京農業大学において開催公開特別講演:「マングローブ研究の最前線」 講演Ⅰ 「マングローブ林の土壌炭素循環に関する一連

の研究」(岐阜大学流域圏科学研究センター・大塚俊之氏)

 講演Ⅱ 「マングローブにおける食物連鎖・炭素循環におけるカニの役割」(高知大学農学部・池島 耕氏)

 講演Ⅲ 「マングローブ林の保全と再生に必要な遺伝的多様性の解析」(琉球大学熱帯生物圏研究センター・梶田 忠氏)

 講演Ⅳ「 マングローブ主要構成種の地下部生産・分解プロセスと立地環境の関係」(南山大学総合政策学部・藤本 潔氏)

     一般発表 15 課題

   2.3 マングローブサイエンス(Vol. 10)の発行について平成 27 年度未発行

 2.平成 27 年度収支決算報告 別表-1 参照

第 2 号議案 平成 28 年度事業計画および収支予算の件

 1.会員の移動状況 平成 28 年 10 月末会員数 70 名 入会 3 名

 2.平成 28 年度事業計画(案)   2.1 役員会

第 1 回役員会  平成 28 年 10 月 1 日~(メール上にて開催)

 ・第 22 回日本マングローブ学会大会について  開催日:平成 28 年 12 月10 日(土)11 日(日)  開催場所:東京農業大学 世田谷キャンパス ・会計報告(中間) ・その他第 2 回役員会  平 成 28 年 12 月 10 日( 土 )12:10 ~

13:10 ・ 平成 28 年度日本マングローブ学会総会提出議案

について ・その他 ・ 日本熱帯生態学会との継続的な学会連携の申し入

れについて   2.2 年次大会

平成 28 年 12 月10 日(土)・11 日(日) 東京農業大学において開催公開特別講演:「マングローブ林の防災機能の再認識」 講演Ⅰ 「スマトラ沖地震津波やサモア沖地震津波でマ

ングローブ林が果たした役割」(東北学院大学大学院人間情報学研究科・宮城豊彦)

 講演Ⅱ 「マングローブ林の津波減勢効果のシミュレーション」(東北学院大学教養部・柳沢英明)

 講演Ⅲ 「マングローブ根系と流れの相互作用のモデル化と計測」(横浜国立大学総合的海洋教育・研究センター・古川恵太)

    一般発表 10 課題   2.3 マングローブサイエンス(Vol. 10)の発行について

平成 28 年度中に発行予定 3.平成 28 年度収支予算(案)

Mangrove Science Vol.10 ;37-38, 2018

Page 39: M ANGROVE S...mangrove forests is updated. In addition to that, interactions between mangrove root systems and flow are classified and reviewed; namely 1) the wake behind a single

3838 Mangrove Science Vol.10

別表-2

     平成28年度 収支決算報告 (平成28年4月1日~平成29年3月31日)

Ⅰ 収入の部 単位:円

科目 28年度予算額 決算額 増 減▲ 摘要

前年度繰越金 773,159 773,159 0

1.年会費 230,000 135,000 ▲ 95,000 正会員5,000円(27人)、学生会員3,000円(0人)

2.事業収入(計) 240,000 152,000 ▲ 88,000

   大会開催 240,000 152,000 ▲ 88,000大会参加費(4,000円X23人、4,000円X1人、非会員

当日参加等2,000円X3人)、懇親会費(2,000円X25

人)

   受託事業 0 0 03.寄付金 60,000 20,000 ▲ 40,000 東京農大からの学会開催助成金

4.雑収入 10,000 7 ▲ 9,993 普通預金利息等

合計 1,155,223 1,080,166 ▲ 75,057

Ⅱ 支出の部 単位:円科目 28年度予算額 決算額 増 減△ 摘要

1.事業費(計) 570,000 90,968 ▲ 479,032   大会開催費 270,000 90,968 ▲ 179,032 平成28年度(第22回)大会(12月10日)開催費

   学会誌刊行費 300,000 0 ▲ 300,000 Mangrove Science Vol.10未刊行

   受託事業費 0 0 0   その他 0 0 02.管理費(計) 66,000 8,275 ▲ 57,725   会議費 5,000 0 ▲ 5,000   旅費・交通費 5,000 0 ▲ 5,000   通信費 20,000 8,275 ▲ 11,725 平成28年度(第22回)大会開催案内状送付

   印刷・製本費 0 0 0

   消耗品費 6,000 0 ▲ 6,000 宛名ラベルほか

   賃借料 0 0 0   負担金 0 0 0

   雑費 30,000 0 ▲ 30,000

3.予備費 30,000 0 ▲ 30,000

小計(1.+2.+3.) 666,000 99,243 ▲ 566,757 次年度繰越金 637,159 980,923 343,764 合計 1,303,159 1,080,166 ▲ 222,993

平成28年度 貸借対照表 (平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)

収支決算 収入総額 1,080,166円(平成29年3月31日現在) 支出総額 99,243円

差引残高 980,923円単位:円

借方(資産の部)       貸方(負債・資本の部)科目 金額 摘要 科目 金額 摘要

1.現金 23,092 負債2.普通預金 957,831 1.未払金 0 3.郵便振替口座 0 2.預り金 0 4.損益 0 資本

次年度繰越金 980,923 資産合計 980,923 負債・資本合計 980,923

会計監査報告  平成28年度会計監査の結果、適法であり正確であることを認めます。

平成29年12月7日   監事 河合省三 ㊞(省略)

  監事 大田克洋 ㊞(省略)

別表-2

     平成28年度 収支決算報告 (平成28年4月1日~平成29年3月31日)

Ⅰ 収入の部 単位:円

科目 28年度予算額 決算額 増 減▲ 摘要

前年度繰越金 773,159 773,159 0

1.年会費 230,000 135,000 ▲ 95,000 正会員5,000円(27人)、学生会員3,000円(0人)

2.事業収入(計) 240,000 152,000 ▲ 88,000

   大会開催 240,000 152,000 ▲ 88,000大会参加費(4,000円X23人、4,000円X1人、非会員

当日参加等2,000円X3人)、懇親会費(2,000円X25

人)

   受託事業 0 0 03.寄付金 60,000 20,000 ▲ 40,000 東京農大からの学会開催助成金

4.雑収入 10,000 7 ▲ 9,993 普通預金利息等

合計 1,155,223 1,080,166 ▲ 75,057

Ⅱ 支出の部 単位:円科目 28年度予算額 決算額 増 減△ 摘要

1.事業費(計) 570,000 90,968 ▲ 479,032   大会開催費 270,000 90,968 ▲ 179,032 平成28年度(第22回)大会(12月10日)開催費

   学会誌刊行費 300,000 0 ▲ 300,000 Mangrove Science Vol.10未刊行

   受託事業費 0 0 0   その他 0 0 02.管理費(計) 66,000 8,275 ▲ 57,725   会議費 5,000 0 ▲ 5,000   旅費・交通費 5,000 0 ▲ 5,000   通信費 20,000 8,275 ▲ 11,725 平成28年度(第22回)大会開催案内状送付

   印刷・製本費 0 0 0

   消耗品費 6,000 0 ▲ 6,000 宛名ラベルほか

   賃借料 0 0 0   負担金 0 0 0

   雑費 30,000 0 ▲ 30,000

3.予備費 30,000 0 ▲ 30,000

小計(1.+2.+3.) 666,000 99,243 ▲ 566,757 次年度繰越金 637,159 980,923 343,764 合計 1,303,159 1,080,166 ▲ 222,993

平成28年度 貸借対照表 (平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)

収支決算 収入総額 1,080,166円(平成29年3月31日現在) 支出総額 99,243円

差引残高 980,923円単位:円

借方(資産の部)       貸方(負債・資本の部)科目 金額 摘要 科目 金額 摘要

1.現金 23,092 負債2.普通預金 957,831 1.未払金 0 3.郵便振替口座 0 2.預り金 0 4.損益 0 資本

次年度繰越金 980,923 資産合計 980,923 負債・資本合計 980,923

会計監査報告  平成28年度会計監査の結果、適法であり正確であることを認めます。

平成29年12月7日   監事 河合省三 ㊞(省略)

  監事 大田克洋 ㊞(省略)

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3939December 2018

平成29年度 日本マングローブ学会 総会報告

第1号議案 平成 28 年度事業および収支決算報告の件

 1.平成 28 年度事業報告   1.1 役員会

第 1 回役員会  平成 28 年 10 月 3 日~ 10 日(メール上にて開催)

 ・第 22 回日本マングローブ学会大会について  開催日:平成 28 年 12 月10 日(土)、11 日(日)  開催場所:東京農業大学 世田谷キャンパス ・会計報告(中間)  平成 27 年度収支決算報告を行った。 ・その他 ・日本熱帯生態学会との共催について(報告)第 2 回役員会  平 成 28 年 12 月 10 日( 土 )12:10 ~

13:10  ・ 平成 28 年度日本マングローブ学会総会提出議

案について  ・その他  ・ 日本熱帯生態学会との継続的な学会連携につい

て   1.2 年次大会

  平成 28 年 12 月10 日(土)・11 日(日) 東京農業大学において開催

    公開特別講演:「マングローブ林の防災機能の再認識」 講演Ⅰ 「スマトラ沖地震津波やサモア沖地震津波でマ

ングローブ林が果たした役割」(東北学院大学大学院人間情報学研究科・宮城豊彦)

 講演Ⅱ 「マングローブ林の津波減勢効果のシミュレーション」(東北学院大学教養部・柳澤英明)

 講演Ⅲ 「マングローブ根系と流れの相互作用のモデル化と計測」(横浜国立大学総合的海洋教育・研究センター・古川恵太)

   一般発表 10 課題   2.3 マングローブサイエンス(Vol. 10)の発行について

平成 28 年度未発行 2.平成 28 年度収支決算報告 別表-2参照

第 2 号議案 平成 29 年度事業計画および収支予算の件

 1.会員の移動状況 平成 29 年 10 月末会員数 60 名 入会 3 名

 2.平成 29 年度事業計画   2.1 役員会

第 1 回役員会  平成 29 年 9 月 28 日~ 10 月 6 日(メール上にて開催)

 ・第 23 回日本マングローブ学会大会について  開催日:平成 29 年 12 月 9 日(土)、10 日(日)  開催場所:東京農業大学 世田谷キャンパス ・会計報告(中間) ・その他第 2 回役員会  平 成 29 年 12 月 9 日( 土 )12:30 ~

14:00 ・ 平成 29 年度日本マングローブ学会総会提出議案

について ・その他 ・地球惑星科学連合大会 2018 の共催依頼について ・役員改選(平成 30 年度~ 31 年度)

   2.2 年次大会(予定)  平成 29 年 12 月 9 日(土)・10 日(日) 東京農業大

学において開催    特別企画: 『中学生・高校生によるマングローブに関す

る研究発表とマングローブに関しての「なんでも相談」』

    一般発表 6 課題   2.3 マングローブサイエンス(Vol. 10)の発行について

    平成 29 年度中に発行予定3.平成 29 年度収支予算(案)

第 3 号議案

 その他  ・地球惑星科学連合大会 2018 の共催  ・役員改選(平成 30 年度~ 31 年度)

Mangrove Science Vol.10 ;39-40, 2018

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4040 Mangrove Science Vol.10

別表-3

     平成29年度 収支決算報告 (平成29年4月1日~平成30年3月31日)

Ⅰ 収入の部 単位:円科目 29年度予算額 決算額 増 減▲ 摘要

前年度繰越金 980,923 980,923 0

1.年会費 288,000 124,000 ▲ 164,000 正会員5,000円(23人)、学生会員3,000円(3人)

2.事業収入(計) 240,000 122,000 ▲ 118,000

   大会開催 240,000 122,000 ▲ 118,000大会参加費(正会員4,000円X20人、学生会員

2,000円X2人)、懇親会費(2,000円X19人)

   受託事業 0 0 03.寄付金 20,000 0 ▲ 20,0004.雑収入 10,000 9 ▲ 9,991 普通預金利息等

合計 1,538,923 1,226,932 ▲ 311,991

Ⅱ 支出の部 単位:円科目 29年度予算額 決算額 増 減△ 摘要

1.事業費(計) 570,000 104,188 ▲ 465,812   大会開催費 270,000 104,188 ▲ 165,812 平成29年度(第23回)大会(12月9日)開催費

   学会誌刊行費 300,000 0 ▲ 300,000 Mangrove Science Vol.10未刊行

   受託事業費 0 0 0   その他 0 0 0

2.管理費(計) 66,000 11,289 ▲ 54,711

   会議費 5,000 0 ▲ 5,000   旅費・交通費 5,000 0 ▲ 5,000

   通信費 20,000 8,200 ▲ 11,800 平成29年度(第23回)大会開催案内状送付

   印刷・製本費 0 0 0

   消耗品費 6,000 1,728 ▲ 4,272 宛名ラベルほか

   賃借料 0 0 0   負担金 0 0 0   雑費 30,000 1,361 ▲ 28,639 宅急便送付

3.予備費 30,000 0 ▲ 30,000 小計(1.+2.+3.) 666,000 115,477 ▲ 550,523 次年度繰越金 872,923 1,111,455 238,532 合計 1,303,159 1,226,932 ▲ 76,227

平成29年度 貸借対照表 (平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)

収支決算 収入総額 1,226,932円

(平成29年3月31日現在) 支出総額 115,477円差引残高 1,111,455円単位:円

借方(資産の部)       貸方(負債・資本の部)科目 金額 摘要 科目 金額 摘要

1.現金 23,092 負債

2.普通預金 957,831 1.未払金 0 3.郵便振替口座 0 2.預り金 0 4.損益 0 資本

次年度繰越金 1,111,455 資産合計 980,923 負債・資本合計 1,111,455

会計監査報告  平成29年度会計監査の結果、適法であり正確であることを認めます。

平成30年11月6日   監事 河合省三 ㊞(省略)

  監事 大田克洋 ㊞(省略)

別表-3

     平成29年度 収支決算報告 (平成29年4月1日~平成30年3月31日)

Ⅰ 収入の部 単位:円科目 29年度予算額 決算額 増 減▲ 摘要

前年度繰越金 980,923 980,923 0

1.年会費 288,000 124,000 ▲ 164,000 正会員5,000円(23人)、学生会員3,000円(3人)

2.事業収入(計) 240,000 122,000 ▲ 118,000

   大会開催 240,000 122,000 ▲ 118,000大会参加費(正会員4,000円X20人、学生会員

2,000円X2人)、懇親会費(2,000円X19人)

   受託事業 0 0 03.寄付金 20,000 0 ▲ 20,0004.雑収入 10,000 9 ▲ 9,991 普通預金利息等

合計 1,538,923 1,226,932 ▲ 311,991

Ⅱ 支出の部 単位:円科目 29年度予算額 決算額 増 減△ 摘要

1.事業費(計) 570,000 104,188 ▲ 465,812   大会開催費 270,000 104,188 ▲ 165,812 平成29年度(第23回)大会(12月9日)開催費

   学会誌刊行費 300,000 0 ▲ 300,000 Mangrove Science Vol.10未刊行

   受託事業費 0 0 0   その他 0 0 0

2.管理費(計) 66,000 11,289 ▲ 54,711

   会議費 5,000 0 ▲ 5,000   旅費・交通費 5,000 0 ▲ 5,000

   通信費 20,000 8,200 ▲ 11,800 平成29年度(第23回)大会開催案内状送付

   印刷・製本費 0 0 0

   消耗品費 6,000 1,728 ▲ 4,272 宛名ラベルほか

   賃借料 0 0 0   負担金 0 0 0   雑費 30,000 1,361 ▲ 28,639 宅急便送付

3.予備費 30,000 0 ▲ 30,000 小計(1.+2.+3.) 666,000 115,477 ▲ 550,523 次年度繰越金 872,923 1,111,455 238,532 合計 1,303,159 1,226,932 ▲ 76,227

平成29年度 貸借対照表 (平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)

収支決算 収入総額 1,226,932円

(平成29年3月31日現在) 支出総額 115,477円差引残高 1,111,455円単位:円

借方(資産の部)       貸方(負債・資本の部)科目 金額 摘要 科目 金額 摘要

1.現金 23,092 負債

2.普通預金 957,831 1.未払金 0 3.郵便振替口座 0 2.預り金 0 4.損益 0 資本

次年度繰越金 1,111,455 資産合計 980,923 負債・資本合計 1,111,455

会計監査報告  平成29年度会計監査の結果、適法であり正確であることを認めます。

平成30年11月6日   監事 河合省三 ㊞(省略)

  監事 大田克洋 ㊞(省略)

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4141December 2018

平成27年度日本マングローブ学会大会プログラム(於:東京農業大学世田谷キャンパス 1号館542教室)

第 1日目 12月12日(土)ドローン・SfM 技術がマングローブ研究に及ぼすインパクト   渡辺信 ( 琉球大学 )・宮城豊彦(東北学院大学)・内山庄一

郎(防災科学技術研究所)・井上智美(国立環境研究所)マングローブAvicennia marina 種子のカルス誘導をカルシウムが阻害する   笹本浜子(横浜国立大学、神奈川大学)・持田幸良(横浜

国立大学)オヒルギBruguiera gymnorrhiza の窒素獲得機構   井上智美(国立環境研究所)・小山里奈(京都大学)・松尾

奈緒子(三重大学)マングローブ 3 種の葉の形質と立地の違いによる被食の差異  佐藤泰介・持田幸良(横浜国立大学)メヒルギ幼苗生育培地の抗菌活性   本間知夫・奥峪弘晃(前橋工科大学)・渡辺信(琉球大学) ベトナム、カンザー地区の放棄塩田における植林最適樹種の選定   古谷一将(南山大学・学生)・藤本潔(南山大学 )・石原修

一(帝京大学高校、南遊の会)・浅野哲美(南遊の会)・Do Van Khai(南山大学・研究生、ホンバン国際大学)・Cao Huy Binh・Phan Van Trung・Huynh Duc Hoan・Le Van Sinh (Can Gio Mangrove Protection Forest Management Board)・Vien Ngoc Nam (Nong Lam Univ.)

今、なぜ、マングローブ・ポータルサイトの開設か-ポータルサイト構成と、データ収集に関するご協力のお願い-   馬場繁幸(国際マングローブ生態系協会)・井上智美(国立

環境研究所)・貝沼真美・大城のぞみ・毛塚みお(国際マングローブ生態系協会)・宮城豊彦(東北学院大学)・持田幸良(横浜国立大学)

公開特別講演「マングローブ研究の最前線」司会 藤本潔(南山大学)・宮城豊彦(東北学院大学)趣旨説明 藤本潔(南山大学) 講演Ⅰ  マングローブ林の生態系純生産量 (NEP) に関する研究

大塚俊之(岐阜大学)・友常満利(神戸大学)・吉竹晋平(岐阜大学)・飯村康夫(滋賀県立大学

講演Ⅱ  マングローブ生態系における食物連鎖・炭素循環におけるカニの役割

   池島耕(高知大学)

講演Ⅲ  マングローブ林の保全と再生に必要な遺伝的多様性の解析

   梶田忠(琉球大学)講演Ⅳ  マングローブ主要構成種の地下部生産・分解プロセス

と立地環境の関係   藤本潔(南山大学)総合討論

第 2日目 12月13日(日)西表島船浦湾マングローブ林におけるヤエヤマヒルギとオヒルギの細根生産量   小野賢二 ( 森林総合研究所 )・藤本潔(南山大学)・渡辺信・

谷口真吾(琉球大学)・井上智美(国立環境研究所)・小川知美(元名古屋大学・院)

亜熱帯マングローブ林における粗大有機物の分解呼吸特性   友常満利 ( 神戸大学)・大塚俊之(岐阜大学)・墨野倉伸彦・

新海恒・木田森丸・小泉博石垣島吹通川河口マングローブ林における土壌有機炭素の貯留機構:海水塩の影響について   木田森丸・友常満利 ( 神戸大学)・加藤拓・飯村康夫・金

城和俊・大塚俊之(岐阜大学)・藤嶽暢英(神戸大学)世界のマングローブ林の何処が脆弱なのか ( 予報 )   宮城豊彦(東北学院大学)・馬場繁幸(ISME)・井上智美(国

立環境研究所)・東北学院大学 VWM データ作成チームSfM を用いたマングローブ域の地形・植生再現性の検証―沖縄県西表島で実施例―   宮城豊彦(東北学院大学)・内山庄一郎(防災科学技術研

究所)・汎熱帯海流散布植物ハマアズキを用いた太平洋内の「見えない障壁」の探索   山本崇 ( 千葉大学)・津田吉晃・高山浩司・永嶋玲子・立石

庸一・梶田忠メヒルギの矮性化に及ぼす環境要因の影響   谷口真吾(琉球大学)・中須賀常雄(元琉球大学)・高橋遼(興

南施設管理(株))海面上昇に伴ってマングローブ泥炭堆積域で今起こりつつあること  藤本 潔(南山大学)

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4242 Mangrove Science Vol.10

平成28年度日本マングローブ学会大会プログラム(於:東京農業大学世田谷キャンパス 1号館342教室)

第 1日目 12月10日(土)マングローブクラブ腸内細菌とその生息土壌の持つセルロース分解活性  足 立 亨 介・杉 岡 茉 美( 高 知 大 学 )・Prasert Tongnunui

(Rajamangala Univ. Tech.)・荒木通啓(神戸大学)・森岡克司・池島耕(高知大学)

ビデオ観察によるマングローブ林のベンケイガニ類生息密度の推定  鈴木実央(高知大・院)・池島耕・足 立亨介(高知大)・

Prasert Tongnunui (Rajamangala Univ. Tech.)マングローブ生態系からの溶存鉄溶出メカニズム-植食性カニ介在モデルの検討  中西康博(東京農業大学)・松谷達馬(東京農業大学・現宮

城県農林水産部)マングローブ林床土壌に含まれる溶存鉄のサイズ分画法による画分  澤田大和・檜谷昂・入江満美・中西康博(東京農業大学)フィリピン・ボホール島の沿岸地域における生業活動とエビ養殖業の変容と現状-1990 年代初頭との比較研究- 金沢克哉(南山大学・学生)・藤本潔(南山大)

公開特別講演「マングローブ林の防災機能の再認識」司会・趣旨説明 馬場繁幸(国際マングローブ生態系協会)講演Ⅰ  スマトラ沖地震津波やサモア沖地震津波でマングロー

ブ林が果たした役割   宮城豊彦(東北学院大学)

講演Ⅱ マングローブ林の津波減勢効果のシミュレーション   柳澤英明(東北学院大学)講演Ⅲ  マングローブ根系と流れの相互作用のモデル化と計測   古川恵太(横浜国立大学)総合討論

第 2日目 12月11日(日)西表島船浦湾マングローブ林におけるヤエヤマヒルギとオヒルギの細根生産・蓄積量  金山昂平(南山大学・学生)・藤本潔(南山大)・小野賢二(森

林総研)・渡辺信・谷口真吾(琉球大)マングローブ泥炭堆積域における群落レベルでの海面上昇影響の実態と近未来予測(予報)  松井夕貴(南山大学・学生)・藤本潔(南山大)・小野賢二(森

林総研)・渡辺信・谷口真吾(琉球大)・Saimon Lihpai (Pohnpei State Government)

沖縄県西表島仲間川マングローブ林の発達に関する新しい知見宮城豊彦 ( 東北学院大学 )・内山庄一郎 ( 防災科学技術研究所 )・ 渡辺信 ( 琉球大学 )マングローブ植物の生体電位の長期計測  本間知夫(前橋工科大学)・井村信弥・石垣圭一・馬場繁幸・

渡辺信(琉球大学)マングローブ葉の嗜好飲料原料としての評価 檜谷昂・柴崎航・入江満美・中西康博(東京農業大学)

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4343December 2018

平成29年度日本マングローブ学会大会プログラム(於:東京農業大学世田谷キャンパス 1号館331教室)

平成 28 年 12月 9日(土)キバウミニナTelebralia palustris の生息密度と摂食速度・嗜好性について  増田 憲・檜谷 昂・中西 康博(東京農業大学農学研究科)ベトナム、カンザー地区の放棄塩田における植林最適樹種の選定-パイオニア樹種の植栽試験-  坂野絢乃 ( 南山大学・学生 )・藤本潔 ( 南山大、南遊の会 )・

石原修一(駒場東邦中高、南遊の会)・Do Van Khai ( 南山大学・院 )・阿部隼人(琉球大学・学)・Cao Huy Binh・Phan Van Trung・Huynh Duc Hoan・Le Van Sinh(Cán Gio Mangrove Protection Forest Management Board)

次世代シーケンシングデータで示されたRhizophora mangle および近縁種の遺伝構造  山本崇(鹿児島大学大学院連合農学研究科)・今井亮介(筑

波大学)・高山浩司(ふじのくに地球環境史ミュージアム)・津田吉晃(筑波大学)・梶田忠(琉球大学)

Sonneratia ovata 赤色カルスのアントシアニン:シアニジン 3,5-ジグルコシドのプロトプラスト共培養法によるアレロパシー活性評価  笹本浜子(神奈川大学)・岩科司(国立科学博物館)・鈴木栄(東

京農工大・院)・安積良隆(神奈川大)・藤井義晴(東京農工大・院)西表研究施設から発信するゲノムベースのマングローブ研究紹介  梶田忠(琉球大)・山本崇(鹿児島大学大学院連合農学研究

科)・今井亮介(筑波大学)・津田吉晃(筑波大学)・高山浩司(ふじのくに地球環境史ミュージアム)・岩崎貴也(神奈川大学)・伊藤克哉(琉球大学)・下田凜太郎(琉球大学)・佐土哲也・後藤亮・宮正樹(千葉県立中央博物館)

マングローブ林における群落レベルでの海面上昇影響の実態把握-ミクロネシア連邦ポンペイ島における表層侵食域の林分構造と立地環境-  藤本 潔(南山大学)・小野賢二(森林総合研究所)・渡辺信・

谷口真吾(琉球大学)・古川恵太(海洋政策研究所)・平田泰雅(森林総合研究所)・羽佐田紘大(法政大学)・Saimon Lihpai (Pohnpei State Government)

公開特別講演「中学生・高校生によるマングローブに関する研究発表とマングローブに関しての「なんでも相談」司会・趣旨説明 馬場繁幸(国際マングローブ生態系協会) 発表Ⅰ  西表島に行ってきました!   宮﨑諒(東京都立科学技術高等学校)発表Ⅱ 海外研修報告~マレーシア ボルネオ島~   勝原涼帆(東京都立科学技術高等学校)発表Ⅲ  異なるマングローブ樹種の発芽・発根特性を調べる実

験    荒牧香帆・伊藤遥香・岩村七海・原田侑佳・和田瑞生(山

脇学園中学校)発表Ⅳ マングローブの水質浄化能を調べる実験に関して    岡田悠里・熊澤美希・菅原羽那・宮地李果(山脇学園高

等学校)発表Ⅴ  高等学校教育でマングローブに触れた生徒はどういっ

た進路を送るのか~発表者阿部隼人を例にして~    阿部隼人(琉球大学・都立科学技術高等学校(2016 年卒))総合討論

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4444 Mangrove Science Vol.10

日本マングローブ学会会則

第1章 総則 (名称)第1条 本会は日本マングローブ学会 (Japan Society for Mangroves)と称する。 (事務局)第2条 本会の事務局は下記におく。 〒 156-8502 東京都世田谷区桜丘 1-1-1  東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科林産化学 研究室内

第2章 目的および事業 (目的)第3条 本会はマングローブに関する学理について,研究発表, 知識の交換,情報の提供を行う場となることにより,マングロー ブに関する研究の普及を図り,わが国の学術と関連産業の発  展に寄与することを目的とする。 (事業)第4条 本会は,前条の目的を達成するために次の事業を行う。 (1) 年次大会の開催 (2) 会誌「Mangrove Science」の発行 (3) その他本会の目的を達成するために必要な事業

第3章 会員の種別および年会費 (種別)第5条 本会の会員種別は次のとおりとする。 (1) 正会員(一般会員と称する。)本会の目的に賛同して入     会した個人 (2) 学生会員 本会の目的に賛同して入会した院生,学生の     身分を有する個人 (3) 賛助会員 本会の目的に賛同して入会し,規定の賛助     会費を納めた団体または個人 (入会)2. 本会に入会しようとする者は,所定の入会申込書に必要     事項を記入し会長に申し込む。3. 会員が退会しようとする時は、退会届けを会長に提出する。 (年会費)第6条 本会の年会費は次のとおりとする。 (1) 正会員 5,000 円 (2) 学生会員 3,000 円 (3) 賛助会員 1口 10,000 円以上 (4) 年会費の改定は総会の決議による。2. 納入した年会費はいかなる理由があっても返却しない。

第4章 役員等 (役員等)第7条 本会には次の役員をおく。 (1) 会長 1名 (2) 副会長 3名以内 (3) 理事 20 名以内 (4) 監事 (5) 顧問

2. 役員は総会で選出する。3. 役員は,会長の指示に従い,本会の事業が円滑に行われる   ように審議する。会計,総務,庶務および編集を担当する   責任者を定める。4. 役員の任期は4月1日よりの2年間とし再任は妨げない。

第5章 会議 (会議)第8条 本会に総会,役員会,編集委員会をおく。 (総会)第9条 総会は正会員,学生会員によって構成し,年1回会長  が招集する。なお,必要に応じて,臨時総会を開催する。2. 総会の議長は会長とし,総会の議事は出席会員の過半数で   決する。3. 総会は次の事項を決議する。 (1) 事業計画および収支予算 (2) 事業報告および収支決算 (3) 役員の改選 (4) 会則の変更 (5) その他,会長,役員会が必要と認めた事項 (役員会)第10条 役員会は役員によって構成し,会長が招集する。2. 役員会は次の事項を審議する。 (1) 総会に提案する事項 (2) 年次大会の実行・運営に関する事項 (3) 会誌「Mangrove Science」の発行に関する事項 (4) その他,会長が必要と認めた事項    (Mangrove Science 編集委員会)第11条 本会に会誌「Mangrove Science」編集委員会をおく。2. 委員は編集委員長の推薦により,会長が委嘱する。3. 編集委員会は投稿原稿の審査,編集,発行を担当する。4. Mangrove Science の投稿規定,執筆要領は別に定める。

第6章 会計 (会計) 第12条 本会の収支決算は会計年度終了後すみやかに監査  を受け,役員会の審議を経て,総会の承認を受けなければな  らない。

第13条 本会の会計年度は毎年 4 月1 日に始まり, 翌年の 3 月 31 日に終わるものとする。

第7章 その他第14条 年次大会,総会,編集委員会,会計等に関する細則      は別にそれを定める。

付則 1)平成元年 12 月,日本マングローブ協会会則として制定。 2)平成 6 年から,日本マングローブ協会学術部会は日本マ    ングローブ学会と称する。 3)平成 23 年 11 月 5 日改正。

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MANGROVE SCIENCE 投稿規程

執 筆 要 領

 本学会誌に掲載する論文の種類は,原著論文,総説論文,短報,資料とする.1. 正会員は本学会誌へ投稿できる. 著者複数の場合は少なく

ともその内の一人が正会員でなければならない . 但し,編集委員会が依頼した場合はこの限りではない.

2. 原著論文は和文または英文で書かれたオリジナルとし,別に定める執筆要領に従って作成されたものとする.

3. 総説論文は,編集委員会がテーマや分野を定め,これの執筆者を選定し依頼したもの,または会員が総説論文として投稿し,編集委員会が認めたものとする.

4. 短報は原著論文に準じ,内容が編集委員会において短報と判定されたもので,刷り上がりは 5 ページを超えないものとする.

5. 原稿はpdfファイルとし,e-mailで添付書類として提出する. 6. 原稿の採否は編集委員会が決定する.受け付けられた原

稿のうち,原著論文,短報については,編集委員会が選定した複数の専門家に校閲を依頼する.その結果,内容,体裁に問題ありと判断された場合は,その旨を著者に伝えて

1.論文原稿は和文または英文とし,次の順序で記述する .  和 文の場合 : (1) 表題,(2) 英文表題,(3) 著者名,(4) ロー

マ字著者名,(5) 所属,(6) 英文アブストラクト,(7) Key Word(アルファベット順に 5 語以内),(8) 本文,(9) 文献 .

  英 文の場合:(1) 表題,(2) 著者名,(3) 所属,(4) 英文アブストラクト,(5) Key Word (アルファベット順に 5 語以内),(6) 本文,(7) 文献 .

2. 和文原稿の場合は MS 明朝 10.5 ポイント,英文原稿の場合は Times New Roman10.5 ポイントを使用する.フォーマットはとくに指定しないが,1 段組み,40 字,36 行を目安に作成する.

3. 論文中に引用した文献はすべて記載するものとし,文献の書式は下記の例に習い,配列は著者のアルファベット順とする.Web サイトの場合も下記の例にならい,そのアドレスと引用の日付も記載する.

<例>藤本潔・宮城豊彦 (2015):マングローブ林の植生配列と微地形

との関係およびその応用可能性.藤本潔・宮城豊彦・西城潔・竹内裕希子編著『微地形学-人と自然をつなぐ鍵-』80-104,古今書院.

Hong, P. N. (2004): Effects of mangrove restoration and conservation on the biodiversity and environment in Can Gio District. In Vannuchi, M. (ed.) Mangrove management & conservat ion : present & future . United Nations

修正を求める.また受理できないと判定された論文は理由を明記して著者に返却する.

7. 受理された場合は完全原稿を電子ファイル(Word 原稿)にて提出する.著者校正は原則として初校に限っておこない,誤植の訂正にとどめる.

8. 論文は図表を含め,刷り上がり原則 20 ページまでとし,超過分については著者負担とする.ただし編集委員会が依頼した原稿はこの限りではない.

9. 別刷りは50部までを無料とし,50部以上は著者負担とする.10. 原稿は下記 e-mail アドレスに送付する.また本学会誌に関

する問い合わせ先は編集委員会宛とする.

   〒 466-8673 愛知県名古屋市昭和区山里町 18   南山大学総合政策学部内   日本マングローブ学会編集委員会   藤本 潔   Tel & Fax : 052-838-5820    e-mail : [email protected]

University Press, Tokyo, pp 111-137.Matsuda, Y. and Kamiyama, K. (2007): Tidal deformation

and inundation characteristics within mangrove swamps. Mangrove Science 4: 21-29.

中村武久・中須賀常雄 (1998):『マングローブ入門』めこん.大 田克洋・皆川 礼子・中 村 武 久 (2010):タイ国における

Sonneratia 属 4 種の髄腔の形態に関する新知見.Mangrove Science 7: 29-35.

Spalding, M., Kainuma, M. and Collins, L. (2010): World atlas of mangroves . Earthscan, London.

UNESCO 2002. UNESCO-MAB biosphere reserve directory: Can Gio Mangrove . http://www.unesco.org/mabdb/br/brdir/directory/biores .asp?mode=all&code=VIE+01

(Accessed February 3, 2017)4. 和文原稿で動植物名を記す場合,和名はカタカナ書きとし,

学名はイタリック体とする.5. 論文中への図表の掲載は自由であるが,そのまま印刷でき

るもの(清書した図表・プリント写真)であること.6. 図(Fig.)表(Table)および写真(Fig. または Photo)には

英文でキャプションをつける.その説明は別紙に書き,図表・写真と一致するよう番号を Fig.1, Table1, Photo1 のように明示する.ただし,和文原稿の場合は和文キャプションも付加し,図表中の記載を日本語とすることもできる。その場合の番号は,図 1,表 1,写真1とする.

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顧 問 : 檜垣宮都,松田義弘,鈴木邦雄会 長 : 馬場繁幸副会長 : 飯島倫明 , 宮城豊彦,田淵隆一理 事 : 中西康博(総務担当) 人江憲治(会計担当) 皆川礼子(庶務担当) 藤本 潔(編集担当) 渡辺 信(企画担当) 井上智美,梶田 忠 , 北宅善昭 , 古川恵太 , 持田幸良監 事 : 河合省三 , 大田克洋

日本マングローブ学会役員名簿(2018 年度・2019 年度)

Mangrove Science Vol.10. 2018

編 集・発 行 日本マングローブ学会 藤本 潔(編集委員長)編集委員会 〒 466-8673 名古屋市昭和区山里町 18 南山大学総合政策学部内 電話番号 052-838-5820日本マングローブ学会事務局 〒 156-8502 東京都世田谷区桜丘 1-1-1 東京農業大学国際食料情報学部国際農業開発学科 農業環境科学研究室内(担当:中西康博)印    刷 株式会社彩流工房 横浜市中区山手町 24-11 徳永山手ビル 201 号印 刷・発 行 2018 年 12 月 印刷 2018 年 12 月 発行

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