北極星 2014 - 北海道鍼灸マッサージ柔整 ... ·...

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北極星 2014.12 1 JCOA シンポジウム 受領委任払い、中止求める多数の声 不正摘発・交流活発など、保険者の取り組み報告 鍼灸柔整新聞 2014 12 10 日 第 990 号より転載 一般社団法人日本臨床整形外科学会(JCOA)の平成 26 年度シンポジウムが 11 30 日、『保険 者側からみた受領委任払い制度』をテーマに都内で開かれた。 『療養費適正化のための保険者の取り組み』と題して、昨年度まで和歌山県後期高齢者医療広域 連合で不正請求の摘発を含め療養費適正化に取り組んでいた宇尾崇俊氏(海南市くらし部保険年金 課)が基調講演を行った。宇尾氏が同広域連合で本格的に対策を講じる契機となった出来事として、 既に死亡している被保険者の名前で提出された療養費申請書に出くわした体験を挙げた。当該の施 術者に説明を求めても話をはぐらかされ、問題は保険者が施術者に舐められていることだと考え、 平成 23 年に同広域連合に療養費適正化特別対策班を立ち上げたと話した。2 年強で鍼灸・マッサー ジ療養費の不正請求を 6 件(返還請求額約 1 6 千万円)摘発し、同様に柔整療養費も取り組みを 強化した結果、平成 25 年度の保険者負担額(柔整療養費と鍼灸・マッサージ療養費の合計)が 3 前より 2 割ほど(約 4 億円)減少したと説明。現在も多くの保険者や行政と交流を続けており、不 正請求防止の相談や適正化に関する意見交換を行っていると語った。 また、今年 6 月に大阪府内で配布された大阪府、大阪府保険者協議会、大阪府柔道整復師会連名 による接骨院・整骨院のかかり方に関する啓発ポスターに触れ、亜急性に関する記載内容はもとよ り、ポスター制作の過程においても保険者の声が聞き入れられなかったと指摘。「柔整業界の常套手 段である既成事実化が図られたのでは」と危惧し、亜急性の定義の解釈がバラバラでは患者の健康 被害につながる恐れがあると警鐘を鳴らした。宇尾氏は「業界団体や施術者と対峙していると、ど うしても対立意識が立ち上がり、患者の存在を忘れがちになる。療養費は患者のため、という視点 で保険者、行政、柔整業界の各キーパーソンらが集まり、一度腹を割って話し合う場を設けてはど うか」と提案した。 亜急性の学問的根拠を問題視 シンポジウムでは、JCOA 医療システム委員会委員長が「亜急性」について言及。医学的には急 性と慢性の中間を意味する「時間経過」を表す用語で、「外力の性質」を表すと記載しているのは柔 整の教科書だけだと指摘。教科書を編集した全国柔道整復学校協会に問い合わせたところ、定義の 提唱者は「当時の教科書編集委員会委員 18 名の総意」と学問的根拠がない返答であったとし、業界 独自の理論で業務範囲を超えた施術をするのであれば、公的医療資源を使うべきではないと述べた。 また、保険者機能を推進する会や市町村国保といった複数の立場のシンポジストが登壇し、受領委 任払いに対する姿勢や、適正化の取り組みとその成果などを報告した。 その後の全体討論では受領委任払い制度の中止を求める意見が出る中で、座長を務めた相原忠彦 氏(柔道整復療養費検討専門委員会委員)が健保組合、国保、協会けんぽなど各保険者の認識のず れを指摘し、保険者の団結を促した。また、「柔整師の食いぶちを失くしたいわけではなく、患者の 健康被害が出ており、整形外科医として見るに忍びない」と制度見直しの必要性の一端を口にした。 北極星 2014.12

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北極星 2014.12

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JCOA シンポジウム 受領委任払い、中止求める多数の声 不正摘発・交流活発など、保険者の取り組み報告

鍼灸柔整新聞 2014 年 12 月 10 日 第 990 号より転載

一般社団法人日本臨床整形外科学会(JCOA)の平成 26 年度シンポジウムが 11 月 30 日、『保険

者側からみた受領委任払い制度』をテーマに都内で開かれた。 『療養費適正化のための保険者の取り組み』と題して、昨年度まで和歌山県後期高齢者医療広域

連合で不正請求の摘発を含め療養費適正化に取り組んでいた宇尾崇俊氏(海南市くらし部保険年金

課)が基調講演を行った。宇尾氏が同広域連合で本格的に対策を講じる契機となった出来事として、

既に死亡している被保険者の名前で提出された療養費申請書に出くわした体験を挙げた。当該の施

術者に説明を求めても話をはぐらかされ、問題は保険者が施術者に舐められていることだと考え、

平成 23 年に同広域連合に療養費適正化特別対策班を立ち上げたと話した。2 年強で鍼灸・マッサー

ジ療養費の不正請求を 6 件(返還請求額約 1 億 6 千万円)摘発し、同様に柔整療養費も取り組みを

強化した結果、平成 25 年度の保険者負担額(柔整療養費と鍼灸・マッサージ療養費の合計)が 3 年

前より 2 割ほど(約 4 億円)減少したと説明。現在も多くの保険者や行政と交流を続けており、不

正請求防止の相談や適正化に関する意見交換を行っていると語った。 また、今年 6 月に大阪府内で配布された大阪府、大阪府保険者協議会、大阪府柔道整復師会連名

による接骨院・整骨院のかかり方に関する啓発ポスターに触れ、亜急性に関する記載内容はもとよ

り、ポスター制作の過程においても保険者の声が聞き入れられなかったと指摘。「柔整業界の常套手

段である既成事実化が図られたのでは」と危惧し、亜急性の定義の解釈がバラバラでは患者の健康

被害につながる恐れがあると警鐘を鳴らした。宇尾氏は「業界団体や施術者と対峙していると、ど

うしても対立意識が立ち上がり、患者の存在を忘れがちになる。療養費は患者のため、という視点

で保険者、行政、柔整業界の各キーパーソンらが集まり、一度腹を割って話し合う場を設けてはど

うか」と提案した。 亜急性の学問的根拠を問題視 シンポジウムでは、JCOA 医療システム委員会委員長が「亜急性」について言及。医学的には急

性と慢性の中間を意味する「時間経過」を表す用語で、「外力の性質」を表すと記載しているのは柔

整の教科書だけだと指摘。教科書を編集した全国柔道整復学校協会に問い合わせたところ、定義の

提唱者は「当時の教科書編集委員会委員 18 名の総意」と学問的根拠がない返答であったとし、業界

独自の理論で業務範囲を超えた施術をするのであれば、公的医療資源を使うべきではないと述べた。

また、保険者機能を推進する会や市町村国保といった複数の立場のシンポジストが登壇し、受領委

任払いに対する姿勢や、適正化の取り組みとその成果などを報告した。 その後の全体討論では受領委任払い制度の中止を求める意見が出る中で、座長を務めた相原忠彦

氏(柔道整復療養費検討専門委員会委員)が健保組合、国保、協会けんぽなど各保険者の認識のず

れを指摘し、保険者の団結を促した。また、「柔整師の食いぶちを失くしたいわけではなく、患者の

健康被害が出ており、整形外科医として見るに忍びない」と制度見直しの必要性の一端を口にした。

北極星 2014.12

北海道鍼灸マッサージ柔整協同組合

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大阪府立視覚支援学校 柔整科新設 視覚障害者の職域の選択肢広げる

鍼灸柔整新聞 2014 年 12 月 10 日 第 990 号より転載

柔整の業団体、概ね賛同 来年 4 月より大阪府立視覚支援学校(大阪市住吉区)で「柔道整復科」が開設される。視覚障害

を対象とする特別支援学校初の柔道整復師養成課程開設を前に、設置に至った経緯などを、同府教

育委員会の支援教育課で、視覚支援学校の建て替え計画や学科の再編・文部科学省との調整等に関

わった担当者に聞いた。 ―――「柔整科新設」が持ち上がったきっかけは? 老朽化した校舎の建て替えに合わせて「教育課程の再編」の検討が行われたのが契機といえます。

校舎の一部は昭和 13 年に建てられており、耐震性を確保する必要があることから、平成 18 年頃か

ら建て替えに向けて計画が動き出しました。ハード面だけでなく、視覚障害者を取り巻く環境や教

育ニーズの変化に対応する学科の再編や教育内容といったソフト面についても見直しを進めました。 ―――なぜ「柔整」が選ばれたのですか? まず、同校の高等部専攻科(理療科、保健理療科、理学療法科、音楽科、情報処理科)の中で、

近年、音楽科と情報処理科の入学者数の減少が著しく(両科とも平成 26 年度より入学者募集を停止)、

これに代わる新学科の設置が検討の軸になりました。 また、理療科卒業生が柔整の専門学校に通い、柔道整復師免許を取得後、開業して生計を立てて

いるというケースが既にあり、「柔道整復師養成課程」を視覚支援学校に設置することで、視覚障害

者の職域の選択肢を広げることができるとして柔整科設置に向けて取り組みました。 ―――周囲の反応は? 視覚障害者の職業的自立を支援するという目的から、視覚障害者団体はもとより、柔道整復師の

業団体からも概ね賛同を得られました。その後、新校舎建て替えの計画とともに、認可申請手続き

を進め、11 月 11 日付で文部科学省から柔道整復師養成施設の指定をいただきました。

Ⅰ あん摩・マッサージ・指圧の理論と実技

東京都立文教盲学校理療科研究会 編著 日本ライトハウス 印刷兼発行者

<理論編>

第3章 マッサージに併用するおもな理学的療法

マッサージ、その他の徒手療法の治療効果をたかめるために、各種の理学的療法が併用される。

理学療法とは、自然的および人工的な物理エネルギーを疾病の治療や健康増進に用いる方法である。

すなわち、あらゆる物理的エネルギーが利用されるのである。

第1節 電気療法 第2節 高周波電気療法 第3節 光線療法 第4節 温熱および水治療法 (略)

(付)

物理療法には、あらゆる物理エネルギーが利用されるので、そのほか、数多くの物理療法があるが、

マッサージの領域に関連して使用する場合は、手軽なものを選び利用することがたいせつである。大病

院などでは、理学療法という名称のもとに、重要な医療として広く行われているが、なかでも運動療法

に加えて、高周波および超音波の利用度はますます高まっているので、これらの基礎知識をじゅうぶん

学習しておく必要がある。

第4章 指 圧

第1節 指圧の意義と沿革

北極星 2014.12

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1 指圧の意義

指圧とは、徒手で体表の一定部位を押圧し、その圧刺激により生態の示す変調を矯正し、健康の増進

を図り、または特定の疾病治療に寄与する施術である。この押圧は、矯正と反射の二つの目的をもって

行なわれるものである。

矯正とは、身体の形態を正常にすることを目的とする技術であり、反射とは、身体の機能を調整する

技術をいう。この矯正・反射の技術を応用して全身機能の好転を図るのである。

2 指圧の沿革

指圧は、東洋医法的な古来のあん摩法、導引、柔道の活法などの原理や手法を総じて発達した独特の

経験施術であるが、大正時代にはいり、これらの手技操作と共通するアメリカの各種生体施術すなわち、

オステオパシー、カイロプラクティック、スポンデロテラピーなどの科学的な理論や手技が輸入される

に及び、古来より行われてきた経験的な術式にこれらの技術が加えられ改良されて今日に至ったのであ

る。

(付)柔道の活法

柔道の活法は、平安朝期における公家政治が衰え地方荘園の武士が勢力を得、武家政治の幕府が成立

する前後より武術が重視され、一般の民衆も動乱の備えに護身の術として「やわら」(柔道のもと)が流

行し、その修行中に起こった骨折脱臼は、その練達の同志によって応急に処置された。その慣習は今日

に及び、柔道整復術となったものである。一方、これら修行中の強行操作によって起こることのある失

神には導引の「活術」が用いられた。すなわち、一定部位に弾撃(急激な刺激)を加えて意識を回復させ、

呼吸循環を喚起する方法である。

(付)アメリカの各種整体施術

(1) オステオパシー オステオパシーは1874年、アメリカのアンドリユー・テーラー・スチール

博士によって考案された理学的治療法である。オステオパシーという語は、ギリシア語でその字義は「オ

ステ」は骨、「パシー」は病理ということで、すなわち骨の異常を調整する技術である。

スチールは医学をきわめ、内科・外科を専門として開業し、多くの患者を扱ったが、現行の医薬療法

の革新を思い立ち、その第一歩として人体の基本的研究に着手し、骨格学の研究を重ね、数年を経て、

人体のあらゆる構造と機能とを新たな観点から深く認識会得した。

その結果ついに、オステオパシーの真理を発見し、この施術法を完成し、1874年新しい科学的治

療法として社会に発表した。これは、後に続いて創始されたカイロプラクティックやスポンデロテラピ

ーとともに,アメリカの三大施術として広く用いられている。

(オステオパシーの基本原理)

人体の骨格は、元来身体の構成上の基礎となるものであるが、これらが不自然な位置をとるとこれに

付着している骨格筋は直ちに骨の転移した方向に引き寄せられて、攣縮・硬化し、他方は伸長・弛緩し

て左右の均衡が破れる。その結果、筋組織内を通過している神経や血管・リンパ節などは、いずれも非

常な圧迫障害を受けて完全な機能の発揮を阻害され、同時に内臓諸器管も転移変化する。

以上述べた種々な健康の障害となる原因は、要約すると次の5項目となる。

ア.骨格の異常、イ.筋および腱の異常、ウ.内臓の転移、エ.神経および血管の異常、オ.リンパの

停溜

次に、これらの原因による疾病について二、三の例を挙げてみる。

ア.肩甲骨の平衡が破れて前方に下ると気管・肺臓・心臓・肝臓などに故障を生じ、頸筋の硬化が起こ

り、ついには頭痛・歯痛、鼻・咽喉の異常を起こしやすく、また腕の疾患を起こし肋骨を下垂させる。

イ.胃あるいは肝臓に疾患のある場合は、右の肩に筋の凝縮をきたすことがあり、特に肩甲骨と脊椎骨

との中間の筋に症状が現れる。

ウ.胃腸の下垂は膀胱、婦人の場合は子宮・卵巣を圧迫し、その機能に障害をきたし、あるいはその臓

器にも同様の影響を与える。

以上の疾病例のように、その一つに異常が生ずれば必ず他の部分に異常を現わすなどの深い関係があ

るので、要するに、オステオパシーは手指をもって、これらの異常を診査し手技による物理的操作を施

行することによって、その異常を調整して疾病の根本原因をすみやかに除く療法である。

北海道鍼灸マッサージ柔整協同組合

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第5章 あん摩・マッサージおよび指圧の生態作用機転

本章においては、主としてマッサージの作用機転について述べる。

第1節 細胞組織に及ぼす作用

あん摩、マッサージおよび指圧は圧刺激を生体の各組織に与えたとき、それが有効刺激に達すれば、

組織の細胞はそれに応じて反応を起こす。すなわち膜の透過性を変化して、物質代謝の異化機転を進め

興奮させ、あるいは異化機転を低下させて鎮静効果をあげることが可能である。

この組織の細胞の反応は、組織の特殊性により、生体の限られた一局所に与えられた刺激によっても

それが組織全体に広がり、さらにその反応の総和として全身的に複雑広範な影響となって現れるもので

ある。

このことは生体の基本単位が細胞であり、似通った細胞の結合が組織であり、組織がさらに集まって

個体(生活体)を形成しているということから理解できる。また、これらの機械的刺激が皮膚を介して体

液性に、または神経性に作用し、全身のひずみを正し変調を調整して治療効果を期待しうるという。

これは、皮膚・神経・下垂体が発生学的に同じ外胚葉に属していることから説明が可能であるといわ

れている。

第2節 皮膚に及ぼす作用

皮膚に対しては、皮膚知覚神経を機械的に刺激し、反射的に皮膚の血管を拡張させ、血量を増加し、

新陳代謝を旺盛にする。その結果として皮膚は紅潮するとともに、皮膚温は上昇して、体温を調節し皮

膚をじょうぶにして、外部よりの有害物に対する抵抗を強め、汗腺の機能を増進し皮膚呼吸を盛んにす

る。

なお、皮膚面にある剥離上皮細胞(角質細胞)と皮脂腺分泌物との混合物は、除去されるので、皮膚感

覚はたかまって爽快感を覚える。

第3節 筋に及ぼす作用

筋に対しては、筋を他動的に運動させ、組織内の栄養を高めて筋萎縮や筋疲労を予防し、すでに生じ

た萎縮や疲労を回復させて筋を弛緩させ、その作業条件を有利にする効果がある。

次に、これらの効果を、実証する実験例二つを述べる。

(1)ルーゲの実験例 ルーゲは「かえるの腓腹筋に揉捏法と叩打法を施したところ、その直接作用とし

ては,筋の機能を佳良にし、敏捷かつ耐久性を増加させた。この現象は、健康・疲労、両筋においても

同一である」と述べた。

(2)ザブルドスキー・マギオラの実験例 「疲労筋にマッサージ(ことに揉捏法)を施せば、これを安静

に保持するよりも、その機能の回復を促進した。

なお、また疲労筋・健康筋の両筋をともに揉捏したのち、テタニーを起こさせるには、施行前よりも

強大な刺激を要するものである。」と述べた。

第4節 関節に及ぼす作用

関節に対しては、関節周囲組織の血行や新陳代謝を盛んにして、関節軟部組織の力を強め、その部の

組織の癒着を防ぎ,すでに生じた癒着を剥離するとともに、その部に生じた有害産物や、病的に現れた

滲出物を吸引する。いわゆる消炎作用を促進して、関節の機能を旺盛にする効果がある。

次にこれらの効果を動物実験によって、実証するライブマイルおよびフェフィンゲル、カステック三

氏の説を記載してみる。

(1)ライブマイル・フェフィゲルの説

両氏は「家兎の諸関節に、黒い墨の粉と水に混ぜて注入し、ある関節は按撫し、ある関節には按撫せず

に観察すると、按撫を行った関節は、注入後に起こった腫脹はすみやかに消失したが、按撫を行わなか

った関節の腫脹は長く持続した。

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次にその家兎を打ち殺し、注入の行われた諸関節を切開して、検査したところ按撫を施行しなかった

関節の墨の粉は、滑液と混ざって多量に残存したが、長く持続して按撫を行なった関節には、少しも墨

の粉の残存は認められなかった。ただし、その関節よりも中枢部にある腹部の組織、ことに黒く染まっ

た筋および筋間結合組織に墨の粉の集積点を多数発見した。

按撫を行ったリンパ管は黒く変わり、またその関節より、中枢にあるリンパ節も微細な黒い粉で満た

されていた」と述べた。

(2)カステックの説

カステックは「犬の左右前肢の関節に外傷として打撲・捻挫・脱臼などを相対的に起こさせて、その

一側には規則正しく按撫・按捏を施し、他方にはこれを施さず放置した。その結果施行の直接効果とし

ては、腫脹・疼痛および筋萎縮などを免れたが、実験例、8例中6例は、マッサージの効果を確実に証

明することができたが、他の2例は、認められるような原因なく、損傷に耐えられず死んでしまったの

で、効否を判別することはできなかった。組織的検査において、マッサージを施さず、自然に放置され

た側に認められたのは、筋線維の腱列付近における結合組織の増殖および筋群の容積の減少などであっ

て、筋繊維鞘は完全であった。また血管外膜は,肥厚、神経小枝の周囲炎および神経炎をみた。

これに反し、マッサージの施された側は、筋容積の変化は認められず血管も神経も正常であった」と、

外傷後における組織の回復について述べている。(つづく)

Ⅱ 鍼灸臨床の科学

監修/筑波技術短期大学 学長/西條一止 名古屋大学 名誉教授熊澤孝明

発行所 医歯薬出版株式会社

C 生体における自律神経反応リズム

1.呼吸運動リズムと副交感神経機能

呼吸運動と自律神経機能の関係を検討すると、呼吸運動による心拍の変動は副交感神経機能に支配さ

れていることが分かる。

呼吸運動リズムと心拍変動を比較すると、吸気時には心拍数が増加し、呼気時には減少する。これは

副交感神経であるから、吸気時に心拍数が増加することは、副交感神経機能が抑制されていることを示

している。また、呼気時に心拍数が減少するのは、副交感神経機能が高まっていることを示している。

副交感神経は食物の消化、吸収、代謝産物の排泄などや、生体の疲労回復、活動の準備状態づくりな

ど大切な役割をしている。つまり、生体を健康な状態に保つ主役である。古来からの多くの健康法が呼

吸とかかわり、呼気を大切にしている。そのリユウはここにある。呼気時には副交感神経機能が高まる

方向に動くのである。そこで、副交感神経機能が抑制されるようなときには、呼気時の生体反応を上手

に活用し、副交感神経機能を高めようとするのである。

呼吸運動は、生体の自律神経機能の中で随意的に動かすことのできる唯一のものである。

これは心臓、血管系にも大きな変動を起こす。また、腹圧を変化させることにより、腹腔内臓、腹腔

内循環にも大きな刺激を与える。われわれは呼吸運動を介して心臓・血管系や腹腔内臓に影響を与える

ことができ、また人体を支配している自律神経機能の副交感神経機能を、ある部分随意的に調整するこ

とが可能なのである。

2.体位と交感神経機能

臥位、立位時の血中カテコールアミノを調べると、立位時には血中カテコールアミノが臥位時の2倍

以上に多くなる。これは、臥位時に比べて立位時に交感神経機能が高い状態にあることを示している、

自律神経の中の体性系のような性質があり、体性機能の代表である。

交感神経の機能状態は体位とのかかわりが大きく、立位、座位時の緊張は高くなり、臥位時には抑制

北海道鍼灸マッサージ柔整協同組合

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されるのである。

交感神経には、自律神経の中の体性系のような性質があり、体性機能の代表である「動き」に対する

自律系のサポートをしている。

生体は立位、座位で機能を高め、臥位で休息状態になる。このことは治療にはきわめて大きなかかわ

りを持つものであり、診察の際にも大切である。臥位で治療すると、基本的には生体機能は低下する方

向に変化する。したがって、緊張がゆるまないという痛みや、イライラなどの症状の場合は臥位で治療

するのと生体機能を高める方向に変化する。したがってすっきりしないときや、スポーツ前、スポーツ

中などは当然座位での治療となる。気管支喘息の発作に対する治療も座位で行う。

大学病院鍼灸事情 【1】

理事 渡邉 一哉

鍼灸師の病院勤務事情というのは、当組合もそうだし公益社団などの団体も NPO 団体もほとんどが開業

鍼灸師の団体であり、病院勤務鍼灸師という実態がまったく浮き彫りになってこない。それは、勤務鍼

灸師、病院鍼灸師の団体がないので調査のしようがない事に起因すると思われるが実際問題、自由診療

であっても病院で鍼灸治療はできるのか?厚労省の言う混合診療に抵触しないのか?

この疑問はずっとある。

また病院鍼灸が普及すると開業鍼灸院に大打撃を受けるという意見は未だに根強くある。実際にそう

なのか?

そんな疑問から大学病院でどのくらい鍼灸が行なわれていて、実際にどうやっているのか?という事

を調べてみた。

東京大学の芳賀先生(リハビリテーション科教授)のお話では下記の大学で鍼灸は行なわれている。

東京大学附属病院リハビリテーション部

東北大学病院 漢方・鍼灸外来

福島県立医科大会津医療センター 漢方医学センター

筑波技術大学 東西医学統合医療センター

三重大学医学部附属病院 麻酔科(統合医療・鍼灸外来)

京都府立医科大学附属病院 神経内科

慶應大学医学部 漢方医学センター

日本医科大学附属病院 東洋医学科

自治医科大学附属病院 麻酔科

東京慈恵医科大学附属病院 ペインクリニック

東京女子医大 東洋医学研究所クリニック

東京医科歯科大附属病院 ペインクリニック

東海大学医学部附属病院 東洋医学科

東邦大学医療センター大橋病院 漢方外来

埼玉医科大学病院 東洋医学科

北里大学 東洋医学総合研究所 漢方鍼灸治療センター

福岡大学病院 東洋医学診療部

鍼灸外来をうたっている東北大学や、三重大学もあるし、北里大学などは漢方鍼灸センターを開設し

ている。

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これ以外にも札幌医大の麻酔科では鍼灸が行なわれていたし、(20年以上前に半年くらい研修を受け

ていました)旭川医科大学麻酔科でも、当時の講師の先生が鍼灸を行なっていた。

大阪医科大学(大阪市)のホームページを見ると、 「1966年8月にペインクリニックの外来が開

設された当初から、鍼灸師が治療スタッフとして治療にあたってきた」と示されている。

しかし、東京大学医学部附属病院(東京都文京区)にかつて置かれていた内科物理療法学教室(通称、

物療内科)ではもっと早く、昭和30年代から鍼灸の研究が始まったそうだ。

当時教授だった大島良雄氏は、鍼灸に関する数多くの文献報告をしている。もっともその当時は患者

を対象とした治療が目的ではなく、経穴の電気抵抗など基礎理論の研究に主眼が置かれていた。

物療内科は長い歴史を持ち、設立されたのは1926年(大正15年)のことである。物理的エネル

ギーを用いて生体の自然治癒力を引き出そうというユニークな研究が行われていた。その中には東洋医

学的な物理療法の研究も組み込まれていたのである。

1975年頃、この物療内科では外来患者への「サービス」という位置づけで鍼灸治療が始まった。

が、あくまでも鍼灸は研究対象として取り組まれていたのである。

大島良雄氏は1971年に埼玉医科大学附属病院(埼玉県入間郡)の初代病院長となった。1984

年、ここに東洋医学専門外来が設立され、鍼灸界の大御所であった芹澤勝助氏門下の山口智氏(現講師)

が迎えられ、漢方とともに鍼灸による治療が始まっている。

その翌年五月、国立がんセンター(東京都中央区)でがん患者に対して鍼灸治療を取り入れる試みが

初めて行われた。主にがんの切除手術後の疼痛やがん転移に伴う疼痛などに対して、鍼灸の鎮痛効果が

求められている。このように病院での鍼灸診療は、40年ほど前から少しずつ広がっていったのである。

1990年頃代になると、欧米で始まった代替医療研究の波が世界中に及んだ。ドイツなどでは早く

から医学教育に鍼灸が取り入れられていたが、日本の大学医学部の中でも鍼灸の力を生かそうという動

きが盛んになっている。

そうした例の一つが岐阜大学附属病院(岐阜市)である。同病院では、93年に第二内科で漢方外来

を担当するようになった赤尾清剛氏(現在東洋医学講座教授)が、鍼灸治療も取り入れ始めた。95年

から主に内科疾患を中心として入院患者にも鍼灸治療を始めている。そして、2001年6月、東京衛

生学園鍼灸科出身の鎌田剛氏を非常勤講師として招いた。最初は東大と同じように「サービス」で行わ

れていたが、02年の移転に伴い新病院が造られると、国立大学では例がない鍼灸治療専用スペースが

設けられ、自由診療で治療を受けられるようになったのである。

問題は、医療保険が前提の病院において、自由診療になるだろう鍼灸治療が行なわれる事になぜ誰も、

どこの業界団体も異を唱えないのだろうと言う事だ。

また、国はこのままこの状況をほっておくのか?そうした疑問から、更に調べてみる事にした。

いうまでもなく日本の医療保険のしくみでは「混合診療」が禁じられている。同じ医療施設内で保険

診療の医療と保険が利かない鍼灸の治療を行うことができないことになっているのだ。

鍼灸は神経痛、リウマチ、腰痛、頸肩腕症候群、五十肩、頸椎捻挫後遺症など疼痛を主症とする疾患

の六疾患のみ、医師の「(鍼灸治療を受けてもいい、という)同意書」をつけたうえでの保険診療が認め

られていた。したがってこれ以外の疾患を対象とした鍼灸は自由診療となり、保険医療を提供する施設

内で行うことは療養担当規則の「混合診療の禁止」に違反するのである。

このことが病院で鍼灸治療を実施するうえで大きな障害になっていた。すでに、鍼灸の利用分野は六

疾患ではとても収まらないことが、医療関係者に広く認識されるようになっているからだ。

これに対して、現在、大学病院などの病院で行われている鍼灸診療の形態は、自由診療のものもある

が、条件付きの診療であったり、サービスで提供しているケースもあるなど様々だ。なんとか混合診療

禁止の規則に抵触しないようにしようという工夫がうかがえる。

東大附属病院リハビリテーション部鍼灸部門の鍼灸診療の治療時間は、月曜から金曜の午前9時から

午後5時で、治療費は自由診療として4000円と定められている。 粕谷主任はこの金額について、「開

北海道鍼灸マッサージ柔整協同組合

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業の鍼灸治療家たちの相場や、私たちの治療で用いる材料の費用などから考えた」と話す。そして混合

診療に触れないために、患者は保険診療の外来日と自由診療による鍼の治療日が重ならないようにして

いる。

粕谷主任はこう話す。

「私たちは、『鍼灸は保険診療と同じ敷地内ではできない』と考えていましたが、病院の企画経営部よ

り、『PT(理学療法士)やOT(作業療法士)と同様に、医師の指示のもとにライセンスを持った治療

家が鍼灸を行うことは全然かまわないし、医師の治療行為の補助という位置づけなら問題にならない』

としています。」

同病院の鍼灸部門では現在、常勤スタッフ5名、鍼灸臨床研修生5名、外国留学生2名が臨床・研究・

教育に携わっている。常勤スタッフの中には、東京衛生学園神奈川校出身の美根大介氏の名前が見られ

る。同病院の鍼灸のベッド数は5床だが、2006年10月に3倍の広さになり、それに応じて増床さ

れる計画だ。

一方、岐阜大学の鍼灸治療スタッフは、非常勤講師の鍼灸師が4人で、鍼灸治療日は週 5 日だ。混合

診療を避ける目的で、午前中は保険診療、鍼灸外来は午後だけとしている。自由診療の鍼灸の治療費は

1260円。病棟の入院患者に対する治療は無料。ベッドは計 7床ある。

2005年に開講されたばかりの東邦大学附属大森病院東洋医学科の鍼灸の診療日は、月、水、金と

週三日の午前10時~午後5時で、2人の鍼灸師が対応している。治療費は自由診療で5000円、初

診は8000円だ。混合診療を避けるため、2床の鍼灸診療のブースを分けている。

埼玉医大では鍼灸診療のスタッフは現在常勤が6名、非常勤が5名いて、研修中の鍼灸師がつねに5、

6人いる。常勤スタッフの中には、東京衛生学園出身の新井千枝子氏の名前が見られる。同大学は川越

市にも「総合医療センター」「かわごえクリニック」という医療施設をもっており、ここでも鍼灸診療を

行う。ス タッフはこれら 3 施設および関連施設を受け持つ診療ローテーションを組んでいる。

埼玉医大の3つの施設での治療費は、混合診療を避けるために「材料費」の名目で徴収される。その

材料費として、大学病院では消費税込み2625 円、総合医療センターでは3150円、かわごえクリ

ニックでは4200円という料金が設定されている。

国立がんセンター(東京都中央区)では、2人の鍼灸師が交代で治療に当たっており、月、水、金と

鍼灸の治療費は無料だ。予約制で、原則として状態の悪い患者の希望が優先される。

東大病院リハビリテーション部で鍼灸治療を受けるためには、まず各診療科で医師の診療を受けるこ

とが原則となっている。そして担当医が鍼灸適応かどうかを判断して患者自身が希望するとき、医者の

判断のもとにリハビリテーション部に治療依頼があり、5人の鍼灸師が問診からベットサイドの検査よ

り鍼灸が適応かどうかを協議、判断したうえで治療が行われる。

鍼灸治療が進められるなかで、患者の症例検討会(カンファレンス)で治療方針や鍼灸治療に情報交

換勉強会が行われている(図 1)。さらに担当医に経過の報告や診察の依頼がなされる。外来で鍼灸治療

を受ける患者は、だいたい1日30~40人くらい、自由診療になってから増加傾向にあり、50人に

達する日もある。

「他の科の専門医が、『これは鍼治療が必要です』『鍼をやってみたらどうですか』と患者さんに勧め

ているわけです。鍼灸治療に対する理解が高まってきたことを裏づけるものでしょう。鍼灸を専門医た

ちに正しく認識してもらおうと、我々なりに努力をしてきた結果でもあると思います」

東邦大学大森病院では、鍼灸の診療日に訪れる患者は8~12人くらい。ここでもほとんどフル稼働

の状態だ。中国留学経験のある東洋医学科の三浦於菟教授は、「中国では、漢方と鍼灸は車の両輪」と話

す。

「漢方と鍼灸はお互いに長所と短所があってそれを補い合う関係にあります。私たちの診療科へは、

最初から鍼灸を希望して来られる患者さんはあまりいませんが、私が『鍼灸が合う』と見立てた患者さ

んがいれば『鍼灸もやったほうがいいと思います』というふうにお勧めしています。結果的に喜ばれる

ことが少なくありません」

北極星 2014.12

ところで、病院ではどんな疾患に対して鍼灸治療が用いられているのだろうか?

東大病院の鍼灸診療外来の患者は、一般の鍼灸院でも多く対応している腰痛症、頸

炎(五十肩)などの運動器疾患がやはり6

療室」というルーツを持つ同部門の特徴として、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾

患、関節リウマチや膠原病の患者も約

患、糖尿病なども入る。

「以前は整形外科の領域などは、鍼灸に対する偏見が根強かったようですが、最近は医師の考えが変

わってきて、『薬物療法と鍼灸治療を併用し効果をあげる』とするような面が目立つようになりました」

粕谷主任はこう話す。

さらに入院患者の治療については、鍼灸治療を依頼してくる診療科で分類すると、アレルギー・リウ

マチ内科からの依頼が半分を占める。次いで呼吸器科、産科・女性科、放射線科が各

いるが、だいたいがん性疼痛に対する治療が多い。さらに老

後の疼痛などの患者なども含まれる。

我々開業鍼灸師は、こうした情報をきちんと把握し、来るべく病院鍼灸全盛時代が到来する時にはし

っかりと、患者さんの所見をとり、医師との連携を

鍼灸師は免許取得した瞬間から研究と資格者としての、技術を維持する義務を負う。これからの時代

に、現代医療との連携が当たり前になってくる時代に、もっともっと医師との連携を模索し、それがで

きる鍼灸師にならなければいけない。

それが、鍼灸は残っても鍼灸師は絶滅するのではないか?と言われる所以なのだろうと思う。

次には、大学病院での医師との連携から、どんな疾患に鍼灸が行なわれているのか?の詳細を報告し

たいと思う。

旅旅のの空空かからら♪♪ 横島編集委員が、九州・熊本城へと行ってきました。

熊本城の付近で早咲きすぎる桜と出会

ったりと、北国の民には驚くことばか

りでした。清正公、とても凛々しかっ

たです。

今年も気付けば残りわずかとなりま

した。年々、一年が過ぎるのが早く感

じられるようになっていますが、来年

も組合員の皆様のお力に沿えるよう、

日々精進したいと思います。

皆様もよい年をお過ごしくだ

さい。

発行元 北 海 道 鍼 灸 マ ッ サ ー ジ 柔 整 協 同 組

札幌市中央区南 1 条西 13 丁目

E-mail [email protected]

病院ではどんな疾患に対して鍼灸治療が用いられているのだろうか?

東大病院の鍼灸診療外来の患者は、一般の鍼灸院でも多く対応している腰痛症、頸

炎(五十肩)などの運動器疾患がやはり6割を占める。が、もともと「アレルギー・リウマチ内科・治

療室」というルーツを持つ同部門の特徴として、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾

患、関節リウマチや膠原病の患者も約2割だ。さらに残り2割には内科疾患である神経疾患、循環器疾

「以前は整形外科の領域などは、鍼灸に対する偏見が根強かったようですが、最近は医師の考えが変

わってきて、『薬物療法と鍼灸治療を併用し効果をあげる』とするような面が目立つようになりました」

さらに入院患者の治療については、鍼灸治療を依頼してくる診療科で分類すると、アレルギー・リウ

マチ内科からの依頼が半分を占める。次いで呼吸器科、産科・女性科、放射線科が各

いるが、だいたいがん性疼痛に対する治療が多い。さらに老年病内科では骨粗しょう症による圧迫骨折

の疼痛などの患者なども含まれる。

我々開業鍼灸師は、こうした情報をきちんと把握し、来るべく病院鍼灸全盛時代が到来する時にはし

っかりと、患者さんの所見をとり、医師との連携を取れるよう業界団体あげて対策を考える必要がある。

鍼灸師は免許取得した瞬間から研究と資格者としての、技術を維持する義務を負う。これからの時代

に、現代医療との連携が当たり前になってくる時代に、もっともっと医師との連携を模索し、それがで

きる鍼灸師にならなければいけない。

鍼灸師は絶滅するのではないか?と言われる所以なのだろうと思う。

次には、大学病院での医師との連携から、どんな疾患に鍼灸が行なわれているのか?の詳細を報告し

♪♪ 横島編集委員が、九州・熊本城へと行ってきました。

*編

記*

日々の慌ただしさに拍車をかけるよ

うに、寒さを増している北海道ですが、

そんな中、雪の積もらない土地・九州

へと行ってきました。

空気が春先のように感じられたり、

熊本城の付近で早咲きすぎる桜と出会

北 海 道 鍼 灸 マ ッ サ ー ジ 柔 整 協 同 組 合 発行責任者 吉 丁目 317-3 フナコシヤ南 1 条ビル 8F TEL 011-213-1033

[email protected] URL http://www.hokushinkyo.jp/

熊本駅には『妖怪ウォッチ』のジバニャンが!

大迫力の熊本城・天守閣!

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病院ではどんな疾患に対して鍼灸治療が用いられているのだろうか?

東大病院の鍼灸診療外来の患者は、一般の鍼灸院でも多く対応している腰痛症、頸椎症、肩関節周囲

割を占める。が、もともと「アレルギー・リウマチ内科・治

療室」というルーツを持つ同部門の特徴として、気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾

割には内科疾患である神経疾患、循環器疾

「以前は整形外科の領域などは、鍼灸に対する偏見が根強かったようですが、最近は医師の考えが変

わってきて、『薬物療法と鍼灸治療を併用し効果をあげる』とするような面が目立つようになりました」

さらに入院患者の治療については、鍼灸治療を依頼してくる診療科で分類すると、アレルギー・リウ

マチ内科からの依頼が半分を占める。次いで呼吸器科、産科・女性科、放射線科が各10%前後となって

年病内科では骨粗しょう症による圧迫骨折

我々開業鍼灸師は、こうした情報をきちんと把握し、来るべく病院鍼灸全盛時代が到来する時にはし

取れるよう業界団体あげて対策を考える必要がある。

鍼灸師は免許取得した瞬間から研究と資格者としての、技術を維持する義務を負う。これからの時代

に、現代医療との連携が当たり前になってくる時代に、もっともっと医師との連携を模索し、それがで

鍼灸師は絶滅するのではないか?と言われる所以なのだろうと思う。

次には、大学病院での医師との連携から、どんな疾患に鍼灸が行なわれているのか?の詳細を報告し

田 孝 雄 1033 FAX 011-213-1034

http://www.hokushinkyo.jp/

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天井まで装飾が綺麗でした