makeの最後の砦(ラスボス):半導体への挑戦

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Make の最後の砦:半導体への挑戦

秋田純一(金沢大学)

ラ   ス  ボ  ス

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自己紹介 名古屋生まれ→博士号 (‘98) (イメージセンサ) 金沢大 (’98 ~’ 00 ・’ 04 ~ ) 公立はこだて未来大 (’00 ~’ 04)

’95 〜’ 00: はこだて未来大 計画策定委員 本業:(機能つき)イメージセンサ +半導体を使うデバイス・システム(←電子工少年)

好きな半田は Pb:Sn=60:40

LSI (イメージセンサ)のレイアウト図(プロッタ出力して目視チェック)

チップと基板をつなぐワイヤーボンディング 基板設計

はんだ部屋

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自己紹介(おまけ)

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ContentsMaker ムーブメントと秋葉原と深圳

技術の普及と「道具」Make の背景:半導体の歴史と現状

ムーアの法則「低価格化」がもつ意義

半導体(集積回路)が「道具」になるために集積回路は道具か?集積回路が 道具」になるための道筋「

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最近の秋葉原(あきば)

※ 客層が変わってきている(こっちの)(昔)ロボコン高専生・電子工作マニア(おっさん)(今)↑+テクノ手芸女子、親子連れ、美大生

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西餅「ハルロック」(週刊モーニングで連載→単行本)

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Make: 理工離れ?どこの世界の話?「ものづくり (Fabrication) 」の多様化

ホビーから製造業までつながる製造技術が身近になった(電子回路、 3D プリン

タ、・・・)部品メーカ、設計者、ユーザの「生態系

(Ecosystem) 」多様なニーズ、無視できないロングテール(ニッ

チ)従来型製造業の補完(置換ではない)小ロット製造が可能となったクラウド ファンディング・

=市場調査+資金調達STEM / STEAM 教育との連携

350 Exhibitors@Maker Faire Tokyo 2015

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どうしてこうなった?

• 電子工作は昔からある• 機械加工も昔からある• けど、一部の人(プロ・マニア)しか使っていなかった

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技術が「道具」になるには?

1993 年頃に生まれる→ 2003 年頃から普及( 10年)

当初:食べ方??? 料理番組・雑誌等での

調理例→定番キノコに 料理の「道具(素材)」に

なった

( Wikipediaより)

(農林水産省「平成20年度 農林水産物貿易円滑化推進事業 台湾・香港・シンガポール・タイにおける品目別市場実態調査(生鮮きのこ)報告書」 (林野庁経営課特用林産対策室 )より)

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技術が「道具」になるステップ開発/発明されるお店で買えるようになる使い方が知られるようになるみんなが使うようになるそれが「道具」となって、次のステップ

プロのみ マニア(ハイレベルアマチュア)向け だれでも

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技術が「道具」になった結果:深圳・華強北の生態系

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山寨 (ShanZhai) の例 (“iPhone nano”)※FakeCopy ではなく、プロダクトの 進化系。これが 2 週間で量産される※ 資金も頭脳も世界中から集まる

無限に続くパーツ問屋

“Used Mobile Phone Shop” in HuaQiangBei

モジュール・部品販売(試作量産用)

路上で 3枚おろし(パネル等に分解)

店頭で修理&試作

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技術の「普及」がもたらすもの(従来)技術=プロの特権(いま)技術=誰でも使える(普及・民主

化)ユーザの裾野が広がる(多様化)その中から「アタリ(イノベーション)」が生

まれる相対的に「プロ」の重要性↑↑(「遊び」だけ

でない)

(L.Fleming, Harvard Business Review,8(9), pp.22-24 (2004))

メンバの「均一性」

生ま

れる成果

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プロの役割・意義の向上電子回路-電子工作-エレクトロニクスいままで微妙に重なっていなかったMake の登場・普及で、やっとつながった

電子回路を勉強机上の理論(←いままで)+ Make の実践(その裏づけ)やってみると、怪しい知識の限界に気づく

勉強したら、 Make で「生かせる」

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Make の背景:半導体の歴史と現状

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ムーアの法則

微細化→チップ上のトランジスタ数↑継続的な微細化を促す(予測→目標へ)

ref: http://www.intel.com/jp/intel/museum/processor/index.htm

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ムーアの法則がもたらしたもの

DEC VAX(1976)1MIPS

Cray-1 (1978)100MIPS

MIPS : Million Instruction Per Second( World’s 1st Super Computer )

「速度向上」+「そこそこの性能の利用分野の拡大」

20000MIPS

10MIPS

100MIPS

20MIPS20000MIPS

109MFLOPS

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「 L チカ」:はじめの一歩

※ プログラミング言語における “ Hello World” っぽい

Interface Device Laboratory http://ifdl.jp/ ※ ウソです

広辞林(第6版)より

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日本工業標準調査会( JISC )JIS規格一覧

※ ウソです

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「 L チカ」のパラダイムシフト

マイコン (MCU) を使って「 L チカ」しない理由がないコスト、機能性、・・・

コンピュータの使い方がもったいなくなくなった

MCU#Component=1

$1

Oscillator(555)#Component=4

$1.5while(1){ a = 1; sleep(1); a = 0; sleep(1);}

可能だが非現実的な L チカ

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ムーアの法則がもたらしたもの(2)LSI 設計・製造コストの高騰

シャトル製造サービス〜 $1k製造初期コスト(マスク)〜 $1M設計ツール 〜 $1M秘密保持契約( NDA; Non Disclosure

Agreement ) : Priceless

製造工場 〜 $1G

cf: プリント基板製造( $10~)、 Arduino ( $10 ~)

cf: 設計 CAD&コンパイラ( IDE )( Free~)

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半導体は「道具」か?:調査

https://www.youtube.com/watch?v=A188CYfuKQ0http://www.nicovideo.jp/watch/sm23660093

CMOS 0.18um 5Al2.5mm x 2.5mmRingOSC x 1001T-FF (Div)

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L チカ LSI動画:ニコ動でのコメント こっから? ニコ技界の TOKIO ゲートの無駄遣い ここから!!? ひでえ、勿体ない使い方 wwwww マジかよ。レジストレベルの設計とかガチすぎる。

無駄遣い過ぎるだろ w 贅沢というかなんというか え?まじでここからかよ」 wwww 」」

IC版 FusionPCB的なところが現れれば・・・

(FPGA では ) いかんのか? 俺は FPGA で我慢することにする いや、そこまでは必要ないです 量産品すら FPGA 使う時代に専用 LSI ・・・ アマチュアは FPGA で良いんだよなぁ・・・ w

「もったいない」という発想=道具になりきっていない

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半導体は「道具」になりきれていない「ないなら作る」から未来はつくられるほとんどの人(エンジニアも含む)は

「カスタム LSI を設計すること」は、考えたこともない高価すぎる、複雑すぎる、経験がない

ほとんどの人(エンジニアも含む)は、「いま買える LSI を使う」という(思考の)制約マイコン、センサ、 FPGA 、・・・

例: Kinect は誰でも使えるが、「 Kinect を創り出す」人は限られているイノベーションの機会を逃している、ともいえる

半導体= Make 界のラスボス

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「半導体が道具になる」ために足りないものCADツール

商用ツールは高価すぎ&複雑すぎる製造方法

高価すぎる、製造期間が長すぎる(数ヶ月)厳しい NDA (知識や IP共有の制約)

ユーザ・コミュニティ「どう設計するか」だけでなく、

「どう LSI を使うか」の視点IoT = Trillion Sensors

・・・誰がどうやって何のために運用する?

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MakeLSI: -概要嘆いてもしょうがないので、

できるところから・・・とりあえず使えるツールでノウハウ共有&入門編コミュニティ: ML で(誰でも)LSI 専門家&非専門家(~主婦)

http://ifdl.jp/make_lsi

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MakeLSI: - CADツール探せばいろいろある

レイアウトツール: Wgex回路シミュレーション: LTspice / Spice3論理合成・配置配線 : Alliance

プロジェクト内の標準ツール使用法・設計法のノウハウの共有・蓄積

IP の分散開発・蓄積

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MakeLSI: -製造方法北九州学研都市クリーンルームでの相乗りチップ製造実習CMOS 2[um], 2Al, NDA-Free

(近い将来)ミニマルファブ(産総研他)0.5 インチウエハ、マスクレス露光数日で製造数万円/ウエハ「プリント基板」並みに

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MakeLSI: -データの蓄積・再利用GitHub上でデータを共有

=再利用 OKNDA-Free 設計ルール = NDA-Free IP

迅速な IP開発 多くの参加者による開発 品質が低い場合もある(バグ、エラー) 品質も参加者により改善される?

Cf. OSS (Open Source Software; Linux, etc.) 品質はコミュニティメンバにより迅速に改善 コミュニティメンバの開発・改良への熱意オープンな枠組み(ソースコード、ライセンス)が必要

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MakeLSI: -試作( 2015&2016 )設計参加者: 8人/ 11人

費用 0 、設計データ・課程の共有多様な回路&熱心な参加者

(設計・評価の関心が高い)

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「道具」としての半導体をもつこと

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まとめMaker ムーブメントと秋葉原と深圳

技術が本当の意味で 道具」になると、こうな「る

ユーザの多様化→相対的にプロの役割↑お遊び→従来型製造業の補完へ

ムーアの法則のもたらしたもの高性能化+応用分野の拡大(エリンギ化)

Make の最後の砦:半導体( LSI )現状:道具になってない探せば道筋はある: MakeLSI: