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NPO法人 印刷OEM研究会 2018.7

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Page 1: NPO法人 印刷OEM研究会NPO法人 印刷OEM研究会 2018.7 印刷OEM研究会の定例会をご覧になれます。またご入会を希望される方、 ライセンス等内容についてのご照会は

NPO法人 印刷OEM研究会

2018.7

印刷OEM研究会の定例会をご覧になれます。またご入会を希望される方、

ライセンス等内容についてのご照会は事務局までお問い合わせ下さい。

NPO法人 印刷OEM研究会 事務局〒146-8577 東京都大田区鵜の木 2-8-4 株式会社金羊社

Tel:03-3750-1516 Fax:03-3750-2284http://[email protected]

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印刷OEM研究会の理念

理事長 浅 野 健

- 1 -

活動の記録

「最近の主な取り組みについて」(2012~2013年)

株式会社 金羊社 代表取締役会長

 印刷物の取引において、「納期」や「価格」には明確な取り決めがなされてい

るが、「品質」に関しては契約がないに等しい。

 「見本通り」といわれても、その判断基準は曖昧である。顧客の要求品質には

大きな格差があり、時にはトラブルをおこす原因にもなっている。一方で過剰品

質も多いのではなかろうか。

 印刷OEM研究会では、印刷の標準化を推進し業界標準を構築していきたい。

例えば、同業者取引においても明確な品質基準を設定し、「元請」「下請」の関

係から「OEM」といえるような関係を築き上げたい。印刷標準化こそが顧客

ニーズに応える第一歩であると確信する。

金羊社浅野社長の呼びかけにより、11社16名で第一回会議を開催。社団法人日本電子製版工業会のテストチャートを基に各社の基準で印刷。各社の基準の違いを認識する。日本プリンティングアカデミー濵学校長のミニマムスタンダードについて講演、印刷品質に影響を及ぼす基本の提示。「Printek Tokyo」で印刷工程標準化について中間報告。金羊社 御殿場工場視察。新テストチャート作成に際し、刷版上リニアと決定。ミニマムスタンダード作りとして、新テストチャート印刷。一回目は各社基準、二回目はJPAの印刷サンプル刷りに合わせ、結果色調のバラツキ狭まる。PAGE2003出展。カンファレンス開催。三菱製紙八戸工場、青森オフセット印刷視察。水上印刷多摩工場を視察。PAGE2004に出展。JGAS2004出展。NPO法人化認証。印刷学会冬季セミナー(大阪)で「印刷の標準化」を発表。デジタルテスト印刷を10社で実施。JGAS2005出展。三美印刷新工場視察。ホームページ開設。JGAS2006出展。プルーフ出力テストを13社で実施。IGAS2007出展。JPA見学。PRIMEDEX TOKYO 2008 出展。OEMガイドライン調査結果のまとめ実施。3点グレー管理の特許取得。

2001.7

2002.3

2002.8

2002.9

2002.9 ~10

2003.2

2003.52004.22004.72004.92005.2

2005.92005.102006.32006.82006.92007.82007.92008.42008.92008.122008.12

PRINTNEXT2010出展。小森グラフィックセンター(KGC)見学。PRIMEDEX2010出展。第100回定例会開催。OEM模擬取引構築のため実証実験、12社参加。「SOPTECとうほく2011」(於 仙台)出展。IGAS2011出展。OEM模擬取引活動等を展示。「SOPTECとうほく2012」(於 仙台)出展。省電力UV印刷の最新情報ミニセミナー実施。国立印刷局小田原工場視察。日本プリンティングアカデミーにて5枚OKシートのデモンストレーション実施。自社基準によるスタートから100枚通しに関する刷出しテスト実施。(12社参加)「SOPTECとうほく2013」(於 仙台)でセミナー開催。「印刷標準化への取組み」約120名が参加。ユーメディア本社工場視察JGAS2013出展「SOPTECとうほく2014」(於 仙台)でセミナー開催。「事業継続計画に印刷標準化を生かす」約100名が参加。「SOPTECとうほく2015」(於 仙台)でセミナー開催。「印刷機メンテナンスは品質だけじゃない!!」約120名が参加。IGAS2015出展。「SOPTECとうほく2016」(於 仙台)出展でセミナー開催。「標準化に向けてのガイドラインと品質管理」約70名が参加。金羊社 宇都宮工場視察。ジャパン・スリーブ 島田プロダクションセンター視察。「SOPTECとうほく2017」(於 仙台)でセミナー開催。「印刷OEM方式を応用したデジタル印刷物の管理と実践について」約40名が参加。㈱ミズノプリテック本社プリンティングミュージアム見学

2010.22010.32010.72010.122011.12011.72011.92012.7

2012.112013.6

2013.6

2013.7

2013.72013.102014.7

2015.7

2015.92016.7

2016.102017.12017.7

2018.1

18年6月現在 会員数43社(うち個人4名)

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- 2 -

主な取り組み

<普及活動>

<工場見学>

<定例会と相互交流>

2016年7月 SOPTECセミナー開催 2017年7月 SOPTECセミナー開催

2017年1月 ジャパンスリーブ島田プロダクション      センター視察

2013年7月 ユーメディア工場視察

2018年3月 第167回定例会 2016年1月 第147回定例会・新年会

 オフセット印刷市場は成熟化が見られるが、オフセット技術は依然発展途上との認識のもと、毎月の

定例会を開催し実践事例発表や検討、最新情報の提供、技術討論、意見・情報交換等を行っている。

 特にNPO法人として印刷技術の研究開発をユーザ・メーカの立場を超えた活動で、個人や企業に関係

なく誰でも参加できるできる組織運営を行っている。

 また様々な印刷企業、団体等の視察・見学を行い、知識・技術力向上にも積極的に取り組んでいる。

今後とも一層の研究・開発を進めつつ会員相互の交流を図り、これまで蓄積された活動の成果やノウハ

ウのさらなる普及に努めていく。

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 OEM という本研究会のコンセプトは、顧客と印刷会社双方が望むところである。そのためには、品質評価法

を標準化し、現場での運用方法をミニマムスタンダード化しなければならない。これは標準化の真の目的でもあり、

印刷物の色調に関する品質設計と製造法および評価法を合理的にリンクさせた新しい品質管理システムの確立と

共有化が必須となる。 そこで、本研究会では、筆者が日本プリンティングアカデミー在任中に開発した「視覚評

価と数値評価をリンクさせる新しい品質評価・管理法“ QC-Uni.Interface”」を基に、現場テストを重ね印刷

の OEM 化を目指して試行錯誤を続けている。 これまで「QC-Uni.Interface」の中核をなす「Munsell Value

を基軸にした3点グレーバランス管理法」は、色校紙を目標にする従来方法より各社の色調再現をはるかに近似

させることができ、現場でも有用であることが本研究会のテストで検証されている。現在この効用が理解され実

用化が進められコラボレーションの環を広げる段階に至っている。

QC-Uni.Interface(ユニバーサルインターフェイス)の概要

 従来の品質管理は、製造工程における技術的変動要因の標準化(プロセスコントロール)だけに目が

向けられ、一方発注者は視覚による主観的な官能評価で品質の良否を判定している。その違いが不信・

不満の元となっている。 この問題を解決するために、発注者側と製造側の品質コミュニケーションのため

の新しい品質評価・管理システムとして、発注者の視覚評価と製造者の技術評価をリンクさせた「品質

評価のインターフェイスモデル = QC-Uni.Interface」を創案し、それを検証する印刷テストチャート

「TCM」を作成した。現在、管理と運用を容易にするソフトウェアが開発されている。

視覚評価と技術評価リンクさせた品質評価・管理システム

点質 濃度

網点% 内見当

ドットゲイン

グレーバランス

つぶれ

色彩値

品 質

刷り順

網点の再現性 印刷レンジ インキ膜厚 インキの物性 用紙

ゴースト ダブリ トラッピング

(外)見当

刷版 ダンプニング 空調

<印刷品質・特性要因 図>

(L a b)

(学)日本プリンティング アカデミー(JPA)

       名誉教授 濵 照 彦

印刷のOEM化を可能にする標準化法視覚評価と数値評価をリンクさせた新しい品質評価・管理システム

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H/M/S 3点の測色値とMunsell Valueとの色差を基に管理

N1N2N3N5N5N6N7N8N9

白 黒

N 8ハイライト

N 6ミドルN 6ミドル

N 4シャドー

N4N4

Munsel V

N6

「QC -Uni.Interface」を確立させるためのツールとソフトOEM-TCM(Total Color Management)チャート

 このチャートには、製造技術の変

動要因(ベタ濃度、ドットゲイン、ト

ラッピング等)をチェックするための

各種チャートの他に、色調の視覚評価

を客観的に標準化するための"BCR

チャート"を配置してあり、色調再現の

良否が絵柄の個人的好み(主観)に左右

されることなく客観的に評価できる。

チャートを測色することで、高精度の

色調再現情報が得られるが、現場で

の日常管理には煩雑で不向きである

ことから、最少(ミニマム)の色票と

管理法として Munsell Value による

3点グレーバランス管理法を開発し

た。この3点グレーバランス管理

法の運用を容易にするツールとし

て「QC鳥瞰図」とその自動生成ソ

フト“QCNavi”が開発された。

OEM-TCMチャートはデジタルワークフロー全体(各出力ハード・ソフトの

性能、再現性etc.)のチェックにも役立つよう設計されている。

"QC 鳥瞰図" と自動生成ソフト "QC Navi"

 世界の色票標準であるMunsell Value(JIS Z 8721)

を基軸とする3点グレーバランス管理法は、評価の絶

対基準(原点)が世界共通の尺度で確立される。(特許の

主要点)ハイライト部(H)としてN8、中間部(M)と

してN6、シャドウ部(S)としてN4を選択し、これに

適合するCMY網点%の組み合わせとBk単色の網点%を

実験により数値的に求め置き換えている。

Munsell Valueを基軸にした3点グレーバランス管理法(2008.12 特許第4227492号)

 「QC鳥瞰図」は、上記3点グレー部の測色値と、基軸

となるMunsell Valueとの色差をLab表色系上でチャー

ト化したものである。汎用測色器及び印刷機搭載の測色

計からオンラインで自動表示されるソフト“QCNavi”

も開発されている。

この「QC鳥瞰図」が従来の色校紙などの印刷見本に

代わり「印刷品質(色調再現)の設計図」となり印刷

品質の許容範囲(ストライクゾーン)が標準化され、

要求品質の伝達と評価が簡潔明瞭になる。

BCRチャート

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1. CtP各社・現状の出力特性

2. CtPリニアの許容範囲と管理事例

 現在刷版出力はCTPで行われ、リニア

出力が多数といわれているが、フィルム製

版時代のドットロス(ポジタイプPS版の

点細り)や再版に合わせるために中間を

数%下げる出力カーブを採用している企業

も少なくない。(1参照)

 当会では同じデータから同じ版を作るた

めに、基準が明確で管理容易なリニアを採

用している。リニアについてはCTPメー

カの出荷時設定ではなく、OEM研究会方

式で測定し、許容範囲をハイライトから

シャドウまで全域で+0.5%~-1%として

いる。これにより同一データからの同一刷

版という課題がクリアされ、どこで出力し

ても同じになる。(2参照)

 3点のCMY3色グレー部は、マンセル

色体系の無彩色の3点(N8、N6、N4)

をハイライト、中間調、シャドウとして、

通常の印刷で容易に再現できるCMYの網

点%の組み合わせとBk単色の網点%を感覚的ではなく、実験により数値的に求め置き換えている。この

3点を絵柄の一部分と考えると、色彩値がターゲット値に近くグレーバランスが取れたときは色の偏り

がなく、異なる印刷物において3点のグレーバランスが同じであれば、同一の仕上がりといえる。

 なお数度にわたる実験結果により、ターゲットに対し色差(⊿E)は3点のうちいずれかが最大3以内

であれば目視による経験的許容範囲と同等になる、という検証結果を基に、当会ではこれを許容範囲と

している。また色差3以内は、一般的な商業印刷物の同一ロット内で刷り始めから終了までにおける、

感覚的に許容できるバラツキの範囲と同期している。

OEM方式の特色

同じデータから作られた同じ版で印刷することが前提条件

3点の3色グレーを目標値に近づけるとなぜ色が合うのか

 印刷OEM研究会では印刷に於ける最低条件(ミニマムスタンダード)を整えることによって印刷品質

の標準化が可能なことを仮説として掲げ、各種の実験を行いこれを実証してきた。

 コンセプトは「色校正なしでも一定品質の本刷りの実現、ならびに使用印刷機械・資材に関わらない

一定色調の印刷品質の実現」で、「同一データからの印刷版を使い、ハイライト・中間・シャドウに見

立てた3点の3色グレーをストライクゾーンに入れる」ことを手法としている。

- 5 -

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- 6 -

 最近は色校正をインクジェットプリンタ

で行うことが日常的であり、ターゲットに

なる印刷機に合わせて作成するのが通常で

ある。同一データでもどのような基準で色

校正が作成されたかにより違いがあり、印刷

機で色が合わないといったトラブルが起る。

 当会が行った実験では、十数社に色校正

(色見本)を渡し色校正通りの指示で印刷

した場合は色差(⊿E)7程度までバラつ

き、各社の自社基準で印刷した場合には最

大15程度までバラつく結果となってい

る。(3、4参照)

 色校正も3点のグレーバランスを管理す

ることによって、同一データからの色校正

と印刷物が同様の仕上がりになる。同時

に、色校正の日常のバラツキをチェックす

ることができる。(5参照)

 これにより顧客と営業担当者、製版部門

と印刷部門などスタンスの違いによるトラ

ブル減少、他社との色校正のやり取りもバ

ラツキ解消で、緊急時にはデータ送付だけ

で色校正が不要という作業が可能である。

 これまで用紙対応性(マットコート紙

(4銘柄)とグロスコート紙)、インキタ

イプ対応性(UV、高感度UV、水無しイ

ンキと油性インキ)、海外インキ対応性

(欧・米インキと日本インキ)の比較テス

トでは、いずれも色差を許容範囲内(⊿E

≦3)に近似できることが確認されてい

る。(6参照)

3. 各種品質管理法と色調のバラツキ問題は色校正

印刷用紙、インキ、印刷方式の違いにも対応可能

4. 各社プルーフの色調差・現状のCMS

5. 各社プルーフの色調差・OEM基準でCMS

6. 各種印刷方式と3点グレー部の最大⊿Eの事例

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 印刷品質の安定そして生産性向上を目指す時、基本は標準化とメンテナンスである。これを実施した

結果、常に機器トラブルがなく安定した品質で計画通りの生産が出来れば、企業にとって重要な活動と

位置づけられる。

 当会ではこの分野に多方面から取り組んでいるが、オフセット印刷機では難しいといわれている「5

枚OKシート」に挑戦し、コストダウン・時間短縮効果が得られる研究を進めている。

 その一つの段階として印刷機の立ち上がり安定性を調査研究するため「自社基準でのスタートから

100枚通しの安定性」テストを下記にもとづき実施した。

ヤレ紙無し、刷り出し100枚連続印刷で分かること

印刷機

Komori LS432

Komori LS840P

Heidelberg CD102

Komori L426P

Komori LS440

Komori LS640

Heidelberg SM 748P

Heidelberg XL105

Heidelberg XL105

Komori LS629

Komori L426

Komori LS426

刷り出しソフト

KHS

KHS

カラーファーストソリューション

KHS

KHS

KHS

CPC24

プリインキング

プリインキング

KHS

KHS

KHS(JPA-HIO)

インキ

T&K スーパーテックGT

東洋 FD K-HS CPE3

DIC Fusion G EZ

DIC Fusion G EZ

T&K 特殊紙用 N

東洋 FD HC CP-E

東洋 FD HS

東京 VPニューセルボ

T&K ALPO GT

T&K L-LES

T&K スーパーテックGT

T&K スーパーテックGT

版材

FFGS XP-F

FFGS XP-F

FFGS XP-F

FFGS XP-F

FFGS XP-F

FFGS HP-F

FFGS XP-F

Kodak EX Themo TP

TORAY TAC24 VG5

FFGS XP-F

AGFA Azura TS

FFGS XP-F

H液

KG511

ニチナン NC RG2改

FFGS ECOLITY S-U1

FFGS ECOLITY S-Z1

FFGS ECOLITY-L2

ロハス1 UVHB

マコト化学 MT75V

東京インキ SR-75

水なし印刷にて不使用

SOLAIA507

FFGS ECOLITY S-S1

FFGS ECOLITY S-H1

社 名

SB

UM

NL

AO

KG

HS

JS

SY

SE

KY

SK

PA

《参加各社の使用資機材》

1.参加会社 12社2.テスト条件 1)絵柄:データ渡し(OEM基準テストチャート“TCM”)

2)CtP出力:175線(スクエアドット) リニア出力

3)印刷機機材:各社自由選択、調達

用紙は、“四六/90kgベース(米坪104.7g/m2)

のコート紙。

3.実施手順 1)印刷:刷り出しからノンストップで100枚印刷する。

(月曜、朝一刷り出しを想定した刷り出し手順)

① インキローラー、版面にインキが付いていない

状態からスタート。

テスト 要領

② 各社(各印刷機)の刷り出し準備ソフトを起動し、ローラー

  上にインキ供給。

③ そのまま連続してフィーダーをONにし、印刷開始。

④ ノンストップ(抜き取り無し)で100枚印刷。

(注)見当、濃度調整は不要

4.評 価 1)結果の数値評価と分析:日本プリンティングアカデミー(JPA)

① 各色濃度の経時変化

② QC鳥瞰図(参考値)

2)視覚評価と考察:OEM研究会定例会

 テストでは、各社それぞれの印刷条件の中で立ち上がり安定性がどのように変化するかに焦点を当て、

各色のインキベタ濃度の測定と視覚評価を合わせて行った。

 印刷物のインキベタ濃度は、各社とも5枚までで変動幅が少なくなり10枚目以降は安定していること

が確認できた。視覚評価でも1枚目は明らかに濃度不足と分かるが、3枚目辺りからは差が分かりにくく

5枚目以降は変化が少ないと判断できる。(8・9・10p 刷り出し100枚の各色濃度 参照)

 また測定された各印刷物のインキベタ濃度と複数人による視覚評価は一致している。

 このテストによって、印刷機種や資材にかかわらず「5枚目以降は安定していく」という傾向が認め

られ、目標としている「5枚OKシート」は可能であるという方向付けができた。

 5枚OKシートによって得られるメリットは「印刷切り替え、立ち上がり時間の短縮」「見当紙(予備

紙)の削減」で、結果として生産性向上やコストダウンに結び付き、日常的になった極小ロットや要る

時に必要なだけ納める当用納品などにも対応できるものと考えている。

まとめ

- 7 -

5枚OKシートは可能か?

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1枚目

SB社

1枚目

UM社

3枚目 3枚目

5枚目 5枚目

10枚目 10枚目

100枚目 100枚目

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

0.4

0.2

0.0

-0.2

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-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

刷り出し 100 枚の各色濃度 (SB社) 刷り出し 100 枚の各色濃度 (UM社)⊿D ⊿D

(枚目) (枚目)

- 8 -

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1枚目

NL社

1枚目

AO社

5枚目 5枚目

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

刷り出し 100 枚の各色濃度 (NL社) 刷り出し 100 枚の各色濃度 (AO社)⊿D ⊿D

(枚目) (枚目)

1枚目

KG社

1枚目

HS社

5枚目 5枚目

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

0.4

0.2

0.0

-0.2

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-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

刷り出し 100 枚の各色濃度 (KG社) 刷り出し 100 枚の各色濃度 (HS社)⊿D ⊿D

(枚目) (枚目)

- 9 -

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1枚目

JS社

1枚目

SY社

5枚目 5枚目

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

刷り出し 100 枚の各色濃度 (JS社) 刷り出し 100 枚の各色濃度 (SY社)⊿D ⊿D

(枚目) (枚目)

1枚目

SE社

1枚目

KY社

5枚目 5枚目

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

-0.6

-0.8

-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

0.4

0.2

0.0

-0.2

-0.4

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-1.01  2  3  4  5  6  7  8  9 10 15 20 30 50 70 100

刷り出し 100 枚の各色濃度 (SE社) 刷り出し 100 枚の各色濃度 (KY社)⊿D ⊿D

(枚目) (枚目)

- 10 -

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保守点検の経営的側面

 印刷機は長期間稼働(法定減価償却においては10年、一般的には15年~20年程度)が通常であり、機

械の初期性能を保持し性能低下を極力少なくして故障を減らすことにより、印刷物の品質を安定させコ

スト低減に結びつく事が認識されている。性能維持のために必要となるのが保守点検と整備で、印刷機

導入に次ぐ大きな経営要因と位置づけられる。特に最近の需要低下に伴い印刷機の長期に亘る稼働は一

般的になり、性能維持と突発事故防止は経営課題となっている。

 こうした中、メーカが実態を踏まえて保守点検の重要性についてユーザ啓発してきた経緯があり、現

場意識も改善の方向で推移している。現在、保守点検の重要性は印刷業界内で認識されメーカの協力態

勢や情報提供も充実してきている。

- 11 -

 印刷OEM研究会では、発会時から品質に関わる課題として保守点検について多角的に議論を重ねてい

るが、工場運営の面から会員各社の現況を調査し、以下のような結果を得ている。

調査では次のような意見があった。

・機器を使用する上で性能を維持することは、企業として重要課題である。

・品質の向上や安定には不可欠であり、使用頻度や経時変化による劣化・老朽化を軽減させ寿命を延ばす。

・計画を立て定期的に実施ことにより、機械事故を減らし予防保全となる。

・費用を予算化することにより、事故や故障による多額の修理費用など経費を減らせる。

・コストパフォーマンスを上げると共に、要求品質を達成するためのメンテナンスの最適化、使用資材

の最適化を図る。

 この調査では現場レベルの保守点検はしっかり定着しているが、予算面では対応が分かれ、メーカ協

力は良好で、全体として業界動向と同様とみられる。

保守点検は企業の生命線

・計画策定 100%・実施時期(重複回答) 年間 80% 月間 100% 週間 80% 毎日 70%・実施内容 全機種統一 10% 機種個別 90%・計画策定の担当者 工場長 30% 機長 40%・費用の予算化 している 40% していない 40% 一部 20%・予算化の担当者 社長 10% 工場長 30% 機長 10%

・予算の算出方法 前年費用とメーカ保守金額 50%

メーカと事前打ち合わせ 15%

緊急でない場合は見積の上次期予算計上 15%

過去実績とメーカ資料 15%

・実施の決済権 社長 50% 工場長 50%

・印刷機メンテナンス契約 必要 20% 内容によって検討

80%

・機械メーカの協力態勢 かなり協力的90%

協力的 10%

内   容 (%は回当社数)印刷機保守点検の調査

検討内容:稼働状況 25%、実施項目50%、契約金額 50%

小さいスパイラル    と大きいスパイラル運動

強制劣化 自然劣化 印刷現場の予防保全

性能分岐点

メンテナンスが

行なわれなかった

場合の性能曲線

メンテナンスが

行なわれている

場合の性能曲線

計画的な部品交換と

メンテナンス、中期的性

能維持計画を行なった場

合の性能曲線

    能

機械の性能劣化曲線

時間/作動量

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 保守点検についてはメーカ推奨や自社作成など、様々なチェックリストが使われている。代表的なも

のとして例にあるようにメーカや機械仕様に共通する項目が入ったものを自社機に合わせてカスタマイ

ズして使用しているケースが多い。メーカ推奨のチェックシートは、印刷機マニュアルに付属していた

り設置時にサービスマンが持ち込む場合もあるので問い合わせをしてみると良い。

 ここで忘れてならないのが「異常なし ○」「要注意 △」などのチェックがどのような基準であるかを

明示しないと個人差や点検方法でバラツキ、チェックリストが機能しなくなる。多くの場合マニュアル

に記載されている調整や点検基準を適用できるので参考にして頂きたい。

保守点検チェックリスト

 経年疲労の部品交換と障害の例として印刷

胴とインキングを表にしているが、テスト

チャートなどで印刷機の経年変化が分かるよ

う印刷物とデータを残して、チェックリスト

と共に印刷機カルテ(記録)を作成すること

が出発点となる。カルテにより印刷機の点

検・部品交換などの経歴が明らかになり、テ

ストチャートなど印刷物を残すことにより品

質の経時変化が分かる。しかし自社でテスト

チャートを備えていない企業が多く、点検修

理後の印刷テストでも適切な判断ができない

ことが想定される。

 ここでも印刷OEM研究会のテストチャー

トは有効で、定期的な印刷により調整・交換

時期の見極め・確認などに活用できる。

 企業において印刷機を含む各種資産は稼働

することが最優先と考えられているが、維持

管理(保守)することが稼働の重要な前提で

あることを忘れてはならない。

印刷機カルテで個別管理

自主保全チェックシート(例) 機種 ・ 号機

    点検項目 \ 点検月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月ブラン胴清掃・給油(ブラン下点検)エアーフィルター清掃インキローラーニップ確認・調整3ヶ月給油実施安全カバー・リミットスイッチ・ストップスイッチ点検昇降用モーターブレーキ点検各チェーンテンション調整振りローラー冷却タンク水交換(防腐剤確認)給水ローラー交換本機オイル交換オイルフィルター交換デリバリー昇降モーターオイル交換コンプレッサーオイル交換ルブリケーターオイル交換スイング・各胴・爪竿爪清掃調整インキローラー交換

月実施

6

月実施

1年実施

 3年目 5年目 7年目10年目 発生する障害○ ダブリ○ ダブリ

○ ダブリ○ ダブリ、ショック目

○ 胴抜け騒音○ 胴入れ、抜け不良

○ 見当ズレ○ 見当ズレ

○ 洗浄不良○ 洗浄不良

 3年目 5年目 7年目10年目 発生する障害○ 油漏れ、ローラー目

○ ローラ目、ショック目○ ローラ目、ショック目○ 停止、入り不良

   ○ 停止、入り不良○ 応答不良 年1回清掃○    水漏れ、騒音、汚れ

○ ローラー脱不良   ○ 応答不良○ 洗浄液吐出・液垂れ○ ボルトなめ、動作エラー

ツボ駆動カムクラッチインキローラー洗浄

胴入れエアーシリンダ版見当ベアリング版万力ASSYブランケット自動洗浄

インキングクラッチ

インキング装置

振りロール軸受け振り機構ベアリングインキ回しベアリング呼び出しエアシリンダー呼び出しスプリングインキツボキーASSYロータリージョイントルラー上げエアーシリンダー

部位別交換部品と障害(例)

圧胴自動洗浄

胴装置

爪軸ASSY爪、爪台爪返しカムフォロアー胴軸ベアリングショックアブソーバ

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印刷管理のガイドライン

 印刷OEM研究会では「ミニマムスタン

ダード」策定の過程で、工場環境や資材な

ど印刷条件が印刷品質に影響する項目を

洗い出し検討してきた。この中で特に重要

な項目を現場で簡単に利用できるよう解

説付きで作成したものが「印刷ガイドライ

ン」である。

 印刷前後工程を含めた印刷全般は、他

の製造業に比べると「人的ミス」が多いの

が実態である。4M(機械、材料、方法、

人)の内、機械と材料はメーカでの対処可

能であるが、方法・人はお互いに絡み合う

ことが多く問題を複雑にしている。特に定

量的な判断がしにくい「感性」や個人裁量

が大きい点が影響していると考えられる。

その面から事故削減は、作業標準化や品

質基準などの管理技術を確立して、作業者

全員に仕組みとして定着させる事が大事で

ある。

 事故再発防止の第1歩は原因の究明で、

次いで事故の分類分析、情報を蓄積し作

業者全員で共有、その上で再発防止の仕組

みの確立と実行による「自工程内での品質

保証」、その内容と成果を評価する維持管

理活動も欠かせない。更に「品質不良は発

生工程まで戻らなければ直せない」「検品

で不良品をはじくことができても、品質向

上はできない」の意識のもと「次工程はお

客様」という品質管理体制が必要となる。

 既に印刷だけで品質や生産性を上げる

のは難しい段階となっていることから、事

故削減による「刷り直し縮減⇒追加コスト

増加の防止・確実な進行による納期遵守」

で顧客の信頼向上や受注確保に繋げるこ

とは重要課題である。

「印刷ガイドライン」は製版印刷工程の品

質影響要因を抽出し、管理方法と判断基

準を記載している。基準は機器メーカ推奨

値と共に、許容範囲の設定が運用の鍵とな

る。日常作業の中に組み込み、作業の合間

にできるチェックとして作業標準化や品質

基準策定に役立つものと考えている。

管理項目 管理基準値 UV管理項目■測定実施機

■用紙関連 ■メーカ名: ■機種名:  保管専用倉庫   専用保管倉庫が有る事が望ましい。 油性同様 保管温度・湿度   油性同様 保管形態 メーカー出荷形態 (包装状態) 油性同様 シーズニング時間 12時間以上 油性同様 入荷チェック 用紙メーカ名・用紙名・ロット番号・温度・湿度 油性同様■製版関連 ■メーカ名: ■機種名:  空調温度・湿度 静電気発生注意 油性同様 現像液の劣化管理 メーカー推奨の管理方法に従う 油性同様 温度・導電率・pH メーカー推奨の管理方法に従う 油性同様 液交換管理履歴 メーカー推奨の管理方法に従う 油性同様 出力デフォルト値 リニア設定+0.5 ~ 1%  OEM基準値キャリブレーション管理 油性同様

 刷版網点実測値 自社標準値(50%近辺)に対し、2%以内の振れ幅にする。液交換時フルスケール4色測定 測定器・小数点以下表示機種 油性同様

■印刷工場関連 ■メーカ名: ■機種名:  温度・湿度 油性同様

 朝・昼・夕の変化 工場内の変化に伴う印刷条件変動の為、測定記録を推奨 油性同様 外気の温度・湿度 気象条件と工場内状況把握の為、測定記録を推奨 油性同様■印刷条件 【ブラン】 ■メーカ名: ■機種名:  印刷機メーカ・機種 機械・機種を明記 UVランプ使用時間  ブランメーカ・品名 メーカ・型番を明記 (ブラン特性・品質との相関記録) UV適性・耐性

 胴仕立て数値管理マイクロメータ実測(資材の厚み)      胴仕立て計数管理

油性同様

 P-B 印圧  メーカ推奨値・実測値との差異・記録 0.10+0.05範囲・基準値 油性同様 B-I 印圧  メーカ推奨値・実測値との差異・記録 0.15+0.05範囲・基準値 油性同様 トルクレンチ管理 メーカー・機種の差が有りメーカ推奨値に準拠・維持・管理 油性同様 洗浄液名・回数 日常の洗浄とは別に強力洗浄剤(キンヨーリカバリーエコ等)で洗浄 UV洗浄力・適性 交換履歴・理由 事故や紙跡がない場合も3ヶ月以内をめどに定期交換を推奨 油性同様■印刷条件 【ロール】 ■メーカ名: ■機種名:  印刷機メーカ・機種 機械・機種を明記 UV適性・耐性 ロールメーカ・品名 詳細明記 UV適性・耐性 ロール配列図面 印刷機メーカ配列 油性同様

 各ロールゴム硬度印刷機械メーカ指定硬度測定:インキローラ 3ヶ月毎 給水ローラ 1ヶ月毎

油性同様

 給水版着・周速比率 印刷機メーカ指定 油性同様

 各ロールニップ巾印刷機械メーカ指定ニップ幅測定:インキローラ 1ヶ月毎 給水ローラ 毎週

油性同様

 インキ部洗浄液名 詳細明記 UV適性・耐性 給水部洗浄液名 詳細明記 UV適性・耐性 ロール交換履歴 交換目安 インキ約1年 給水約6ヶ月 油性同様 グレーズ処理履歴 詳細明記 UV適性・耐性■印刷条件 【給水】 ■メーカ名: ■機種名:  原水総硬度 軟水~やや硬水:総硬度 40~180mg/ℓ 油性同様 エッチ液名・メーカ名 詳細明記 UV適性・耐性 エッチ液定量添加濃度 メーカー推奨値又はテスト結果から定めた濃度値+0.2% UV適性・耐性

PH補充は不可 屈折率計添加濃度 参考計測値記録 UV適性・耐性 PH値 4.0~6.5の範囲内 UV適性・耐性 導電率値 UV適性・耐性 給水タンク内温度 油性同様 給水水舟内温度 油性同様

 給水温度設定値 油性同様 湿し水交換頻度 ろ過装置使用時、半年毎に交換 油性同様

ろ過装置不使用、1ヶ月毎に交換 IPA添加量 油性同様

添加・測定は比重計にて行う。(油性・UV)■印刷条件 【温調】 ■メーカ名: ■機種名:  温調メーカ・機種 詳細明記 油性同様 温調設定温度 23~25℃ 油性同様 温調タンク内温度  25℃  油性同様 インキ壺設定温度 28~30℃ 油性同様 ロール設定温度 25~28℃ 油性同様 設定値と実測温度 詳細明記 油性同様 循環水劣化状況 定期測定・導電率値 油性同様 循環水交換履歴 循環水状況・交換日時 詳細記録 油性同様■印刷条件 【インキ】 ■メーカ名: ■品名:  保管温度 20~25℃   UV15℃ 保管 インキ種別管理 インキ銘柄別 調子別管理 製造ロット管理 残肉管理 使用済・未使用との区別  残肉使用回避 添加剤・使用履歴  添加剤使用履歴記入・区別 使用履歴管理 インキ調子 品名・ロットNO管理 製造ロット 管理

印刷OEM研究会 印刷管理のガイドライン  油性・UVインキ対応版

事故削減が重要課題

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デジタル印刷の現状と課題

 印刷OEM研究会ではオフセット印刷の調査研究と共に、多様な用途で拡がりを見せるデジタル印刷に

注目し、会員によるサンプル作成などによってその特色や品質評価方法を調査を行っている。

 平成29年4月に一般社団法人日本印刷産業機械工業会が、Japan Color 認証制度デジタル印刷認証の認

証基準を規定したことにより、デジタル印刷の品質に評価の手立てができた。

 当研究会ではこれを契機にデジタル品質基準の考え方を討議し、SOPTEC 2017 に於いて「印刷OEM

方式を応用したデジタル印刷物の管理と実践」を発表するなどの活動を続け「オフセット印刷品質とデ

ジタル印刷品質」について調査研究を進めている。

 この度実施した会員の活用調査では、デジタル印刷機が普及したことでオフセット印刷では手掛けに

くい仕事を受け持っていることが明確になった。特に機器タイプの違いによる仕事の範囲や管理など運

用方法は導入した各社各様で、1点ごとに違う要求にどの様にして合致させるかが運営の要になると見て

とれる。

デジタル印刷機 活用状況の調査(全19台)

調査について各方式をとりまとめてみると、意見は以下のようなものがあった。

・印刷本紙も限定的ながら使用可能な点は評価できる。

・事務印刷物の小ロット対応が良い。

・最近はどのメーカーもレベルアップしており、差が少ない印象。

・損紙が少ない、可変印刷など付加価値のある印刷が可能、短納期に対応。

・刷版レスでレスポンスが早く、短納期にも対応できる

・印刷面積が広く、かつ色域も広く、階調再現性もよい。

・ランニングコスト的にA3 4色トナー機では大量印刷で採算が合わない。

・用紙が限定される。

・静電対策に問題あり。

・オフセット印刷の感覚が染み付いてしまった顧客、あるいはデジタル印刷機に対する認知度が低い顧

客に対して、なかなか推奨しにくい

 全般的に印刷品質は良好(自社用途)との評価が高い一方で、スピードやコストでは課題有りとの見方

がある。

機種タイプ

項 目

トナー

(粉体)

トナー

(液体)

インクジェット

(枚葉)

インクジェット

(大判)

月間通し枚数

 10万枚 超

 1万枚超10万枚未満

 1万枚未満

 その他

20%

30%

50%

70%

40%

50%

100%

100%

100%

光熱費

100%

50%

85%

85%

用紙代

100%

300枚以下 100%

用途

ランニングコスト(複数回答)

 通し代

 トナー・インク代

 メンテナンス費用

 その他

品質管理方法

プロファイル

サイズ A3 A3 , B2 B2 B0〜

事務印刷物 20%

報告書 20%

カタログ・パンフ 15%

データプリント 15%

チラシ・DM 10%

各種カード

エンタメ系パッケージ

エンタメ系封入物

色校正 100% ディスプレイ 65%

色校正 35%

自社 55%

メーカ 30%

自社 45%

メーカ 30%

自社 100%

自社 50%

メーカ 50%

自社 100%

自社 100%

自社 100%

自社 50%

メーカ 50%

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印刷OEM研究会 デジタル印刷テスト 要綱

1.目 的

  デジタル印刷タイプ別特色の把握、使途の研究

  各印刷物の特徴の調査、オフセット印刷物(油性インキ)との比較

2.テスト方法

  ハイエンドからアッパーミドルクラスのデジタル印刷機による印刷物作成

  機器メーカ、導入会員によるOEM-TCMチャートの印刷

3.印刷仕様

  印刷:各社基準(可能な場合はジャパンカラーデジタル印刷認証に準拠*)

  OEM-TCMチャート:機器によりA2サイズまたはA3サイズ

  印刷用紙:A2コート

4.テスト手順

  データ・サンプル印刷物渡し → 打合せ → 印刷 → 測定 → 評価

5.比較検討用オフセット印刷

  OEM3点グレー基準による油性インキでのOEM-TCMチャート印刷

  印刷機 コモリLS426  日本プリンティングアカデミー

6.その他

  官能評価には印刷物評価用高演色LED照明を使用

  *ジャパンカラーデジタル印刷認証

  デジタル印刷認証は、デジタル印刷機のメンテナンスと数値管理等によって、高品質の印刷物を安

定的に作成できる運用能力について認証します。

  ワークフローの一つとしてプリフライトチェックを認証審査に取り入れ、プリフライトチェックの

基本的な能力を審査します。

  また、色差式はCIE DE2000を採用しています。

  対象:印刷会社

  (Japan Color認証制度は、一般社団法人日本印刷産業機械工業会が推進しています。)

2007.8 プルーフ出力テストを13社で実施。

2008.9 PRIMEDEX TOKYO 2008 出展。2008.12 OEMガイドライン調査結果のまとめ実施。2008.12 3点グレー管理の特許取得。2010.2 PRINTNEXT2010出展。2010.3 小森グラフィックセンター(KGC)見学。

OEM模擬取引構築のため実証実験、12社参加。2011.7 「SOPTECとうほく2011」(於 仙台)出展。2011.9 IGAS2011出展。OEM模擬取引活動等を展示。2012.7 「SOPTECとうほく2012」(於 仙台)出展。省電力

UV印刷の最新情報ミニセミナー実施。2012.11 国立印刷局小田原工場視察。(参加数40名)2013.6 日本プリンティングアカデミー(JPA)にて5枚OK

シートのデモンストレーション実施。2013.6 自社基準によるスタートから100枚通しに関する刷

出しテスト実施。(12社参加)2013.7 「SOPTECとうほく2013」(於 仙台)でセミナー開

催。テーマは「印刷標準化への取組み」、約120名

2013.7 ㈱ ユーメディア本社工場視察(15名参加)

2013年9月現在 会員数 44社(うち個人2名)

- 16 -

デジタル印刷テスト

①メーカー・機種名:HP・Indigo12000②機器タイプ:液体トナー(HPエレクトロインキ)③サイズ:B2(750×530㎜)④画像形成:網AM、線数175lpi⑤プロファイル:ユーザー変更可能⑥用途:その他(エンターテイメントパッケージ製造)

①メーカー・機種名:MTJN・Proof Jet F780 MARKⅡ②機器タイプ:インクジェット③サイズ:B1④画像形成:その他(2bit TIFFのみ)⑤プロファイル:ユーザ変更可能⑥用途:商業印刷、包装印刷

①メーカー・Fujifilm JETPRESS720S②機器タイプ:インクジェット③サイズ:A2④画像形成:FM(8bit tiff)、擬似網(線数175lpi)⑤プロファイル:オリジナル⑥用途:校正

①メーカー・機種名:Jet Press 720S②機器タイプ:インクジェット③サイズ:最大出力サイズ 750×532④画像形成:FM、疑似網、その他、ユーザー選択可能⑤プロファイル:ユーザー変更可能⑥用途:商業印刷、事務用印刷、包装印刷、その他

オフセット印刷油性インキコモリ LS246

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2007.8 プルーフ出力テストを13社で実施。

2008.9 PRIMEDEX TOKYO 2008 出展。2008.12 OEMガイドライン調査結果のまとめ実施。2008.12 3点グレー管理の特許取得。2010.2 PRINTNEXT2010出展。2010.3 小森グラフィックセンター(KGC)見学。

OEM模擬取引構築のため実証実験、12社参加。2011.7 「SOPTECとうほく2011」(於 仙台)出展。2011.9 IGAS2011出展。OEM模擬取引活動等を展示。2012.7 「SOPTECとうほく2012」(於 仙台)出展。省電力

UV印刷の最新情報ミニセミナー実施。2012.11 国立印刷局小田原工場視察。(参加数40名)2013.6 日本プリンティングアカデミー(JPA)にて5枚OK

シートのデモンストレーション実施。2013.6 自社基準によるスタートから100枚通しに関する刷

出しテスト実施。(12社参加)2013.7 「SOPTECとうほく2013」(於 仙台)でセミナー開

催。テーマは「印刷標準化への取組み」、約120名

2013.7 ㈱ ユーメディア本社工場視察(15名参加)

2013年9月現在 会員数 44社(うち個人2名)

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デジタル印刷テスト

①メーカー・機種名:HP・Indigo12000②機器タイプ:液体トナー(HPエレクトロインキ)③サイズ:B2(750×530㎜)④画像形成:網AM、線数175lpi⑤プロファイル:ユーザー変更可能⑥用途:その他(エンターテイメントパッケージ製造)

①メーカー・機種名:MTJN・Proof Jet F780 MARKⅡ②機器タイプ:インクジェット③サイズ:B1④画像形成:その他(2bit TIFFのみ)⑤プロファイル:ユーザ変更可能⑥用途:商業印刷、包装印刷

①メーカー・Fujifilm JETPRESS720S②機器タイプ:インクジェット③サイズ:A2④画像形成:FM(8bit tiff)、擬似網(線数175lpi)⑤プロファイル:オリジナル⑥用途:校正

①メーカー・機種名:Jet Press 720S②機器タイプ:インクジェット③サイズ:最大出力サイズ 750×532④画像形成:FM、疑似網、その他、ユーザー選択可能⑤プロファイル:ユーザー変更可能⑥用途:商業印刷、事務用印刷、包装印刷、その他

オフセット印刷油性インキコモリ LS246

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JS社オフセット印刷高感度LED UVインキ

JS社デジタル印刷Xerox Docucolor1450GA

SY社オフセット印刷油性インキ

SG社オフセット印刷油性インキ

JS社デジタル印刷富士フイルム JetPress720s

KY社デジタル印刷HP Indigo12000

SY社デジタル印刷Heidelberg VersafireC7100

SG社デジタル印刷Xerox Versant2100Press

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(順不同)

2018年6月 第170回定例会 SOPTECとうほく2012

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会員名簿 会社名・郵便番号・住所

青森オフセット印刷株式会社〒030-0802 青森県青森市本町2-11-16

小田原紙器工業株式会社〒250-0055 神奈川県小田原市久野150

川口印刷工業株式会社〒020-0841 岩手県盛岡市羽場10-1-2

株式会社 金羊社〒146-8577 東京都大田区鵜の木2-8-4

三共グラフィック株式会社〒335-0005 埼玉県蕨市錦町2-3-14

三美印刷株式会社〒116-0001 東京都荒川区町屋6-32-7

サンヨー印刷株式会社〒266-0002 千葉県千葉市緑区平山町176-1

株式会社 ジャパン・スリーブ〒130-0026 東京都墨田区両国3-21-11

精英堂印刷株式会社〒992-1128 山形県米沢市八幡原1-1-16

株式会社 タナックス〒141-0032 東京都品川区大崎1丁目6番1号 TOC大崎ビルディング17階

日本レーベル印刷株式会社〒422-8666 静岡県静岡市駿河区国吉田3-1-1

株式会社 博進紙器製作所〒125-0063 東京都葛飾区白鳥3-32-39

株式会社 ユーメディア〒984-0011 仙台市若林区六丁の目西町6-5

キヤノン株式会社〒146-8501 東京都大田区下丸子3-30-2

株式会社 金陽社〒136-0082 東京都江東区新木場1-1-1 

コニカミノルタジャパン株式会社〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1 浜松町ビルディング24階

株式会社 小森コーポレーション〒130-8666 東京都墨田区吾妻橋3-11-1

株式会社 桜井グラフィックシステムズ〒135-0032 東京都江東区福住2-2-9

ジクス株式会社〒174-0054 東京都板橋区宮本町44-6

CGS Japan株式会社〒135-0044 東京都江東区越中島1-2-13 TK門前仲町ビル3F

篠田商事株式会社〒146-8631 東京都大田区池上7-17-23

ダイヤミック株式会社〒130-0026 東京都墨田区両国2-10-14 両国シティコア12F

DICグラフィックス株式会社〒103-8233 東京都中央区日本橋3-7-20 ディーアイシービル

ティ・アンド・エス研究所 〒509-0251 岐阜県可児市塩659-9

株式会社 T&K TOKA〒354-8577 埼玉県入間郡三芳町竹間沢283-1

テクノロール株式会社〒335-0032 埼玉県戸田市美女木東二丁目3-6

有限会社 テシコン〒270-1151 千葉県我孫子市本町3-3-7 アネックス弐番館2F

東京インキ株式会社〒348-0016 東京都北区王子1-12-4 T IC王子ビル

東洋インキ株式会社〒173-8666 東京都板橋区加賀1-22-1

東レ株式会社〒103-8666 東京都中央区日本橋室町2-1-1 日本橋三井タワー

日本アグフア・ゲバルト㈱〒141-0031 東京都品川区西五反田7-22-17 TOCビル6F

ハイデルベルグ・ジャパン株式会社〒140-8541 東京都品川区東品川3-31-8

富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社〒106-0031 東京都港区西麻布2-26-30 富士フイルム西麻布ビル

三菱製紙株式会社〒961-8054 福島県西白河郡西郷村字前山西3番地

株式会社 明治ゴム化成〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-22-35 西新宿三晃ビル2F

株式会社 メディアテクノロジージャパン〒135-0044 東京都江東区越中島1-1-1 ヤマタネ深川1号館

株式会社 ユポ・コーポレーション〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4-3 新御茶ノ水ビル15階

菱栄機械株式会社〒277-0812 千葉県柏市花野井712-6

リョービMHIグラフィックテクノロジー株式会社〒114-0003 東京都北区豊島5-2-8

アイマー・プランニング株式会社〒612-8384 京都市伏見区下鳥羽浄春ヶ前町112番地

学校法人日本プリンティングアカデミー〒112-0002 東京都文京区小石川4-13-2

顧問 濵 照彦学校法人日本プリンティングアカデミー 名誉教授

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NPO法人 印刷OEM研究会

2018.7

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ライセンス等内容についてのご照会は事務局までお問い合わせ下さい。

NPO法人 印刷OEM研究会 事務局〒146-8577 東京都大田区鵜の木 2-8-4 株式会社金羊社

Tel:03-3750-1516 Fax:03-3750-2284http://[email protected]