「高格付け安全資産」としてのjgbの重要性と財政 …...1-1...

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「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政再建 2018/ 3/ 14 (水) Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved. (株)みずほ銀行 グローバルマーケッツ部門共同部門長 常務執行役員 大島 周 財政制度等審議会 財政制度分科会 資料

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「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政再建

2018/ 3/ 14 (水)

Copyright (c) Mizuho Bank, Ltd. All Rights Reserved.

(株)みずほ銀行 グローバルマーケッツ部門共同部門長常務執行役員 大島 周

財政制度等審議会 財政制度分科会資料2

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1.「高格付け」「安全資産」としてのJGB

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1-1 投資対象としてのJGB

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1-1 JGBの保有状況

4

(出所:財務省)

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0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

90%

100%

財政投融資資金

家計

企業年金

公的年金

海外

生保

国内銀行等

中央銀行

1-1 投資家別 日本国債の保有割合推移

5

※ TDB除く、国内銀行等にはゆうちょ銀行及び農林系金融機関を含む (出所:日本銀行)

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-300

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0

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200

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400

350

400

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650

70019

92

1993

1994

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1998

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2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

預貸差(右軸)

預金(左軸)

貸出(左軸)

(兆円) (兆円)

1-1 邦銀の円貨預貸ギャップ

6

(出所:日本銀行)

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1-1 預貸ギャップとJGB金利

7

(1.0)

0.0

1.0

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5.0

6.0

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-300

-250

-200

-150

-100

-50

0

50

100

15019

92

1993

1994

1995

1996

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016

2017

預貸差(左軸)

日本国債10年利回り(右軸)

(兆円) (%)

(出所:日本銀行)

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8

1-1 日本国債のバーゼル規制上のリスク・ウエイト

リスクウェイト 市場規模

国債 0% 997兆円

地方債 0% 71兆円

クレジット債 20~150% 154兆円

株式 250% 580兆円

REIT 250% 8兆円

市場流動性の面からも、リスクウェイトの面からも、JGBを代替する円建て運用資産は存在せず。

バーゼル委員会における議論• 現行のバーゼル規制上の取扱いが、自国銀行による欧州周縁国国債の保有を容易にし、ユーロ圏の

債務・銀行危機を深刻化させたのではないか、との問題意識が出発点。• バーゼル委員会は、2015年1月以降、考えられる対応策について、注意深く、包括的に、時間をかけて議論。• 2017年12月7日、バーゼル委員会がソブリン・エクスポージャーに関する検討を完了し、現行の規制上の取扱

いを維持することを決定、公表。

将来的にリスクウェイトが引き上げられれば、銀行の国債保有方針に大きく影響

※ 市場規模は2017年3月末時点。但し、クレジット債は2016年3月末時点における当行試算値。※ 株式およびREITは時価総額、それ以外は発行残高。

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0

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25

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35

2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

民間金融機関

日銀

(兆円)

1-1 国債金利上昇時のインパクト

9

【民間金融機関・日銀の円金利リスク量(100BPV)】

(注)日銀は、国債の評価について、償却原価法を採用。国債価格が暴落した場合でも、日銀のP/L上は(B/S上も)影響なし。

(出所:日本銀行、みずほ銀行)

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10

1.2 担保利用としてのJGB

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1-2 規制強化と担保需要の増加

11

取引当事者A 取引当事者B

店頭デリバティブ取引

Initial Marigin(当初証拠金)

Variation Margin(変動証拠金)

清算集中されない取引について証拠金の授受を行うことにより信用リスク・市場リスクをカバー

証拠金種類 概要

当初証拠金(IM)Initial Margin

取引相手のデフォルトに伴うポジション再構築時に、かかる時価変動分をカバーするための合理的な見積額。日本国債のほか、規制で定められた適格担保を、ネットせず当事者同士互いに拠出しなければならない。

変動証拠金(VM)Variation Margin

デリバティブ取引の時価に対応する証拠金、日々の時価変動をオフセットするもの。適格担保は主に現金。

<マージン規制>中央清算されない店頭デリバティブ取引につき、取引当事者間の証拠金の授受を義務付けることにより、相対取引におけるカウンターパーティリスクの削減を図る規制。

本邦では、2016年9月より段階的に当初証拠金の義務対象者が拡大。変動証拠金は2017年3月より一律義務化。

2016年9月以降、規制要件を満たしたCSA契約(担保管理にかかる契約)を締結し証拠金授受が求められることから、本邦金融機関を中心に担保としての日本国債需要が増加。

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1-2 規制強化と担保需要の増加

12

担保契約(ISDA)件数の推移 (契約件数)

(件) 東京市場におけるOTCデリバティブ取引の担保化に関する市場調査(2017年)

※回答23社:(うち銀行13社、証券7社、資産管理サービス信託銀行・運用会社3社)(出所:ISDA)

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1-2 規制強化と担保需要の増加

13

<方針として受け入れている担保> <方針として差し入れている担保>

※回答23社:(うち銀行13社、証券7社、資産管理サービス信託銀行・運用会社3社)※「その他」は、現金(豪ドル、韓国ウォン、INR)、欧州国債、英国債、韓国国債、投資信託等

(出所:ISDA)

東京市場におけるOTCデリバティブ取引の担保化に関する市場調査(2017年)

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1-2 規制強化と担保需要の増加

14

<実際に受け入れている担保額(億円)> <実際に差し入れている担保額(億円)>

※回答23社:(うち銀行13社、証券7社、資産管理サービス信託銀行・運用会社3社)※IMは当初証拠金(証拠金規制対象)、IAは独立担保額(証拠金規制非対象)、VMは変動証拠金(Legacy、規制施行後の取引を含む)※総額のみの回答者があるため、表の「合計額」はIM+IA+VMの合算値と一致しない。

(出所:ISDA)

東京市場におけるOTCデリバティブ取引の担保化に関する市場調査(2017年)

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1-2 邦銀の収益力低下と外貨建資産へのシフト(2)

15

邦銀の通貨別資産推移利鞘推移

【主要行の国内貸出残高と利鞘】 【主要行の海外貸出残高と利鞘】

主要行等:みずほ銀行、三菱東京UFJ 銀行、三井住友銀行、りそな銀行、三菱UFJ 信託銀行、みずほ信託銀行、三井住友信託銀行、新生銀行、あおぞら銀行

(出所:金融庁) (出所: 金融庁)

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1-2 国内企業の海外進出状況

16

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

2006 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年度)

(社)

(資料)経済産業省「海外事業活動基本調査」より、みずほ総合研究所作成

【現地法人企業数の推移】

0

50

100

150

200

250

300

2006 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (年度)

(兆円)

(資料)経済産業省「海外事業活動基本調査」より、みずほ総合研究所作成

【現地法人売上高の推移】

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1-2 本邦対外資産残高の推移

17

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1996 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16

(兆円)

(年)

(出所:財務省)

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1-2 邦銀大手行の外貨預貸ギャップ

18

-1,000

-800

-600

-400

-200

0

200

400

600

800

1,000

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000 20

10/0

1

2010

/07

2011

/01

2011

/07

2012

/01

2012

/07

2013

/01

2013

/07

2014

/01

2014

/07

2015

/01

2015

/07

2016

/01

2016

/07

2017

/01

2017

/07

預貸差 (右軸)

貸出金 (左軸)

預金 (左軸)

(10億ドル) (10億ドル)

(出所:日本銀行)

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1-2(4) クロスカレンシーレポ

19

クロスカレンシーレポのスキーム説明図

○ クロスカレンシーレポ(担保証券と異なる通貨建てのレポ取引)が国内金融機関の外貨調達手段として拡大。⇒契約によってはJGB格下げ(BBB格)で適格担保から外れる可能性も。

【クロスカレンシーレポ取引の概念図】

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1-2 クロスカレンシーレポによる調達の推移 (みずほ銀行)

20

(出所:みずほ銀行)

0

20

40

60

80

100

120

2012 2013 2013 2014 2014 2015 2015 2016 2016 2017 2017

(注)直近の残高を100として指数化したもの。

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1.3 国債利回り上昇の財政への影響

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1-3 中長期の経済財政試算の前提となる名目長期金利

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(出所:内閣府)

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23

〔ベースラインケース〕

(注)1. 内閣府の試算は「経済財政モデル」で内生的に計算された金利の値を用いており、金利水準が事前に想定されているわけではない。そのため、本グラフはあくまで目安であることに留意。2. 成長率等は内閣府の試算値を使用し、実効金利に応じた利払いの変化分のみを公債残高の変化とした。3. 長期金利と実効金利の関係を踏まえ、長期金利の±1%の変動を実効金利に反映。

(資料) 内閣府「中長期の経済財政に関する試算」(2016/7/26)より、みずほ総合研究所作成

〔経済再生ケース〕

1-3 国債利回り上昇が財政再建に与える影響 (債務残高/GDP試算)

160

170

180

190

200

210

220

2014 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

(GDP比、%)

金利1%下振れ

金利1%上振れ

内閣府(ベースライン)

(年度)

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180

190

200

210

220

2014 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24

(GDP比、%)

金利1%下振れ

金利1%上振れ

内閣府(ベースライン)

(年度)

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(ご参考)日本国債10年タームプレミアムの推移

24

(出所:日銀、Bloombergより みずほ銀行試算)

-2

-1

0

1

2

3

-2

-1

0

1

2

3

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

期待インフレ率(5年先5年インフレSWAP)

潜在成長率

タームプレミアム

日本国債10年利回り

(%)(%)

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【日本国債格付け推移】

ムーディーズ S&P フィッチ

1992/7/27 AAA

1993/5/7 Aaa

1995/10/26 AAA

1998/11/17 Aa1 (DOWN)

2000/6/29 AA+ (DOWN)

2000/9/8 Aa2 (DOWN)

2001/2/22 AA+ (DOWN)

2001/11/26 AA (DOWN)

2001/11/27 AA (DOWN)

2001/12/4 Aa3 (DOWN)

2002/4/15 AA- (DOWN)

2002/5/31 A2 (DOWN)

2002/11/21 AA- (DOWN)

2007/4/23 AA (UP)

2007/10/11 A1 (UP)

2008/6/30 Aa3 (UP)

2009/5/18 Aa2 (UP)

2011/1/27 AA- (DOWN)

2011/8/24 Aa3 (DOWN)

2012/5/22 A+ (DOWN)

2014/12/1 A1 (DOWN)

2015/4/27 A (DOWN)

2015/9/16 A+ (DOWN)

現在の格付(見通し)

A1(安定的)

A+(安定的)

A(安定的)

【格付会社のコメント】

・財政赤字削減目標の達成可能性に関する不確実性の高まり・デフレ圧力下での成長促進策のタイミングと有効性に関する不確実性・中期的な日本国債の利回り上昇リスクの高まりと債務負担能力の低下・将来のネガティブアクションにつながる状況:財政目標達成に向けての軌道を大きく外れた場合、デフレ圧力が高まった場合、景気モメンタムが深刻に悪化した場合、経常黒字が恒常的な赤字に転じた場合。

【2014/12/1】 ムーディーズ 『財政再建』

・財政再建に対する政治的コミットメントへの不透明感増大・消費増税を先送りと、これを穴埋めする財政健全化策が打ち出せていない・15年度に続き16年度も法人減税を実施する意向であること・将来のネガティブアクションにつながる状況:財政再建に対するコミットメント低下が明白になった場合、マクロ経済が低迷し財政安定化における問題が深刻化した場合、投資家の国債保有に対する要求利回りが急激に上昇しかつこれが継続する場合

【2015/4/27】 フィッチ 『財政再建』

・デフレ脱却や経済成長を目指した日本政府の経済政策(アベノミクス)の効果が導入当初に比べて低下。日本の経済力が日本政府の信用力を下支えする効果も短期的には改善する可能性が低くなった。・「日本経済が、ソブリンの信用力がS&Pが従来想定していた水準まで改善するための支えとなるほど十分に回復する可能性は低下したとみている」

【2015/9/16】 S&P 『経済を背景とした信用力』

(投資基準等への影響)

・バーセル標準的手法: A+~BBB-は同分類(ヘアカットも同一)・中銀等: シングルA格以上を投資適格としているケースが多い

(投資基準等への影響)

(ご参考)日本国債の格付け推移

(出所:ムーディーズ、フィッチ、S&Pよりみずほ銀行作成)

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(ご参考)国内外主要金融機関の格付け推移 ※

26

(出所:S&P、Bloombergよりみずほ銀行作成)(※) 各社格付はS&Pの長期自国通貨建発行体格付

JPモルガン GS BOAメリルリンチ BNPパリバ ドイチェ クレディ・スイス 三菱UFJFG 三井住友FG みずほFG2006/12/14 A+ AA- AA- AA AA- A+ A- A- A-

2007/2/14 AA-(UP) - AA(UP) - - - - - -

2007/6/18 - - - - - - A(UP) A(UP) A(UP)

2007/7/10 - - - AA+(UP) - - - - -

2007/8/2 - - - - AA(UP) - - - -

2008/8/1 - - - - AA-(DOWN) - - - -

2008/9/15 - - AA-(DOWN) - - - - - -

2008/12/19 A+(DOWN) A(DOWN) A+(DOWN) - A+(DOWN) A(DOWN) - - -

2009/1/28 - - - AA(DOWN) - - - - -

2009/3/3 - - A(DOWN) - - - - - -

2011/10/14 - - - AA-(DOWN) - - - - -

2011/11/29 A(DOWN) A-(DOWN) A-(DOWN) - - - - - -

2012/10/25 - - - A+(DOWN) - - - - -

2013/7/1 - - - - A(DOWN) A-(DOWN) - - -

2015/2/3 - - - - - BBB+(DOWN) - - -

2015/6/9 - - - - BBB+(DOWN) - - - -

2015/9/17 - - - - - - - A-(DOWN) A-(DOWN)

2015/12/2 A-(DOWN) BBB+(DOWN) BBB+(DOWN) - - - - - -

2016/3/11 - - - A(DOWN) - - - - -

2017/3/28 - - - - A-(UP) - - - -

2017/11/22 - A-(UP) - - - - - - -

2017/11/29 - - - - - - A-(DOWN) - -

Page 27: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

(ご参考)欧州債務危機時の各国国債金利の動き

27

-5

0

5

10

15

20

25

30

0 20 40 60 80 100

ギリシャ

ポルトガル

イタリア

スペイン

ドイツ オランダ

ベルギーフランス

オーストリア

(%)

(%)-5

0

5

10

15

20

25

30

0 50 100 150 200

ギリシャ

ドイツ

ポルトガル

イタリア

ベルギー

スペイン

オランダ

フランス

オーストリア

(%)

(%)

【欧州各国の債務残高/GDPと欧州債務危機時の金利変化】 【欧州各国債の外国保有比率と欧州債務危機時の金利変化】

債務残高/GDP 各国債の外国保有比率

金利変化

金利変化

(出所:Bloomberg、IMF、ECB)

(注)金利変化は2007年末から2011年末にかけての変化。債務残高/GDPと外国人の国債保有比率は2010年末時点。

Page 28: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

28

(ご参考)欧州債務危機時の各国国債金利の動き

(出所:Bloomberg、IMF)

0

50

100

150

200

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

2000

2001

2002

2003

2004

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2014

2015

2016

2017

イタリア10年国債利回り

イタリア債務残高対GDP比

(%) (%)

0

50

100

150

200

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

2000

2001

2002

2003

2004

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2014

2015

2016

2017

スペイン10年国債利回り

スペイン債務残高対GDP比

(%) (%)

0

50

100

150

200

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

2000

2001

2002

2003

2004

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2014

2015

2016

2017

ギリシャ10年国債利回り

ギリシャ債務残高対GDP比

(%) (%)

0

50

100

150

200

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

14.0

16.0

2000

2001

2002

2003

2004

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2014

2015

2016

2017

ポルトガル10年国債利回り

ポルトガル債務残高対GDP比

(%) (%)

Page 29: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

(ご参考)国内外投資家別の欧州債、日本国債の保有割合

29

国内, 59%

海外, 42%

国内, 55%

海外, 45%

【イタリア】 【スペイン】

国内, 37%

海外, 63%

【ポルトガル】

国内, 30%

海外, 70%

【ギリシャ】

(2010年時点、出所:ECB、日銀)

【日本】

国内, 96%

海外, 4%

Page 30: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

30

2.日本の財政状況と早期再建の重要性

Page 31: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

31

2.1 日本の財政状況

Page 32: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

32

2-1.日本の財政状況 (一般会計税収、歳出総額及び公債発行額の推移)

(出所:財務省)

2.1 3.5 4.5 4.3 6.3 7.2 5.9 7.0 6.7 6.4 6.0 5.0 2.5 1.0

0.2 0.8 2.0

9.2 8.5

16.9

24.3 21.9 20.9

25.8 28.7 26.8

23.5 21.1 19.3

26.2

36.9 34.7 34.4 36.0

33.8 31.9 28.4 29.1 28.3 27.6

3.2 3.7

5.0 6.3 7.1 7.0

7.0 7.0 6.8 6.4 6.3 6.2

6.9 6.2 6.4 6.3 6.7

9.5

16.2 12.3

16.4

10.7 9.9

17.0

13.2

11.1 9.1

9.1 6.7 8.7

7.8

6.4 6.0

7.0

15.0

7.6 8.4 11.4

7.0 6.6

6.5 8.9

7.3 6.1

13.8 15.7

17.3

21.9 23.7

26.9 29.0

30.5 32.4

34.9 38.2

41.9

46.8

50.8

54.9

60.1 59.8

54.4 54.1 51.0 51.9 52.1

53.9

49.4 47.2

50.7 47.9

43.8 43.3 45.6

49.1 49.1 51.0

44.3

38.7 41.5 42.8

43.9

47.0

54.0

56.3 55.5 57.7 59.1

20.9 24.5

29.1

34.1

38.8

43.4 46.9 47.2

50.6 51.5 53.0 53.6

57.7 61.5

65.9 69.3 70.5 70.5

75.1 73.6 75.9

78.8 78.5

84.4

89.0 89.3

84.8 83.7 82.4 84.9 85.5

81.4 81.8

84.7

101.0

95.3

100.7 97.1

100.2 98.8 98.2 97.5 99.1 97.7

5.3 7.2

9.6 10.7

13.5 14.2 12.9 14.0 13.5 12.8 12.3 11.3

9.4 7.2 6.6 6.3 6.7

9.5

16.2

13.2

18.4 19.9

18.5

34.0

37.5

33.0

30.0

35.0 35.3 35.5

31.3

27.5 25.4

33.2

52.0

42.3 42.8

47.5

40.9 38.5

34.9

38.0 35.6

33.7

0

20

40

60

80

100

120

50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

(兆円)

(年度)

一般会計歳出

一般会計税収

4条公債(建設公債)発行額

特例公債(赤字公債)発行額

(注1)平成28年度までは決算、平成29年度は補正後予算案、平成30年度は政府案による。(注2)公債発行額は、平成2年度は湾岸地域における平和回復活動を支援する財源を調達するための臨時特別公債、平成6~8年度は消費税率3%から5%への引上げに先行して行った減税による租税収入の減少

を補うための減税特例公債、平成23年度は東日本大震災からの復興のために実施する施策の財源を調達するための復興債、平成24年度及び25年度は基礎年金国庫負担2分の1を実現する財源を調達するための年金特例公債を除いている。

Page 33: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

33

2-1.日本の財政状況

P10

(出所:財務省)

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34

2-1.日本の財政状況

P28

内閣府の試算によると、名目3%、実質2%以上の成長が実現した場合でも、2020年までに国・地方のPB黒字化は達成されない見通し。

(出所:内閣府)

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35

2ー2 国民負担と社会保障のバランス

Page 36: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

2-2 国際的な比較(1)

36

(注)政府は中央政府と地方政府の合計(一般会計・2014年度)

総支出の対GDP比は国際的に下位である一方、社会保障支出は中程度に位置

(出所:財務省)

Page 37: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

37

2-2 国際的な比較(2)

租税収入は国際的に下位であり、財政収支も諸国に比べ悪い状況

(出所:財務省)

Page 38: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

2-2 OECD諸国における社会保障支出と国民負担率の関係

38

日本は社会保障支出が中程度である一方、国民の負担率が諸外国対比で低い。

(出所:財務省)

Page 39: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

39

2-2 国民負担率の国際比較

P29

※国民負担率 : 租税負担率 + 社会保障負担率

(出所:財務省)

【 主要国の国民負担率(対GDP比、2014年) 】

Page 40: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

40

2ー3 人口動態の見通し

Page 41: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

2-3 高齢化の推移と見通し:2050年以降、高齢化率は4割弱へ

◯ 戦後一貫して続いてきた人口ボーナス局面から、人口オーナス局面に転換

◯ 1990年代以降は急速に高齢者の比率が高まり、2050年以降、65歳以上人口比率は4割近くに

‧ 今後は特に75歳以上人口の増加が顕著

【 年齢4区分別人口と高齢化率の推移と見通し 】

(注) 各年10月1日現在。高齢化率は65歳以上人口比率。(資料) 総務省「国勢調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(2017年4月推計)より、みずほ総合研究所作成

0

5

10

15

20

25

30

35

40

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

195055 60 65 70 75 80 85 90 95200005 10 15 20 25 30 35 40 45 50 55 60 65

(%)(万人)

(年)

75歳以上

65~74歳

15~64歳

15歳未満

高齢化率

(右目盛)

推 計 4割弱

41

Page 42: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

6,648 6,404 6,149 5,880 5,587 5,268 4,942 4,640

60.0 58.1 56.7 55.5 54.4 53.2 52.0 50.9

0

10

20

30

40

50

60

70

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

2016 20 25 30 35 40 45 50

(%)(万人)

(年)

労働力人口 労働力率(右目盛)

42

2-3 労働力人口の減少:2050年の労働力人口は3割減

◯ 男女別・年齢階級別の労働力率が変わらなければ、2050年の労働力人口は3割減少

‧ 2016年の6,648万人から2050年には4,640万人へ減少

‧ 労働力率は2016年の60.0%から2050年には50.9%へ低下

【 労働力人口と労働力率の見通し 】

(注) 2016年は実績。2020年以降は、男女別、年齢5歳階級別の労働力率を2016年と同じとして算出(75歳以上は、2016年の75歳以上の労働力率を75~79歳の労働力率とし、80歳以上はゼロとして算出)。

(資料) 総務省「労働力調査年報」(2016年)、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」(2017年4月推計)より、みずほ総合研究所作成

3割減

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2-3 2020年代は年齢別人口が比較的安定、最後のチャンス

◯ 年齢別人口の変化は、2010年代後半に比べ2020年代が比較的緩慢

‧ 生産年齢(15~64歳)人口の減少幅も老年(65歳以上)人口の増加幅も共に縮小

――― 団塊ジュニア世代(1971~74年生まれ)が老年人口入りする2030年代後半までが鍵。

【 年齢3区分別人口増加数の推移(対前年比) 】

(注)老年人口数のピークである2042年までの、出生率中位・死亡率中位の推計値。(資料)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年4月推計)」より、みずほ総合研究所作成

▲120

▲100

▲80

▲60

▲40

▲20

0

20

40

60

80

100

2016 20 25 30 35 40 42

(万人)

(年)

年少人口

生産年齢人口

老年人口

人口総数

生産年齢人口の減少幅老年人口の増加幅

共に縮小老年人口の増加幅拡大

生産年齢人口の減少幅拡大

43

Page 44: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

44

2ー4 公平性・透明性の高い税制の必要性

Page 45: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

2-4.税収の確保と公平性・透明性の高い税制改革の必要性

45

(資料)日経新聞2018年2月25日

Page 46: 「高格付け安全資産」としてのJGBの重要性と財政 …...1-1 預貸ギャップとJGB金利 7 (1.0) 0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0 -300-250-200-150-100-50 0 50 100

2-4

46

◆日経記事(2018年2月25日)>税や社会保険料の負担増、会社員に頼る

(水平的公平性の確保)(垂直的公平性の確保)

◆日経記事(2017年12月8日)>「クロヨン」棚上げ ゆがむ税

自営業・農業者の所得捕捉率なお低く高所得会社員にしわ寄せ

(水平的公平性の確保)

◆ダイヤモンド(2016年6月29日)>富裕層の「税金逃れ」を封じれば消費増税は不要

になる(垂直的公平性の確保)

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2-4 現金保有比率の国際比較

47

(出所:日本銀行)

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【 財政政策に関するG20サミットの合意 】

48

(ご参考)財政金融政策の国際的潮流 : 国際合意では景気に配慮した機動的運営へ

◯ 南欧債務問題を背景とした緊縮重視の見方は、機動的財政運営の支持に変化。背景に世界経済の回復の弱さ

(資料) 外務省、G20 Information Centert(カナダ・トロント大)より、みずほ総合研究所作成

回復重視2009年4月2日ロンドン(英):成長を回復するために必要な規模の継続した財政努力を行う

2009年9月24・25日ピッツバーグ(米) :持続的な景気回復が確保されるまで政策対応を維持し、刺激策の時期尚早な撤回を回避

緊縮重視2010年6月26・27日トロント(加):先進国は2013年までに赤字を少なくとも半減、2016年までに政府債務・GDP比を安定又は低下

2010年11月11・12日ソウル(韓):トロント・サミットの方針踏襲。ただし同時的な財政緊縮による世界的な回復へのリスクに留意

機動性重視

2011年11月3・4日カンヌ(仏):先進国は財政健全化にコミット。ただし財政が健全な諸国(中国、ドイツ)は、仮に経済状況が大きく悪化する場合、自動安定化装置を機能させ、国内需要を支えるための裁量的措置を取る

2012年6月18・19日ロスカボス(墨):先進国は財政再建のペースが回復を支えるために適切であることを確保。財政的余力のある国は自動安定化装置を作動させると共に、景気悪化時には裁量的措置を準備。米国は2013年の急激な財政収縮を回避

2013年9月6日サンクトペテルブルク(露):先進国は持続可能な財政にコミットしつつ、成長と雇用を支えるため機動的姿勢を維持

2014年11月15・16日ブリスベン(豪):債務残高対GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、短期的な経済状況を勘案し、機動的に財政戦略を実施。なお、今後5年間で、G20全体のGDPを、現行政策を前提とした場合と比べて追加的に2%以上引き上げる目標設定(ブリスベン行動計画)

2015年11月15・16日アンタルヤ(土):ブリスベン・サミットを踏襲

2016年9月4・5日杭州(中)G20サミット:従来と比べ、財政の重要性をより強調。またイノベーションが成長戦略の柱に。「金融政策だけでは均衡ある成長を導くことはできない。構造改革の重要な役割を重視しつつ、我々の共通した成長目標を支える上で財政政策が等しく重要であることを強調する。財政の頑健性と政府債務GDPが持続な経路に留まることを確保しつつ、財政政策をより機動的に運営し、高品質な投資の優先を含む、より成長志向の税制及び公的支出としていく」「長期的には、各国経済及び世界経済全体にとってイノベーションが成長の主要なドライバーであると認識する。(中略)イノベーション、新産業革命、及びデジタルエコノミーの各分野及び横断的な政策及び手段を包含する新たなアジェンダとして『革新的成長のG20青写真』を承認する。この文脈において、構造改革の重要性を認識する。」⇒G20タスクフォースの設置、『G20 2016 イノベーション行動計画』の実行、『2016 G20 イノベーション・レポート』の公表など

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(ご参考)債務残高対GDP比国際比較

49

0

50

100

150

200

250

カナダ 米国 英国 フランス ドイツ 日本

(%)

(出所:OECD)

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0%

50%

100%

150%

200%

250%

300%

(ご参考)財政政策の余地

50

【 主要国の財政政策の発動余地(Fiscal Space)に係る指標 】

5年国

債の

CD

Sス

プレ

ッド

(過

去3カ

月平

均、

%)

債務残高対GDP比(2015年、%)

250

200

150

100

150

0

ギリシャポルトガル

マルタ

イスラエルスロベニア イタリア

スペイン

日本ベルギー

オーストリアアイルランド

韓国チェコ

オーストラリア

ニュージーランド

スウェーデン

ノルウェー

フィンランド

英国

フランス

米国カナダデンマーク オランダ ドイツ

0 50 100 150 200 250

信用リスク:高い

債務:重い

2012-15年に債務増加 2012-15年に債務安定 2012-15年に債務減少

大きい 小さいFiscal Space

【 IMF 財政余力に関する指標 】

安定(124~)

注意(70~124)

かなり危険(41-69)

重大な危険(0-40)

(出所:IMF、2014年時点)(資料)IMF「Fiscal Monitor」(April 2016)より、みずほ総合研究所作成

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0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

140%

2002

2004

2005

2006

2008

2009

2010

2012

2013

2014

2016

2017

2018

2020

2021

2022

2024

2025

2026

2028

2029

予測

日銀

ECB

FED

(ご参考)金融政策の余地

51

【中銀(FED・ECB・BOJ)のB/S対GDP比】 【中銀(FED・ECB・BOJ)の国債保有比率】

FED

ECB

(出所:日本銀行、FED、ECB)

(出所:日本銀行、FED、ECBより みずほ銀行試算)

・日銀 : 安倍首相の最長任期である2022年まで現在のペースでBSを拡大。以降、償還再投資を停止し、 BSを縮小。

・ECB : 2018年よりテーパリング開始。2021年より再投資を減額し、BSの縮小を開始。・FED :当初は毎月米国債$6bn、MBS$4bnを減額。以降、3ヵ月ごとに減額幅を増額。

試算

前提

日銀

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52

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