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分析が牽引する 新たな進化 マシンラーニングと高度な分析を活用したビジネス変革

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Page 1: 分析がする たな - intel.co.jp · マシンラーニングなどの高度な分析手法を活用すると、 人間の検証能力を模倣および支援することで、製品設計の

分析が牽引する新たな進化マシンラーニングと高度な分析を活用したビジネス変革

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現代のビジネス課題は、かつてなく先鋭化してい

るといわれます。新しいセールス&マーケティング

戦略の策定、際立った顧客サービスの提供による

競合他社との競争、非効率的な内部プロセスに

対処するための取り組みなど、どのような課題も

迅速に決断し、正確に対応することが極めて重要

です。常にネットワークに接続され、顧客からは

パーソナライズされたサービスを即座に提供する

ことが期待される世界では、遅延や対応ミスは

業績に深刻な影響を及ぼしかねません。

幸い、この課題の中に解決策を見出すことができます。IoTやソーシャルメディアなどのテクノロジーが登場し、発達する につれ、広大なデータの海が生まれつつあります。自社の システムに保存されたデータ以外にも、新しい記事やカルテなどのパブリックドメインにもデータは存在します。このようなデータを活用し、分析すれば、自社のビジネスと顧客についてより深い洞察を得ることができます。今までは見えなかっ たパターンを発見し、意思決定に活用したり、次に起きる事象を予測し、それに影響を与えることも可能かもしれません。

膨大なデータの中から貴重な洞察を得るには、高度な分析がカギを握ります。このガイドでは、マシンラーニングや処方的分析などの高度な分析手法を利用して、ビジネスを変革できる5つの分野を考察し、インテル社内の実績と顧客から得た実例をご紹介します。

インテルIT部門�

インテルIT部門は、ビジネス価値を生み出し、組織 変革の触媒となるべく、新しいテクノロジーを活用することを重視しています。

業界におけるイノベーション推進への取り組みの一環として、インテル IT 部門では独自のデータ分析用コンピテンシー・センターを設立しました。デジタル変革によるインテル社内プロセスの最適化を担い、現在は 人工知能(AI)とマシンラーニングを重点分野としています。コンピテンシー・センターでは、テクノロジーを応用し、エコシステムと顧客によって使用される製品やソリューションを開発しています。

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製品設計 ビジネス課題�

現代のハイペースな経済環境では、チャンスを捉えることは 難しく、スピードが極めて重要になっています。新しいビジネ スチャンスや顧客需要の変化に対応して製品やサービスを 開発し、市場に投入することは重要ですが、それを競合他社よりもさらに速く行うことが成功のカギを握ります。

企業の製品ポートフォリオはますます多様化、複雑化し、 リソースが限られ、予算も縮小傾向にあるため、こうした 俊敏性が課題となっています。そのためには、より少ない労力でより多くの成果を上げ、より素早く、しかも品質を落とさずに 行動する必要があります。

製品設計における最大のボトルネックの1つは、検証プロセ スに時間がかかることです。新しいプロトタイプができると、 それを点検、テスト、再点検し、基準を満たしていることを 確認する必要があります。ここに妥協の余地はありません。 というのも、この段階で不具合を見落としてしまうと、本格的に生産が始まったときにそれが再現され、莫大な損害金や 風評被害につながりかねないからです。

分析が導き出した答え

マシンラーニングなどの高度な分析手法を活用すると、 人間の検証能力を模倣および支援することで、製品設計の 検証プロセスやその他の要素を加速できます。

コンピューター・チップの設計プロセスで検証作業を効率化 するために、インテル IT 部門ではプロトタイプ段階での バグ検出用に CLIFF というマシンラーニング・プラットフォームを開発しました。このプラットフォームは、何千件もの テスト履歴を高速検索し、パターンを発見します。担当者が 手作業で行うと膨大な時間がかかるため、現実的ではあり ません。標準的な回帰テストに比べ、CLIFF の機能検証回数 は 60 回も多く、各検証で新しい問題を特定する能力は 30% 優れています。1

CLIFF はテストプロセスを自動化することで、(一般的に開発サイクルの 50% を占める)製品検証時間の短縮と繰り返し 回数の削減というインテルの戦略目標に大きく貢献してい ます。その結果、開発期間を大幅に短縮し、製品品質も向上 させることに成功しました。

秘密は処方的分析の活用にあります。これは、マシンラーニング・ アルゴリズムにより結果を予測し、各テストプロセスの最適 化に関する情報を提供して、その意思決定の自動化を図る 手法です。

I.基幹業務の����プロセス インテル IT 部門では、社内のさまざまな事業部と連携し、 新製品の開発期間短縮やより効率的な顧客対応など、 多くの組織に共通する、煩雑な業務手続き上の課題やボトル ネックに対処しています。

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今後の展望

CLIFF などの処方的分析の導入は、検証に必要な時間の 短縮、ひいては開発期間の短縮への第一歩となります。この ユースケースでは、高度なオートメーションにより、精度が 極めて重要なテストを繰り返し行う作業からテスト担当者を解放することを重視しています。CLIFF を利用することで、 テスト担当者はより迅速かつ効率的に作業したり、より付加価値の高い作業に集中したりすることができます。

テクノロジーの進化に伴い、インテルでは次のフェーズとして、 単なる既存プロセスの改善にとどまらず、テスト担当者の 能力を拡張し、イノベーションの推進、新製品の開発促進、 開発期間のさらなる短縮を実現することを考えています。 次のフェーズで実現が期待される効果は以下のとおりです。

• CLIFF が実行する各テストを監視し続け、その効果を確認するアルゴリズムの導入:付加価値がないテストをプロセスから排除できるため、各検証を完全に網羅すると同時に、 非効率性を最小限に抑えます。

• 特定されたバグの根本原因をマシンラーニングによって 判定し、テスト担当者によるデバッグプロセスを効率化: これにより、テスト担当者はよりクリエイティブな修正や 解決策の考案に力を注ぐことができます。

• 分析システムに豊富なコンテキスト情報を提供する方法を開発することで、人と機械のコラボレーションを促進:最高クラスのアルゴリズムでさえ、システム内でアクセス可能なデータに基づいた意思決定しかできません。社内で今週に実施されている、ほかの取り組みに関するニュースや、 別の製品分野で加えられたばかりの新しい変更に関する 噂など、人間は大量の周辺コンテキスト情報を手に入れ ることができます。今後、製品開発やその他のチームには、作業員がコンテキスト情報をシステムに提供し、さらに 拡張可能にするといった、継続的な改善の好循環を実現する方法が必要になります。

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はもちろん、製品/サービス・ポートフォリオのパーソナライズやカスタマイズなどの新しい要素も取り込み、推進しなければなりません。製品やサービスのさらなる複雑化、多様化が 求められる中、こうした対応とともに高品質を維持すること はとりわけ難しくなっていますが、確実にやり遂げる必要が あります。

これまでは一括した品質管理で十分だったかもしれませんが、こうした複雑化の拡大は、画一的な管理手法がもはや通用しないことを意味します。自動車、ソファー、コンピューター・ チップなど、どのような製品であろうとユニット検査を徹底する必要がありますが、それが納品遅れや効率化の阻害につながる場合もあります。

製造と品質管理ビジネス課題

製品のプロトタイプが承認され、生産工程に送られると新しくさまざまな課題が提示されます。発注から資材調達、製造、 納品に至るオペレーションでの競争力を維持するためには、 この繊細なエコシステムにおける変化に対応し、洞察に基 づ く 確 か な 意 思 決 定 を 迅 速 に 行 う 能 力 が 問 わ れ ま す。 サプライチェーンが複雑化、不安定化するほど、こうした 俊敏性が求められます。組織の成長サイクルの加速に伴い、 製造およびサプライチェーンのプロセスも、事業部の新旧を問わずビジネスモデルの拡張に対応する必要があります。

従来のサプライチェーン管理では、こうした新しい要求を満 たすことは難しくなっています。突然の需要に短納期で対応 するためには、社内および外注施設の製造プロセスの拡張

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分析が導き出した答え

一般的な製造環境における品質管理には、多種多様な 段階が含まれます。インテルでは、製品の品質を第一に考え、 各段階ができる限り徹底的かつ効率的に実施されるように、莫大な時間とリソースを投入してきました。ここで重要な 役割を果たすのが分析です。分析は、手作業に比べ、より迅速かつ高精度で大量のデータ処理を可能にします。例えば、 インテルIT部門は品質を損なわずに全体のテスト回数を減 らす方法を見つけました。このアプローチは、人と同じくユニットもそれぞれ異なるため、ユニットごとに固有のテストと 意思決定の組み合わせが必要になるという仮定に基づいて機能しています。分析とマシンラーニングを駆使して、各ユニットで実施するテストをカスタマイズすることで、調剤薬局での個別処方のような効果が得られます。品質の向上のほか、 こうしてカスタマイズされたテストは各ユニットの品質管理のプロセスを大幅に短縮し、製造プロセスの大幅なスピードアップとコスト削減を実現しています。

製造環境全体のあらゆる工程にこうしたプロセス改善を 展開することで、細かい調整を加えるだけで莫大なコスト 節減と効率性の向上が可能です。

今後の展望

一般的に、製造品質の管理には、依然として数多くの手作業と人による意思決定が必要です。専門知識を備えた担当者が各テスト内容を作成し、特定した問題の根本原因を調査して、改善に向けての対策を決定する必要があります。製造プロセス で分析を活用するにあたり、次のステップは、マシンラーニング・ アルゴリズムを応用することで、人の作業負荷の一部を解放し、 特定の作業を自動化することになるでしょう。これにより、 人は機械ではできない作業に集中できるようになります。 このテクノロジーを自社の製造環境に導入することで、インテル では従業員の生産性が向上し、企業としてより多くの製品をより迅速にテストできるようになることを期待しています。

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セールス&マーケティングビジネス課題

製品やサービスを市場に投入する準備ができたら、適切な 顧客基盤を見つけ、購入を促すために、バトンはセールス& マーケティング部門に受け渡されます。現代のセールス& マーケティングでは、顧客を知ることが決め手になります。 消費者向けでも B2B 市場でも、買い手はより積極的かつ 状況に即したコミュニケーションを期待するようになってい るため、関連性の高い情報の提供が不可欠です。つまり、 ますます複雑化するデータソース・エコシステムを分析し、 各顧客のニーズ、関心、購入傾向の全体像を理解する必要があります。

一般的に、顧客プロファイルには販売データからソーシャル メディア・コミュニケーション、ウェブサイトの閲覧履歴、コール センター担当者との会話記録まで、多面的な情報が幅広く 含まれます。このようにデータが点在している場合は管理と 処理が難しく、とりわけそれをリアルタイムで活用するの は至難の業です。したがって、営業担当者は、成約に必要となる情報を適切なタイミングで入手することに苦労しています。

間接販売モデルの場合はさらに困難になります。このモデル では、顧客との関係がパートナー企業を介して間接的になり、多くの人員が少しずつ異なる業務領域を担当する必要があ るからです。パートナー企業、カスタマー・リレーションシップ・マネジメント(CRM)システム、広報関連情報などのデータ が不完全または不正確になることが多いため、データプールが複雑化し、混乱するおそれがあります。こうした状況により、 顧客をあらゆる視点から分析し、セールス・パイプラインを 拡大するために必要な最新情報を得ることが難しくなって います。

分析が導き出した答え

セールス&マーケティング部門は、膨大な得意先データを 信頼できる洞察へとリアルタイムに変換する必要があります。高度な分析機能を活用すると、これまでは顧客データの 中に隠れていた洞察を新たに得ることができます。これにより、 顧客との商談がさらに効率化し、より多くのリードを発見して顧客へと転換し、既存顧客のロイヤルティーも強化することが可能です。

インテルIT部門では、セールス&マーケティング部門を支援するマシンラーニングに基づいたマーケット・インテリジェンス・ システムとレコメンデーション・エンジン2 の開発に取り組みました。これを利用することで、業種に特化したリセラーを 特定しやすくなり、そのパートナー企業との協業や支援が 強化されます。

この自社開発されたツール Sales and Marketing Account Recommendation Tool(SMART)は、類似した組織での 実績に基づき、適切なリセラーとその市場に関する情報を セールス部門に提供するとともに、その情報を解釈してク ロスセルやアップセルの機会を生み出す製品を提案します。

最近、ヨーロッパ、中東、アフリカ地域(EMEA)のオンライン・セールス・センターでこのツールの第2フェーズの概念実証(PoC)が完了しました。このツールをベースにした最新版のSales AI 2.0では、インテルのCRMデータと非構造化データソース(広報物、特許出願や、雇用、資本調達、M&Aに関する情報など)が統合されました。テキスト分析などのAIテクノロジーを活用して改良されたツールは、人間が理解する言葉を模倣し推論する機能によって、大量の分散型データソースをスキャンし、営業担当者の活動に利用可能な洞察に変換で きます。このような大量のデータを人間が処理するには数カ月かかり、終わったころにはその多くが古くなり使い物にな りません。それとは対照的に、Sales AI 2.0 はわずか数秒で 分析を完了します。

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この概念実証は大成功でした。試験に参加したアカウント・ マネージャーによって洞察の 81% が実用性の高いものであ ることが確認され、参加者の 90% 以上が継続的に使用した いと回答しました。

概念実証に続き、インテルは上位 50,000 社のリセラー顧客にもこのシステムを展開し、8 種類の言語でテストしました。 その結果、ほかの販売パイプラインに比べ、リードからクオ リファイド・リードへと昇格したエンゲージメント・チェーンのリセラーの数が 2倍になりました。こうしたリセラー顧客は、 電子メール・ニュースレターのクリックスルー率が 3倍高く、 インテルのトレーニングもほかのパイプラインに比べ3倍速く 修了しました。3 2016年、インテルIT部門の活動によりインテル の収益は約4億 8,000万米ドル上昇し、そのうち SMART とSales AI 2.0ツールの貢献額は約1億米ドルでした。4

今後の展望

SMART ツールの有効性が認められたことにより、営業担当 の 91% はテストサイクル後も使用を継続することを決め ました。現在、インテルIT部門は、システムを世界中のセールスセンターへ展開する計画を立てています。このツールを営業担当者の仮想パーソナル・アシスタントとして提供し、より深い洞察に基づく効果的な商談を支援して、より高い価値の 実現を目指します。さらに、必要に応じてあらゆる分析情報を事前に取得することで、商談の質と量を高めることができます。

重要なのは、こうしたマシンラーニングの洞察が備える双方向性です。営業担当者がツールを使用するたびに、新しい 洞察がシステムにフィードバックされ、アルゴリズムの処理が定期的に微調整されます。そのため、販売支援ツールは常に更新、改良、改善された状態を保ちます。また、インテル IT 部門では、洞察を活用することで顧客との商談をさらに改善し、 機会を増やすことができるように、電子メールやその他の 機能の開発にも取り組んでいます。

人間が教師となってアルゴリズムを支援すると同時に、アル ゴリズムによって私たちの理解、能力、ワークフローも改善されるため、業界全体のテクノロジーの進歩につながり、この 分野の未来の最適な共生関係を構築できるようになります。

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医療/製薬ビジネス課題

イルームの法則(Eroom’s Law)によると、新薬の開発コストは 9 年ごとにおよそ 2 倍に増加しています。現在、1つの新薬の平均開発コストは約 25 億米ドル5 で、平均開発期間は10 年以上です。6 患者のケアに大きな効果をもたらす新薬や新たな治療戦略にとって、長期にわたり莫大なコストがかかる 開発プロセスは理想とは程遠くなっています。原因は、膨大 な量のデータを手作業で収集するという時間のかかる作業が必要だからです。しかも、このような作業には、客観的な測定や準拠する規格がないため、データの不一致が生じるおそ れもあります。

分析が導き出した答え

ウェアラブル・デバイスや高度な分析などのテクノロジーの 変革に伴い、製薬企業は患者の継続的なリモート・モニタリングを可能にすることで、より詳細で正確な臨床試験をより 迅速かつ低コストで実行できるようになりました。この分野へ の関心は高く、潜在的なニーズも巨大です。Ericssonでは、 2020 年までにリモート・モニタリング・テクノロジーを利用する患者数を400万人と試算しています。7 このテクノロジーを利用すると、患者が新薬をいち早く入手できるメリットがあ るほか、新薬の収益が大幅に上昇することも期待されます。

Michael J Fox Foundationでは、パーキンソン病の治療法発見という使命を支援するため、インテルと共同開発した ウェアラブル分析プラットフォームを使用しています。8 Teva Pharmaceuticals9 でも、ハンチントン病(致命的な神経変性障害)新薬のII相の臨床試験で同プラットフォームの使用ラ イセンスを契約しました。

どちらの事例においても、加速度計とジャイロスコープが 搭載されたウェアラブル・デバイスを患者に着用してもらい、このデバイスが患者の動きに関するデータを絶えず取り 込みます。このデータは暗号化されてクラウドへ転送され、 マシンラーニング・アルゴリズムが薬の有効性を正確に判定するための客観的測定値を生成します。データの一部はモ バイルアプリを介して患者にもフィードバックされ、患者は アプリで自分の活動レベルをチェックし、投薬と治療プラン の最新情報やリマインダーを受け取ることができます。

新薬の臨床試験中、患者の症状に関してより客観的な情報 提供を継続することで、Michael J Fox FoundationおよびTeva Pharmaceuticalsにおける臨床試験の品質とコスト 効率が向上しました。

今後の展望

ウェアラブル・テクノロジーの活用は、分析と医療の融合の 始まりに過ぎません。製薬企業では不定期の検査を通じて データを収集していますが、クラウドに常時接続されたデバイスを患者に提供することではるかに膨大な量のデータを 入手できるようになります。より多くのデータ、適切なマシンラーニング・アルゴリズム、分析プロセスを活用し、より迅速に低コストで新薬を提供することができます。また、継続的 なデータ収集が最新の情報やガイダンス、その他の連絡 事項などを患者に事前通知できるようになることで、医師は常に患者の情報を把握し、患者はより前向きに自分の治療に 専念できるようになります。

こうしたパーソナライズ・ケアの手法を開発する機会は今後も増えることが見込まれ、ビデオなどほかのテクノロジーと の連携も、リモートケアの提供とより詳細かつ複雑なデータ 収集の両面で大きな役割を果たすことになるでしょう。

II.製品および�� ������サービスの�� �����イノベーション インテルIT部門では、特定の業種の顧客や、特定の新しい テクノロジーの採用を検討している顧客に対しても、インテルのテクノロジーとそのエコシステム・パートナーを活用し たデータ分析の価値を実現できる領域を探求しています。 ここでは以下の分野を例として紹介します。

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IoT分析ビジネス課題

製造業、小売業、運輸業をはじめ、幅広い業種で IoTセン サーが導入されたことにより、プロセス、製品、人に関するさまざまなデータを収集できるようになりました。こうした 新しいデータは、その取得元にかかわらず幅広いビジネス における洞察を提供する潜在能力を秘めていますが、急激 に変化する膨大なデータを分析し、データから実用的な洞察を抽出するシステムの整備も欠かせません。

分析が導き出した答え

インテルIT部門では、IoT分析を活用し、アリゾナ州チャンドラーの Smart Building and Venue Experience Center でスマート建築の未来像を描いています。10 新しい IoTユースケースの実験場として、このセンターでは IoT分析によりビジネスおよびオペレーションの効率で差別化を図る方法の実証試験を行っています。その目的はスマート建築用 IoT 標準の開発にあり、それによって企業がスマート・オフィス、スマート・ファクトリーなどの建築を生み出すためのブループリントが提供されます。11

冷暖房空調設備(HVAC)、照明、トイレ、駐車場を含め、 ここではすべての建築システムが IoT に対応しています。 このセンターでは、インテル IT 部門とインテル IoT グルー プが開発した多種多様なスマート施設のブループリント を採用して、再現可能なユースケースや結果を生み出し、 それを社内、パートナー、顧客と共有します。例えば、あるソリューションは駐車場を監視して所定の時間の利用頻度を予測することで、施設管理者へ常に最新の情報を提供し、 利用者が駐車スペースを見つけやすいようにサポートします。

センターのほかの場所では、トイレに設置されたセンサーが保守費用の削減と利用満足度の向上に一役買っています。センサーはトイレの利用人数を計上し、紙、タオル、ソープ・ディスペンサーの補充などの保守が必要な時に清掃員へ アラートを送信することで、点検回数を低減します。

今後の展望

IoTは、分析イノベーションのさらなる発展が期待できる 分野で、私たちにマシンを活用する機会を与えてくれます。 今日、予測分析とマシンラーニングによって発見されたパ ターンと洞察は、次のステップの基礎となります。組織が 分析能力をさらに処方的なユースケースに向けて進化さ せると、製造、施設管理のほか、現在は多忙な従業員をより 価値の高いコア業務から遠ざけている幅広い分野で、数多くのオペレーションを自動化できるようになります。これにより、効率化とコスト削減はもちろん、ユーザー体験にも優れた 効果が得られます。

例えば、会議室の温度/湿度センサーから取得されたデー タは、環境の 24 時間最適化(温度調節や窓の開閉など)に 活用され、室内の参加者は会議に集中できるようになります。また、社内や社外にある複数のデータソースを監視しているサプライチェーン・システムは、特定の製品の需要急増が 起こる可能性が高い地域を特定し、大量の在庫を対象地域 へ自動的に回します。

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次へのステップ高度な分析の応用分野は、解決が必要なビジネス課題の 数と同じ分だけあります。出発点を確認したり、自社の分析 機能向上を継続するには、まず自社の戦略における優先 順位を阻害している要因と、データの洞察精度を上げるこ とで、そのような阻害の克服にどう役立つかを検討するこ とから始めましょう。

なお、どのような種類の分析が自社に適しているかについ ては、「プランニング・ガイド:高度な分析への着手」を参照してください。

マシンラーニングと高度な分析が企業をどのように変革するかについての詳細は、以下のページを参照してください。 https://www.intel.co.jp/analytics

分析に関する用語説明:

• ビジネス・インテリジェンス(BI):記述的分析とも言われ、 データベースなどの企業の構造化データリポジトリーに 保存されたデータを利用してイベント内容を分析します。

• 診断的分析:使用するデータソースは BI と同じですが、 イベント内容を伝達するだけではなく、その理由に関す るコンテキストも提供します。

• 予測分析:多種多様なデータソースと分析アルゴリズムを利用し、既存データのパターンを分析して次のイベントの 内容、時期、理由を予測します。

• 処方的分析:(内部および外部を含む)複数の種類とソース のデータ全体に応用されるマシンラーニング・アルゴリズムが、結果の予測に加えて、その促進や変更といったアクションも自動化します。

• 認知的分析:人工知能とディープラーニングも応用され、人間の思考と行動を模倣する自己学習分析エンジンを 構築します。

• 高度な分析:3種類の未来指向型分析(予測分析、処方的 分析、認知的分析)を指す一般語。

• 人工知能(AI):アルゴリズムを使用して人間のような知能をコンピューター・システムでシミュレーションすること。

• マシンラーニング:順応を繰り返し、受信したデータに応 じてその動作を変化させる AI の一種。

• ディープラーニング:マシンラーニングのさらに高度な形態。 画像などのより複雑な種類のデータを理解できるため、 とりわけ高度な分析がより進行した段階で重視されます。

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1 「インテルITパフォーマンス・レポート2016~2017年」 http://www.intel.co.jp/ITAnnualReport2 「Data mining uses machine learning to rediscover Intel’s customers」 intel.com/content/www/jp/ja/it-management/intel-it-best-practices/data-mining-using-machine-learning-to-rediscover-

customers-paper.html(英語) 3 「Data mining uses machine learning to rediscover Intel’s customers」 intel.com/content/www/jp/ja/it-management/intel-it-best-practices/data-mining-using-machine-learning-to-rediscover-

customers-paper.html(英語)4 「インテルITパフォーマンス・レポート2016~2017年」 http://www.intel.co.jp/ITAnnualReport5 「Tufts CSDD Assessment of Cost to Develop and Win Marketing Approval for a New Drug Now Published」 csdd.tufts.edu/news/complete_story/tufts_csdd_rd_cost_study_now_published(英語) 6 「Biopharmaceutical Research & Development: The Process Behind New Medicines」 phrma-docs.phrma.org/sites/default/files/pdf/rd_brochure_022307.pdf(英語) 7 「The Growing Availability of Wearable Devices: A Perspective on Current Applications in Clinical Trials」 appliedclinicaltrialsonline.com/growing-availability-wearable-devices-perspective-

current-applications-clinical-trials(英語) 8 「Intel and MJFF work to find a cure for PD」 dropbox.com/s/ohtrt1mwmsians8/mjfox_wp_20150209_review.pdf?dl=0(英語) 9 「インテルITパフォーマンス・レポート2016~2017年」 http://www.intel.co.jp/ITAnnualReport10 「IoT Data Standards Provide the Foundation for Smart Buildings」 intel.com/content/www/jp/ja/it-management/intel-it-best-practices/iot-data-standards-provide-the-foundation-for-smart-

buildings-paper.html(英語) 11 「Improving Manufacturing with Advanced Data Analytics」 intel.com/content/www/jp/ja/it-management/intel-it-best-practices/improving-manufacturing-with-advanced-data-analytics-

paper.html(英語)

インテル® テクノロジーの機能と利点はシステム構成によって異なり、対応するハードウェアやソフトウェア、またはサービスの有効化が必要となる場合があります。実際の性能はシステム構成によって異なります。 絶対的なセキュリティーを提供できるコンピューター・システムはありません。詳細については、各システムメーカーまたは販売店にお問い合わせいただくか、http://www.intel.co.jp/ を参照してください。

性能に関するテストに使用されるソフトウェアとワークロードは、性能がインテル® マイクロプロセッサー用に最適化されていることがあります。SYSmark* やMobileMark* などの性能テストは、特定のコンピューター・ システム、コンポーネント、ソフトウェア、操作、機能に基づいて行ったものです。結果はこれらの要因によって異なります。製品の購入を検討される場合は、ほかの製品と組み合わせた場合の本製品の性能など、 ほかの情報や性能テストも参考にして、パフォーマンスを総合的に評価することをお勧めします。

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2017年9月

336124-001JA

JPN/1709/PDF/WLT/MKTG/YA