日本財団第3回自殺意識調査...1.世界的にも数少ない自殺に関する大規模追跡調査...

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日本財団 第3回自殺意識調査 【要約版】 2019年3月 1

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Page 1: 日本財団第3回自殺意識調査...1.世界的にも数少ない自殺に関する大規模追跡調査 3 「追跡調査(パネル調査)」とは・・・・・ 同一人物に対して継時的に同一の項目を尋ねることで

日本財団 第3回自殺意識調査【要約版】

2019年3月

1

Page 2: 日本財団第3回自殺意識調査...1.世界的にも数少ない自殺に関する大規模追跡調査 3 「追跡調査(パネル調査)」とは・・・・・ 同一人物に対して継時的に同一の項目を尋ねることで

日本財団における自殺対策事業

日本財団いのち支える自殺対策プロジェクト

自治体実践モデル構築

長野県/東京都江戸川区

モデルづくり 調査

実態の解明、社会啓発

対策への提言

自殺対策基本法改正 2016年4月

自殺対策の自治体実践モデルを全国の自治体へ

2

誰も自殺に追い込まれることのない社会へ

Page 3: 日本財団第3回自殺意識調査...1.世界的にも数少ない自殺に関する大規模追跡調査 3 「追跡調査(パネル調査)」とは・・・・・ 同一人物に対して継時的に同一の項目を尋ねることで

調査概要調査の特徴

1.世界的にも数少ない自殺に関する大規模追跡調査

3

「追跡調査(パネル調査)」とは・・・・・同一人物に対して継時的に同一の項目を尋ねることで時系列変化を把握する調査であり、自殺念慮や未遂の要因を探ることができる。

2.自殺念慮、自殺未遂の原因を解明

3.2016年調査回答者の追跡調査として継続実施2017年 第1弾追跡調査【第2回調査】2018年 第2弾追跡調査【第3回調査】(本調査)

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調査概要

期間

方法

日本全国における自殺念慮と自殺未遂の実態を明らかにすることで、自殺対策の必要性について社会の機運を醸成し、自殺対策の推進に寄与すること

目的

対象

回収数

4

2.補充調査分有効回答数: 3,126件

1.追跡調査分:全都道府県20歳以上の男女(第2回調査有効回答者)

1.追跡調査分有効回答数:15,362件 有効回答率:72.6%

2.補充調査分:全都道府県18~22歳以上の男女(人口構成比による割付)

インターネット調査 「あなたご自身に関するアンケート」

2018年11月22日(木)~12月7日(金)

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若年層などの自殺率比率の推移(1997年=100)

第3回自殺意識調査の特徴

5

若年層に焦点(本調査では18~22歳)・自殺が死因の第1位・自殺率が他の年齢層のように減少せず

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調査結果<10のファクト>

6

「いざという時に何もしてくれない」「正直者がバカを見る」「希望が持てない」

など日本社会に対するイメージが悲観的

「自殺は個人の問題」ではないと考えている一方で、

「自殺はしてはいけない」とは考えていない

1

2

他の年代と比較した若年層(18~22歳)の意識

3 「自己有用感」が低い

Page 7: 日本財団第3回自殺意識調査...1.世界的にも数少ない自殺に関する大規模追跡調査 3 「追跡調査(パネル調査)」とは・・・・・ 同一人物に対して継時的に同一の項目を尋ねることで

調査結果<10のファクト>

5

7

4

「不登校」経験も

若年層の自殺念慮・未遂に強く関連

若年層の自殺念慮・未遂の最大原因として

それぞれ4人に1人がいじめと回答

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調査結果<10のファクト>

8

7若年層の主要な相談相手は

両親・祖父母、友人、恋人

8

孤独を感じたときは、積極的に

知った相手と接触を図ることが自殺リスクの低減につながる

6若年層の6割近く

カウンセラーなど心理専門職への相談に

レッテル貼りを恐れ、抵抗感

Page 9: 日本財団第3回自殺意識調査...1.世界的にも数少ない自殺に関する大規模追跡調査 3 「追跡調査(パネル調査)」とは・・・・・ 同一人物に対して継時的に同一の項目を尋ねることで

調査結果<10のファクト>

昨年回答時点の自殺念慮者の3人に2人、

自殺未遂者の10人に7〜8人で

状況は改善されず継続9

10

9

自殺念慮のリスクが高い持病として

摂食障害、てんかん

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1若年層は「希望が持てない」 「いざという時に何もしてくれない」「正直者がバカを見る」など日本社会に対するイメージが悲観的

10

「日本は希望がもてない社会だ」と考えている比率

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2「自殺は個人の問題」ではないと考えている一方で、「自殺はしてはならない」とは考えていない

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「自殺は個人の問題」ではないと考えている比率 「自殺はしてはならない」とは考えていない比率

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3 「自己有用感」が低い

12

若年層の自己有用感

18

19

20

21

18~22歳 23歳~

自己有用感

(存在感)

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0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

いじめ 不和 学業 不登校 孤独 部活 中退 社会圧 その他

4若年層の自殺念慮・未遂の最大原因はいじめ(それぞれ4人に1人)

13

学校問題(若年層)

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5「不登校」経験も若年層の自殺念慮・未遂に強く関連

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1年以内の自殺念慮・未遂経験への学校関連の経験(現在と過去)の影響力

*係数はそれぞれの出来事の未経験者を「1」とした時のオッズ比

2.1 2.2

1.2

2.6

0.8

1.1

1.0

2.1 1.2 1.2

0.5

1.3 2.0

5.3

2.1

1.0 0.9 0.9

1.3

3.3

1.3 1.2

0.4

1.2

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

学業成績の不振や急

激な低下

不登校

学校でのいじめ

学校での人間関係の

不和

転校

進路に関する悩み

学業成績の不振や急

激な低下

不登校

学校でのいじめ

学校での人間関係の

不和

転校

進路に関する悩み

現在+1年以内の経験 過去の経験

1年以内の自殺念慮 1年以内の自殺未遂

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21.5%

5.2%

56.4%

16.9%

第1G 第2G 第3G 第4G

6若年層の6割近くは、カウンセラーなど心理専門職への相談にレッテル貼りを恐れ、抵抗感を感じている

15

助けを求める意識(若年層 グループ別)

強い 弱い

高い専門職以外に

相談するグループ(第3G)

最も相談するグループ(第4G)

低い −最も相談しないグループ(第2G)

相談へのレッテル・抵抗感

相談への信頼・期待

ほどほど

(第1G)

助けを求める意識の有無による若年層(22歳以下)のグループ分け

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7若年層の主要な相談相手は、両親・祖父母、友人、恋人

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自殺念慮者・未遂者の相談率上位の相談先(若年層)

不特定多数が見るサイト

カウンセラー・相談員

テレビ・ラジオ・雑誌投稿

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8孤独を感じたときは、積極的に知った相手と接触を図ることが自殺リスクの低減につながる

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孤独への対処による自殺念慮への影響

1. 他者との接触(メール・電話・SNSでのやりとり、直接会う)

2. 前向きな認知の変化や活動(楽しいことを考える、開き直る、買い物、何かに熱中)

3. 身近な欲求解消行動(寝る・食べる、TV、音楽を聞く)

4. 内省・忍耐(空想、時間が経つのを待つ、自分を見つめ直す

5. 芸術(映画・コンサート・劇の観賞、読書)

6. インターネット利用(ゲーム、ネット視聴)

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9昨年回答時点の自殺念慮者の3人に2人、自殺未遂者の10人に7〜8人で状況は改善されず継続

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(1年以内)

(1年より前)

過去1年以内の自殺念慮の有無(2017年)

(1年より前)

(1年以内)

過去1年以内の自殺念慮の有無(2018年)

1年より前

にある 21%1年以

内に

ある

3%

ない

76%

自殺念慮の有無(2016年)

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10自殺念慮のリスクが高い持病として、「摂食障害」「てんかん」

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持病(精神疾患)の違いによる2018年の自殺念慮(持病者15名以上)

持病(精神疾患以外)の違いによる2018年の自殺念慮(持病者20名以上、上位20位)