地質リスクへの取組み...• 5. oyoのリスクを調べる技術 • 6....
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社員講演 F OYOフェア2020ONLINE EXIHIBTION
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地質リスクへの取組み-不確実性を知るー
応用地質株式会社技術本部ジオデザインセンター宮本浩二
© 2020 OYO Corporation, All rights reserved.
本日の発表内容
• 1. 土木事業における社会情勢の変化
• 2. 地質・地盤の特性を知る
• 3. 地質リスクとは︖
• 4. 不確実性を低減するには
• 5. OYOのリスクを調べる技術
• 6. まとめ―地質リスクへの対応―
• 1. 土木事業における社会情勢の変化
• 2. 地質・地盤の特性を知る
• 3. 地質リスクとは︖
• 4. 不確実性を低減するには
• 5. OYOのリスクを調べる技術
• 6. まとめ―地質リスクへの対応―
※本発表では、近年の“地質・地盤リスク”に関わる動向を踏まえ、改めて地質調査の重要性とOYOが提供するリスクを調べる技術についてご紹介します。
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1. 土木事業における社会情勢の変化
土木事業では地質・地盤に起因したトラブルにより事業費の増大や工期遅延がこれまで度々発⽣。
博多駅前道路陥没事故(H28)は社会的関心を集め、土木事業の施策上、大きな転換点となった。
「土木事業における地質・地盤リスクマネジメントのガイドライン」(以下、ガイドライン)がR2年3月に策定。
品確法の改正( R元年)により、地質調査の品質が公共⼯事の品質確保を図る上で重要な役割を担うことが明文化。
事業に関わるリスクの一つとして、事業者側の地質・地盤に関わるリスクへの認識が⼀層⾼まりつつある。
福岡市交通局HPより
博多駅前道路陥没事故の状況
⼯事の品質確保、円滑な事業推進に寄与するため、事業パートナーとして地質・地盤リスクに対するソリューションが求められている。
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2. 地質・地盤の特性を知る
日本の地質は複雑で脆弱(火山・付加体・断層・変質帯・軟弱地盤)
地質の分布・性状は元来、不均質で複雑
地下にある地盤の状況は直接⽬で⾒ることができない(不可視)
地盤の物性値には“ばらつき”がある(⼈⼯構造物と異なる)
三河沢ダム(栃木県)の堤体基礎掘削面応用地質vol.43No.2(2002)
一社) 全国地質調査業協会連合会より引用
地質・地盤の特性上、地質調査で得られる情報には“不確実性”が伴う。
貫入岩
砂岩頁岩
10m
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3. 地質リスクとは︖
ガイドラインでの地質・地盤リスクの定義︓
=当該事業の目的に対する地質・地盤に関わる不確実性の影響
リスクの特徴は“不確実性”にあるといえる。
ISO31000(リスクマネジメント)の定義に準じている。ハザード(危機・危険)とは意味が異なる。
不確実性︓ 地質・地盤をリスク要因とする事象、その結果またはその起こりやすさに関する情報、理解または知識が部分的にでも⽋落している状態。地質・地盤条件の情報不⾜、推定・想定との乖離。
地質・地盤リスクの例(軟弱地盤上の盛⼟の場合)
地質・地盤リスク=軟弱地盤上での盛⼟で発⽣する不同沈下により工事費や工期等が変化すること
影 響︓ 事業の目的への影響。
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3.1 リスク発現事例からみたリスク要因
地質・地盤リスクマネジメントのガイドライン参考資料より引⽤
地質リスク学会主催の「地質リスクマネジメント事例研究発表会」の発表事例(H20〜H29)をもとにリスク発現の要因を分析。
予測・把握が
難しい地質
20%
地質調査の
質・量の不⾜
27%
解釈・工学的判
断の誤り
40%
情報共有・伝達
の不備 7%
地質に対する
知識不⾜ 4%
業務遂⾏上の問題 2%
N=75
これらのリスク要因に関する不確実性を事業全体で低減する取り組みが必要︕
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橋梁区間トンネル区間 土工区間
100m
仮設切⼟のり⾯の変状状況
地すべり
⾼速道路
T
3.2 施工段階で発生した地すべりの影響を地質調査で最⼩限に回避した事例
本間宏樹 ⼭根誠 村本将司 ⿊澤貴之 古川舞 ⽥中昌幸(2018)︓⾼速道路の施⼯中に顕在化した地すべりに対するマネジメント事例,第9回地質リスクマネジメント事例研究発表会講演論⽂集
当初の切⼟計画
軽石凝灰岩がすべり面
○リスク対応の効果(共用後に地すべりが発生した場合の対策費用)ー(実際の対応費用)=約40億円の費用効果
工学的判断の誤りや情報共有・伝達の不備等、教訓となる課題はあったものの、予兆を逃さずに適切に調査を実施し、関係者間の連携でリスクを最小限に回避。
ボーリング地点
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300m
地理院地図
大規模地すべり
3.3 調査段階で大規模地すべりの影響を回避した事例
小松慎二・遠藤司・山本寛(2009)北但地域における巨⼤地すべりの水文地質特性,第48回日本地すべり学会研究発表会講演要旨
一般国道9号笠次(かさなみ)峠防雪拡幅事業資料より引⽤
事業中L=3.1km
大規模地すべり
道路拡幅事業の調査段階において1km2に及ぶ大規模地すべりの存在を確認。
地すべりブロック下をトンネルで回避するルート案に変更。
事業の早期段階から調査を⾏うことで効果的にリスクの抽出が可能
国道
1km
トンネル
泥岩
地すべりすべり面
ひん岩
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4. 不確実性を低減するには
情報共有・伝達の不備
地質調査の質・量の不⾜
解釈・工学的判断の誤り
予測・把握が難しい地質
事業早期段階からの地質情報の取得
<対応すべきポイント>
地質調査の質・量の確保
地質学に基づいた正しい解釈
地質学・土木工学の総合的視点
不確実性に関する情報の伝達・共有
<主なリスク要因>
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4.1 地層の連続性に関する地質学的解釈の違い(ボーリングの例)
脇坂(2010)ダム地質におけるリスクマネジメント 社)建設コンサルタンツ協会ダム 発電専門委員会―平成22年度地質技術報告会講演要旨(原図︓岡本隆⼀)をもとに作図
同じボーリング情報でも地質学的解釈の違いによって地質断⾯図が異なるものになる(=不確実性)。
不確実性を少なくするには、ボーリングコアでの詳細な情報の取得に加え、地表露頭等の様々な情報を統合して解釈することが求められる。
②単斜構造、別々の地層
④褶曲構造 ➄混在岩③単斜構造、同一地層が断層でずれ
①水平構造
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N値の低い粘土は旧河道を埋積粘土層でなく火山灰層
盛土
4.2 地質情報の違いによる地質断⾯図の相違例
地質情報︓粒度、N値、層相
土木地質の達人編集委員会(2009)土木地質 達人の知恵より引用 加筆
N値0 30の粘土
盛土
地質情報︓粒度のみ
旧河道
地質情報の違いにより地質断面図(⼯学的評価)が異なるものになる
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土木工学地質学
4.3 リスクを⾒逃さない技術―リスクに気づく―
多種・多様な地質・地盤リスクに対応するには、地質学の専⾨領域と⼟⽊⼯学の知⾒を総合した技術が求められる。
堆積学
構造地質学
岩石学
⼟質⼒学
⽔理学 トンネル工学
岩盤⼒学
地盤工学
層序学
古生物学
鉱物学
地質図学
地震工学
応用地質学 ダム工学
橋梁⼯学 道路⼯学
河川工学
火山学
鉱床学
地球物理学
etc.etc.
地形学(⾃然地理学)
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5. OYOのリスクを調べる技術5.1 事業早期段階の調査手法
空中物理探査(⽐抵抗) レーダ衛星(SAR)による広域地盤変動解析
⽂献資料調査 地形判読
傾斜量図
陰影図
変動量経時変化図
事業の早期段階は⽤地⽴⼊り等の制約があるが、実施可能な調査を⾏うことで、事業に影響を及ぼすリスク要因を効果的に抽出できる。
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5.2 従来手法の地質調査の高品質化
高品質ボーリングコア
露頭観察(露頭洗浄・スケッチ)地表地質踏査
地質総合解析
地質学
地質学を根幹として従来の地質調査の高品質化を図ることで、地質・地盤に関わるリスク要因、事象を特定でき、不確実性を減じることに寄与。
コア観察
コア洗浄
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5.3 地質学に基づいた正しい解釈―地すべり調査の事例―
高品質ボーリングコアの樹脂固定標本(半割)・スケッチ
谷川 山根 仙石 山田(2016) 高品質コア サンプリングシステム(OYO HQCS-MS︓ハークス)の開発-ボーリング掘進状況の数値化と⾼品質コアによる地質情報の⾼精度化-,応⽤地質技術年報, No.35,2016
R1 R1
1cm
P
P
P
複合面構造の模式図左横ずれの場合
断層破砕帯が発達し、断層かすべり面かの判定が困難なケース。 高品質ボーリングコアと構造地質学に基づいた観察によってすべり面を特定した。
すべり面のせん断変形構造 σ(シグマ)組織
10cm
←斜面下方
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5.4 イノベーションを活⽤したリスクの⾒える化
ドローンLP測量による詳細地形データ ハンドヘルド型LP測量による微地形の把握
三次元物理探査(微動アレイ)ハンドヘルド蛍光X線分析計による重⾦属の現地判定
S波速度分布
浮石の点群データ
浮石
従来手法の地質調査の高品質化とイノベーションの活⽤でリスクを⾒える化し、リスクの⾒逃し・⾒誤りの防⽌を図る。
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3次元デジタル地盤モデル(プラットホーム)
計画構想段階 調査設計段階 施工段階
×イノベーションの活用
従来調査手法の高品質化事業早期段階で可能な調査
リスク要因を効果的に抽出
5.5 事業段階に応じたソリューションの提供
残存リスクの確実な申し送り
地質・地盤技術者と設計技術者の社内連携
DXで実現︕
事業の流れ
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6. まとめ―地質・地盤リスクへの対応―
地質・地盤の特性上、地質調査の情報には不確実性が伴う。
不確実性を減じるには、地質調査の質・量の確保と、地質学に基づいた正しい解釈をいかに⾏うかが重要。
OYOの“リスクを調べる技術”で事業段階に最適なリューションを提供します。
OYOは従来手法の地質調査の高品質化とイノベーションを組み合わせで“リスクを⾒える化”し、リスクの⾒逃し・⾒誤り防⽌に寄与します。
事業の早期段階から調査に着手することで、リスク要因の抽出を効果的に。
OYOは三次元技術×DX(デジタルトランスフォーメーション)を通じて地質・地盤リスクにこれからも取り組んでいきます。
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ご視聴ありがとうございました関連展⽰︓
01-3 地質・地盤リスクへの取り組み併せてご覧ください