「経濟的不安.定の問題」...「経濟的不安.定の問題」 ジ紹 介...

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「経濟的不 アメリカンo°エコノミック レグ子ユし誌 一九五〇年九月號よ弧 此塵に紹介する「維濟的不安定の問題」はアメリ (註一) (註二) 學魯の公共問題委員會の小委員會によつてなされた報告 へ註三㌧ で、そのメンバーは、主席ドナルド・H・ウォーレス(プ’ (註四し りγストン大學)以下エミール・ディスプレス(ウイリ (註五) アムス・カμツヂ)、ミルトン・プリ4ドマン(シカゴ大. (註六) 學)、アルバ.ート・G・ハート(コロンビア大學)及びポ 払のA°サ」ミエル総孕サζ←・ツエ奨學)の五 氏である。 帽此の一報告の紹介に先山払ち贈右干の注出思黙を塁・げると、 「経濟的不安定の問題」 一に此の報告は專門家を…封象とする竜のでなく此 に關心を有する大衆に「アメリカ合衆國にに於ける畢時 ’の維濟的不安定の問題」に就て経濟學者達が如何に老え て居るかを理解せしめんと意圖されたものである。 随つて叙述の方法は複雑な問題を簡輩且つ明瞭に読明 すべく注意されて居る、併し此の紹介は更に簡略化レた 爲必す.しも簡箪明瞭且つ大衆的のものではない。第二に 此の報告がコ十時」のア入リカ経濟を封象として居り朝 鮮の 動齪の初まる前の一九四九年に書かれた墓・が注意さ 一五三

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紹 介

         ジ

「経濟的不安.定の問題」

アメリカンo°エコノミック・

レグ子ユし誌

一九五〇年九月號よ弧

 此塵に紹介する「維濟的不安定の問題」はアメリカ維濟

 (註一)     (註二)        ’

學魯の公共問題委員會の小委員會によつてなされた報告

                ,    へ註三㌧

で、そのメンバーは、主席ドナルド・H・ウォーレス(プ’

                  (註四し

りγストン大學)以下エミール・ディスプレス(ウイリ

     、  ・ 、       (註五)

アムス・カμツヂ)、ミルトン・プリ4ドマン(シカゴ大.

          (註六)

學)、アルバ.ート・G・ハート(コロンビア大學)及びポ

払のA°サ」ミエル総孕サζ↓・ツエ奨學)の五

氏である。

帽此の一報告の紹介に先山払ち贈右干の注出思黙を塁・げると、

   「経濟的不安定の問題」

一に此の報告は專門家を…封象とする竜のでなく此の問題

                     覧          一

に關心を有する大衆に「アメリカ合衆國にに於ける畢時

’の維濟的不安定の問題」に就て経濟學者達が如何に老え

              ’

て居るかを理解せしめんと意圖されたものである。

 随つて叙述の方法は複雑な問題を簡輩且つ明瞭に読明

すべく注意されて居る、併し此の紹介は更に簡略化レた

爲必す.しも簡箪明瞭且つ大衆的のものではない。第二に

此の報告がコ十時」のア入リカ経濟を封象として居り朝

鮮の 動齪の初まる前の一九四九年に書かれた墓・が注意さ

              一五三

れねばならぬ。第、三にアメリガ維濟がその謝象でアメリ

カ維濟の猫自性との關蓮に於て常に此の報告は理解され

ねばならぬ。随つて、此の報告の具罷的政策をその儘後

・進諸圃に適合させる事は不適當である。此の報告は大衆

向と銘付つてはあるが正に維濟的安定に樹する綜合政策

の理論的解明である。         ,

 そこには長期的・構造的の維濟獲展策こそ存在しない、

が、既に政府の経濟的役割の根本的重覗が見られる他、

「景氣循環の諸性絡」「國民所得計算についての問題」「自

動的安定装置」「年次豫算均衡に代る、一景氣循環期の

豫算均衡繊暗示」「百%準備銀行の問題」ゴアメリカでの

み考えられ得る金本位の問題」「グレ書アム計書」等は

 特に興味ある諸黙であろう。

      へ

  此の報告は七部に分れ第一部では維濟的安定に關蓮す

る驚勲述べられ・第二部は問題の賢的記録、第三

 部は理論的な基本的諸理念、第四部は財政政策、第五部

             一丑四

金融政策、第六部國.際…的諸要素の考慮、第七部市場政策

となつて居る。

最後に、.此の報告の云ヶ「経濟的不安定の問題」とは「如

何にしで生産の順調なる増加を維持しつ製、大量失業及

び物債水準の重乱八なる波動を避けるかの問題」の事・であ

る9~

     (註九)

第一部諸目的

 A 物便及雇傭

 國内維濟安定には二つの要件、離ち完全雇傭の保持と

物債水準の安定が必要である。    、   ‘

 「完全雇傭」とは「現行の賃銀水準で仕事を求める、一

・定の能力ある人が、相當期間延ばす事なしに生産的活動

・に從事し得る」事である、之にば仕事を欲せぬ人汝の強

制徴用を含まぬ、又それは失業の皆無を意味せす、「集團

的失業の存在しない」事であつて韓職等による一時的失・

業は問題外である。此の基準では第二次大職中の米國は

完全雇傭乃至超完全雇傭である。之’に…樹立する不完全羅

傭…の害悪、即ち生塵力の死藏9失業等の望ましからざる

事は読明を要しない。

.「物償水準の安定」とは「一般的物便水準に於ける如何

 なる著しい趨勢或は鋭い短期的攣動の存在しない」事で

 あつて、治費者需要叉は生産條件の攣動に件う個汝の諸

                   へ

 財貨間の相封的贋絡攣化は静態的物債水準と矛盾するも

 のではない。物債水準安定の必要性は、その下落に於け

.る大量的失業とその上昇部ちインフ濯ーションに於ける

、漿階勢優利と展大衆の生活難、それに讐國民内

 部に於ける…集鳳間の利害封立にと云う事智ハにより湘説明さ

 れる。

           り

  ・B 他の肚會的目的との關係     ‘    嶋、.

 .「軍和」等進歩L及「自由」は肚會的政策の重要なる目

                   ゴ

 的であつて、経濟的安定は其等と共に促進される事が多

 いが、時には経濟的安定の手段の申の若干と、上記の目

     「経濟的不安定の問題」

  ■

的とに關蓮して、人々の間に…兄解の樹立を招く事がある。

帥ち経濟的安定の爲に前記三目的の一部或は全部を犠牲

にする事があり。その犠牲がその敷果に相磨するや否や.

の闇題が生する事がある。此の關係項目では第一に、米、,・

國の維濟的安定及繁榮が世界の他の大部分に於ける築和

と民主制度の強化に必要である。印ち米國の不況は他國

へ波及し、それは干和を脅かす㍗み6’5。第二に経濟的

                          ‘

    キ    ハ モ

進歩は當然に攣化・摩擦を伴うものであるが、此の限り

の摩擦は生産條件の革新と老れへの適懸の爲の生産及雇

傭に於ける攣動であるから止.む得ねものである。第三に

維濟的自由は統制或は計聲と樹立するもので、各個人に

「間違い」の自由を認めて居るの.である。此の「間違い」

は攣化の意味を含み、之により維濟的波動が考えられ

る。他方著しい維濟的不安定は肚會各階層間の封立を起

し自由[と民主・王義とを破壊に導くものである。

 C 制 度

              一五置

〆鴨

 釆國に於ては多くの「個入の自由」、多くの「私的企業」

及び多くの「政府事業」が行われて居る。此の前提に立

ち「維濟的安定」が論ぜられるのであつて、私的企業と

       津   説

’政

{事業の混在の條件の下では各人、各會就は、螢業、

 し            ら

投資、雇傭、或は生産等は政府の直接的指圖によるので

なく、.圭として種々の政府活動により間接的に影響され

ると見徹される。叉、現在大多歎の米画人は此の制度を

欲して居ると見…骸される。即ち此の報告では、聞接統制

による維濟的安定が問題となされるのである。

第二部 歴史的記録       “

 ’第二部は米國の経濟的不安定の歴史的記録を顧みる事

によりその重要なる諸性絡が論ぜられる。

 米國に於ては緯濟的不安定は慢性的なもので(債絡あ,

攣化では植民時代から既に大艦十年毎に大きな振動の記

録があゆ、生産については南北職寧當時から不況とブー

云の交替が存在レて居り、覧近年に到る迄、雇傭と失業の

              一五六

 記録は経濟的不安定を誰明して居る。此の維濟的不安定

 は、「景氣循環」の名の下に分析され、それは、不況-

 回復-旗張i後退-.牧縮と云う循環経路を辿る傾向が認

 められて居る。

  A 不況

  「不況」億非常に生産力を無駄にするもので、米國の歴

 奥に於ける大不況は一八三七年以降の歎年・聞、 一八七〇

 年代及一八九〇年代の不況、更.に生産せられ得て生産せ

                   \

 られ得なかつた額が千億ドルに上る一九三〇年代の大不

      牌

、況があり、其他小ズランプが相當記録されて居る。・尚産

                    り

出額のスランプには「不況の中(罪齢≧試う現象麓.

       ㌧                                            ’

 々生じた事が記録されて居る。-

   、

  B インフレーショシ

  米國に於ては職時及職後を除いては、物債の廣汎な急

 にして且つ五十%以上の上昇を示したインフレーション

・ はなかσた。即ちそれ以上のインフレレションは~猫立革

                   縄

                     ぶ

命、 繭八一一.一年の職…璽、.南…北職醤{、.第∵次及第二次世田外

大職と蓮絡せるものである。手時の物債上昇は大した事

はなかつた。

 C、持績せる繁榮

 持績せる繁榮は飴砺ないが、-一八八〇年代、一八九九

年から.一九一三年の間の大部分及び一九二三年から一九

  へ

二九和†の朋同は、多少のスラ臥プはあつたが、大髄に於て

繁榮期とされる。 畠

                         ■

 D 景氣循環に就て-の砦干の重要な諸性絡

                   /

 齊一性、 ・(一)農{菜部門以外 の諸物}慣及生産は涌一堂…同,

                       ロ

方向に騰落する潭 (二)耐久財に封する総支出は非耐久

財に欝する支出よりも大なる比牽で攣動する。資本財に

樹する総私的史出は滑費麦出より大なる比率で攣動す

る。 (三)総産出額及総雇傭は耐久財産業に於ける方が・

非耐久財産業に於けるより大なる比牽で攣動する。・,

(四)総産出額及総雇傭は建築或は資本設備に於ける方が

    「輕濟的不安定の問題」

溝費財に於けるより大なる比率で攣動する。・(五)事業

.在庫品の維常費は絡販費の経常費より大なる比率で攣動

する。 (六)総産出額及総雇傭…或拡物債水準に於ける大

きな攣化には常に担貝徹畳黒帥ち現金及預金通化貝の同一方向

の大なる攣化と、.貨幣の流通速度の攣化が件う4 (七).

債格の攣動は或種の財、’例えば食糧に於て著しく、別の

或種の財例えば製造品に於て綾慢である。(八)絡利潤率

                   の

は他種の牧入より遙に大な「る比率で攣動する。

 不齊一性、(一)循環の長さ(}十均すれば約三年牛)は各

 汝大いに異る。・例えば循覆に於ける波の最低から最底の

間を計算すると、∴九二七年と一九三 二年の間は五年の

循環であり、頂上から頂上の間見ると嚥九二九年と一.九

三七年の間に八年の循環があ軌、別に一九一九年-一九」

 二二年の間、一九二σ年ー一九二三年の間は三年の短いげ

循環がある。故に此の黙では過表の経瞼は絵り役立た

ーぬ。 (二)循環振動の幅も非常に不規則である。一九二

              一・五七

三年⊥西年の下降振動では製造.器出額は約繭減少

したが、一九三七年・i三八年のそれは略々牛分に近い減

少であつた。故に、此の幅ρ黙でも、「正常」の幅と云う

ものはなく、’又時代の維過につれて循環の激化、或は綾

和があるとは云えないコ 、(三)循環に於ける「籏張」の.

或るものは産出額を完全雇傭…水準にまで上げ、他のあ

るものは依然と七て相當の失業を保有する所謂「沈めら

    .(註=)

れて居る頂土」‘と武5現象を是する。前者.の例は一九二

五ー二七年に見られ、後者の例は一八九五年及一九三七,

年に見られる。,(四)何如なる二つり循環も、商品債

格、謹券債絡ρr在庫品便絡、外債、或は建築等の如き種

汝なる要素の占める相封的役割は杢然、正確忙相似して

居ない、一九一九コニ0めブ」ム,では在庫晶、建築物及

貨物の債格に樹する投機から生じ西績いて債格の崩壊が

あつた、他方一九二九年・暮のブームどそれに綾《崩壊は

         ノ

市場の投機と外債の投…槻によるもので診つた。 卿論(五)景

              一五八   き

    へな

 氣循環の性格の中の齊一性に關する知識を以て維濟活動

 の將來のコー°スを豫知すべき努力,がなされて來たが、未

        ,∠ ’

 だ豫知に關する限り國家の.政策に信頼レ得る様なものに

 なつて居ない。

  以上の如き諸…性格σ知識も種ゐの條件の攣化を考慮し

 て磨用せねばならないつ

  最後匹経濟の記録は、米國経濟はインフレーシ慣ン

kにはなり難いが、不況にはなり易いと云う性格を持つ事

 を示す。尚、軍備籏張の肚會保障の強化、確働組合の強

                  

 化等はインフレ1ションになむ易い要因むある。°而し

 て、軍事的緊張が緩和されると不況になる可能性が彊い

 故に、その揚合、政府活動を彊張する學者達為あり、

 亦、慢性的失業傾向と西漫性的インフレーンヨpン傾向の

 結び付きの危険を読く人汝竜存在して居る。

 第三部 基本角諸概念  .:     ノ

.慌景氣循環の研究の成、果は歴史的知識に加うるに有用な

             嚇

る分析があり、此爾者は維濟的安定の爲に有敷なる基礎

を與えるものであるが、之に樹して、 (A)繕濟學者聞

に意見の一致が充分でない事、 (B)敷果的安定政策は

景氣波動の原因の理解がなされた場合にのみ可能で、未

だその充分なる理解がなされて居ない事、 (C)將來の

継濟的攣化を正確に豫知し.得ない事等は不安定を豫防し

得ない、と云う諸観念が存在する。(A)に劃しては経濟

學者間の意見の不一致は外部の見る程根本的のものでな

昭騒韓離瓢疑叢縫縫器鴛

つて、それは基本的問題に關するものでなく、随つて一

般的政策の樹立に困難ガ孔來す程のものでない。更に公共

 モ                                               る

政策に樹する意見め不薮は分析上霜違よりも寧ろ根

本の主義の相違で、民主浸義の精髄滋公共政策に野する

諸々の意見の甥立にも拘らす一般的諸政策を可能に・する

選鐸と要協がある事である。b叉多少の意見の.相違は將來

    「経濟的不安定の問題」

 の不確實である部分を定め、.その結果、政策に融通性を

 與えるものである。(B)については、洪水を防止するに

 雨や雲についての細かい知識を必要としない如く、(C)r

 については完全の豫防は不可能なりとも、輕く濟ます事、

 は可能である程σ知識は存在するものである、

  (A) 支出及その決定の分類

  全経濟に於で㍉総支出額の重大なる攣化は総雇傭額及

Lび物債水準の重大なる攣化を意味する。此の総支出は次

雛齢郷るγ纂羅集蕪

讐成)、 (三)財及サーヴ婿スに樹する政府支出。’(四)

 外國貿易差額である。之を支出決定の見地から再分する

 と」淘費支出は耐久財と非耐久財とに分れ、耐久財の

中、家屋の購入温きは事業型のみと見徹さ般肇

 と分類される、之に反し中位の.耐久性の財は消費之分類

 される。國内私的投資は利潤未配分①會魅の事業目的の

  ・           一五九

爲の追加的財貨購入に用いる現金、新謹雰の費上金、銀.

行よりの借入金の支出を現わし、その主要構成物は新設

備装置、在庫品追加、神勅家屋の購入等である。政府の沿…

費支出は政府傭員の支彿、、私的企業よりの購入等の他、

恩給、肚會保障の爲の皮錦の如き交換にょらざる支梯即

   (註一二)

ち「振替麦彿」がある。

 (B) 生塵及購入の決定

 生薦及滑費に關する決定ば政府事業以外は私的決定

で、その生産決定は一般沿費者、‘政府及外國よりの需要

ど、.原料晶及資金の供給とに麦配される。清費者支出の

決定は主とし、て所得に依存する。此の所得は生廃所得支

 ヤ                      ロ                        ズ

出生産の循環の申匿見られるものであるが會融、企業等

の貯蓄、資本形成、在庫品追加等にょり修韮を受ける。

會砒の投資麦出は事業の現駄及び將來の見透しに支配さ

れる。政府の財政活動は課視による治…費春所得の減少、

恩給等にょるとその増加等を通じて、前述σ循環を修正

      /

一 一六〇

するQ  ・°

 國民所得の計算上、現在の産出額の総償値を國民所得

と見徹す事は全生産物が現在の便格で販費可能なりと假

定するもの、で、か玉る假定の現實化は殆んど不可能な場

合が多いから、所得と産出額の債値の同一覗は誤りであ-・

 る。’

 糖支出及総所得の攣化は経濟に於ける種汝の軍位の支

出の攣化を反映するものである。総清費支出或は総投資

支出は種汝なる條件、例えば貯蓄性向、、税牽、叉は事業

                 ノ            リ

・歌況、技術修叩件竺Vの憂化にょり攣動するものであり、瓢以

府支出、租視構造及び純貿易差額も亦攣動するもので、

°その攣動は叉、総支出及紹所徽の衣準・に影響するもの・で

あるつその影響が如何なるグループによつてむ、その受

!領額と比例して支出を増大させ様とする決定は、総て総

支肛及総所得を増拠せレめる。、受領額と比例して、そめ・」

支出を減少せしめんどする決定は、総て総所得を減少せ、

しめるものである。而して総所得及総支出を上昇せしめ

る滑費者【、事・…菜會肚、及び政府の決定は、他の若干の決

定に攣化がなければ、必す産出額及び雇傭叉は物債水準

に於ける、.叉はその三者共に於ける増進をなさしめる。

反樹に総支出及総所得を低下せしめる決定はその蓮の数

果を生ぜしめる。

 更に総所得の塘減を左右する會祉及家庭の決定は亦貨

幣的諸要素印燭現金保有量、流通資産(政府讃券其他)

保有量及び銀行其他の信用機關の爲の費用や、その利用

の難易等の亜至索にょり影響を受ける〔此の黙は金融政策

 の読明の爲に特に精しい叙蓮を必要とするが紙数の關係、

で簡軍に蓮べる。〕會鮭及家庭に於ける現金其他の流動的

、資薩の保有量は、その富の総計と釣合ふ様に所有され

  キ

る、帥ち流動資産と非流動資産との問に最も合理的な

比率を保走うとする努力がなされる。同檬に借金の場合

 は利子率の高低にょり投資が影響される。而して流動資

    「纏濟的不安定の問題」

竣保有率が大である場合、之の費治を大にぜんとする結

果、投資が増大し総所得を上向せしめる。その蓮の場合

は絡所得を下向に導く力がある。

                   ’

 以上の事から経濟的牧縮を打破するには個人及會肚の

-総保有現金及流動資産量を塘加せしめて沿…費を容易に,

し内且つ銀行の貸出費用を輕減させ、利用を容易にする

様に金融的な操作を行う事である。.反封に経、濟的籏張が

過度の場合には前の逆を行う事が必要である。銀行業務

は事業活動及び物債の上昇期に籏大し、事業不振の場合

はその逆である。

 銀行信用の不安定性はその預金債務に翼して分激的な

準備しか持たぬと云う大きな伸縮性の爲に増大される、

              へ

郎ち槻行は準備額の激倍の貸出をなして、預金通貨の形

で購買力を創造し得る。現在の米國の制度及び慣習では

四或は五倍に等しい購買力が創造され得るのであつて、

はそれは蓑退期には準備額の牽を増大して預金通貨の牧

             一六一

   ロ

縮を強制してデフレ的傾向を助長し、櫨張期ばは蓮に準

備率を下げでインフレ的傾向を助長し易い。銀行信用の

籏大牧縮は部分的には事業活動の反映であるが、併し以

上の如き理由から経濟的波動を籏大せしめるに役立つた

事は、程度の差こそあれ、等しく経濟學者間に信ぜられ.

て居る。故に現行の銀行制度は数果的統制なかりせば経

濟の自動的不安定装置である。

                   (註一三)

 以上の分析手段の理論的照合の爲に國民的計算が必要

で、此の照合なきも・のは読明に不充分で、その幽忌見の探

用は危瞼…である。       ・

 維濟の諸構成要素の色汝な將來の攣化の前兆の豫知は

以上の如く相當に可能になるのであるが、維濟的安定政

策の目的は経濟の構威要素の波動を全部防止するのでは

なく、色汝の分野に於ける動潅を総態的見地から粗殺或

は輕減せんとするものである。

 (C) 政策を容る玉飴地

             一六二  ’

 此の報告は基本的自由を尊重する安定方法を前提せる

ものであるが、同時に理論なき張制も亦目的を達せぬで

あろう。

 安定方法の手段として各部門別に個別的安定化手段を

とる事が一部に云われるが、それは一部門の生産物その」

ものの需要の攣動に直面すれば全く不安定になろう事、

便絡協定等の爲に産出額の安定を犠牲にする事、屡々産

出額の鯉罪や便漿準の攣動が望芒い場合のある

び事、、新しい経濟的な生産物の醤きものに糞する代位など

の進渉の望ましい事、等は部門別安定方法の不可性を誰

明する。勿論多少の個別的方法を受入れる飴地はあるが、

その結果は、部門内部での自由を侵害しょう。故に安定

化整の秀る責任は糞政府や聯熱醗聾駐継篤

の如き公共團盟に.ある。而して勢働者の大部分が私的事

業に雇傭されて居る制度の下では.政府の安定政策は主と

して一般経濟歌勢の調整安定を計るにあつて、その手段

           へ

の廣汎なる攣化の中、.重要なる若干の黙は次の如きもの

である。 (一)個人及事業牧入に封する租税量の攣化、

之は所得量の攣化に件つて生する。 「(二)「振替支彿」の

量の攣化。 (三)公共事業費或は政府の直接購入物に欝

                  ノ        げ

する支出量の攣化。 (四)税率及租税繊…造と「振替麦彿」

の率及び薯、或は保謹し姿出の種類に於ける礎化。,

(五)通貨當局の統制よりする銀行の貸付費用、或は利用

難易性の攣化。 (六)通貨或は債券管理政策よりずる政

府財政資産及公債の樽成の繍孤化。 (七)將來の政府活動

に…封する獲表及見透しにょる事業界へ,の影響。 (八)政

府の}慣絡…及賃銀糖就制。 (九)國際経濟…政策。

第四部 財政々策/

A財政及金融政策の運用原理

 第四部及第五部の財政及金融政策の爲には先づ歌の如、

き蓮用原理が必要である。    、 .

(一)政府の租税牧入は、政府支出に比し董大な失業

    「経濟的不安定の問.題」

期に於けるよりも、高雇傭…期に於て相酎的に必す大であ

る。 (二)貨幣及信用は、高雇傭期に相封的に逼迫し、

重大な失業期に相封的に綾和される。

 此の二つの原理は総貨…幣需要の波動を中和すべく意圖

されたものであつて、政府の操作に當つ。ての根本原理で

ある、そレて大部分の経濟學・者間に根本的原理に關して

は意見の」致が存在し、意見の不一致は實際の鷹用に際

!しての手段に關して存在するものである。

 畠B 政府の財政政策の重要性

..米國に於ては既に政府活動が國民維濟姦監日す決充

 的伽財響を與える程度に到達して居る、一例を羅げれば

 一九四九年の國民所得約三千億ドルの中、聯邦政府、州

 政府及地方政府の支出は約六百億ドル、而も今後鴬分の

 間政府麦出の穴いなる減少は考えられぬので、.その影響

、力は意圓の有無に響す映定的なものである。政府は豫

 算の二つの面帥ち一方に於ける傭…員の賃銀、公債利子、恩

              一六三

給其他の支梯に於ける面と、他方の租税徴集の面の二つ

        へ

を通じて∀事業活動に影響し、前者は事業からの滑費財の

購入に向けちれ市場を籏大し雇傭及物債を上昇せしめ、

後者は治費基金、.投資基金を略奪するもので市場を縮少

させる傾向があ巻。伺支出と牧入の量のみならす質の黙

帥ちその維濟的敷果の相違に注意する事が必要である。

 安定化への財政手段は次の三つのタイプに分たれる。

(」し財政制度として形成ざれ自動的に作用するもの。-

(二)特別の將來醗生可能事に適慮すべき動態的手段。

(三)臨時的一時的手段。  、

               (註一七)

 C 財政制度に於ける自動的安定装置

                   ノ

 自動的安定装置とは聯邦政府の財政操作により「相手

駐方に磐て毒う」と云う馳避鰍凶・盃期には支

出璽大好況期には高視徴牧と云う艦系的方策をもつ安

定化手段である。此の方法は豫算の規模の籏大の結果、

重要になり、大いに諸経濟州學者[により概究されて居るも

              一六四

のである。好昆夙氣の繍…所得の増大翻期には{貝勤的に租綱祝牧

-入は政府支出に比して増大し、不況期には此の蓮現象が

生じ、共にイγプレ又はデフレを部分的に相殺する傾尚

がある。政府麦出面では不況期に失業補償、救濟金、農

業補助金等失業の檜加と共に上り、繁榮期では此の逆と

なる。牧入面では租視牧入は國民所得と同方向で上下す

る、更に「累進的課税」は此の方向を助長する、就中、

法入所碍に封する法入税攣動の度合は著しく失業保瞼金

は國民所得に大罷比例して動くものである。之を具罷的

に云うと一九四九年における聯邦財政の自動的安定に…封

’する影響は、大腱國民所得百億ドルづ玉の上下により三

゜十億ドルづ玉の牧入塘或は牧入減があり、之は更に政府

支出との關係に於て豫算不足は不況期には一厘強くなる

傾向があると云える。

 D 年汝豫算均衡に代るもの。

 第一に、前に述べられた如き政府牧入を支出の關係に

於て高牧入を全部支凪せん乏すればイγプレ!ションを

助長し、或は税率を下げると之亦同襟の敷果を生する。

不況期に於て牧入不足に支出減少、或は高税牽等の措置

をとれば釜汝不況に導く。故に年々均衡豫算を持つと云

      の

う傳統は既に放棄さるべきものである。年桟豫算均衡主

義の放棄には政府麦出が滅少した場合には税を輕減する

と云う長期的豫算政算の原理を園民に良く理解させる事

が必要である。何人も季節的攣動を顧慮せざる月汝の均

                       の

衡を擁護しないであろう、同様に景氣循環を顧慮しな払噛

,年凌の豫算均衡が重覗せられねばならぬ理由は存在しな

いだろう。勿論、景氣循環の長サ、幅、及び不況及繁榮

期の相樹的期間に封する不確實性は問題を困難にするが

 一景氣循環に亘る豫算の均衡と云う問題は充分綿密な老

察を受くる資格があろう。

 第二に、 一定の「正常的」或は「目標的」の線を設定

            ハ

し好況期の高牧入期に蓄積し、不況期に、それを牧入減

    「経濟的不安定の問題」

と支出壇に萬る豫算不足に用いると云う方法であるが、

併し何が「正常的」「目標的」なりやと云う基礎を提供

する事は誠に困難である。

 第三のものは、繁帥果安定の時期で不況及インフレーシ

ョンの危険四の無い場合に、政府支出の新しい増減に相慮

して税率の關係に於て、牧入を修正するま蒸う竜のであ

るが常に税牽上昇に俘う犠牲と新支出曾の数果との比較

秤量が生じ問題が困難になり易く且つ不況或はインフレ

ーシ冒ン期には役立たぬものである。

 第四には、 一定の基準或は公式を持たす、た貸政府支

出との關蓮め下に経濟を安定せしめる…檬に総牧入を攣え

ると云う方策で、之は経濟的豫知の不充分な塵には確固’

たる原則は樹立し得ない、と云う主張に裏付けられて居

るものである。

 E随時適宜の安定化活動-

自動的安定装置を排外的に信じて居る会は随時的適

             =ハ五

宜方策には (a)適宜に芯剛途を豫測する事・の不可能、

へb)政府活動の不確實性の不安定的影響、(c)特別の利,

害ある政治的歴力の活動、等の理由で良い虚より悪い方

が多いと反封する。自動的安定装置は大部分の経濟學者

達に實行の可能を保謹されて居るが、それだけで安定に,

充分であるとは云い得・ない。或程度以上の朱業及イン・フ・

レーションには追加的争段が必要である。その随時的適

宜の財政手段のタイプは次の四つである噂(一)税率及租

税構造の費、帥ち不況期の馨低減・インフイ福.

ン期の税牽生思力の如きものである。 八二)「振替支佛」に

於ける攣更、邸ち第一に失㎝菜期に聯邦政府が地方政府のボ

救濟活動を助け、更に不況期には庶民信用の如きも㊧を・

      る

充分籏大する事などである。併し・無償で金を與園る救濟け

行爲そのものに疑念を持つ入々が居る。 (三)公共事業

支出に於ける攣更、帥ち不況期には公共事業を籏大し雇

傭…と流通貨幣量を大にし、繁榮期には反翼に縮少してイ

             一六六

ンフレーションに備える、但し、M公共事業は長期的なも

のが多く、此の爲に長期的豫測を必要乏すると共に、事

業中途で休止せねば激らぬ事態、等が生じ易い、樹道路維

持、資源保持に封する全く察想的な計聲、食糧管理等の

短期的な公共事業は支出の適磨性及び時期の適合性を持

ち容易籔凍を學ザ得るものである(四)政府活動毎

の鑛大又は縮少。聯邦政府の活動の範園と規模を攣更・

しゅ経濟的安定の爲,に前述の諸方法と共に用いる。

 以上の撞宜的手段に酎し以下のごつの問題がある。

(一)何入が上述の措置の時間的、種別的の決定をなすか

の構力の問題である。ぬ(二)此の決定をなすに如何なる

基準が必要か、の問題である。前途が豫測されれば成功、 ・

           、     ’

失敗が容易に測定されるから何庭にその権力があつても

大鰹同じ決定゜に到るから(一)(二)ともに問題でないが、

芯剛述の正確階!.な豫測不可能の場…A自には{谷目易でない。邸ち立

法府の櫃力保持は諸方策の實行に敏速を期し難,く、大艦

逞延するを當とする、法律改正手警や、公賠會討論等

 いたづらに時聞を費す傾向があり、他方、権力委任は政

 府執行機・の強化となり、逆に政治的駆力が行政府に藥中

     ポ

 する結果を・生じ易い。.此の欄題に封しては、.部分的には

 立法府が融通性ある法律、例えば、或一定の基準を設け

 て、それを超んた場合、或概の方策、印「む減視とか増税、

 叉は公共事業を増減するとかし得る様な法律を制…定して

 置く事にょり綾和し得る、但し此の前以ての基準の設定

 は制度的の自動的安定手段に接近する屯のである。

第五部金融政策

 ,

燉Z政策は銀行及信用-會砒及家庭の信用を得る難

、易及利子牽「公債及びその管理、並びに貨幣本位に關

ずる諸政策を含む。

°A銀行政策     、

 銀行政策は以前には決定的な重大性を持つと見倣され

             へ

 て居たが、近時は大髄、適切なものは大いに助けになる

    」「纏濟的不安定の問題」

が不適切なものは有害であると云う程度の重要性しか

持たぬ。大部分の経濟學者は銀行政策に關し次の諸難に

ついて意見が一致して居る。 ・(一)金融引締めは需要の

供給に封する一般的超過を俘う償絡インフレーションを

抑止するに役立つものである。 (二)金融引締めは経濟

活動の下降的振動を大いに張化し得る、そしで、穏和な

不況を深刻な不況に轄換させよヶ。 (三)金融綾和はそ

れだけでは深い不況には不充分な救濟策であるが、併し

助けにはな澄。

上部の學者達は金一融緩和は穏和な不況の救濟策で、適

切なる金融政策は穏和な不況が深刻な不況になるの遊防

    ぐ

止するものだと考えて居る。

 銀行信用政策には二種の主要な線がある、質的の統制

と数量的統制で、前者の實行は仲欧困難であるが、後者.

は多分に数果的であると思はれる。   .

 質的統制。質的統制とは特定、特種の目的の爲に貸付

             =ハ七,

                   巳

贈    ρ㌔、

        、、

を刺戟、制限或は安定すぺく意圖された手段で、不況”期

には信用め塘敬人の爲に沿農者或は事業に謝する貸出基準

.を綾和しいインフレーション期には貸出制限の爲に、例え

ば手形交換讃標諄統制などを行う職時職後の制限的信

用統制や、波動達少くする爲に、長期的豫想から、銀行

が貸出及債雰投資を判断して信用準が循環に鯨り敏感に

            、     ・   (註一九)

ならぬ様にするを目的とせる一九三十年代後期の銀行調

査基準の修正等がその例である。伺インフ,レ抑制の爲の

手段として.の質的統制の数果に關しては噛 一.部の學者は

大いに期待するが大部分の者は抜ケ道のある事、及び質

的統制が選定された部面にのみ影響し、 一般的水準を統

制すべく意圖された竜のが特定のもののみに強く作用す

る事は望ましくないと、飴り期待して居ない。

 激量的統制 銀行信用の敷量的統制は銀行の貸出及投

資能力を決定する支彿準備率を通じて行はれる。銀行は

準備として聯邦準備銀行匿預金して居かねばならぬ、そ

             一六八   .

して銀行はその準備の一定の逆比率の限界で貸出及投資.

                      つ

をなし得る、故に、大藏省或は準備…制度が此の潅㍗備率を

攣更する、即ち金融緩和が望ましい時は準備率を下げ、

反樹の場合には上げる事にょり、叉は準備制度が「再割

引率」を攣更する事により統制し得る。更に國庫資金を

     ∂                                               、

商業銀行ど聯邦準備銀行との聞に攣動させる事にょり準

備歌熊を攣更し得る。 -         ’

                 (註二〇)

 最も有力な金融政策の手段は「公開市場操作」で、之

                                        ド

は大藏…雀或は聯邦準備銀行が政府誰券を費買する事によ

るもので、その販費は購入者から準備…銀行に小切手の流

入があり、それだけ商業銀行の準備からの引出しを結果

し、逆に政.府設券.の購入は準備銀行より小切手の流出が

あり、それを銀行が集めた時、それだけ準備が追加され

る事になる,のである。

 聯邦準備銀行は自己の計算により大藏省の財政代理機

關として毎週大量の讃券を賞買するが、此の操作が販費

増、或は購買増の場合にはそれぞれ、前述の如き敷果を

.持つ、一九四六年から四八年の間の公開市場操作は政府

讃券の債絡維持の爲のものであったが、市中銀行の信用

構帆

蛯フ爲の謹券販曹〔は制…限された。

 激量的統制は経駿によると、、信用籏大を刺戟する場合

 よりも、信用籏大を抑制する場合に有数でみる。帥ち準

 倦…額の{減少は必然的に信用の縮減があちが、汕準備額の増

大には必然的の信用鑛大がないからである。た樽不況の、

 時には信用デワレーションによる下降促進を避けるのみ

             炉

 であり、インフレーシィン時代の信用抑制には量大な数

果がある。          ・

・ 銀行の不安定的諸傾向は高い準備必要額の設定により

減少される。現行の二十%準備制では一九二〇年代の十

 %準備制に於ける通貨膨張も或は準備銀行に樹する負債.

 の一定量を皆濟して通貨牧縮を行う事も行い難い。

  一部の學者は此の不安定の源も最小限にする爲に百%.・

    「経濟的不安定の問題」

準備銀行制度を主張する。之は現在の銀行の機能の中、

保管者、小切手清算者とのでの機能と貸出機能とを分離

し、現在の貸出機能を新しい制度で代位させる事を主張

するものである。此の新制度は現在の銀行の貸出部分よ

り成る事が期待され、その基金は引出の常に行わ、れる預

金より寧ろ、誰雰嚢行にょり、、獲るとと云うので、之に

より現存銀行構造申の不安定要件を除去し自動的安定手

段或は随時的貨幣藪量統制を容易にし、他方貸付市場に

野する過重の政府統制を避けんとするものである。・多く

の経濟學者は此の手段の敷果を疑い、且つ思激なる攣化

は移行に諸困難を伴うと思い、飴り急激ならざる方法で

銀行制度の基礎を安定せん事を欲して居る。

 B 公債政策

 國債には政府…槻欄及聯邦「準借贈銀行以外のものに保有さ

れ、一九四九年では、約二干億ドルで大艦國民所得一年

゜分の約九十%に達し、其中千億ドルは市中銀行及他種の

             一六九

信暴關が保備し他の牟分を個人、法人及努政府が保

有し、公衆の手に渡る債雰利子は年約四十五億ドルで

ある。            ・         、

 職時中及職學直後、聯邦準備銀行は規定債格で何時で

も政府讃券の購入を引受けた、之は政府謹舞便絡の維持、

低金利の保持の爲めのものであるが、他方市中銀行の政

府誼券販幽買が河寵の爲に信用インフレーションを助長し

た。聯邦準備當局な其後便絡維持政策の代りに政府謹券

市場の秩序ある歌態を維持する弾力的政策に攣えた、此

          (註二一)   、

の政策は甦循環的安定装置としての金融政策を可能にわ

するが、未だ慣絡安定に重心を置きすぎ・て居る。

 多籔の學者は聯邦準備銀行が政府謹券便絡維持を基本

的原理とせす、金融市場の望ましき引締め、或は緩和を

基礎にして政府讃雰を費買せよと主張する。之に封して

                       」 ノ

別の多一くの學者は斯」る州封策は(一)豫篁つ上の費田川が大

鴨 になり易い、 (二)斯…玉る政策が政府誰券市場を混齪さ

              網七〇

、・せるならば米國の金融機關の支綿能力に重大なる衝撃を

馳與う、(ミ)利卒の引締めは之を元に直すには長年・月を要

 する。齢ちインフレ」ショシが長く績《事を豫知し得ぬ

 なちば斯る政策は悪い黙の方が多いと考える。

  銀行保有の政府謹券による市場混齪を統制せんとする

 提案に銀行は、預金準備として現在の現金準備に加う為

 に政府誼券をも保有せねばならぬと云う謹券準備の提案

 がある。之を有敷にするには、斯る準備になり得る謹券

,の量を限定せねばならぬ、但し此場合他種の誰券利率の

 攣更は可能とされる。噺くて銀行は現金化出來る大量の

 謹雰の中で相當量を誰糠宏ルて残して置かねばならぬだ

 ろう。斯る準備制度の提唱は一九四六年から四八年のイ

 ンフレi記ヨン期にそれに樹する緊急手段として準備銀

・行 及若干の學者により擁護されたが、本質的な黙で硯金

 準備必要額の増加に等しい、唯異る黙は利子左銀行が受

 取る塵にあるだけで、現金準備額の上昇と同様の敷果し

かもたぬであろう。

 C 貨幣本.位

 貨幣本位の問題は普通)金との關係に於て論ぜられて・

居るが、國際通商に於ける重要性を別にしてな、米國の

金準備は金本位を維持するにインフレーシ・ソの可能性

・を含む程互額である。他方一九三〇年代の維験の示す如

く、金本位はデフレーション及失業に何等の保誰を興詫

得ない。更に金債格攣更による國内経濟塵理は國内的に

縫箪である立ハに・國驕係の破婆招しものであ

     、

る。金は國内貨幣政策と國際問題とを給合させるリンク

であつ・て、米國で一オンス三五セントで購入して居る事

の意義は、援助せんとする諸國、就中、スターリ」ング地

域諸國の生塵物に市場を創造し、°他方友好諸國の貨幣準

備に米國商品で計られた償値を與える事である。併し政「

        ゆ

治的考慮を除けば、金を欲しない米國は直接贈與の形で

援跡した方が数果的且り維濟的である。長期的見地では

    「纏濟的不安定の問題」

大部分の學者は貯藏庫訴埋めて仕舞,ηれる蓮命の金生産

は浪費と見徹して居る、一部の學者は金の貨幣制度に於

ける役割の復蹄を主張するが、別の一部の學者は金の貨

整としての役割左完全に除外せよと主張する、併し多ぐ

の學者は金の役割の基本的攣更は國際的困難の存在する

現在、不適當であると老えて居る。

 経濟的安定促進の爲の貨幣本位改革の一提案として

「財墓備制度垂二~クYアム舞一薪る・之援

府の貨幣獲行額を、個定せる便絡で基準化された、貯藏.

            (註二四)

し得る原料品の「複合的財貨の束]の購入及販費を何時

でも引受ける制度を設けてドルに安定せる眞實贋値を與

えんとする計書で、此の引受けは購入面では政府の紙幣

獲行力と貯藏能力により、販費面では貯藏せる諸財貨の

準備により裏付けられる。此の財貨準備計垂の長所はそ

れ自艦有力な自動的安定装置となり得る事である。印…ち

不況期には準備財貨の購入にょり貨幣量を増し、原料品

             一七一

生慶者の牧入減退を防ぎ一此の生産者の使用する財の市

場を維持する。他方イγフレーション的ブーム⑳時には

  マ          る             し

準備より財を販費しで貨幣量を減少し超過沿…費力を吸牧

し、原料品の有数な供給を追加するのである。併し此の

計書の實行には未だ研究が必要で、就中、「「複合的財貨」

の内容、農業及食糧政策どの關係、國際財貨協定との關9

係、及び鯨剰品の用途には特に研究を要する。

 D 財政汝策と金融政策との關係

 爾者の關係は、極めて密接で、 一方の決定は必す他方に

影響する、特爬直接に接燭する黙は不足の腱理と飴剰の

使用である。例えば前述の如く安定化財政汝策で、は、失

㎜業時は赤山子財政、インフレ喜シーヨン時には里燧+財~政で

あり、金一融政策では失豊添期には金融は綾和し、インフレ

ーシ戸ン時には逼迫する、故に此の爾者を綜合する事が

望ましい。爾此の爾政策の中」前春は立法行爲により後

                     ψ

者は聯邦準備制度及大藏省により支配されて來た。此の

     ●

             一七二

統制の由、元化が大多数の學者により望まれて居る。

第六部若干の國際的要素、

 外國貿易に樹する依存度の高い國汝、師ちその生慶物

め相當部分を輸出し、その國内需要の爲に大いに輸入に

依頼する國汝は、外國貿易に影響する外部的妨害、例え

ば金及び外國爲替準備量の滅少、外國よりの援助或は被

信用能力の制限、輸出晶市場の需要減退等に紳維過敏に

ならざるを得ぬ。而して輸出の減少は輸入の減少で埋合

わせねばならす、國内経濟の不安定に導く、即ち國外事

業の攣 動に影郷冒され不安定になり易く、安定政策は容易

        へ

でない。米國は海外依存度は極く少い。之健亘大な金準

備に起因する、更に外國貿易の全維、濟に占める比率は少

く、且つ現在諸外國の金及外國爲替準備が少い爲、米國

よりの輸入は統制されて居るので、米國の輸人は直ちに・

輸出で封鷹し得るからである。此め事は米國で不況期に

輸入橿壁を高めても役立たぬ事を意味する、米國の外國

貿易依存度は低いが、諸外闘門の…封米貿易依存度は彊いの

で、来國の繁榮叉は不況は諸外國に直接影響する。伺米

                      の

國の一九三〇年代め不況の維験の繰返しを避ける爲不況

の場合、諸外國の米國品輸入に極度の制限が老えられ、

その場合、米國の世界維濟に於ける孤立が老えられる、之

よりも米國は相互依存を絶封望むあので、此の爲に、第

一に繁榮を完成維持し、第二に輸入橋壁を低滅すべきで

ある。米國[の世田外経濟に於ける役割は蝕りにも重大であ

る。米國は外國の維濟力には支配されぬもので診るが、

例えば政治歌勢帥ち軍事的問題、経濟援助問題等には影

響を受ける、例えば國際悟慰勢の亜心化はインフレ可ション

的影響力を持つなどと云う事である。

第七部 市揚政策

 維濟的安定には更に債格賃銀及利潤についての政策或

は統制が必要である。之に際し(一)かの三者の動き方と

(二)その動く度合はどの檬なものであるかの疑問が生す

    「輕濟的不寮定の間題」

るが(一)については未だ確實な分析は無く(二)について

は廣汎な意見の相淫がある。

 賃銀については組織螢働力の彊化による賃上げ要求の

強化によりインフレーシ器ソの危瞼がある、邸ち大艦毎

年平均二%の螢働生産九の上昇があり、此の限度の賃銀

上昇は問題ないが、それ以上はインフレーション的作用

が診る。

,賃銀上昇にょる慢性インフレ,ーショ/ンは財政汝策及金

融政策をディレンマに陥れる、●帥ち金融引締めも産出額

及雇傭…の減少しか結果せぬ事になる。諸學者の之に野す

る封策は非實際的、曖昧なもので直接統剃は自由維濟組

織と樹立し、彊制仲裁は螢資双方から反封され、、ストラ

イキ樋の制限も絵り役立たぬ。之には組合員が=層維濟

的事態を理解する事が一番重要な事である。侮前述の生

産性壇加と賃銀との關係は特定會肚、或は特定塵業のみ

                !

の生産性増加に適合しない、それは全産業の生産性増加

             一七三

の場合にのみ適合する事に注意せねばならない。同時に

賃銀率は全産業大膣同一であらねばならない。

     や                  ぜ

 物摺臥及賃銀の螺旋的{動向は上下共に経濟的安定に窟口害

で、下降期に於て、賃銀の切下げは不況をよび、下況は

亦賃銀切下げをよぶ、反野に、イン.フレーション期には

賃銀上昇は物贋高をよび、それは亦、賃銀上昇をよぶ。

爾組織螢働力の彊化はイツフレージョン的傾向を助長す

るが、デフレーション的傾向には…封抗・する。

 動態経濟に於ては進歩に伴い物債及利潤の攣動が行わ

れるもので、常に新事態に…封する適慮と調整がなざれて

居る故に、粘着ぜる特定の債格等は寧ろ維濟的不安定へ

導くので、響的行爲は維濟の安定を害蒼と考えられ

る。結論として、累積的の賃銀及び物債の螺旋的上下は

安定を破壊する事、生産性の卒均的増加に饗鷹する賃銀

㊨順調的漸次の上昇と諸財貨贋絡の順磨性とが結合する

ならば安定的繁榮に大いに役立つと云う事が云える。

             一七四

,市場政策に於ける問題の程度及びその手段に關しては

経濟學者間に意見の不一致がある。

 、

謌黷フ意見は、.政府は凡ゆる競璽の障壁を除去すべき

で、そこで賃銀、物便及利潤の競寧的市場の自動的操作

により決定さるべきであの隔而して競學が充分活動し傳

ぬ庭にのみ政府のカで規則すべきであるとの見解であ

る。箔二の口兄鯉川は、政府は重要維濟部門一で僧ハ柊州及賃銀吟

             の

統制を行い、斯くて賃銀、物償及利潤に影響を與えると

  ノヒ

云う實質的手段を確保せよと云う意見で、此の場合私的

             {

な力は切詰めちれ、政府の力の籏張がある。第三の意見,

は大會肚の協同、及び勢働組合の如き有力加私的グルー

プは我汝の肚會には固有なもので、之を除去出來るもの

でない、故に賃銀及物債を政府が統制せすに、組織化さ

れたグループにその私的動向に責任を持つべき規則を設

け此の規則が各グループにその自由意志で承認される様

に試みるべきだと云う見解で.ある。併し之は私的の力の

切詰めでない代り其等が公共的機能を充分に履行するか

は疑問で診る。勿論此の見解は競璽を可能的に敷果あら

しめ、高度の猫占性ある事業を公有化或は公の操作の下

 に置く試みを除外し・て居るものではない。

  以上の如き見解及計書の相違は物債賃銀及利潤の問題

 の未解決である事を示すものであるが、併し此の分野に

ぐ於ける困難は、総牧入及総支出生産及雇傭の波動を制限・

 せんとする財政汝策及金融政策の最艮の行使を妨げるも

のではない。

. 註 委員の中ミルトン・フリードマyは市場政策に家の如き

   註鐸を加えて居る。. 、

   一、此σ報肯の、「市場政策〕の一般的大意及主要なる結論

    に不賛成である。           .

   二、市場政策は金融及財政々策と経濟的安定に關し全然異

       ノ

    る關係にある。金融及財政々策は、物便及雇傭の一般的

    攣化を中和する一般的手段であるが、特定の諸便格及諸

    賃銀に於ける強制は種々なる部門間への資源及生産物の゜

     「輕濟的不婆定の問題」

 ノ     噸

 割當には適合するが、一般雇傭産出額及物便の一般的攣

 動を中和するには適さぬ。

三、経濟的不安定の問題に於ける布場政策の存在.理由は不

 営な市場政策即ち特定のグループによる統制を可能にす

 る如きものを排除するにあつて(政府統劇で之に代位す

 ると云5事ではない。

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四、賃銀と物便とに射する政策が別に考慮されて居るが賃

 銀及生産物の憤格は同一の立場に立つて居るもので爾活

 共通に考5べきである。問題は一般的安定的手段にあ

 り、その成功によつて賃銀及物便の螺旋的動向が操除し

得るのである。

五、特定の諸便絡、或は賃銀率の減退又は上昇は種々なる

 部門間の調整を容易にする右益な機能を持つのであるか

 ら「組織勢鋤力」の強化はインフレーシヨソ的傾向に於

 けると同じく不況’的傾向時にも塑ましからぬものであ

 る。

一七五

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註一〇)

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(註一九)

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