子ども服のひもの安全規格 jis l4129 ヨイフク) · 2018-02-26 ·...
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子ども服のひもの安全規格 (JIS L4129 ヨイフク)
~標準化による暮らしの安全~
(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会
NACS 東日本支部 標準化を考える会
日本女子大学家政学部賞 2017年10月26日
◇「規格」について、その目的や意義を理解し、
標準化について研究・啓発・提言を行う。
◇製品等の規格作りに参画し、消費者の声を反映する。
活動目標
標準化することで、社会の課題を解決することを考える。日常生活を 安全に暮らすために、消費者の 視点で安全基準を作る。
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消費者の声を規格へ反映しよう!
<連携の重要性> 消費者:企業と意見交換、実態把握・提言の根拠、成果に繋がる 企業、研究・検査機関:消費者セミナー等に参加・意見交換 啓発パンフレットを協働作成 教育機関(大学等):学生へ情報提供、連携により広く展開 行政:消費者等との連携により、社会の安全に繋げる
2013年 JIS原案作成委員会がスタート
2014年6月公表 2015年12月制定公示 JIS L 4129(ヨイフク)
消費者の強い要望で 規格を提案作成
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どちらを選びますか?
4
危険性①② 子ども服に潜む危険!
①首周りのひも フード▶窒息
②ウエストから 下のひも ▶転倒 ▶ ひきずられ
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こんな事故が起きています!
ひ も が滑り台のわくに引っかかる
首のひも
6
こんな事故が起きています!
フード:規格対象外
▶事故は起こっている
フードがドアノブに引っかかる
フード
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上着やズボンの裾 ひ も が自転車のタイヤに 巻き込まれた
上着すそのひも
こんな事故が起きています! こんな事故が起きています!
8
ひ もが 乗り物のドアやエレベーターの 扉に挟まれた
ズボンすそのひも
こんな事故が起きています!
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子どもが危ない! 標準化で子どもの命を守る!
(一財)日本規格協会「標準化セミナー」2009年に参加して、子ども服に潜む危険性を知る
1. 欧米・中国・韓国・台湾は、 子ども服の安全規格がある 日本は公的な安全基準がない!!
2. 日本でも子ども服の事故が発生? 安全規準を作り規格化する必要性
子ども服の安全対策 「統一安全基準の必要性」を取上げ
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海外の子ども服安全規格
アジア 中国・韓国・台湾 制定済
アメリカ 1997年制定 米国材料試験協会(ASTM) イギリス 1997年制定 英国規格協会(BSI) 2007年改訂 ※先進的(ひも以外に フード・ファスナー・ボタン等も規定)
EU 2004年制定 欧州標準化委員会(CEN)
→加盟各国で適用
11 日本は 公的な安全基準がない!!
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東京都 “子ども用衣類の安全確保について” H19年3月
■危害、危険、ひやり・ハットを経験した人→77% ■6人に1人の→実際に危害 ■事故をどこにも連絡していない人→96%
全国日本婦人子供服工業組合連合会(全婦連)平成20年6月
“子供衣料の設計に関する安全対策ガイドライン”
1歳~12 歳 フード、フード及び襟首の引きひも、上着・ズボンの裾のひも等
安全基準等を探したら・・・
他に有用なデータはない ⇒
子ども服の安全基準(JIS規格)を作るために
意見交換・情報収集・独自の調査を開始
百貨店、スーパー
ガイドラインを逸脱している商品 ごくわずか
インターネットで商品検索
フードの引きひものついている商品 多数販売
全婦連ガイドラインの普及実態調査 (店頭・インターネット)2010年8月~10月
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危害内容
0 10 20 30 40 50
破損・折損
操作・使用性の欠落
その他
部品脱落
化学物質による危険
バリ・鋭利
異物混入
なし
針
ファスナー
皮膚障害
ボタン
危険内容
国民生活センターPIO-NETにおける事故事例調査 2004年4月~2010年9月(109件) 2010年10月情報開示請求
子ども服のひもに関わる事故情報はない
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事業者アンケートの実施 2010年11月~12月
目的 :全婦連ガイドラインの周知度 フードやひも、装飾品の取り付け基準はあるか 統一安全基準は必要か 依頼数 70社:メーカー、百貨店、スーパー、販売、通販等
回答数:25社 回答率 :35.7%
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アンケートの結果 Q 「全婦連ガイドラインを知っていますか?」 A 1.知っている 20社(80%)
①対応済み: 8社(32%) ②対応中 9社:(36%) ③対応予定無し : 1社(4%) 他 2.知らない 5社(20%)
→8割が知っているが、対応は様々
子ども服の事故情報は極めて少なく、事故報告 される仕組みがない、行政が把握できていない
統一安全基準の策定は事業者にとってもメリット
アパレルは中小が多い、業界団体に所属していない、情報が行き届かない、通販やインターネットでは危険な製品が多い⇒業界全体の合意は難しい
現状と問題点
各社の自主基準は様々で安全対策のレベルは バラバラ
海外には安全規格がある、日本にはない
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意見交換 2011年4月~9月
経済産業省
内閣府 消費者委員会
キッズデザイン 協議会
子どもが事故にあう可能性を放置 するのは社会にとってリスクがある
親のリスク認識を高める努力が 消費者にも必要
事故情報の調査や事業者との協議を踏まえた規格原案の作成を考える
産業技術総合 研究所
病院・消防署との連携がポイント JISは行政ではなく事業者自ら 作るべき
子どもを守る為に規格を作ろう
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テーマ:子ども服の安全性と標準化 1.「子ども服の安全規格の必要性」について 発表・問題提起 2.パネルディスカッション 事業者・消費者・行政・消費者問題専門家
参加者約80人の半数以上がアパレル関連事業者
標準化セミナー開催 2011年11月19日
「子ども服の安全規格求める声」として 読売新聞に取り上げられる(2012年7月)
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読売新聞 子ども服 安全規格求める声
会場: 標準化は事業者自らがすべきで、重篤な事故に繋がるケースを問題に。消費者の意見は主観的でなく論理的に
事業者団体:全婦連ガイドラインの周知を目指しているが 標準化のためには外力が必要
消費者:危険な子ども服を見せ、安全に配慮した基準を
メーカー:各社の安全対策にはバラツキがあり、安全性の
レベルは十分ではない
パネルディスカッション
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セミナー後のアンケート回答
「統一した安全基準は必要か?」⇒98%が必要・あった方がいい
<講評> 子ども服の事故防止の重要な視点が網羅 調査内容は社会有用性が高い 提言をどのように公知化していくかが重要
リサーチ分野 子どもの安全安心デザイン 子ども部門
2012年7月 第6回キッズデザイン賞受賞
子ども服の統一安全基準の早急な策定を提言
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NPO キッズデザイン協議会 安全性とデザイン性は両立する
マスメディアの反響・威力
各新聞の他 テレビ6番組、ラジオ2番組で 子ども服の標準化問題が紹介(2012~2013年)
⇒視聴者等からの意見・情報をフィードバックして貰う
暮らし解説
あさイチ
UP!
NHKTV
NHKTV
名古屋TV
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メディア出演で得た情報FAX
<事故事例> ・ズボンの裾のひもがエスカレーターにひっかかり 転倒 ・(見知らぬ男に)後ろからフードを引っ張られた
<保護者等からの意見> ・フードは周りの物音が聞こえず危険 ・事故につながる危険性を予測しない保護者が多い ・以前から危険に思いこのテーマ待っていた ・ズボン裾のひもなど危険な服が多すぎる ・シンプルな服がない ・子どもの活動を想像し安全第一で作ってほしい
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<教師・保育士からの意見> ・フード・ひもの危険は以前から母親に伝えてきた
・デザイン重視の子ども服が安価に手に入る
・危険性を理解し協力してもらうことが難しい
・テレビでこのテーマを取り上あげ たことは画期的! ・母親達との話題にし、子どもの 安全を守りたい!
メディア出演で得た情報FAX
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より良いJIS制定の為に2012年12月
多くの自治体(保育課)
・子ども服の危険性について認識 ・独自の決まりはない ・対応は各保育園に一任
保育現場(保育園・幼稚園) ・フードやひもの危険性は認識 ・保護者に注意を呼び掛けている
親から「フードの無い子ども服が売ってない」
保育の現場調査(都内・多摩・神奈川)
事業者は保育現場の取り組みを知らない! 25
Q あなたの服は、誰が選んでいますか?
経済産業省「夏休み子ども見学デー」 2013年8月7日・8日
アンケート&意見聞き取り調査 回答数:194枚 (大人127人・ 子ども126人 重複あり)
実態調査 子どもの声を聞いてみよう!
[分類
名], [値]
[分類名],
[値]
[分類
名],
[値]
[分類
名],
[値]
父, 1% 家族, 1%
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Q.フードは好きですか?
<すき> ・かわいい ・雨の日に傘がわり
<どちらでもない> ・学校・幼稚園で禁止 ・かわいいけど 引っかかりそう
<きらい> ・じゃま ・危ない
7割の子どもたちが どちらでもないか嫌い
子どもの声
[分類名],
[値]
[分類名],
[値]
どちらでも
ない, 46%
[分類名],
[値]
27
Q. ひもは好きですか?
<すき> ・かわいい ・調節できる
<きらい> ・じゃま めんどう ・ひっかかる ・学校に着ていけ ない
<どちらでもない> ・あっても意味がない ・必要ない 8割の子どもたちが
どちらでもないか嫌い
子どもの声
[分類名],
[値]
[分類名],
[値]
どちらでもな
い, 42%
[分類名],
[値]
28
・子どもを社会全体で守る ・子どもだけでなく、高齢者、障がい者、全ての 人に安全で安心な暮らしに繋がる ・標準化の手法で、子どもが健康に安全に暮ら せる環境を訴求
・消費者自らが公的な安全基準策定を提案 ・子ども服の安全性とデザイン性は両立する
JIS L 4129(ヨイフク)の意義
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※参考 ISO/IECガイド50 「安全側面ー規格及びその他の仕様書における子どもの安全の指針」
~子どもの安全を守る為には どういうことに注意して取り組むか~
例えば、先の尖っているものは丸く、頭や手足が挟まる隙間をなくす、首や手足が引っかかるひもは取る・・ 子どもの発達・行動・危害を考えた安全対策 子どもが傷害を負うリスクを最小限に抑える製品を開発
子どもの安全性についての国際的な指針 JIS Z 8050 2016年12月制定
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(子ども14歳未満)
子ども用品だけでなく、あらゆる製品・サービス・プロセスに適用
日本は新生児死亡率は世界最低、幼児(1~4歳)死亡率は高い!幼児死因の上位は「不慮の事故」
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<背中のひも>
<股より下のすそのひも>
<頭、および首まわりのひも>
垂れ下がっているひもをつけることは できません
背中から出るひもは つけられません
股より下に裾がある場合、垂れ下がったひもをつけることはできません (例:上着、ズボンの裾)
JIS L 4129(ヨイフク) (13歳未満が着用する子ども服が対象)
この他、年齢やひもの場所に応じて決められている 7歳未満には、首周りのヒモに厳しい基準 33
NACS東日本支部 標準化を考える会
ご清聴 ありがとうございました
連絡先・研究会HP
34
:http://nacs-east.jp/kenkyukai/hyoujyunka.htm