「知事 との 元気 まるごとトーク 」(令和 2年1月9日開催 ...2020/01/07  · 1...

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1 「知事との元気まるごとトーク」(令和2年1月9日開催) 「知事との元気ごと」は、知事と地域で元気に活動してい団体等の皆さが、青森県の未 来創たに直接意見交換す場です。 令和元年度回目の「知事との元気ごと」令和年月日木に「 HLS 弘前弘前市」で開催しした。 当日は、中南地域県民局管内の名の方にお集いただき、「若者たちが活き地域づく目 して」に意見交換行いした。 当日の概要お知せしす。 当日の出席者 NPO 法人 SEEDSNETWORK 監事 吉田 房子さん AsoboHirakawa 代表 一戸 健児さん 株式会社 BOLBOP 代表取締役 正太さん 株式会社ピースオブケイク ソフトウェアエンジニア 福井 烈さん ------------------------------------------------------------------------------------- 知事 おはうございす。お忙しいとこお集いただき、あ がとうございす。 今年度か「青森県基本計画『青森』の」 させ、今力入ていのが、「経済回す」取組 と若者女性の流で、青森学場、働く場、そして暮 す場としてでうということ大きなとして取組 ていす。 その中で、首圏仙台等の大学と携強化した、県外に学した本県出身大学生と意見交 換した、希望者向けには福祉関係、建設関係といった仕事業種など一緒にと、市 町村と携しての移住相談会など行っていす。 そして、青森県は働く場としての多様性可能性があ、ここでいいなことができということ理 解しておうと取組でいす。 などがあった年程前は術系であ首圏の働く場探した、県内に企業 誘致して雇用つくったという状態でしたが、現在は経済回復し、県内のしごとづく流の仕組 整えていとこです。 ですが、現状として、首圏以外は人口減少止ことができず、首圏では人不足と異常な高 齢化となってお、お互いのがすごく悪くなっていす。

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Page 1: 「知事 との 元気 まるごとトーク 」(令和 2年1月9日開催 ...2020/01/07  · 1 「知事 との 元気 まるごとトーク 」(令和 2年1月9日開催 )

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「知事との元気まるごとトーク」(令和2年1月9日開催)

「知事との元気まるごとトーク」は、知事と地域で元気に活動している団体等の皆さんが、青森県の未

来を創るために直接意見交換をする場です。

令和元年度3回目の「知事との元気まるごとトーク」を令和2年1月9日(木)に「コラーニングスペース

HLS 弘前(弘前市)」で開催しました。

当日は、中南地域県民局管内の4名の方にお集まりいただき、「若者たちが活きる地域づくりを目指

して」をテーマに意見交換を行いました。

当日の概要をお知らせします。

当日の出席者

NPO 法人 SEEDSNETWORK 監事 吉田 房子さん

Asobo!Hirakawa 代表 一戸 健児さん

株式会社 BOLBOP 代表取締役 辻 正太さん

株式会社ピースオブケイク ソフトウェアエンジニア 福井 烈さん

-------------------------------------------------------------------------------------

(知事)

おはようございます。お忙しいところお集まりいただき、あ

りがとうございます。

今年度から「青森県基本計画『選ばれる青森』への挑戦」

をスタートさせ、今力を入れているのが、「経済を回す」取組

と若者・女性の還流で、青森を学ぶ場、働く場、そして暮ら

す場として選んでもらうということを大きなテーマとして取組

を進めています。

その中でも、首都圏や仙台等の大学と連携を強化したり、県外に進学した本県出身大学生と意見交

換をしたり、UIJターン希望者向けには福祉関係、建設関係といった仕事・業種なども一緒にまとめ、市

町村とも連携してワンストップの移住相談会なども行っています。

そして、青森県は働く場としての多様性や可能性があり、ここでいろいろなことができるということを理

解してもらおうと取り組んでいます。

リーマンショックなどがあった10年程前は技術系であれば首都圏の働く場を探したり、県内に企業を

誘致して雇用をつくったりという状態でしたが、現在は経済も回復し、県内のしごとづくりや還流の仕組

みを整えているところです。

ですが、現状として、首都圏以外は人口減少を止めることができず、首都圏では人手不足と異常な高

齢化となっており、お互いのバランスがすごく悪くなっています。

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そこで、我々とすれば、最初に話したとおり、この青森が学びや働くだけでなく、ここに住んで良かっ

た、ここで人生を送って良かったという人生を過ごす場所として選ばれることを目指し、しっかりと取組を

進めていきたいと考えています。

今日おいでの4人の皆さんには、そうした取組を実践してくれているという思いがありますので、今日

はお互いにいろいろな話をできればと思っています。

(中南地域県民局長)

本日のトークテーマ「若者たちが活きる地域づくりを目指

して」の企画理由について説明します。

中南地域は、県内他地域と同様に速いペースで人口減

少や高齢化が進んでおり、地域コミュニティの機能向上や

経済活動の活性化、労働力の確保など、地域課題が多様

化、複雑化してきています。

このような状況の中で、地域課題に立ち向かう人材の力

がより一層重要となり、中南地域県民局としても、持続可能な地域づくりのための人材育成やネットワー

クの構築に取り組んでいるところです。また、当地域には、民間の方々で人材育成に積極的に取り組

み、若者と地域をつなげる活動をしている方もおります。

そこで本日は、こうした活動をしている4人の皆さんと、中南地域における人材育成や魅力ある地域

づくりの方向性などについて意見交換したいと思います。県民局の事業をはじめ、県政全般へ反映させ

たいと考えていますので、率直な御意見をお願いします。

(吉田房子氏)

私は、夫が警察官で県内各地を異動していましたが、2005年、長男の中学校入学を機に、平川市

の実家に戻ってきました。そのため、夫は単身赴任中です。

その後SEEDS NETWORK代表 大西晶子さんと知り合い、法人の立上げや運営を一緒に行い、

現在は監事としていろいろな活動をしています。

SEEDS NETWORKは「共に生きる」をテーマに県内各地で講演会や交流イベントを実施してい

て、有名なのは、毎年6月に青森市で開催している「べじまつり」です。また、毎年、弘前市を中心に子

どもたちのキャリア教育ということで「おしごと体験広場キッズハローワーク」を開催しています。運営を始

めて5年が経ちますが、その期間に参加した子どもたちは延べ8,000人くらいになりました。毎年、高校

を借りてのおしごと体験イベント、りんご編と称してりんご関係の仕事を集めたイベント、幼稚園からの依

頼に合わせたイベントの3本立てで行っています。

これらのイベントは、「子どもは宝」という理念の下で、子どもたちに自己肯定感を高めてもらうために

開催しています。

そのほか、平川市では「h&fプラス」という団体をつくり、地元でイベントを実施しています。昨年6月

からは、平川市や同市教育委員会、市内の企業に協力してもらいながら、誰でも集えるコミュニティフリ

ースペース「あそびばぷらす」を毎週土曜日に平川市文化センターで開催しています。地元小学生が

中心ですが、保護者やふらっと遊びに来た方々など、幅広い方々に遊び場を提供しています。特別何

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かをするということではありませんが、そこに来ると気軽

におしゃべりしたり、交流したりできるようにしています。

これらの活動の根底には、地域の子どもたちを大切に

し、彼らに何をしてあげられるかという考えがあります。

子ども会などの地域づくりに参加する機会はあります

が、大きくなるにつれてその機会は段々と少なくなって

いきます。そこで、大人が何かに取り組んで楽しいと思う

姿を子どもたちに見せることで、子どもたちにも楽しいと

思う気持ちが生まれてくれば、大きくなっても地域に関心を持ってくれるのではないかと考えています。

そのため、このような活動を長く続けたいので、ぜひとも協力してもらえればうれしいです。

(知事)

地域の仕事を子どもたちに体験させてくれていて、感謝しています。

神戸市に本社を置く精米卸業者とお付き合いがあり、その会社では、キッザニアのパビリオンに出展

し、仕事体験をさせる機会を設けていました。「今、すごくいろいろな仕事があるけれど、子どもたちに知

ってもらわないと、将来なりたい仕事のパターンが少なくなってしまうから。」と言っていて、私も「いいこと

だな。」とずっと思っていました。

県でやるとなると難しいことを民間の方々に取り組んでもらっていて、そして、様々な仕事を子どもた

ちに知ってもらうことは、地域を知り、その中で生きていく自分について考え、また何よりも、青森県は、

寒い、暗い、遠いなどの悪いイメージがありますが、実はそうではなく、働く場もあるし、いろいろなことに

チャレンジできるということを知ることに繋がるので、うれしく思います。

県や県教育委員会でも、「あおもりを愛する人づくり戦略」として、自分たちでいろいろと故郷である青

森を知っていくうちに、青森を好きになってもらい、どこへ行っても思い出してくれて、応援してくれるとい

った地に足の着いた「人財」の育成をしようと長年取り組んでいます。

そういう我々と同じ思いで、取り組んでいることを本当にうれしく思います。

(生涯学習課)

2015年から小学生を対象に実施している「おしごと体験広場キッズハローワーク」がキッズデザイン

協議会主催の「キッズデザイン賞」で消費者担当大臣賞を受賞したことが新聞で大きく報じられました。

今回の受賞は、子どもたちのキャリア発達を促すための地域、企業、団体等による協働活動の功績が

認められたものであり、大変喜ばしいことです。また、昨年10月20日には「おしごと体験広場キッズハロ

ーワーク」が弘前学院聖愛中学高等学校で開催され、大勢の子どもたちや保護者の方々が参加し、大

好評だったと伺っています。

県では、ふるさとあおもりに誇りと愛着を持ち、自主性や社会性、自分らしい生き方を実現する力を身

につけてもらえるよう、県内定着促進を意識したキャリア形成支援の取組や、学校・家庭・地域が連携し

て社会全体で子どもを育む仕組みづくりに努めていきます。

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また、地域における「人財」の育成として、子どもたちが地域に親しみ、地域の魅力や特徴を知り、課

題や可能性を学ぶために、体験や地域間交流を重視した学習活動の充実を図ったり、地域活動への

参加促進や世代間交流の機会を創出したりするなど、若者の定住意識の醸成に取り組んでいます。

県教育委員会が実施している「『地域のお宝』を学び地域活動を担う高校生育成事業」では、県内12

市町村に実行委員会を設置して、各地域に住む高校生が小・中学生や若者、シニア世代とともに、自

然・史跡・食・行事・伝統芸能などの地域資源の魅力について、学びや体験活動を通じて再認識し、そ

れらを関連付けて物語として紹介する取組を実践しています。なお、この取組の成果は、今年2月1日

午後1時からアピオあおもりのイベントホールで開催する「地域のお宝物語プレゼン大会」において、12

市町村の実行委員会を代表する高校生たちが2年間を通して紡いだ地域のお宝物語として発表しま

す。どなたでも参加できますので、ぜひ、会場で高校生たちに熱いエールを送ってください。

これからも地域の未来を支える「人財」の育成を推進するために取り組んでいきますので、御協力よろ

しくお願いします。

(労政・能力開発課)

小さい頃から職業意識を育てることは、非常に重要だと考えており、「おしごと体験広場キッズハロー

ワーク」は、1つの場所でいろいろな仕事が体験できる素晴らしい取組だと思います。

県としても、今年から「ジョブキッズあおもり」という事業を行っています。キッズハローワークと違う点

は、実際に職場へ行って体験してもらうところです。今年は小学校の夏休みに保護者と児童合わせて9

00名以上の方に参加してもらいました。

「おしごと体験広場キッズハローワーク」も「ジョブキッズあおもり」も、小さい頃から職業意識を高める

という目的は同じですので、今後もそれぞれの特性を生かしながら連携して取り組み、たくさんの子ども

たちが県内に残ってくれるようになればと思っています。

(知事)

以前は県でも、地域のトタン屋、りんごの剪定ばさみの鍛冶屋や箱屋など、地域を支えている仕事が

たくさんあって、どんな仕事をしていて、どんな職業観を持っていて、どんな楽しみがあるのかということ

をDVDにまとめて各学校に紹介していました。

(企画調整課)

「あおもりを愛する人づくり戦略」には、大きく柱が2つありまして、1つは「今をつくる人財」の育成とし

て、地域リーダーを育成すること、もう1つは「未来をつくる人財」を育成することで、こちらの方は、将来、

子どもたちがたくましく生きていけるような職業観や人生観を身に付けてもらうためにキャリア教育に力を

入れています。

これまでも、県内の社会人へのインタビューをまとめて、県内の高校生に配ったり、「夢相伝講座」とし

て、県内の中学校や高校からの要望で、県が県内の若手社会人を講師として派遣し、仕事などに関し

て話してもらったりしています。そういう取組を年数回行い、県内で活躍している人たちがたくさんいるこ

とを子どもたちに伝えています。

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(中南地域県民局長)

昔は、子どもたちは地域の宝で、地域で育てるという考え方がありましたが、最近はこれがなくなって

きているので、吉田さんの活動などでどんどん広めてもらいたいです。

昨年11月に市町村長会議(町村の部)で、全国でも話題になった、高齢者の居場所と子ども食堂を

テーマにしましたが、「h&fプラス」の子どもたちのためのフリースペースが、まさに子ども食堂を彷彿さ

せるようなことだと思いました。

(吉田房子氏)

子ども食堂とまではいかないですが、食べることはすごく大事で、そこからいろいろ派生していくと思

っているので、JA津軽みらいからお米を提供してもらい、無料で子どもたちと一緒にご飯と味噌汁を作

って食べたり、夏には、津軽バイオマスエナジーからトマトを提供してもらい、子どもたちのおやつにした

りと、市内の企業にはいろいろと協力してもらって運営をしています。

(一戸健児氏)

私は平川市出身で、地元の高校を卒業後、県外の職業

訓練校に就職し、建築大工の職業訓練指導員を務めなが

ら、20代後半にはキャリアコンサルタントの資格を取得し、

進路支援も担当しました。

進路支援を始めた頃は、個別支援が中心でしたが、キャ

リア支援をやっていく中で、子どもたちは就職に失敗した状

態で相談に来ることが多かったので、そうなる前に子どもた

ち全体に何か働きかけることができないのかなと思うようにな

りました。また、父親の体調が少し不安だったこともあって、30歳の時に平川市にUターンしてきました。

当時、このまま建築大工の職業訓練指導員をするか、キャリアコンサルタントをするかで迷いました

が、せっかくキャリアコンサルタントの資格を取得したので、地元で生かしたいと思い、ジョブカフェあお

もりでカウンセラーをしたり、プラットフォームあおもりで人材育成の仕事をしたりしました。その後、昨年6

月に独立し、平川市で学習塾の経営を始めています。

また、2017年には「Asobo!Hirakawa」を設立しました。平川市で遊ぼうというコンセプトで、若い

世代のために、地域を面白おかしく、楽しくしたい、地域貢献に繋がればいいなという思いでやっていま

す。きっかけは、地元の同級生が「何か平川市ってつまらない。」というネガティブな発言をすることが多

く、大人が地元のマイナスイメージのことを言うと、子どもたちもそう思ってしまうので、自分たちが地元の

面白いことや楽しい雰囲気を作っていこうということで始めました。

今年の2月で、ちょうど4年目ですが、現在は地元の高校生4名もメンバーになって一緒にイベントを

行っています。これまで40件以上のイベントを行い、延べ800人に参加してもらいました。

今日紹介したいのは「ひらかわStartupカフェ」というもので、交流会や山菜採り、カードゲームなどい

ろいろなことをしていますが、その中の1つとして、今年度は中南地域県民局と「ひらかわStartupカフェ

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in尾上総合高校」として、尾上総合高校の生徒68名と平川市内の企業17社で意見交換を行うイベント

を行いました。

参加した方々からは、就職や進路の悩みなど、お互いの生の声を聞けて良かった、平川市にこういう

面白い企業があるのを知らなかったという感想をもらいました。高校生と地域の継続的なつながりを作る

ことで、地域の人や仕事、物などについてポジティブに捉えてもらうきっかけにしてほしいと思い、これか

らもやっていきたいと考えています。

また、「津軽ひらかわにぐ FESTIVAL」を3年間やっています。野外の焼肉イベントとして、地元の

肉屋に出店してもらい、肉の食べ比べをするのですが、ここで津軽の食文化を高校生などに伝えていけ

たらいいなと思っています。昨年は280名が参加しましたが、今度は高校生と一緒に地域でゼロから企

画・運営するイベントをやろうと考えています。

毎月毎月、企画・運営するのは大変ですが、高校生と一緒に楽しみながら、あれやりたい、これやりた

いと相談し、地元を楽しくするにはどうしたらいいかと日々考えながら過ごしています。小規模ながらもい

ろいろな活動に取り組んでいるので、自分たちの活動を、ぜひ、多くの人に知ってもらいたいです。

(知事)

面白いことをどんどん発信しようとすることはすごく大事だと思います。

県の調査によると、地元の人は、青森県は他県の人から寒い、暗い、遠いなどネガティブなイメージを

持たれていると思っているけど、県外の人は、青森県はすごく良いところで、明るい人が多いなど、地元

の人と全く違うイメージを持っています。

そういうことがなかなか理解されていないので、来年度に、県の若手職員が自ら提案して実践する庁

内ベンチャーとして、青森県の良いところを発信する取組を行う予定です。

就職や進学を考える時期に、保護者や教員が「東京に

行っていいんだよ」というと、子どもたちもその気になって

県外に行ってしまいます。逆に、保護者や教員が「青森

県には良いところも、働くところもたくさんあるよ」と言うと、

展開がぐっと変わります。保護者や教員の考え方は、子ど

もたちにも伝わるので、そういうことも踏まえて、県では、青

森の良さを見つめ直してもらおうと一生懸命やっていま

す。

(企画調整課)

今、知事から話があったように、県では、若者たちのイメージを変えていくということも行いつつ、保護

者から伝わる地元のマイナスイメージを断ち切りたいと思って、保護者世代に対してのアプローチを考

えています。

また、高校生については、都会への憧れや、待遇面など様々ありますが、一番は県内の企業を知ら

ないということが課題だと思います。企業も学校や生徒の意向を理解不足なところがあるので、お互いそ

の理解促進を図っていこうと思います。

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そのため、タブロイド紙「アオモリドラゲナイ」などを配布し、県内企業やあおもり暮らしの魅力、県内で

活躍する先輩社会人などを紹介したり、いろいろな生き方や働き方があるということを情報発信したりし

ています。

(労政・能力開発課)

若者と県内企業が交流してお互いの理解を深めることは、これからの人材を確保していくに当たって

とても重要だと思っています。

県内の高校を卒業してそのまま県内で就職する高校生は全体の6割ほどで、工業高校、技術系の生

徒はほとんど県外に行ってしまいます。

そこで、県内企業が工業高校に出向き、「うちの会社は良いところだよ」と直接PRする機会を設け、地

元就職や県内企業の魅力を発信する取組を行っています。これまで、平成29年度、平成30年度に実

施し、企業の方延べ300名ほどと生徒2,500名ほどに参加してもらいましたが、大変好評で、これまで

は県外就職を考えていたけれど県内就職も検討してみようと思ってくれた生徒もいたので、今年度も継

続して実施しました。

それから、これまでは生徒に対して県内就職を勧めていましたが、就職は生徒本人だけで決められる

ものではないということで、視点を変えて、今年度から子どもたちに与える影響が大きい保護者や教員を

対象に、県内3か所で県内企業や県内就職の魅力などについて紹介する説明会を実施しています。

これからも、関係機関と連携しながら、保護者や教員に向けて県内企業の魅力や地元で得られる豊

かな生活ついて情報発信していこうと思っています。

(学校教育課)

高校卒業後に就職する生徒にとって、一戸さんが行っている高校生と地域の継続的なつながりを作

ろうという取組は、キャリア教育の視点からも意味のある取組だと思います。

県教育委員会では、県内高校卒業者の県内就職率が全国平均よりも低い状況を踏まえ、「地域と連

携したキャリア教育推進事業」や「地域の産業とビジネスを支える人づくり事業」等を実施し、生徒や保

護者、教員による県内企業の訪問や企業採用者との交流等を通して、高校と県内企業の相互理解を促

進し、県内で働き、生活することへの意識を高める取組を行っています。

今後とも、将来の地域を支える「人財」を育成するために、地元の理解を深めること、県内企業等への

理解を深めることに取り組んでいくこととしています。

(知事)

ジョブカフェあおもりを立ち上げた頃とは就職状況が変わって、今は学生がものすごい勢いで首都圏

へ行ってしまうので、学生に青森県のいろいろなことを知ってもらうとともに、保護者や教員にも理解して

もらわないといけないと思っています。

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(辻正太氏)

私は、奈良県出身で大学卒業後11年間、埼玉県の

中高一貫校で体育教師を務めました。その頃に、世の中

がどんどん変わっていく中で、子どもたちを学校の中だ

けで育てていくことに限界を感じ始め、もう少し大きな枠

で、地域や大人が関わりながら、子どもたちと一緒に学

び合うような場を作りたいと思い、2016年に株式会社B

OLBOPに転職しました。

株式会社BOLBOPは東日本大震災の被災地である

気仙沼の復興支援を契機に立ち上がった会社で、そこで復興の手伝いなど地域づくりに携わりました。

その後2017年4月に「コラーニングスペースHLS弘前」を設立し、世代や地域を超え、いろいろな人と

対話などをして学び、共に未来を創っていこうということをコンセプトで、いろいろな角度から教育活動に

取り組んでいます。

普段は、大学生が一番利用していますが、夕方になると高校生も勉強のために来たりしています。社

会人には、コワーキングスペースとしてお金を払って利用してもらっています。現在、年間で持ち込みの

イベントを合わせて100回ほどイベントをやっていますが、延べ人数で、1年目が1,000名、2年目が

3,500名と増加しています。本当に3日に1回は何かしらのイベントがここで行われているというような感

じです。

若者や地域との関わりとして、近くにある弘前大学の学生と一番関わりがありますが、彼らは働きたい

と思える企業が県内にはないから、首都圏に行くか県内で公務員になることを考えてしまうと話していま

す。弘前大学の県内出身学生の割合は全体の4割ほどですが、県内就職する学生は2割ほどしかいま

せん。県外に出ること自体悪いとは思いませんが、社会人になってUターンして活躍してもらったり、県

外から青森県のために何かしらしてもらったりと、いかに地元に貢献してもらうかが重要だと思っていま

す。そこにIターン者がどのくらい関わってくるかも重要だと思います。

しかし、一度県外に出てしまった子どもたちに、地元に戻ってきてほしいと言っても、元々地域のこと

を全く知らないと帰るきっかけがないと思うので、できるだけ学生の時から、地域との関わりを持ち、地元

の良さや課題にたくさん触れてもらって、その課題を解決するための力をつけて帰ってくるイメージを持

ってほしいと思っています。

その活動の1つとして、現在、弘前市と弘前大学と一緒に「弘前まちなかキャンパスプロジェクト」とし

て、1か月間、商品開発やデザイン、マーケティング、コンサルティングの基礎などを学生にレクチャーし

ながら、商店街の経営者と経営課題の解決に取り組んでもらっています。大学では単位取得のための

選択科目にしてもらっています。

学生だけでなく、地域の企業や大人にも、学生とのやり取りを通じてどう意識を変えていかなければ

ならないか感じてもらい、商店街も成長していくように取り組んでいますので、ぜひ県でもサポートしてく

れるとうれしいです。

(知事)

「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」の取組の一環で、弘前大学を中心に県内

大学と連携して、地元について学んで地元に残ろうという運動がスタートしましたが、ほかの大学がうまく

いっている中で、弘前大学はなかなかうまくいきませんでした。

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弘前大学の卒業生のうち、技術系や農業系は県内にたくさん残ってくれていますが、それ以外では、

県内に就職しても頑張っていけるという企業はあるけれど、何かもっと人生の楽しみがほかにあるのでは

ないかと思って、多くの学生たちは県外に行ってしまいます。ですから、県外に行ってみたいのなら一

度行ってもらって、一人前になったら地元に帰ってきてもらおうと一生懸命取り組んでいます。

その一方で、農業分野ではIターンによる新規就農者が

多く、昨年度は111名もいました。きちんとした仕事や経

済環境があればIターンでも来てくれる人が出てきます。ま

た、創業・起業の分野も最初は苦労しましたが、起業した

い人を支えていく取組をどんどん進め、創業・起業をする

人も増え、今は、青森県は多様性や可能性があり、生きて

いくのにすごく楽しいところだということを、皆からどんどん

発信してもらっています。

(企画調整課)

COC+の中で、学生に地域の良さや課題を感じてもらうために、学生と企業の経営者が直接交流し

て意見交換できる場を作ったり、複数の企業のインターンシップをできるような機会を設けたりしながら、

県内にも幅広い仕事があることを学生に知ってもらおうと取り組んでいます。

また、県外に進学した学生をいかに戻すかが非常に重要ですので、青森県の情報が入りにくい首都

圏の大学等と協定を結び、本県出身の学生に県内企業の情報を発信したり、首都圏や仙台などにいる

学生を集めて、県内で働いている社会人との交流会をしたりしています。

地道ですが、こうしたことを続けながら、学生に青森の良さや魅力を知ってもらおうと取組を進めてい

ます。

(知事)

今、首都圏の大学も学生の一極集中に危機感を持っていて、大学側も、いろいろな地域から人が来

て、それぞれの地域に帰っていくことに大学としての価値がある、学校や子どもの数も減っていく中で、

地方から来て地方に戻る学生が多くないと、大学自体が弱くなっていくと考えるようになり、地元に帰りた

い人たちを帰せるように、どんどん情報がほしいと言っています。そういう意味で、青森県と協定を結ぶ

大学が増えています。

(労政・能力開発課)

県内の学生は県内に就職先がないと思い込んでいます。その中で首都圏の企業が県内の大学生に

素早くアプローチしてくるので、県では、近くにいることを強みとして、とにかく早く情報を伝えようと取り

組んでいます。

例えば、インターンシップです。今は、全国の学生の8~9割ほどは経験していて、県内企業でも行っ

ているところが増えています。また、女子学生向けには、県内でも女性がきちんとキャリアを持って働け

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ることを知ってもらうために、「あおもりなでしこ(あおもり女子就活・定着サポーターズ)」という、県内で活

躍している女性たちとの情報交換会を行っています。

また、県外進学、県外就職した方にUターンしてもらうために、首都圏の転職フェアに出展して情報

提供しています。そこでは、青森県に仕事はあるのかと尋ねられることも多いのですが、求人票をいろい

ろ見てもらうと、「たくさんありますね」とか「昔と違いますね」と言ってくれます。そういう機会にどんどん情

報提供したり、首都圏にUターン就職の拠点を置いて相談にのったりできる体制を取っており、青森に

はいろいろな仕事があるということを引き続き情報提供していきたいと思います。

(地域産業課)

県では、商店街の方々による商店街の賑わい創出のための取組に、課題解決型まちづくり支援事業

として補助金を交付していますが、この対象となるには、若者を呼び込む街づくりなどといった地域社会

の抱える課題を商店街が中心となって解決に取り組むこと、商店街が地域コミュニティの担い手となるた

めに住民の需要を捉えながら行う事業であること、補助金を活用した後も取組の継続が見込まれること

などの要件があります。

辻さんが取り組んでいる内容は補助金交付の対象に当たると思われるので、後ほど担当課から連絡

させたいと思います。

(福井烈氏)

私は、弘前市内の高校を卒業後、千葉県の大学に入学

しました。大学卒業後は都内のIT企業に10年勤めました

が、2015年に妻の父が病にかかったことをきっかけに、弘

前市に戻る決意をしました。

その時に選択肢は2つあって、1つは県内企業に就職

することと、もう1つは起業することを考えていましたが、県

内就職に関しては、いろいろ探したものの、賃金が下がる

ので生活水準を下げざるを得ないこと、起業に関しては、

自分の中で事業プランやコネがなかったので、ハードルが高いということがネックになりました。ちょうど

その頃からテレワークやリモートワークが少しずつ見受けられるようになって、こういう働き方もあるという

ことを知り、第3の選択肢として、都内の企業に勤めていながらも青森に戻れるのではないかと考えまし

た。

いろいろ調べているうちに、知人が勤めている企業でテレワークやリモートワークをしている方がいた

ので、知人に紹介してもらって就職したのが今勤めている「株式会社ピースオブケイク」です。

私は、地域に貢献するといった活動はしていませんが、地元に戻りたい、Uターンしたいという人に選

択肢の1つとしてテレワークやリモートワークを考えてもらいたいので、自分もできる限り情報発信をした

り、イベントに参加したりしています。

県に期待することとして、1つは、そういう情報発信をしてほしいということです。もう一つは、リモートワ

ークにはどうしても寂しさや孤独感があるので、リモートワークができる場所をどんどん増やしたり、リモー

トワークをする方への支援があったりすると、より利用しやすくなると思うので、ぜひ御検討ください。

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(知事)

ヤフーなどの会社が八戸市などにも出てきて、若者たちが希望する仕事の1つでもある IoT 関係や

動画作成、ゲーム作成、ウェブ作成などが地元でもできるようになると、帰って来たいという人も本当に

出てきました。

県内で創業・起業をする方々もいますが、リモートワークも青森県でもできるということをいろいろなとこ

ろで説明しています。それを実践してくれていることは大変うれしいです。

リモートワークに関する支援制度や、コワーキングスペースもどんどん増やしていきたいと思っていま

す。

(新産業創造課)

首都圏の企業を辞めずに地元に戻ってリモートワークをするUIJターン者は全国的に増えていますの

で、県でもリモートワークやテレワークという形態を増やしていきたいと思っています。

今年度の取組としては、県外企業にコワーキングスペースでリモートワークしてもらうよう働きかけてお

り、県内のコワーキングスペース等でのリモートワークのモニター調査を実施しています。

その結果、来年度に七戸町出身の方が会社を辞めずにUターンして、七戸の自宅を拠点に仕事を

する予定であるというような成果も現れています。

来年度は、まだ確定していませんが、リモートワーカーが孤立しがちという課題に対して、交流会を開

催するなどの新規の取組を考えているところです。

(地域産業課)

県では、「創業・起業の青森」の実現に向け、平成18年度から創業支援拠点を県内8市に設置し、創

業支援の専門家であるインキュベーション・マネジャーが事業計画のブラッシュアップや融資の支援な

どを行ってきました。その結果、2016年度から4年連続で100名以上の方が支援拠点を活用して創業

しており、県内でも新しい働き方や自分に合った暮らし方というものを実現できる環境が整ってきていま

す。

UIJターンをして創業・起業をする方が増えてきたので、月1回東京で相談会を開催したり、各種イベ

ントにも参加して相談を受けたりしており、また、先輩移住者に、青森県はとても良いところでいろいろな

働き方ができることをPRしてもらっているため、相談件数もどんどん増えている状況です。

今後もUIJターンや創業・起業の取組を増やしていきたいのでが、県外のどこに希望している方がい

て、どう情報発信をすれば伝わるのかという課題もあります。

そのため、いろいろなイベントを県内外で行っていきますが、UIJターンで青森県に戻ろうと思ってい

る方々がいましたら、一緒に青森でやってみようと声掛けをお願いしたいと思います。ぜひ御協力くださ

い。

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(中南地域県民局長)

リモートワークやテレワークは、現代の通信技術の発展などを考えると、時代の要請でもあり、働き方

改革の最たるスタイルだと感じています。

これで意見交換を終わりますが、最後に知事から一言お願いします。

(知事)

このように、皆さんが何について考え、悩み、取り組んでいるのかを知ることはとても大事なことで、意

見交換を通じて、お互いにつながることができ、県の施策や取組などにも反映させることができるので、

すごく貴重な時間をいただいたと思っています。

今日はありがとうございました。そして、これからも青森県で頑張ってください。